リスク
3【事業等のリスク】
当社グループのリスクマネジメント活動は、事業活動に関わるリスクを抽出、評価、特定し、会社の社訓、経営基本方針、中期経営計画などを踏まえて、当社事業のビジネスチャンスに経営資源を投入するための指針となる年度経営方針を取締役会決議により策定します。組織の内部・外部のリスクを低減する活動として、事業部門の活動方針や会議体のテーマとして重要なリスク低減活動を組み込み、その活動を経営者が半期に一度レビューします。具体的なサイクルは以下となります。
①各月の状況把握
工場会議、経営会議等の会議体、また主要テーマごとの委員会による内部・外部の課題リスクの状況変化の把握
②トップ診断(半期に一度)
会社方針および各部門、会議体、委員会の年度計画を内部・外部のリスクに照らして、その活動内容の進捗と変化の確認および今後の活動計画の修正
③リスクマネジメント会議(半年に一度)
各部門、会議体、委員会による内部・外部のリスクの発生頻度また発生時の影響度を抑える活動の評価と内部・外部の課題の変化を踏まえて、新たな課題の発生の有無、課題の発生頻度の変化、発生時の重要度合の変化を評価します。評価の内容は取締役会に報告しています。
リスクの評価は、今年度の事業活動や会社を取り巻く環境から新たに発生したリスクの項目を挙げ、取締役と本部長それぞれがリスクの発生する可能性と発生した場合の影響度を点数評価して集約し、その点数の積でリスクの重要度を算出します。また、発生可能性または影響度の点数を脅威度とし、重要度と脅威度の高いリスクを特に重要度の高いリスク(マテリアリティ)として選定し、リスクを回避または低減する活動につなげます。
上記の方法により、有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、下記中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
1.重要度の高いリスク
(1)主要製品・新規受注製品の大幅な減少(社外要因 市場リスク 発生可能性:高 影響度:高)
当社製品は、そのほとんどがゴム部品として顧客のもとで最終製品として組み込まれ、市場へと展開されます。この最終製品の販売動向については顧客に依存するものであり、顧客の販売戦略上、計画していた販売数量に変動が生じることがあります。また、当社独自技術を活かしてお客様に新しい付加価値を提案できる新製品・開発製品の市場供給を継続的に行うこと、また、既存製品でも新しいお客様に向けた製品開発による市場の開拓によって、持続的に事業を成長させていく活動を進めています。品質、価格、納期などの条件を顧客と決定し、受注した製品の量産を進めていますが、最終製品の販売動向や市場動向、顧客の販売戦略上の事情により、受注数量が計画よりも減少することがあり、売上高の減少と利益の減少につながる可能性があります。
このリスクへの対応として、当連結会計年度では、特に日系自動車メーカーに採用されているASA COLOR LEDにおいて、当社採用車種の販売低迷により受注の低下傾向が続いたことから、WEBミーティングと直接訪問による密着活動を推進して受注を増やすとともに、取締役会への情報共有化を図り、営業部門から工場部門への情報展開と柔軟な生産体制の実現に取り組むことで工場の生産体制の平準化に努め、受注状況に応じた工場間のフレキシブルな生産要員体制を進めてまいりました。また、付加価値の向上による新規市場参入の機会の探索を進めてまいりました。
この結果、前連結会計年度に比べて、発生可能性は社外要因のため統制することができませんが影響度も同じく同程度として依然として高い水準であると判断しています。
(2)新製品立ち上げ・自社開発の遅れ(社内要因 生産・技術リスク 発生可能性:高 影響度:高)
当社グループでは、当社独自の技術を活かしてお客様のニーズに合わせた新製品の開発に取り組んでいますが、独自の技術のさらなる深掘と強化、また技術の複合化によりこれまでにない付加価値を生み出す取り組みは、短期の受注活動には結びつかないものの、新規顧客開拓や既存顧客との関係強化による中期的な事業規模の拡大につながるため、経営の重要課題として一定の経営資源を投入し継続的に取り組んでいます。新製品開発の取り組みはロードマップを作成し、計画的に進めていますが、特に難易度の高いテーマの進捗の遅れや他社の技術開発の動向を踏まえた計画の見直しなどによる新製品開発の遅れは、将来の受注減による売上高の減少と継続的な事業の成長に大きく影響する可能性があります。
このリスクへの対応として、当連結会計年度では、開発スケジュールの明確化と遅れに対する課題解決を進めてまいりました。また、失注案件についてその要因を分析し、次期開発案件の受注率とスピードアップを図るなど、影響度の低減に取り組んでまいりました。
この結果、前連結会計年度に比べて、発生可能性と影響度は同程度として依然として高い水準であると判断しています。
(3)採用募集の未達(社外要因 労働・雇用リスク 発生可能性:高 影響度:高 サステナビリティリスク)
当社グループでは、継続的な事業の成長と働く環境の活性化に向けて、中期的な計画のもと、毎年の定期採用と臨機応変な中途採用を行っておりますが、少子化に伴う学生数の減少や募集企業の増加により、当社グループの採用募集活動にエントリーする人材の不足や、求める人材とのアンマッチなどにより、計画した採用を実施できないことがあり、持続的な事業継続に重要な影響を及ぼす可能性があります。
このリスクへの対応として、当連結会計年度では、大学や学校との関係づくりを継続して進め、外部の人材紹介サービスを利用して幅広い層へのアプローチを増やし、発信する情報の幅を広げる活動を進めてまいりました。また、SNSによる情報発信をスタートさせ、地域や学校との接点を増やして会社と事業の魅力をアピールしていく体制をさらに強化させています。
この結果、前連結会計年度に比べて、発生可能性はやや増加、影響度は増加していると判断しています。
(4)エネルギーコストの高騰(社外要因 市場リスク 発生可能性:高 影響度:高 サステナビリティリスク)
当社グループでは、国内4拠点、海外1拠点でゴム製品の製造を行い、それぞれの事業に適した生産環境を整えております。国内3拠点でクリーンルームを設置し、各工程においては、油圧プレス機や自動アッセンブリ機、専用の検査機などの機械設備の稼働、そして、一部の医療用ゴム製品の製造工程では水処理工程を組み込むなど、これらの稼働に使用する電気代や水道代が上昇することで製造原価が上昇する恐れがあります。
このリスクへの対応として、太陽光パネルの設置や省エネルギーにつながる改善活動を行うことで、外部から購入する電気代を減らす取り組みを進めております。また、全員参加の品質・生産性改善活動により作業効率を改善し、エネルギー当たりの生産量を増加させる取り組みも続けております。また、毎月の月例報告会で、工場ごとの電力使用量の報告と、実施した施策がどれだけ効果を発揮して年間の電力量削減に貢献するかを図解で示し、従業員の成果の見える化とモチベーション向上につなげています。
この結果、前連結会計年度に比べて、発生可能性は社外要因のため統制することはできませんが影響度も同じく同程度であると判断しています。
(5)原材料価格の高騰・入手困難(社外要因 市場リスク 発生可能性:中 影響度:高 サステナビリティリスク)
当社グループの製品は、ゴム原料およびその添加物を仕入れ、加工し、販売しています。こうした原材料の価格は、グローバルな市況の変化に影響を受け変動することがあり、年度計画策定時に比べて大幅に高騰した場合、売上原価の増加など業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。また、グローバルな物流問題などにより、特別な材料を予定期日に予定数量を入手することが困難になる可能性もあります。
このリスクへの対応として、当連結会計年度では、コストアップによる影響を算出し、ものづくりにおける原価改善を進めると同時に、顧客に環境変化を理解いただくよう努めて、価格上昇分を販売単価に反映していただく交渉を続け、販売単価への転嫁を妥結してまいりました。また、重要な材料の確保と代替品の調査や新たな仕入先の開拓を進め、安定して原材料を入手するための取り組みを進めています。
この結果、前連結会計年度に比べて、発生可能性はやや減少、影響度は横ばいであると判断しています。
(6)従業員の高齢化(社内要因 労働・雇用リスク 発生可能性:高 影響度:中 サステナビリティリスク)
当社グループでは、競争力の源泉の一つが従業員であることを認識し、従業員が能力を発揮し、働きやすい職場環境を整備することで従業員満足を実現していく活動を進めていますが、従業員の高齢化に伴い、人件費の増加だけでなく法令への対応や業務上の役割の体制が整備されない場合、従業員満足度が低下し、将来の競争力の低下につながる可能性があります。
このリスクへの対応として、専門的な業務を行っている場合でも属人化しないよう複数人での対応や共有化、また次の世代への業務の引継ぎやローテーションする体制を推進してまいりました。
このリスクの発生可能性は増加、影響度はやや増加していると判断しています。
(7)人件費の上昇(社内要因 労働・雇用リスク 発生可能性:中 影響度:中 サステナビリティリスク)
当社グループで従業員を多く雇用している拠点は、当社と生産工場のある中国広東省東莞市にある現地法人です。国内はコロナ禍以降の景気が上向く中で、労働人口の減少や物価の上昇により賃金の上昇傾向が続いています。また、中国でも景気刺激策として最低賃金の上昇が進められているなど、人件費の上昇が利益に与える影響が高まる一方で、会社の対応が採用と雇用の維持に影響を与える可能性があります。
このリスクへの発生可能性が高まっていることから、生産性を高める改善活動やデジタル化による作業効率アップに取り組み、時間外勤務の抑制を進めています。また、採用と従業員の雇用維持およびモチベーション向上のため、毎年人事考課による基本給の賃上げを進めていきます。
(8)新市場・新事業リスクの認識不足(社内要因 企業リスク 発生可能性:高 影響度:中 )
当社グループでは、当社独自技術を活かしてお客様に新しい付加価値を提案できる新製品・開発製品の開発を継続して進めており、また、既存製品でも新しいお客様に向けた製品開発による市場の開拓を進めています。新製品・開発製品また既存製品を新しい市場に向けて提案し、その市場ならではのニーズに応えて継続して収益を上げられる事業に育てていくことが、当社グループの持続的な成長につながると考えています。新しい市場や事業を展開する際には、顧客、仕入先、競合の調査を進めることに加えて、関係する法令や知的財産の状況、市場固有の商慣習などを調査する必要があり、既存市場や既存事業にのっとった事業展開では、想定外の経済的損失や機会損失が発生する可能性があります。
このリスクの発生可能性が高まっていることから、外部機関を利用した多角的な情報収集網の構築と、リスク分析を定期的に行うなどにより、発生可能性を抑止し、発生した場合の影響度を下げる活動を進めてまいります。
この結果、前連結会計年度に比べて、発生可能性は同程度、影響度は減少していると判断しています。
(9)幹部候補の育成の遅れ(社内要因 労働・雇用リスク 発生可能性:中 影響度:中 サステナビリティリスク)
当社グループでは、スキル・キャリアを伸ばす人材育成計画を策定し、実施していますが、市場環境の変化や顧客要求の多様化のスピードが早まる中で、計画の実施が遅れるケースが発生します。幹部候補の育成の遅れは、経営トップや主要幹部の高齢化・退職による後継者不足、優秀な人材の流出、若手社員の成長機会の低下などにより、企業競争力の低下と中長期的な成長を阻害する可能性があります。
このリスクの発生可能性が高まっていることから、これまで実施してきている育成計画に加えて、従業員のスキル・キャリアをデータ化し、会社が期待する役割と本人の希望を互いに共有しながら、OJTだけでなく役職者研修や外部研修を取り入れて、業務を通じた経験と自身の業務以外の知識を習得して実践する機会を提供していきます。
(10)社内ルールの逸脱(社内要因 労働・雇用リスク 発生可能性:中 影響度:中 サステナビリティリスク)
当社グループの活動は、顧客への提案活動から設計、受注、仕入、製造、販売という事業プロセスを通じて収益を上げる活動を進めていますが、その品質や財務報告の信頼性は社内ルールの順守が前提であり、これを逸脱することで正しい事業活動を妨げ、株主をはじめとする市場関係者に正しい情報を伝えることができず、社会の一員としての企業の信頼を損ねる可能性があります。
このリスクへの対応として、品質と環境マネジメントシステムの国際規格であるISO9001とISO14001を一本化したISO統合マネジメントシステムをベースとして、全社でマネジメントシステムを尊重し、業務フローを明確にしてさらなる品質向上を目指し活動しています。内部統制システムの運用状況を監査等委員である取締役が主導してマネジメントフローをチェックし、内部監査部門が組織の活動状況を毎月確認しています。
この結果、前連結会計年度に比べて、発生可能性と影響度は減少していると判断しています。
(11)顧客からの大幅コストダウン要求(社外要因 市場リスク 発生可能性:高 影響度:中)
当社グループの製品は、顧客の要求仕様を踏まえて品質、価格、納期などの条件が決定し、量産していますが、最終製品の販売動向や市場動向、顧客の事情により、価格を大幅に下げるコストダウンを要求されることがあります。大幅なコストダウンは販売単価の継続的な下落が売上高の減少につながり、業績と持続的な事業継続に重要な影響を及ぼす可能性があります。
このリスクへの対応として、当連結会計年度では、顧客からのコストダウンの要請に対し、工場での材料歩留りの向上や購入材の価格交渉など原価低減活動を行うと同時に、顧客には販売単価を維持しながら機能面をアップできるような付加価値を提案できるよう技術の進化やものづくりの効率性の向上に努めてまいりました。
この結果、前連結会計年度に比べて、発生可能性は社外要因のため統制することができませんが影響度も同じく同程度であると判断しています。
(12)重大なクレーム(社内要因 生産・技術リスク 発生可能性:中 影響度:高)
当社グループでは、顧客に提供する製品の品質には、製品設計、工程管理、検査体制に至るまで、万全の体制を整えるべく努力しております。しかし、万一、顧客に納品した製品に不具合があった場合、返品や代納の対応による売上原価の増加だけでなく、お客様の信頼を損ない、将来の受注減による売上高の減少につながります。さらに、それが最終製品として市場に流出し、検証の結果、当社製品による不具合が認められ、製造物責任法による損害賠償責任が発生した場合、損失の計上により業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
このリスクへの対応として、当連結会計年度では、お客様の要求事項の確認と関係する社内各部門との共有を強化し、不具合発生時の速やかな情報伝達により早期に適切な対応がとれる体制を整えてきました。また製造工程のルールを守る意識付けとQCサークル活動の推進や改善提案制度による改善活動やQCパトロールによる改善により、各工程での作業環境の改善による不良原因の根絶と不良品を社外に流出させない取り組みと恒久的に不良を出さない対策を進めてまいりました。
この結果、前連結会計年度に比べて、発生可能性は同程度であり、影響度も高い水準にあるものの同程度であると判断しています。
(13)顧客要求事項の高度化と多角化(社外要因 市場リスク 発生可能性:中 影響度:中)
当社グループは、機能性の高いゴム製品を自動車、医療・ライフサイエンス、通信、スポーツといった幅広い分野に提供しています。これらの市場はグローバルなレベルで拡大また多様化しており、市場に貢献したいと考える顧客の要求はその難易度、精度の高度化と多様化がますます広がっています。こうした顧客要求への対応の遅れは、当社の競争力を損ない、受注の減少や新規案件の受注ができないなど、業績に大きな影響を与える可能性があります。
このリスクの発生可能性が高まっていることから、進出している市場の情報収集をさらに進めると同時に、当社が提供する付加価値の満足度を把握し、さらに差別化を進めるための技術的強化を図っていきます。
(14)従業員意識の変化(社内要因 労働・雇用リスク 発生可能性:中 影響度:中 サステナビリティリスク)
当社グループでは、各世代の従業員がそれぞれの職場で活躍していますが、労働や仕事、ライフスタイル、自己実現などにおいて様々な価値観を持つ従業員が働いています。時間外勤務や休日出勤、昇格・昇進や転居を伴う人事異動などに対して、柔軟に対応する制度づくりや運営が求められており、これらの対応が遅れることで、従業員のモチベーションの低下や離職につながり、中長期的な企業の成長を阻害する可能性があります。
このリスクの発生可能性が高まっていることから、Well-being向上会議を設置し、様々な部署から比較的若い人材をメンバーに登用して、人事制度や働き方に関して意見交換し、会社の経営理念に照らして柔軟に対応していくことで、働きがいのある職場づくりを進めていきます。
(15)メンタルヘルス対応(社内要因 労働・雇用リスク 発生可能性:中 影響度:中 サステナビリティリスク)
当社グループでは、外部機関と契約し従業員とその家族の方がメンタルヘルスに関する相談を面談、WEBまたは電話で対応できる環境を整えています。また、管理本部内に相談窓口を設けて、気軽に日ごろの悩み事を相談できる体制を整えていますが、こうした従業員のメンタルヘルスへの対応が遅れることで、従業員の心身の健康を損ない、
Well-beingの向上を阻害し、働きがいを保てなくなることで従業員のモチベーションの低下や離職につながり、中長期的な企業の成長を阻害する可能性があります。
このリスクへの対応として、当連結会計年度では、発生可能性がやや増加し、影響度は同程度であると判断しております。
(16)社外の革新的な技術、新製品、新製法の出現(社外要因 市場リスク 発生可能性:中 影響度:中)
当社グループでは、独自の技術を応用した製品開発と事業展開を図ることで、お客様への付加価値の提案による差別化を事業戦略の柱としておりますが、既存製品や既存事業または今後展開を検討している製品や事業に対し、同業種異業種を問わず、機能または価格等の面で決定的に顧客に選択優位性を与える革新的な技術、新製品、新製法の出現は、市場の独占や寡占状態となり当社製品や事業が排斥されることにより、将来の受注減による売上高の減少と持続的な事業継続に重要な影響を及ぼす可能性があります。
このリスクへの対応として、当連結会計年度では、WEBセミナーやWEB展示会を積極的に活用し、また外部機関と連携して技術と知財トレンドの動向について多くの情報を収集する体制を整えています。また論文などの文献情報やWEBから調査し、市場や社会のニーズから必要となる技量や技術の構築に努めてまいりました。
この結果、前連結会計年度に比べて、発生可能性は社外要因のため統制することができませんがやや減少していると認識しており、影響度もやや減少していると判断しています。
2.脅威度の高いリスク
(1)大規模地震の発生(社外要因 環境リスク 発生可能性:低 影響度:高)
当社の国内の生産工場はすべて福島県南部に位置しており、当社グループの生産高の約9割を担っています。当社の生産工場の建屋は、震度5以下の地震に対する耐震を備えていますが、福島県南部で震度6以上の大規模地震が発生した場合、工場の生産設備の被害や従業員の被災状況によっては、継続した生産活動が損なわれる可能性があり、業績と持続的な事業継続に重要な影響を及ぼす可能性があります。
このリスクへの対応として、当連結会計年度では、すでに策定しているBCM(事業継続マネジメント)方針に沿ってBCP(事業継続計画)を適宜見直し、被災した場合の緊急対応体制の構築と、稼働率が低下した場合でも事業を継続するための手続きを整備しています。また、従業員の被災状況を把握するために導入した安否確認システムの定期訓練を実施、システムの安定性と利用について周知を図ってまいりました。
この結果、前連結会計年度に比べて、発生可能性は社外要因のため統制することができませんが横ばいと認識しており、影響度も同程度であると判断しています。
(2)工場の火災(社内要因 環境リスク 発生可能性:低 影響度:高)
当社製品はゴムのベース材料に薬品など様々な添加物を配合することで、ゴムの機能を特化した独自の付加価値を提供していますが、そのほとんどは引火性の低い材料であるものの、何らかの理由で火災が発生する可能性はゼロではありません。火災が発生した場合、従業員の被災や生産設備や環境の損害により、業績と持続的な事業継続に重要な影響を及ぼす可能性があります。
このリスクへの対応として、当連結会計年度では、安全衛生委員会による安全パトロールによる危険箇所の特定とチェックを工場ごとに相互に行い、火災の発生を未然に防ぐ活動を進めています。また、地域の消防署の協力を得て、工場ごとに消防訓練を行い、火災の際の避難経路や手順の確認、消火活動の実施および消火器の増設など被災した場合の被害を最小限に抑える活動に取り組んでまいりました。
この結果、前連結会計年度に比べて、発生可能性はやや増加していると認識しており、影響度は同程度であると判断しています。
配当政策
3【配当政策】
当社グループは、利益配分につきましては経営基本方針のもと、株主の皆様に対する利益還元を経営の最重要課題と位置付けております。
また、株主資本の充実と長期的な収益力の維持・向上、業績に裏付けられた利益配当の継続を原則としております。
当社は、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことを基本方針としており、これらの剰余金の配当の決定機関は、期末配当金については株主総会、中間配当については取締役会であります。
当期の配当金につきましては、1株につき20円(うち中間配当10円)といたしました。
また、内部留保資金につきましては、事業の拡大や今後予想される技術革新への対応と競争力強化のための設備投資に充てることにより、継続的な業績の向上、財務体質の強化を図るなど、株主の皆様のご期待に沿うべく努力してまいります。
当社は、「取締役会の決議によって、毎年9月30日における最終の株主名簿に記載または記録された株主または登録株式質権者に対し、会社法第454条第5項に定める剰余金の配当(中間配当金)をすることができる。」旨を定款に定めております。
なお、当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。
決議年月日 |
配当金の総額 (千円) |
1株当たり配当額 (円) |
2024年11月8日 |
45,933 |
10 |
取締役会決議 |
||
2025年6月27日 |
45,933 |
10 |
定時株主総会決議(予定) |