2024年3月期有価証券報告書より

リスク

3【事業等のリスク】

  有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)臨床検査事業の法的規制について

  当社グループが実施する臨床検査事業は、「臨床検査技師等に関する法律」により衛生検査所が所在する都道府県知事の許可を必要とし、衛生検査所の設備、管理組織等の面において、同法に基づく規制が実施されております。万一、法令違反により、営業停止又は取消を受けることとなった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

許認可の名称

有効期限

関連する法令

登録等の交付者

衛生検査所登録

臨床検査技師等に関する法律

各都道府県知事

体外診断用医薬品製造業登録

5年

医薬品医療機器等法

各都道府県知事

体外診断用医薬品製造販売業許可

5年

医薬品医療機器等法

各都道府県知事

 

(2)調剤薬局事業に対する法的規制について

  当社グループが実施する調剤薬局事業は、「医薬品医療機器等法」や「健康保険法」等により各都道府県知事の許可並びに各地方厚生局長の指定等を必要とし、調剤薬局の設備、管理組織等の面において、同法等に基づく規制が実施されております。万一、法令違反により、営業停止又は取消を受けることとなった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

許認可等の名称

有効期限

関連する法令

登録者の交付者

医薬品販売業許可

6年

医薬品医療機器等法

各都道府県知事

薬局開設許可

6年

医薬品医療機器等法

各都道府県知事

保険薬局指定

6年

健康保険法

各地方厚生(支)局長

麻薬小売業者免許

3年

麻薬及び向精神薬取締法

各都道府県知事

医療機器販売業許可

6年

医薬品医療機器等法

各都道府県知事

 

(3)その他法的規制について

 上記の臨床検査事業及び調剤薬局事業の法的規制以外にも独占禁止法、税制、環境関連諸法令等様々な公的規制を受けております。
 万一、これらの規制を遵守できなかった場合、制裁金等を課される可能性があります。また、今後規制の強化や大幅な変更がなされた場合、当社グループの活動の制約を受けたり、規制内容の変更に対応するためのコストが発生する可能性があります。これらの規制は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 この対策として、許認可等の状況を各担当部門が定期的に確認することに加え、関連法令の改正情報を早期に入手し、影響を検討し対応することにより、リスクの低減を図ってまいります。

(4)診療報酬点数の改定について

  当社グループが実施する臨床検査に係る診療報酬点数は、「健康保険法」の規定により厚生労働省が決定しております。また、毎年の診療報酬点数の引き下げが慣例となっており、今後、健康保険法の改正が行われ診療報酬点数が引き下げられた場合、臨床検査事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 この対策として、健康保険法の改正情報を早期に入手し、影響を検討し早期に対応するとともに、検査体制及び営業体制の再構築を進め、収益基盤の強化に継続的に取り組むことによってリスクの低減を図ってまいります。

(5)薬価並びに調剤報酬の改定について

  当社グループが実施する調剤薬局事業に係る薬価並びに調剤報酬は、「健康保険法」の規定により厚生労働省が決定しております。今後、健康保険法の改正が行われ薬価並びに調剤報酬が引き下げられた場合、調剤薬局事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 この対策として、健康保険法の改正情報を早期に入手し影響を検討し、医薬品購入価格の低減化等をはじめとする対応を行うとともに、店舗運営の効率化を継続的に取り組むことによってリスクの低減を図ってまいります。

 

(6)検査過誤及び調剤過誤について

  当社グループが実施する臨床検査事業に係る検査過誤を防止するため、標準作業書に基づく作業の徹底と精度管理体制を整えるとともに、細心の注意を払い検査業務を行っておりますが、万一、検査過誤等による訴訟等が生じた場合、信用失墜や賠償責任等により当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
  また、調剤薬局事業に係る調剤過誤を防止するために「調剤ミス防止システム」等を導入し、ミス防止体制を整えるとともに、細心の注意を払い調剤業務を行っておりますが、万一、調剤過誤等による訴訟等が生じた場合、信用失墜や賠償責任等により当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(7)情報保護について

  当社グループの事業において、事業活動上多くの個人・顧客情報を取り扱っており、その保護に努めておりますが、万一、情報が外部に流出した場合、信用失墜や賠償責任等により当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 この対策として、当社では「個人情報保護方針」「情報セキュリティーポリシー」を制定するとともに、医療総合サービスにおける情報セキュリティーの重要性を深く認識し、安心・安全な情報システム環境の構築に努め、情報セキュリティーの確保、委託先への適切な監督や社内通報の保護に向けた必要な取り組みを継続的に実施しております。また、グループ会社の全役員・従業員が、情報の守秘義務はもとより、個人情報保護法等の関連法令等を遵守し、個人情報の適切な保護が確保できるよう、教育研修の実施等を通じて、従業者の個人情報の保護意識の継続的な啓発を図ってまいります。

(8)企業買収等について

  当社グループは、企業買収及び資本参加を含む投資による事業の拡大を企画することがあります。当社グループは対象事業との統合効果を最大限に高めるために当社グループの経営戦略等を図りますが、期待した利益やシナジー効果をあげられる保証はありません。

(9)投資有価証券の減損処理について

  当社グループは、市場価格のない株式等以外の有価証券を保有しておりますが、時価が著しく下落した場合には、取得原価と時価との差額を当該期の損失とすることとなり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(10)関係会社株式の減損処理について

  今後、企業買収等により取得した関係会社株式において、当初想定していた超過収益力が低下した場合、関係会社株式の減損処理等によって、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(11)固定資産の減損処理について

  当社グループは、自社保有している固定資産の価値が将来大幅に下落した場合並びに店舗等の収益性が低下した場合、減損会計の適用により対象となる資産又は資産グループに対して、固定資産の減損処理が必要になる場合があります。これにより、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(12)繰延税金資産の取崩しについて

 当社グループは、将来の課税所得の予測に基づいて繰延税金資産の計上・取崩を行っております。経営成績が大幅に悪化した場合には、繰延税金資産の回収が見込めないと判断をし、繰延税金資産を減少させることにより、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13)子会社の統廃合について

  当社は、競争力強化のため買収した子会社の統廃合を実施しております。今後、子会社の統廃合を実施した場合、当社の財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(14)災害、事故等に起因する事業活動の停止、制約等について

  当社グループの各事業所が、大規模な台風、地震等の自然災害に見舞われた場合は操業に支障が生じ、業績に影響を及ぼす可能性があります。また、重大な労働災害、設備事故等が発生した場合には事業活動の停止、制約等により、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 この対策として、実際に自然災害が発生した場合は、直ちに対策本部を立ち上げ対応できる体制を整備しております。

 

配当政策

3【配当政策】

  当社は、株主に対する利益還元を経営の重要課題の一つとして認識しており、強固な経営基盤の確保と株主資本利益率の向上に努めるとともに、安定的な配当を維持しながら、内部留保の充実、業績等に応じた適正な利益還元を行うことを基本方針としております。

 また、配当による株主還元をより一層強化し、中長期的な株主価値の向上を図るため、令和7年3月期より株主還元に関する指標を連結純資産総還元率から連結純資産配当率(DOE)に変更し、連結純資産配当率(DOE)5%程度を目標とすることといたしました。

  当社は、中間(第2四半期末)配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことを基本方針としております。
  これらの剰余金の配当の決定機関は、期末配当については株主総会、中間(第2四半期末)配当については取締役会であります。

 当事業年度の配当につきましては、上記方針に基づき1株当たり中間配当40円、期末配当については普通配当40円に特別配当35円を加え、合わせて1株当たり115円の配当を実施することを決定しました。

  内部留保資金につきましては、臨床検査事業におきましては検査設備の拡充や合理化のための設備投資に、調剤薬局事業におきましては新規店舗への投資などに活用してまいります。

 当社は「取締役会の決議により、毎年9月30日の最終の株主名簿に記載または記録された株主もしくは登録株式質権者に対し、中間配当を行うことができる。」旨を定款に定めております。

 なお、当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。

 

決議年月日

配当金の総額

(百万円)

1株当たり配当額

(円)

令和5年11月8日

440

40.00

取締役会決議

令和6年6月21日

800

75.00

定時株主総会決議