2024年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    1,717名(単体) 25,356名(連結)
  • 平均年齢
    47.0歳(単体)
  • 平均勤続年数
    22.8年(単体)
  • 平均年収
    7,350,265円(単体)

従業員の状況

5【従業員の状況】

(1)連結会社の状況

 

(2024年3月31日現在)

セグメントの名称

従業員数(人)

建築用ガラス事業

8,746

〔479〕

自動車用ガラス事業

14,071

〔1,742〕

高機能ガラス事業

898

〔149〕

報告セグメント計

23,715

〔2,370〕

その他

1,641

〔119〕

 合計

25,356

〔2,489〕

 (注)1.従業員数は就業人員であり、臨時従業員数は〔 〕内に人員数を外数で記載しています。

2.臨時従業員には、臨時工、契約社員、嘱託、パートタイマー、定年退職後継続雇用者、及び派遣社員が含まれています。

(2)提出会社の状況

 

 

 

 

(2024年3月31日現在)

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

1,717

〔348〕

47.0

22.8

7,350,265

 

セグメントの名称

従業員数(人)

建築用ガラス事業

183

〔18〕

自動車用ガラス事業

837

〔186〕

高機能ガラス事業

382

〔74〕

報告セグメント計

1,402

〔278〕

その他

315

〔70〕

 合計

1,717

〔348〕

 (注)1.従業員は就業人員であり、臨時従業員数は〔 〕内に人員数を外数で記載しています。

    2.臨時従業員には、臨時工、契約社員、嘱託、パートタイマー、定年退職後継続雇用者、及び派遣社員が含まれています。

3.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでいます。

 

(3)労働組合の状況

 当社には、日本板硝子労働組合及び日本板硝子共闘労働組合の2組合が組織されています。

 それぞれ、労使関係について特に記載すべき事項はありません。

 

 

(4)多様性に関する指標

 

提出会社

当事業年度

管理職における

女性労働者の割合

男性労働者の

育児休業取得率

男女賃金格差

全労働者

うち正規雇用

労働者

うちパート・

有期労働者

4.2%

38.1%

72.4%

80.0%

65.0%

 

連結子会社

当事業年度

名称

管理職にお

ける女性労

働者の割合

男性労働者の

育児休業取得率

男女賃金格差

全労働者

うち正規雇用

労働者

うちパート・

有期労働者

日本板硝子ビルディング

プロダクツ㈱

-

-

68.8%

72.1%

67.4%

(注)1.上表では、有価証券報告書において記載が求められる、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律

にもとづく情報公表義務のある2社についての公表内容を記載しています。

2.集計対象には提出会社から他社への出向者を含み、他社から提出会社への出向者(受入出向)を除いてい

ます。

3.管理職における女性労働者の割合は当連結会計年度末時点、その他の指標は当連結会計年度における実績

を記載しています。

4.男性の育児休業等取得率は、2023年4月1日施行の育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者

の福祉に関する法律施行規則第71条の4第1号に定める方法により算出しています。

5.男女賃金格差については、男性の賃金に対する女性の賃金の割合を示しています。なお、提出会社の労働

者の賃金は性別に関係なく同一の基準を適用しており、女性に対し男性の方が管理職比率が高いこと等が

男女の賃金差の主な要因となっています。

6.「-」は対象会社において、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律にもとづく情報公表項目に

は該当していないことを示しています。

 

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

1.サステナビリティ全般

 当社グループは、サステナビリティへの取り組みは、環境や社会課題の解決、および事業の持続的な発展を両立させる重要な活動であると位置づけ、サステナビリティ活動を通じて社会と共に成長することを目指します。

 当社取締役会は、このような取り組みに関する経営の基本方針として「NSG グループ サステナビリティ基本方針」を策定しました。当社グループが新たに策定し、2024年5月に公表した中期経営計画では、中長期的な企業の持続的成長と持続的社会の実現への貢献を両立するために認識すべき重要課題として、これまでの「環境」「社会シフト・イノベーション」「安全で高品質な製品・サービス」「倫理・法令遵守」「人材」という5項目に加え、「人材」から新たに独立させた「健康と安全」を含む計6項目のマテリアリティを設定しました。特に、競争力の源泉となる「環境」「社会シフト・イノベーション」「人的資本」の3つのマテリアリティは、新中期経営計画で企業価値向上のため戦略的に取り組むDecarbonization, Development, Diversity, Digitalの「4つのD」にも対応しています。これらは上記基本方針の下に位置付けられるものでもあり、この基本方針のもと、サステナビリティへの取り組みを行っています。

 

(1)ガバナンス

 取締役会は、当社グループのサステナビリティ活動の基本方針と目標を定めています。サステナビリティに関する取り組みについては、サステナビリティ委員会を中心に推進し、取締役会へ定期的に報告し、そこで示された取締役会の意見をさらに以降の取り組みに反映するようにしています。

 サステナビリティ委員会は、当社グループのサステナビリティ戦略を設定し、その活動を統括するとともに、ステークホルダーとの効果的なコミュニケーションを確実なものとすることを目的としております。同委員会は、CEO、会長、CFO(最高財務責任者)、CAO(最高管理部門責任者)兼CRO(最高リスク責任者)、CLO(最高法務責任者)兼CE&CO(最高倫理・コンプライアンス責任者)、CHRO(最高人事責任者)、サステナビリティ部統括部長、及び関連グループファンクション部門長、事業部門長により構成され、CEO又はその指名した者が議長を務めます。サステナビリティ委員会には、エネルギーや脱炭素への取り組みについて議論するエネルギー&カーボン委員会やサプライチェーン上の課題について議論するサプライチェーン委員会が下部委員会として設置されています。

 2024年5月に発表された新中期経営計画の策定過程において当社のガバナンス体制が見直された結果、倫理コンプライアンス、人的資本、社会シフト・イノベーションの各分野に関する委員会が、新たに経営会議の下部委員会として設置されました。この結果、主要なマテリアリティに対応する下部委員会が設置されることとなりました。サステナビリティ委員会は、これらのサステナビリティに関する各下部委員会を統括する位置づけにあり、6つのマテリアリティに関する主要な目標・KPI案の決定、及びそれらの進捗管理を行います。下部委員会ではそれぞれのマテリアリティに関して、目標KPI達成のためのより具体的な活動計画の立案および進捗管理を行います。

 サステナビリティ委員会で議論した内容は、経営会議に報告され、定期的に取締役会に報告されます。2024年3月期は、9月と3月に、マテリアリティの見直しとサステナビリティ全般の進捗について取締役会に報告し、新たなマテリアリティについて取締役会の承認を受けました。2025年3月期はサステナビリティ委員会の開催回数を増やし、より広範な課題について議論してまいります。

 

 

 

(2)リスク管理

 当社グループは、ISO31000に基づき、戦略的リスク委員会(SRC)が企業リスク管理(ERMプロセス)を実施しています。戦略的リスク委員会は、グループ活動に関連するリスク選好度と許容範囲を定義し、戦略達成のためのリスクを特定し評価するプロセスを定期的に行っており、サステナビリティに関連するリスクは、当戦略的リスク委員会で管理されます。2024年3月期は9月、12月、3月に、気候変動、製品品質不良、人材に関するリスクについて同委員会で報告されモニタリングされました。同委員会は、CEOをはじめとする執行役及び他の関連幹部社員によって構成され、CRO(最高リスク責任者)が議長を務めます。

 

2.気候変動

 気候変動対策が人類共通の課題となった今日、エネルギー集約型・炭素集約型の製造業である当社グループにとって気候変動への取り組みは必要不可欠であり、当社製品を通じて脱炭素社会に貢献することにより「快適な生活空間の創造で、より良い世界を築く」という当社グループの使命を果たすためにも、優先度の高い経営課題であると認識しております。当社グループはTCFDに賛同しており、2022年5月にスコープ1、2、3全ての温暖化ガス削減目標についてSBTi認定を取得しました。気候変動を当社グループのマテリアリティの一つである「環境」領域における重要課題と定め、積極的な活動を進めています。

 

(1)ガバナンス

 気候関連のリスクと機会は取締役会によって監督されており、グループCEO及び取締役会は、気候変動を含むグループのサステナビリティ活動の基本方針と目標を定めています。気候変動関連の課題は、すべてのサステナビリティ目標の達成と、関連するすべての事業につなげることを目的として、経営会議、サステナビリティ委員会、戦略的リスク委員会で議論されています。これには、企業の成長と積極的な社会貢献の双方を達成するためのリスク分析と機会分析に基づく戦略や行動などが含まれます。ESG分野の専門家である取締役が、意見と指導を提供します。各事業部におけるエネルギーやCO2排出量削減状況など、それぞれの分野での活動や進捗は、サステナビリティ委員会の下部委員会において管理されています。詳細については、「1.サステナビリティ全般 (1)ガバナンス」を参照ください。

 

(2)戦略

 当社グループでは、短期、中期、長期の気候変動に関連するリスクと機会について、次の3つの主要シナリオに従ってリスク分析を行い、2100年までのタイムスケールにおける物理リスクと移行リスクを特定しました。

 

・低炭素世界シナリオ(<2℃)

低炭素経済への移行を目指し、今後30年間に炭素排出量を抑制するための積極的な緩和策を講じるシナリオ。

・RCP 4.5 中位安定化 (2-3℃の温度上昇)シナリオ

現在の政策、誓約、目標が達成されることを想定した、中間的シナリオ。

・RCP 8.5 高位参照シナリオ(>4℃)

物理的リスクを回避するための施策をほとんど何も行わず、排出量を増やし続けた結果、世界の気温は大幅に上昇し続け、壊滅的な結果を迎えるシナリオ。

 

 特定されたリスクと機会には、次の影響が含まれます。

 

 特定されたリスクと機会は、当社グループの標準的なリスク管理フレームワークによって定量化され、分類され、それに応じて優先順位がつけられました。それには、ポリシーと法的側面、技術側面、市場側面、評判の側面における影響も含まれます。

 

 特定されたリスクのうち、影響度や緊急度が高い例は、以下の通りです。

 

 このように特定されたリスクと機会は、当社グループの事業戦略である「リバイバル計画24(RP24)」の中でさらに強化され、盛り込まれた結果、例えば、サプライチェーンにおけるCO2排出量を含むさまざまな持続可能性の側面に焦点をあてた「サステナブル・サプライチェーン」プロジェクトの発足や、温室効果ガス排出量削減に向けた研究・技術開発への投資、社会の脱炭素化を支える新製品の開発などにつながりました。このような活動は、「快適な生活空間の創造で、より良い世界を築く」という当社グループの使命と一致しています。

 また、前述した複数の温暖化シナリオに基づき、気候変動に対するレジリエンスの定量的・定性的な分析と、今後実施すべき行動の優先順位付けも行いました。その結果、当社グループにとって最も影響度が高く可能性も大きいリスクは、GHG排出量の価格に関連するコストの増加であるとの分析結果に基づき、中長期にわたるグループの脱炭素目標を策定しました。当社グループが策定した削減目標は2019年にSBTiにより認定されましたが、2022年には、パリ協定の2℃を十分に下回る温暖化シナリオに沿った、より野心的な目標に更新されました。

 この目標を遵守することで、気候変動に関する物理リスクと移行リスク双方に対するグループのレジリエンスが向上します。

 

(3)リスク管理

 気候関連のリスクは、戦略的リスク委員会が特定・監視するリスクに含まれ、財務への影響、事業への影響、コンプライアンスへの影響、外部評価への影響の4つのベクトルについて定量的基準で評価されます。戦略的リスク委員会は、リスクに対応する統制と緩和策を評価し、必要に応じて追加措置の実施を指示します。リスクオーナーは、グループの許容範囲内でリスクを管理するために、決められたアクションプランに対応する進捗状況をモニターし、報告する責任を負います。個々の統制と対策は、各事業部(SBU)およびグループファンクション内で進捗管理され、経営会議およびサステナビリティ委員会に報告されます。戦略的リスク委員会に報告された特定のリスクと機会は、リスクマネジメントと事業戦略の統合を確実にするため、定期的に(最低6か月に1回以上)経営会議に報告されます。

 

 

(4)指標及び目標

 当社グループは、グループ内(スコープ1、2)、サプライチェーン(スコープ3)および顧客(スコープ3)全体に影響を与えるすべての温室効果ガス(GHG)排出量をモニターしています。

当社グループのSBTiの基準年度(2018年1月から12月の1年間合計)におけるCO2排出量は以下の通りです。

スコープ1

スコープ2(マーケット基準)

3,103千トン

891千トン

 

 最新年(2023年1月から12月の1年間合計)のCO2排出量は以下の通りでした。

スコープ1

スコープ2(マーケット基準)

2,922千トン

501千トン

 

 また、2018年から2023年までのCO2排出量の推移は以下の通りです。

二酸化炭素排出量

二酸化炭素

(千トン)

 

2018年

2019年

2020年

2021年

2022年

2023年

スコープ1

3,103

2,970

2,817

3,031

2,910

2,922

スコープ2ロケーション基準

1,050

885

728

731

719

715

スコープ2マーケット基準

891

790

530

648

542

501

スコープ3

2,513

2,819

2,952

3,556

3,276

3,235

※CO2排出量は各年度1月から12月の1年間合計

 

 また、ガラス製造工程における単位生産量当たりの温室効果ガス排出量を、2018年3月期比で2024年3月期までに8%削減するという目標を立てて取り組んでいます。2023年3月期の進捗状況は、2022年度対比で1.4%改善し、2018年3月期対比で2.7%改善しました。さらに、2024年3月期は対前年で4.9%改善し、2024年3月期までに8%削減という目標を達成しました。

 

 当社グループは、スコープ1とスコープ2のCO2排出量を2030年までに21%削減するという目標について、2019年にSBTi認定を取得しましたが、この目標を見直し、より野心的な目標に引き上げると共に、スコープ3の目標を設定しました。この改訂された目標は、スコープ1とスコープ2、およびスコープ3のCO2排出量を2030年までに2018年対比で30%削減するというものであり、2022年5月にSBTi認定されました。また、2050年のカーボンニュートラルの達成をコミットしました。

 今年度発表した新中期経営計画では、気候変動に関し、ガラス製造工程における単位生産量当たりの温室効果ガス排出量の削減目標を、SBTiの目標に合わせて対前年3%削減に引き上げるとともに、新たに、再生可能エネルギー由来の電力比率を2027年3月期までに65%とする目標も掲げました。

 

 

 

 スコープ3としては、当社が購入している原材料などサプライチェーンから排出されるCO2が該当しますが、排出量の約半分を占めるカテゴリー1(購入した製品・サービス)を中心に、サプライヤーと協働して積極的な取り組みを進めています。例えば昨年は、活動のレベルアップを目指した新たな取り組みとして、スコープ3の削減などサプライチェーン上における8つの優先課題を特定し、長期的に目指すべき姿を定めたサステナブル・サプライチェーン憲章を策定しました。サプライヤー業種別に課題を優先順位化し、優先順位の高いサプライヤーから憲章の浸透を図ることで、サプライヤーとのエンゲージメントを強化し、目標達成に向けてサプライヤーと共に取り組んでいます。

 

 以下に掲げるロードマップの実施により、CO2排出量の削減、ひいては環境貢献製品の継続的な開発と当社事業に関連する機会の拡大につなげます。

 

 

 

3.人的資本及び多様性

(1)ガバナンス

 人材戦略については、サステナビリティ全般を推進するサステナビリティ委員会のもと、テーマごとの下部委員会にて具体的な戦略を設定し、活動内容を統括し、進捗状況を共有しております。

 活動はグループ全体で共通の仕組みを導入して推進されています。具体的には、人材情報管理システム、職務評価に基づく報酬設定、パフォーマンス管理、サクセッションプラン、教育体系・ツール等をグループ全体で導入し、CEO、CHROをはじめ事業部門長やグループファンクション部門長が参加するGlobal Talent Reviewで議論されています。また多様性については、個々の従業員に寄り添いそれぞれの環境・状況に応じた最適な機会を提供することを重視して、グローバルDiversity, Equity & Inclusion(DEI)運営委員会にて主に女性活躍について議論しています。それらの結果に基づき、アクションのグループ全体への展開を図っています。

 

(2)戦略

 新中期計画におけるグループの戦略的な柱である4つのDの1つとして「多様な人材(Diverse Talent)」を設定しています。強い人材と組織を築くことは戦略の要であり、明確な人事戦略をもとに投資を行い、情熱と関心を持って働く人に専門的な能力開発の機会を提供する職場としての魅力をグローバルで示すよう施策を推進していきます。

 人事戦略として「リーダーと企業文化」「採用・育成・リテンション」「組織能力の育成」「多様な経験」の4つの方向性を定め、「HRデジタル」「人材の獲得」「従業員に対する提供価値」「ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン」をカギとなる施策として掲げ、4つのF「Flat」「Frank」「Fast」「Fun」を踏まえて取り組みを実施していきます。

 

(3)リスク管理

 当社グループの変革と将来の成長は有能な人材の確保と育成に大きく依存します。当社グループでは、人材確保・育成・リテンションのための各種施策に取り組んでおり、リスクオーナーであるCHROは人材不足リスクをグループの許容範囲内で管理するために、決められたアクションプランに対応する進捗状況をモニターし、戦略的リスク委員会に報告する責任を負います。戦略的リスク委員会に報告された特定のリスクと機会は、リスクマネジメントと事業戦略の統合を確実にするため、定期的に(最低6か月に1回以上)経営会議に報告されます。

 

(4)指標及び目標

 当社グループは、グローバルDEI運営委員会においてグループ全体の女性管理職比率を2021年6月末実績の12.7%から2024年3月期までに各事業部門・各ファンクション部門にて現状比+1ポイントとすることを目標としていました。2024年3月期中において、実績は16%まで改善し、目標を上回る3.3%の改善となりました。新たに2027年3月期までにグループ全体の女性管理職比率を24%、2030年3月期までに30%にするという目標を設定し、引き続きベストプラクティスを共有し、さらなる向上に努めます。

 なお、提出会社及び国内連結子会社における人的資本経営に関連する各種指標の2024年3月期の実績は、第1 企業の概況 5「従業員の状況」(4)多様性に関する指標 をご参照下さい。