リスク
3 【事業等のリスク】
当社グループは、NGKグループビジョンの実現に影響を与える不確実性をリスクと捉え、グループのリスク課題を包括的に取り扱うためリスク統括委員会を設置しております。当委員会は年3回開催されその活動内容を年1回以上取締役会に報告しており、取締役会はその活動を監督しております。
リスク統括委員会では、内外環境の変化を踏まえたリスク分析・評価、管理すべき重要なリスクを特定すると共に、これらリスクへの対策及び実施状況の把握等のリスク管理プロセスの向上を図り、経営全体の持続性を強化しております。
上記プロセスを通じ、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクを以下のように認識しております。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2024年6月26日現在)において当社グループが判断したものであります。
(1) 事業運営におけるリスク
当社グループは、海外19ヵ国に36のグループ会社を展開し、うち18社において製造を行っております。各国・地域の政治や対日感情の安定、法律、規制、税制、インフラの整備、関税を含むインセンティブ等が各事業の前提条件となっております。当社は様々な観点から拠点を分散し、グローバルに代替可能な体制構築に取り組んでおりますが、デモ、テロ、戦争、感染症、自然災害等による社会的混乱などを含め、これらの諸条件に予期せぬ事象が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼすリスクがあります。
当社グループの主要な製品の需要動向、競争や収益環境に関するリスク認識につきましては以下の通りです。
① エンバイロメント事業
当事業の主力製品である自動車排ガス浄化用セラミックス製品(ハニセラム®、センサ製品群)は、当社製品を搭載する内燃機関自動車がEV(電気自動車)やFCV(燃料電池車)等の非内燃機関車に置き換わることや、あるいは消費者の価値観やビジネスモデルが変化することによって、需要が変動する可能性があります。当社グループでは、2030年段階において内燃機関車の市場はピークアウトしているものの、各国の排ガス規制の強化もあり、当社製品需要は引き続き一定の規模で推移すると予想しており、新製品や高機能品の開発、市場投入が必要不可欠とみております。しかしながら、内燃機関車の減少につながる変化が当社の想定を超えて進捗した場合や、強化された排ガス規制などの環境規制に対する不十分な取組みや対応の遅延がある場合には、期待する業績を達成できないリスクがあります。
加えて、重要性が高い中国市場においては、競合が台頭するリスクがあります。当社グループでは、環境規制を先取りした技術対応力や安定した供給力により競争力を強化してまいりますが、競合が当社グループの想定を上回る競争力を得た場合には、市場シェアの一部を喪失するリスクがあります。
また、産業機器関連製品については、リチウムイオン電池正極材及び電子部品向け焼成炉の成長が見込まれますが、競合が当社グループの想定を上回る競争力を得た場合には、市場シェアを喪失するリスクがあります。
当事業においては、環境規制の内容と時期、需要動向、競合他社の状況等を十分にモニタリングしておりますが、景況の悪化や規制時期の遅れ等、短期間で需要見通しが下方修正される場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼすリスクがあります。
② デジタルソサエティ事業
当事業は、半導体製造装置メーカー向けの部材、スマートフォン向け高性能SAWフィルター用複合ウエハー、データセンターに用いられる大容量HDDヘッド用のアクチュエーター、モーターの駆動制御や発電機などの電力変換を行うパワー半導体モジュール向け絶縁放熱回路基板、基地局で使用される高周波デバイス用セラミックパッケージ、自動車部品・家電・情報通信機器等のスイッチやコネクターに用いられるベリリウム銅展伸材を供給しております。
主力の半導体製造装置用製品の需要は半導体の需給状況や各国の規制、技術革新により大きく左右されます。当社グループは、各国の輸出規制並びに直接の顧客である半導体製造装置メーカーからの需要情報や半導体市場及び大手半導体メーカーの設備投資動向を踏まえて、都度、設備能力や人員・生産体制等を見直しておりますが、想定を上回る規模で需要が減少した場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼすリスクがあります。また、当社独自の技術対応力や製品供給力を高めることで業界トップのポジションを維持しておりますが、顧客ニーズへの対応遅れなどにより市場シェアを喪失する可能性があります。社会のデジタルシフトと共に半導体の物量は増大し、当該事業も中長期に成長すると見込んでおりますが、革新的な発明により半導体製造プロセスが大幅に変更された場合などにおいて、期待する成長水準を達成できない可能性があります。半導体に関する各国の輸出規制はより複雑化しており、当局への確認、対応の遅延などによる業績へのリスクがあります。こうした法規制の動向については、各事業本部への情報共有、必要な規程・マニュアルの整備により対応しております。
その他の製品群においては、最終消費財の販売動向や基地局・データセンターへの投資の動向等に大きく左右されることから、客先動向を注視した上で需要の変動に素早く対応できるよう適宜人員体制、生産体制等を見直しております。しかしながら、当社グループの想定を超えて大きく需要が減少する場合や、需要低迷が長期化する場合には、販売の急激な減少や過剰在庫の発生により業績及び財政状態に影響を及ぼすリスクがあります。
当事業が属する半導体・電子部品業界は、技術革新やモデルチェンジのペースが速く、主要顧客のニーズに応じてタイムリーに新技術開発、製品投入が出来ない、もしくは競合メーカーが当社グループの想定を上回って伸長した場合には受注を失い、収益が大幅に減少するリスクがあります。
③ エネルギー&インダストリー事業
当事業は、電力貯蔵用NAS®電池(ナトリウム/硫黄電池)、電力絶縁用がいし及び機器類を供給しております。NAS®電池については、脱炭素に向けた世界的な潮流を受けて、再生可能エネルギー普及に伴う大容量・長時間用途の蓄電池のニーズが主に海外では顕在化しつつあり、将来需要が拡大する可能性があります。当事業では引き続き、NAS®電池の持つ優位性(大容量・長時間)をアピールすると共に、欧州などの有力企業とのパートナーシップ強化や政府の支援策等も活用し、ニーズの取り込みを図ってまいります。しかしながら、リチウムイオン電池などの競合製品の技術革新によりNAS®電池の持つ優位性が失われた場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼすリスクがあります。
がいしや機器類については、各国のエネルギー政策や電力会社の設備投資の動向に大きく左右されます。国内では、磁器製に対して長期性能に懸念があるものの、比較的安価で軽量なポリマー製がいしが採用される動きが一部であり、想定を上回って普及した場合には業績に悪影響を及ぼすリスクがあります。 海外では競合企業の動向や各国の電力政策が影響し、収益が減少するリスクがあります。
このような事業環境を踏まえ、NGKグループビジョンにおいてカーボンニュートラルとデジタル社会を当社グループが取り組むべき社会課題と設定し、事業構成の転換に向けた取組みを進めております。
(2) 研究開発に関するリスク
当社グループは、創業以来強みとして培ってきたセラミックスの材料及び加工プロセス技術を核として、既存製品の高性能化のみならず有望テーマの探索にもインプットを継続しております。全社売上高に占める新製品(5年以内に事業化した製品)比率は30%を目標に、研究開発費合計は連結売上高の5%程度を目安として事業規模の拡大に対応して増加させております。
また、NGKグループビジョンでは、2030年までの10年間で総額3,000億円の研究開発費を確保し、その80%を「カーボンニュートラル(CN)」、「デジタルソサエティ(DS)」分野に配分し、その通過点となる2030年の目標としては、新製品・新規事業の売上高1,000億円を実現する「New Value 1000」を掲げました。目標達成に向けて2022年4月にマーケティングを主体とした「NV推進本部」を新設し、研究開発本部、製造技術本部と連携して新製品創出や事業化を推進しております。しかしながら、技術開発、製品開発には不確実要素が多く、また技術間競争も複雑化していることから、インプットが十分な成果に結びつかず業績に影響を及ぼすリスクがあります。
(3)人材におけるリスク
①人材確保・人材管理
当社グループは、NGKグループ理念の中で、挑戦し高めあう人材を私たちが目指すものの一つと位置づけ、2023年6月にNGKグループ人的資本経営方針を策定しました。この方針の下で目指すべき人材の継続的な確保・育成に向けて様々な施策を講じております。
特に注力するのは「DX人材」と「グローバル人材」の確保・育成であり、デジタル技術を集中的に学ぶ社内DX留学制度や資格取得推奨といった取組みや語学研修をはじめ、異文化理解を基礎としたコミュニケーション・マネジメント研修や、各国エリアスタディなどのセミナーを実施しており、今後も人材育成の仕組みや制度の充実を図ってまいります。また、従業員の挑戦をサポートする社内環境整備の取組みも進めております。
一方で、人材の流動化や雇用環境の変化等の社会変動において、優秀人材の獲得競争は激化しております。上記の施策を講じたとしても、求める人材の確保・育成が計画通りに進まなかった場合は、事業の遂行能力が向上しないことで、NGKグループビジョンやNew Value 1000といった事業目標を達成できず、業績及び財政状態に影響を及ぼすリスクがあります。
②ダイバーシティ&インクルージョンへの対応
当社グループは、NGKグループ人的資本経営方針に示した求める人材像に合わせ、多様性確保に向けた人材育成方針や社内環境整備方針を定め、ダイバーシティ&インクルージョンを積極的に推進し、多様な人材が各々の能力を発揮して活躍できるよう努めております。具体的には、階層別教育やキャリア自律サポート、部門を超えたジョブローテーション制度等の人事施策を進め、また、新卒・キャリア採用を問わず幅広い人材の採用を実施し、個の多様性を育む取組みに注力しております。
しかしながら、人材の多様化が進まない場合は、人材の同質性が継続し既存の価値観から脱却できず、イノベーションが生まれないリスクがあります。またダイバーシティ&インクルージョンに消極的な企業と認識されることで、採用競争力低下や業績及び財政状態に影響を及ぼすリスクがあります。
(4) 法令遵守、人権・安全、品質に関するリスク
① 法令などの遵守に関するリスク
当社グループは、他社との技術差別化により高い市場シェアを占める製品をグローバルに供給しており、国内外で競争法、輸出入関連法規、労働関連法規等の各種法令や外国公務員贈賄規制などの規制を遵守して事業活動を行っております。これらの法令・規制への違反や、人権の尊重、契約遵守等の社会的規範に反した行動があった場合には、処罰や訴訟の提起、社会的な制裁を受け、レピュテーションが低下し、更に事業収益にまで影響が及ぶおそれがあります。
そのため、NGKグループ企業行動指針及びNGKグループ行動規範に基づいた誠実な事業活動を行うことを最重要課題の一つとして位置付け、従業員への各種教育の実施やハンドブック配布による関連法規制の周知徹底とコンプライアンス意識の一層の向上に取り組んでおります。コンプライアンス活動を国際的な水準に照らし評価検証し、共通の理解と価値観に基づき継続的に改善する仕組み作りを行うため、「コンプライアンス活動基本要領」を制定しております。重要な不正事案や法令違反については、社外役員とコンプライアンスを担当する社内取締役から構成される経営倫理委員会で予防と監視に当たっております。
また、国内外で内部通報制度に関する規程を整備し、従業員からの相談・報告を受けるヘルプライン制度や、経営倫理委員会に直結する内部通報制度「ホットライン」を設置することにより、当社役員や従業員が関与する法令違反や社会的規範に反する行為等の発生可能性の低減を図っております。
② 人権・安全に関するリスク
当社グループは、従業員の労働災害や疾病・身体・メンタルヘルス問題のリスクに対し、安全衛生基本方針に基づき重大災害リスクの特定とリスクアセスメントによる未然防止対策強化を図ると共に、長時間労働者へのフォローや階層別メンタルケア教育にも力を入れております。従業員の健康増進にも力を入れており、当社は2024年3月に経済産業省と日本健康会議が共同で進める「健康経営優良法人」の認定を6年連続で受けました。
また、グループの事業活動にともない、グループ従業員のみならず、サプライチェーンや当社製品を通じて、当社の事業活動に関わる全ての人々の人権を侵害するリスクがあることを認識しております。当社グループでは、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」をはじめとする人権に関する国際規範を遵守し、「NGKグループ人権方針」を定めているほか、英国現代奴隷法に関する声明を提出し、従業員の理解を向上させるために、e-ラーニングや講演会による各種研修を通じて、人権侵害リスクの防止、軽減に努めております。しかしながら、当社グループの予想し得ない問題が発生した場合には、業績に悪影響を及ぼすリスクがあります。
③ 品質と製品の安全性に関するリスク
当社グループは、エネルギー・エコロジー・エレクトロニクスの分野でグローバルにセラミックス製品を生産・販売しており、重大な市場クレームや契約違反等、業務の不備によるブランド・レピュテーションの毀損、訴訟の提起等の品質と製品の安全性に関わるリスクを認識しております。
当社グループは、「NGKグループ企業行動指針」に基づく品質方針の下、お客様の信頼を高める活動を軸とし、業務品質の改善と品質リスクの低減に注力して取り組んでいます。品質経営部が各事業本部の品質活動をモニタリングすると共に、重要課題については品質会議を開催して迅速な解決を図るなど、品質と製品の安全性に関わるリスク低減を行っております。
業務品質(お客様との約束を遵守するための仕組み)の改善では、2018年度から全社品質コンプライアンスプログラムの中で、経営層による決意表明、規程・ルールの整備、教育の実施、監査及びモニタリング、防止活動の各項目について継続して取組みを進めております。特に業務の無理・曖昧の防止とコミュニケーションの徹底を図ってきた結果、業務負荷や作業ルールの見直しと、実務現場やグループ会社等のフロントラインへの品質コンプライアンスの理解と浸透が進み、問題をオープンにする組織風土の醸成につながっております。
また、品質リスクの低減では、4つの品質活動をルール化するとともに守るべき6つの品質を定め、その考え方・やり方をQRE-P(Quality Risk Elimination - Process:製品の企画から量産に至る商品化プロセスで、より効果的に品質リスクを排除するための手順)に示して全社展開する活動を継続しております。また、2023年に定めた製品・サービスの安全性に関する活動の全社的なガイドラインをベースに各事業部門に適切なリスク評価の方法を構築するとともに教育を拡充して理解と浸透を推進しております。
しかしながら、当社グループが製造・販売する製品とサービスにおいて、予想し得ない品質問題が生じた場合には、業績に重大な影響を及ぼすリスクがあります。
(5) 情報システムのリスク
当社グループは、受注・販売、生産管理、会計、研究開発等の業務に広くITシステムを活用しております。また、働き方改革の実現に向けてグループ共通の情報通信システム(ICT)やデータプラットフォームを構築し、活用を促進しております。当社グループでは、NGKグループ情報セキュリティ方針に基づきITセキュリティ体制の構築や全体のセキュリティ向上に取り組んでおり、従業員に対しては情報セキュリティ教育を実施し、内部の情報資産の適正な管理・運用の徹底に努めております。しかしながら、外部からのサイバー攻撃や不正アクセス、想定外のシステム不具合やセキュリティ上の問題によりデータ処理の停止、データの盗難・破壊・改ざん・喪失等が発生した場合には、当社グループの社会的信用や業務の継続、経営成績及び財務状況に悪影響を及ぼすリスクがあります。
(6) 為替、資金及び資材調達のリスク
当社グループは、グローバルに製品の生産・販売を行っており、海外売上高比率は7割を超える水準にあります。為替レートの変動に対しては、需要地生産、現地通貨での資金調達、為替状況に応じた最適購買等の対策を実施すると共に、短期的な変動に対しては、先物為替予約などによりリスクヘッジしておりますが、円高は売上高・利益の減少要因となって業績に悪影響を及ぼすリスクがあります。また、設備投資などの資金調達を行う場合には、地域により大きな金融危機などで資金調達が困難となり、当社グループの事業運営や業績及び財政状態に悪影響を及ぼすリスクがあります。
資材調達については、各地域における素材価格やエネルギーコスト、物流費の上昇によって製造・販売コストが増加し業績に悪影響を及ぼすほか、サプライチェーンの混乱や、本国・調達元の法規制の変化への対応が遅れることによる資材調達の遅延や顧客への出荷滞留等、当社グループの事業運営に悪影響を及ぼす可能性があります。素材価格やエネルギーコスト等の上昇に対しては適正な売価への反映、競争購買、設計見直しによるコストダウンなどに取り組んでいるほか、サプライチェーンについては、海外拠点先からも情報を入手して状態監視を行い、在庫管理や調達先の多様化を図る等リスク低減に努めております。しかしながら、特定の素材・設備の流通が滞り、過度の価格の上昇やサプライチェーンの混乱が起こる場合や、法令・規制に違反しレピュテーションが低下した場合には、当社グループの事業運営や業績及び財政状態に悪影響を及ぼすリスクがあります。
(7) 気候変動と災害のリスク
①気候変動に関するリスク
当社グループは、金融安定理事会により設置された「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言への賛同を表明し、気候変動に関するリスク認識について「ガバナンス」「戦略」「リスクマネジメント」「指標と目標」の4項目に沿った形で、財務影響も含めて公表しています。具体的には、2〔サステナビリティに関する考え方及び取組〕の該当箇所、及び当社ホームページをご覧ください 。
https://www.ngk.co.jp/sustainability/environment-tcfd.html
一方、TCFDで想定したシナリオ以外の事象が発生した場合には、追加的費用が生じて業績に悪影響を及ぼすリスクがあります。また、気候変動対応目標の未達により、顧客などのステークホルダーの評価が下がり、更にはブランド価値の毀損やビジネス機会の損失が生じるリスクがあります。
②大規模災害及び感染症に関するリスク
当社グループは国内外に拠点を有しており、温暖化に伴う海水面の上昇や台風の大型化、局地的な暴雨の頻発等による水害、大規模な地震や火災等の災害により操業困難な拠点が発生する可能性があります。
そのため、当社グループは、関連規程類の策定や訓練等を通じ、BCP(事業継続計画)をグループ全体で推進し、災害発生時の事業継続や早期復旧のため、主力事業の製造拠点の分散化や購買先の複数化、建物・設備の減災、従業員の安全確保等の各種対策に取り組んでおります。しかしながら、想定を超える事象によって主要製造拠点の生産設備に深刻な被害が発生した場合、また、工場が立地する地域のインフラ側に長期の供給支障が生じた場合などには相当期間、生産活動が停止し、業績及び財政状態に悪影響を及ぼすリスクがあります。
また、重大な感染症が発生・蔓延し、社員、サプライヤーや顧客に罹患者が出た場合や、顧客の操業が著しく低下した場合には、当社グループの製品の生産・販売に悪影響を及ぼすリスクがあります。
配当政策
3 【配当政策】
当社は、株主の皆様の利益を重視し、持続的な企業価値向上と利益還元を経営の最重要政策の一つに位置づけています。
主要な経営指標では、資本コストを上回るROEを中長期で必須の目標と考え、この社内展開にあたっては、各部が管理可能なNGK版ROIC(製品別の営業利益、売掛債権、棚卸資産、固定資産で計算)を用いて向上に努めています。
配当金については、事業リスクの変化に合わせた純資産管理と3年程度の期間業績(ROE)へのリンクも勘案し、純資産配当率3%及び連結配当性向30%程度を中期的な目処として、さらにはキャッシュ・フローの見通し等も勘案して配分することとしています。
当期の配当金につきましては、1株当たり期末配当金を25円とし、すでに実施済みの中間配当金25円と合わせて、通期では1株当たり50円となりました。
次期の配当金につきましては、配当性向や純資産配当率の水準を鑑みて中間30円、期末30円、年間60円とさせていただくことを予定しております。
また、内部留保資金につきましては、既存コア事業の拡大や新規事業への設備投資など企業価値向上のために活用してまいります。
なお、当社は「取締役会の決議によって、毎年9月30日を基準日として中間配当をすることができる。」旨を定款に定めております。
(注) 基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は、以下の通りであります。