2024年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    1,061名(単体) 2,952名(連結)
  • 平均年齢
    43.3歳(単体)
  • 平均勤続年数
    18.9年(単体)
  • 平均年収
    6,649,000円(単体)

従業員の状況

 

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

2024年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(名)

ベルト・ゴム製品事業

875

ホース・チューブ製品事業

931

化工品事業

449

その他産業用製品事業

407

不動産事業

0

経営指導事業

0

その他

98

全社(共通)

192

合計

2,952

 

(注) 1 従業員数は就業人員であり、臨時従業員数は少数のため省略しております。

2 不動産事業及び経営指導事業におきましては、専従者がいないためそれぞれ0名としております。

3 全社(共通)は、総務及び経理等の管理部門の従業員数であります。

 

(2) 提出会社の状況

2024年3月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

1,061

43.3

18.9

6,649

 

 

セグメントの名称

従業員数(名)

ベルト・ゴム製品事業

418

ホース・チューブ製品事業

335

その他産業用製品事業

116

不動産事業

0

経営指導事業

0

その他

0

全社(共通)

192

合計

1,061

 

(注) 1 従業員数は就業人員であります。

2 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

3 全社(共通)は、総務及び経理等の管理部門の従業員数であります。

 

 

(3) 労働組合の状況

当社では、総合職・業務職で構成されたニッタ職員組合と技能職等で構成されたニッタ労働組合が組織されております。その他、北海道ニッタ㈱の従業員で構成されたニッタ労働組合が組織されております。

なお、組合員数は、2024年3月31日現在で合計824人であり、労使関係について特記すべき事項はありません。

 

(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

 ① 提出会社

当事業年度

補足説明

管理職に

占める

女性労働者

の割合(%)

(注1)

男性労働者の

育児休業

取得率(%)

(注2)

労働者の男女の

賃金の差異(%)(注1,3)

全労働者

正規雇用

労働者

パート・

有期労働者

8.3

57.7

78.8

78.1

76.1

労働者の男女の賃金の差異に
ついては、海外出向者を除く

 

(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

3.当社は、職種別に賃金を定めており、男女別の賃金制度は設けておりません。

 

 ② 連結子会社

当事業年度

補足説明

名称

管理職に

占める

女性労働者

の割合(%)

(注1)

男性労働者の

育児休業取得率(%)

労働者の男女の

賃金の差異(%)(注1)

全労働者

正規雇用

労働者

パート・

有期労働者

ニッタ化工品㈱

77.5

80.2

77.5

海外出向者を除く

 

(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

文中の将来に関する事項は、当社グループが有価証券報告書提出日現在において合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の結果とは様々な要因により大きく異なる可能性があります。

 

(1)サステナブル経営方針

当社グループは、グループ理念である「NITTAは動かす、未来へ導く製品で。世の中を前へ、そして人々を幸せに。」を実現するためには、SDGsをはじめとする社会課題の解決が重要であり、ESG経営を積極的に推進する必要があると考えています。この考えに基づき、当社グループは以下の「サステナブル経営方針」を制定し、企業価値の向上をはかるとともに、産業・社会の持続的発展と環境の維持・保全に貢献しながら事業活動を展開することとしています。

   1.「未来へ導く製品」の開発を通じて、新たな価値を創造し、産業と社会の持続的発展に貢献します。

2.地域および地球環境への影響を考慮して、廃棄物の発生量を削減するとともに省資源・省エネルギーを推進し、環境負荷の低減に努めます。また、生物多様性および生態系や森林資源等の保護等を考慮して、環境保護と環境汚染の予防に努めます。

3.全ての人の尊厳が守られる社会の実現に向け、企業活動において人権侵害を未然に防止するように努めます。

4.新たな価値創造の源泉である人材の多様性を尊重するとともに、人材育成・活用を推進することにより、一人ひとりが感性や創造性を発揮できる職場環境の実現に努めます。

5.法令や社会規範を自ら遵守することはもとより、取引先とも連携し、社会に対して責任ある調達活動に取り組むなど、バリューチェーン全体において公正な事業活動を行うように努めます。

 

①ガバナンス

当社グループは、サステナビリティに関する社会課題の解決に向けた取り組みを経営上の重要な課題の一つとして位置付けており、その取り組みを推進するために「サステナビリティ推進委員会」を設置しております。

当委員会は代表取締役社長が委員長を務め、年4回開催し「NITTAグループ理念」、「NITTAグループ行動憲章」及び「サステナブル経営方針」に基づき、中長期且つESGの観点から、気候変動問題や人的資本などのサステナビリティに関するリスクと機会を分析・評価するとともにその活動の方向性などを審議しております。その結果は年4回取締役会へ報告することとしており、取締役会ではその内容を考慮した上で、重要な事項について審議し、決定しています。

 

サステナビリティ推進委員会の構成

委員長

代表取締役社長

副委員長

代表取締役専務執行役員

委員

取締役、監査役、事業部長等

事務局

経営管理グループ、安全環境品質グループ

 

 


 

 ・サステナビリティ推進委員会主要議題一覧

開催期

主要議題

毎四半期

・環境配慮型製品の開発進捗状況

 

・カーボンニュートラルへの取り組み

 

・健康経営の推進

 

・サプライヤーへのCSR支援活動

 

・インターナルカーボンプライシングを活用した環境投資の進捗

第1四半期

・有価証券報告書のサステナビリティ開示要請への対応

 

・統合報告書、CDP・国連グローバルコンパクト報告対応、当社HPでのサステナビリティ開示

 

・物流2024年問題への対応

第2四半期

・北海道の社有林「十弗の森」の環境省30by30「自然共生サイト」への申請

 

・北海道の社有林でのJクレジット創出取り組みに関する申請

 

・2023年統合報告書発行

第3四半期

・人的資本強化に関する取り組み状況

 

・TCFDの対象事業範囲拡大

 

・SGEC森林認証対応

第4四半期

・2024年度サステナビリティ活動計画

 

・2024年統合報告書の作成方針

 

・CDP結果報告

 

 

②戦略

当社グループを取り巻く環境は、技術革新や社会の価値観の変化等により急速に変化していきます。そこで想定されるリスクの低減や、事業機会の創出を図り、レジリエンスを強化するために、ESG経営への取り組みが一層重要になっています。

当社グループでは、ESG経営を推進するために当社グループが取り組むべきマテリアリティを特定し、中長期経営計画「SHIFT2030」における重点課題と位置付けて課題解決に向けて取り組んでいます。

 


 

③リスク管理

当社グループは、前述のガバナンス体制の下、リスクの低減と事業機会の創出を着実に進めていくためにリスク管理及び機会の特定の取り組みを強化しています。

リスク管理については、リスクの特定、分析、評価を定期的に実施し、リスク低減のためにリスクアセスメントを実施しています。このリスクアセスメントに基づいて、リスクの「回避」、「低減」或いは「移転」等の措置を事前に講じることによりリスクの発生の可能性を小さくしたり、発生した場合の影響度を最小限にするなどのリスクコントロールを行っています。

事業機会の特定については、特定されたマテリアリティの達成度合いをはじめ、社会の趨勢や変化を踏まえてサステナビリティ推進委員会で見直しを行うとともに、必要に応じて再設定しています。

 

④指標

 

 

マテリアリティ項目

関連するSDGs

主な活動

あるべき姿

温室効果ガス削減による低炭素社会の実現

 

環境負荷の低減と循環型社会の実現

 

地球温暖化対策・生物多様性保全に貢献する山林経営


環境に配慮した製品の開発・拡販

・CO2削減製品/省エネ貢献製品の開発

 

温室効果ガスの排出量について2030年度までに2013年度対比46%削減、2050年までにカーボンニュートラル実現

 

持続可能な地球環境の維持

製造効率化によるエネルギー及び材料使用量削減

・省エネルギー対応設備への改良、切替

・3R、廃棄物削減活動の推進

 

グリーン調達の推進

健全な山林経営による山林の維持・拡大

・保有森林面積、蓄材積の維持、拡大

・生物多様性に配慮した環境づくり

 

バリューチェーン全体を通じての社会的責任の発揮

 

働きがいのある魅力的な職場環境の実現

 

顧客満足の追求


ニッタのCSR調達方針の明確化と展開

安心して働ける職場環境の実現

 

ステークホルダーとのコミュニケーションを円滑にし、良き企業市民として社会に貢献

ダイバーシティと機会の均等

・女性の活躍推進

・外国人材の活用推進

・グローバル人材の育成

働き方改革の推進

品質の向上

・部門横断的品質保証体制の強化

コンプライアンス推進とリスクマネジメント強化


コンプライアンスの徹底

・NITTAグループ理念、行動憲章等の教育機会の設定

公正な事業活動を通じた持続的な成長と中長期的な企業価値の向上

リスク管理委員会体制による適切なリスク管理

・調達先のBCP活動の調査

・海外環境規制問題への対応

・リスクの把握と対応策の実施

海外拠点を含めたグループガバナンスの強化

・拠点における内部統制マニュアルの作成、提供

・海外拠点配置人材を含めた経営管理、監査関係人材の育成

公正かつ適正な情報開示とステークホルダーとのコミュニケーション充実への取り組み

 

 

 

 

(2)気候変動への取り組みとTCFDへの対応

当社グループにとって、気候変動は事業継続に影響を及ぼす重要課題の一つであると認識し、2022年5月、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言に賛同しました。気候変動が当社グループの事業に与えるリスク・機会を分析して経営戦略及びリスク管理に反映するとともに、情報開示を充実させてまいります。

 

①ガバナンス

気候変動に関するガバナンスは、サステナブル経営方針に係るガバナンスに組込まれています。詳細については「(1)サステナブル経営方針 ①ガバナンス」を参照ください。

 

②戦略

当社グループは、事業において気候変動が及ぼすリスクと機会について検討を行いました。リスクと機会については、政策や規制など社会的要求の変化等によって生じる“移行”リスク・機会と、異常気象の激甚化などによって生じる“物理”リスク・機会を特定しています。

シナリオ分析では、IEA(国際エネルギー機関)等が公表している「科学的根拠を有するシナリオ」を用いて、事業にどのような影響を及ぼすかを検討しました。今回実施したシナリオ分析は、当社ベルト・ゴム製品事業、ホース・チューブ製品事業及び空調製品事業における原材料・部品の調達、製品開発、製造、販売までのサプライチェーン全体を対象とし、「4℃シナリオ」、「1.5℃シナリオ」の2つのシナリオを用いて、2030年時点における影響を考察・検討しています。

 

4℃シナリオ

気候変動対策が現状から進展せず、地球平均気温が産業革命期以前と比較して今世紀末ごろに約4℃上昇するとされるシナリオ。異常気象の激甚化や海面上昇など、物理的なリスクが大きくなる一方、企業活動や消費活動に対する締め付けは現行より強化しないとされています。

1.5℃シナリオ

カーボンニュートラル実現を目指した取り組みが活発化し、地球平均気温が産業革命期以前と比較して、今世紀末ごろに約1.5℃の上昇に抑えられるとするシナリオ。物理的なリスクの高まりは抑制される一方で、税制や法規制という形で企業活動や消費活動に対する締め付けが強まるとされています。

 

 

 

 

項目

売上総利益への影響(注)

事業インパクト

4℃

1.5℃

リスク

機会

移行

政策及び規制

炭素価格(炭素税)

(1.5℃)生産活動でCO2を排出しているため、炭素税が導入されることでCO2排出に伴うコストが増加する

排出権取引
GHG排出規制への対応

1.5℃)排出権取引制度の強化や対象地域の拡大により、GHG排出枠を超えた場合クレジット購入などの追加コストが発生する

プラスチック規制

(1.5℃)プラスチックに関する規制の進行に伴い、代替材料の置き換えやリサイクルの高度化に対応するための費用が増加する

森林保護に関する政策

(1.5℃)森林吸収・炭素除去系クレジットの活性化に伴い、植林活動が推進され、CO2吸収機会の拡大、植林地域における雇用や産業を創出

再エネ政策

(1.5℃)排出規制強化(炭素税等)に伴い再エネ需要が高まり、再エネ価格が上昇しエネルギーコストが増加する

(1.5℃)再エネ政策が進み、木質バイオマス発電の需要が伸びるため、間伐材等燃料提供の機会が増える

省エネ政策

(1.5℃)省エネ政策の強化による、設備什器の高効率機への更新が迫られた場合の支出が増加する

(1.5℃)省エネ空調の需要が拡大し、通風時のエネルギーロス低減により消費電力削減が実現できる省エネフィルタの売上が増加する

技術

再エネ・省エネ技術の普及

1.5℃)省エネ政策の規制強化に伴い、省エネ製品の需要が拡大する。そのため、「ゼロシーム」をはじめとする省電力製品の売上が増加する


(1.5℃)省エネ需要の拡大に伴い、消費電力量を軽減できる「伝動用ベルト」の売上が増加する

 
(1.5℃)電源仕様ACからDCへ移行することで、送風機消費電力の省エネ需要が高まり、省エネフィルタの売上が増加する

低炭素技術の進展

(1.5℃)EVの進展に伴いエンジン部品(内燃機関)の需要が減少に伴い、自動車向け燃料チューブの売上が減少する

(1.5℃)軽量かつ高強度を要する材料として期待されている「Namd」が技術開発により航空機や自動車に応用できた場合、軽量化が課題となっているEVや電動航空機での需要拡大により売上が増加する


(1.5℃)大規模データセンターの増加に伴い、サーバーの冷却需要が増加し、冷却配管用のニーズが高まり、樹脂チューブの需要が高まる


(1.5℃)低炭素化社会への移行に伴い、スマートシティー化が行われる。そのため、半導体ニーズの拡大により「半導体関連部品」の売上が拡大する


(1.5℃)部品の軽量化やバッテリーの冷却需要があるEV・FCVの進展に伴い、冷却配管用樹脂チューブの売上が増加する

市場

次世代技術の進展

 

(1.5℃)植物由来のナノセルロースフィルタが再生可能な脱炭素製品として需要が拡大する

 
(1.5℃)蓄電技術の拡大により省エネ対策フィルタを含む空調機買い替えが増加する

 

 

 

項目

売上総利益への影響(注)

事業インパクト

4℃

1.5℃

リスク

機会

物理

急性

異常気象の激甚化
(台風、豪雨、土砂、高潮等)

(4℃)生産拠点やサプライチェーンへ甚大な影響を及ぼし、操業停止や物流機能の停止、対応コストが増加する


(4℃)調達資材の納期遅延や調達(運搬)コストが増加する

慢性

平均気温の上昇

(4℃)空調負荷が増加し、エネルギーコストが増加する

(4℃)気温上昇に伴い、外出機会が減少し宅配サービスの需要が拡大する。そのため、荷物搬送に使用するベルト類の売上が増加する


(4℃)平均気温の上昇に伴い、定温・冷蔵・冷凍状態の維持が困難になる。そのため、コールドチェーン輸送の需要拡大により「低温特性が高いベルト」の売上が増加する


(4℃)異常気象をはじめとする自然災害の影響により、施設や道路などの破損頻度が増加する。
そのため、建設機械の需要が増加し、「ホース製品」の売上が増加する

 

(注)評価基準(影響額の目安)

1千万円以下

1千万円超5千万円以下

5千万円超1億円以下

1億円超5億円以下

5億円超

 

これらの分析・評価及び対応策の検討は、社外のコンサルティング会社と連携しながら、サステナビリティ推進委員会での議論を踏まえて実施したものです。

今後も外部環境の動向や変化を踏まえ、定期的にリスクと機会の分析・評価の見直しを行っていく方針です。

 

  <対応策>

列挙したリスクに対するレジリエンスを強化するために以下のような取り組みを推進しています。

分類

リスク対応の方策

大分類

中分類

小分類

移行

政策・規制

炭素価格(炭素税)

・コージェネレーションシステムの高効率運用
・再エネ由来電力への切り替え
・インターナルカーボンプライシングの導入

再エネ政策

・オンサイトPPA導入

省エネ政策

・照明のLED化
・エネルギー効率の高い機器への変更

技術

低炭素技術の進展

・EV向け自動車部品、環境負荷低減ベルトなどの
「環境配慮型製品」の開発、販売促進

物理

急性

異常気象の激甚化
 (台風、豪雨、土砂、高潮等)

・BCP対策

 

     ▼インターナルカーボンプライシング(ICP)制度の導入

2023年4月1日から当社および国内子会社において、自社の基準で二酸化炭素の排出量を仮想的に費用換算し、設備投資判断の参考とする「インターナルカーボンプライシング制度」を導入し、運用を開始しました。

社内炭素価格を18,000円/1t-CO2と設定し、同制度を投資判断の基準の一つとして活用していくことで、低炭素・脱炭素設備・省エネ投資など、二酸化炭素の排出量削減に貢献する投資を加速していきます。

 

 

③リスク管理

気候変動に関する主なリスクは、サステナブル経営方針に係るリスクに含めて管理しています。詳細については「(1)サステナブル経営方針 ③リスク管理」を参照ください。

 

④指標と目標

当社グループは、生産段階における温室効果ガス(以下、「GHG」とします。)排出量の削減に関する基本方針として、2030年度までに2013年度対比46%削減、2050年度までに「カーボンニュートラル実現」を目指すと定め、その実現に向けて取り組んでいます。GHG排出量削減のために、①エネルギー使用量自体を削減する省エネの徹底、②再生可能エネルギーの活用拡大、③GHGフリーエネルギーの購入の3つの視点での取り組みを進めて参ります。

 


 

※当社の本支店および当社連結会社を含めたニッタグループ生産拠点を対象としています。なお、奈良工場の排出量には、敷地内にある持分法適用会社の製造拠点の排出量も含まれています。

当事業年度は、環境マネジメントシステムに基づく省エネ推進活動に加え、国内外の生産拠点における再生可能エネルギーの導入を引き続き積極的に実施して参りました。今回は中国圏生産拠点でのI-REC非化石証書による再生可能エネルギー導入が進み、当社GHG排出量は2013年度比2023年度実績として35%の削減を実現しました。

引き続き、省エネ活動を継続し、国内外生産拠点での再生可能エネルギー導入によるGHG排出量の更なる削減に努めて参ります。

 

 

(3)人的資本への取り組み

①ガバナンス

人的資本に関するガバナンスは、サステナブル経営方針に係るガバナンスに組込まれています。詳細については「(1)サステナブル経営方針 ①ガバナンス」を参照ください。

 

②戦略

1.企業理念と行動指針

当社が使命の実現に向けて成長し続ける企業であるためには人材が最も重要であり、社員が能力や特性を最大限に発揮して活き活きと働くことが会社発展の源です。社員一人ひとりが理念に掲げる共通の価値観を持ち、行動指針に沿った業務活動を行うことが、当社の企業価値向上に繋がると認識しております。

 

<使命>

<価値観> 

<行動指針>

Going ahead with you

NITTAは動かす、未来へ導く製品で。

世の中を前へ、そして人々を幸せに。

熱意 Passion

情熱を持って挑戦し、変化を起こしつづける

進取 Innovation

柔軟な発想とものづくりで、未来を切り拓く

誠実 Integrity

ひたむきに取り組み、お客様の期待を超える

敬意 Respect

互いを尊重し、グローバルに社会や環境に貢献する

 

 

◆My Mission運動

当社では、社員が日常業務で理念行動を自発的に行うことを目的とした取り組みとして、企業理念の価値観と行動指針に沿った自身のMissionを掲げる「My Mission運動」を行っています。このMy Mission運動は国内外のグループ全社で行っており、グループ会社社員の殆どが毎年自身のMy Missionを掲げて日々の業務にあたっています。

組織内で互いのMissionを共有することで、社員同士が互いに刺激を受け、お互いの理解を深めることに繋がっています。理念行動への意欲や実施の度合いをサーベイにより数値化し、結果を社内で共有することで企業理念への理解や共感が年々深まり、理念行動の浸透が進んでいます。

また、2024年度に改定する新しい人事制度では、理念行動を資格等級制度の等級要件に組み込み、人事評価制度とも連動させております。

 

2.経営戦略

当社は、中長期経営計画「SHIFT2030」で、探索型SHIFT(新規事業の模索)と深化型SHIFT(既存事業の強化)の両輪で事業をさらに発展させることを目指しております。SHIFTには、変化(SHIFT)を繰り返すことで大きな革新(イノベーション)へつなげるという想いを込めており、3大SHIFT「成長へのSHIFT・企業価値向上へのSHIFT・更なるグローバル化へのSHIFT」を掲げ、推進しております。

 

◆あるべき姿

会社の使命の実現とSHIFT2030の達成に向けた、私たち組織・個人のあるべき姿は「ものづくりを核としたシフトイノベーター」であり、シフトイノベーターとは、世の中の変化に対応し自ら変化しながら革新に挑戦し続ける個人・集団を表しています。

 

3.人事戦略と人材育成 ~人材育成方針~

当社は、社員一人ひとりが企業理念の行動指針を実践し、「シフトイノベーター」として個々の能力や特性を活かしてイキイキと活躍することを目指し、次の4つの取り組みを行っております。

 

(a)多様性はイノベーションの源泉であると認識し、ダイバーシティを推進

当社では、女性の活用は重要なことと認識し女性活躍を推進しております。意欲と能力のある女性を積極的に活用する取り組みとして、管理職登用制度の改定や育成研修を行い、5年前(2019年度)には4.4%だった女性管理職比率が2023年度には8.3%となり、その後も増加しております。当社は職種のダイバーシティにも取り組んでおり、組織の中核となる管理職を多様な職種から登用するための育成研修を実施しています。また、新卒採用・中途採用といった入社形態の違いによる格差を生じさせないように、キャリア採用者向けの育成研修を充実させて、活躍を促しています。

 

(b)経営戦略に照らし、特に強化すべき人材としてイノベーション人材、デジタル人材、グローバル人材、次世代

経営人材を育成

・イノベーション人材

SHIFT2030で掲げる新事業の探索を行う組織として、新規事業探索を職務とする専門部隊を設置しております。また、グループ関連会社全体として技術・研究開発部門がInnovation活動(新規事業探索・新製品開発)に取り組んだ成果を発表するNI(NITTA Innovation)フォーラムを毎年開催するとともに、教育機関によるNI研修、部署や職種を横断したNIサークル活動、知的財産部門による知財教育体系の構築と幅広い社員層への研修等を実施しております。これらの活動により、社員がイノベーションを起こし新しいものを生み出す風土づくりを全社で進めております。

 

・デジタル人材

当社では専門組織を設置してDXを推進しております。策定したデジタル戦略の1つとしてデジタル人材育成を挙げており、社員のデジタルへの関与レベルを階層化し、階層別育成体系(人材育成タワー)を構築して人材の育成を行っております。

 

・グローバル人材

海外トレーニー派遣制度を設け、若手から中堅クラスを対象に海外現地での語学研修と海外子会社での実務経験のプログラムを実施しています。また、新入社員向けの語学研修や海外駐在前研修等、グローバルに活躍する社員の育成とサポートの体制を整えております。

 

・次世代人材

当社では、常に次世代の経営人材について後継者を見極め育成することが、企業の持続的成長に欠かせないと認識し、サクセッションプランと育成研修を人事施策の1つとして実施しております。

 

(c)全ての社員の能力やスキルの向上のため人材育成体系を構築し、毎年ブラッシュアップ

社員の個性と自主性を尊重しながら、「ニッタ人材開発プログラム」に基づき人材を育成しています。「研修タワープログラム」により、社員の多彩なキャリア形成のため階層別研修とテーマ別研修を設けております。また、生産性向上や品質向上に関する教育及び活動(TQM、QC活動、自工程完結等)も活発に行っております。

 


 

(研修タワープログラム)


 

 

(d)社員の働き方の指針となる人事制度を改定し、2024年度に導入

社員のモチベーションアップと優秀な人材の確保を目的として、新しい人事制度を2024年度に導入いたします。新しい人事制度は、企業理念やSHIFT2030の実現に向けたサブシステムとして位置付けて連動させており、仕事基準の考え方(NITTA流のジョブ型)を基に、等級制度・評価制度・賃金制度を再構築しております。

 

4.社員が活躍するための基盤の整備 ~社内環境整備方針~

刻々と変化していく社会環境の中で会社が持続的に成長していくためには、社員が健康かつ安心して働ける職場環境の整備が重要であると考え、健康経営、働き方改革を推進し、福利厚生の充実を図っております。

 

◆健康経営

当社は、価値創造のための重要なマテリアリティの一つとして、働きがいのある魅力的な職場環境の実現を目指しており、健康経営を方策の一つとして位置付けています。2018年に健康経営宣言を策定し、3つの健康(健康なからだ・健康なこころ・健康な職場)をキーワードとして健康経営を推進しております。また、健康経営の最終的な成果指標として、次の3つの指標を設定しています。

 

<健康経営の最終的な成果指標>

健康なからだ

メタボリックシンドローム該当者率

脂質リスク該当者率

健康なこころ

プレゼンティーイズム(※1)

健康な職場

ワーク・エンゲージメント (※2)

 

※1. 出勤はしているものの、健康問題が理由で完全な業務パフォーマンスが出せない状態のこと。病気や怪我がないときに発揮できる仕事の出来を100%としたときの、自身の仕事の出来を評価したもの。SPQを用いたサーベイを実施。(SPQとは平成27年度健康寿命延伸産業創出推進事業「東京大学ワーキング」で開発された、1項目の設問によりプレゼンティーイズムを簡便に測定できる尺度)

※2. 毎年の従業員調査の質問項目に組み入れて自社独自の指標で測定した平均値

 

こうした取り組みの結果、当社は2019年以降6年連続で「健康経営優良法人 大企業部門(ホワイト500)」に認定されており、また、「健康経営銘柄」に2023年・2024年と2年連続で選定されました。今後も、社員の心身の健康維持・向上に関する施策を実施してまいります。

 

 

 

◆働き方改革

当社は、年次有給休暇取得率の向上、育児・介護に携わる社員のサポート、長時間労働の防止、あらゆるハラスメントの防止等の取り組みを進めています。2024年度の人事制度改定と併せて、在宅勤務制度や育児介護の時短・時差勤務の拡充、特別休暇の見直しを行っております。

*特別休暇には、バースデー休暇、リフレッシュ休暇、ファミリーケア休暇、骨髄ドナー休暇、裁判員休暇等の制度があります。

*育児による、時短勤務は子供が小学校3年生まで、時差勤務は小学校6年生までを対象としています。

*介護休業は183日まで、時短勤務は休業と通算で276日まで、時差勤務は期限なし(介護状態の解消まで)です。

 

 

③リスク管理

人的資本に関する主なリスクは、サステナブル経営方針に係るリスクに含めて管理しています。詳細については「(1)サステナブル経営方針 ③リスク管理」を参照ください。

 

④指標と目標

当社は、社員の多様性の確保、一人ひとりの社員にとって適切かつ有効な人材育成体制の整備、並びに、社員が健康かつ安心して生き生きと働ける職場環境の実現に向けて様々な取り組みを行っており、それらに関する指標と目標を次の通り設定しています。また、これまでの取り組みの実績は以下の通りです。

 

<指標と目標>

指標

目標

備考

女性管理職比率

112025年度

全産業平均11.2%

業界平均3.6%

男性育児休業取得率

502025年度

全国平均17.13%

年次有給休暇取得率

75%2025年度

全国平均:62.1%

生活習慣改善状況

生活習慣改善目標値の達成(2025年度

<目標設定時実績>

(a)生活習慣改善に関心のある人の割合:85%

2021年度:74.0%

(b)歩行習慣適性者率:50%

※歩行等の身体活動を1日1時間以上している人の割合

2021年度:40.0%

(c)食事習慣適正者率:70%

※就寝前2時間以内の食事が週に2回以下の人の割合

2021年度:63.7%

 

 

なかでも健康経営については、目標達成を着実に推進する観点から、前述の「3つの健康」(健康なからだ・健康なこころ・健康な職場)の視点でモニタリング指標を設定するとともに、その指標と達成状況について当社ホームページにおいて公開しています。

 

 

<取り組みの実績>

・女性管理職比率推移

・男性育児休業取得率推移

 


 


4.4%

5.4%

6.6%

8.6%

8.3%

 

 

0.0%

12.0%

34.6%

33.3%

57.7%

 

 

 (参考)女性は上記年度においていずれも100%の取得率です

 

 

・年次有給休暇取得率推移

 

 


 

70.1%

65.2%

71.6%

76.2%

76.4%

 

 

 

 

 

・生活習慣改善状況に関する実績

生活習慣改善状況

2021年度

2022年度

2023年度

(a)生活習慣改善に関心のある人の割合

74.0%

75.6%

77.6

(b)歩行習慣適性者率

※歩行等の身体活動を1日1時間以上している人の割合

40.0%

37.4%

38.5

(c)食事習慣適正者率

※寝前2時間以内の食事が週に2回以下の人の割合

63.7%

59.9%

61.7