2025年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    102名(単体) 8,076名(連結)
  • 平均年齢
    42.8歳(単体)
  • 平均勤続年数
    14.2年(単体)
  • 平均年収
    11,055,000円(単体)

従業員の状況

 

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

2025年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

建築事業

1,902

[278]

土木事業

1,218

[214]

舗装事業

2,763

[30]

機械事業

663

[-]

インフラ運営事業

502

[35]

その他

913

[334]

全社(共通)

115

[1]

合計

8,076

[892]

 

(注) 1.従業員数は就業人員であり、臨時従業員数は[ ]内に年間の平均人員を外数で記載しています。

2.全社(共通)は、特定のセグメントに区分できない管理部門に所属している従業員です。

 

(2) 提出会社の状況

2025年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

102

[1]

42.8

14.2

11,055

 

(注) 1.従業員数は就業人員数であり、子会社からの出向者を含めています。

2.臨時従業員数は[ ]内に年間平均雇用人員を外数で記載しています。なお、臨時従業員には、パートタイマー及び嘱託契約の従業員を含み、派遣社員を除いています。

3.平均勤続年数については、子会社からの出向者の通算の勤続年数を含めています。

4.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでいます。

5.当社の従業員は、ほぼ全て「全社(共通)」に属しています。


(参考)主要な連結子会社の状況 

名称

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

前田建設工業(株)

3,361

43.7

17.3

10,231

前田道路(株)

2,454

43.0

17.3

9,356

(株)前田製作所

550

42.4

18.0

7,406

日本風力開発(株)

144

46.2

6.3

11,379

 

 

(3) 労働組合の状況

    当社グループでは、前田道路(株)、(株)前田製作所及びフジミ工研(株)が労働組合を結成しています。

  なお、各社とも労使関係は円滑に推移しており、特記すべき事項はありません。

 

(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

 ① 提出会社

当事業年度

管理職に占める

女性労働者の割合

(%)

(注1)

男性労働者の

育児休業取得率

(%)

(注2)

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注1、注3)

全労働者

正規雇用

労働者

臨時雇用者

10.5

0.0

63.0

64.8

 

 

 

(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出し

     たものです。

 2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76

     号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施

     行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したも

     のです。

 3.「労働者の男女の差異」について、賃金制度・体系において性別による差異はありません。男女の賃

   金の差異は、主に男女間の管理職比率の差異によるものです。

 

② 連結子会社

当事業年度

名称

管理職に占める

女性労働者の

割合(%)

(注1)

男性労働者の

育児休業取得

(%)

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注1、注4)

全労働者

正規雇用

労働者

臨時雇用者

前田建設工業(株)

0.8

81.3

(注)3

49.7

59.0

46.0

前田道路(株)

0.8

28.6

(注)3

50.4

50.4

(株)前田製作所

4.9

46.7

(注)2

82.5

81.4

61.7

日本風力開発(株)

13.6

100.0

(注)2

54.1

56.6

フジミ工研(株)

0.0

0.0

(注)2

69.8

69.8

(株)JM

30.4

20.0

(注)2

69.5

73.9

84.8

(株)エフビーエス

4.0

0.0

(注)3

76.6

73.9

86.1

イオスエンジニアリング&サービス(株)

0.0

50.0

(注)2

72.5

67.5

(株)アコス

0.0

0.0

(注)3

66.8

106.6

64.1

 

(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。

3.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものです。

4.「労働者の男女の賃金の差異」について、賃金制度・体系において性別による差異はありません。男女の賃金の差異は主に男女間の管理職比率及び雇用形態の差異並びに特定の職種において勤務時間が短いパートタイムの女性労働者が多いことによるものです。

5.連結子会社のうち、常時雇用する労働者が101名以上の子会社を記載しています。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりです。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

当社は、「どこまでも、インフラサービスの自由が広がる世界。」をビジョン(目指す未来)に掲げ、「インフラストラクチャー・ビジネスの既成概念に挑み、イノベーティブなアイデアで世界中に最適なサービスを提供する。」をミッション(使命)と定め、「社会・地域の安全安心とサステナビリティ」をバリュー(約束する価値)とし、企業活動を通じて、環境・社会課題の解決にとどまらず、社会そして地球の持続可能な発展に貢献する「総合インフラサービス企業」を目指しています。

当社の考えるサステナビリティは、「インフラサービスを取り巻く社会課題の解決に取り組み、自社の成長と企業価値向上に努め、良質なインフラサービスの提供とその社会的価値向上を図り、社会に貢献する企業」を目指す事業活動そのものであると考えています。社会には多数の課題が存在しており、環境課題や社会課題は個別の課題ではなく総合的に考えるべき課題であり、当社グループ全体の事業の中で解決しなければなりません。また、これらの課題解決を確実に推進するために、高度なガバナンス体制を採用し適正なリスクマネジメントを行っています。

 

(1)ガバナンス

当社は、代表執行役社長を議長とし、全執行役及び事業会社担当役員を委員とするサステナビリティ委員会を設置しています。当委員会は、企業価値に影響を与える中長期リスク・機会、社会課題に対し、企業の持続的発展を図るための検討を実施し、当社グループの経営計画に反映することを目的としています。

定期的に当委員会を開催し、サステナビリティ関連の方針、目標の制定・見直しや気候変動シナリオの選定及び移行計画(設備・開発投資)の立案、これらの施策を補完するためのステークホルダーエンゲージメントを行い、当社グループ全体のサステナビリティを推進しています。また、当委員会における検討内容は、定期的に取締役会に報告し、取締役会の監督が適切に行われるよう体制を整えています。

当連結会計年度においては、2024年5月、8月、11月、2025年3月の計4回開催し、主な審議事項は以下のとおりです。

 

開催日

主な審議事項

2024年5月10日

・インフロニアグループ サステナビリティステートメント策定について

・2023年度「地球への配当」実績報告について

2024年8月8日

・インフロニアグループ 人権方針改定について

・TCFD提言に基づく開示内容の更新について

2024年11月11日

・2024年度「地球への配当」上半期実績報告について

2025年3月10日

・RE100目標の更新について

・インターナルカーボンプライシングの導入について

 

 


 

 

(2)戦略

当社の考えるサステナビリティは上記のとおり、当社の事業活動そのものです。

サステナビリティに関する課題及びマテリアリティの特定にあたっては、少子高齢化や財源不足、担い手不足などわが国のインフラが抱える課題や当社グループを取り巻くステークホルダー、バリューチェーンなどの分析を行いました。

課題の抽出・統合・絞込みを行い、マテリアリティとして「安全安心とより快適な社会の創造」、「攻めの環境配慮社会の実現」、「バリューチェーンの強化」、「守りの環境配慮社会の実現」、「価値創造人材と相互尊重」、「ガバナンスの強化」を特定しています。これらのマテリアリティの解決を通じて、事業を通じた社会課題解決及び事業基盤の強化に取り組み、社会の持続的な発展と当社グループの持続的な成長の両立を目指します。

これら6つのマテリアリティは、中長期経営計画の戦略三本柱「インフロニアのビジネスモデルに基づく収益基盤の確立」、「付加価値の最大化」、「体質強化・改善」とも連動しており、それぞれに2030年の中長期目標(達成ビジョン)及びKPIを定め、実現に向けた施策を実行・推進しています。なお、中長期目標、KPI、実績の詳細につきましては、「(4)指標と目標」に記載のとおりです。

参照URL: https://www.infroneer.com/jp/sustainability/materiality.html

 

(3)リスク管理

マテリアリティ特定プロセスにおいて、事業会社(セグメント)別のサステナビリティに関するテーマについて、抽出・統合・絞込みを行い、29項目の重要テーマに分類し、グループ全体及び事業会社へ及ぼすリスク・機会を検討し重要性を評価しています。特に重要なテーマについては、各マテリアリティに対応するサブ課題として整理しています。

これらサステナビリティに関するリスク・機会に関して、サステナビリティ委員会及びリスク管理委員会において具体的な検討を行い、リスクの低減及び機会の獲得・創出に努めています。

参照URL: https://www.infroneer.com/jp/sustainability/materiality.html

 

(マテリアリティ特定プロセス)


 

 

(4)指標と目標

6つのマテリアリティに対して、サブ課題、2030年の中長期目標(達成ビジョン)、KPIを定め、目標達成に向けて進捗管理を行っています。上記ガバナンスにおいて各指標の進捗状況をモニタリングし、今後の取り組みに反映しています。

マテリアリティ、サブ課題、中長期目標、KPI、2023年度実績は以下のとおりです。

 

マテリア

リティ

サブ課題

2030中長期目標

(達成ビジョン)

KPI

(2030年度目標)

2023年度実績

安全安心とより快適な社会の創造

・インフラ運営事業の拡大(コンセッション事業を通じた社会課題解決への貢献)

 

・建設物(建物・橋・トンネル・道路・ダム等)商品の安全性と品質の確保

 

・建設物(建物・橋・トンネル・道路・ダム等)の機能性、快適性向上に貢献する商品・工法の開発・販売・施工の推進

 

・防災・減災の推進

・ポートフォリオの充実と収益性拡大

 

 

・顧客からの高評価獲得(品質、安全 、機能性、快適性と付加価値提案)

・請負と脱請負の営業利益比50:50

 

 

 

 

 

 

・建築:顧客満足度調査 80/100点以上

 

・土木:工事成績評点 80/100点以上

 

・舗装:顧客満足度調査 80/100点以上

 

 

・機械:顧客満足度調査 5段階評価中、4以上

 

102:▲2

※2023年度は戦略的にインフラ売却を先送りしたため、脱請負の営業利益が低くなっています。

 

 

87点

 

 

81.2点

 

 

工事部門:89.14点

製造部門:85.2点

 

 

3.9

攻めの環境配慮型社会の実現

・再生可能エネルギーによる発電及び発電施設の建設・運営

 

・環境負荷低減を実現する工法、設備・商品の設計・施工・製造の推進(ZEB、木造建築等)

・再生可能エネルギー関連事業の拡大

 

 

・カーボンニュートラルの実現に寄与する設計施工施設への取り組み強化

・開発した累積総発電量:100万MWh/年

 (1,000GWh/年)

 

・設計施工比率(建築) 70%(3年平均)

 

・木造・木質化建築における炭素固定量

   2,000t-CO2/年

 

・設計施工非住宅案件のZEB採用率 40%

 

54.6万MWh/年

(546GWh/年)

 

 

63.29%(3年平均)

 

 

 

496t-CO2/年

 

 

29%

バリューチェーンの強化

・地域コミュニティへの公益向上/地域での優先調達

 

・協力会社との連携強化/供給能力強化と生産性向上(担い手確保・教育)

 

・建設現場の省力化、効率化に貢献する工法、技術、商品の設計・施工/開発・製造の推進

・地方拠点社員の地元採用率、地域内発注の拡大

 

・協力会社の供給能力向上と担い手育成

 

・建設現場の省力化、効率化、適正化

 

・シェアード化による業務効率最大化と販管費最小化による経営資源の適正配分

 

・建設現場の省力化、効率化に貢献する認定技術/商品の開発を加速する

・地域人材の積極的雇用

 

 

 

 

・建設キャリアアップシステム現場登録率:2023年度100%

 

 

・一人当たり完工高

 1.37億円/人(土木)

 1.53億円/人(建築)

 

 

・ROIC 策定中

 

・認定技術基準の早期作成 策定中

前田建設が運営するコンセッション事業でのSPC社員に占める現地採用の割合 56.4%

 

事業者登録率:75%

技能者登録率:75%

現場登録率:100%

 

 

 

1.07億円/人(土木)

1.25億円/人(建築)

 

 

4.0%

 

 

 

マテリア

リティ

サブ課題

2030中長期目標

(達成ビジョン)

KPI

(2030年度目標)

2023年度実績

守りの環境配慮型社会の実現

・バリューチェーン全体の温室効果ガス排出の削減

 

・化石資源由来原材料の削減

 

・再生材の利用率向上と廃棄物ゼロに向けた取り組み

 

・生物多様性の保全

・バリューチェーン全体の温室効果ガス排出量削減を実現する

 

・全社の非化石証書の導入

 

・プラントからの温室効果ガス排出量削減を実現する

 

・工場における廃棄物大幅削減を実現する

 

・新設工事における再生材利用率向上

 

・生物多様性保全に向けたマネジメント制度を確立

 

・生物多様性保全技術を幅広く展開する

 

・森づくりの活動の継続と発展

・スコープ1・2

 2030年度40%削減

 (2018年度比)

 2050年度排出実質ゼロ

 

・スコープ2

 再生可能エネルギー

 (電力)利用率

 2030年度RE60

 2050年度RE100

 

・スコープ3

 2030年度までに40%削減(2018年度比)

 

・新設工事における廃棄物排出量 

前年度比改善/総量ベース

 

 

 

 

 

 

・新設工事における再生材利用率

前年度比改善/総量ベース

 

 

 

 

 

・生物多様性と生態系サービスの維持に資する「地球への配当」の金額

 前年度比増

 

▲29%

 

 

 

 

62%

 

 

 

 

 

▲47%

 

 

 

 

合計数値:83万t

前田建設:51万t

(前年度比▲16万t)

前田道路:31万t

(前年度比▲2万t)

前田製作所:0.07万t

(前年度比+0.03万t)

 

 

 

アスファルト:78%

(前年度比+2%)

コンクリート:32%

(前年度比+10%)

スチール:58%

(前年度比+10%)

 

 

 

 

8百万円

(前年度比+3百万円)

 

 

 

マテリア

リティ

サブ課題

2030中長期目標

(達成ビジョン)

KPI

(2030年度目標)

2023年度実績

価値創造人材と相互尊重

・グループ人材戦略の推進教育(研修の充実と推進)

 

・労働者の就労環境・条件の改善/安全衛生の推進

 

・人材の多様性の受入れと活躍の場の拡大/人権への理解向上と侵害防止

 

・不法就労/強制労働の防止(外国人労働者への対応)

・それぞれの社員にとって必要な研修の完全受講を実現する

 

・出産・育児等の休職・休暇取得率向上の実現

 

・適切な総労働時間の実現

 

・労働者の心身の健康を維持継続

 

・働き甲斐のある職場の実現

 

・障がい者、女性社員、女性技能社員の雇用率を向上

 

・全社員が人権尊重に対する認識を高め適切な判断と行動ができるようになる

 

・施工現場で働く外国人の全てが正当な就労条件の下で働いていることの維持継続

・多様な人材が活躍できる企業風土・制度の構築による社員エンゲージメントの向上

 強みの強化と伸びしろ(弱み)の改善(フィードバック・施策の実施)

 女性社員雇用率の向上 前年度比増

 

・重大災害ゼロ度数率の低減

 度数率を2030年度まで継続して0.6以下(前田建設)

 

・個の力向上に向けた人材育成の実施

 人事部主催の研修への参加率 100%

 

 

 

 

 

 

 

16%

(前年度比▲1.3%)

 

 

 

 

度数率:0.5

強度率:0.02

 

 

 

 

94.6%

 

ガバナンスの強化

 

・実効性あるガバナンス体制の構築

 

・コンプライアンスの遵守と不当競争・腐敗の防止

 

・情報セキュリティ

 

・顧客プライバシー

 

・リスク管理の強化

 

・社外取締役を過半数とする取締役会の実現

 

・指名委員会・報酬委員会・監査委員会の運営

 

・サステナビリティ委員会を中心としたESG施策の推進

 

・ステークホルダーから信頼されるガバナンス体制であること

 

・重大な法令違反件数をゼロとする

 

・重大な情報セキュリティ事故を起こさない

 

・顧客プライバシーの漏洩事故を起こさない

 

・リスク管理体制の適切な運用の維持

・社外取締役比率:50%

 

 

・取締役会議長及び指名・報酬・監査委員長への独立社外取締役起用

 

・社長をリーダーとするサステナビリティ委員会の下PDCAの実施

 

社外取締役比率:55.5%(5名/9名)(注)

 

取締役議長及び指名・報酬・監査委員長は独立社外取締役を起用

 

サステナビリティ委員会

開催回数:4回

 

 

(注)2025年6月23日(有価証券報告書提出日)現在においても、社外取締役比率に変更はありません。なお、当社は2025年6月24日に開催予定の定時株主総会の議案として「取締役7名選任の件」を提案しており、これが承認可決された場合、取締役7名のうち6名が社外取締役(社外取締役比率:86%)となる見込みです。

 

 

<気候変動への対応>

 気候変動に関する方針・考え方

気候変動は当社グループの重要経営課題のつであり、官民連携によるインフラの維持管理・修繕・更新や新規建設において、カーボンニュートラルの取り組みが加わった市場がより急速に拡大すると認識しています。当社グループは2050年までにスコープ1、2、3の温室効果ガス(以下、GHG)排出量を「実質ゼロ」とする目標を掲げ、気候変動への取り組みを強化すると共に、エネルギー使用の削減と効率化への取り組みを進めています。また、2030年GHG削減目標を「1.5℃水準」に更新し、2024年11月にSBTイニシアチブより認定を受けました。

 

(1)ガバナンス

当社グループは、気候変動を重要経営課題の一つと認識しています。気候変動に関わる基本方針や重要事項について定期的にサステナビリティ委員会にて検討を行うとともに、取締役会の監督が適切に行われるよう体制を整えています。

 

(2)指標及び目標

当社グループは「2050年カーボンニュートラル」に向け、2030年にGHG排出量の削減目標を2018年度比40%削減としていましたが、取り組みを加速させるため新たな目標を掲げました。2021年度を基準年とし、2030年にスコープ1+2を45.8%削減、スコープ3を25%削減としています。この新たな目標は、2024年11月にSBTイニシアチブより認証を受けています。

 


 

 

(3)実績

  2023年度は、ecole(エコール)※1導入推進や再生可能エネルギー積極活用(非化石証書含む)等の取り組みにより、約274万t-CO2※2(前年度より約28万t-CO2減少)となりました。また、目標に対しては、2018年度比でスコープ1+2は29.0%削減、スコープ3(カテゴリー1+11)は42.8%削減となりました。

また、エンボディドカーボン※3を評価する体制を強化し、バリューチェーン全体の排出量削減を進めます。インフラ運営事業でも、サプライヤーやバリューチェーンのステークホルダー間でGHG排出量削減の実効性を高めるための情報交換と共有の仕組みをつくり、環境負荷削減のワンストップサービス構築を目指します。

 

   ※1 機械式フォームド技術を利用した低炭素(中温化)アスファルト混合物。

   ※2 スコープ1、スコープ2、スコープ3(カテゴリー1+11)の合計値

   ※3 建物の建設・改修・修繕・廃棄・リサイクル等、運用以外で排出されるCO2の総量。

 

  さらに、報告内容に対する信頼性の確保のための取り組みとして、GHG排出量(スコープ1、スコープ2、及びスコープ3カテゴリー1、11)について、(株)サステナビリティ会計事務所による第三者検証を実施しています。今後も第三者検証を有効に活用し、継続的に精度向上に取り組んでいきます。

 


 

(4)リスク管理・戦略

リスクと機会の抽出は、当社グループ全体を対象に各事業会社の主管部門を中心に行い、その結果を当社のサステナビリティ推進室で集約し、財務影響分析を行いました。このプロセスに基づき特定した主要なリスクと機会については、サステナビリティ委員会において検討した後、取締役会へ報告し、必要に応じてリスクの緩和・コントロールについて検討します。さらに、この結果は四半期ごとに開催されるリスク管理委員会とも共有し、当社グループ全体のリスク管理体制の中で検討・管理しています。

 

 

(5)シナリオ分析の前提

気候変動におけるリスクと機会は、「脱炭素社会への移行の影響(主に政策面)」と「物理的影響(主に自然災害の発生)」に分けることができ、気候変動の緩和が進む「1.5℃シナリオ(進展シナリオ)」、気候変動の緩和が進まず物理リスクが最大化する「4℃シナリオ(停滞シナリオ)」の2つのシナリオで分析を実施しました。各シナリオの前提条件は、各国際機関等が公表している将来的な気候予測等を参照のうえ、短期~中期(2030年まで)、中期~長期(2050年まで)を想定して検討を行っています。

 


 


 

 

(6)リスク・機会の財務影響評価及び対応策

シナリオ分析によって特定した、主要なリスク・機会の財務影響評価及び対応策は以下のとおりです。

 


 


 


 

(7)財務影響評価による戦略の強靭性について

本分析の結果、当社グループにおける戦略は、現時点において移行・物理的リスクのいずれにおいても、致命的な影響は見受けられないものと判断しました。

 

<人的資本への対応>

(1)戦略

当社グループは、請負と脱請負の連携と融合を加速させるため、グループ全体で幅広い観点から多様性を確保し、知恵とアイデアを重ね合わせて挑戦し、共創する人材と組織をつくるという人材戦略のもと、価値創造人材を育て、組織強化を図ることで企業価値向上を実現します。

 

(中期経営計画グループ人材戦略)


 

(グループ人材戦略)


 

 

人材戦略の実現に向けてエンジニアリング力・地域ビジネス・組織文化の3つの視点に即した多様な人材の計画的な確保と、多様な人材が活躍できる組織づくりの両面から施策を策定しています。人材戦略及び施策の推進により、今ある多様な人材の強みと新たに加わる多様な人材の強みを掛け合わせ、当社グループの目指す姿である「総合インフラサービス企業の確立」を実現します。

なお、当社グループにおける人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は、以下の「インフロニアグループ ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンポリシー」に定めています。

 

 

 

インフロニアグループ

ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンポリシー

■ 前文

インフロニアグループは、「インフラストラクチャー・ビジネスの既成概念に挑み、イノベーティブなアイデアで、世界中に最適なサービスを提供する。」という使命をもち、多様な価値観やライフスタイルを持つお客様の日々の生活基盤となるインフラサービスを提供しています。多様性のある社会においてインフラサービスを提供し続けるためには、多様な価値観、属性、能力等を有し、共創するメンバーの一人ひとりが能力を最大限に発揮し、新たな価値を生み出していくことが必要であり、インフロニアグループは、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの推進を重要な経営戦略として位置づけ、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を目指し、以下の方針に基づき取り組みを進めていきます。

 

 方針

1. ダイバーシティを活かす
 私たちは、インフラストラクチャー・ビジネスの既成概念に挑むため、今ある多様な強みと新たに獲得する多様な強みを結集し、あらゆる意見とアイデアが溢れ出す、革新的かつ創造的な企業文化を醸成します。

2.   エクイティの追求
 私たちは、挑戦する一人ひとりに公平な機会が提供され、公正な評価や処遇を実現するための制度や環境を整えます。

3.   インクルージョンの推進
 私たちは、インフロニアグループに誇りを持ち、自分らしさを発揮できるよう、多様な人財の価値観、属性、能力、ライフスタイル等を尊重します。また、挑戦する一人ひとりの成長と活躍を実現するキャリア形成支援に取り組みます。

4.   トレーニングの提供
 私たちは、全ての人財とダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの重要性を共有し、企業文化を醸成するトレーニングの機会を提供します。

5.   パートナーシップの強化
 私たちは、パートナーと共にダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンを重視し、企業活動を通してより良い社会を作るための取り組みを推進します。

 

 

 

 

(2)指標及び目標

当社グループでは上記方針に関する指標として、障がい者雇用率、女性社員雇用率及び女性技能社員雇用率を指標として用いています。当連結会計年度末現在における人的資本に係る目標、指標及び実績は、以下のとおりです。測定可能な目標、指標については順次項目の新設や見直しに取り組んでまいります。

 

(2025年3月31日現在)

目標

会社名

指標/実績

障がい者雇用率

女性社員雇用率

女性技能社員雇用率

障がい者、女性社員、
女性技能社員の雇用率を向上

前田建設工業(株)

2.5%

13.4%

7.4%

前田道路(株)

2.7%

20.2%

2.6%

(株)前田製作所

2.5%

13.9%

4.6%

日本風力開発(株)

1.4%

27.7%