リスク
3 【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主要なリスクには以下のようなものがあります。なお、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等の状況に与える影響につきましては、合理的に予見することが困難であるため記載しておりません。
当社は、グループ全体のリスク管理に関する基本的な事項および体制の構築と方法を“リスクマネジメント規則”において定めており、リスクを特定・分析・評価して対策を講じ、その対策結果やリスクにかかる内外環境の変化についてモニタリングした結果を踏まえ、取り組みを改善するサイクルを継続的に実施してまいります。
またリスクが顕在化したときの対応措置につきましては、クライシスマネジメント規則等に定めた体制にて、迅速に対応いたします。
なお、本項に記載した将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経済状況
当社グループの主要顧客は国内外の自動車メーカーであり、自動車用部品の取引が売上高の大半を占めております。そのため当社グループが展開している各国の市場において、経済の低迷や通商政策の転換、物価等の動向による消費者の購買意欲低下、材料供給不足等により生産調整が生じ自動車生産台数が減少した場合、当社グループの業績および財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 自然災害
当社グループが事業展開する国や地域において、地震や豪雨等の自然災害が発生した場合、当社グループの事業活動、業績および財政状況に影響を及ぼす可能性があります。そのため、当社および当社グループは、災害発生時における災害対策および事業継続計画(BCP)の策定、安否確認システムの導入、衛星電話の設置、防災訓練等の対策を講じており、グループ会社においても個々に各種対策を講じております。また、生産現場においては、地震への減災対策、土砂災害、二次災害の防止対策を進めております。これらの事前対策により被害の最小化、当社グループの業績および財政状況に対する影響の低減に努めております。
(3) 為替レートの変動
当社グループの取引には外国通貨も使用しており、可能な限り為替変動の影響を受けないよう使用する各通貨のバランスをとっておりますが、市場状況の変化によって大幅な通貨変動の影響を受けた場合、当社グループの業績および財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 価格競争
当社グループの主要顧客である自動車メーカーはグローバル化に伴い世界同一品質および同一価格確保のため、あるいはグローバル展開車種増加のため、世界規模での一括発注を進めています。当社グループの生産および販売も、国内、北米、欧州、アジア等グローバルに展開しておりますが、その殆ど全ての地区で競合他社と受注競争をしております。その結果、熾烈な価格競争により利益を圧迫することで、当社グループの業績および財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 海外進出
当社グループは、米国、タイ、中国、インド、メキシコ、インドネシア等に海外進出を行っており、当該地域における経済環境、市場動向等を検討し、計画的に事業展開していく予定ですが、進出国の政治的、経済的事情による影響を受け、事業の一時的縮小または中断などによる利益減少を招き、当社グループの業績および財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
なお、メキシコの連結子会社ニシカワ・シーリング・システムズ・メキシコ S.A. DE C.V.は、半導体不足等の影響で落ち込んでいた生産が回復し、各得意先の販売数量も回復はみられましたが、原材料・エネルギー価格高騰などにより、継続的に営業損益がマイナスとなっており、当社グループの業績および財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
また、米国の連結子会社ニシカワ・クーパー LLCは、米国経済の回復とともに、主要顧客である日系自動車メーカーの生産台数が増加し、売上は対前年増となっていますが、同時に北米の労働市場の需給バランスの崩れが急激な物価上昇を招き、原材料やエネルギー費の高騰と、逼迫する労働力の確保のために、想定以上にコストが増加しているため、当社グループの業績および財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 原材料、部品の供給
当社グループは、原材料および部品を複数のグループ外供給元から調達しておりますが、原材料価格の上昇や、資材の需給バランスによる影響で品不足が発生する場合、製品原価の上昇につながり、これらを販売価格に十分に転嫁できない場合、当社グループの業績および財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 情報セキュリティ
当社グループは、全ての役員および社員に対し、情報の取り扱いに関する規則を定め、高い情報セキュリティレベルを確保することを重要事項と認識しております。当社グループは、情報共有や業務の効率化のため、情報システムを構築・運営するとともに、情報システム運営上の安全性確保のため、サイバーセキュリティリスクも考慮し、情報システム管理基準を定め、危機管理対応の徹底に取り組んでおります。しかし、こうした対策を行ったとしても、不正アクセス、サイバー攻撃等による機密情報・個人情報の漏洩、機器の破損による情報システムの停止等のリスクを完全に回避できるものではなく、被害の規模によっては当社グループの業績および財政状況、ならびに社会的信用の失墜や訴訟等により企業ブランド価値に影響を及ぼす可能性があります。そのため当社では、当社グループ含め、情報管理に対する啓蒙活動を行うとともに、近年高度化、巧妙化しているサイバー攻撃への対応を強化し、情報管理体制の維持・強化等を推進しております。
(8) 製品の市場での不具合
当社グループは「品質第一」に徹し品質マネジメントシステムの徹底遵守と継続的改善を行っております。当社グループの製品は主として自動車の各シール部分に装着される場合が多く、自動車のボディーやドア、ガラスの建付け等相手部品との出来栄えや組合せで機能するもので、部品相互の関係で予期せぬ不具合が発生した場合、製品の不具合による損害賠償発生等により、当社グループの業績および財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 重要な訴訟等の発生
当社グループを相手とした訴訟が提起され、当社の主張と相違する結果となった場合、その請求内容等によっては、当社グループの業績および財政状況に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、法令および社内の諸規定等を遵守するため、グローバル・コンプライアンス管理体制の強化を図り、定期的なコンプライアンス教育を実施する等、活動を推進しております。
(10) 内部統制の構築等
当社グループは、財務報告に係る内部統制の整備および運用の重要性を認識しており、各関係会社の内部統制および本社からのモニタリング体制のさらなる強化を図ることは、財務報告の信頼性確保や企業価値の向上を実現するために必要不可欠であると考えており、各社における個別業務の局所的な改善対応に留まることなく、本質的な体制強化に取り組み、株主をはじめとしたステークホルダーの皆様からの信頼確保に努めております。
しかし、こうした対応を行ったとしても、当社の財務報告に重大な欠陥が発見される可能性は否定できず、さらに内部統制システムには本質的に内在する固有の限界があるため、今後、当社の財務報告に係る内部統制システムが有効に機能しなかった場合や財務報告に係る内部統制システムに重大な不備が発生した場合には、当社の財務報告の信頼性に影響が及ぶ可能性があります。
配当政策
3 【配当政策】
当社は、連結の株主資本配当率(DOE)を年間8%程度として安定的な利益還元を実施することを基本方針としております。
当社の剰余金の配当は、中間配当および期末配当の年2回を基本的な方針としております。配当の決定機関は、中間配当は取締役会、期末配当は株主総会であります。
この方針に基づき、当期の期末配当金につきましては、1株につき183円としております。先に実施いたしました中間配当金と合わせ、年間としては1株につき209円となりました。
なお当社は、剰余金の配当および自己株式の取得等、会社法第459条第1項各号に定める事項について、法令の定めがある場合を除き、取締役会の決議により定めることができる旨を定款に定めております。
(注)基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は以下のとおりであります。