人的資本
OpenWork(社員クチコミ)-
社員数11,176名(単体) 28,196名(連結)
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平均年齢37.3歳(単体)
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平均勤続年数7.4年(単体)
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平均年収8,190,703円(単体)
従業員の状況
5 【従業員の状況】
1. 連結会社における状況
2024年3月31日現在
(注) 1 その他は、報告セグメントに属していない従業員です。
2 従業員数は、当社グループから当社グループ外への出向者を除き、当社グループ外から当社グループへの出
向者を含む就業人員です。
3 従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の平均雇用人員です。
4 臨時従業員には派遣社員、アルバイトを含みます。
2. 提出会社の状況
2024年3月31日現在
(注) 1 その他は、報告セグメントに属していない従業員です。
2 従業員数は、当社から他社への出向者を除き、他社から当社への出向者を含む就業人員です。
3 平均年間給与は、賞与および基準外賃金を含みます。
4 主に、2023年10月1日付で当社を吸収合併存続会社、ヤフー(株)、Z Entertainment(株)およびZデータ(株)をそれぞれ吸収合併消滅会社とする吸収合併、およびZ中間グローバル(株)(旧社名:LINE(株))を吸収分割会社、当社を吸収分割承継会社とする会社分割を行ったことにより、当社の従業員数は前事業年度と比べ増加しました。
3. 労働組合の状況
当社グループと当社の労働組合との関係について特記すべき事項はありません。
4. 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異の状況
当事業年度の多様性に関する指標は、以下のとおりです。
(注) 1 2023年4月~9月までの期間はZホールディングス㈱、LINE㈱、ヤフー㈱の従業員に関するデータ、
2023年10月~2024年3月までの期間はLINEヤフー㈱の従業員に関するデータを通年で集計し記載しています。
2 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出した実績を
記載しています。
3 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の
規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」
(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出した実績を記載
しています。
4 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の
規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」
(平成3年労働省令第25号)第71条の4第2号における育児休業等と育児目的休暇の取得割合を算出した
実績を記載しています。
5 配偶者の出産時期と、それに伴う育児休業等の取得時期が同一事業年度でない場合を含むため、
非正規雇用社員の育児休業取得率が100%を超えています。
6 労働者の男女の賃金の差異については、男性の平均年間賃金に対する女性の平均年間賃金の割合を
示しています。
7 労働者の男女の賃金の差異については、正規雇用労働者における賃金や評価など、処遇に関する人事
制度上の取り扱いに男女差はありません。
8 各社の対象期間は、管理職に占める女性労働者の割合が2024年3月31日時点、男性労働者の育児休業
取得率・労働者の男女の賃金の差異ともに2023年4月1日~2024年3月31日です。
9 各社の対象期間は、管理職に占める女性労働者の割合が2023年5月20日時点、男性労働者の育児休業
取得率・労働者の男女の賃金の差異ともに2022年5月21日~2023年5月20日です。
10 各社の対象期間は、管理職に占める女性労働者の割合が2023年11月30日時点、男性労働者の育児休業
取得率・労働者の男女の賃金の差異ともに2023年1月1日~2023年12月31日です。
11 各社の対象期間は、管理職に占める女性労働者の割合が2023年12月31日時点、男性労働者の育児休業
取得率・労働者の男女の賃金の差異ともに2023年1月1日~2023年12月31日です。
12 各社の対象期間は、管理職に占める女性労働者の割合が2024年3月1日時点、男性労働者の育児休業
取得率・労働者の男女の賃金の差異ともに2023年4月1日~2024年3月31日です。
13 各社の対象期間は、管理職に占める女性労働者の割合が2024年4月1日時点、男性労働者の育児休業
取得率・労働者の男女の賃金の差異ともに2023年4月1日~2024年3月31日です。
サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)
2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。
1.サステナビリティ全般
(1) ガバナンス
当社は、グループ会社横断でサステナビリティを巡る諸課題への取り組みを推進するべく、最高意思決定機関である取締役会の監督のもと、執行機関としてサステナビリティ委員会を設置し、原則年4回開催しています。
サステナビリティ委員会は、代表取締役社長が委員長を務めるほか、CFOや社外取締役等の委員によって構成され、当社グループの重点課題(マテリアリティ)やサステナビリティ領域の方針・各種施策に関する審議・意思決定、推進状況のモニタリングを行います。2023年度のサステナビリティ委員会では、気候変動や自然資本等における対応方針や、人的資本等のESGにかかる戦略について討議を行いました。サステナビリティ委員会に連なる組織として、「環境分科会」および「人権分科会」を設置しています。これらの分科会では、グループ各社の環境・人権責任者が委員に就任し、当社グループとしての方針・施策検討や、グループ各社における施策の推進等を進めています。
監督体制においては、サステナビリティ委員会は取締役会に重要事項の付議・報告を行い、また独立社外取締役で構成されたガバナンス委員会に対しても適宜報告を行います。取締役会は付議された重要事項の審議・決議を行うことを通じて、サステナビリティ推進状況を監督しています。
また、取締役※のサステナビリティ推進へのコミットメントを図るべく、役員報酬のうち、現金賞与額決定の指標として±5%の範囲でサステナビリティ評価を組み込んでいます。サステナビリティ評価は、ミッションおよび中長期的な企業価値向上の実現に向けてカーボンニュートラルの進捗度、多様性に関する指標、データガバナンスをはじめとした各マテリアリティ指標における前年度の実績に加えてESG評価機関の外部評価によって構成されています。なお、サステナビリティ評価の指標(±5%)は独立社外取締役が過半数を占める指名報酬委員会にて決議されています。報酬ポリシーは下記リンクよりご覧ください。
https://www.lycorp.co.jp/ja/sustainability/esg/governance/corporate-governance/#anc8
※監査等委員である取締役を除く。
リスクマネジメント体制の詳細は、「3 事業等のリスク」をご参照ください。
(2) リスク管理
当社は、取締役会監督のもと、代表取締役社長をリスクマネジメント最高責任者としたERM( Enterprise Risk Management:全社的リスクマネジメント)体制を構築し、包括的に当社およびグループ会社における経営および事業に関わるリスクを的確に把握し対応するための全社横断的なリスク管理体制を整備しています。
サステナビリティ関連のリスク管理はERM体制に統合されており、リスクマネジメント委員会およびリスクマネジメント室と連携のもと、ESG推進室が環境・社会リスクを主管しています。環境・社会リスクについては、リスク主管部門であるESG推進室が事業部門およびグループ会社から収集したリスクアセスメント結果をもとにリスクの識別・評価・優先順位付け・モニタリングを行い、サステナビリティ委員会配下の環境分科会・人権分科会に報告の上、リスクへの対応策を検討・実施しています。なお、リスク管理の詳細は「3 事業等のリスク」、気候変動に関するリスクと機会については、サステナビリティに関する考え方及び取組内の「3. 気候変動に対する取り組み」をご参照ください。
(3) 戦略
当社グループは、“「WOW」なライフプラットフォームを創り、日常に「!」を届ける。”をミッションとしています。私たちは事業を通じて社会にポジティブなインパクトをもたらすと共に、地球環境や人権等を含めた社会課題に向き合い、未来世代に責任を持ったサステナビリティ経営を推進していきます。推進にあたって、以下のサステナビリティ基本方針と6つのマテリアリティ(重要課題)を定めています。
1.サステナビリティを社会、事業の両軸で捉え推進する
2.グループ各社の特性を活かしながら、一丸となってサステナビリティに取り組む
3.前例に捉われずにチャレンジし、イノベーションを継続的に生む努力をする
① マテリアリティ策定プロセス
当社グループはステークホルダーとともに、持続可能な社会およびミッション“「WOW」なライフプラットフォームを創り、日常に「!」を届ける。”を実現するべく、重点課題(マテリアリティ)を策定しています。
② 評価マップ
ステークホルダーの期待と、当社内での分析を踏まえ、GRIスタンダード、主要なESG評価項目等を参考に、社会からの要請に照らして自社の活動を整理し、ステークホルダーと当社の双方にとって重要性の高い項目を抽出しました。
③ 特定マテリアリティ
評価マップを踏まえ、当社グループのミッションを実現する「6つのマテリアリティ」を特定しました。
④ サステナビリティに関するリスクと機会
当社グループは、未来世代に責任を持ったサステナビリティ経営を推進するべく、当社グループをとりまく環境・社会課題をリスクと機会含め網羅的に捉えた上で6つのマテリアリティを策定しています。特に気候変動問題については、世界的に重要な課題として広く認識されていることに加え、当社の事業においてもデータセンター稼働等に電力を大量に使用していることからリスクと機会の両面で企業価値に影響を与える可能性が高いと考えています。また、データセンター稼働時にはサーバーの冷却等のため水資源に大きく依存しており、気候変動による水枯渇リスクへの対応とともに自然資本の持続的な活用も不可欠であると認識しています。そのため、当社は持続可能な成長を遂げる上で「気候変動への対応」および「自然資本の持続可能な活用」を重要な経営課題として認識し、リスクと機会を特定しています。リスクと機会の詳細は、サステナビリティに関する考え方及び取組内の「3. 気候変動に対する取り組み」をご参照ください。
(4) 指標と目標※1
当社グループは、特定したマテリアリティ毎に「実現に向けた取り組み」および「評価指標」※2を設定し、取り組みの進捗を継続的にモニタリングしています。加えて、当社グループの事業環境や社会情勢に鑑みて中長期で優先して取り組むべき課題を順次見直し、サステナビリティ委員会決議の上、特に優先すべき課題として指標および目標を設定し、目標の達成に向けて取り組みを進めています。
※1当社は、2023年11月に公表した不正アクセスによる情報漏えいを最優先で対処すべき経営課題として認識し、安全管理措置および委託先管理の抜本的な見直しおよび対策の強化、親会社等を含むグループ全体でのセキュリティガバナンスの本質的な見直しおよび強化、適切な情報提供等利用者対応の徹底を推進しています。具体的な再発防止策およびその進捗状況は下記特設ページよりご覧ください。
https://www.lycorp.co.jp/ja/privacy-security/recurrence-prevention/
※2「評価指標」は取り組みの進捗をグループ内で把握し、更なる施策を検討する目的で設定しているため非開示情報を含みます。なお、主な開示実績は以下サイトよりご覧ください。
https://www.lycorp.co.jp/ja/sustainability/management/#anc4
① データ/AIを活用した新たな体験(WOW/!)の提供
便利で感動的なユーザー体験は、新たな機能や優れたUI/UXの提供に加え、データ/AIを駆使したアプローチから生まれます。当社の存在意義は、多様なサービスのクロスユースを促進し、データ連携によりデータの質を高めた上でAI解析を行うという手順を効果的に繰り返し、新たな体験を生み出すことにあります。そのために体制構築・技術投資・教育等を推進してまいります。
② 安心・安全なデジタルプラットフォームの運営※
安心・安全なITサービスの提供は、社会のニーズであり、信頼、評価につながります。そのためには、事故ゼロを目指したグループ横断的な教育の実施が不可欠であると考えます。また、デジタルプラットフォーマーとしての責任として健全な運用の仕組みを構築し、その取り組み内容を透明性を持って開示してまいります。
※当該マテリアリティは不正アクセスによる情報漏えいへの再発防止策および進捗状況を踏まえて、速やかに更新してまいります。
③ しなやかで強靭な社会基盤の構築
不確実が増す世界は、社会のレジリエンスを高める必要に迫られています。デジタライゼーションにより新たな顧客体験の提供や新たな事業価値を創造してきた当社グループは、より長期的、より広い視野に立ち、社会基盤の構築に貢献していきたいと考えます。そのために、「防災・減災と復興支援」「3R推進」「DX推進」「情報格差の是正」を重点領域とし、社会と連携して取り組んでまいります。
④ 人材の強化
インターネット事業における競争力の本質は、革新的なサービスやプロダクトの創出力にあり、これは社員の力によって支えられています。社員が活力を持って働き、卓越したサービス・プロダクトを生み出すサイクルを確立することが、LINEヤフーにとっての最優先事項の一つです。
そこで当社は、社員がパフォーマンスを最大限に発揮し、組織全体の成長力向上に寄与するために、「人と事業をつなぎ、人材と組織のパフォーマンスを最大化する」を人材戦略の根幹に掲げました。具体的には、「人材強化」と「カルチャー醸成」を二つの主軸としており、特に、「人材強化」については、重点課題(マテリアリティ)の一つに位置付けています。また、グループ内再編以前は、各社の風土、制度、環境等の違いが強みである一方、グループとしての一体感醸成につながらなかった背景もあり、「カルチャー醸成」を掲げることで、LINEヤフーとしての独自のカルチャー創出につなげ、ミッションの実現に寄与することを目指しています。人材戦略の二つの主軸である「人材強化」と「カルチャー醸成」について、全従業員を対象に毎月実施しているエンゲージメント調査項目や、定期的な実施を予定している DE&I調査項目等を通じて、その進捗を測ることとし、グループ内再編時点よりも維持・向上を図っていくことを目指してまいります。
また、多様性の観点から、女性管理職比率を重要な指標と捉えており、具体的な人材戦略および指標と目標の詳細は、サステナビリティに関する考え方及び取組内の「2. 人的資本・多様性に対する取り組み」をご参照ください。
⑤ 未来世代に向けた地球環境への責任
当社グループは、主要な事業の一つであるインターネットメディア/サービスの性質上、データセンター稼働等に必要となる電力やサーバー冷却等に不可欠な水資源に大きく依存しています。また、自社のみならず連携する企業も多岐にわたることから、サプライチェーン全体での影響は甚大です。これらの活動で排出する「温室効果ガス」や「水資源」への依存を減らしていくことは、「未来世代に向けた地球環境への責任」であるとともに、自社の「原材料調達力」を高め事業リスクを低減させることに繋がると考えています。なお、当社における気候変動対策の詳細は、サステナビリティに関する考え方及び取組内の「3. 気候変動に対する取り組み」をご参照ください。
特に優先すべき課題
・カーボンニュートラル
指標: 温室効果ガス排出量
目標: LINEヤフーグループとして2030年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロ(スコープ1&2)
LINEヤフーとして2025年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロ(スコープ1&2)
実績: 117,759 t-CO2(LINEヤフーグループ、2022年)
99,433 t-CO2 (LINEヤフー、2022年)
・ネットゼロ
指標: 温室効果ガス排出量
目標: LINEヤフーグループとして2050年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロ(スコープ3)
実績: 3,278,437 t-CO2(2022年)
・水資源の保全
指標: 水使用量(売上収益100万円あたり)
目標: LINEヤフーグループとして2030年までに10%削減(2022年度比)
実績: 0.376㎥(2022年度)
⑥ グループガバナンスの強化
業界・事業のスピード・成長に合わせた当社らしいグループガバナンスの体制を構築・向上させていくことを特に優先すべき課題として掲げています。人権をはじめとした中長期にわたる継続的な取り組みが必要な領域は、サステナビリティ委員会を中心に取り組みを推進していきます。また、コーポレート・ガバナンスの強化を目的として取締役会の実効性をさらに高め、当社グループの企業価値向上を図ることを目指します。
特に優先すべき課題
当社らしさのあるコーポレート・ガバナンス体制の構築・向上
指標: 取締役会の独立性・多様性
目標: ①取締役会における独立社外取締役過半の実現
②取締役会における多様性方針/考え方の開示
実績: ①株主総会「決議通知」における掲載
https://www.lycorp.co.jp/ja/ir/stock/agm.html
②コーポレートガバナンス報告書への掲載
https://www.lycorp.co.jp/ja/sustainability/esg/governance/corporate-governance/
※当該「実現に向けた取り組み」および「評価指標」は、不正アクセスによる情報漏えいへの再発防止策および進捗状況を踏まえて、速やかに更新してまいります。
2.人的資本・多様性に対する取り組み
(1) 戦略
当社はグループ内再編を機に新たに“「WOW」なライフプラットフォームを創り、日常に「!」を届ける。”をミッションと定め、圧倒的なプロダクトドリブンを目指す姿として位置付け、人々に驚きや感動を与える新たな価値創出に挑戦していきます。
インターネット事業における競争力の本質は、革新的なサービスやプロダクトの創出力にあり、これは社員の力によって支えられています。これまで、LINEやヤフーの数々のサービスを創り上げ、事業を牽引してきた多くの社員の存在が当社の強みであり、社員がさらに活力を持って働き、卓越したサービス・プロダクトを生み出すサイクルを確立することが、最優先事項の一つです。
そこで当社は、社員がパフォーマンスを最大限に発揮し、組織全体の成長力向上に寄与するために、「人と事業をつなぎ、人材と組織のパフォーマンスを最大化する」を人材戦略の根幹に掲げました。具体的には、「人材強化」と「カルチャー醸成」を二つの主軸としており、特に、「人材強化」については、重点課題(マテリアリティ)の一つに位置付けています。また、グループ内再編以前は、各社の風土、制度、環境等の違いが強みである一方、グループとしての一体感醸成が課題であった背景もあり、「カルチャー醸成」を掲げることで、LINEヤフー独自のカルチャー創出につなげ、ミッションの実現に寄与することを目指します。
LINEヤフー人材戦略全体像
■人材育成方針(人材強化・成長支援)
DX、AI、データの活用等に優れたスキルや経験を有し、数多くのサービスを創出し、事業を牽引してきた社員をはじめ、他社にはない人材ポートフォリオが当社の強みです。その社員の成長に資する多様な機会を創出することで社員とプロダクト双方の持続的な成長を目指し、社員は変化や挑戦を楽しみながら、プロダクト創りを通じて自らの成長機会を探求し続ける。そのための機会・環境の構築に取り組んでいます。
具体的には、各種研修・企業内大学「LINEヤフーアカデミア」や、リスキリングも含めたスキル・知識向上機会の提供、社員一人ひとりのさらなる成長機会として、社内公募・グループ会社間公募を通年で実施しています。
また、当社では人事評価制度は、社員一人ひとりの成長を促進し、能力を最大限発揮できるように支援するために機能するものと位置づけ、重点領域にも掲げています。目標・評価のシステムは組織やプロダクトと社員双方の成長ドライバーであり、組織や事業の変化に応じて常にシステムの改善も必要になると考えています。システムのたゆまぬアップデートによりさらなる成長につなげていきます。
評価プロセス
■社内環境整備方針(人材強化・環境づくり)
・人権を尊重し、社員の誰もがその属性やライフステージに関わらずパフォーマンスを発揮できる環境づくりに取り組んでいます。新会社の発足に伴い、全社DE&I意識調査を実施してさらに多様性の高まった新たな社内の状況や社員の意識を可視化し、その調査結果に基づいて「LINEヤフー DE&I基本の考え方」を定めました。
DE&Iを推進していくことは、プロダクトドリブンをより加速し、ミッションを実現する上で大切だと考えています。イノベーションを創出し、多くのユーザーを感動させるプロダクトを創るためには、作り手である社員自身が多様であること、そして多様性への理解と尊重が不可欠だと考えているからです。
そのために、以下を当社におけるDE&Iの基本的な考え方として、取り組んでいきます。
―共に働く仲間、それぞれが持つ属性や個性、文化について互いに理解・尊重すること
―同じゴールをめざすために、違いを知り、率直な議論と対話をすること
―誰もがその属性やライフステージに関わらず、能力を最大限に発揮できる環境をみんなで作ること
・当社では、全ての社員が協調し、チームとして最も高いパフォーマンスを発揮するために、社員が個々の多様なライフスタイルやライフステージに応じて最適な労働場所やスケジュールを自律的にマネジメントしています。情報技術を活用して場所や時間の制約を取り払うことで、個人と組織の生産性向上を目指しています。同時に、深夜時間帯や休日勤務を前提とした働き方は従来どおり認められないものとし、社員の健康を守ります。
当社共通の働く環境はオンラインです。社員には自身が最も業務パフォーマンスを発揮できる働く環境を自律的に構築し、オフィスワークとリモートワークそれぞれのメリットをハイブリッドに活かすことを期待しています。
・働くwell-beingの向上を目指し、当社グループでは代表取締役社長による「健康宣言」のもと、全ての働く人が心身ともに最高のコンディションで業務に従事することができる企業を目指し、様々な取り組みを行っています。具体的には、生活習慣病対策やメンタルヘルス対策、過重労働対策、女性のための健康支援等を実施しています。 当社は、2024年3月に日本健康会議による「健康経営優良法人2024(大規模法人部門)」通称 「ホワイト500」に選定されました。今後も、全ての働く人が心身ともに最高のコンディションで仕事に向き合うことのできる企業を目指していきます。
また当社では、異なるカルチャーを持った会社の再編であることをふまえ、まずはお互いを理解しあうことに始まり、ミッションを実現するために定義した働き方である「バリュー」を通じて、一体感の創出と当社ならではのカルチャー醸成につなげてまいります。
(2) 指標と目標
当社では、多様性の観点から、女性管理職比率を指標と位置づけ、現状18.5%を踏まえて、2030年までに、2023年10月1日時点の従業員男女比率と同等(33%)を目指すこととしています。
また、人材戦略の二つの主軸である「人材強化」と「カルチャー醸成」については、全従業員を対象に毎月実施しているエンゲージメント調査項目や、定期的な実施を予定しているDE&I調査項目等を通じて、その進捗を測ることとし、グループ内再編時点よりも維持・向上を図っていくことを目指してまいります。
■多様性(女性管理職)
■人材戦略
なお当社は、2023年10月1日にグループ内再編したことに鑑み、まずはLINEヤフー単体での考え方を記載するとともに、女性管理職比率以外の具体的な指標および目標については現在策定中となります。
3.気候変動に対する取り組み
(1) ガバナンス
当社は、最高意思決定機関である取締役会の監督のもと執行機関として「サステナビリティ委員会」を設置し、原則年4回開催しています。「サステナビリティ委員会」は、代表取締役社長が委員長を務めるほか、CFOや社外取締役等の委員によって構成され、気候変動対応・水資源の保全・生物多様性保全・資源循環社会の構築等を推進しています。「サステナビリティ委員会」に連なる組織として「環境分科会」を2022年に発足し、グループ各社の環境責任者が委員に就任し、当社グループとしての気候変動対応や自然資本の保全等における方針・施策検討や、グループ各社における施策の推進を進めています。
監督体制においては、サステナビリティ委員会は取締役会に重要事項の付議・報告を行い、また独立社外取締役で構成されたガバナンス委員会に対しても適宜報告を行います。取締役会は付議された重要事項の審議・決議を行うことを通じて、サステナビリティ推進状況を監督しています。
また、取締役※のESG推進へのコミットメントを図るべく、役員報酬のうち、現金賞与額決定の指標として±5%の範囲でサステナビリティ評価を組み込んでいます。サステナビリティ評価は、ミッションおよび中長期的な企業価値向上の実現に向けてカーボンニュートラルの進捗度をはじめとした各マテリアリティ指標における前年度の実績に加えてESG評価機関の外部評価によって構成されています。なお、サステナビリティ評価の係数(±5%)は独立社外取締役が過半数を占める指名報酬委員会にて決議されています。なお、報酬ポリシーは下記リンクよりご覧ください。
https://www.lycorp.co.jp/ja/sustainability/esg/governance/corporate-governance/#anc8
※監査等委員である取締役を除く。
当社は、こうした地球環境保全への取り組みを、重要な経営課題と認識しマテリアリティ(未来世代に向けた地球環境への責任)に特定し、取り組みの指針となる「環境基本方針」を制定しています。
<環境基本方針>
私たちLINEヤフーおよびLINEヤフーのグループ会社で構成されるLINEヤフーグループは、情報技術の活用により、未来世代に向けた地球環境保全への取り組みを継続的に実践します。
1. 脱炭素社会の実現
環境負荷低減の中期目標を設定し、その達成に向けサプライチェーンと共に取り組みます
2. 自然資本の保全
・事業による生態系への影響に配慮し、持続可能な調達、廃棄物対策および水資源・生物多様性の
保全に努めます
・地球環境保全の取り組みを支援します
3. 法令遵守と国際的責任の遂行
・環境問題を重要視し、リスク低減に努めます
・環境保全に関わる国内法令を遵守します
・国際環境イニシアチブに賛同し、国際社会と協調して気候変動対策に取り組みます
4. サービスを通じた、社会との連携
・気候変動にともなう自然災害に対して、自治体との連携や防災・減災サービスなどを通じ
社会と連携します
・持続可能な社会の実現に向け、循環型サービスを拡充します
5. 未来を創る、教育・啓発活動
社員の一人ひとりが、環境問題の重要性を理解し、環境に配慮したサービスの改善や
イノベーションの創出ができるよう、教育・啓発活動を行います
(2) 戦略
気候変動は重要な経営課題と認識しており、マテリアリティ(未来世代に向けた地球環境への責任)の実現に向けた取り組みに定めています。その実現に向けてITのチカラを活用し、当社グループおよびサプライチェーンと共に電力の再エネ化等脱炭素社会の実現をめざしていきます。気候変動対応と繋がりのある自然資本についても、水資源や生物多様性の保全等を通じた取り組みを推進していきます。こうした気候変動や自然資本への対応を、社会の幅広いステークホルダーの皆様と連携を深める事業機会としても捉え、チャレンジし続けていきます。
気候変動緩和へ向けた移行計画:
当社グループはグループ全社の事業活動での温室効果ガス排出量を2030年度までに実質ゼロにする「2030カーボンニュートラル宣言」を2022年2月に発表しました。データセンターで利用する電力を再生可能エネルギーに切り替える等、100%再生可能エネルギー化に取り組んでいます。2030年度の達成に向けて、まずは2025年度頃までに、 80%以上を再生可能エネルギー化し、その後の5年間で100%再生可能エネルギー化および電気自動車の導入等を進めます。
短期・中期・長期のリスクと機会:
気候変動に伴うリスクや機会は、事業戦略に大きな影響を及ぼすものと認識し、2020年6月にTCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)賛同表明を行いました。TCFD提言を参照し、短期:2022~2025年、中期:2025~2030年、長期:2030~2050年、と期間を区切って特定し、短期・中期・長期のリスクと機会を分類し開示しています。なお、自然資本に関わるリスクと機会も併せて記載しています。
リスクと機会
※短期:2022~2025年、中期:2025~2030年、長期:2030~2050年
戦略のレジリエンス:
メディア事業、コマース事業、Fintech領域を中心に新たな収益の柱を創出する戦略事業等、多様なインターネットサービスを展開する当社グループでは、データセンター、オフィス、物流センター等において事業を運営するための電力を使用しています。特に、データセンターによる消費電力量は当社グループ全体の大部分を占めていることからも、データセンターの効率性向上と再生可能エネルギー化がリスク回避につながると考えます。カーボンニュートラルに向けた取り組みを加速することを目的に、環境問題の解決に貢献する事業に対する資金調達手段として、2021年国内インターネットセクターでは初となるグリーンボンドを発行しました。調達された資金(200億円)は、当社グループで利用するエネルギー効率の高いデータセンターの建設や改修等、データセンターへの投資およびデータセンター運営に必要な再生可能エネルギーの調達資金に充当しています。 早期にカーボンニュートラル化を達成することで移行リスクによる炭素税の負担を回避できるものと考えます。
自然資本への配慮:
当社は、昨今の非財務情報開示基準の標準化の流れや、TNFD(Taskforce on Nature-related Financial Disclosures)による自然資本等に関する開示枠組み策定の動きに則り、水資源・生物多様性、資源循環等の自然資本に関わるリスクと機会を多面的な視点で捉え対応策を講じることで、ステークホルダーとの対話・協力を進め、持続可能な社会構築を目指しています。具体的な主な取り組みは、次のとおりです。
・水資源の保全を重要課題と認識し、当社グループの水使用量の目標を定めるとともに、水資源枯渇エリアでの使用量把握、水利用に関わる開示内容の拡充のため、財務・非財務報告を行っている連結対象グループ会社の拠点182箇所(重複して入居する拠点は1カウント)の地域について、世界資源研究所(WRI)のWater Risk Atlasツールを活用し水リスクの確認を行いました。
・当社はTNFDの理念に賛同し、2023年2月にTNFDフォーラムに加盟、2023年11月にTNFD Early Adoptersに登録しました。今後も、継続的にTNFD情報開示フレームワークに基づいた積極的な情報開示を進めていきます。
(3) リスク管理
リスク管理の体制とプロセス:
当社は、取締役会監督のもと、代表取締役社長をリスクマネジメント最高責任者としたERM( Enterprise Risk Management:全社的リスクマネジメント)体制を構築し、包括的に当社およびグループ会社における経営および事業に関わるリスクを的確に把握し対応するための全社横断的なリスク管理体制を整備しています。
気候変動や自然資本に関わるリスクはERMに統合されており、リスクマネジメント委員会およびリスクマネジメント室と連携のもと、ESG推進室が当該リスクを主管しています。
リスク主管部門であるESG推進室は、気候変動や自然資本に関わるリスクについて、事業部門およびグループ会社から収集したリスクアセスメント結果をもとに、リスクを識別・評価・優先順位付け・モニタリングを行い、サステナビリティ委員会配下の環境分科会へ報告の上、対応を協議・実施しています。なお、機会についてはマテリアリティを特定していく議論の中で、グループ各社各部門が事業・サービスの特性に応じた検討内容から抽出しています。
シナリオとメソドロジー:
シナリオ分析は、国際的な認知度や信頼性を考慮し、国際エネルギー機関(IEA:International Energy Agency)および気候変動に関する政府間パネル(IPCC:Intergovernmental Panel on Climate Change)が策定したシナリオを参照しています。産業革命以前からの気温上昇を+1.5℃以内に抑えるシナリオとしてNZE(Net Zero Emissions by 2050)とSSP1-1.9を、+2℃相当のシナリオとしてAPS(Announced Pledges Scenario)とSSP1-2.6を、+4℃を上回るシナリオとしてSTEPS(Stated Policies Scenario)とSSP5-8.5を用いました。
(4) 指標と目標
当社グループは、主要な事業の一つであるインターネットメディア/サービスの性質上、データセンター稼働等に必要となる電力やサーバー冷却等に不可欠な水資源に大きく依存しています。また、自社のみならず連携する企業も多岐にわたることから、サプライチェーン全体での影響は甚大です。そのため、サプライチェーンを含めた温室効果ガス排出量や、水使用量は特に優先すべき課題として指標と目標を以下のとおり掲げています。なお、資源循環や環境投資額は評価指標を定めモニタリングを行っています(下表参照)。
特に優先すべき課題
・カーボンニュートラル
指標: 温室効果ガス排出量
目標: LINEヤフーグループとして2030年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロ(スコープ1&2)
LINEヤフーとして2025年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロ(スコープ1&2)
実績: 117,759 t-CO2(LINEヤフーグループ、2022年)
99,433 t-CO2 (LINEヤフー、2022年)
・ネットゼロ
指標: 温室効果ガス排出量
目標: LINEヤフーグループとして2050年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロ(スコープ3)
実績: 3,278,437 t-CO2(2022年)
・水資源の保全
指標: 水使用量(売上収益100万円あたり)
目標: LINEヤフーグループとして2030年までに10%削減(2022年度比)
実績: 0.376㎥(2022年度)
※2023年度数値は2024年6月末日までに下記ページにて公開予定です。
https://www.lycorp.co.jp/ja/sustainability/esg/data/#anc1
※2022年度のスコープ3のCO2排出量はカバレッジの拡大等により前年度から増加しました。