2026年1月期有価証券報告書より

リスク

 

3 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のある主要なリスクとしては、次に挙げるものが考えられます。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、その発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ですが、投資家による投資判断は本項及び本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。

 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

<特に重要なリスク>

顕在化の可能性が比較的高く、顕在化した時の影響が非常に大きいと考えるリスクは以下のとおりとなります。

   製品開発・事業投資について

[リスクの内容と顕在化した際の影響]

 当社グループが属するソフトウェア業界は、技術開発競争が激しく、常に市場ニーズが変化し続けているため、技術や製品のライフサイクルが短期化しております。当社グループが適時かつ的確に市場ニーズを捉えた新製品や新技術を開発できなかった場合や、当社製品を上回る革新的な技術・製品が他社によって開発された場合には、当社製品の市場優位性の低下を招き、研究開発活動やソフトウェア資産への投資額が回収できず、当社グループの成長戦略、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

[リスクへの対応策]

 当社グループの成長戦略については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営環境及び中長期的な会社の成長戦略」に記載のとおりでありますが、当社グループは、これまでに培った顧客基盤と技術領域を活かすことができ、競争優位性を有する分野に製品開発・事業投資を行っております。また、当該製品・事業に対し市場環境やポジショニングに関する分析を行い、営業戦略や開発計画の精度向上に努めております。さらに、投資前においては客観的な視点における事業計画の評価・分析を徹底し、投資後においては事業進捗のモニタリング強化や正確な計数管理を実施することにより、適時適切な経営判断が行えるよう努めております。

 

   プロジェクト管理について

[リスクの内容と顕在化した際の影響]

 受託開発工程において、顧客からの仕様変更や当初見積を超過する作業の発生等により、プロジェクトの進捗が開発計画から大きく逸脱した場合、計画外の追加開発コストや、納期遅延に伴う違約金及び顧客の信用失墜による機会損失が発生し、財政状態及び経営成績に悪影響を与える可能性があります。

[リスクへの対応策]

 受託開発の実施に際しては、顧客との契約において当社と顧客との責任範囲及び要件定義を明確にした上で、引き合い・見積り・受注段階から、プロジェクトマネージャーを中心とした期限管理、コスト管理等のプロジェクト管理の徹底に努めております。またその前提として、これらの取り組みの中心となるプロジェクトマネージャーやプロダクトマネージャーのポジションに質・量ともに十分な人員を配置できるよう、組織体制の継続的な見直しや積極的な採用活動にも取り組んでおります。さらに、担当執行役員によるモニタリングや技術スペシャリストによる勉強会を実施するなど、不採算案件や案件遅延等の発生防止に努めております。

 

   人材確保及び労務管理について

[リスクの内容と顕在化した際の影響]

 ソフトウェア業界における世界的な人材獲得競争の激化により、当社グループが必要とする専門技術や販売・マーケティング、経営戦略・グローバルな組織マネジメントといった能力を有する人材を確保できなかった場合及び人材獲得後の育成が適切になされなかった場合には、事業計画の達成に支障が生じ、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 また、過重労働や不適切な労務管理、ハラスメントの発生等によって当社グループの信用が著しく低下した場合には、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

[リスクへの対応策]

 様々な採用チャネルを活用した多様な人材の確保、教育制度の充実等による適切な人材育成に努めております。また、魅力的な報酬制度や公正な人事評価制度の構築、定期的なエンゲージメントサーベイ、リモートワークの推進をはじめとした働きやすい労働環境の整備等、従業員の働きがいを維持・向上させるための取り組みを実施しております。

 また、当社製品(Linkit勤怠)を活用した従業員の勤怠状況の把握、ハラスメントに関する社内規程の整備及び社内教育の実施、外部窓口の設置を含めた内部通報制度の充実により、不適切な労務管理やハラスメントの発生防止及び早期発見に努めております。

 

<重要なリスク>

顕在化の可能性の高さにかかわらず、顕在化した時の影響が大きいと考えるリスクは以下のとおりとなります。

①   継続企業の前提に関する重要事象等

[リスクの内容と顕在化した際の影響]

 当社グループは、過年度より前連結会計年度まで継続的に営業損失を計上していることに加え、前連結会計年度においては2024年10月15日以降の社内調査及び2024年11月29日以降の特別調査に関連する調査費用も含め、多額の親会社株主に帰属する当期純損失を計上しております。また、当連結会計年度においても、売上高は増加したものの、研究開発費の増加等により営業損失及び親会社株主に帰属する当期純損失を計上したことにより、資金水準が低下傾向にあります。

 当社グループは、特にネットワーク事業における顧客基盤の維持・拡大に向けて、継続的にソフトウェアの機能追加・改善を行うために必要なエンジニアリング体制を強化し研究開発費を投入するとともに、グローバルでの販売体制を構築する等の先行投資を行っております。これらの先行投資の成果として、当連結会計年度においては大口顧客との取引獲得を実現し今後数年間にわたる収益の柱の一つを構築できましたが、当社事業の安定化に向けては顧客基盤の更なる拡充を必要とし、その過程においては常に一定程度の不確実性が残存し、将来の売上高が当初見込みより減少するリスクがあります。このような場合、営業活動によるキャッシュ・フローが減少し、当社グループ全体として資金繰りに関する懸念が生じることになることから、当連結会計年度末においても継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象が存在しているものと認識しております。

[リスクへの対応策]

 かかる状況への対応策として、ガバナンス上必要な手続きも含め、既存顧客の深耕や新規顧客への営業活動強化等を通じ、幅広い顧客から成る強固な事業基盤の構築に向けた取り組みを着実に実行するとともに、当社グループ内におけるエンジニアリングリソースをはじめとした各種コストの適時適切な把握に努めてまいります。これらの取り組みを通じ、新規顧客の獲得における遅延や既存顧客の喪失といった将来キャッシュ・フローに重大な影響を生じうる事態が判明した際には、当社グループは人員体制の拡大抑制、研究開発費や短期的な事業成果に直結しない諸費用等の縮減等によるコストコントロールが可能と判断しております。

 以上のことから、当社は、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。加えて、当社グループは中長期的な資金需要や成長戦略を勘案のうえ、資本を含む戦略的協業や資本市場での資金調達あるいは銀行借入について継続的に検討を行い財務基盤の強化を図ってまいります。

 

   特別注意銘柄の指定

[リスクの内容と顕在化した際の影響]

 当社は、2025年8月27日付「特別注意銘柄の指定及び上場契約違約金の徴求に関するお知らせ」のとおり、2025年8月26日に、株式会社東京証券取引所より2025年8月27日から特別注意銘柄に指定されること及び上場契約違約金の徴求を受ける旨の通知を受けております。

 

1.特別注意銘柄指定の理由

 株式会社東京証券取引所から以下の指摘を受けております。

 株式会社ACCESS(以下「同社」という。)は、2025年6月30日に同社における不適切な会計処理に関する特別調査委員会の調査報告書を受領した旨を開示し、同日付けで過年度の決算内容の訂正を開示しました。

 これにより、同社の主力事業であるネットワーク事業を担う海外子会社(以下「本件子会社」という。)において、同社及び本件子会社の一部の経営陣の関与のもとで、ソフトウェアのライセンス販売に係る売上高の過大計上及び先行計上が行われ、また、本来は費用計上すべきソフトウェアの開発費がソフトウェア資産として過大計上されていたこと(以下「本件不適切会計」という。)が明らかになりました。

 その結果、同社は、2021年1月期から2025年1月期第2四半期までの決算短信等において、上場規則に違反して虚偽と認められる開示を行い、それに伴う決算内容の訂正により、2024年1月期の営業損失1,977百万円を105百万円、経常損失1,924百万円を12百万円、親会社株主に帰属する当期純損失2,231百万円を280百万円と過小に表示していたなど、決算内容を大幅に偽っていたことなどが判明しました。

 また、特別調査委員会の調査報告書及び日本取引所自主規制法人から同社に対する照会への回答等からは、本件不適切会計が2018年1月期から行われており、2018年1月期の各段階利益が6割以上減少し、2019年1月期及び2020年1月期の各段階損益の赤字を黒字と表示していたことも判明しました。

 さらに、同社は2020年2月に旧市場区分における当取引所マザーズ市場から市場第一部に市場変更しているところ、同社は当取引所に提出する書類がすべて真実である旨の宣誓書を提出していたにもかかわらず、本件不適切会計により市場変更申請書類等の財務数値に関して不実の記載等を行ったうえで承認を得ていたことも判明しました。

 これらの背景として、本件では主に以下の点が認められました。

 ・同社及び本件子会社の一部の経営陣の関与により、長期間にわたり複数の不適切会計が行われており、同経営陣の財務報告に対する規範意識に著しい欠如が認められること。また、同社代表取締役においても、本件不適切会計の端緒となり得る情報に触れていながら適切な対応を図っておらず、財務報告に対する意識の低さが認められること

 ・本件子会社の事業規模の拡大に伴い、本件子会社の内部管理体制の強化が必要であったにもかかわらず、業績の悪化等を理由に適切な対応が見送られてきた結果、本件子会社において本件不適切会計を防止するための有効な内部統制が整備されず、また、本件子会社の役職員においては、上場企業グループの一員であるとの意識が低く、特に財務報告の重要性に対する意識が十分に醸成されてこなかったこと

 ・同社においても、ネットワーク事業の拡大に伴い本件子会社の重要性が高まってきたにもかかわらず、それに見合う形で本件子会社に対する管理体制の強化が適切に対応されず、同社からの牽制機能が有効に果たせてこなかったこと

 以上のとおり、本件は、同社及び本件子会社の一部の経営陣の関与のもとで長期間にわたり複数の不適切会計が行われた結果、投資者の投資判断に深刻な影響を与える虚偽と認められる開示が行われたものであり、同社は2025年6月30日付で再発防止策に係る開示を行っているものの、未だ、同社の内部管理体制等について改善の必要性が高いと認められることから、同社株式を特別注意銘柄に指定することとします。

 また、同社が、上記背景のもと投資判断情報として重要性の高い決算情報について長期間にわたり誤った情報を公表し続けたこと、及び市場変更審査において、上場市場の変更申請に係る宣誓書に違反していながら市場変更の承認を得ていたことは、当取引所市場に対する株主及び投資者の信頼を毀損したと認められることから、同社に対して、上場契約違約金の支払いを求めることとします。

 

2.特別注意銘柄指定日

 2025年8月27日(水)

 

3.特別注意銘柄指定期間

 2025年8月27日から原則1年間とし、1年後に当社から内部管理体制確認書を提出、株式会社東京証券取引所が内部管理体制等の審査を行い、内部管理体制に問題があると認められない場合には指定が解除になります。一方で、内部管理体制に問題があると認められる場合には、原則として上場廃止となります。ただし、指定から1年経過後の審査において、内部管理体制等が適切に整備されていると認められるものの、適切に運用されていると認められない場合(適切に運用される見込みがある場合に限ります。)には、特別注意銘柄の指定を継続し、当該指定の継続を決定した日の属する事業年度(当該指定の継続を決定した日から当該事業年度の末日までの期間が3か月に満たない場合は当該事業年度の翌事業年度)の末日以降の審査までに、内部管理体制等の運用状況の改善を求められ、内部管理体制等が適切に整備され、運用されていると認める場合にはその指定が解除されます。一方で、内部管理体制等が適切に整備され、運用されていると認められない場合には上場廃止となります。なお、内部管理体制等が適切に整備され、運用されていると認めるものの、経過観察の対象銘柄に該当する場合には、最長3事業年度、指定が継続され、その間同審査が行われます。

[リスクへの対応策]

 特別注意銘柄への指定を受けて、当社は、指定理由となった不備を解消し、内部管理体制を確立するため、「改善計画・状況報告書」を策定して2026年1月30日付で株式会社東京証券取引所に提出し、前述の内部統制の不備に対する是正措置も含め、全社を挙げて改善施策の実行を進めております。前述の不適切な会計処理が発生した主な原因は、当該米国子会社において事業規模が拡大する反面、それに対応できるだけのとりわけ財務報告に関連する内部牽制の仕組みが十分に構築できていなかったこと、さらにその礎となる信頼性ある財務報告に対する一部のマネジメントの姿勢や規範意識が不十分であったことにあると認識しております。これらの改善にあたっては、事業規模や重要性に見合った管理体制を構築し、さらに当社グループ全体において日本の上場企業グループであることを自覚し、その規範意識を強化・向上させていくことがとりわけ重要な課題であると認識しております。

 当社は特別調査委員会の調査報告書における指摘・提言及び特別注意銘柄への指定を真摯に受けとめ、経営トップ自らの強いコミットメントのもと、内部統制及びガバナンスの改善を図ってまいります。

 

③   プライム市場の上場維持基準について

[リスクの内容と顕在化した際の影響]

 当社は東京証券取引所の市場再編においてプライム市場を選択しましたが、2026年1月末時点においてはプライム市場の上場維持基準である流通株式時価総額100億円以上の基準を充たしていない状況にあります。当該状況が改善されない場合には、プライム市場において当社株式の上場を維持することができず、株価又は株式の流動性に悪影響を及ぼすとともに、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

[リスクへの対応策]

 今回不適合となった流通株式時価総額の上場維持基準を充たすために、2027年1月31日までを改善期間とする上場維持基準への適合に向けた各種取組を進めてまいります。取り組みの詳細は、2026年4月下旬に公表予定です。

 

   当社製品の品質について

[リスクの内容と顕在化した際の影響]

 製品開発における欠陥や瑕疵等、とりわけソフトウェアにおけるバグが発生する可能性は、完全には排除できません。当社グループが販売した製品において、欠陥や瑕疵が発生した場合、追加的に発生する対応作業、顧客への補償や機会損失等が発生し、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

[リスクへの対応策]

 当社グループは、品質管理部門を中心として、ソフトウェア開発における開発プロセスや品質マニュアルを定義し、社員向け教育やそれらの継続的な改善に取り組んでおります。また、各技術領域に精通した技術スペシャリスト及び品質管理部門によるレビューを通じ、品質の徹底管理に取り組んでおります。

 

⑤   情報セキュリティについて

[リスクの内容と顕在化した際の影響]

 当社グループは、顧客情報、個人情報を含む重要な機密情報を取り扱っておりますが、悪意を持った第三者によるサイバー攻撃や情報事故等を含む予期せぬ事象によりこれらの情報の漏洩が発生した場合、信用失墜や顧客等からの損害賠償請求等のほか、当社技術の流出に伴う競合他社に対する競争力の低下等により、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループが顧客に提供する製品・サービスにおいて情報セキュリティ上の問題が生じた場合においても、顧客から損害賠償請求を受ける可能性があります。

[リスクへの対応策]

 上述のリスクや昨今の社会情勢も踏まえ、当社グループは情報管理を経営の重要事項と位置付けており、当社において、2019年4月に情報セキュリティマネジメントシステムに関する国際規格「ISO/1EC 27001:2013」及び「JIS Q 27001:2014」の認証を取得し、各種法令等や個人情報の管理に係るプライバシーポリシーに沿った情報管理体制の運用・強化及び社員の意識向上を目的とした社内教育・啓発活動を行っております。さらにサイバー攻撃対策、ネットワーク管理、入退館におけるセキュリティシステムの導入等、外部からの侵入・攻撃等にも様々な対策を講じ、運用監視体制を強化した上で、これらの見直しも継続的に行っております。また、当社製品の開発にあたっては、開発プロセスや品質マニュアルを定義及び運用し、かつセキュリティ領域における技術スペシャリストによるレビューを行った上で、第三者による脆弱性診断を適時適切に実施するなどの対策を講じることにより情報セキュリティの強化に取り組んでおります。

 

   知的財産権について

[リスクの内容と顕在化した際の影響]

 当社グループの保有する特許権、商標権、ソフトウェアに係る著作権等の知的財産権に対する第三者による侵害が発生した場合には、結果的に競合他社に対する競争力の低下を招くおそれがあり、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 また、侵害事実等の有無にかかわらず、当社グループの技術が第三者の知的財産権を侵害している旨の申立てを受けたり、当社グループが意図せず第三者の知的財産権を侵害してしまったりした場合等には、高額の費用を要する訴訟又はライセンス契約の締結、関連する当社製品の販売停止等に至る場合があり、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

[リスクへの対応策]

 当社グループは、自社開発又は第三者との共同開発によって蓄積する技術や、製品の販売に必要な名称やロゴについて、日本及び主要国において積極的に特許出願や商標出願を行い、当社グループの知的財産権の保護に努めております。

 また、製品開発時や新たなビジネスモデルの検討時には、事前に適切な調査を実施し、さらに顧客等との契約においては、知的財産権に関する責任の所在・範囲を明確に規定し、過大な責任を負うことのない条件を規定する等、第三者の知的財産権の侵害防止及び侵害が発生した場合における当社グループの責任の適切なコントロールに努めております。また、知的財産権に関する社内教育を定期的に実施し、自社の知的財産権の保護と第三者の知的財産権の侵害防止に向けたリテラシーの向上に努めております。

 

   法的規制やコンプライアンスについて

[リスクの内容と顕在化した際の影響]

 当社グループの事業は、関連する各国の各種法的規制の適用を受けております。そのため、当社グループの事業に関連する法的規制等が新設、改正、又は解釈の変更がなされた場合、当社グループの現在又は将来における事業活動が大きく制約される可能性やコストの増加を招く可能性があり、その規模によっては財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 また、当社グループの取締役や従業員による不正行為・コンプライアンス違反が生じた場合には、当社グループの社会的な信用が低下し、顧客から取引を停止されたり、多額の課徴金や損害賠償を請求されたりするなど、財政状態及び経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

[リスクへの対応策]

 当社グループは、企業理念に加え、当社グループ役職員全員が実践すべき行動の基準・規範を定めた「企業行動基準」及び「コンプライアンス・リスク管理規程」を制定し、実践しております。また、代表取締役社長執行役員及び管理関係部門の責任者をメンバーとし、常勤監査役2名をオブザーバーとするコンプライアンス・リスク管理委員会を設置しており、各部門のリスク状況の区分・把握・報告、規程の立案・制定を含むリスク管理体制の整備を行うとともに、未然防止策・対応策の立案・実行その他必要な事項の実施に関し、モニタリングを行い、これらの活動状況に関し、適時取締役会に対し、報告を行っております。加えて、当社グループにおける業務及び内部統制の有効性、効率性及びコンプライアンスの観点から内部監査を実施し、必要に応じて改善に向けた提案を行うとともに、結果については代表取締役社長執行役員及び経営会議に報告を行うほか、特に重要なものについては、四半期に一度又は必要に応じて取締役会に報告するなど、取締役会及び監査役会に対する報告を適宜行っております。

 さらに、取締役及び従業員によるコンプライアンスの徹底に向けて、法令・ガイドライン・社内規程等の遵守に向けた継続的な社内教育を実施するとともに、外部窓口の設置を含めた内部通報制度の充実を図っております。

 

⑧   輸出管理法令の遵守について

[リスクの内容と顕在化した際の影響]

  当社グループは、製品・サービスを国内外で開発・提供しているため、日本及び海外の輸出管理法令を遵守して事業を展開する必要があり、とりわけ当社の米国子会社であるIP Infusion Inc.は、米国の輸出管理規則や経済制裁関連法令などを遵守する必要があります。当社グループにおいては、これらの規制の対象となる取引の実施に際し、弁護士からの助言を受け、契約書において米国を含む各国の輸出管理法令の遵守を表明させる旨の条項を設けるなどの対応を講じております。他方、輸出管理法令の遵守に関する当社グループにおける従前の取組みについては、関連法令の遵守に向けた子会社の業務プロセス、取引先に対するスクリーニングの深度等に改善するべき点があったため、これらについては今後も特に注視していく必要があると認識しております。仮に当該リスクが顕在化して規制当局から制裁を受けるなどした場合、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

[リスクへの対応策]

 当社グループは、弁護士からの助言に基づいて、輸出管理法令の解釈や適用範囲の確認、子会社の業務プロセスに関する社内ルールの整備、取引先に対するスクリーニングの徹底、適切な規制当局向け手続の実施、社内教育等の取組みを徹底してまいります。

 

   訴訟等について

[リスクの内容と顕在化した際の影響]

 取引先又はその他の第三者との間において、予期せぬトラブル、訴訟等が発生する可能性があります。訴訟の内容及び結果によっては、多額の訴訟対応費用の発生や企業イメージの悪化等により、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

[リスクへの対応策]

 当社グループは、顧客を中心とした取引先等とのトラブルを未然に防ぐため、当社製品の品質、プロジェクト管理及び知的財産権について対応策を実施するとともに、複雑なライセンス契約や受託開発をはじめとした取引先等との契約においては、責任の所在・範囲を明確に規定し、過大な責任や履行義務を負うことのない条件を規定するよう努めております。また、国内外の事業活動の遂行に際し、内部統制の充実やコンプライアンスの強化にも継続的に努めております。さらに、訴訟等が生じた場合にも迅速で的確な対応がとれるよう、弁護士をはじめとした外部専門家に適時適切に相談できる体制を整えております。

 

   災害および感染症の流行等について

[リスクの内容と顕在化した際の影響]

 大地震・台風等の自然災害、予期せぬ事故・テロ・紛争等あるいは感染症の流行等、国内外の拠点所在地において想定を超える大災害等が発生した場合において、当社グループの施設等の損壊や閉鎖、交通・通信・物流といった社会インフラの混乱、顧客を含む取引先への被害が発生した場合等、その状況によっては、当社グループの事業活動・営業活動が阻害され、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 また、今後新型コロナのような感染症の流行が再び発生した場合には、経済活動の世界的な低調化、顧客との接点の減少、各企業における投資の抑制や案件の延期、当社製品の試験評価の遅延や中断等が発生し、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

[リスクへの対応策]

 当社グループは、上述のような災害や感染症の流行等が発生した場合の事業への影響を最小限に留めるため、事業継続計画(BCP)を策定しております。当該BCPの社内周知徹底や運用テストの実施に継続的に取り組むとともに、オンライン会議を活用した商談の実施、リモートでの製品開発体制の整備を含むリモートワーク環境の活用などにより、有事の際の影響を最小限に留めるよう努めております。

 

   経済状況の変動について

[リスクの内容と顕在化した際の影響]

 当社グループは、製品・サービスをグローバルの顧客に提供しており、その売上収益は、世界における需要、景気、物価変動、産業・業界動向に影響を受けます。特に、当社グループの製品を搭載した半導体・最終製品の出荷減少は、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

[リスクへの対応策]

 当社製品を搭載した半導体・最終製品の出荷減少の兆候が認められ、それに伴い当社グループの売上収益減少のおそれがある場合、リカバリー策を速やかに講じられるよう市場動向や顧客状況を注視し、適時に情報を把握するよう努めております。

 

   地政学リスクについて

[リスクの内容と顕在化した際の影響]

 当社グループは、米国、ドイツをはじめとして海外にも拠点を持ち、製品・サービスをグローバルで開発・提供しています。そのため、国際情勢の変化に伴う関係国の政策や法的規制の変更は、企業活動にも大きく影響します。特に、各国の輸出規制、技術移転の制限、関税の引き上げ等により事業活動が制限を受け、グローバルでの製品・サービスの開発・提供に支障をきたす場合、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

[リスクへの対応策]

 各拠点所在国における現地弁護士を含む外部専門家とも連携し、国際情勢、法的規制変更及び政策変更等を定期的にモニタリングすることにより、地政学リスク顕在化の兆候、事業環境の変化及びこれらの業績への影響を早期に把握し、速やかに対応策を講じられるよう努めております。

 

   M&Aについて

[リスクの内容と顕在化した際の影響]

 当社グループは、事業戦略の推進にあたってM&A取引を継続的に検討・実行しておりますが、適切な条件でM&A取引が実行されなかった場合や、取引時に想定したシナジー効果が達成されなかった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 また、当社グループが取引関係の維持・強化を目的とした出資や、資金運用を目的とした投資を行った場合、投資先の経営状況や時価等の変動状況により、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

[リスクへの対応策]

 M&Aや投資に係る具体的な案件の検討の前段階において、関連部門が定期的に情報交換や議論を実施することにより各事業戦略に合致する案件をスクリーニングし、当社グループに損失が発生する可能性が高い案件を早期に回避できるよう努めております。具体的なM&Aや投資案件の実行プロセスにおいては、対象となる企業の十分な事前調査(各種デューデリジェンス等)を実施しており、その際には弁護士をはじめとした外部専門家を活用することで、当社グループへの損失が発生するリスクの低減を図っております。

 M&Aや投資案件の完了後、子会社となった対象企業については、当社関連部門が毎月の実績を確認して異常値の早期把握に努め、適宜子会社のCEOや経理責任者にヒアリングを行うなどの対応を行っております。さらに、当該子会社の取締役会等の会議体に当社の経営企画部門が参加するなど、適宜経営支援も実施しております。持分法適用会社については、当社経営企画部門が関連部門や担当取締役・執行役員と適時適切な情報交換を行い、財務情報や事業状況の把握に努めております。

 

   為替変動について

[リスクの内容と顕在化した際の影響]

 当社グループの海外における業績や外貨建ての資産・負債は連結財務諸表作成時に円換算されることから、為替相場に大幅な変動が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

[リスクへの対応策]

 為替リスクを伴う資金運用を行わないほか、外貨建ての資産の保有額を必要最小限とすることにより、為替変動による財政状態及び経営成績に対する影響を最小限とするよう努めております。

 

  気候変動について

[リスクの内容と顕在化した際の影響]

 気候変動を原因とした集中豪雨や大型台風など自然災害の増加・激甚化により、自社拠点や関連施設の被災、サプライチェーンの寸断が生じた場合に、サービス供給の停止や復旧コストの発生などが想定されるほか、気候変動に関する各種政策・規制への対応や、調達コスト、事業運営コストの上昇等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

[リスクへの対応策]

 当社グループは、上述のような災害等が発生した場合の事業への影響を最小限に留めるため、事業継続計画(BCP)を策定しております。当該BCPの社内周知徹底や運用テストの実施に継続的に取り組むとともに、オンライン会議を活用した商談の実施、リモートでの製品開発体制の整備を含むリモートワーク環境の活用などにより、有事の際の影響を最小限に留めるよう努めております。

 また、当社グループは、気候変動に関する対応を重要な経営課題と認識し、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言への賛同を表明しております。TCFDのフレームワーク(「ガバナンス」、「戦略」、「リスク管理」、「指標と目標」)に沿った評価・分析に関しては、気候変動を含むサステナビリティに関する事項について、代表取締役社長執行役員を議長とするサステナビリティワーキンググループを設置し、リスクの発生頻度や事業の影響度等について特定・分析・評価・対応策の検討を実施し、これらの取組状況については定期的にモニタリングを実施し、取締役会に報告を行うこととしております。環境負荷の軽減を含めた気候変動に対する取組みを評価・管理するため、温室効果ガス(GHG)排出量を算定しており、本社オフィスにおける消費電力の100%再生エネルギー化や、非化石証書付電力の活用等を通じて、2030年にScope1及びScope2のカーボンニュートラルの実現を目標として設定し、世界の平均気温の上昇を産業革命以前に比べて2℃以下に、可能な限り1.5℃に抑える努力をするというパリ協定で示された世界共通の長期目標及び、日本政府が掲げるカーボンニュートラル宣言に寄与すべく対応を推進してまいります。

 

配当政策

3 【配当政策】

当社は、株主に対する利益還元を重要な課題の一つとして位置付けており、利益配分につきましては、内部留保の充実等に留意しつつ、事業展開の状況と各期の経営成績を総合的に勘案して安定的な利益還元を行うことを基本方針としております。

当社は、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことができるものとしておりますが、現状期末配当のみを実施しております。配当の決定機関は、中間配当は取締役会、期末配当は株主総会であります。当連結会計年度におきましては、連結業績を踏まえ無配とさせていただきます。また、2027年1月期の配当予想につきましては、足元の状況を鑑み、誠に遺憾ながら無配とさせていただきます。

今後の方針としましては、安定的な利益創出と充分な繰越利益剰余金の蓄積が実現された段階で株主への利益還元施策を開始する所存であり、それに向けて継続的な事業成長を実現し、出来るだけ早期に株主の皆様への安定的な配当を実施させていただけるよう努めてまいります。