2024年12月期有価証券報告書より
  • 社員数
    3,947名(単体) 21,184名(連結)
  • 平均年齢
    43.8歳(単体)
  • 平均勤続年数
    18.0年(単体)
  • 平均年収
    7,593,362円(単体)

従業員の状況

5【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

 

2024年12月31日現在

セグメント

従業員数(人)

パッケージング&グラフィック

10,220

カラー&ディスプレイ

3,985

ファンクショナルプロダクツ

5,006

その他

489

全社(共通)

1,484

合計

21,184

 

(2) 提出会社の状況

 

 

 

2024年12月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

3,947

43.8

18.0

7,593,362

 

セグメント

従業員数(人)

パッケージング&グラフィック

460

カラー&ディスプレイ

347

ファンクショナルプロダクツ

1,656

全社(共通)

1,484

合計

3,947

 (注)平均年間給与は、基準内賃金のほか、基準外賃金及び年間賞与を含んでいます。

(3) 労働組合の状況

 当社の労使は、相互理解を基調に円満な関係にあり、会社と労働組合との間に特記すべき事項はありません。

 

 

(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

① 提出会社

当事業年度

管理職に占める女性

労働者の割合(%)

(注1)

男性労働者の育児休業

取得率(%)

(注2)

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注1)

全労働者(注3)

うち正規雇用労働者

(注4)

うち非正規雇用労働者(注5)

8.6

94.0

68.5

77.5

57.0

 (注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものです。

3. 男性労働者に占める管理職の比率が高い(27.2%)のに対し、女性労働者に占める管理職の比率は7.2%となっているほか、女性労働者に占める非正規雇用者率が29.5%と高い(男性:11.9%)ため、全労働者における男女の賃金差異は68.5%となっています。雇用形態や等級同士で比較した場合、賃金に大きな差異はありません。

4. 正規雇用労働者のうち、一般社員の基本給を比較した場合、男女比率100.4%となります。

5. 非正規雇用労働者について、男性は職制に就く再雇用者や高度専門職(医師・弁護士等)の比率が高いのに対し、女性は補助的業務として採用しているパートタイム従業員の比率が高いため、非正規雇用労働者全体での賃金差異が57.0%となっています。

 

② 連結子会社

当事業年度

名称

管理職に占める女性労働者の割合(%)

(注1)

男性労働者の育児休業取得率(%)

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注1)

全労働者

うち正規

雇用労働者

うち非正規

雇用労働者

DICグラフィックス㈱

0.0

100.0

(注3)

70.8

72.4

70.6

DIC EP㈱

10.0

DIC北日本ポリマ㈱

100.0

(注2)

DICプラスチック㈱

4.5

60.0

(注2)

DICデコール㈱

9.1

 (注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。

3.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものです。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、次のとおりです。なお文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが合理的な仮定等に基づき、適切な検討を経て判断したものであり、実際の結果を約束する趣旨のものではありません。

 

(1) サステナビリティ共通

1.ガバナンス

 当社グループは、サステナビリティ基本方針(2024年12月改定)を定め、常に国際的な法規制に基づき 1)従業員と地域の安全 2)リスクマネジメント 3)公正な事業慣行・人権と多様性の尊重 4)環境との調和・環境保全 5)イノベーションによる社会的価値の創出と持続可能な成長の実現 を強く意識した事業活動を推進しています。その推進のため当社グループでは社長執行役員直轄のサステナビリティ委員会を設置し、社会的要請に基づく重要課題への対応を担っています。また、サステナビリティ活動の強化を中心とする重要事項の審議を行っています。

 

 サステナビリティ委員会では、社長執行役員が委員長を務め、構成メンバーは副社長執行役員、部門長、統括本部長、製品本部長、地域統括会社社長等の取締役会が選任した執行役員等からなり、監査の一環として監査役1名が出席しています。当委員会の審議内容及び結果については、取締役会に報告しています。

 サステナビリティ委員会には下部組織の一つとして、サステナビリティ部会を設置しています。サステナビリティ部会は、「サステナビリティ基本方針」のもと、「基幹的なテーマ」から「独自性を発揮するテーマ」まで13のサステナビリティ・テーマを設け、プロダクト・スチュワードシップにも配慮しながら、化学企業としてのグローバルな取り組みを進めています。各サステナビリティ・テーマの「中期方針」(2022~2025年度)と、年度ごとの「DICグループサステナビリティ活動計画」を作成し、さらに各事業部門と、各事業所、各国内外当社グループ会社が、それぞれの年度で優先的に取り組む「サステナビリティ活動計画」を定めています。サステナビリティ部会にて各実行主体部署でのサステナビリティ活動実績報告及び課題点を共有し、次年度のサステナビリティ活動に結びつけています。これにより、組織及び社員への方針の浸透と、業務目標と連動したサステナビリティ活動の推進に取り組んでいます。

また2024年10月には、2025年1月からの気候変動部会の設置を承認しました。この部会の目的は、グループ目標としてふさわしいCO2排出削減目標とそれを達成するための計画を策定することです。

 

 

 

2.リスクマネジメント

 技術革新、価値観の多様化、侵攻、感染症等かつてなく不確実性の高い現代において、当社グループではリスクをどのようにマネージできるのかが企業価値向上にとって重要と捉えています。

 当社グループでは中長期に会社の業績に大きな影響を与えるマテリアリティ(重要課題)を抽出しています。抽出したマテリアリティについては、確実で効率的な対応を心掛けつつ事業推進に役立てています。当社グループの事業活動におけるマテリアリティは統合報告書(DICレポート2024)に記載しています。この中には気候変動や人的資本価値の最大化が含まれています。

 

  DICレポート2024(詳細版) P17より抜粋

 

 このような経営環境の変化やリスクの多様化に適切かつ柔軟に対応するとともに、潜在的なリスクが顕在化することによる事業への影響を速やかに最小限に抑えるため、リスクマネジメント活動を進めています。サステナビリティ委員会の下部組織としてリスクマネジメント部会を設置し、当社グループ全体における統合的リスクマネジメント体制を強化しています。

 各部署における自主的なリスク管理を基本としつつ、サステナビリティ委員会及びリスクマネジメント部会を通じて適切にモニタリングし、取締役会が定期的に監督しています。これらのリスクマネジメントについての詳細は「3 事業等のリスク」をご覧ください。

 

 

(2) 重要なサステナビリティ項目

1.気候変動

① 戦略

 当社グループでは 気候変動に伴うリスクや機会の重要性も意識して、サステナブルな事業戦略を推進しています。気候変動による影響は中長期的に顕在化する可能性が高いため、2024年に実施したシナリオ分析に基づき、中長期的な視点で予測される機会とリスクへの認識を高めながら時間軸を踏まえた戦略の立案と実行に結びつけていきます。

 

イ.シナリオ分析

シナリオ分析は、国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が2023年3月に発表した第6次評価報告書に基づく気候シナリオSSP1-1.9、SSP2-4.5、SSP5-8.5と、2023年10月に国際エネルギー機関(IEA)が発表したWorld Energy Outlook 2023に基づく外部環境シナリオを参考に、2020年に公表したシナリオ分析結果を見直しました。前回の分析では2030年までを対象としていましたが、今回は2050年まで対象期間を延長しました。

これらのシナリオが示唆する将来の気候変動とエネルギーの状況を踏まえ、次の3つの世界観(移行、適応、適応の限界)を設定し、それぞれの世界観のもとで当社グループにとってのリスクと機会、及びその対応策について分析をしました(表1)。

 

移行:地球温暖化を産業革命前より1.5℃上昇に抑えることを目標に、各国がCO2排出量削減のための対策を劇的かつ即座に実施する。省エネや共同輸送など、効率的なエネルギー利用が求められる。カーボンプライシング(2030年 135USドル、2050年 200USドル)は、多くの国で新たに始まり、拡大し、価格は上昇していくだろう。

 

適応:地球温暖化は2040年代半ばまで拡大し、1.5℃を超えるが2℃は超えない。地球の気温上昇へ適応するためには、レジリエントな対策と行動が必要である。遮熱や放熱といった対策は、適応の世界に有効だろう。現在100年に1度といわれる極端な気候現象は、10年に1度、あるいは1年に1度の確率になると予想される。

 

適応の限界:地球温暖化は2050年に2℃を超えていき、2100年には5℃に迫る。予期せぬ天候や気候の極端さが増大し、食糧不安や供給不安を引き起こし、何世紀にもわたって人々が暮らしてきた場所からの移住が余儀なくされる。こうした変化は、複合的、連鎖的で、国境を超えて生活の質に悪影響をもたらす。こうした悪影響から、パンデミックや紛争といった非気候リスクが増大されると予測される。

 

なお、シナリオ分析中で認識している水に関するリスクについては、地域別で開示しています(DICレポート2024(詳細版) P72)

 

表1 シナリオ分析結果

(注)CSRDの対応に関して、2025年2月26日に欧州委員会はオムニバス法案を発表し、今後EU理事会及び欧州議会にて審議されます。当社は動向を注視し、新法案が施行された際には適切な措置を講じます。

 

  DICレポート2024(詳細版) P91-92より抜粋

 

② 指標と目標

 気候関連のリスクと機会を評価する重要なKPIとしては、スコープ1、スコープ2を利用しています(表2)。また2021年より当社グループは、サステナビリティの観点から定めたCO2排出量の長期削減目標を更新し、新たな目標として「2030年度50%削減(2013年度比)」及び「2050年度カーボンネットゼロ」の実現を目指しています。世界的な脱炭素社会実現の動きが加速する中、積極的に脱炭素社会の実現に取り組んでいくとの決意のもと、新たな削減目標を設定しています。

 

表2 スコープ1、スコープ2

 

合計(tCO2)

削減率

スコープ1(tCO2)

スコープ2(tCO2)

2013年

921,386

2023年

534,889

42%

278,059

256,830

2030年

460,693

50%

 

 

2.人的資本・多様性

① 戦略

イ.基本戦略

 当社グループでは人材における基本戦略として「人的資本経営」を掲げています。人材は経営戦略実行における重要な「資本」であり、多様な人材が結集し、その能力が最大限発揮されることが当社グループの競争力の源泉になると考えています。この考えに基づき、将来のあるべき人材ポートフォリオに基づいたリーダー人材及び自律的な人材を育成する仕組みの構築、並びに社員一人ひとりの人権・安全を保障し、多様な人材が働き甲斐を感じられる職場環境の整備や組織力向上に取り組んでいます。

 

ロ.長期経営計画における人材戦略

 人的資本経営の最優先課題は2022年に制定された長期経営計画「DIC Vision 2030」で掲げる「事業ポートフォリオの変革」の実現に必要な人材の獲得、育成、配置、即ち新事業の創出及び事業領域の変化に合致した人材の最適化です。この戦略のもと、2030年のあるべき当社グループの人材ポートフォリオを構築すべく、当社グループを率いる次世代リーダーシップの開発、異業種出身人材・高度専門人材の積極的獲得・育成、自発的な学びを支援する学習ツールの導入等を通じたリスキリングの推進、イノベーション創出に向けたチャレンジ行動の促進等の各施策に取り組んでいます。また人材の流動性が高まるなかで、一人ひとりの望むキャリア形成を実現するべく社内公募、社内副業、キャリア支援等の取り組みを行っています。

 

A) To Be ポートフォリオの可視化

人材ポートフォリオ構築における「質」の観点で、当社の主要ポジションの中から約100ポジションをピックアップし、2030年のTo Be(あるべき姿)像の設定を行いました。2030年時点でこれらのポジションに求められる役割がどのように変化していくか、また、その変化に対応するためどのようなキャリア要件、スキル要件が求められるかを定義しました。今後、中長期的な後継者計画をより精度高く行っていくため本要件を基に、人事部門と各部門が協働し、部門最適かつ中長期的な人材育成、配置等のタレントマネジメントに活用していくとともに、これら主要ポジションを各職種・部門における一つのキャリアのベンチマークとして設定し、そのポジションを担える人材プール構築を目指してより魅力的なキャリアパス、育成体系の構築を目指しています。

 

B) 後継者計画

継続的な事業発展及び人材可視化の観点から、当社では後継者計画の策定を推進しています。2024年は各部門との協議により、当社及び国内・中国・アジアパシフィック地域関係会社、約200の主要ポジションを対象に計画を策定しました。これら計画が確実に実行されるよう、候補人材の人材開発に努めます。

 

C) グローバル経営幹部候補者選抜研修

当社グループのグローバルビジネスを牽引する次期トップリーダーの育成計画の一環として、2024年、グローバル経営幹部候補者選抜研修「グローバルマネジメントアクセラレーター(GMA)」を新設しました。初年度のプログラム(2024年10月~2025年9月)では、全世界の当社グループから受講者を選抜し、日本本社での集合研修を実施しました。2025年には海外拠点での集合研修や海外有名大学の短期間教育プログラムへの派遣を実施する予定です。受講者は研修終了後、次期トップリーダーとしての能力を発揮し、重要ポジションを担う人材へと成長することが期待されています。

 

D) キャリア採用

採用チャネルの多様化による採用競争力の維持確保、及び多様なスキルやキャリアをもつ人材確保の観点から、2024年度の当社キャリア採用ではリファラル採用、アルムナイ採用を強化し、採用チャネルの拡充を図りました。

 

E) キャリア研修・カウンセリング

当社では、28歳・39歳・50歳の社員を対象とするキャリア研修を実施しており、社内のキャリアコンサルタントが受講者全員とのフォロー面談を実施し、一人ひとりのキャリアビジョンの明確化とキャリア自律支援を行っています。2024年6月には社内ポータルサイト上で「キャリアデザイン月間」イベントを初開催し、社長のメッセージや有識者によるセミナー等を通じ、キャリアについてより身近に考えてもらう機会となりました。通常のキャリア面談とあわせ、自身のキャリアを考える機会提供を行っています。

 

 

ハ.人材の多様性確保と活躍支援

 当社グループでは属性に関わらず個々の多様な価値観を尊重することを基本理念とし、社員の多様性確保・活躍を推進しています。社員一人ひとりがもつ多様性を互いに理解・尊重することで、創造的な思考を生み続ける企業文化が醸成され、当社グループの競争力向上につながると考えています。具体的なダイバーシティ関連施策としては、女性一人ひとりのキャリア支援、部門単位での育成計画の策定や外国人社員のネットワーク強化や職場教育を通じた活躍推進体制の強化、再雇用制度の見直しによる再雇用者の活用、障がい者の雇用・活用等に取り組んでいます。

 

A) 女性活躍推進

多様な考えや発想を、事業環境の変化を乗り越える力としていくため、女性社員の持つ能力を最大限に発揮できる環境・風土を作っていく事に注力しています。女性社員が意思決定層で活躍するためのパイプラインとしての役員メンター制度を始め、管理職手前の女性社員を対象とした研修や女性管理職によるメンタリングを継続して実施しています。

2024年には、特に、育児と業務の両立に向けての施策に注力し、子供がいる女性管理職を相談役とした両立支援相談会、男性育休の取得に関するアンケートや相談会等を実施しました。子育ての悩みを1人で抱えない、そして子供を共に育て、共に働ける組織風土の醸成に今後も取り組んでまいります。

 

B) 障がい者雇用

当社では総務人事部内に障がい者雇用推進担当を設置し、特例子会社であるDICエステート株式会社と連携して、DICの各事業所、関連会社、特例子会社における新規採用ルートの開拓、業務の切り出し、業務プロセスの見直し、障がいのある社員に対する管理指導体制の強化にも取り組んでまいりました。その結果、雇用率は2023年度の2.36%から2.55%に伸張し、法定雇用率を達成することができました。今後も障がいを持っている社員が働きやすい環境を整備するとともに、それぞれが会社の戦力として活躍する人材育成を行うDE&I活動を推進してまいります。

 

C) クリフトンストレングス®※1の展開

当社では社員の多様性を推進するツールとして一人ひとりが強みを診断するアセスメントツール、「クリフトンストレングス®」を活用しています。これまでに社員の8割がアセスメントを受診し、自身の強みや自己理解を深めてきました。2023年度からは職場において互いの資質・やり方の違いを認め合う、チームビルディングの活動を行っていますが、2024年度もこの活動を継続し、約3分の1の社員がアクティビティに参加しました。今後も社員の多様性を理解し、各々がもつ強みを活かせる環境作りを推進します。

 

ニ.職場環境の整備

 当社グループは安全操業最優先を経営の基本とし、無事故無災害を達成するため労働安全衛生・保安防災に取り組んでいます。職場のリスク低減、安全基本動作の徹底、安全感度の高い人材育成を重点課題に位置づけ、安全基盤の強化や安全文化の醸成に向けたグループ全体の安全衛生・保安力向上に努めています。また当社グループでは、経営トップによる健康経営宣言のもと、社員が心身ともに健康でいきいきと働くことのできる環境の整備を積極的に推進しています。社員の健康は当社が持続的な成長を力強く実現していくための重要なテーマであると考えており、健康づくり、メンタルヘルスの領域において指標を定め、各種施策を実施しています。

 

A) 労働安全

安全操業は当社グループの持続可能な成長を支える事業の根幹です。当社グループは地域ごとに労働災害発生率(TRIR※2)の目標を掲げ、安全衛生・保安防災に関する各種活動に取り組んでいます。

2024年は中国では静電気事故防止のため、危険区域における火気作業と各種作業の管理強化ルールの再確認、日本では①化学物質を安全に取り扱うためのリスクアセスメントのルール改訂及び人材育成、②危険作業における安全ルールの制定等を行っていました。また、定期的なグローバル会議や各地域が実施する安全環境監査でこのような取組みの状況を把握共有し、翌年の活動に反映させています。

当社では経営に重大なリスクを及ぼす恐れのある大規模な火災・漏洩・自然災害等へは事故情報共有システムを導入し情報の一元管理と社長を含めた関係者への情報共有をタイムリーに行っています。2024年1月1日に発生した能登半島地震でも同システムを活用し、被害状況等の情報共有を図りました。

 

 

B) 健康経営の推進

経営トップによる健康経営宣言のもと、社員が心身ともに健康でいきいきと働くことのできる環境の整備を積極的に推進しています。社員の健康は当社が持続的な成長を力強く実現していくための重要なテーマであると考えており、メンタルヘルスや健康づくりの領域において指標を定め、各種施策を実施しています。2024年度はストレスチェックの分析結果を活用したメンタルヘルス産業医による職場環境改善面談を展開し、働きやすい職場を実現するために職場の特性を把握しながら具体的な助言・指導を計画的に進めました。また、2027年事業所内完全禁煙実現に向けた段階的禁煙施策の実施、健康の維持増進を目的とした健康づくりセミナーの月次開催、健康保険組合との協働による特定保健指導の推進、社内外の育児・介護諸制度の利活用促進のための従業員説明会の開催等働きやすい環境づくりの実現に取り組みました。

 

② 指標と目標

 当社では、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針に基づき以下のとおり主な指標を設定しています。当該指標に関する目標及び実績は次のとおりです。また、特に注力すべき課題として社員のエンゲージメント向上に取り組んでおり、毎年エンゲージメントサーベイを実施しその状況の把握に努めています。

 

指標

2024年度実績

2025年度目標

後継者準備率

77%

100%

執行役員に占める外国人・女性比率

19.0%

20.0%

ストレスチェックにおける高ストレス者判定率

11.5%

 9.0%

メンタル不調休業率

 0.7%

 0.2%

従業員エンゲージメント

(主要設問の平均スコア)

3.20

3.30

 

※1 「クリフトンストレングス」はGallup, Inc.の商標です。

※2 TRIR(Total Recordable Incident Rate)とは「業務上の負傷・疾病による被災者数(休業災害+不休災害)」を「100万延べ労働時間」で割った数値です。