リスク
3 【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
リスク管理体制の整備の状況については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載しております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
また、下記事項は、投資家の判断に重要な影響があると考えられるものであり、当社グループにおけるリスクのすべてを網羅したものではありません。
(1) 国内需要の減少
建設投資が減少し、セメント、生コンクリート、建築土木等の事業で需要が大幅に減少した場合、影響を受ける可能性があります。
(2) 原燃料品代、船運賃等の国際価格の動向
石油・石炭等の輸入原燃料品代及び船運賃等の国際価格が上昇した場合、上昇分の製品価格への転嫁の状況によって影響を受ける可能性がありますが、必要に応じて一部の取引にデリバティブ取引を利用する等によりリスクを抑制しております。
(3) 為替の変動
原燃料品の輸入やセメント等の輸出、在外子会社等からの配当金をはじめとする外貨建て取引において、大幅に為替が変動した場合、影響を受ける可能性がありますが、必要に応じて一部の取引にデリバティブ取引を利用する等によりリスクを抑制しております。
また、在外子会社の財務諸表の為替換算においても、邦貨ベースで影響を受ける可能性があります。
(4) 金利水準の変動
市場金利が大幅に上昇した場合、支払利息が増加する等の影響を受ける可能性がありますが、当社グループは有利子負債削減等の取組みを通じて財務体質の強化を図っているほか、必要に応じて一部の取引にデリバティブ取引を利用する等によりリスクを抑制しております。
(5) 株式市況の下落
株式市況が大幅に下落した場合、保有株式の評価及び退職給付信託資産等の評価に伴う退職給付数理計算上の差異の発生等により、影響を受ける可能性があります。
(6) アジア諸国、アメリカ等の情勢の変化
当社グループは、アジア諸国、アメリカ等の世界各地で事業展開しており、それぞれの地域における政治・経済情勢の変化により影響を受ける可能性があります。
(7) 事業再編
当社グループは、事業の選択と集中を推進することとしており、重点分野に経営資源を集中するとともに、他社との連携も視野に入れた、事業の見直し、再編、整理に積極的に取り組んでおります。この過程において業績及び財政状態に影響を受ける可能性がありますが、高度な専門性などが要求される場合には、常任の法律顧問をはじめ、顧問法律事務所、経営コンサルタント等、専門家のアドバイスを受けております。
(8) 公的規制、気候変動抑止を中心とした環境規制強化・社会変化
当社グループは、事業展開する各国、地域の法令・規則等の各種規制に従って事業を行っておりますが、予期しない変更や新たな適用により、影響を受ける可能性があります。
環境規制に関しては、セメントの製造過程では相当量のCO2が発生しますが、温室効果ガス排出抑制に向けて各種公的規制が強化された場合や社会変化により、影響を受ける可能性があります。また、セメントの原料・燃料代替として廃棄物を利用しておりますが、廃棄物処理にかかる規制等が強化された場合にも、影響を受ける可能性があります。
なお、当社は2019年6月に「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」の提言に賛同しており、TCFDの提言に基づき、気候変動が当社グループに与える事業リスクと事業機会について評価、分析を行い、その結果を開示しております。気候関連シナリオの拡大とともに評価、分析の更新を進め、事業戦略への反映と情報開示を進めていきます。
(9) 極端な気象現象の頻発
温室効果ガスの大気への蓄積・地球温暖化により、豪雨による浸水・土砂崩れの頻発や、台風の強力化による被害が発生する可能性があります。この場合、生産設備等が被災し輸送機関の混乱が長期化する等、影響を受ける可能性があります。
災害等の緊急事態が発生した場合、「リスク管理基本方針」及び「リスク管理規程」に則して適切に対応します。
(10) 大震災・感染症・事故等の発生
大震災や新型ウイルス等感染症の急速な流行が発生した場合のほか、生産設備等の重大事故や重大な労働災害が発生した場合にも影響を受ける可能性があります。
配当政策
3 【配当政策】
当社は、株主還元を重要な経営課題の一つとして位置付けており、将来的にも安定配当を継続していく考えであります。一方、企業の業績向上と事業の拡大を図るための投資の源泉として、内部留保もまた不可欠であると考えており、加えて自己資本の充実にも意を用いていく必要があると考えております。
この方針に基づき、当期の剰余金の配当につきましては、1株当たり70円(うち中間配当金35円)としております。
また、2024年5月に公表しました「26中期経営計画」におきましては、株主還元について、総還元性向33%以上を基本とし、安定配当の継続(1株当たりの年間配当金80円以上)及び機動的な自己株式の取得を行っていく方針としております。当社は、経営環境や期間の業績等を勘案して、適切な利益配分を行っていく所存であります。
なお、当社は「取締役会の決議により、毎年9月30日を基準日として中間配当を行うことができる」旨を定款に定めており、毎事業年度における配当は期末と中間の2回行うことを基本としております。これら剰余金の配当の決定機関は、期末配当については株主総会、中間配当については取締役会であります。
(注)基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は、以下のとおりであります。