2025年10月期有価証券報告書より

リスク

3【事業等のリスク】

本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財務状況、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは以下のとおりであります。

当社グループは、これらのリスク発生の可能性を十分に認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であり、リスク管理委員会及びその下部機関であるコンプライアンス推進委員会、情報セキュリティ管理委員会において、取締役会や経営会議と連携しながら、リスクマネジメントを行う体制を整備しております。詳細は「第4 提出会社の状況 4.コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載のとおりであります。

なお、文中における将来に関する事項は別段の記載のない限り、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。また、記載内容は当社株式への投資に関するリスク全てを網羅するものではなく、当社株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討したうえで行われる必要があると考えております。

 

(1)事業環境の変化に関するリスク

① 経済環境について

(顕在化可能性:中/影響度:中/顕在化する可能性のある時期:特定時期なし)

経済情勢の悪化等に伴う株式市場の低迷や縮小により、資金調達を行う株式発行体の減少や、投資家の投資意欲の減退が起こり、当社の提供する未上場企業株式への投資プラットフォームの利用が減少することで、株式の発行や売買等における各種手数料収入が減少する可能性があります。これらは、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(リスクへの対応策)

「FUNDINNO」は主にアーリーステージやミドルステージのスタートアップを対象としており、投資家は当該スタートアップが展開する事業の社会的意義や成長性に注目して投資するため、好景気時に投資意欲が高くなる傾向があります。一方、「FUNDINNO PLUS+」は、主にレイターステージのスタートアップの大型資金調達を支援しており、主な投資家層である富裕層は、好景気時はもちろん、景気低迷時においても事業の成長性に比べた割安な株価に注目して投資する傾向があります。当社グループは、このような景気感応度の異なるサービスの提供により、経済環境や株式市場の変化に合わせてスタートアップと投資家との適切なマッチングを図り、成約金額の積上げに努めております。

 

② 競合について

(顕在化可能性:中/影響度:中/顕在化する可能性のある時期:特定時期なし)

金融商品取引法及び関連法令の改正や整備により、未上場企業への株式投資に対する法規制が整備され、未上場企業への株式投資サービス市場は、特定投資家向け銘柄制度(J-Ships)において大手証券会社の参入が相次ぐ等、新規参入をはじめとした競争環境の変化が生じております。また、未上場企業への投資機会として、社債や所謂ソーシャルレンディングなどの間接的な投資を含め、様々な未上場企業への投資機会が提供されております。これらの競合他社又は類似サービスに比べ、当社の競争力が維持できない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(リスクへの対応策)

当社は、未上場企業への株式投資サービスにおいて、金融商品取引業等のライセンスの取得、それに準拠した継続的なシステム開発、スタートアップや投資家の継続的な獲得、それらの審査や投資実行管理等のプロセス構築等の参入障壁があると考えております。当社は2015年11月の設立以来、これらに取組んできており、一定の先行優位性を確立していると考えております。このような優位性を持つ当社にとって、未上場企業への直接又は間接的な投資機会の増加により未上場企業への投資市場が拡大することは、当社の事業成長に寄与するものであると捉えており、その中で未上場企業への株式投資市場でのシェアの拡大を図っております。

 

③ 技術革新等に係るリスク

(顕在化可能性:低/影響度:小/顕在化する可能性のある時期:特定時期なし)

当社グループは、展開しているサービスにおいてインターネット環境を用いたシステムを提供しており、継続的な開発投資を行っております。今後も、事業成長において必要と考えられるシステム開発投資は継続的に行っていく方針ですが、当社グループがサービスを提供しているインターネット環境は、技術進歩のスピードが速く、当社グループの想定以上又は想定外の技術革新等により、当社グループの競争力が維持できない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(リスクへの対応策)

当社グループは、システム開発本部やセキュリティ本部を中心に、先端技術や最新技術に関する情報を入手し、既存サービスへの影響や組み込みの可能性を検討しております。また、それらを有するスタートアップとの連携などにより技術革新への対応を行うことを検討しております。

(2)当社グループの事業活動に関するリスク

① 「FUNDINNO」「FUNDINNO PLUS+」及び「FUNDINNO MARKET」「FUNDINNO MARKET PLUS+」で取扱う未上場企業株式に関するトラブルについて

(顕在化可能性:低/影響度:中/顕在化する可能性のある時期:特定時期なし)

当社では、当社の提供するサービスを利用して資金調達や株式売買が行われる場合、株式発行体に対し、当社規定の審査を行っております。しかしながら、未上場企業の株式は、一般に換金性が低く、元本や配当金の支払いが保証されているものではなく、また株式発行体の経営状況により、投資家が投資した株式価値が毀損するおそれがあります。投資家に対する説明不足あるいは投資家との認識の不一致などによって、投資家が想定していない損失が生じた場合には、投資家とのトラブルやクレーム、損害賠償請求等が発生する可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(リスクへの対応策)

当社は、スタートアップ企業の資金調達ニーズに対し、財務諸表や資金繰り、事業計画、経営者へのインタビューなど基に、足元の事業や今後の成長性などを検討し、初期的なスクリーニングと本格的な審査を通過した企業を案件として取扱っております。多くのスタートアップ企業の審査を行っている中で得たノウハウの蓄積に加え、審査担当者のスキルアップを継続的に行い、さらに生成AIなどを活用した体制の構築など、投資家保護のための審査体制の強化に努めております。同時に、投資家が当社のサービスを利用するにあたっては当社が取扱う未上場企業株式についてのリスク、留意点等について、重要事項説明書や契約締結前交付書面にて同意を得たうえで、投資家の判断のもと利用いただくこととしております。

 

② 「FUNDINNO」「FUNDINNO PLUS+」及び「FUNDINNO MARKET」「FUNDINNO MARKET PLUS+」を利用する投資家の集客について

(顕在化可能性:低/影響度:中/顕在化する可能性のある時期:特定時期なし)

当社では、デジタルマーケティングや営業活動等によって投資家の獲得を行っております。これらの投資家は、資金調達をする未上場企業の潜在的な成長力やキャピタルゲインのみならず、当該未上場企業が設定する株主優待制度、当該未上場企業が展開する事業に対する共感などによって投資を行っておりますが、一方で、投資を受けながら事業継続を断念する企業もあり、そのような事象が多発した場合、新たな投資家の獲得、投資資金の拡大が困難になり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(リスクへの対応策)

当社は、募集開始前の案件選定会議にて当該未上場企業の潜在的な成長性や財務の健全性、経営者の資質などを多角的に検討したうえで、募集開始することとしており、数多くの未上場企業の審査を積み重ねることによって、より魅力的な募集案件の開示の精度を高めております。

 

③ 「FUNDINNO」「FUNDINNO PLUS+」及び「FUNDINNO MARKET」「FUNDINNO MARKET PLUS+」を利用する未上場企業の集客について

(顕在化可能性:低/影響度:中/顕在化する可能性のある時期:特定時期なし)

当社では、様々なチャネルを通じて未上場企業の獲得を行っております。これら未上場企業は、従来、ベンチャーキャピタルからの投資や、担保などに裏付けされた信用力に基づく銀行からの融資などが主な資金調達の手法であったところ、当社が提供するサービスにより個人の金融資産から直接資金調達をすることができるようになったこと、また、政府が掲げる「スタートアップ育成5か年計画」など政策的な後押しがあること等を背景に、当社のサービスにより資金調達を希望する未上場企業は増加傾向にあります。一方で、同時に、ベンチャーキャピタルの増加やベンチャー企業への融資手法の多様化などにより、未上場企業に対して資金供給を行う投資主体も増加傾向にあるため、当社が資金調達を希望する未上場企業の集客で伸び悩んだ場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(リスクへの対応策)

当社は、広報などを通じて当社及び当社のサービスの認知度を継続的に上げるとともに、未上場企業の成長性や財務状況、経営者の資質などの審査を経た募集案件のマーケティングを強化し当該企業の資金調達の成約率を向上させること等を通じて、多くの未上場企業の獲得に努めております。

 

④ 新規サービス及び新規事業について

(顕在化可能性:中/影響度:中/顕在化する可能性のある時期:特定時期なし)

当社グループは、未上場企業へのリスクマネーの循環サイクルや資金調達規模に合わせて、複数のサービスを提供しておりますが、さらなる顧客価値の最大化及び収益機会の多様化を図るため、また、法改正や顧客ニーズの変化に合わせ、事業成長に有益と判断した場合、新規サービスや新規事業を展開していくことがあります。これらの展開にあたって、当社グループの想定した事業計画が達成できない場合等においては、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(リスクへの対応策)

当社グループは、新規サービスあるいは新規事業を展開する際には、その採算性等について十分な検討を行い、必要な人材やノウハウ等の経営資源を確保しつつ、採算の確保や事業計画の達成の蓋然性を高めながら実行しております。

 

⑤ 特定の経営者への依存及び特定の取引先との取引について

(顕在化可能性:低/影響度:中/顕在化する可能性のある時期:特定時期なし)

当社の代表取締役CEO柴原祐喜及び代表取締役COO大浦学は、当社の創業者であり、両者は、設立以来、経営方針や事業戦略の決定等、当社グループの事業活動全般において、重要な役割を果たしております。また、株式会社JCCは当社の大株主であり、両者が一体となって中長期的に当社グループの経営と企業価値向上に臨むことをコミットするために共同で設立した資産管理会社(両者の出資比率は50:50)であります。しかしながら、将来何らかの事由により創業者による当社グループの業務執行が困難となった場合、あるいは株式会社JCCの円滑な運営に支障をきたした場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社の執行役員平石智紀が代表者を務める株式会社アクリアに対して、当社のプラットフォームで資金調達を検討する発行会社の事業計画策定支援の一部を委託しております。当該取引については、取締役会で適切に検討・承認を行う体制を整えておりますが、その適正性が確保できなかった場合には、適切な業務運営が困難となる可能性があります。

(リスクへの対応策)

当社グループでは、執行役員制度の導入や人材育成、内部管理体制の整備等により、創業者へ過度に依存しない体制を構築しております。共同の資産管理会社である株式会社JCCの事業運営は両者の合意により決定されることを確認する覚書を三者間(代表取締役CEO柴原祐喜、代表取締役COO大浦学、株式会社JCC)で締結しております。また、創業者による当社グループの業務執行が困難となった場合に備えて、株式会社JCCを通じた当社グループへの出資が社外へ意図せずに流出しないための株式スキームの導入を予定しており、上場後速やかにこの措置を講ずることを同覚書により合意しております。株式会社アクリアへの業務委託は、社員による内製化及び他の外注先への委託を進めて同社への委託割合を抑え、徐々に解消させていく予定であります。

 

⑥ 先行投資について

(顕在化可能性:中/影響度:中/顕在化する可能性のある時期:特定時期なし)

当社グループが提供するサービスは、システム開発、投資家及びスタートアップの獲得のための営業人員の採用並びに広告宣伝活動等の先行投資を必要とするため、積極的にこれらの投資を行ってきた結果、当社グループは創業から2024年10月期までの間、営業赤字を継続して計上しました。今後も、当社グループが提供するプラットフォームの価値を高めるべく、機能拡充のためのシステム開発や、より多くの投資家及びスタートアップの獲得のための営業活動並びに広告宣伝活動を行っていく予定でありますが、想定どおりの効果を得られなかった場合には、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

(リスクへの対応策)

当社グループでは、投資にあたっては、収益性の向上と投資回収までの期間、投資回収後の採算性の向上等を総合的に検討し、その投資対効果を十分に見極めつつ、投資を実行しております。また、投資対効果の事後的な検証も継続的に行うことで、より効果的かつ効率的な投資を実行してまいります。

 

⑦ 人材確保及び育成について

(顕在化可能性:低/影響度:中/顕在化する可能性のある時期:特定時期なし)

当社グループは、今後の事業拡大のため、優秀な人材の確保及び育成は重要な経営課題であると認識しており、短期的にはプライマリー領域拡大のための人材確保が当社グループの成長にとって不可欠であります。当社グループは、積極的な人材採用と研修等の充実による人材育成に取組んでいく方針でありますが、事業計画に沿った人材採用や効果的な人材育成等が実施できず、優秀な人材の確保が計画どおりに進まない場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(リスクへの対応策)

当社グループは、株式会社FUNDINNO GROWTHで人材紹介サービスを展開しており、その採用ノウハウも活用しながら優秀な人材の確保を進めるとともに、サーベイを活用した人材の定着を促進し、さらには、OJTによる人材育成を行い、組織のレジリエンスを高めております。

 

⑧ 小規模組織であることについて

(顕在化可能性:低/影響度:小/顕在化する可能性のある時期:特定時期なし)

当社グループは、本書提出日現在において、小規模な組織となっており、会社規模に応じた内部管理体制や業務執行体制を構築しております。今後の事業拡大に応じて、必要な人員の確保を進めてまいりますが、業容拡大に応じた人員の確保ができない場合には業務執行に支障が生じる可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(リスクへの対応策)

当社グループは、事業の拡大に伴う人員採用を計画的に行っており、同時に、ハイタッチでクライアントにきめ細かく接する業務とDX化を進める労働集約的な業務に切り分け、前者は積極的に採用を推進し、後者は抑制的に取組むなど、採用方針に優先順位を設けております。このように、人材採用を推進すると同時に、業容の拡大と人員の確保の相関性の低下も図っております。

 

⑨ システムリスクについて

(顕在化可能性:低/影響度:小/顕在化する可能性のある時期:特定時期なし)

当社グループの事業は、主としてインターネットを通じてサービスを提供しており、システムトラブルの発生可能性を低減し、安定的なサービス提供を行うため、設備投資やセキュリティ強化等の取組みを行っております。しかしながら、自然災害や事故等による通信障害、アクセスの急増、ウイルスや不正アクセス、人為的なミス等によりシステムトラブルが発生した場合、当社グループのサービスの中断やそれに伴う当社グループのサービスへの信頼性の低下、損害賠償請求等が発生する可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(リスクへの対応策)

当社グループは、このようなシステムリスクに対し、システムの冗長性に関する取組みや、システムに応じた様々なセキュリティ対策の強化を継続的に行っております。また、BCP(事業継続計画)の策定をはじめ、テレワーク環境の構築、インシデント発生時のマニュアル策定など、必要な安全対策や事業継続、早期復旧の体制構築を行っております。

 

⑩ 風評リスクについて

(顕在化可能性:低/影響度:大/顕在化する可能性のある時期:特定時期なし)

当社グループ及び当社サービスに対する否定的な書き込みがインターネット上等で発生し、その書き込みを要因とした SNS等での拡散やマスコミ報道等による風評被害が発生・拡散した場合には、それが事実に基づくものであるかどうかにかかわらず、当社の経営成績及び財政状態、並びに社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。

(リスクへの対応策)

当社グループでは、風評被害を生まないようサービスの質の向上に努めるとともに、風評が生じる原因となるような行動を厳に慎むよう全社員への教育・研修・指導を行っております。また、インターネットやSNS等を通じて最新の情報収集を行い、早期のリスク把握に努めております。

 

⑪ 犯罪収益移転防止法及び反社会的勢力との取引排除への未対応リスクについて

(顕在化可能性:低/影響度:大/顕在化する可能性のある時期:特定時期なし)

「犯罪による収益の移転防止に関する法律」(犯罪収益移転防止法)は、テロ資金や犯罪収益の追跡のための情報確保とテロ資金供与及びマネー・ロンダリング等の利用防止を目的として、顧客の本人確認及び記録の保存を義務付け、顧客管理体制の整備を促しております。これらの犯罪行為に加え、反社会的勢力が身元を隠して当社グループと取引を行おうとする可能性があります。

当社グループにおいて何らかの事由によりかかる法令に違反する事象や反社会的勢力との取引を排除できなかった事象が発生した場合、行政処分や当社グループの信頼失墜等により、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。

(リスクへの対応策)

当社グループでは、犯罪による収益の移転防止に関する法律に基づき、当社グループ所定の本人確認書類等を顧客から徴収して本人確認を行うとともに反社会的勢力に該当しないことの確認を行い、顧客カードを作成して本人確認記録及び取引記録を保存するなど、法令遵守を徹底しております。また、金融商品取引法や株式投資型クラウドファンディング業務に関する規則その他関連法令に基づき、投資家及び利用する未上場企業への審査における反社会的勢力排除のための体制を構築しております。

 

(3)当社の財務活動に関するリスク

① 当社の収益構造について

(顕在化可能性:中/影響度:大/顕在化する可能性のある時期:特定時期なし)

当社グループにおいて、プライマリー領域における営業収益が連結営業収益の88.5%を占めております(2025年10月期)。その営業収益は、スタートアップ企業が当社のプラットフォームで行った資金調達が成約した時点で収受する成約手数料であり、2022年11月に開始した大型の資金調達を支援する「FUNDINNO PLUS+」により、営業収益が損益分岐点を超える水準に増加してきております。

しかしながら、当該営業収益は成約時にのみ発生するフローの収入であり、そのため、当社のプラットフォームを活用したスタートアップの資金調達が何らかの理由で当社の想定を下回った場合、営業収益が損益分岐点を下回り、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(リスクへの対応策)

当社グループはこのようなリスクに対して、個人や特定投資家に加えて、法人や機関投資家の獲得をするなどして投資ポテンシャルの増加を図ると同時に、特にレイターステージのスタートアップを獲得する仕組みを構築することで、連続的な営業収益の計上を図っております。また、プライマリー領域のみならず、今後、グロース領域やセカンダリー領域のサービス展開を強化することにより、収益機会の多層化も図っております。

一方、費用については、ハイタッチでクライアントにきめ細かく接する業務と労働集約的な業務に切り分け、後者はDX化を進めることで、費用の増加の抑制を図り損益分岐点を下げるよう努めております。このような取組みを通じて、利益の出やすい財務体質の定着を図っております。

 

② 税務上の繰越欠損金について

(顕在化可能性:高/影響度:小/顕在化する可能性のある時期:数年以内)

当社には、2025年10月期末時点において税務上の繰越欠損金が存在しております。当社の業績が順調に推移することで繰越欠損金が解消されるにつれて通常の税率に基づく法人税、住民税及び事業税や法人税等調整額が計上され、1株当たり当期純利益や営業収益当期純利益率等に影響を及ぼす可能性があります。

(リスクへの対応策)

当社グループは、適正な税金を納めることは納税者としての責務であると認識しております。適正かつ合理的な税務プランニングにより税務リスクを軽減させ、それを適切に業績予想に織り込んで市場と対話してまいります。

 

③ 繰延税金資産の回収可能性について

(顕在化可能性:中/影響度:大/顕在化する可能性のある時期:特定の時期なし)

税効果会計における繰延税金資産の回収可能性は、企業の分類に基づき判断しております。当社グループの将来の業績や事業計画の見直しにより、企業分類の変更が生じた場合、繰延税金資産の評価性引当額が増加することとなります。この場合、当該評価性引当額の計上額が、当社の連結業績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。

(リスクへの対応策)

当社グループは、将来の事業計画の策定にあたっては慎重な見積りを行っており、また定期的に回収可能性の評価を見直すことで、適切な会計処理に努めております。

 

④ 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について

(顕在化可能性:高/影響度:小/顕在化する可能性のある時期:特定時期なし)

当社グループは、役員及び従業員に対し、中長期的な企業価値向上に対するインセンティブを目的として、ストック・オプションである新株予約権を付与しております。

本書提出日現在における新株予約権による潜在株式数は4,127,600株であり、発行済株式総数23,810,101株の17.3%に相当します。また、今後もストック・オプション制度を活用する可能性があります。今後、新株予約権の行使が行われ、当社株式が新たに発行された場合には、既存株主が保有する株式価値が希薄化する可能性があります。

(リスクへの対応策)

当社の潜在株式比率は比較的高い水準にありますが、中長期的な業容拡大及び企業価値向上への貢献意欲や士気を高めるために、ストック・オプションの付与は有効な施策の一つと考えております。第12回新株予約権から第16回新株予約権については、新株予約権の割当契約書に、割当日あるいは当社株式上場日以降1年ごとに付与個数の4分の1を行使できること、かつ年間の行使価額の合計額が3,600万円以下となる範囲で行使できることと定めており、全ての新株予約権を行使するまでに4年以上を必要とし、緩やかに希薄化する仕組みとしております。また、潜在株式比率を20%程度を上限とする方針であり、今後も適切に管理してまいります。

 

⑤ 株主還元について

(顕在化可能性:低/影響度:小/顕在化する可能性のある時期:特定時期なし)

当社は、株主還元を経営上の重要な課題と認識しており、配当原資確保のための収益力を強化し、中長期的には継続的かつ安定的な配当を行うことを基本方針としております。当社は、将来において、経営成績及び財政状態を勘案しながら株主還元を行っていく方針ではありますが、現時点において今後の株主還元の実施時期等については未定であります。

(リスクへの対応策)

当社グループは現在、事業成長の過程にあり、内部留保の充実を図り、さらなる成長に向けた事業投資の財源として資金を有効活用することが最大の株主還元に繋がると考えております。

 

(4)法的規制・訴訟に関するリスク

① 人材紹介業に係る法的規制について

(顕在化可能性:低/影響度:小/発生可能性のある時期:特定時期なし)

当社グループは、株式会社FUNDINNO GROWTHにて営んでいる人材紹介業について、職業安定法に基づく有料職業紹介業の許可を受けております。当社グループは、職業安定法及び関連法令の定めに従い事業を行っており、現時点において、同法及び関連法令に定める欠格事由への該当や法令違反等の事実はないと認識しております。しかしながら、将来何かしらの事由により欠格事由への該当や法令違反等が発生し、許可の取消しや事業停止又は改善命令を受けた場合には、当社グループの事業活動に支障をきたすとともに、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(リスクへの対応策)

当社グループ会社である株式会社FUNDINNO GROWTHに対する労働基準法、職業安定法、労働者派遣法等法規制の遵守管理体制として、まず毎月ヒヤリハットを含めた事務過誤・法令違反等不備事象の有無を自主点検ベースでの確認・報告体制をとっており、コンプライアンス推進委員会にてヒアリングを含めチェック確認しております。また、上記関連法制の改訂等の有無は、毎月の上記委員会にて確認のうえ周知しております。株式会社FUNDINNO GROWTHへの顧客からの苦情・申し出等もコンプライアンス部への報告フローで対応しており、法令違反等不備事象の未然防止・早期対応体制を整えております。

 

なお、株式会社FUNDINNO GROWTHが取得している人材紹介業にかかる許認可は下記のとおりであり、本書提出日現在で許認可の継続に問題となる事象は発生しておりません。

取得年月日

許認可等の名称

所管官庁等

許認可等の内容

有効期限

法令違反の要件及び主な許認可取消事由

2019年5月1日

有料職業紹介事業許可

厚生労働省

13-ユ-310754

2027年4月30日

職業安定法の定める欠格 事由に該当した場合等

 

② 個人情報等の管理について

(顕在化可能性:低/影響度:大/顕在化する可能性のある時期:特定時期なし)

当社グループは、事業活動において取得した顧客の個人情報や取引先の機密情報等の保護について、個人情報保護法等の関連法令を遵守するとともに情報セキュリティ基本規程及び取扱要領を整備し、管理体制の確立を図っております。また、顧客情報の取扱いについてはプライバシーポリシーを公表しております。しかしながら、不測の事態により当社グループの保有する個人情報等が外部に流出した場合、当社サービスへの信頼性が低下するとともに、損害賠償請求等が発生する可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(リスクへの対応策)

当社グループは、未然防止として、セキュリティ本部を設置して情報セキュリティの強化に継続的に取組んでおります。また、情報セキュリティ委員会にて当社グループの情報セキュリティに関わる運用状況をモニタリングし、毎月リスク管理委員会にそのモニタリング状況を報告すると同時に、各部門と連携して情報セキュリティの改善に取組んでおります。加えて、事後の対策として、インシデントに備えたサイバーリスク保険に加入し、対応費用の負担に備えております。

 

③ 知的財産権について

(顕在化可能性:低/影響度:中/顕在化する能性のある時期:特定時期なし)

当社グループは、事業の実施等にあたり、第三者の知的財産権に関して、特許庁のホームページで権利の状況を確認するなど、権利侵害となるものの有無の確認、弁護士への相談等の対応を図っております。しかしながら、当社グループの認識していない知的財産権が既に成立していることにより当社グループの事業運営が制約を受ける場合や第三者の知的財産権侵害が発覚した場合等においては、信用失墜や損害賠償請求等が発生し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(リスクへの対応策)

当社グループは、未然防止として、新たなサービスの開発や商標を登録する場合、特許庁のホームページで権利の状況を確認し、第三者の知的財産権の侵害が疑わしい場合は、弁護士や弁理士と連携してその未然の防止に努めております。事後において第三者の知的財産権を侵害していることが発覚した場合は、弁護士や弁理士と連携して早期に解消させることとしております。

 

④ 第三者との係争について

(顕在化可能性:低/影響度:中/顕在化する可能性のある時期:特定時期なし)

当社グループは、投資家が当社グループの提供するサービスを利用するにあたり、リスク等を含め十分な説明を行い、投資家の同意のもとサービスの提供を行っております。また、コンプライアンスの充実が経営の最優先課題であると捉え、コーポレート・ガバナンスの強化を図っております。

現時点において当社グループは、投資家及び第三者との間で重要な訴訟やクレームといった問題は発生しておりませんが、将来何らかの事由により訴訟等が発生した場合には、訴訟等の内容及び結果によっては、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(リスクへの対応策)

当社グループと顧客との訴訟、調停、特定非営利法人証券・あっせん等が発生した場合は、当社「苦情・紛争処理要領」に従い、コンプライアンス部が統括部署として、対応方針の策定、関係部署の指導監督、顧問弁護士との連携、進捗管理から対外報告まで担当し、早期解決、リスク低減を図ります。当社創業以来、上記事象の発生は現状ございません。

 

⑤ 内部管理体制について

(顕在化可能性:低/影響度:中/顕在化する可能性のある時期:特定時期なし)

当社グループは、今後さらなる業務拡大を図るため、コーポレート・ガバナンスが有効に機能するとともに、適切な内部管理体制の整備が必要不可欠であると認識しております。業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保のための内部統制システムの適切な整備・運用、さらに法令・定款・社内規程等の遵守を徹底しておりますが、事業の急速な拡大により、十分な内部管理体制の整備が追いつかない状況が生じる場合には、適切な業務運営が困難となり、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(リスクへの対応策)

今後の事業規模の拡大に応じた内部管理体制を構築できるよう、コーポレート本部や内部監査体制の人材を強化するとともに、コーポレート・ガバナンスの重要性を教育研修等を通じて社内で共通認識とし、内部管理体制の一層の充実を図っております。

 

(5)金融商品取引業に係る固有のリスク

① 金融商品取引業の許認可について

(顕在化可能性:低/影響度:大/顕在化する可能性のある時期:特定時期なし)

当社は、主要な事業である金融商品取引業務について、金融商品取引法に基づく第一種少額電子募集取扱業及び第一種金融商品取引業の登録を受けております。金融商品取引業者は、金融商品取引業又はこれに付随する業務に関し、法令又は法令に基づく規定に違反した際には、登録又は認可の取消し、一定期間の業務停止又は何らかの改善命令を受ける可能性があります。現時点において当社は、これらの取消事由、業務停止又は業務改善事由に該当する事実はないと認識しております。しかしながら、将来何らかの事由により登録等の取消しを命じられた場合や業務停止又は改善命令を受けた場合には、当社の主要な事業活動に支障をきたすとともに、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。特に、第一種金融商品取引業の登録に関して将来何らかの事由により登録等の取消しを命じられた場合や業務停止又は改善命令を受けた場合には、重大な影響を及ぼす可能性があります。

(リスクへの対応策)

当社は、財務省関東財務局へ当社の財務・人的態勢、内部統制等登録要件を認められて第一種少額電子募集取扱業及び第一種金融商品取引業の登録を受けております。そしてこの登録要件を逸脱しないため、日々内部管理態勢の強化に取組み、且つ関東財務局、日本証券業協会等との連絡・報告等連携を密にとっております。

なお、当社が取得している金融商品取引業にかかる許認可は下記のとおりであり、本書提出日現在で許認可の継続に問題となる事象は発生しておりません。

取得年月日

許認可等の名称

所管官庁等

許認可等の内容

有効期限

法令違反の要件及び主な許認可取消事由

2016年10月13日

第一種少額電子募集取扱業登録

金融庁

関東財務局長(金商)第2957号

金融商品取引業又はこれに付随する業務に関し法令又は法令に基づく規定に違反した場合等

2021年10月22日

第一種金融商品取引業登録

金融庁

関東財務局長(金商)第2957号

金融商品取引業又はこれに付随する業務に関し法令又は法令に基づく規定に違反した場合等

 

② 金融商品取引業に係る法的規制等について

(顕在化可能性:低/影響度:大/顕在化する可能性のある時期:特定時期なし)

当社は、金融商品取引業を営むにあたり、金融商品取引業の登録を受け、金融商品取引法及び関連法令を遵守することが求められております。また、自主規制機関である日本証券業協会の会員であり、これら諸団体が定める法令や諸規則等を遵守することも求められております。当社は、法令や諸規則等にて求められる管理体制を整備し、健全かつ適切な業務運営を行うとともに、定期的なコンプライアンス研修の実施等により役員及び従業員のコンプライアンス意識の向上に努めておりますが、将来何らかの事由により法令違反等が発生した場合や当社の業務に関連する法令や諸規則等の変更が行われた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(リスクへの対応策)

当社は、法令諸規則等の遵守のため、絶えず内部管理態勢の強化に取組んでおります。コンプライアンス状況分析と適切な対応を経営陣と共有して図るため、毎月コンプライアンス推進委員会、情報セキュリティ管理委員会を開催のうえ、リスク管理委員会にて全体リスクマネジメントを図っております。また、社員のコンプライアンス水準向上に向けて、毎月全役職員対象にコンプライアンス研修・訓練を実施しており、受講率100%を必達としております。もし法令違反が発生した場合は、社内フローに則しコンプライアンス部が統括部として状況把握、対外報告、原因分析改善指導にあたります。法令変更等には、随時コンプライアンス部がチェック確認し、委員会等で周知徹底しております。

 

③ 自己資本規制比率について

(顕在化可能性:低/影響度:大/顕在化する能性のある時期:特定時期なし)

金融商品取引業者は、金融商品取引法及び関連法令に基づき、金融商品取引業者の経営の健全性を確保するため、自己資本規制比率を法令で120%以上に維持することが求められております。将来何らかの事由により定められた自己資本規制比率を維持できない場合には、金融商品取引業者の登録等の取消しを命じられる可能性や業務停止又は改善命令を受ける可能性があり、当社グループの主要な事業活動に支障をきたすとともに、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(リスクへの対応策)

当社の2025年10月期末における自己資本規制比率は649.7%と法令で定める維持基準を超えておりますが、算定の分子となる固定化されていない自己資本の額及び分母となるリスク相当額を常時モニタリングし、自己資本規制比率が法令で定める一定比率を超えて維持していることを確認しております。

 

④ 顧客資産の分別管理について

(顕在化可能性:低/影響度:大/顕在化する可能性のある時期:特定時期なし)

金融商品取引業者は、金融商品取引法及び関連法令に基づき、当社に経営破綻等が生じた場合に投資家から預託された資産を円滑かつ安全に返還できるよう、投資家から預託された有価証券及び金銭については、自己の資産とは分別して管理することが義務付けられております。当社では、上記法令に基づいた社内規程に従い、投資家から預託された有価証券及び金銭を適切に分別管理しておりますが、これら分別管理が十分でないと判断された場合には、監督官庁による処分や命令を受ける可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(リスクへの対応策)

当社は、投資家から預託された資産を円滑かつ安全に返還できるよう、内部管理体制を確立し、分別管理に関する規程を定めております。また、要信託額が不足することがないように、投資家からの預かり資産の他に当社自身の資金を追加で信託銀行に預け入れる対策も行っております。

 

⑤ 投資者保護基金について

(顕在化可能性:低/影響度:中/顕在化する能性のある時期:特定時期なし)

当社は、投資者保護を目的として、日本投資者保護基金に加入しており、当社を含む会員が破綻した場合は、投資者が当該破綻した会員に預託した証券及び金銭について、一人あたり10,000千円を上限として保護されることとなっております。しかしながら、会員となっている金融商品取引業者の破綻に際して、投資者保護のために支払われる総額が、当該基金の積立総額を上回る場合には、当社を含む会員に対し、臨時拠出を求められる可能性があります。この場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(リスクへの対応策)

当該基金に加入している以上、臨時拠出を求められた場合には、それに応じる必要がありますが、当社はそのような場合に備えて手元流動性を確保・維持し、財政状況は堅牢な状態を築いております。

 

⑥ 業務処理について

(顕在化可能性:低/影響度:中/顕在化する可能性のある時期:特定時期なし)

当社グループは、規則やマニュアルの整備などにより、役員及び従業員による業務処理に係るリスク軽減に努めておりますが、リスクの原因を全て排除することは極めて困難であり、業務処理の過程において事務ミス、事故又は不正等により損失が発生する可能性があります。役員及び従業員による業務処理上のミス等に起因する事故や不正等により損失が発生した場合、当社グループの信頼性の低下や損害賠償請求等が発生する可能性があり、当社グループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。

(リスクへの対応策)

当社グループは、規則やマニュアルの整備などを行い、また、適宜それらを見直し、内部監査はそれらの整備状況やそれらに沿った業務処理が行われているかモニタリングを継続的に行っております。また、システム化を進めて属人的な業務の排除に取組んでおります。これらを通じて業務処理に係るリスクの低減を図っております。

 

配当政策

3【配当政策】

当社は、株主還元を経営上の重要な課題と認識しており、配当原資確保のための収益力を強化し、中長期的には継続的かつ安定的な配当を行うことを基本方針としております。

当社は、剰余金の配当を行う場合は年1回の配当を期末に行うことを基本方針としておりますが、期末配当の基準日を10月31日、中間配当の基準日を4月30日と定款に定めており、また、剰余金の配当等、会社法第459条第1項各号に定める事項について、法令に別段の定めがある場合を除き、取締役会の決議によって定めることができる旨を定款に定めております。

現時点では、当社グループは成長過程にあると認識しており、内部留保資金は事業の拡充や組織体制整備への投資に充当し、継続的な事業成長と企業価値の向上に取組んでまいります。今後、事業基盤の整備状況や投資計画、業績や財政状態等を総合的に勘案しながら、株主への利益還元、内部留保、従業員への分配等の最適な割合を検討してまいりますが、現時点において配当実施の可能性及びその実施時期については未定であります。当事業年度においては、上記の理由から配当を実施しておりません。