2024年7月期有価証券報告書より

リスク

3【事業等のリスク】

 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクには、以下のようなものがあります。

 当社では、このようなリスクを把握し、管理するための体制・枠組みとして、プレミアアンチエイジング行動規範、リスクマネジメント規程、コンプライアンス規程ほか社内規程に基づき、役職員がリスク・コンプライアンス意識をもって適切に職務執行を行うことができる体制を確保しております。加えて、リスク管理については、コーポレート本部管掌取締役を委員長としたリスク・コンプライアンス委員会を設置し、リスクマネジメント及びコンプライアンスにおける基本方針、計画及び体制を策定するとともに、各部門に設置したリスクマネジメント担当者を起点として、リスクの分析や管理状況のモニタリングその他必要に応じた指導監督体制を構築しております。

 

(1) 特定のブランドへの依存及び競争の激化

(発生可能性:高/発生可能性のある時期:長期的/影響度:大)

 当社グループは、「Uniqueな感性と思考で生み出した製品やサービスで、すべての人を年齢から解き放ち、新たな価値観で輝かせる。」をパーパスに掲げ、スキンケア事業・ヘアケア事業・インナーケア事業・リカバリー事業など多角的に事業を展開しています。しかしながら、その売上高の大部分は、主力ブランドであるクレンジングバームを中心としたデュオブランドに依存しております。デュオブランドが、競合他社の新製品投入、消費者の嗜好変化、風評被害等により顧客からの支持を失った場合、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 これらのリスクに対し、当社グループでは新規ブランドの開発と育成による事業ポートフォリオの分散を進めています。同時に、既存ブランドの継続的な製品改良と新製品開発にも注力し、顧客ニーズの変化を捉えるためのマーケティング活動を強化しています。さらに、ブランド価値向上のための戦略的な広告宣伝活動を展開し、競争力の維持・向上に努めています。

 

(2) 原材料調達に関するリスク

(発生可能性:中/発生可能性のある時期:長期的/影響度:中)

 当社グループの製品には、植物由来成分や機能性成分等、多様な原材料を使用しております。これらの原材料の調達が困難になった場合や価格が高騰した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 これらのリスクに対し、当社グループでは、複数の調達先の確保によるリスク分散を図るとともに、主要原材料については長期供給契約の締結による安定調達に努めています。また、代替原料の研究開発を推進し、原材料の使用効率向上による原価低減にも取り組んでいます。これらの施策により、原材料調達リスクの軽減と安定的な製品供給の維持を目指しています。

 

(3) 品質管理リスク

(発生可能性:低/発生可能性のある時期:特定時期無し/影響度:大)

 当社グループは、製品の品質管理を徹底しておりますが、製品に重大な品質問題が発生した場合、ブランドイメージの毀損や多額の費用負担が生じ、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 これらのリスクに対し、当社グループでは、品質管理体制の継続的な強化と改善に取り組んでおり、製造委託先への定期的な品質監査を実施するとともに、トレーサビリティシステムの導入による製品管理の徹底を図っています。また、品質問題発生時の迅速な対応体制を整備し、影響の最小化に努めています。これらの取り組みにより、製品の安全性と品質の確保に万全を期しています。

 

(4) 新製品開発リスク

(発生可能性:中/発生可能性のある時期:中長期的/影響度:大)

 当社グループは、常に新たな製品やサービスの開発に取り組んでおりますが、新製品の開発が予定通りに進捗しない場合や、開発した製品が市場で受け入れられない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 これらのリスクに対し、当社グループでは、市場ニーズの綿密な分析と予測に基づく製品開発を行っています。研究開発体制の強化と外部研究機関との連携を推進し、革新的な製品の創出に努めています。また、新製品の小規模テスト販売による市場反応の確認や、製品開発プロセスの継続的な改善と効率化にも取り組んでいます。これらの施策により、市場ニーズに合致した製品の開発と、開発リスクの低減を図っています。

 

(5) 法的規制リスク

(発生可能性:中/発生可能性のある時期:中長期的/影響度:中)

 当社グループの事業は、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(薬機法)、「食品衛生法」、「不当景品類及び不当表示防止法」(景品表示法)等を代表に、様々な法令を遵守した上で運営する必要があります。これらの法令の改正や新たな法規制の制定、または法令の解釈変更等により、当社グループの事業活動が制限される可能性があります。

 これらのリスクに対し、当社グループでは、法務部門の強化と外部専門家との連携により、法規制動向の把握に努めています。全社的なコンプライアンス教育を徹底し、製品表示や広告内容の厳格な審査体制を構築しています。また、業界団体との情報交換を通じて規制動向の早期把握に努め、迅速かつ適切な対応を図っています。これらの取り組みにより、法令遵守の徹底と法的リスクの最小化を目指しています。

 

(6) 為替変動リスク

(発生可能性:高/発生可能性のある時期:中長期的/影響度:中)

 当社グループは、海外展開を進めており、2024年7月からアジア最大のドラッグストアチェーンWATSONSにてデュオの「ザ クレンジングバーム」7製品の店舗販売を開始する等、今後さらなる海外売上高の拡大を目指しております。これらの海外展開においては、外国通貨により当社製品の販売等を行います。そのため、為替レートの変動が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 これらのリスクに対し、当社グループでは、為替変動を考慮した柔軟な価格設定や、為替変動の影響を最小化する調達・販売戦略の策定を検討し、為替変動が業績に与える影響の抑制に努めています。

 

(7) 自然災害・感染症等のリスク

(発生可能性:中/発生可能性のある時期:特定時期無し/影響度:大)

 予期せぬ大規模な自然災害や感染症の流行により、当社グループの事業活動が停滞するリスクがあります。

 これらのリスクに対し、当社グループでは、事業継続計画(BCP)の策定と定期的な見直しを行い、緊急時の対応体制を整備しています。在宅勤務体制の整備とデジタル化の推進により、柔軟な働き方を可能にしています。また、サプライチェーンの多様化と在庫管理の最適化に取り組み、製品供給の安定化を図っています。さらに、オンライン販売チャネルの強化により、販売機会の確保に努めています。これらの対策により、自然災害や感染症の影響を最小限に抑える体制の構築を目指しています。

 

(8) 宣伝広告及びマーケティングリスク

(発生可能性:中/発生可能性のある時期:短期的/影響度:中)

 当社グループでは、当連結会計年度は売上の31.2%投資するなど、広告宣伝活動を積極的に行っておりますが、広告宣伝活動が期待する効果を上げられない場合、顧客獲得が進まず、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 これらのリスクに対し、当社グループでは、多様な広告媒体の効果測定と最適な媒体ミックスの実現に努めています。ターゲット顧客の詳細な分析に基づくマーケティング戦略の立案を行い、効果的な広告宣伝活動を展開しています。また、SNS運用ガイドラインの策定と徹底により、リスク管理を強化しています。さらに、クチコミマーケティングの強化による自然な認知度向上にも取り組んでいます。これらの施策により、効果的かつリスクの少ない広告宣伝活動の実現を目指しています。

 

(9) 顧客情報漏えいリスク

(発生可能性:低/発生可能性のある時期:特定時期無し/影響度:大)

 当社グループでは、2020年にプライバシーマークを取得するなど、個人情報を適切に保護するための社内体制及び外部機関の認証を受けておりますが、顧客の個人情報が外部に漏えいした場合、信用失墜により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 これらのリスクに対し、当社グループでは、情報セキュリティ管理体制の継続的な強化に取り組んでいます。従業員に対する情報セキュリティ教育を徹底し、情報管理の重要性について意識向上を図っています。また、外部専門家によるセキュリティ監査を定期的に実施し、脆弱性の早期発見と対策に努めています。さらに、個人情報の暗号化と最小限の取得・保管を原則とし、情報漏えいリスクの低減を図っています。これらの対策により、顧客情報の適切な管理と保護に努めています。

 

(10) 知的財産権に関するリスク

(発生可能性:中/発生可能性のある時期:中長期的/影響度:中)

 当社グループの知的財産権が侵害された場合や、逆に当社グループが他社の知的財産権を侵害した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 これらのリスクに対し、当社グループでは、知的財産権の積極的な取得と管理体制の強化に取り組んでいます。他社の知的財産権に関する調査を徹底し、侵害リスクの低減に努めています。また、社内での知的財産教育を実施し、従業員の意識向上を図っています。さらに、外部専門家との連携により、権利侵害の早期発見と対応を可能にしています。これらの取り組みにより、知的財産に関するリスクの最小化と、自社の知的財産の保護・活用の両立を目指しています。

 

(11) 在庫リスク

(発生可能性:中/発生可能性のある時期:短期的/影響度:中)

 当社グループでは、適切な在庫水準の規律を定め、その規律に沿って需要予測を行っております。しかしながら、需給予測を誤り、過剰在庫を抱えた場合、棚卸資産の評価損の計上により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 これらのリスクに対し、当社グループでは、需要予測精度の向上と柔軟な生産体制の構築に取り組んでいます。在庫管理システムの高度化により、適正在庫の維持に努めています。また、販売チャネルの多様化による在庫リスクの分散や、季節商品の事前予約販売の強化にも取り組んでいます。これらの施策により、在庫リスクの軽減と効率的な在庫管理の実現を目指しています。

 

(12) 人材確保に関するリスク

(発生可能性:中/発生可能性のある時期:中長期的/影響度:中)

 当社グループでは、新卒・中途共に積極的な採用を行い、競争力の源泉でもある優秀な人材の獲得とリテンションに注力しております。しかしながら、必要な人材を確保・育成できない場合、当社グループの成長戦略の遂行に影響を及ぼす可能性があります。

 これらのリスクに対し、当社グループでは、魅力的な報酬制度と職場環境の整備に努め、優秀な人材の確保と定着を図っています。社内教育プログラムの充実により、人材育成の強化にも取り組んでいます。また、産学連携による専門人材の育成と確保にも注力しています。さらに、多様な働き方を支援する制度の導入により、幅広い人材の活用を目指しています。これらの取り組みにより、当社グループの成長を支える人材の確保と育成に努めています。

 

配当政策

3【配当政策】

 当社は、経営基盤の長期安定に向けた財務体質の強化、及び事業の継続的な拡大発展を目指すため、内部留保の充実が重要であると考え、会社設立以来、当事業年度を含めて配当は実施しておりません。

 しかしながら、株主利益の最大化は重要な経営目標の一つとして認識しておりますので、将来的には、財務状態・業績推移、及び事業・投資計画等を総合的に勘案し、内部留保とのバランスをとりながら、剰余金の配当を検討することを考えております。

 内部留保資金につきましては、経営基盤の長期安定に向けた財務体質の強化、及び事業の継続的な拡大発展を充実させるための資金として、有効に活用していく所存です。

 将来的に剰余金の配当を行う場合は、年1回を基本方針としており、その配当の決定機関は株主総会であります。なお、中間配当を行う場合には取締役会の決議によって行うことができる旨を定款に定めております。