2026年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    5,120名(単体) 14,392名(連結)
  • 平均年齢
    42.0歳(単体)
  • 平均勤続年数
    17.0年(単体)
  • 平均年収
    9,952,943円(単体)
  • 平均年収の
    対前年増減率
    0.2%(単体)

従業員の状況

人材戦略に関する基本方針等

(1) 【人材戦略に関する基本方針等】

 

① 2023~2025年度中期経営計画(以下、前中計)の振り返り

前中計における人財戦略は、「企業理念・ビジョンの体現」「DE&Iの深化」「個々人の能力・個性の発揮」の3つを柱として位置付け、各種施策を推進してきました。

主要KPIの目標及び達成状況は下表のとおりです。

 

人財戦略の
3つの柱

KPI

2023年度

2024年度

2025年度

実績

実績

目標

実績

企業理念・
ビジョンの体現

出光エンゲージメントインデックス

69%

70%

75%

70%

出光成長スコア

62%

64%

70%

65%

DE&Iの深化

女性採用比率

47%

39%

50%

46%

女性役職者比率*1

4%

5%

5%

7%

男性育児休業取得率

93%

92%

90%

98%

個々人の能力・
個性の発揮

従業員一人当たり
教育投資額/年

52千円

55千円

100千円

69千円

 

*1 各年度の評価結果に基づき、翌年度7月の昇格予定者を含めて算出しています。

 

当社として最も重視していた出光エンゲージメントインデックス(以下、出光EI)及びその中間指標である出光成長スコア(以下、成長スコア)は、いずれも目標未達で前年度横ばいにとどまりました。

出光EIは、当社が独自に設計した、従業員エンゲージメントを測定するための全社KPIです。単なる満足度ではなく、「当社が大切にする価値観が、どの程度社員に浸透し、日々の行動として体現されているか」を定量的に把握することを目的とし、「企業理念やビジョンの体現」「仕事へのやりがいと誇り」「自己の成長実現」「会社・組織への貢献」「組織の垣根を超え変革に挑戦」「高い当事者意識」の6項目で構成されています。言い換えれば、「当社の理念・戦略を腹落ちさせ、当事者意識をもって成長と変革に挑む社員が、どれだけ組織に広がっているか」を測る、経営直結型の人的資本指標です。この出光EIと高い相関を持つのが「成長実感を得られる」「職場での貢献実感を得られる」「個人のキャリアを描ける」の3要素であり、これを成長スコアと定めました。成長スコアが上がれば、結果として出光EIも上がるという因果設計になっています。

当社が持続的成長を求めて事業ポートフォリオ転換を図っていく上で、国内外の多様なステークホルダーとの共創・協業を推進できる人財や、失敗を恐れず挑戦し、企業理念「真に働く」を体現する人財を一人でも多く輩出するよう取り組んできました。しかし実際は、社内においては部門の縦割り・サイロ化、社外との交流に消極的な井の中の蛙状態、失敗を極端に恐れ効率性だけを追求する安定化志向の3つに課題感を持っていました。

そこで、2025年度の一年をかけて、企業理念「真に働く」に基づき新たに制定した新行動指針の普及に努めました。その結果、浸透率はおよそ70%まで高まりましたが、日常の行動に直結する「体現」までには至らなかったと認識しています。加えて、後述するように多くの社員が業務に多忙感を抱いており、成長スコアの3要素をいずれも高めることができなかったと考えています。

 

3つの柱の成果と課題は下表のとおりです。

 

主な成果

残された課題

企業理念・

ビジョンの体現

・出光EIの導入・定着

・行動指針の再定義(2025年度)、全60部室を

対象に説明会を実施

・出光EIは微増(69%→70%→70%)に

とどまり、2030年目標80%に対して道半ば

・浸透率70%にとどまり、行動変容への接続

が不十分

DE&Iの深化

・ナショナルスタッフ登用方針の明確化

・女性活躍施策の継続推進

※4年連続なでしこ銘柄取得

・女性採用比率は46%であり、目標の50%

には未達

個々人の能力・

個性の発揮

・キャリアデザイン部の設置と出光社員会の設立

・自律キャリア支援策と育成体系の再構築

このように、前中計では3つの柱に基づく取り組みに一定の成果が見られる一方で、主要KPIの進捗はなお道半ばであり、新中期経営計画(以下、新中計)で更に取り組みの深化が必要であると認識しています。

また、新中計の人財戦略では、前中計からの継続課題を踏まえつつ、前中計では必ずしも明確ではなかった事業戦略との関係性及び企業価値向上への道筋を示しています。

 

② 2030年度財務目標達成及び持続的成長の実現に向けて

新中計のテーマは、より実践的なアプローチによる「稼ぐ力」の強化です。当社の事業を次の3つの領域に区分して、事業戦略を構築しています。

ア. GRIT領域では、既存事業の基盤強化を粘り強くやり抜くことで、エネルギーの安定供給を維持しつつ、収益力・資本効率向上を実現します。長期的には量的な減少が見込まれる中でも、収益最大化を図ります。

イ. GROWTH領域では、持続的成長の実現に向け、電化・電動化/ICTや海外をはじめとする成長領域で新たな事業を切り拓いていきます。

ウ. CNX領域では、2050年のカーボンニュートラル社会を見据え、官民パートナーと連携し、低/脱炭素ソリューションの経済的・技術的課題解決と事業化に挑戦していきます。

 

財務目標として、2030年度の税前利益を2025年度対比で2倍弱の水準となる3,600億円へ引き上げます。あわせて、ROE13%、ROIC7%以上の達成を目指します。

この目標達成に向け、1兆6,400億円の積極的な事業投資に加え、データ基盤経営及び業務プロセス改革を進めるため、1,600億円のビジネスプラットフォーム投資を実行します(投資総額1兆8,000億円)。ビジネスプラットフォームの整備により、生産性を飛躍的に向上させることを狙います。

資材・建設コストが大幅に上昇している中で、これまでの延長線上のアプローチでは投資効果は限定的なものとなります。また、投資案件の発掘・選定においても、従来の常識にとらわれた発想では、新しい収益の芽を掴み取ることはできません。まさに、これまでにない規模の投資を推し進めていく上で、当社社員の発想力・構想力・目利き力が問われてきます。

そこで、新中計の人財戦略においては「変革」をキーワードに据えました。ここでいう変革とは、新製品・新技術の発明や研究開発といったイノベーションに限定されるものではありません。業務の進め方や役割分担、意思決定のスピードや権限のあり方、部門間・社外との協働の仕方を見直すことに加え、投資評価の物差しや成功の定義そのものを問い直すことも含まれます。これまでの慣行や暗黙の前提を疑い、視点を切り替え、小さくても実行可能な変化を積み重ねていくことが、環境変化の激しい時代における変革の本質です。変革を通じて、現状の課題である「部門の縦割り・サイロ化」「井の中の蛙」「安定化志向」という3つの壁を乗り越えていきたいと考えています。

新人財戦略は、「現場力強化」「共創促進」「新価値創出力向上」という3つの活動変化を目指して、「全ての社員を変革の主役に」「もっと共創&イノベーションを」を合言葉に推進します。

③ 新人財戦略で期待する3つの活動の変化

ア. 「現場力強化」

既存事業の深化を掲げるGRIT領域では、「安定供給」と「高い資本効率」の両立が課題です。製油所・事業所・精製会社(当社直営の4製油所・事業所及び東亜石油、昭和四日市石油、富士石油)の2023~2025年の稼働率は、公称能力に対し86%にとどまっていますが、2030年には90%以上を目標とします。デジタル技術の活用や稼働率向上投資に加え、オペレーションの改善・進化及び技術力向上に直結する現場力強化が鍵を握ります。これらは出光エンジニアリング、出光プランテック等の子会社と一体となって展開します。

また、全国1,100店の特約販売店及び出光リテール販売を始めとする販売子会社と約6,000か所のSSネットワークを通じて、apollostationブランド価値の向上とお客様接点の深化を図ります。更には、油ガス田・石炭鉱山の安定操業、輸送人員・船舶・車両の確保による物流安定化等においても、各関係会社と連携し、本人財戦略の推進を通じて現場力の一層の強化を図っています。

これらの取り組みを通じて、GRIT領域における収益1,100億円の創出に寄与していく考えです。

イ. 「共創促進」

全ての事業領域において、自身の担当領域や自部門内の知見にとどまらず、積極的に領域の異なる他者・他部門から学ぶことが不可欠です。その際、「ともに考え、合意し、動く」、この共創サイクルを促進することで、グループ内連携の円滑化と意思決定スピードの向上が図られます。

更に、社外との共創を推進することで、新たな知見・技術の獲得や事業機会の創出・拡大が見込まれます。特にイノベーション戦略においては2028年3月完工予定のイノベーションセンターが社内外の技術を結集するハブ機能を担うことで、新たな技術を創出していきます。

ウ. 「新価値創出力の向上」

GROWTH領域及びCNX領域では、既存事業で培われた経験則が通用しない場面にしばしば直面し、これまでとは異なる視点や新価値創出力が求められます。M&A及び外部連携を活発化させ、新規事業・海外事業開発を加速するためにも、組織として新価値創出力を高める人財戦略が必要です。

その前提として、同質的な集団に陥らず、多様な発想・価値観を包摂できる企業集団を形成します。

これらにより、GROWTH領域における収益600億円の創出や、CNX領域における2050年カーボンニュートラルの実現と持続的な企業価値向上につなげていく考えです。

なお、これら3つの活動の変化を生み出す鍵は、ビジネスプラットフォームの整備を通じた生産性向上です。当社の従業員エンゲージメントサーベイでは、「より多くの時間を付加価値の高い業務やビジネスの構想、自己啓発などに充てられている」という設問に対する肯定的回答が42%にとどまっており、業務に多忙感を抱く社員が多いことが課題となっています。ビジネスプラットフォームの整備により生産性を飛躍的に向上させる理由はここにあります。全社的な生産性向上には、事業部門と間接部門が一体となって変革に取り組む必要があります。

「現場力強化」「共創促進」「新価値創出力向上」は事業部門に限らず間接部門にも期待すべきものであり、新人財戦略は全社員が対象となります。

 

④ 4つの重点課題

以上の3つの活動の変化をもたらすため、重点課題を次の4点とします。

ア. 全社員の働きがい・成長実感を極限まで高める

イ. 行動指針の下に全社員が一丸となる

ウ. 多様な変革リーダーを養成する

エ. 多様な人財が活躍できるフィールドを整備する

 

ア・イ共通の合言葉は「全ての社員を変革の主役に」、ウ・エ共通の合言葉は「もっと共創&イノベーションを」です。4つの重点項目に関する主なインプット・アクションは次のとおりです。

 

ア. 全社員の働きがい・成長実感を極限まで高める

GRIT・GROWTH・CNXの各事業領域で稼ぐ力を最大化するためには、事業を遂行する社員が能力を最大限に発揮できる状態をつくる必要があります。そのため、適財適所の人員配置に加え、一人ひとりの成長課題に応じた最適な教育機会を提供します。また、社員が中長期視点で自身のキャリアプランを検討できるよう、キャリア形成支援を更に拡充・強化します。

同時に、稼ぐ力の最大化には、生産性を飛躍的に高め、社員が改善や新たな課題への挑戦、自己研鑽に充てられる時間と余力を創出することが不可欠です。その実現には、事業部門に加え、業務プロセスや制度・基盤を支える間接部門も一体となって取り組む必要があります。全社員を変革の担い手と位置付けることで、出光EIを現状の70%から2030年度に80%まで引き上げます。

 

イ. 行動指針の下に全社員が一丸となる

当社は2025年度に行動指針を再定義しました。7つの行動指針は、「徹底的当事者意識」「飽くなき成長意欲」「誠実・相互信頼」の3つの基本姿勢と、「大胆に挑み続ける」「常に考え決断する」「相違を乗り越える」「人を活かす」の4つの能力から構成されています。

 

当該行動指針を人事制度(採用・育成・評価・異動配置)とリンクさせるとともに、社員と経営の共通言語とすることで、様々な職務・階層における変革活動を後押しします。次期中計では浸透率を現状の70%から95%まで高めるとともに、この行動指針を高度なレベルで実践する社員を増やしていきます。

 

ウ. 多様な変革リーダーを養成する

当社では、行動指針を高い次元で実践し、他者との共創を通じて新たな価値や変革を生み出している人財を「変革リーダー」と定義しています。前述のとおり、当社では変革を幅広い意味で捉えています。変革は、「攻める」タイプの仕事だけでなく、「守る」「支える」タイプの仕事にも求められます。本来は、全社員に行動指針を高い水準で実践してもらうことが理想です。しかし現実的な目標として、組織文化論で「組織の規範が変わり始める最低水準」とされる30%の変革リーダーの養成を目指します。

なお、変革リーダーの評価基準である行動指針は、現時点では出光興産単体で展開しており、以下の目標値も出光興産単体の数値を示しています。一方で、変革リーダーの養成は連結グループ全体に共通する重要テーマであり、2026年度以降は下表に示す関係会社を起点として、段階的にグループ全体へと展開していきます。

現在、変革リーダーは1,300名程度と、全社員の約20%にとどまっています。今後は、行動指針の実践につながる教育研修、タウンホールミーティングでの経営層との対話等に加え、越境学習や他流試合といった多様な機会提供を拡充し、全社員の約30%にあたる2,000名の変革リーダーを養成し、全社的なムーブメントの創出につなげます。進捗状況は、タレントマネジメントシステムにより、行動指針の実践度を定量的に把握・モニタリングしていきます。

 

 

エ. 多様な人財が活躍できるフィールドを整備する

変革を推進する上での鍵は多様性の確保です。同質的な集団からは新しい発想・着眼点を得にくいことから、前中計から継続的に推進している女性活躍施策を拡充します。加えて、海外事業の成長を見据え、グローバル人財の育成と海外現法の積極登用を推進します。

8割の海外現法で経営層にナショナルスタッフが含まれていることを目標とし、多様な人財が意思決定の場で持ち味を発揮できる体制を構築することで、当社グループ全体での共創とイノベーション創出の基盤を確立します。

 

 

なお、これら人財戦略を実行するには、下表の関係会社を含むグループが一丸となって取り組んでいます。

 

表:主要関係会社一覧

会社名

主な事業内容

出光タンカー(株)

原油・石油製品・LPガス等の海上輸送(外航)

IDEMITSU INTERNATIONAL(ASIA) PTE. LTD.

原油・石油製品・石化製品の国際トレーディング

出光リテール販売(株)

燃料油・潤滑油の販売、SS運営、車関連サービス

出光エナジーソリューションズ(株)

法人向け燃料・潤滑油販売、バンカー事業、脱炭素ソリューション

アポロリンク(株)

apollostationSSの運営支援・システム・カード等のサービス提供

出光エンジニアリング(株)

製油所・化学プラント等の設計・建設・保全(EPC)

昭和四日市石油(株)

原油の受託精製(製油所運営)

東亜石油(株)

原油の受託精製 + 副生ガス等を用いた発電事業

ソーラーフロンティア(株)

太陽光発電システムの開発・設計・施工・O&M

出光NTG(株)

潤滑油関連の原料・製品事業

(株)エス・ディー・エス バイオテック

農薬・バイオ農薬の研究開発・製造・販売

出光ユニテック(株)

合成樹脂加工製品(フィルム・シート・包装材)の製造・販売

Idemitsu Lubricants America Corporation

北米における潤滑油の製造・販売

出光潤滑油(中国)有限公司

中国における潤滑油の製造・販売

Idemitsu Lube Asia Pacific Pte. Ltd.

東南アジアにおける潤滑油の製造・販売

西部石油(株)

油槽所・入出荷基地・国家備蓄

IDEMITSU VIETNAM CO.,LTD.

ベトナムでの燃料販売・潤滑油・エネルギー事業

アグロ カネショウ(株)

農薬(殺虫剤・殺菌剤・土壌消毒剤等)の製造・販売

⑤ 課題認識と重点項目の設定(リスクのコントロール)

2030年度の財務目標達成と持続的成長を実現する上で、人財に起因するリスクの適切なコントロールは不可欠です。本項では、前述した人財戦略の重点課題を、人財に関する重要なリスクとその対応という観点で改めて整理します。

「全ての社員を変革の主役に」を推進する上で、当社が抱える課題は以下の2点であると認識しています。

1点目は、「社員のやりがい」の向上です。当社は独自指標である出光EIにより社員のやりがいを測定していますが、ここ数年は微増にとどまっています。全社員が変革の主役として行動するためには、2030年度目標である80%に向け、一段の向上が必要です。ビジネスプラットフォーム投資による生産性向上とあわせ、全社員の行動変容を促す仕掛けが求められます。

2点目は、変革のカギとなる「行動指針」の全社浸透です。当社は2025年度に、企業理念「真に働く」を具現化した行動指針を制定しました。本行動指針は、当社が求める人財像を7つの項目に整理したものであり、社員と経営の共通言語です。社員にとっては「日々の行動の拠り所」となり、経営にとっては「変革の方向性を指し示す道標」となります。

 

2025年度は全60部室で説明会や座談会等を実施し理解浸透を図りましたが、今後はより日々の行動に直結させ、変革行動に結びつけていく必要があります。

以上より、「全社員の働きがい・成長実感を極限まで高める」「行動指針の下に全社員が一丸となる」の2点を、「全ての社員を変革の主役に」位置付けるうえでの重点項目とします。

 

次に、「もっと共創&イノベーションを」起こすために、乗り越えるべき課題は以下の2点であると認識しています。

1つ目の課題は、「多様なリーダーの養成」です。行動指針を高い次元で実践し、他者との共創を通じて新たな価値や変革を生み出す変革リーダーを、仕事の3つの領域(「攻める」「守る」「支える」)のいずれにおいても輩出する必要があります。一部の部門に限らず、全ての部門で多様なリーダーを継続的に輩出することが重要です。

2つ目の課題は、DE&Iを共創やイノベーション創出に直結させるため、多様性を更に拡充していくことです。女性活躍を一丁目一番地として重点的に取り組みつつ、ジェンダー・世代・国籍を超えた活躍を促進します。特に成長ドライバーである海外事業において、多様な人財が意思決定の場で持ち味を発揮できる体制を構築し、当社グループ全体での共創とイノベーション創出の基盤を確立させる必要があります。

以上より、「多様な変革リーダーを養成する」「多様な人財が活躍できるフィールドを整備する」の2点を、「もっと共創&イノベーションを」起こすうえでの重点項目とします。

 

⑥ 4つの重点項目に対するKPI

4つの重点項目について、KPIの2030年目標値は次表のとおりです。

 

KPI

2023年度

2024年度

2025年度

2026年度

2028年度

2030年度

 

実績

実績

実績

目標

目標

目標

出光EI*1

69%

70%

70%

76%

78%

80%

(成長スコア)

62%

64%

65%

70%

72%

73%

行動指針浸透率*2

70%

70%

90%

95%

行動指針高度実践者数*2

1,300名

1,450名

1,750名

2,000名

経営層へのNS*3登用 海外現法比率

36%

40%

60%

80%

女性役職者比率*4

4%

5%

7%

7%

8%

10%

女性採用比率*5

47%

39%

46%

50%・20%

50%・20%

50%・20%

男性育休取得率

93%

92%

98%

90%

90%

90%

 

*1 当社の従業員エンゲージメントサーベイは、グループ会社にも展開しており、主要関係会社17社のうち10社が同一の調査を実施しています。出光EIの水準は各社の事業特性等により異なりますが、おおむね50%~70%の範囲で分布しています。

*2 2025年度実績については、社内の各種指標を基に算出した推計値です。今後、アンケート調査の拡充等を通じ、より客観的かつ定量的な測定方法を確立していきます。

*3 NS:ナショナルスタッフ

*4 各年度の評価結果に基づき、翌年度7月の昇格予定者を含めて算出しています。

*5 2026年度以降の目標値は、事務系50%・技術系20%とします。

 

⑦ 経営アウトカムへのつながり

4つの重点項目を実行することで、3つの「活動の変化」に繋げ、2030年度の財務目標の達成及び持続的な成長を実現します。

なお、当社は過去数年間に亘り、働きやすさの向上を目指して様々な施策を講じてきました。しかしながら、働きやすさは必要条件であって、十分条件ではありません。働きやすさが単なる居心地の良さに終わり、目標や成果へのこだわりに欠け、建設的な対立を回避し、失敗から学習できない組織は、事業変革を進めることはできません。近年、従業員エンゲージメントサーベイのスコアが高いにもかかわらず、組織のパフォーマンスが高まらない組織が話題になっています。出光EIを発展的に拡充し、組織パフォーマンスとの連動性を更に高めています。「全社員の働きがい・成長実感を極限まで高める」という重点項目のKPIとしての出光EIについては、2026年度中にブラッシュアップを図っています。

 

⑧ 従業員給与・報酬の額や内容の決定に関する方針

 

ア. 基本的な考え方

当社は、従業員の生活の安定を最優先に位置付け、物価動向等の外部環境を踏まえつつ、適切に処遇水準の見直しを行っています。また、目標達成評価と行動評価により、従業員の役割発揮を結果とプロセスの両面で評価し、その結果を処遇に反映しています。特に行動評価については、人財戦略の基軸となる行動指針を評価項目と一致させ、その実践度を処遇に反映することで、従業員の行動変容と継続的な価値創出を促進しています。

 

イ. 給与体系の概要

(ア)基本給:職能等級制度に基づき、従業員の等級と行動評価等を勘案して各人別に決定

(イ)賞与:会社業績及び、従業員の等級と目標達成評価等を勘案して各人別に決定

※会社業績は、財務目標の達成率に応じて90%~115%(担当職)で変動

(ウ)手当:子ども手当(担当者に対して子ども1人につき支給)、住宅手当(社宅・寮及び会社施設に居住していない従業員に対し支給)等

業績連動賞与は全体報酬の3割程度です。

 

ウ. 給与水準の決定プロセス

外部調査等を参照し、業界水準を踏まえた競争力のある水準を維持するよう設定しています。年次の給与改定にあたっては、諮問機関である人事委員会で審議のうえ、決定しています。

 

エ. 平均給与増減率の実績

 

 

2023年度

2024年度

2025年度

平均年間給与(円)

9,800,598

9,936,913

9,952,943

対前年比増減率

+3.2%

+1.4%

+0.2%

 

当社は戦略的に人財への投資を拡充しており、2023年度以降、ベースアップ及び定期昇給の実施により、平均給与は増加基調で推移しています。2023~2025年度にかけて年間12,000~20,000円のベースアップ・定期昇給を実施したことが平均給与の上昇に寄与しました。賞与については、2023・2024年度において高い支給水準を確保したことから平均給与の増加に一定の寄与があり、2025年度は適正な水準を維持しつつも寄与度は前年度までと比較して縮小しています。なお、人員構成の変動は軽微であり、平均給与の増減に与える影響は限定的です。

 

(2) 【従業員の状況】

① 連結会社の状況

 

2026年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

燃料油

7,409

[3,982]

基礎化学品

676

[83]

高機能材

3,633

[566]

電力・再生可能エネルギー

298

[24]

資源

813

[45]

その他・調整

1,563

[439]

合計

14,392

[5,139]

(注)従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数は〔 〕内に外数で記載しています。

 

② 提出会社の状況

 

 

 

 

 

 

 

2026年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢

平均勤続年数

平均年間給与(円)

平均年間給与の

対前事業年度増減率

(%)

5,120

[1,120]

42歳

11ヶ月

17年

6ヶ月

9,952,943

0.2

 

セグメントの名称

従業員数(人)

燃料油

2,351

[374]

基礎化学品

407

[82]

高機能材

801

[212]

電力・再生可能エネルギー

116

[21]

資源

148

[28]

その他

1,297

[403]

合計

5,120

[1,120]

(注)1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数は〔 〕内に外数で記載しています。

2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでいます。

 

③ 労働組合の状況

当社では、労働組合は結成されていません。なお、当社グループでは、一部の連結子会社で労働組合が結成されていますが、労働組合の有無にかかわらず、労使関係は安定しており、特記すべき事項はありません。

 

④ 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の額の差異

ア. 提出会社

当事業年度

管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合(%)

(注)1、2

男性労働者の育児休業取得率(%)

(注)1、3

労働者の男女の賃金の額の差異(%)

(注)1、2、4

全労働者

正規雇用労働者

パート・有期労働者

6

98

75.9

75.2

62.1

(注)1.提出会社から他社への出向者は、提出会社に含んで集計しています。

2.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。

3.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合又は第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものです。

4.当社の賃金制度では、性別による処遇の差を設けていません。現在見られる男女間の賃金差異は、主として管理職における女性比率が相対的に低いことや、短時間勤務を選択する社員の割合が男性に比べて女性の方が高いことなどに起因するものと認識しています。なお、30歳の正社員に限定して男女の賃金を比較した場合、おおむね90%程度となっています。当社では、社員一人ひとりが持つ多様な能力を最大限に発揮できる環境の整備と、誰もが活躍できる職場風土の醸成に取り組んでいます。2030年までに女性管理職比率を10%とする目標のもと、女性管理職のリーダーシップ向上に向けた施策の推進や、育児・介護と仕事の両立を支援する制度の充実を図ることで、男女間の賃金格差の縮小に努めています。

 

イ. 連結子会社

当事業年度

名称

管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合(%)

(注)1、2

男性労働者の育児休業取得率(%)

(注)1、3

労働者の男女の賃金の額の差異(%)

(注)1、2、4

全労働者

正規雇用労働者

パート・有期労働者

出光リテール販売(株)

5

67

78.8

74.7

106.9

ソーラーフロンティア(株)

12

83

78.6

78.0

(注)5

昭和四日市石油(株)

0

69

69.2

71.2

84.3

東亜石油(株)

0

87

71.0

71.7

57.1

出光ユニテック(株)

3

66

84.5

85.5

64.3

出光NTG(株)

5

50

77.7

79.5

64.5

若松ガス(株)

10

100

84.7

81.2

(注)5

出光エナジーソリューションズ(株)

6

80

70.8

69.0

73.4

(株)エス・ディー・エス バイオテック

6

100

67.9

67.2

85.4

アポロリンク(株)

10

100

69.2

80.2

104.4

アグロ カネショウ(株)

15

33

76.2

81.7

30.3

富士石油(株)

2

84

76.0

79.4

54.7

(注)1.提出会社から他社への出向者は、提出会社に含んで集計しています。

2.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。

 

3.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合又は第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものです。

4.管理職比率等男女間に差異があることで、男女の賃金に差異が生じていますが、賃金制度・体系において性別による処遇差は一切なく、等級別の人数構成の差によるものです。

5.女性は在籍していません。

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

(1) ガバナンス

① サステナビリティ関連のリスク及び機会の監督に係るガバナンス

ア. 取締役会、経営委員会による監督体制

当社グループは、「真に働く」という企業理念のもと、2030年ビジョンとして「責任ある変革者」、2050年ビジョンとして「変革をカタチに」を掲げています。エネルギーの安全性、安定供給、経済効率性、環境適合といった社会課題に真摯に向き合い、「人々の暮らしを支える責任」と「未来の地球環境を守る責任」を果たすべく、2021年には取締役会の承認のもと「出光グループ サステナビリティ方針」を策定し、サステナビリティ戦略の推進を重要な経営課題の一つとして位置付けています。

 

 

サステナビリティ関連のリスク及び機会に係る主要案件の進捗状況などは、経営委員会において報告・審議し、特に重要性が高い案件については、随時、取締役会へ付議しています。取締役会は、重要案件を審議するとともに、当社グループの持続的成長、中長期的な企業価値向上の観点から、随時、サステナビリティ関連のリスク及び機会を審議し、経営戦略や事業戦略などへ反映しています。

また、中期経営計画の策定にあたっては、主要検討段階ごとに取締役会及び経営委員会などで審議し、サステナビリティ関連のリスク及び機会を識別・特定した上で、適宜、経営計画・目標及び事業戦略などへ反映しています。

 

イ. 経営陣の役割、スキル及びコンピテンシー、報酬方針

独立社外取締役で構成する指名・報酬諮問委員会が、取締役会からの諮問に応じて、各人に期待する役割・分野などを整理したスキル・キャリアマトリックスにつき審議・答申を行い、サステナビリティ関連の重要課題に係る専門的知識・経験が取締役会及び経営委員会において適切に確保されるよう、留意しています。

また、地政学リスクを踏まえた経済安全保障など、高度な専門性が求められる分野に係る課題については、アドバイザリーボードや役員トレーニングにおいて外部専門家を招聘することで、適宜補完しています。

当社の取締役(非常勤・社外取締役を除く)及び上席以上の執行役員の報酬制度における業績連動指標には、人的資本関連指標や従業員エンゲージメントなど、サステナビリティに関する指標を反映しています。なお、報酬制度の詳細については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (4) 役員の報酬等」をご参照下さい。

 

② 気候関連のリスク及び機会の監督に係るガバナンス

ア. 取締役会、経営委員会による監督体制

燃料油事業を主たる事業とする当社グループは、気候変動に係るリスク及び機会への対応を重要な経営課題の一つとして位置付けており、低/脱炭素に向けた社会実装を含め、中長期的な視点で様々な取り組みを推進しています。

気候関連のリスク及び機会に係る主要案件の進捗状況などは、上記①ア. と同様、経営委員会において報告・審議し、特に重要性が高い案件については、随時、取締役会へ付議しています。取締役会は、重要案件を審議するとともに、政治・経済・市場などの動向、技術開発状況、経営資源、課題対応上のトレードオフなどを総合的に勘案しつつ、随時、気候関連のリスク及び機会を審議し、経営戦略や事業戦略などへ反映しています。

 

イ. 経営陣の役割、スキル及びコンピテンシー、報酬方針

独立社外取締役で構成する指名・報酬諮問委員会が、取締役会からの諮問に応じて、各人に期待する役割・分野などを整理したスキル・キャリアマトリックスにつき審議・答申を行い、気候変動対策やエネルギー政策などに関する専門的知識・経験が取締役会及び経営委員会において適切に確保されるよう、留意しています。

特に、気候関連のリスク及び機会の監督については、取締役会の指名に基づき、代表取締役副社長 副社長執行役員(経営戦略、CNX戦略、人財戦略担当)が、CNX戦略本部長*として、全社横断の推進体制を統括し、関係役員・関係部室長と緊密に連携しながら、各種施策を主導しています。

* CNX戦略本部及び傘下のCNX戦略部は、カーボンニュートラル・トランスフォーメーション(CNX)に向けた全社戦略の立案・推進、GHG削減目標の設定、各事業部門における戦略推進状況のモニタリングなどを行っています。

CNX戦略本部長は、上記②ア. のとおり、主要案件の進捗状況などを、定期的に経営委員会へ報告するとともに、特に重要性が高い案件については、随時、取締役会へ付議し、審議を受けています。

当社の取締役(非常勤・社外取締役を除く)及び上席以上の執行役員の報酬制度における業績連動指標には、気候関連指標(CO削減等)を反映しています。なお、報酬制度の詳細については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (4) 役員の報酬等」をご参照下さい。

 

③ 内部統制を含む他の内部機能との統合状況

当社は、「統合的リスクマネジメント(ERM:Enterprise Risk Management)*」を通じて、気候関連を含むサステナビリティ関連のリスクを一元的に把握・管理しています。

* ERMは、全社視点でのリスクマネジメントと経営判断に資するリスク情報の提供を通じて、意思決定の質を高め、経営資源の有効活用を図る仕組みです。当社グループでは、インテリジェンス機能の強化を通じて不確実性への対応力を高めるとともに、プロアクティブなリスク管理を実施しています。具体的には、戦略の柔軟性を高めるシナリオ分析や適切な投資判断を支える市場・規制動向の把握、事業継続の基盤を固める地政学リスクの評価などを踏まえ、リスクの特定・評価及び対策の検討を行っています。更に、対策の実行状況をモニタリングし、適宜、リスク認識や対策の見直しを行うことで、リスク発現の予兆や成長機会を捉え、リスク影響の最小化と成長機会の最大化を図ることを目指しています。

また、ERMは、事業部門とコーポレート部門が連携して運用されており、マテリアリティ評価に基づくリスク及び機会の識別・評価・優先順位付けと、ERMによるモニタリングが一体的に機能することで、ガバナンスとの統合が図られています。

更に、内部監査室が、リスクマネジメント状況を独立した立場から監視し、内部統制機能の有効性について確認を行っています。

これらの体制により、気候関連を含むサステナビリティ関連のリスク管理は、ERMを介して内部統制機能と連動し、全社的に統合された形で運用されており、経営陣による適切なガバナンスを支える仕組みの高度化を進めています。

(2) 戦略

① サステナビリティ関連の戦略

当社グループは、中長期的な持続可能性及び企業価値向上の観点から、中期経営計画の策定サイクルに合わせて、経営上の重要課題(マテリアリティ)の見直しを行っています。

中期経営計画(2026~2030年度)においては、マクロ経済環境や社会課題の変化などを踏まえ、事業・環境・社会・ガバナンスの観点から整理した8項目をマテリアリティとして識別し、これらへの取り組みを進めています。

なお、マテリアリティの識別など及びモニタリングを行うためのプロセスについては、後述の(3) リスク管理 ①②をご参照下さい。

 

 

② 気候関連の戦略

ア. 気候関連のリスク及び機会の識別

当社グループは、マテリアリティ評価により識別された重要課題の中から特に大きな影響を及ぼす可能性がある気候関連のリスク及び機会について、下表のとおり識別しました。本表では、識別された気候関連のリスク及び機会の内容及び区分と、その影響が顕在化すると合理的に見込まれる時間軸及び対応策について説明しています。

 

 

※顕在時期に●印を記載

 

<発生時期の定義>

区分

期間

設定理由

短期

~2027年

当社グループの2030年ビジョン「責任ある変革者」に基づく中期経営計画(2026~2030年度)の初期段階

中期

~2030年

当社グループの2030年ビジョン「責任ある変革者」に基づく中期経営計画(2026~2030年度)の対象期間

長期

~2050年

当社グループの2050年ビジョン「変革をカタチに」に基づくカーボンニュートラル達成年

 

イ. ビジネス・モデル及びバリュー・チェーンに与える影響

当社グループは、各事業セグメントに係るバリュー・チェーンの広範囲にわたり、気候変動に起因するエネルギー市場動向や国内外の各法域における環境規制などの変化による外部影響を受ける可能性があると考えています。中期経営計画(2026~2030年度)の策定にあたり、気候関連のリスク及び機会が当社グループのビジネス・モデル及びバリュー・チェーンに与える影響の範囲及び大きさを分析・評価するため、気候関連のリスク及び機会が集中する箇所を特定し、以下のバリュー・チェーン図にマッピングしました。

 

 

(TR1:社会の低/脱炭素化に伴う国内化石燃料需要の減少)

当社グループは、原油を処理して石油製品を生産するまでの石油精製プロセスや全国の特約販売店及び約6,000か所のサービスステーション(SS)などにおける販売活動を含む一連の燃料油事業を行っており、当該事業は、現時点において当社グループ全体の収益基盤の大部分を占めています。

国内市場において、社会の低/脱炭素化という長期の構造的要因により、燃料油需要が減少し、長期にわたり燃料油事業の収益が減少する可能性があると認識しています。

 

(TR2:国内外における温室効果ガス排出規制の強化への対策コストの増加)

燃料油事業の製品製造拠点である国内外の製油所・事業所は、当社グループの事業拠点の中で特に大きなCO排出源となっています。将来の我が国において、排出量取引制度や化石燃料賦課金等によるCO排出規制が施行されることに伴い、当社の財務的負担が増加する可能性があると認識しています。

 

(TR3:化石燃料事業に対する金融機関の選好の変化による資金調達コストの増加)

当社グループは、化石燃料事業全般の継続に際し、資金調達において外部ステークホルダーの選好の変化による影響を受ける可能性があると認識しています。特に、石炭事業については、長期的には当該事業に関する市場の選好の変化に伴い、金融機関からの資金調達コストが上昇するリスクに晒される可能性があると認識しています。

 

(PR1:風水害による浸水が招く沿岸拠点の一時的な操業停止及び輸送網の停滞)

気象関連の事象による物理的リスクについては、当社グループの事業所・拠点が直面する安全・保安管理上の課題と捉え、その対応策を検討してきました。石油製品を製造・貯蔵・輸送するための事業所・拠点は、沿岸・港湾部に位置する場合が多く、風水害による浸水のリスクに晒されやすいと認識しています。

 

(PR2:慢性的な海面水位の上昇による沿岸拠点の浸水リスクの増大)

気候変動による海面上昇が当社グループの沿岸拠点に与える物理的リスクについて、現時点では海面水位の上昇幅及びその変化の速度を合理的に予測することが困難であると考えています。しかし、高潮などの急性事象と慢性的な海面上昇とが複合的に発生した場合、浸水リスクが増大する可能性があると認識しています。

 

(O1:低/脱炭素の製品・サービスの需要拡大)

当社グループは、2050年のカーボンニュートラル社会の実現に向けた移行の取り組みに挑戦する中で、経済・社会活動と脱炭素の試みとの現実的な調和の在り方を巡る国際情勢の急速な変化に直面していますが、当社グループの新たな収益機会に繋がり得るものと認識しています。特に、当社グループが有する製油所などの設備については、次世代燃料の製造・供給拠点となり、燃料油や基礎化学品などの事業セグメントにおける顧客への新たな収益を創出できる可能性があると認識しています。

 

(O2:資源循環型社会の進展)

当社グループは、地球環境と調和した資源循環型社会の実現に向かう国内外での法整備の広がりや再生プラスチック需要の高まりを受け、使用済みプラスチックの油化技術に基づくケミカルリサイクル事業の立ち上げに取り組んできました。既存の石油化学品の製造工程を活用しつつ、顧客から回収した使用済みプラスチックを原料として再利用する資源循環型のバリュー・チェーンを新たに構築できる可能性があると認識しています。

 

ウ. 戦略及び意思決定に与える影響

当社グループは、中期経営計画(2026~2030年度)において、既存事業の収益最大化と資本効率向上を実現するGRIT、新たな成長領域の創出を実現するGROWTH、カーボンニュートラル実現に伴う諸課題の解決及び低/脱炭素事業の実装への挑戦のCNXという3つのテーマに沿って各事業計画を策定しました。当該計画で定める又は当社グループがこれまで実施してきた以下の対応戦略を通じて、気候関連のリスク及び機会が当社グループの戦略及びビジネス・モデルにもたらす影響及び不確実性に柔軟に対応していきます。

 

(移行リスクへの対応戦略)

社会の低/脱炭素化に伴う国内化石燃料需要の減少(「気候関連のリスク及び機会の一覧」におけるTR1)については、中期経営計画(2026~2030年度)に基づき、製油所稼働の安定化を含む国内供給最適化、また国内のサービスステーション(SS)におけるモビリティ関連サービス及びデジタル顧客基盤「Drive On」の普及拡大などの取り組みを図ります。これにより、国内燃料油事業としては、短期及び中期において一定水準の収益性を維持すると見込んでいます。それに加え、海外市場において、成長市場を狙ったトレーディングを強化することで、燃料油収益基盤全体の成長に繋げることが可能であると認識しています。

国内外における温室効果ガス排出規制の強化への対策コストの増加(同、TR2)については、当社グループのCO排出削減の取り組みに加え、複数部門が参画するタスクフォースを設置し、排出量取引制度の適用に伴う影響の評価及び対応策の検討を行っています。具体的には、当該制度の運用方針などを巡る今後の政策動向に関する情報収集、CO排出実績及び目標の管理、カーボンクレジット調達戦略の企画及び推進、財務的影響の予測などを進めています。本検討を通じて策定された対応策を実行することで、制度適用後の財務的影響を低減し、気候関連の法規制に対応していきます。

化石燃料事業に対する金融機関の選好の変化による資金調達コストの増加(同、TR3)については、現時点において、影響は限定的であると認識しています。長期において、市場の選好及び各法域における規制が変化し、金融機関からの融資条件が厳格化した場合には、資金調達コストが上昇するリスクに晒される可能性があると認識しています。当社グループは、投資家・金融機関などの様々なステークホルダーとの対話を通じ、当社グループ及びサプライ・チェーン全体のCO排出削減の取り組みについての理解浸透を図ります。

 

(物理的リスクへの対応戦略)

風水害などによる浸水が招く沿岸拠点の操業停止及び輸送網の停滞について、エネルギーの安定供給を最優先課題の一つに掲げる当社グループでは、従来から対応策を検討・実行してきました。具体的には、社外有識者、社内委員及び担当ワーキング・グループで構成される安全保安諮問委員会において、石油製品製造設備、油槽所などにおける風水害リスクを調査・評価し、浸水による操業停止など、経営に甚大な影響を及ぼす高いリスクを保有する拠点においては、合理的で有効なリスク低減策を検討し、浸水防止工事などの対策を進めています。異常気象による陸上・海上輸送の遅延・停滞が発生した場合には、出荷先のお客様や物流パートナーである運輸関連企業などの様々なステークホルダーとの緊密な連携を通じて、エネルギーの安定供給に最大限取り組んでいきます。

 

(機会への対応戦略)

当社グループは、気候関連の新たな収益機会への対応として、低/脱炭素ソリューションの事業実装と資源循環型ビジネスの確立に向けた取り組みを推進しています。具体的には、当社グループが有する製油所などの既存資産を有効活用することにより、低炭素ソリューションと位置付けるバイオ燃料(SAF・バイオ軽油/重油)・出光グリーンエナジーペレット・バイオ化学品・水素・アンモニア・合成燃料などのサプライ・チェーン構築に向けた検討を進めます。また、カーボンニュートラル移行に資する化石代替燃料として天然ガス・LNGの需要が高まる可能性を踏まえ、LNG事業会社であるMidOcean Energy社との戦略的パートナーシップを締結しました。今後は該社との協力体制を強化することにより、当社グループはLNG事業への本格参入に向けた取り組みを推進していきます。更に、電化・電動化に向かう経済・社会において、当社が事業化に向けた取り組みを推進しているリチウム固体電解質については、低炭素ソリューションである全個体電池の材料として需要の拡大を想定しており、事業化に向け、協業パートナーとの様々な検討を進めています。

 

(サプライ・チェーンでの取り組み)

当社グループは、Scope1+2排出量を削減しつつ、顧客及びサプライ・チェーンとの協働によるScope3排出量の削減の取り組みも進めています。具体的には、以下の低/脱炭素施策を実行しています。なお、サプライ・チェーン全体における環境への貢献(CO排出削減)と社会への貢献(社会が必要とする低/脱炭素エネルギー供給)の両立の観点から、“Carbon Intensityという指標を設定しています。

 

<GHG排出削減の取り組み事例>

削減対象

取り組み事例

Scope1+2削減

・千葉地区エチレン装置集約による生産最適化

・2026~2029年に次世代環境対応VLCC 6隻を建造・用船(メタノール二元焚き、LNG二元焚き、アンモニアReady船)

・アスファルト工場や潤滑油工場での燃料転換

・苫小牧エリアでの「先進的CCS」事業開始を目指す設計作業など受託

・潤滑油工場屋根にソーラーパネルを設置(インド、アメリカ、タイ、インドネシア)

・次世代営農型太陽光発電の実証事業

・ボガブライ石炭鉱山に豪州最大容量のバナジウムフロー蓄電池を導入予定

Scope3削減/削減貢献量

・出光カーボンオフセットfuel「ICOF(アイコフ)」提供開始

・次世代バイオ燃料「出光リニューアブルディーゼル(IRD)」提供開始

・持続可能な航空燃料(SAF)の製造設備設計及び供給体制構築

・使用済みプラスチックの再資源化に向けた油化ケミカルリサイクル設備完工

・次世代電池(全固体電池)向け固体電解質の開発

・無リン無灰ディーゼルエンジンオイル「Idemitsu Ash Free」、省エネルギー型油圧作動油「ダフニースーパーハイドロST」の販売

・家畜由来のメタン発生を抑制する畜産飼料ルミナップ®の販売

・系統用蓄電池を設置した「姫路蓄電所」運転開始

・石炭ボイラーのカーボンニュートラル移行を後押しする新ソリューション「idemitsu-R40」を提供開始

・石炭代替バイオ燃料「出光グリーンエナジーペレット」商業運転開始

 

 

(気候関連の移行計画)

当社グループが中期経営計画(2026~2030年度)で掲げる低/脱炭素ソリューションの主な取り組みは、以下のとおりであり、需要動向や経済性などを総合的に勘案しつつ、機会創出に向けた事業開発を鋭意進めています。

 

<2030年度に向けた低/脱炭素ソリューション展開>

ソリューション

2030年度に向けた主な取り組み

再生可能エネルギー

・地熱エネルギーの開発および価値最大化

・多様な再エネ電源の確保と非化石価値を活用した脱炭素提案の推進

バイオ燃料・化学品

・SAFの供給体制強化(原料多様化、国内製造、海外調達)

・バイオ軽油・重油(出光リニューアブルディーゼル・出光バイオディーゼル5等)の拡販

・ブラックペレット(出光グリーンエナジーペレット)の拡販

・バイオ化学品の供給網構築

・バイオエタノール直接混合ガソリン導入対応

水素・アンモニア

・供給体制構築(国内グリーン水素製造、海外調達、国内アンモニア供給拠点整備)

合成燃料

・段階的な社会実装(需要創出、国内製造、海外調達)

オフセット製品

・オフセット燃料(出光カーボンオフセットfuel)の供給拡大

ネガティブエミッション

・CCSの社会実装(苫小牧)

・AWD、森林吸収などによるカーボンクレジットの創出

AWD:Alternate Wetting and Dryingの略、間断かんがいによるGHG(メタン)削減の取り組み

 

(気候関連のリスク及び機会に対応するための戦略を踏まえた財務的影響)

当社グループは、「②ウ. 戦略及び意思決定に与える影響」で記載した気候関連のリスク及び機会への対応を行うことにより、主として収益の増減、気候関連の規制対応などに伴う費用の発生、並びに事業の維持・創出に必要となる投資の増加などの財務的影響が発生する可能性があると認識しています。かかる影響については、当社グループの中期経営計画(2026~2030年度)における投資計画及び資金計画として織り込んでいます。

 

エ. 気候レジリエンスの評価

気候変動により生じるリスク及び機会が当社グループの戦略及びビジネス・モデルにもたらす影響及び不確実性を考慮するため、気候関連のシナリオ分析とそれに基づくレジリエンス評価に取り組んでいます。

 

(気候関連のシナリオ分析の概要)

シナリオ分析の実施にあたり、日本及びアジア太平洋地域のエネルギー需要、石油・天然ガス・再生可能電源を含む電力需要・供給予測、経済社会インフラの電化・電動化の進展予測、バイオ燃料・CCUSなどの低/脱炭素技術の確立速度及び需要予測といったインプット及びパラメータを考慮しました。また、国際エネルギー機関(IEA:International Energy Agency)のWorld Energy Outlook 2024(以下、「WEO2024」という。)及びWorld Energy Outlook 2025(以下、「WEO2025」という。)並びに気候変動に関する政府間パネル(IPCC:Intergovernmental Panel on Climate Change)の第5次評価報告書(AR5)及び第6次評価報告書(AR6)等における複数シナリオ、並びに資源エネルギー庁の石油製品需要想定検討会の公表データなどを参照しています。

中期経営計画(2026~2030年度)において、幅広い不確実性に対応するため、当社グループは以下の2つの気候シナリオを考慮しました。なお、2050年までの日本及びアジア太平洋地域におけるエネルギー関連領域を対象としています。

・碧天+

各国が気候変動問題への取り組みを強力に推進することで、経済・社会の低/脱炭素化が急速に進展する未来。IEAのWEO2024及びWEO2025におけるNZE(Net Zero Emissions by 2050)に類似。最新の国際的合意であるパリ協定の1.5℃目標及びCOP30「グローバル・ムチラオ決定(1.5℃目標達成に向けた緩和の取り組みの呼びかけ)」と整合的なケース。

・むら雲

各国がエネルギー安全保障を重視し、現行政策を維持することで、堅調な経済成長が続く一方で、気候変動問題への対処が停滞する未来。IEAのWEO2024におけるSTEPS(Stated Policies Scenario)、WEO2025におけるCPS(Current Policies Scenario)及びSTEPSに類似。

 

 

(気候シナリオにおける不確実性の領域)

なお、これらの気候関連のシナリオを選択するにあたり考慮した各法域における温室効果ガス排出規制の状況、低/脱炭素製品及びサービスに対する経済・社会の選好の変化、地政学的情勢に起因する資源・エネルギー市場の動向、及び技術進展など、各仮定条件には大きな不確実性が存在しています。

 

(戦略のレジリエンス)

今回識別した気候関連の移行リスク及び物理的リスクに対する当社グループの戦略及びビジネス・モデルの脆弱性を検証するため、中期経営計画(2026~2030年度)の策定を通じ、シナリオを用いて当社事業に与える影響を評価しています。当該計画に基づき戦略を実行することにより、気候関連のリスク及び機会に対するレジリエンスの向上に取り組みます。

 

(3) リスク管理

① サステナビリティ関連のリスクの識別等及びモニタリングを行うためのプロセス並びに関連する方針

当社では、サステナビリティに係る専任組織として、経営企画部内にサステナビリティ戦略室を設置しており、当社グループの事業セグメント及びバリュー・チェーン全体を対象に、定期的に、サステナビリティ関連のリスクと機会を洗い出し、マテリアリティ評価を実施しています。

マテリアリティ評価は「ダブルマテリアリティ*」の観点で実施し、各リスクにつき、シナリオ分析による将来の事業環境想定なども勘案の上、(a) 財務影響/インパクト、(b) 発生可能性、(c) 短・中・長期の時間軸の3要素に基づき、重要課題の抽出を行っています。

* 環境・社会課題などが企業に与える財務影響(財務マテリアリティ)と、企業活動が環境・社会課題などに与える影響(インパクトマテリアリティ)の双方から重要性を検討する考え方です。

中期経営計画の策定にあたっては、取締役会及び経営委員会において、経営計画及び事業戦略の一環として討議を行い、サステナビリティ関連の指標及び目標を設定しています。

また、年1回、当該指標及び目標の進捗状況などについて、取締役会及び経営委員会へ報告しています。

 

② サステナビリティ関連の機会の識別等及びモニタリングを行うためのプロセス並びに関連する方針

上記①のリスクと同様のプロセスで、重要課題の抽出を行い、適宜、経営計画や事業戦略などへ反映しています。

 

③ 上記プロセスと全体的なリスク管理プロセスとの関連性等

当社では、事業部門及びコーポレート部門が相互に連携し、統合的リスクマネジメント(ERM)に基づき、事業リスクにサステナビリティ関連のリスクを包含する形で、一元的に把握及び管理を行っています。

すなわち、上記①②に記載のとおり、サステナビリティ関連のリスク及び機会の識別、評価並びに優先順位付けについては、マテリアリティ評価を通じて実施している一方、個々のリスクに係る継続的なモニタリング及び管理については、ERMを通じて実施しており、この点において両プロセスは相互に接続された形で運用されています。

また、ERMの運用にあたっては、各事業リスクについて、想定されるリスク要因やリスクシナリオ、リスク評価、管理方針及びモニタリング手法などを体系的に整理した「リスクレポート」を作成し、原則として年1回、その内容をアップデートしています。サステナビリティ関連のリスクについては、各リスクに関連する事業部門及びコーポレート部門が「リスクレポート」を作成しており、総務部リスクマネジメント課が事務局として全体の取りまとめを行い、リスク・コンプライアンス委員会及びリスク経営委員会へ報告することで、全社的な一元管理を図っています。

なお、ERMの具体的な運用状況については、後述の3「事業等のリスク」をご参照下さい。

 

④ 気候関連のリスク及び機会の識別等及びモニタリングを行うためのプロセス並びに関連する方針

取締役会の指名に基づき、代表取締役副社長 副社長執行役員(経営戦略、CNX戦略、人財戦略担当)が、CNX 戦略本部長として、全社横断の推進体制を統括し、関係役員及び関係部室長と緊密に連携しながら、各種施策を主導しています。

また、CNX戦略本部長の下、CNX戦略本部を設置し、同本部及び傘下のCNX戦略部が、事業部門及びコーポレート部門、関係会社と連携しながら、主要案件の推進を行っています。

重要案件については、随時、進捗状況などを経営委員会へ報告するとともに、資本支出を伴う重要案件については、決裁権限規程に基づき、経営委員会又は取締役会において審議・決裁しています。

更に、気候関連のリスク及び機会の識別、評価及び優先順位付け並びにそのモニタリング及び管理にあたっては、中長期の事業環境を想定したうえで、低/脱炭素化に向けた様々なシナリオ・顧客ニーズを踏まえた事業開発を推進しています。

 

(4) 指標及び目標

① GHG削減目標

カーボンニュートラル社会の実現に向けては、事業遂行に伴う自社の直接・間接排出量(Scope1+2)の削減と、新たな製品・サービスの提供を通じた他者排出量削減への貢献(Scope3削減、削減貢献量創出)の両面からの取り組みが必要と考えています。

中期経営計画(2026~2030年度)においては、国際的な脱炭素の取り組みの進展速度に不確実性が存在しているとの認識から、目標を一部見直しました。

今後も、引き続き経済的・技術的課題へ向き合い、事業環境の変動に柔軟かつ機動的に対応しながら、2050年カーボンニュートラル実現と企業成長の両立を目指していきます。

 

 

② GHG排出量・削減実績(2025年度)

CO₂排出量(Scope1+2) 12,824 千t-CO₂(▲19.2% 2013年比)

Carbon Intensity     ▲0.5%(2020年比)

 

(5) 人的資本の多様性に関する戦略並びに指標及び目標

① 人的資本経営の基本方針

当社は、創業以来「資本は人なり」「人が中心の経営」という考え方を何よりも大切にしてきました。1945年、日本は敗戦により多くの企業が事業を失い、借金を抱え、社員の解雇を余儀なくされていました。当社も例外ではなく、海外から引き揚げてくる800名の社員の雇用の維持が極めて困難になっていました。しかし当社の創業者であり当時の社長である出光佐三は「事業は失われ、借金は残っている。しかし、出光興産には海外に800名の人財がいるではないか。これが唯一の資本であり、これが今後の事業をつくる。人間尊重の出光興産は、終戦の混乱に慌てて馘首してはならない。」と述べ、社員を解雇せずに守ることを宣言しました。その後、社員は一層結束力を高め当社の再建の原動力となりました。「社員がしっかり成長していれば、どんな困難にも立ち向かえる」という創業者の思いは「いかなる場合も会社都合で人員整理を行わない」「世の中の役に立ち、尊重される人の育成こそが企業目的であり、事業はそのための手段である」という基本方針として今日まで受け継がれています。

 

② 当社グループが直面している経営戦略上の課題

2030年度財務目標の達成及び持続的成長の実現に向けて、「変革」を強力に推進する人財戦略を展開していきます。新たな人財戦略では、「現場力強化」「共創促進」「新価値創出力向上」といった活動の変化を生み出すため、「全ての社員を変革の主役に」「もっと共創&イノベーションを(DE&Iの更なる深化)」の二つのテーマで取り組みを進めます。

本人財戦略の詳細は、「第4 提出会社の状況 5 従業員の状況等 (1) 人材戦略に関する基本方針等」をご参照下さい。