2024年9月期有価証券報告書より

リスク

 

3 【事業等のリスク】

当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 事業環境に係るリスクについて
① インターネットを取り巻く環境について

発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大

当社グループは主にインターネットを利用したサービスを提供しており、インターネットの更なる利用拡大と環境の整備が、事業の継続的な成長発展に不可欠であると考えております。しかしながら、インターネットの利用に関する新たな規制やその他予期せぬ要因により、インターネット利用環境が悪化し、インターネット利用の順調な発展が阻害された場合、当社グループの事業展開に支障が生じ、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

② デバイスへの対応について

発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大

当社グループが提供するサービスは、スマートフォンやタブレットといったインターネットデバイスを介して行われております。インターネットデバイスの多様化により、今後も様々なデバイスが登場することが予想されます。当社グループはこれら多様化するデバイスに対応すべく技術革新に努めておりますが、これらの対応が遅れた場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

③ 美容・化粧品業界の競争環境

発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大

当社グループが提供する主要サービス及び商品が属する美容・化粧品業界は、成熟した国内市場での競争激化をはじめ、グローバルコンペティターの影響力拡大、更には他業界からの新規参入など競争環境はますます厳しくなってきております。

当社グループは、競争環境の激化に対処すべく、お客様の嗜好やニーズに沿った商品を提供できるよう品質やサービスの向上に努めてまいりますが、当社グループがこの競争環境に的確に対処できない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 新規事業の展開について

発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中

当社グループは、企業価値を高めるため事業規模の拡大をすべく、新規事業への取組みを積極的に進めております。

今後、メディカルサポート事業を中心に、将来に向けた新たなビジネスモデルの構築を目指しており、特に再生医療市場の活性化の実現を果たすべく取り組みに積極的に取り組んでまいります。

しかしながら、今後、再生医療等安全性確保法等の関連する法令や諸規則の制定、変更、規制等の動向により、医療機関における治療件数の増加が鈍化する可能性もあります。将来、上記のように再生医療を取り巻く環境において変化が生じた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(2) D2C事業に係るリスクについて

① EC市場について

発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大

国内EC市場の規模は年々拡大しており、当社グループのD2C事業と最も関連性が高い化粧品市場も同様に拡大しております。このような環境下において、当社グループはこれまでに培ったノウハウを活かして事業規模の拡大を図っておりますが、今後、ECサイトの利用者が増加せず、EC市場が期待どおりに拡大しない場合等には、当社グループの事業展開及び業績に影響を与える可能性があります。

 

② 商品の販売または提供について

発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大

D2C事業においては、製造委託先で製造した商品を仕入れた上で、お客様へ販売しております。当社グループは、製造委託先における品質管理体制の確認または検品体制を整備する等、お客様へ提供する商品の品質管理を徹底しております。しかしながら、万一、商品に重大な契約不適合が発生し、お客様が損害を被った場合には、その損害賠償請求等によって、当社グループの業績及び社会的信用に影響を与える可能性があります。

 

③ EC商品の差別化について

発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大

当社グループは、製造委託先とともに商品を開発、製造し、当社グループサイトにおいて販売しております。当社グループは、商品製造以外のバリューチェーンを構築することでビジネスモデルを確立してまいりました。今後もこれまでD2C事業で培った経験等を活用して提携OEM工場とともに商品開発を推進してまいりますが、商品製造にあたって製造委託先の協力が得られない等の事象が発生し、販売する商品の差別化ができなくなった場合、当社グループの事業展開及び業績に影響を与える可能性があります。

 

④ 市場ニーズへの適合

発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大

新製品・新ブランドの開発・育成及びマーケティング活動が市場ニーズに適合しているかどうかが当社グループの売上及び利益に大きな影響をもたらします。当社グループでは、市場ニーズに応えるため、魅力的な新製品の開発、マーケティング活動による新製品及び現行主力製品・既存ブランドの強化・育成を継続的に行っております。しかしながら、当該活動はその性質上、さまざまな要因による不確実性が伴うため、当初意図した成果が得られない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 広告宣伝費について

発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大

当社グループは、個人顧客へEC商品を直接販売する機会を拡大するため、広告宣伝費を積極的に投資しております。広告媒体の選別や広告表現のブラッシュアップ等により、顧客開拓の効率化を進めておりますが、今後、広告料金の高騰や宣伝効率の悪化等により広告宣伝費が増加した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

⑥ 特定商品への依存について

発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大

当社グループの主力商品である「HADA NATURE クレンジング」及び育毛炭酸ヘッドスパ「sodatel」は、D2C事業の売上高の大半を占めております。

しかしながら、当該商品等への依存が低減できていない状況において、当該商品等が販売不振により販売量が大きく低下した場合には、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦ 風評被害について

発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大

当社グループは、化粧品及び健康食品を取り扱っており、その安全性や広告表現については関連法規を遵守し、独自の基準を設けて厳しく管理しておりますが、当社グループの取扱商品や原材料と同一または類似した商材において、一般市場にて安全性に疑義が生じるような事態が発生した場合、風評被害が発生するリスクがあり、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

⑧ 物流業務について

発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大

当社グループは、製造委託先から納品される商品の梱包、発送等に関する業務、顧客への商品の受け渡し、商品代金回収業務等の物流関連業務を外部に委託しております。当社グループは、委託先の管理には万全を期すことによりリスクの低減を図っておりますが、委託先のサービス遅延及び障害等が発生し、当社グループ顧客からの信用が低下した場合には、当社グループの業績及び社会的信用に影響を与える可能性があります。

 

⑨ 製造委託先との取引について

発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大

当社グループのEC商品は、当社グループで企画・販売しておりますが、製造については特定の製造委託先に外部委託しております。当社グループは、委託先との良好な関係を維持するとともに委託先の管理には万全を期すことによりリスクの低減を図っておりますが、製造にあたり提携OEM工場が天災、火災、労働争議、伝染病等により操業不能になった場合もしくは製造委託先との急な契約の解消など不測の事態が生じた際には、当社グループ商品の円滑な供給に支障をきたすことが考えられ、当社グループの業績に重大な影響を与える可能性があります。

また、製造委託先のうち、主要な1社(ホシケミカルズ株式会社)への依存度が相対的に高くなっております。現在、当社グループと製造委託先との取引関係は良好に推移しており、今後も良好な取引関係の維持に努めてまいりますが、契約条件の変更や契約解除があった場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

⑩ 経営上の重要な契約について

発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大

当社グループの経営上重要と思われる契約の概要は、「第2 事業の状況 5 経営上の重要な契約等」に記載の通りであります。当該契約が期間満了、解除、その他の理由に基づき終了した場合、もしくは当社グループにとって不利な改定が行われた場合、または契約の相手方の経営状態が悪化したり、経営方針が変更されたりした場合には、当社グループの事業戦略及び業績に影響を与える可能性があります。

 

⑪ 過剰在庫及び在庫不足について

発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大

当社グループは、商品を仕入れて、注文の都度出荷することから、取扱商品の在庫リスクが常に存在しております。当社グループは、既存商品については過去の販売実績に基づく需要予測、新商品については過去の類似商品の販売実績を参考とした需要予測に基づき発注していますが、顧客ニーズの変化等により、過剰在庫及び不足在庫が生じ、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

⑫ 返品・交換について

発生可能性:高、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大

当社グループは、EC商品到着後8日以内であれば、お客様にお買上げいただいた商品の返品・交換を受け付けております。そのため、恒常的に返品・交換が発生し得る状況でありますが、現状その数は僅少であり、影響は軽微であります。しかしながら、何らかの理由により見込を大幅に超えて返品・交換が発生するような場合には、返送品の処理、代替商品の配送等、追加的な費用が発生し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(3) メディカルサポート事業に係るリスクについて

① 血液加工サービス等について

発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大

当社グループが展開する血液加工サービスについては、当社グループがこれまでに培ったノウハウ、効能効果・認知度の向上等に伴い事業規模の拡大を図っておりますが、今後、新しいサービスや治療方法・創薬等の開発がなされ、当社グループが展開する血液加工サービスの利用者が増加せず、期待どおりに拡大しない場合等には、当社グループの事業展開及び業績に影響を与える可能性があります。

 

② サービス及び製品等の提供について

発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大

当社グループが展開する血液加工サービスは、品質管理体制の確認・検品・出荷体制をグループ一体となって整備する等、品質管理を徹底しております。しかしながら、万一、サービス又は製品等に重大な契約不適合が発生し、お客様が損害を被った場合には、その損害賠償請求等によって、当社グループの業績及び社会的信用に影響を与える可能性があります。

 

③ 研究開発について

発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大

当社グループでは、加工受託サービスを展開しているPDF-FDを用いた治療について各種診療領域での有効性評価などの研究を継続的に実施しております。一方、今後の研究方法や具体的な事業推進の内容によっては、現状よりも多額の研究開発費を投入することにより当社グループの経営成績や財政状態等が現状と大きく変化する可能性があります。また、当該研究開発に伴い立ち上げた事業等に成果が得られなかった場合、当社グループの事業計画等に支障が生じ、今後の事業戦略や経営成績等に影響を与える可能性があります。

 

④ 品質・安全性の確保及び製造・生産体制について

発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大

細胞を含んだ加工受託サービスを行う場合には「再生医療等安全性確保法」に基づく規制を受けることとなり規制の厳格化等により今後の当社グループの事業戦略や経営成績に影響を与える可能性があります。

 

⑤ 関連当事者取引に関するリスク

発生可能性:高、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大

SBCメディカルグループ株式会社は、当社の主要株主及び筆頭株主である相川佳之氏が同社の株式を間接的に保有し、相川佳之氏は同社と緊密な者及び同意している者に該当するところ、相川佳之氏が当社の議決権を27.35%保有していることから、同社を「その他の関係会社」としております。また、株式会社Japan Medical & Beautyは、相川佳之氏が100%出資する法人であります。

一般的に関連当事者との取引は、対等な立場で取引が行われているとは限らず、事業上の合理性のない取引が行われたり、取引価格を恣意的に調整することにより、不適切な収益認識が行われる可能性があります。当社グループは、関連当事者取引を行う場合には、取引の合理性や取引価格の妥当性の検証を含めて、当社の取締役会で十分に審議して決議した上で実施するものとしております。

また、取締役会に実施状況を定期的に報告するとともに、監査役会による監査や内部監査における監査で取引内容等のチェックを行うことで、取引の健全性及び適正性の確保に努めてまいります。今後、何らかの理由により関連当事者取引に対するガバナンスが機能しない場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

なお、当連結会計年度における関連当事者との重要な取引は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 関連当事者情報」に記載しております。

 

(4) 全社に係るリスクについて

① 特定人物への依存について

発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大

当社グループの代表取締役社長である佐俣文平は、当社グループの経営方針や事業戦略の決定及びその遂行について重要な役割を果たしております。当社グループは、取締役会やその他会議体において役職員への情報共有や権限委譲を進めるなど組織体制の強化を図りながら、同氏に過度に依存しない経営体制の構築を目指しております。

しかしながら、何らかの理由により同氏に過度に依存しない経営体制の構築が進まない場合または同氏が当社グループの経営執行を継続することが困難になった場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 法的規制について

発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大

当社グループは、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律をはじめとする法規制、品質に関する基準及びインターネット上の事業展開において各種法規制等を受けております。当社グループはコンプライアンスとCSRに基づく倫理的行動に万全を期していますが、今後、これらの法規制等が変更された場合、また予測できない法規制等が新たに設けられた場合には、当社グループの事業活動が制限され、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

なお、当社は2013年12月、健康食品の販売に関して、不当景品類及び不当表示防止法に違反する行為があったとして、消費者庁から措置命令を受けております。これに対して、当社グループは、社内における各関連部門及び法務部門において、広告掲載前における広告内容の審査、商品の取扱いやサイト上の表示方法及び販売方法に関する事前調査を行い、必要に応じて行政当局や顧問弁護士等に相談するとともに、法務の体制強化を推進して再発防止に努めております。

当社グループは、このように適切な事業運営に努めており、現時点において重大な法律問題はないものと認識しておりますが、今後法規制における解釈、運用の変化や規制の強化、新たな規制の制定等により、より厳格な対応が求められることとなった場合には、当該規制等の動向により当社グループの事業展開、業績に重大な影響を与える可能性があります。また、広告表現について、行政当局との規制の解釈に対する意見の相違等によって行政処分を受けた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

③ 知的財産権について

発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中

当社グループは、商品やサービスに使用する商標権及び特許権について、事前の先願登録調査で類似のものが存在しないことを確認して出願しておりますが、この出願の審査結果を待たずに先行して使用を開始する場合もあり、また、他社による出願から公開までには相応の期間かかるため、企画が進んでいる最中に他社の知的財産権を侵害してしまう事態が生じた場合には、当社グループの事業展開、業績に影響を与える可能性があります。

 

④ システムトラブルについて

発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大

当社グループの事業は、インターネット環境により行われており、サービスの安定供給のために適切なセキュリティ対策を実施しております。しかし、ハードウェアの不具合、人為的なミス、コンピューターウィルス、第三者によるサーバーやシステムへのサイバー攻撃、自然災害等の予期せぬ事象の発生によって、想定しないシステムトラブルが発生した場合は、当社グループの事業活動に支障が生じ、事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

⑤ 個人情報の管理について

発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大

当社グループは、サービスの提供に際して個人情報を保有しており、「個人情報の保護に関する法律」が定める個人情報取扱業者としての義務が課されております。当社グループは、外部漏洩の防止はもちろん、不適切な利用、改ざん等の防止のために情報セキュリティ規程を制定して個人情報の取り扱いを厳格に管理するとともに、全従業員を対象とした社内教育も定期的に行っております。しかしながら、外部からの不正アクセス、その他想定外の事態の発生により個人情報が社外に流出した場合、当社グループの事業及び業績、社会的な信用に影響を与える可能性があります。

 

⑥ 内部管理体制について

発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中

当社グループは、更なる事業の拡大や継続的な成長のために、今後も内部管理体制を充実・強化させていく方針でありますが、事業の拡大に合わせた適時・適切な人員配置等、組織的な対応ができなかった場合は事業の拡大や継続的な成長の妨げとなり、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦ 大株主について

発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中

本書提出日現在、相川佳之氏が当社グループの発行済株式総数の27.35%を保有する筆頭株主であります。また、SBCメディカルグループ株式会社は、当社と業務提携契約を締結し、相川佳之氏は同社の株式を間接的に保有していることから、当社グループと同氏及び同社の関係性は安定的と認識しております。

一方、当社の取締役会長である井上裕基は、同氏の資産管理会社である株式会社M&Mを含め、本書提出日現在において当社グループの発行済株式総数の21.41%を所有しております。同氏は、安定株主として引き続き一定の議決権を保有し、その議決権行使に当たっては、株主共同の利益を追求するとともに、少数株主の利益にも配慮する方針を有しております。当社グループといたしましても、両氏は安定株主であると認識しておりますが、何らかの事情により、大株主である両氏の議決権比率が低下した場合には、当社グループ株式の市場価格及び議決権行使の状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑧ 自然災害、事故等について

発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大

当社グループでは、自然災害、事故等に備え、定期的なコンピュータシステム、データベースのバックアップ、稼働状況の常時監視等によるトラブルの事前防止または回避に努めておりますが、当社グループ所在地近辺において、大地震等の自然災害の発生により、当社グループ設備の損壊や電力供給の制限等の事業継続に支障をきたす場合は、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑨ 税金負担について

発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中

当社グループでは、過年度に生じた税務上の繰越欠損金があるため、課税所得が減殺され、納税負担額が軽減されております。今後の業績推移によって、税務上の繰越欠損金の全額が使用できず、納税負担額を軽減できない可能性があります。また、税制改正の内容によっては、繰越欠損金の使用が制限され、納税負担額を軽減できない可能性があります。繰越欠損金が解消された場合、通常の税率に基づく法人税等が発生し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

⑩ 人材の確保及び定着について

発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中

当社グループは、継続的な事業拡大や新規事業の推進のためには、優秀な人材の確保及び定着が最も重要であると認識しております。当社グループは今後も一定以上の水準を満たす優秀な人材の確保及び社内教育に努めていく方針でありますが、当社グループが求める優秀な人材が必要な時期に十分に確保・育成できなかった場合や人材流出が進んだ場合には、経常的な業務運営及び新規事業の拡大等に支障が生じ、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑪ 小規模組織であることについて

発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中

当社グループは小規模組織であり、現在の組織及び管理体制もこれに応じたものになっており、今後、事業拡大に応じた組織の整備や管理体制の充実を図る予定であり、引き続き人材採用を積極的に進めてまいります。しかしながら、事業の拡大に応じた組織整備や管理体制の拡充が順調に進まなかった場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑫ 訴訟発生について

発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大

当連結会計年度において、当社グループに重大な影響を及ぼす訴訟等は提起されておらず、また、リスク・コンプライアンス規程を制定し、役職員に対して当該規程を遵守させることで法令違反等の発生リスクの低減に努めております。しかしながら、将来、当社グループ役職員の法令違反等の有無にかかわらず、ユーザや取引先、第三者との間で予期せぬトラブルが発生し、訴訟に発展する可能性があります。提起された訴訟の内容及び結果によっては、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑬ 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について

発生可能性:中、発生する可能性のある時期:権利行使期間内、影響度:中

当社グループは、当社グループの取締役及び従業員に対して、業績向上に対する意欲を高めることを目的としたストック・オプションとして新株予約権を発行しております。ストック・オプションが権利行使された場合には、当社グループ株式が新たに発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。なお、本書提出日現在、新株予約権による潜在株式数は176,668株であり、発行済株式総数3,618,928株の4.9%に相当しております。

 

⑭ 配当政策について

発生可能性:事業計画の進捗状況による、発生する可能性のある時期:未定、影響度:中

当社グループは、株主に対する利益還元を経営上の重要課題と認識しております。利益還元策の決定にあたっては、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状態や今後の事業計画等を十分に勘案し実施していく所存であります。しかし、現段階においては、当社グループの成長を加速させるとともに、財務面での健全性を強化し、経営における成長性と安全性の均衡を図ることこそが株主の利益に資するとの判断に基づき、内部留保資金の確保を優先し、剰余金の配当は行わないことを基本的な方針としております。なお、今後の配当の実施及びその時期については未定であります。

 

⑮ 有利子負債依存度について

発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中

当社グループは、運転資金を主に金融機関からの借入金により調達しており、当社グループの総資産額に占める有利子負債の割合は、2024年9月末において25.0%となっております。今後におきましては、資金調達手段の多様化に積極的に取り組むことにより自己資本の充実に注力する方針でありますが、市場金利が上昇する局面においては支払利息等の増加により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

配当政策

3 【配当政策】

当社は、株主還元を適切に行っていくことが経営の最重要課題のひとつであると認識しており、剰余金の配当については、内部留保とのバランスを考慮して適切な配当の実施をしていくことを基本方針としております。しかしながら、本書提出日現在において、当社は成長過程にあるため、一層の事業拡大を目指すことが株主に対する最大の利益還元につながると考え、配当を行っておらず、今後の配当実施の可能性及び実施時期については未定であります。

内部留保につきましては、財務体質の強化、将来の事業展開及び事業展開のために必要となる優秀な人材の採用強化を図るための資金として、有効に活用していく方針であります。

将来的に剰余金の配当を行う場合は、年1回を基本方針としておりますが、会社法第454条第5項に規定する中間配当を行うことができる旨を定款に定めております。配当の決定機関は、中間配当は取締役会、期末配当は株主総会であります。