人的資本
OpenWork(社員クチコミ)-
社員数3,267名(単体) 10,413名(連結)
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平均年齢41.0歳(単体)
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平均勤続年数12.3年(単体)
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平均年収7,645,291円(単体)
従業員の状況
5 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況
(注) 1.従業員数は就業人員数(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含む。)です。
2.従業員数の( )内は、臨時従業員数です。(外数)
臨時従業員は、主にパートタイマー、アルバイト等の従業員であり、派遣社員は含みません。
(2) 提出会社の状況
(注) 1.従業員数は就業人員数(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)です。
2.従業員数の( )内は、臨時従業員数です。(外数)
臨時従業員は、主にパートタイマー、アルバイト等の従業員であり、派遣社員は含みません。
3.社外からの出向者については、当社での出向受入日から起算しており、出向元での勤続年数を通算していません。
(3) 労働組合の状況
当社の労働組合はJX金属労働組合と称し、2025年3月31日現在の組合員数は3,466人です。一部連結子会社においても労働組合が組織されていますが、当社を含めて労使関係は円満に推移しており、組合と会社との間に特記すべき事項はありません。
(4) 多様性に関する指標
当連結会計年度の当社及び主要な事業会社の多様性に関する指標は、以下のとおりです。
(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号。以下、「育児介護休業法」という。)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。
サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)
2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
(1) ガバナンス
・サステナビリティ推進体制
当社グループはこれまでも様々な社会貢献活動や環境保全活動を実施してまいりましたが、サステナビリティに対する世界的な潮流を受けて、組織的対応を強化し、全社的視点でサステナビリティ経営に取り組む必要があることから、2020年10月、サステナビリティへの取り組みを統括する「ESG推進部」を発足し(注1)、関連会議体を整備しました。
・ESG推進会議
社長の諮問機関である「ESG推進会議」(注2)では、サステナビリティへの対応に関する基本方針や活動計画、及びそれらのモニタリングを行っています。ESG推進会議は社長を議長、当社の経営会議のメンバー(社長が指名した執行役員)を構成員、常勤監査等委員及び社外取締役をオブザーバーとし、原則として年二回開催されます。
また、サステナビリティ活動のグループ全体における推進・浸透を図るため、下部機関として、各部門、グループ会社等のサステナビリティ推進責任者により構成される「ESG推進責任者会議」(注3)を設置しています。サステナビリティに関わる重要事項については、取締役会・経営会議に適宜、付議・報告しています。
・委員会の設置
ESG推進会議の委任に基づき、活動の分野に応じて下記委員会を設置しています。各委員会における審議結果等はESG推進会議にて報告します。
① コンプライアンス委員会
当社グループにおけるコンプライアンス推進のための教育その他の諸施策及び活動計画の策定、当社グループ各社におけるコンプライアンス推進状況のレビューを行います。
事務局を当社法務部として、年二回及び必要の都度開催しています。
② 安全・環境委員会
当社グループの安全衛生・環境保全に関する活動計画の策定、当社グループ各社における安全衛生・環境保全に関する活動状況のレビューを行います。
事務局を当社環境安全部として、年二回及び必要の都度開催しています。
③ カーボンフリー委員会
当社グループにおけるCO2ネットゼロに向けた取り組み推進のための活動方針及び活動計画その他諸施策の策定、当社グループ各社におけるCO2ネットゼロに向けた取り組みの推進状況のレビューを行います。事務局を当社ESG推進部として、年二回及び必要の都度開催しています。
(注) 1.2025年4月1日付で同部の機能を「コーポレートコミュニケーション部」内に設置する「サステナビリティ推進室」に移管し、情報発信と社内伝達の機能を従前以上に強化していくこととしています。
2.2025年4月1日付で「サステナビリティ推進会議」に改称しました。
3.2025年4月1日付で「サステナビリティ推進責任者会議」に改称しました。
(2) リスク管理
事業を取り巻く様々なリスクに関して、将来予測や内外の環境変化を踏まえて特定・分析及び評価を行い、回避・低減・移転・保有等の対応を実施しています。当社グループでは、当社経営会議において重要リスクの決定、各重要リスクの対応計画の承認及びそれらのモニタリングを実施しています。また、当社総務部リスクマネジメント室が、当社及び当社グループのリスクマネジメントの総括に関する業務を分掌し、全社的リスクマネジメントの推進を担っています。詳細については「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご確認ください。
(3) 戦略・指標及び目標
当社グループでは、2040年長期ビジョンの実現に向け、優先的に取り組むべき6つのマテリアリティを特定しています。各マテリアリティはKPIを設定し、ESG推進会議にて達成度合いを測定・評価しながら運用しています。
・マテリアリティの特定プロセス
当社グループのマテリアリティは、世界的な社会課題とSDGsが掲げるゴール、国際ガイドライン(GRI、ISO26000等)、国内外イニシアティブ、同業他社の動向などを踏まえて、以下のステップにより特定しました。なお、特定したマテリアリティは、今後の社会情勢やニーズの変化、経営戦略等に応じて内容の見直しを定期的に実施していく予定です。
・マテリアリティ(重要課題)とKPI(重要業績評価指標)
Environment
マテリアリティ①:地球環境保全への貢献
Social
マテリアリティ②:くらしを支える先端素材の提供
マテリアリティ③:魅力ある職場の実現
(注) 障がい者の雇用促進と安定を目的として設立される子会社
マテリアリティ④:人権の尊重
マテリアリティ⑤:地域コミュニティとの共存共栄
Governance
マテリアリティ⑥:ガバナンスの強化
(4) 気候変動
当社グループでは、気候変動を地球規模で解決すべき喫緊の課題と捉え、その解決に寄与するべく、CO2ネットゼロを最終目標に掲げ、その達成に向けた取り組みを一層加速しています。
[ガバナンス]
気候変動対応に関する基本方針の策定、重点目標の設定、それらのモニタリング等については、社長の諮問機関であるESG推進会議で行っています。
[リスク管理]
気候変動に係るリスク・機会についてはESG推進部が各部門と連携し、TCFD提言のフレームワークに沿ってシナリオ分析を含む評価・特定を行っています。シナリオ分析にあたっては、気候変動影響に伴う規制や事業への影響等のリスク要因を幅広く情報収集・分析し、気候変動対応に係る自社のリスク・機会の把握、中長期的な事業戦略上の対策などを検討しています。また、分析の結果や対応策の実施状況等については、ESG推進会議等を通じて経営陣に共有し、それを基に各部門がESG推進部とも連携しながら取り組みを進めています。
[指標と目標]
当社グループは、気候変動における指標をCO2自社排出量(Scope1,2)と定め、2050年度にCO2自社排出量のネットゼロを目指すことを目標としています。2018年度のScope1,2におけるCO2自社排出量を基準として、2050年度からのバックキャストで2030年度までに50%減とすることを中間目標に設定しています。
[戦略]
(ア) 気候変動関連リスク・機会の分析
気候変動が当社グループ及び当社グループ事業に及ぼすリスク・機会の抽出、リスクへの対応と機会の実現に向けた戦略を検討するにあたって、国際エネルギー機関(IEA)の「World Energy Outlook(WEO)」を参照しました。このほか、国連のIPCC(気候変動に関する政府間パネル)による地球温暖化シナリオを分析に用いました。
(イ) 気候変動リスク・機会の特定について
気候変動に伴う脱炭素社会への移行を想定すると、再生可能エネルギーへの電源構成の転換、電動化等の電力利用の変革、サーキュラーエコノミーの社会実装等に向けて当社グループの果たす役割は大きく、製品需要の増加や高機能化などの機会が想定されます。一方、当社グループ自身がグローバルでカーボンニュートラル化を進めることに伴うコスト増加やその遅れによる機会損失などのリスクも存在します。また、国内外の事業所において、異常気象により生産設備や物流網が被害を受け、操業停止に陥る物理リスクの高まりが考えられます。
(ウ) サステナブル製品戦略
当社は、銅の生産・利用に関わる様々な企業におけるニーズや資源循環、脱炭素、供給安定性、原料トレーサビリティの向上、並びに経済合理性等の複数の視点に立って、市場への最適な銅の供給スキームを検討してきました。この結果、社会に求められる銅の供給の1つの姿として、マスバランス方式を用いた2種類の100%リサイクル電気銅(PCL100/mb、MR100/mb)(注1)を上市することを2024年1月に発表しました。また、2025年1月には、原料100%リサイクル高機能伸銅品の販売を開始しました。
当社グループが生産する銅製品の資源循環を推進する「Cu again(注2)」プロジェクトのもと、上記の電気銅や高機能伸銅品をはじめとする、様々な製品の社会実装をサプライチェーンに携わる方々とともに進めてまいります。
(注) 1.PCL100/mb(Partnered Closed Loop 100% mass balance method)は、顧客の使用済み製品や工程端材を由来とする銅リサイクル原料を水平リサイクルし、含有されている銅の相当量を100%リサイクル電気銅として返還するもの。MR100/mb(Mixed Recycle 100% mass balance method)は、当社グループがリサイクル原料回収ネットワークを通じて市中から収集した銅リサイクル原料を基に、100%リサイクル電気銅を販売するもの。
2.電気銅(Cu)が、社会での役割を終えてスクラップとして戻り、リサイクルを経て、繰り返し(again)、未来の社会を支えていくという願いを込めたもの。
(5)人的資本
[戦略]
当社グループでは、2040年長期ビジョンの中で、新規事業創出に向けた施策として技術立脚型経営に向けた組織構築・人材育成を掲げています。これを受け、技術立脚型企業への転身に不可欠な「人」の力によるイノベーションを生み出すために、「人」の意欲・能力を最大限引き出すことを人事戦略上の重要課題と設定しており、こうした考えのもと、人材への投資を積極的に進めています。
① 人材獲得の強化
当社グループでは、下記のような人材が新たな価値や付加価値を創出していくと定義し、人材獲得の強化を推進しています。
a. 多様性を理解・受容しながら様々な立場の関係者と協働し、革新をリードできる人材
b. オーナーシップ(当事者意識)を持ち、自ら考え、行動・チャレンジできる人材
c. 環境の変化に応じて「ありたい姿」を描き、実現に向け貪欲に策を講じられる人材
上記定義に基づく付加価値創出人材を獲得するために、以下の施策を遂行しています。
(ア) 多様な価値観の醸成
当社では、人事部採用担当の組織強化や採用チャネルの多様化により、幅広く優秀な人材を採用しています。新卒採用では、高専卒を含めた技術系人材、留学経験を有する国内外のグローバル人材を積極採用しています。当社にない様々な知見・経験をお持ちの方に活躍いただくキャリア採用も定着しており、直近3年の採用実績においては新卒とキャリアの割合がほぼ5:5となっています。そのキャリア採用拡充のために、社員の知人・友人を紹介いただくリファラル採用、当社退職者に再入社いただくカムバック採用など、チャネルの多様化を進めています。大学卒・高専卒・キャリアと、様々なチャネルを用いることで採用人材の質・量・多様性を確保し、新たな知見や技術、アイデアなどを積極的に共有しようとする闊達な企業風土の醸成につながっています。
(イ) 技術系人材の採用
当社では、技術立脚型企業への転身に向けた各種施策の確実な実行に向け、競争力の根源となる技術開発力、生産現場力をさらに高めていくため、技術系人材を積極採用しています。
<新卒採用>
・ 大学(院)時の専攻を限定せず、幅広い学部から当社の求める志向と能力を持った人材を採用
・ 学校推薦ではない、自由応募者の採用拡大
・ 高専生の積極採用
<キャリア採用>
・ 新規事業企画や技術開発などのポジションにて、当社にない分野の技術的知見を持つ人材を採用
・ 基幹職以上の重要ポジションでの採用
・ 多様な業界出身(自動車、電機、化学、大学等)の人材を採用
・ 社員紹介(リファラル)や退職者の再入社(カムバック)で自社にマッチした人材を採用
② 人材育成の強化
当社では、以下の人材育成方針のもと、各種の施策・支援策を展開しています。
上記方針に基づく具体的な施策は以下のとおりです。
(ア) 新しい教育体系の整備
基幹職登用の早期化や職種を超えた異動といったキャリアパスの多様化等の状況に合わせ、2023年度から柔軟かつ能動的な教育体系への見直しを行いました。若手階層別教育では若手の早期戦力化と管理職向け教育の拡充、選択型教育の導入や自己啓発支援などで自律的な学びの促進、社外での実践的な教育の機会、経営幹部候補人材・海外事業展開を担えるグローバル人材・専門的な知見で会社を牽引するスペシャリスト・現場の競争力向上を担う人材の計画的な育成を目指しています。そのほか、財務知識やコミュニケーションの質や問題解決スキルに関する共有認識を醸成するためのトレーニングも実施しています。
(イ) 各種教育施策の充実
社員一人ひとりの能力や資質に応じた様々な研修制度を設けています。具体的には、当社のDNAを取り入れながら自律自走し、チャレンジを行うための基礎力とマインドの獲得を目指す入社3年目までの若手向け研修、マネジメント力向上や経営マインド、スキルを身に付けることを目的とした基幹職向け研修、製造現場の要となる主任職・係長職を対象に、現場の管理者として必要な能力開発・知識の獲得を図る現場管理者向け研修、社員の自律的・自発的な成長のため、従来の階層別教育に加え、各社員の役割期待・力量・志向等に応じて学ぶことができる選択制プログラムなどです。
上記のほか、グローバル人材育成を目的とした海外若手研修や国外留学制度、現在の業務から一度離れ、社外での経験を通じて自身のキャリアを成長させることに挑戦するCGC(越境学習、Career Growth Challenge)制度、自律的なキャリア構築支援を図るキャリア教育などのプログラムを用意しています。また、社員自らの学習意欲をサポートすることを目的に、社員自らが希望する外部研修プログラムを申請して受講し、プログラム終了時に会社が費用の半額(上限50万円/ 1プログラム)を補助する「セルフ・イノベーション・サポート」制度を設けつつ、場所や時間に制約されることなく学習が可能なオンライン動画学習サービス「Udemy Business」を導入しています。
③ 人事諸制度の見直し
当社では、人事諸制度の改定を2021年度より段階的に進めてまいりました。社員一人ひとりが当事者意識を持ち、互いに尊重・切磋琢磨しながら、よりチャレンジングに課題に取り組める環境の整備を通じて、イノベーションを加速させ、技術立脚型企業への転身を目指してまいります。
(ア) 基幹職人事制度改定
職種や部署、等級に拘らず、長期・全社目線でマネジメントを担える優秀な人材を育成・抜擢し、経営の中枢を担えるよう2021年度に制度改定を行いました。具体的には、部下を持つライン長を管理職として区分を明確化したほか、職責の大きさに基づく処遇の徹底、基幹職登用の早期化などの施策を実行しました。
(イ) 一般職人事制度改定
生産現場を支える人材を適切に評価・処遇することによる現場競争力の強化、当社が茨城県で進めているひたちなか新工場の建設に対応するための人材の確保・育成、シニアをはじめとした多様な人材が活躍できる仕組みづくりなどのために2022年度に制度改定を実行しました。具体的な施策は以下のとおりです。
・ 「総合職」と「業務職」のコース区分の明確化
各コースの役割を明らかにしたうえで、それに応じた適切な評価及び処遇ができる仕組みといたしました。また、業務職から総合職・地域総合職へのコース転換制度を設け、本人の挑戦意欲に応じてチャレンジできる仕組みも整えることで、より自律的なキャリア形成に向けた支援や変革に挑戦する企業文化の醸成を図ってまいります。
・ 「地域総合職」の新設
大幅な人員増が見込まれる茨城県エリアを対象に、当社初となる「地域総合職」コースを設置いたしました。本コースでは勤務場所を茨城県内とし、原則として転居を伴う異動は行いません。IターンやUターンを含め、茨城県内での採用や事業運営の強化につなげてまいります。
・ 定年延長の実施
生産現場の安定操業や技能伝承などの観点から定年年齢を60歳から65歳に引き上げ、処遇についても60歳時点の給与水準を維持することといたしました。一方で、若手・中堅層にマネジメント機会を付与し、組織を活性化するという観点から、60歳を上限とする役職定年制度を導入しました。
④ ダイバーシティの推進
当社グループでは、国内外の諸法令の定めに従い、高齢者雇用、障がい者雇用、女性の活躍推進及び外国人の雇用などに取り組むとともに、多様な人材が働きがいを感じながら個々の能力を最大限発揮できる環境の実現を進めています。当社では、多様な働き方のための施策として、在宅勤務制度やコアタイムなしフレックスタイム制の導入、障がい者雇用・定着の推進、男性の育児休業取得支援などに取り組んでいます。また出産や育児に関係する制度では、法定の制度に加え当社独自の制度を設けています。
(ア) 出産・育児に関わる制度
(イ) 介護に関わる制度
[指標及び目標]
① 2024年度実績
当社では多様な人材がやりがいをもって働くことができる環境を整備しており、育児休業復帰後の定着率・復職率や再雇用者、障がい者雇用率向上にも取り組んでいます。
(注) 1.管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異については、第1企業の概況 5従業員の状況 (4)多様性に関する指標に掲載
2.育児休業から復職後、12か月経過しても在籍している社員の割合
3.育児休業後に復職した社員の割合
4.2022年10月に定年年齢を65歳に引き上げたため、当面の間発生しない見込み
② 「次世代育成支援対策推進法」「女性活躍推進法」に基づく行動計画
当社では女性をはじめとした多様な人材がやりがいを持って働くことができる環境整備を行うことで「人と組織の活性化」を図り、従業員がその能力を最大限に発揮できるようにするため、下記のとおり行動計画を策定しています。
(注) 2026年3月までを計画期間として、2023年4月に策定した「次世代育成支援対策推進法」「女性活躍推進法」に基づく行動計画上の目標