事業内容
セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
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セグメント別売上構成
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セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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セグメント別利益率
最新年度
セグメント名 | セグメント別 売上高 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
セグメント別 利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
---|---|---|---|---|---|
ビューティケア事業 | 168,586 | 95.7 | 16,354 | 96.5 | 9.7 |
不動産事業 | 2,522 | 1.4 | 440 | 2.6 | 17.4 |
その他 | 5,050 | 2.9 | 149 | 0.9 | 3.0 |
事業内容
3 【事業の内容】
当社グループは、マルチブランド戦略を展開しており、当社、子会社32社(連結子会社31社、持分法非適用非連結子会社1社)及び関連会社14社(持分法非適用関連会社14社)で構成され、ビューティケア事業をはじめとした「美と健康」に関わる事業を中心に展開しております。当社は、持株会社として、グループ戦略の策定、グループ経営のモニタリング機能を果たすとともに、グループ会社への経営管理業務(経営上の重要事項に係る指導・助言等)を行っております。
なお、当社は特定上場会社等であります。特定上場会社等に該当することにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。
当社グループ各社の主な事業の内容及びセグメント情報との関連は、以下の通りであります。
なお、以下のセグメント区分は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に掲げるセグメント情報と同一の区分であります。
(1) ビューティケア事業
ビューティケア事業においては、多様化するお客さまの価値観に対応するため、保有する各ブランドにて相応しい市場シェアを獲得していくマルチブランド戦略を推進し、化粧品・食品の研究開発、製造、販売及びボディファッション・アパレル品等の販売を行っております。
当社グループのビューティケア事業における、主な事業系統図は、以下の通りであります。
[ 事業系統図 ]
ビューティケア事業を展開する各社の特徴について
①株式会社ポーラ
ビューティケア事業の主軸となる株式会社ポーラは、エイジングケアと美白領域を強みとするハイプレステージブランドをコンセプトとした「POLA」ブランドについて、スキンケア品・メイクアップ品の展開、エステサービスの提供等、お客さまの求める「美」を様々な角度よりサポートし、国内外で事業展開を行っております。同社では、日本全国の販売委託先のショップオーナー/マネージャーと委託販売契約を締結しており、会社から直接指導を受けた販売パートナーによるカウンセリング販売が最大の特徴であります(販売体制の概要については、後述[ 委託販売チャネルにおける販売体制の概要 ]をご参照ください)。また、エステと化粧品を融合した集客型店舗「ポーラ ザ ビューティー」(2023年12月31日時点468店舗)や、百貨店等における店舗販売も展開しております。
商品としては、当社グループの長年の研究成果であるエイジングケア・ホワイトニング技術や、肌分析システムに蓄積された約2,070万件の肌データを活用したスキンケア品が中心となっております。主力ラインとしては、「B.A」シリーズ及び「ホワイトショット」シリーズ、「リンクルショット」シリーズ等があります。
その他、健康食品、ボディファッション品も販売をしております。また、ホテル・施設等事業者を対象としたシャンプー等の業務用商品も取り扱っております。
[ 委託販売チャネルにおける販売体制の概要 ]
主力事業である委託販売チャネルでは、全国3,326拠点のショップ、22,998人のビューティーディレクター(2023年12月31日時点)を通じたカウンセリング販売を実施しております。
同チャネルでは委託販売制度を採用しており、株式会社ポーラが商品の販売を委託したショップオーナー/マネージャーと、各ショップオーナー/マネージャーから販売の再委託を受けたビューティーディレクターが、お客さまに商品を販売しております。
株式会社ポーラの売上は、ショップオーナー/マネージャー、ビューティーディレクターがお客さまに商品を販売した時点で計上され、販売実績に応じた販売手数料が株式会社ポーラから支給されます。
ショップオーナー/マネージャーには、ショップの販売実績(再委託先であるビューティーディレクターの販売実績を含みます。)に応じた販売手数料が支給されます。
(委託販売契約に基づく取引の概略図)
(注)1 ショップオーナー/マネージャー、ビューティーディレクターは、委託販売契約に基づく販売パートナーである個人事業主であり、ショップは、当社グループ外の独立した組織です。
2 販売パートナーであるビューティーディレクターが、自ら育成した人材とあわせて月平均売上が150万円以上になると、本人の申請に基づきショップとして独立することができます。ショップオーナーとは、そのショップの責任者であり、日常の販売活動、ビューティーディレクターの採用・育成、商品の管理等を行っております。
3 上記取引の他、ショップオーナー/マネージャー、ビューティーディレクター自らが商品を買い取り、消費することもあります。
②オルビス株式会社
オルビス株式会社は、人が本来持つ美しさを引き出すスキンケアブランドをコンセプトとした「ORBIS」ブランドについて、国内外で事業展開、販売を行っております。同社では、低中価格帯(1,000~3,000円)領域を中心に、インターネットやSNS、カタログ等を活用した通信販売と、駅ビル等の商業施設に出店している直営店「オルビス・ザ・ショップ」(2023年12月31日時点93店舗)における店舗販売を中心に事業活動を展開しております。
商品としては、エイジングケアの「オルビスユー」シリーズ、シワ改善・美白ケアの「リンクルブライト」シリーズ等が主力商品となっております。また、化粧品の他に、特定保健用食品「オルビス ディフェンセラ」をはじめとした健康食品やボディファッション品も販売をしております。
③Jurlique International Pty.Ltd.
Jurlique International Pty.Ltd.は、ナチュラル化粧品分野のパイオニアとして、無農薬有機農法により自社農園で栽培された植物由来の原料を使用した「Jurliqueブランド」のスキンケア及びボディケア製品を、オーストラリア、アジア、米国、欧州等世界20カ国以上で直営店、百貨店及び代理店を通じて販売をしております。
④株式会社ACRO
株式会社ACROは、精油や日本国内の天然原料等のオーガニック植物から抽出される美容成分を配合したスキンケア品やメイクアップ品の他、化粧品にとどまらないライフスタイル商材を販売する「THREE」ブランドを展開する会社であります。都市部の百貨店や直営店、インターネットによる通信販売を中心に事業活動を展開しております。
⑤株式会社DECENCIA
株式会社DECENCIAは、当社グループで蓄積された化粧品技術に基づいて、敏感肌でお悩みの方に対する化粧品の提供を目的に設立した会社であります。敏感肌・乾燥肌のためのスキンケアブランドをコンセプトとした「DECENCIA」ブランドについて、インターネットによる通信販売を中心に事業活動を展開しております。
⑥トリコ株式会社
トリコ株式会社は、パーソナライズビューティケアブランドのパイオニアとして、独自の分析に基づきお客さま一人ひとりにあわせてサプリメントやプロテイン等をカスタマイズし、サブスクリプション形式で提供する「FUJIMI」ブランドを展開、販売する会社であります。
⑦POLA ORBIS Travel Retail Limited
POLA ORBIS Travel Retail Limitedは、グループのトラベルリテール事業を統括しており、主に「POLA」「THREE」「Jurlique」ブランドの製品を海外で輸入、販売しております。
⑧ポーラ化成工業株式会社
当社グループの化粧品の研究開発と生産機能を担っている会社であり、現在では主に「POLA」「ORBIS」「THREE」「DECENCIA」ブランドの化粧品製造を行っております。
長年の研究による素材・剤型技術に基づいた高付加価値・高機能化粧品のスキンケア品を主に提供しております。また、OEMメーカーとして、他社製品の共同開発及び生産にも対応しております。
⑨株式会社ポーラメディカル
株式会社ポーラメディカルは当社グループにおける皮膚科学研究成果活用の新たな手段として、美容医療関連領域における事業展開を目的に設立した会社であります。当社グループの研究所によるエビデンスに基づく美容医療関連商材・サービスの開発と、美容医療関連商材・サービス等の皮膚科等クリニックへの提供を主な事業として展開しております。
(2) 不動産事業
不動産事業においては、株式会社ピーオーリアルエステートにて、不動産物件(オフィスビル及びマンション)の賃貸事業を行っております。また、子会社としてビルメンテナンスを担当する株式会社ピーオーテクノサービスを有し、毎年計画的に補修工事やリニューアル工事を実施し、不動産物件の品質維持に努めております。
[ 事業系統図 ]
(3) その他
その他の事業として、株式会社ピーオーテクノサービスにて、グループ内部及び外部のお客さまを対象にビルメンテナンス事業を行っている他、株式会社シノブインシュアランスサービスによるグループ内保険代理店業務も行っております。
[ 事業系統図 ]
業績
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度(2023年1月1日~2023年12月31日)における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、経営成績等)の状況の概要は次の通りであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(2023年1月1日~2023年12月31日)におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染症法上での扱いが5類に移行したこと等により経済社会活動の正常化が進み、一部に足踏みがみられるものの、緩やかな景気回復がみられる状況です。一方で、賃金の上昇を上回る物価上昇等を背景に、消費者マインドの持ち直しは停滞する状況がみられております。
国内化粧品市場においては、経済活動の正常化による外出機会の増加により、個人消費が持ち直す状況となりました。また、円安も呼び水となった訪日外国人客によるインバウンド需要の伸びが売上を後押ししました。一方で、人々のライフスタイルの変容による消費行動や消費構成の変化、販売チャネルの構造変化、EC市場での広告費の高騰等がみられており、環境変化への対応により一層の工夫が求められる状況にあります。
海外化粧品市場においては、景気は一部の地域で弱さがみられるものの、持ち直している状況です。中国市場においては、ゼロコロナ政策の解除により経済活動が正常化へと向かい、人の流れが活発化してサービス関連の消費を中心に回復基調にありましたが、雇用不安等により景気の持ち直しに足踏みがみられる状況にあります。また、原子力発電所によるALPS処理水の海洋放出に端を発した日本製品を回避する動きがみられております。
このような市場環境のもと、2021年からスタートした中期経営計画(2021年から2023年)に基づき、「国内ダイレクトセリングの進化」「海外事業の利益ある成長」「育成ブランドの利益貢献」「経営基盤の強化」「新ブランド、“美”に関する領域拡張」を重点テーマに掲げ、取り組んでまいりました。
以上の結果、当連結会計年度における業績は次の通りとなりました。
売上高は、コロナ禍の混乱からの回復を受けて前年同期比4.2%増の173,304百万円となりました。営業利益は、売上高増による売上総利益増加により、前年同期比27.8%増の16,080百万円、経常利益は前年同期比23.7%増の18,469百万円となりました。また、前年に計上した法人税等調整額が減少した影響により、親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期比15.6%減の9,665百万円となりました。
[業績の概要]
セグメントごとの経営成績は、次の通りであります。
[セグメント別の業績]
売上高(外部顧客への売上高)
セグメント利益(営業利益)
(注) セグメント利益の調整額とは、グループの内部取引に伴う利益及びセグメントに含まれない経費等を連結時に消去・加算した金額であります。なお、セグメント利益の調整額の詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(セグメント情報等) 3 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産その他の項目の金額に関する情報(注2)」をご覧ください。
(ビューティケア事業)
ビューティケア事業は、基幹ブランドとして「POLA」「ORBIS」を、海外ブランドとして「Jurlique」を、育成ブランドとして「THREE」「DECENCIA」「FUJIMI」を展開しております。
POLAブランドでは、エイジングケア・美白を中心とした高機能商品の投入による更なるブランド価値の向上と、中長期的な顧客基盤構築を進めております。国内事業では、オンラインとオフラインのチャネル融合(OMO:Online Merges with Offline)の推進により、各チャネルの特性や強みを生かした高LTV事業の実現に取り組んでおります。2023年4月に始動した新メンバーシッププログラム「ポーラ プレミアム パス」により、全ての販売チャネルの顧客IDを統合し、国内全てのお客さまへ共通のサービス体験のお届けを開始しました。経済活動の正常化による人流の戻りや訪日外国人客の戻りに加えて、新商品の「B.Aミルクフォーム」やリニューアル発売した「B.AグランラグゼⅣ」、エステの好調等により、国内事業全体で前年を上回る実績で推移しております。海外事業では、引き続き、最重点市場である中国でブランドプレゼンスの確立のための顧客接点の拡充に取り組んでおります。中国及び一部のアジア地域における景気減速等の影響が生じたものの、海外事業全体で前年を上回る実績となりました。以上の結果、POLAブランドは前年同期を上回る売上高となりました。一方で、下半期に生じた海外事業の減速影響等により、前年同期を下回る営業利益となりました。
ORBISブランドでは、高収益事業へと再成長を遂げるため、ブランド差別性の創出によるプレゼンス及び顧客ロイヤリティの向上と、「オルビスユー」シリーズを中心に据えたスキンケア顧客の拡大を進めております。国内事業では、ブランド体験の基軸となるワンストップアプリによる顧客に寄り添った伴走型コミュニケーションの提供と、新商品の継続投下により、拡大に転じた顧客数の更なる増加とLTV最大化に取り組んでおります。直販チャネルでは、成長を牽引する「オルビスユードット」のリニューアルや、ベストコスメを多数受賞しているUVのスペシャルケア品等の伸長により、顧客数、顧客単価ともに前年超過となりました。外部チャネルでは、ロングセラー商品のヘアケア品がベストコスメ総合大賞を受賞する等、新たな顧客接点の開拓に寄与しており、販路も拡大し前年同期より大幅に伸長しております。海外事業では、重点市場の中国を中心に事業の成長加速と黒字化に向けた取り組みを進めております。中国では顧客接点の拡大とブランド認知向上に向けた投資の強化に取り組んでおり、景況の悪化やALPS処理水海洋放出に伴う影響が生じたものの、前年を上回る実績となりました。以上の結果、ORBISブランドは前年同期を上回る売上高・営業利益となりました。
Jurliqueブランドでは、豪州及び中国、その他アジア市場での成長に向けた取り組みを継続しております。重点市場の豪州においてオフライン売上の回復が進み、前年を上回る実績となりました。また中国においては、景気回復ペースの減速の影響を受けながらも、新商品の投入及び戦略商品への注力によるブランド価値の向上等により、前年を上回る実績で推移しております。以上の結果、Jurliqueブランドは前年同期を上回る売上高となりました。一方で、免税事業の減速等の影響により、営業損失が拡大する結果となりました。
育成ブランドでは、THREEブランドで、黒字化に向けた構造改革の取り組みを進めております。リニューアル発売した基幹スキンケアシリーズやブランド初のフレグランス発売等により顧客の動きが活性化し、国内事業は前年を上回る実績で推移しております。DECENCIAブランドでは、2023年9月に主力商品のシワ改善美容液をリニューアル発売しました。顧客属性にあわせた購買促進施策の展開により顧客数が増加し、国内事業は前年を上回る実績で推移しております。FUJIMIブランドでは、2023年1月に新ブランドメッセージを策定し、リブランディングを進めております。以上の結果、育成ブランド全体では前年同期を上回る売上高となりました。また、各ブランドにおいて厳格な費用コントロールを実施したことが奏功し、営業損失は改善しております。なお、ビューティケア事業におけるブランドポートフォリオの改革と更なる収益性向上を目指す一環として、2023年3月6日付で「Amplitude」「ITRIM」の2ブランドの撤退を決定し、年内での撤退が完了しております。
以上の結果、売上高(外部顧客に対する売上高)は168,477百万円(前年同期比4.2%増)、営業利益は16,354百万円(前年同期比18.6%増)となりました。
(不動産事業)
不動産事業では、都市部のオフィスビル賃貸を中心に、魅力的なオフィス環境の整備による賃料の維持向上と空室率の低下に取り組むとともに、子育て支援に特化した賃貸マンション事業も展開しております。当連結会計年度は、前年にオフィスビルを一部売却した影響等により、前年同期を下回る売上高・営業利益となりました。
以上の結果、売上高(外部顧客に対する売上高)は2,078百万円(前年同期比0.2%減)、営業利益は440百万円(前年同期比10.5%減)となりました。
(その他)
その他に含まれている事業は、ビルメンテナンス事業であります。
ビルメンテナンス事業は、主にビルの運営管理を行っております。当連結会計年度は、契約件数の増加等により、前年同期を上回る売上高、営業利益となりました。
以上の結果、売上高(外部顧客に対する売上高)は2,748百万円(前年同期比7.0%増)、営業利益は149百万円(前年同期比54.7%増)となりました。
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ4,727百万円減少し、201,207百万円(前連結会計年度末比2.3%減)となりました。主な増減項目は、建設仮勘定の増加9,136百万円、流動資産その他の増加4,333百万円、投資有価証券の増加1,206百万円により増加し、一方で現金及び預金の減少16,117百万円、繰延税金資産の減少4,342百万円により減少しております。
負債につきましては、前連結会計年度末に比べ1,666百万円減少し、32,809百万円(前連結会計年度末比4.8%減)となりました。主な増減項目は、未払金の増加1,266百万円により増加し、一方で退職給付に係る負債の減少1,073百万円、流動負債その他の減少1,031百万円より減少しております。
純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ3,060百万円減少し、168,398百万円(前連結会計年度末比1.8%減)となりました。主な増減項目は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上9,665百万円により増加し、一方で剰余金の配当11,516百万円、為替換算調整勘定の減少1,468百万円により減少しております。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ16,185百万円減少し、46,376百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とその要因は次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、14,423百万円の収入(前年同期比7.2%減)となりました。
主な要因は、税金等調整前当期純利益15,360百万円、減価償却費7,712百万円並びに減損損失1,813百万円により資金は増加し、一方で退職給付に係る負債の増減額971百万円、為替差損益2,176百万円、棚卸資産の増減額1,464百万円、法人税等の支払額6,586百万円により資金は減少しております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、18,734百万円の支出(前年同期比51.5%増)となりました。主な要因は、有価証券の売却及び償還による収入11,100百万円により資金は増加し、一方で、有価証券の取得による支出1,000百万円、有形固定資産の取得による支出12,146百万円、無形固定資産の取得による支出4,088百万円、投資有価証券の取得による支出11,403百万円により資金は減少しております。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、12,375百万円の支出(前年同期比2.3%減)となりました。主な要因は、リース債務の返済による支出815百万円、配当金の支払額11,547百万円によるものであります。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注)1 いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2 株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
3 キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
4 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象
としております。
③生産、受注及び販売の実績
(生産実績)
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。
(注) 1 金額は製造会社販売価額によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2 不動産及びその他事業については、生産活動を行っておりません。
(受注実績)
重要な受注生産を行っておりませんので記載を省略しております。
(販売実績)
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。
(注) セグメント間取引については相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。なお、その作成には経営者の判断に基づく会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りが必要となります。この判断及び見積りに関しては過去の実績等を勘案し合理的に判断しております。しかしながら、実際の結果は、見積り特有の不確実性が伴うことから、これら見積りと異なる可能性があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
また、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計上の見積り及び仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(経営成績)
イ 売上高
当連結会計年度の売上高は173,304百万円(前年同期比4.2%増)となりました。セグメントごと(セグメント間取引を除く)では、ビューティケア事業で168,477百万円(前年同期比4.2%増)、不動産事業で2,078百万円(前年同期比0.2%減)、その他の事業で2,748百万円(前年同期比7.0%増)となりました。ビューティケア事業における増加の主な要因は、コロナ禍の混乱からの回復を受けたPOLAブランド、ORBISブランド等の百貨店・EC事業の好調によるものであります。
ロ 売上総利益
当連結会計年度の売上総利益は、売上高の増加に伴い、前連結会計年度より6,806百万円増加し、142,076百万円(前年同期比5.0%増)となりました。
ハ 販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度より3,307百万円増加し、125,996百万円(前年同期比2.7%増)となりました。売上高の増加に伴い変動費である販売関連費や一部の固定費の負担が増加しましたが、売上高に対する比率は前年を下回っております。
ニ 営業利益
営業利益は、前連結会計年度より3,499百万円増加し、16,080百万円(前年同期比27.8%増)となりました。前述の売上高の増加による売上総利益増加によるものであります。
ホ 経常利益
経常利益は、前連結会計年度より3,541百万円増加し、18,469百万円(前年同期比23.7%増)となりました。前述の営業利益の増加が主な要因です。
ヘ 税金等調整前当期純利益
税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度より3,049百万円増加し、15,360百万円(前年同期比24.8%増)となりました。主に前述の経常利益の増加によるものであります。また、特別損失としてFUJIMIブランドの減損損失及びAmplitudeとITRIMブランド終了に伴う損失を計上しております。
ト 法人税等
法人税等は、前連結会計年度より4,823百万円増加し、5,627百万円(前年同期比599.9%増)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の増加に加え、前年に計上したH2O PLUSの清算に伴う法人税等調整額の減少の影響であります。
チ 親会社株主に帰属する当期純利益
以上の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度より1,781百万円減少し、9,665百万円(前年同期比15.6%減)となりました。
(財政状態)
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ4,727百万円減少し、201,207百万円となりました。
当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べ1,666百万円減少し、32,809百万円となりました。
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ3,060百万円減少し、168,398百万円となりました。
主な増減内容については、『(1)経営成績等の状況の概要』に記載の通りであります。
以上の結果、財務指標としては、流動比率が前連結会計年度末の455.7%から420.0%に低下し、自己資本比率が前連結会計年度末の83.0%から83.4%に増加しております。
(経営戦略の現状と見通し)
経営戦略の現状と見通しについては、『経営方針、経営環境及び対処すべき課題等』にて報告しております。
(資本の財源及び資金の流動性についての分析)
当社グループは、事業継続に必要と考える資金は確保していると認識しております。今後の資金使途につきましては、新価値創出に向けた研究開発投資、店舗の出店・リニューアルや生産性向上のための設備投資、M&Aを含む新規ブランドの創出・育成に取り組むことで、将来のキャッシュ・フローの創出を目指します。なお、キャッシュ・マネジメント・システムを導入し、子会社における資金業務を当社に集中させることにより、当社グループ全体の資金効率化を図っております。
事業資金と余剰資金については、それぞれ資金運用管理規程及び資金運用管理基準をもとに運用しております。当連結会計年度末の現金及び預金残高は47,200百万円と前連結会計年度末に比べ16,117百万円減少しております。
(経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等)
長期経営計画・VISION 2029の実現に向けて、2021年から始まった前中期経営計画では、1stステージとして、短中期の課題解決を通じ、長期的な成長に繋がる基盤の構築とコロナ禍以前の売上高・営業利益水準への回復を目指し取り組んでまいりました。2023年の経営指標は、連結売上高は2,050億円~2,150億円、連結営業利益は営業利益率12%以上の達成を掲げ、また、ROEについては9%以上、配当性向は引き続き60%以上を目標としてまいりました。コロナ禍の混乱からの国内事業の立て直しに時間を要したことや中国市場における市況悪化もあり、経営指標は計画未達となったものの、2022年を底に業績は回復し収益性の良化を実現しております。また国内EC売上高比率の向上は進捗し、ビジネスモデルの構造改革に一定の成果を得ることができました。
2024年から始まる新たな中期経営計画は、VISION 2029の達成に向けた2ndステージとして「再挑戦と成長基盤確立の3年間」と位置づけ、ブランドをより先鋭化して国内利益創出力を強化し、海外や新事業等の成長領域へ投資をしてまいります。連結売上高は年平均で5%(国内+4%、海外+12%)の成長、2026年時点で2,000億円を目指します。連結営業利益率は12~13%の達成を計画しております。また、ROEは10%以上、配当性向は引き続き60%以上を目標値としております。加えて、引き続き重点テーマである海外売上高比率は、2026年末までに20%まで高めることを目標としております。
来期(2024年12月期)につきましては、売上高179,000百万円(前年同期比3.3%増)、営業利益17,900百万円(前年同期比11.3%増)、経常利益17,900百万円(前年同期比3.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益11,600百万円(前年同期比20.0%増)を見込んでおります。『経営方針、経営環境及び対処すべき課題等』に記載の重点戦略に取り組み、目標とする経営指標の達成を目指してまいります。
セグメント情報
(セグメント情報等)
【セグメント情報】
1 報告セグメントの概要
当社の報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社は、主に化粧品の研究開発、製造、販売等を行っており、多様化するお客さまの価値観に対応するため、複数ブランドを保有し、各ブランドに相応しい市場においてシェアを獲得していくマルチブランド戦略を推進し、各ブランドごとに国内及び海外の包括的な戦略を立案し、事業活動を行っております。また、化粧品以外においてもグループの利益貢献を果たすべく様々な事業を展開しております。
従って、当社のセグメントは「ビューティケア事業」を中心として、これを間接的に支援する「不動産事業」を報告セグメントとしております。
「ビューティケア事業」は、化粧品・健康食品の製造・販売とファッション品(婦人用下着・婦人服・宝飾品)の販売を行い、POLA・ORBIS・Jurlique・H2O PLUS・THREE・DECENCIA・Amplitude・ITRIM・FIVEISM×THREE・FUJIMIといったブランドが含まれております。また、「不動産事業」は不動産(オフィスビル・マンション)の賃貸事業を行っております。
2 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額の算定方法
報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」における記載と概ね同一であります。
報告セグメントの利益は、営業利益ベースの数値であります。なお、セグメント間の内部利益及び振替高は市場実勢価格に基づいております。
3 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産その他の項目の金額に関する情報
前連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
(単位:百万円)
(注) 1 「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、ビルメンテナンス事業であります。
2 調整額は、以下の通りであります。
(1) セグメント利益の調整額△1,800百万円には、セグメント間取引消去6,086百万円、各報告セグメントに配分していない全社費用△7,886百万円が含まれております。全社費用は、報告セグメントに帰属しない当社本社の管理部門に係る費用等であります。
(2) セグメント資産の調整額9,086百万円には、セグメント間消去△85,274百万円、各報告セグメントに配分していない全社資産94,361百万円が含まれております。全社資産は、報告セグメントに帰属しない当社本社の金融資産及び管理部門に係る資産であります。
(3) 減価償却費、有形固定資産及び無形固定資産の増加額の調整額は、全社資産及びセグメント間消去に係る減価償却費、有形固定資産及び無形固定資産の増加であります。
3 セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。
4 減価償却費、有形固定資産及び無形固定資産の増加額には、長期前払費用の減価償却費及び増加額が含まれております。
当連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
(単位:百万円)
(注) 1 「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、ビルメンテナンス事業であります。
2 調整額は、以下の通りであります。
(1) セグメント利益の調整額△863百万円には、セグメント間取引消去8,796百万円、各報告セグメントに配分していない全社費用△9,659百万円が含まれております。全社費用は、報告セグメントに帰属しない当社本社の管理部門に係る費用等であります。
(2) セグメント資産の調整額9,479百万円には、セグメント間消去△64,754百万円、各報告セグメントに配分していない全社資産74,234百万円が含まれております。全社資産は、報告セグメントに帰属しない当社本社の金融資産及び管理部門に係る資産であります。
(3) 減価償却費、有形固定資産及び無形固定資産の増加額の調整額は、全社資産及びセグメント間消去に係る減価償却費、有形固定資産及び無形固定資産の増加であります。
3 セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。
4 減価償却費、有形固定資産及び無形固定資産の増加額には、長期前払費用の減価償却費及び増加額が含まれております。
【関連情報】
前連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
1 製品及びサービスごとの情報
単一の製品・サービスの区分の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。
2 地域ごとの情報
(1) 売上高
(単位:百万円)
(注)売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。
(2) 有形固定資産
本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の90%を超えるため、記載を省略しております。
3 主要な顧客ごとの情報
外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載はありません。
当連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
1 製品及びサービスごとの情報
単一の製品・サービスの区分の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。
2 地域ごとの情報
(1) 売上高
(単位:百万円)
(注)売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。
(2) 有形固定資産
本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の90%を超えるため、記載を省略しております。
3 主要な顧客ごとの情報
外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載はありません。
【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】
前連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
(単位:百万円)
【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】
前連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
(単位:百万円)
(注)ビューティケア事業において、のれんの減損損失を1,987百万円計上しています。
当連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
該当事項はありません。
【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】
該当事項はありません。