リスク
3【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
当社グループは、毎年全社的なリスク調査を実施し、リスクの洗い出しを行っております。リスク調査の分析結果につきましては、代表取締役社長を委員長とし、取締役をメンバーに含むグループ会社の横断的な組織であるリスク管理委員会に報告しております。分析結果の報告を受け、リスク管理委員会において重点リスクとして選定したより重要なリスクは、「人権に係るリスク」、「災害等に係るリスク」、「子会社管理に係るリスク」、「情報セキュリティに係るリスク」及び「減損損失に係るリスク」であります。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
リスク項目 |
リスクの内容 リスクが顕在化した場合に経営成績等の状況に与える影響の内容 |
リスクが顕在化する可能性の程度や時期 当該リスクへの対応策 |
人権に係るリスク |
当社グループに関わる事業領域全体で人権を侵害する行為が発生した場合、当社グループの社会的信用の失墜につながり、業績に影響を与える。 |
・当該リスクが顕在化する可能性は、翌期以降においても常にあるものと認識している。 ・「人権の尊重」の項目を含む「長谷川香料企業行動規範」、「人権基本方針」、国連グローバル・コンパクト10原則に基づき、人権を尊重した事業活動を推進する。 ・事業活動による人権への負の影響を予防・軽減するために、毎年実施している全社的なリスク調査を通じて対応すべき人権リスクを特定する。特定したリスクへの対策を行うとともに定期的にモニタリング・情報開示を実施し、取り組みの改善を図る。 ・サプライチェーン全体で持続可能な成長を実現できるよう資源・環境・人権に配慮した調達活動を推進する。人権に対しては、「人権への配慮」の項目を含む「長谷川香料グループ調達方針」、「人権の尊重」の項目を含む「長谷川香料グループ・サプライヤーガイドライン」を制定し、サプライヤーに対して周知徹底する。また、サプライヤーアセスメントを実施し、調査結果に基づく課題を抽出し、サプライヤーとともに課題解決に向けて協調することでサステナビリティ調達を推進する。 |
天候に係るリスク |
天候不順により顧客業界(飲料業界、食品業界、トイレタリー業界等)の最終商品の販売が低迷し、当社グループの業績に影響を与える。 |
・当該リスクが顕在化する可能性は、翌期以降においても常にあるものと認識している。 ・天候不順による影響を最も大きく受ける飲料向け以外のカテゴリーの売上高構成比率向上を目指す。 |
原材料調達に係る リスク |
生産地における異常気象(サイクロン、ハリケーンの発生等)による被害、社会不安(テロ、戦争、感染症等)、調達先における事故等により原材料の調達が困難になり、当社グループの業績に影響を与える。 |
・市場動向によるため、顕在化する可能性は翌期以降においても常にあるものと認識している。 ・世界各国の複数の取引先からの原材料調達に努め、調達先の分散、調達手段の多様化を推進する。 ・当社グループの国内外各拠点の連携によるグローバル購買を実施する。 |
リスク項目 |
リスクの内容 リスクが顕在化した場合に経営成績等の状況に与える影響の内容 |
リスクが顕在化する可能性の程度や時期 当該リスクへの対応策 |
災害等に係る リスク |
当社グループの生産拠点に、自然災害(地震、台風等)や社会不安(テロ、戦争、感染症等)による被害が発生し、当社グループの業績に影響を与える。 |
・当該リスクが顕在化する可能性は、翌期以降においても常にあるものと認識している。 ・災害等の不測の事態や危機の発生時に事業の継続を図るため、事業継続規程及びその下位規程である事業継続要領を定め、運用する。また、大規模災害を想定した消防訓練及び安否確認訓練を実施し、実効性を高める。 |
品質に係るリスク |
製品の欠陥に起因する損害が発生し、当社グループの業績に影響を与える。 |
・当該リスクが顕在化する可能性は低いものの、翌期以降においても常にあるものと認識している。 ・「食の安全性」に関わるメーカーとして、安全性を第一に、顧客に満足いただける品質の製品供給に努める。 ・代表取締役社長直轄の品質保証部を中心として、研究開発、原材料調達、生産、販売を含めた総合的な品質保証体制を構築し、製品の安全性確保に万全を期す。 ・万一に備え、製造物賠償責任保険を付保する。 |
経済情勢等に係る リスク |
当社グループが事業を展開する各国の経済情勢や景気動向、金融情勢、並びにこれらの影響を受ける個人消費の動向等により、顧客の最終商品の販売が低迷し、当社グループの業績に影響を与える。 |
・当該リスクが顕在化する可能性は、翌期以降においても常にあるものと認識している。 ・米国、並びに中国、東南アジアを中心としたアジア地域においてグローバル展開を推進し、進出地域を分散する。 ・当社グループが進出する各国・各地域において市場の成長性や消費者の嗜好等を的確に捉え、変化の著しい経営環境に迅速かつ柔軟に対応可能な事業戦略を立案、推進する。 |
環境に係るリスク |
国内外で環境関連法令等が厳格化された場合、費用負担の増大、事業活動の制限等により当社グループの業績に影響を与える。 |
・当該リスクが顕在化する可能性は、翌期以降においても常にあるものと認識している。 ・環境問題に対して、事業を展開している各国・各地域の環境関連法令等の遵守を徹底する。 ・CSR方針及び「長谷川香料企業行動規範」に、環境保全及び環境問題の改善に積極的に取り組む旨を定め、環境に配慮した事業活動を行う。 |
減損損失に係る リスク |
当社グループの資産の時価が著しく下落した場合、又は事業の収益性が悪化した場合には、減損会計の適用により固定資産の減損損失が発生し、当社グループの業績に影響を与える。 |
・当該リスクが顕在化する可能性は、翌期以降においても常にあるものと認識している。 ・保有する固定資産の収益性について適宜評価を実施し、その評価に基づく保有の継続可否、活用策の立案等を検討する。また、固定資産の安定的な維持管理のための設備投資を行い、資産価値の向上に努める。 ・M&Aを実施する際は、事業計画の策定、将来価値の測定について十分な検討を行う。また、M&A実施後は、想定したシナジー効果を最大限に発揮するため、PMI(買収後統合)を計画的に推進する。 |
リスク項目 |
リスクの内容 リスクが顕在化した場合に経営成績等の状況に与える影響の内容 |
リスクが顕在化する可能性の程度や時期 当該リスクへの対応策 |
子会社管理に係る リスク |
当社グループは、日本国内のほか、海外市場を成長ドライバーと位置付け、中国、東南アジアを中心としたアジア地域及び米国においてグローバル展開を強化している。しかしながら、国内外の子会社管理(企業統治)が不十分であることにより、不正・不祥事等が発生した場合、企業イメージの悪化、信用失墜等により、当社グループの業績に影響を与える。 |
・当該リスクが顕在化する可能性は、翌期以降においても常にあるものと認識している。 ・当社グループは、信頼性・透明性の高い経営体制の基盤となるコーポレート・ガバナンスを重要な課題と位置付け、子会社を含め、実効性あるガバナンス体制の強化に努める。 ・「長谷川香料企業行動規範」とコンプライアンス規程を子会社にも適用し、当社グループ全体のコンプライアンス体制の構築に努める。また、子会社において違法行為の通報の受け皿として社内通報制度を設ける。 ・海外子会社において重要基本規程を整備し、海外子会社のガバナンス体制を強化した。 ・海外子会社の運営リスクを当社グループの重点リスクと位置付け、整備した重要基本規程の運用等を含め、策定した海外子会社に対する業務監査の実施要領・計画に基づき、定期的に海外子会社に対する業務監査を実施する。 |
為替レートの変動に係るリスク |
海外現地法人の現地通貨建ての財務諸表項目は、連結財務諸表の作成のため円貨換算されており、換算時の為替レートによって、当社グループの業績に影響を与える。 |
・市場動向によるため、顕在化する可能性は翌期以降においても常にあるものと認識している。 ・米国、並びに中国、東南アジアを中心としたアジア地域におけるグローバル展開を推進し、海外で現地生産、現地販売を行うことにより為替レートの変動リスクの低減を図る。 ・為替レートの変動を織り込んだ経営計画を策定する。 ・当社単体では、日本国内からの輸出額と海外からの原材料の輸入額がほぼ均衡しているため、為替レートの変動による影響はほとんど受けない。 |
情報セキュリティに係るリスク |
当社グループの事業活動に係る情報資産が、サイバー攻撃、コンピューターウイルスへの感染、システム障害等により、逸失、棄損あるいは外部に漏洩した場合、業務停止や当社グループの社会的信用の失墜につながり、業績に影響を与える。 |
・当該リスクが顕在化する可能性は、翌期以降においても常にあるものと認識している。 ・「情報セキュリティ基本方針および対策基準」をはじめとした情報セキュリティに関する規程を整備し、当社グループが保有する情報資産の適切な運用・管理を徹底する。 ・情報セキュリティソフトの導入等により、早期検知・防御・対応が可能な環境を整備する。 ・全役員及び全従業員に対し、情報セキュリティに関する定期的な教育を実施するほか、通達等による啓蒙活動を行い、情報セキュリティに対する意識の向上を図る。 |
配当政策
3【配当政策】
当社は、グループ経営基盤のより一層の強化と今後の事業展開のために必要な内部留保を確保しつつ、株主の皆様に業績に応じた利益還元を図るため、連結ベースで配当性向35%程度を目途に中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことを基本方針としております。
なお、当社は、「会社法第459条第1項の規定に基づき、剰余金の配当等を取締役会の決議により定める」旨定款に定めており、剰余金の配当は取締役会を決定機関としております。
当事業年度の年間配当につきましては、1株当たり61円の配当(うち中間配当30円)を実施することを決定いたしました。この結果、当事業年度の連結ベースの配当性向は37.6%となりました。
内部留保資金につきましては、設備投資とグローバル化戦略の展開を図るための有効投資に使用してまいります。
なお、当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。
決議年月日 |
配当金の総額 (百万円) |
1株当たり配当額 (円) |
2023年5月12日 |
1,234 |
30 |
取締役会決議 |
||
2023年11月10日 |
1,275 |
31 |
取締役会決議 |