リスク
3【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の経営成績等の状況に重要な影響を与えると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。
また、これらは、すべてのリスクを網羅したものではなく、現時点では予見できない又は重要と見なされていないリスクの影響を将来的に受ける可能性があります。当社グループはこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、リスク管理体制を構築しており、コンプライアンス・リスク管理委員会(2025年4月以降、コンプライアンス委員会とリスク管理委員会に分けて活動)がリスクに関する体制、方針の策定及び各部署のリスク管理体制についての評価、指導を行っております。また、海外グループ会社については、当社経営層と海外グループ会社経営層との定期的なミーティングを実施するなど、グローバルな視点から経営管理を行っております。さらに重大な事態が発生した場合には、必要に応じて緊急対策本部を設置し、全社的に的確な対応を進められるようにしております。
本項においては、将来に関する事項が含まれていますが、当該事項は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
リスク項目 |
リスクの説明 |
リスク対策 |
(1)関税等、税制の変 更 |
・各国の関税政策、TPPやEPAなどの発効に伴う関税変更による実質的な輸出入価格の変動 ・各国の移転価格税制などの国際税務リスク |
・各国における税制改正情報の収集 ・低関税国にある海外グループ会社及び提携会社からの調達 ・最適地生産、最適地販売の促進 |
(2)原材料の調達及び 価格の変動 |
・世界経済の景気変動による食肉消費量の増減 ・気候変動や各種動物疾病による食肉生産の停滞や停止、販売減少、在庫増加などの影響 ・流通の規制などに起因する原材料調達地域の変更、原材料調達コストの増加 ・関税の上昇による調達コストの増加 |
・原材料調達先及び原材料種の多様化 ・生産性の向上によるコストダウン |
(3)製品の安全性 |
・異物混入等、重大な品質上の問題発生による損害賠償請求や当社グループの信用失墜 |
・国内外の主要工場で食品安全マネジメントシステムに関する国際規格であるFSSC22000を取得するなどの、国際的な品質管理システムに従った製品製造 ・原材料から製品に至るまでのトレーサビリティの確保 |
(4)情報システム障 害、情報漏洩 |
・システム更新時のトラブル、サイバーアタック等を含めた情報システムの安定的運用が困難になった場合の事業活動への支障 ・営業情報、顧客情報、個人情報等の流出が発生した場合の顧客からの損害賠償請求や当社グループの信用失墜 |
・入念なシミュレーションと徹底した準備作業 ・セキュリティポリシーの浸透及びネットワーク監視の強化 ・ウイルス対策ソフト等、セキュリティ体制の構築 ・情報入手、分析システムの安定運用及びシステム上の営業情報、顧客情報、個人情報等の流出防止のためのアクセス権の厳重管理 |
(5)為替・金利等の変 動 |
・想定を超える為替変動や金利変動による経営成績及び財政状態への影響 |
・為替予約による営業取引に係る為替変動リスクの低減 ・借入金などの有利子負債の圧縮 |
リスク項目 |
リスクの説明 |
リスク対策 |
(6)環境規制の強化 |
・当社事業は多くの水資源・エネルギーを必要としており、排水量や排水基準等、環境に関する規制変更が事業活動に影響 ・海外を含む生産拠点毎に規制が異なるため、規制に対応できないと生産活動に影響 |
・環境管理委員会による全社的な環境負荷軽減への取組み ・グローバルベースでの情報集約、管理の一元化 ・使用エネルギーの再生可能エネルギーへの転換 ・水のリサイクル、リユース及び工程革新による給排水の減量及び水質の維持、省エネ推進 |
(7)製造設備の不具合 |
・製造設備の故障、事故等により、通常の生産活動に支障が生じる ・お客様への供給責任を果たせなくなり、信頼関係に悪影響 |
・予防保全による事前対応 ・サプライチェーンも含め、複線化による代替手段の確保 |
(8)自然災害、戦争等 地政学上の問題、 新型コロナウイル スをはじめとする 感染症等、不測の 事態の発生 |
・自然災害、戦争等地政学上の問題、新型コロナウイルスや未知の感染症等による原材料調達事情の悪化、物流の混乱、従業員感染等による生産・販売体制への影響 ・国内外の各拠点における経済活動の制限による当社グループの経営成績及び財政状態への影響 |
・事業継続計画(BCP)の整備と定期的な見直し ・サプライチェーンの多様化 ・グローバルな観点での最適地生産、最適地販売の促進 ・感染症対策ガイドラインの制定と従業員への周知徹底 ・テレワークやフレックス勤務体制の整備、Web会議の積極的な活用等による柔軟な働き方の推進 |
(9)各国の法的規制等 |
・国内外の各種法規制の改廃や新設 ・表示ルールの逸脱による製品回収や当社グループの信用失墜 ・管理上の不備により各宗教のルールを逸脱し、認証が取り消された場合の販売機会損失 |
・内外法規を審査するチームを発足させ、審査体制を強化 ・各種業界団体への加入、海外代理店や専門家等を通じた情報収集 ・最終輸出先の規制に合わせた製品設計と品質管理の実施 ・各宗教認定機関のルールに従った適正な原材料調達、製造管理及び製品販売 |
(10)人権リスク等サス テナビリティ課題 |
・当社グループやサプライヤーにおいて適切な対応が取られない場合、取引停止や当社グループの社会的信頼喪失等により業績に影響 |
・サステナビリティ方針の策定 ・人権や環境への対応を含むサプライヤー行動規範を制定し、当社だけでなくサプライヤーにも遵守を要請 |
(11)海外市場での競合 |
・事業展開の主要地域である北米市場及び今後注力する中国、インド、東南アジア市場における競合品による販売拡大への影響 |
・グローバル販売価格対応、品質向上 ・競合に対する差別化、技術、サービスの向上 ・最適地生産、最適地販売のグローバル管理 |
(12)市場動向の変化 |
・畜産業や動物性原材料に対する消費者マインドの変化や、将来的な動物由来製品への規制 ・大豆などの植物性原材料を使用した代替肉や動物細胞を培養して生産される培養肉(人工肉)の開発による、将来的な動物由来原料の調達困難化 |
・代替市場への当社グループの参入可能性の検討 ・新規事業の創造 |
(13)継続的な人材の確 保、育成 |
・雇用情勢の変動等により、的確な人材の確保や育成が計画通りに進まなかった場合、もしくは人材の流出が増加した場合における、当社グループの競争力の低下や継続性への影響 |
・新卒採用に加え、中途採用の強化 ・従業員の階層別教育研修の強化 ・評価・処遇制度の見直し ・従業員エンゲージメントの向上 ・働き方改革及び女性活躍の推進 |
リスク項目 |
リスクの説明 |
リスク対策 |
(14)製品開発の長期化 |
・市場環境変化又は顧客の業績変動による製品開発の長期化 ・規制当局承認申請の長期化などによる医療用途製品の開発期間の大幅な長期化 ・研究開発及び設備投資費用の回収遅延 |
・市場情報、製品情報、特許情報の収集 ・新規事業の創造 ・優秀な研究者の確保 ・事業計画の進捗管理強化 |
(15)訴訟等の発生、知 的財産権の保護 |
・偶発的に発生する訴訟又は訴訟に至らない請求等の経営成績及び財政状態への影響 ・知的財産権などの帰属や侵害に関して当社グループが損害賠償請求や差止請求を受けた場合における経営成績及び財政状態への影響 ・第三者による当社商標の無断利用、不正利用による当社製品の風評被害 |
・内部統制体制の強化、法令遵守及び社会道徳遵守を含めたコンプライアンス体制の強化 ・特許権の取得等による独自技術の知的財産権の保護 ・知的財産権等第三者が保有する権利侵害防止策の構築 ・代理店等を通じた当社商標のモニタリング強化 |
配当政策
3【配当政策】
当社は、中長期的視野に基づく事業展開を考慮し、内部留保の充実により企業体質の強化を図りつつ、株主資本配当率(Dividend on equity ratio)1.5%以上の配当に努めることを株主還元の基本方針としております。
また、中間配当は取締役会、期末配当は株主総会を決定機関とし、毎事業年度において2回の配当を行うことを基本方針としております。
当事業年度の配当につきましては、2024年12月5日に1株当たり9円の中間配当を実施し、2025年6月27日開催予定の定時株主総会で、1株当たり16円の期末配当(うち普通配当11円、特別配当5円)を決議する予定であります。
内部留保資金につきましては、今後予想される経営環境の変化に対応すべく、今まで以上にコスト競争力を高め、市場ニーズに応える技術・製品開発体制を強化し、さらには、グローバル展開を図るために有効投資してまいりたいと考えております。
また、自己株式の取得につきましては、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行並びに株主還元を行うべく、適宜検討してまいります。2025年3月期を初年度とする新たな中期経営計画(2025年3月期~2027年3月期)では、その最終年度において、株主資本配当率を2.0%以上に引き上げることを目指します。
なお、当社は、感染症の流行や経営環境の変化等が生じた場合においても、剰余金の配当等を機動的に実施することができるようにするため、会社法第459条第1項の規定に基づき、剰余金の配当等を取締役会決議でも行うことができる旨を定款に定めております。
なお、基準日が当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。
決議年月日 |
配当金の総額(百万円) |
1株当たり配当額(円) |
2024年11月12日 |
163 |
9.00 |
取締役会決議 |
||
2025年6月27日 |
290 |
16.00 |
定時株主総会決議(予定) |