2026年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    32,102名(単体) 138,453名(連結)
  • 平均年齢
    41.3歳(単体)
  • 平均勤続年数
    19.5年(単体)
  • 平均年収
    9,086,300円(単体)
  • 平均年収の
    対前年増減率
    0.4%(単体)

従業員の状況

人材戦略に関する基本方針等

(1) 【人材戦略に関する基本方針等】

① 連結会社の人材戦略

連結会社の人材戦略については、本報告書「第一部 企業情報 第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載しています。

 

② 従業員給与等の決定方針

当社は、将来にわたり日本の産業競争力を支える「総合力世界No.1の鉄鋼メーカー」を目指し、持続的な成長と生産性向上に取り組み、付加価値の最大化に注力しています。そのなかで、競争力の源泉は「人の力」であるとの認識のもと、当社で働く多様な従業員が、生産性高く、持てる力を最大限発揮できるよう、賃金改善のみならず、諸制度を導入・改訂し、柔軟で多様な働き方を追求しています。

こうしたなか、従業員給与等の決定にあたっては、人材の確保・定着及び活躍推進に向けた「人への投資」の観点から、適切な水準を検討・決定しています。また、賃金改善に加え、仕事と育児・介護の両立支援を含めた総合的な処遇改善について、労使で真摯な話し合いを重ね、実行しているほか、「世界最高の技術とものづくりは人づくりから」という考えのもと、企業理念及び社員行動指針を理解し実践できる人づくりを目指し、教育訓練等に積極的に取り組んでいます。

当社として、今後も、従業員のエンゲージメント向上やさらなる生産性向上に資するよう、人材投資を中心に積極的に取り組むことを通じて、従業員への持続的な還元を目指します。

 

 

(2) 【従業員の状況】

① 連結会社(当社及び連結子会社)の状況

(2026年3月31日現在)

セグメントの名称

従業員数(人)

製鉄

119,447

[11,246]

エンジニアリング

5,331

[861]

ケミカル&マテリアル

3,277

[717]

システムソリューション

10,398

[101]

合計

138,453

[12,925]

 

(注) 1  従業員数は就業人員数(連結会社から連結会社以外への出向者を除き、連結会社以外から連結会社への出向者を含む。)であり、嘱託・臨時従業員を含まない。

2  臨時従業員数は、[  ]内に当連結会計年度の平均人員を外数で記載している。

3 前連結会計年度末に比べ従業員数が24,608名増加している。主な理由は、製鉄セグメントにおいてUnited States Steel Corporationが連結子会社となったこと及びシステムソリューションセグメントにおいてインフォコム㈱が連結子会社となったことによるものである。

 

② 提出会社の状況

(2026年3月31日現在)

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

平均年間給与の対前

事業年度増減率(%)

32,102

[1,159]

41.3

19.5

9,086,300

+0.4

 

 

セグメントの名称

従業員数(人)

製鉄

32,102

[1,159]

合計

32,102

[1,159]

 

(注) 1  従業員数は就業人員数(他社への出向者を除き、他社からの出向者を含む。)であり、嘱託・臨時従業員を含まない。

2  臨時従業員数は、[  ]内に当事業年度の平均人員を外数で記載している。

3  平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含む。

4 前連結会計年度末に比べ従業員数が3,450名増加している。主な理由は、連結子会社であった日鉄鋼管㈱及び日鉄ステンレス㈱をそれぞれ吸収合併したことによるものである。

 

(参考)最近3事業年度に係る平均年間給与の推移

 

第99期

第100期

第101期(当期)

平均年間給与(円)

8,292,871

9,051,874

9,086,300

 

 

③ 労働組合の状況

提出会社の労働組合である日本製鉄労働組合連合会のほか、複数の連結子会社で労働組合が組織されています。2026年3月31日現在の組合員数は90,030名です。

なお、労使関係について特に記載すべき事項はありません。

 

 

④ 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の額の差異

 

ア 提出会社

当事業年度

名称

管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合(%)
(注1)

男性労働者の育児休業取得率(%)

労働者の男女の賃金の額の差異(%)
(注4)

育児休業取得率
(注2)

育児休業と育児目的休暇を合わせた取得率
(注3)

全労働者

正規雇用労働者

パート・
有期労働者

日本製鉄㈱

1.8

88

100

67.1

67.1

83.1

 

(注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものである。

2 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものである。

なお、雇用管理区分ごとの実績は次のとおりである。

マネジメントグループ 89%、アシスタントマネジメントグループ 97%、グローバルグループ 93%、

ワイドエキスパートグループ 81%、エリアグループ 86%

3 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第2号に定める育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものである。

4 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものである。

正規雇用労働者においては、それぞれの社員の役割とそれに伴う配置のあり方に応じて、注2に記載の5つの区分を設定し、区分別の給与制度としている。

各区分の給与制度及び評価・運用は、男女の別なく全社員同一としているが、同一区分内でも男女における平均勤続年数が異なること、男女それぞれの社員数に占める各区分の構成比が異なることから、賃金差異が発生している。

当社では、多様な社員が、生産性高く、持てる力を最大限発揮し、誇りとやりがいをもって活躍できる企業の実現を目指す観点から、DEIの取組みを進めており、その主要項目としてジェンダー平等を掲げ、各種施策を推進している。今後も女性の管理職登用に向けた育成に加え、女性のさらなる定着に向けた環境整備を引き続き実施していくことで、男女の賃金差異は解消していくものと考えている。

 

イ 連結子会社

[製鉄事業]

当事業年度

名称

管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合(%)
(注1)

男性労働者の育児休業取得率(%)

労働者の男女の賃金の額の差異(%)
(注4)

育児休業取得率
(注2)

育児休業と育児目的休暇を合わせた取得率
(注3)

全労働者

正規雇用労働者

パート・
有期労働者

山陽特殊製鋼㈱

6.4

65

71.4

70.4

123.0

日鉄物産㈱

2.7

62

68

60.4

61.7

48.4

日鉄鋼板㈱

1.3

42

89

77.6

78.0

55.0

大阪製鐵㈱

2.4

64

85

77.2

82.4

63.6

日鉄建材㈱

4.5

93

93

71.6

74.5

52.1

黒崎播磨㈱

3.4

48

122

78.1

82.7

54.4

日鉄テックスエンジ㈱

60

117

72.7

74.7

51.5

日鉄物流㈱

68

94

77.8

60.5

76.2

 

 

当事業年度

名称

管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合(%)
(注1)

男性労働者の育児休業取得率(%)

労働者の男女の賃金の額の差異(%)
(注4)

育児休業取得率
(注2)

育児休業と育児目的休暇を合わせた取得率
(注3)

全労働者

正規雇用労働者

パート・
有期労働者

日鉄SGワイヤ㈱

2.3

91

175

75.6

82.3

83.7

ジオスター㈱

2.4

100

64.8

66.7

39.9

日鉄溶接工業㈱

0.9

100

79.3

81.5

74.0

日鉄ドラム㈱

2.5

75

100

81.0

80.4

69.6

日鉄プロセッシング㈱

3.6

43

81

87.8

87.6

82.2

日鉄めっき鋼管㈱

3.7

日鉄ステンレス鋼管㈱

1.9

50

76.0

79.5

65.2

日鉄環境㈱

4.0

72

72

74.9

79.4

67.4

日鉄物産コイルセンター㈱

4.1

33

70.5

73.9

58.3

日鉄防食㈱

3.6

100

日鉄精密加工㈱

0

0

100

80.8

80.2

-(注5)

王子製鉄㈱

100

72.6

77.3

66.8

日鉄保険サービス㈱

16.0

日鉄工材㈱

0

日鉄神鋼建材㈱

0

88.0

88.0

-(注5)

太陽サカコー㈱

0

日鉄電磁㈱

7.1

75

76.9

83.4

74.8

イゲタサンライズパイプ㈱

1.1

36

36

71.1

71.8

46.8

日鉄物産システム建築㈱

2.2

66

東海鋼材工業㈱

0

日鉄物産荒井オートモーティブ㈱

5.0

日鉄ファインチューブ㈱

2.0

100

100

70.5

70.7

82.0

日鉄テクノロジー㈱

8.1

82

104

83.3

85.4

36.7

 

 

当事業年度

名称

管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合(%)
(注1)

男性労働者の育児休業取得率(%)

労働者の男女の賃金の額の差異(%)
(注4)

育児休業取得率
(注2)

育児休業と育児目的休暇を合わせた取得率
(注3)

全労働者

正規雇用労働者

パート・
有期労働者

㈱ニッケン鋼業

0

100

100

82.5

79.5

91.2

日鉄スラグ製品㈱

1.8

50

94

75.1

75.1

28.4

㈱エムエムアイ

0

100

100

55.3

63.7

75.0

日鉄関西マシニング㈱

0

100

100

83.8

84.1

78.4

山特工業㈱

0

71

71

80.4

78.1

123.3

日鉄ステンレス加工㈱

0

79.0

79.0

-(注5)

日鉄ファーストテック㈱

2.7

50

100

70.6

75.5

67.0

NS建材販売㈱

5.3

79.3

79.3

-(注5)

㈱NSロジ西日本

58.3

62.7

71.0

㈱NSロジ東日本

0

0

100

74.6

71.1

72.0

日鉄ビジネスサービス㈱

0

82

84.6

84.2

56.8

NSハートフルサービス関西㈱

30

テックスエンジテクノサービス㈱

18.2

81.8

58.6

73.8

 

 

 

[エンジニアリング事業]

当事業年度

名称

管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合(%)
(注1)

男性労働者の育児休業取得率(%)

労働者の男女の賃金の額の差異(%)
(注4)

育児休業取得率
(注2)

育児休業と育児目的休暇を合わせた取得率
(注3)

全労働者

正規雇用労働者

パート・
有期労働者

日鉄エンジニアリング㈱

1.8

82

103

63.6

65.0

52.2

日鉄パイプライン&エンジニアリング㈱

2.4

66

88

71.1

72.5

72.3

日鉄環境エネルギーサービス㈱

0

83

95

70.9

75.0

55.1

 

 

[ケミカル&マテリアル事業]

当事業年度

名称

管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合(%)
(注1)

男性労働者の育児休業取得率(%)

労働者の男女の賃金の額の差異(%)
(注4)

育児休業取得率
(注2)

育児休業と育児目的休暇を合わせた取得率
(注3)

全労働者

正規雇用労働者

パート・
有期労働者

日鉄ケミカル&マテリアル㈱

2.0

85

95

64.8

68.3

48.8

 

 

[システムソリューション事業]

当事業年度

名称

管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合(%)
(注1)

男性労働者の育児休業取得率(%)

労働者の男女の賃金の額の差異(%)
(注4)

育児休業取得率
(注2)

育児休業と育児目的休暇を合わせた取得率
(注3)

全労働者

正規雇用労働者

パート・
有期労働者

日鉄ソリューションズ㈱

8.2

110

74.9

74.9

61.9

㈱ネットワークバリューコンポネンツ

21.1

日鉄日立システムソリューションズ㈱

11.8

71

157

77.2

77.9

71.5

インフォコム㈱

7.6

75

76.2

78.2

57.6

日鉄ソリューションズ東日本㈱

3.9

57

73

83.1

82.6

89.5

日鉄ソリューションズ九州㈱

9.5

84

92

89.4

89.1

73.6

日鉄ソリューションズサービスアンドテクノロジー㈱

7.7

75

100

67.0

67.1

-(注5)

日鉄ソリューションズ北海道㈱

4.5

100

76.2

77.6

44.7

日鉄ソリューションズ関西㈱

4.8

83

100

84.4

84.5

81.2

日鉄ソリューションズ中部㈱

11.2

100

76.8

77.8

68.1

㈱ジェイマックシステム

3.0

75

インフォコムテクノロジーズ㈱

66

83.6

83.7

78.9

 

 

(注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものである。

2 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したもの、又は「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第2号に定める育児休業等の取得割合を算出したものである。

なお、次の会社においては雇用管理区分ごとの実績を公表している。

山陽特殊製鋼㈱:総合職 75%、一般職該当なし、技術職 58%(いずれも正社員)

黒崎播磨㈱:正社員 48%、嘱託・パート社員 該当者なし

日鉄SGワイヤ㈱:総合職(正社員)85%、製造職(正社員)100%

日鉄プロセッシング㈱:正社員 43%、嘱託社員 該当者なし

日鉄ステンレス鋼管㈱:正社員 50%、非正社員 該当者なし

日鉄物産コイルセンター㈱:総合職 0%、技術職 40%、一般職・嘱託・パート 該当なし

日鉄電磁㈱: 正社員 75%、非正社員 該当者なし

日鉄物産システム建築㈱:総合職 50%、一般職 該当者なし

日鉄スラグ製品㈱:正社員 50%、非正社員 該当者なし

㈱エムエムアイ:正社員 100%、非正社員 該当者なし

日鉄ファーストテック㈱:管理職 100%、執務職 66%、技術職 42%

㈱NSロジ東日本:乗務員・倉庫作業員・一般事務 0%

日鉄ビジネスサービス㈱: 正社員 82%、嘱託社員・パート:該当者なし

日鉄エンジニアリング㈱:チーフ以上 87%、グローバルスタッフ事務 77%、グローバルスタッフ技術 66%、エキスパートスタッフ・嘱託社員 該当者なし

日鉄パイプライン&エンジニアリング㈱ :正社員 66%、正社員以外 該当者なし

日鉄環境エネルギーサービス㈱: 正社員 83%、正社員以外 該当者なし

インフォコム㈱:正規雇用 71%、非正規雇用 100%

日鉄ソリューションズサービスアンドテクノロジー㈱:正社員 75%、非正社員 該当者なし

インフォコムテクノロジーズ㈱:正規雇用 66%、非正規雇用 該当者なし

3 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第2号に定める育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものである。

4 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものである。

各社においては、社員の役割等によって複数の区分を設定しているが、各区分の給与体系及び評価・運用は、男女の別なく全社員同一としている。男女の賃金差異は、主に各区分の構成比、平均勤続年数、勤務形態(三交替勤務等)、管理職比率、勤務時間等の差異により生じている。

なお、次の会社においては、パート・有期労働者について、正規雇用労働者の所定労働時間で換算した人員数を元に平均年間賃金を算出している。

日鉄物産㈱、日鉄物流㈱、日鉄ステンレス鋼管㈱、王子製鉄㈱、日鉄電磁㈱、日鉄関西マシニング㈱、山特工業㈱、NS建材販売㈱、インフォコム㈱、日鉄ソリューションズ九州㈱、日鉄ソリューションズ北海道㈱

5 女性社員は在籍していない。

6 「-」は、当該指標を開示していないことを示している。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、次の通りです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものです。

 

(1)サステナビリティ全般に関するガバナンス及びリスク管理

当社は、日本製鉄グループ企業理念において「常に世界最高の技術とものづくりの力を追求し、優れた製品・サービスの提供を通じて、社会の発展に貢献」する旨を定めており、サステナビリティ課題への対応が当社グループの存立・成長を支える基盤であると認識しています。

当社は、このような認識のもと、取締役会において、安全衛生、環境(気候変動対策を含む)、防災、品質、人材育成やDEI等、サステナビリティ課題におけるマテリアリティ(重要課題)を定め、それぞれの主管部門が中心となって取組みを推進しています。リスク及び機会を含めたこれらの取組み状況については、目的・分野別に副社長を委員長とする全社委員会等で審議した後、経営会議・取締役会に報告されています。また、各分野のリスク管理に関する事項等を含む内部統制全般については、内部統制担当の副社長を委員長とし、四半期毎に開催する「リスクマネジメント委員会」において、取組み状況を審議・確認し、重要事項については経営会議・取締役会に報告されています。当社の取締役会は、これらの仕組みを通じて、経営上の重要なリスク管理の監督を行っています。なお、当社のガバナンスの仕組みについては、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」において記載しています。

 

(2)気候変動対策に関するガバナンス、リスク管理、戦略、指標及び目標

当社は、気候変動対策を経営の最重要課題と位置付け、当社独自の取組みとして「日本製鉄カーボンニュートラルビジョン2050」を公表し、2050年カーボンニュートラルの実現に向けてチャレンジしています。当社グループのCO2排出量は当社が大半を占めることに加え、グループ各社の事業特性により気候変動対策は異なることから、以降は当社の取組みについて記載します。

 

①ガバナンス及びリスク管理

当社は、全社委員会として設置した、環境政策課題を管掌する代表取締役副社長と環境技術課題を管掌する代表取締役副社長が共同して委員長を務めるグリーン・トランスフォーメーション推進委員会において、気候変動に関するリスクの認識、カーボンニュートラル推進に向けた諸施策の進捗確認、方針決定等の報告を行い、審議しています。審議内容のうち、重要な事項については、経営会議・取締役会に報告されています。取締役会は、定期的に報告を受けることにより経営上の重要なリスク管理の監督を行っています。

 

②戦略、指標及び目標

当社は、2050年カーボンニュートラル社会実現に向け、2021年3月に「日本製鉄カーボンニュートラルビジョン2050」を公表しました。当社は、2050年カーボンニュートラルの実現にチャレンジし、「社会全体のCO2排出量削減に寄与する高機能鋼材とソリューションの提供」及び「鉄鋼製造プロセスの脱炭素化によるカーボンニュートラルスチールの提供」という2つの価値を提供することで、サプライチェーンでのCO2削減の実現を目指します。

 

 


 

 

当社は、2050年カーボンニュートラルの達成に向けて、2030年にCO2排出量を2013年比30%削減する目標を掲げています。これについては、大型電炉での高級鋼製造、高炉水素還元(COURSE50)、既存プロセスの低CO2化、効率生産体制構築等により実現を目指しています。

2050年に向けては、大型電炉による高級鋼の量産製造、Super COURSE50等の高炉水素還元法の開発を通じたCO2排出の抜本的削減、水素による還元鉄製造等の超革新的技術にチャレンジし、CCUS等によるカーボンオフセット対策等も含めた複線的なアプローチでカーボンニュートラルを目指します。

 


 

 


 


 

なお、CO2排出量の前期の確定値及び当期の暫定値については、2026年9月頃発行予定の統合報告書で開示する予定としています(https://www.nipponsteel.com/ir/library/annual_report.html)。

 

 

これらの取組みを通じて、当社が提供する「社会全体のCO2排出量削減に貢献する製品・ソリューション技術」を総称するブランドとしてNSCarbolex®を立ち上げています。NSCarbolex®は、当社が提供する2つの価値を表すNSCarbolex® Neutral と NSCarbolex® Solutionの2つのブランドにより構成されます。

「NSCarbolex® Neutral」は、当社が実際に削減したCO2排出量をプロジェクト毎に把握し、マスバランス方式を活用して任意の製品に割り当てた鉄鋼製品で、この排出削減量、任意の製品への割当量は、ともに第三者機関の保証を受けたものです。社会における脱炭素ニーズが急速に高まるなか、いち早く脱炭素化に取り組むことは、お客様の競争力を高めることに繋がるものと考えています。当社は、NSCarbolex® Neutralの安定的な供給体制を早期に構築することで、お客様の脱炭素化に貢献していきます。

また、「NSCarbolex® Solution」は、社会におけるCO2排出量削減に寄与する高機能製品・ソリューション技術です。自動車の製造時・走行時のCO2排出量削減に寄与する「NSafe®-AutoConcept」、モーターの高効率化や送配電網におけるエネルギーロス削減に寄与する「高効率電磁鋼板」、建設現場の生産性向上等に寄与する建材ソリューションブランド「ProStruct®」、水素社会の実現に寄与する高圧水素用ステンレス鋼「HRX19®」などの高機能製品・ソリューション技術を通して、社会の様々な場面においてCO2排出量の削減に貢献していきます。

 


 

 

(3)人的資本に関する戦略、指標及び目標

①戦略
a.人的資本経営方針

当社グループは「常に世界最高の技術とものづくりの力を追求し、優れた製品・サービスの提供を通じて社会の発展に貢献する」ことを基本理念に掲げています。また、経営理念において「人を育て活かし、活力あるグループを築きます。」と掲げ、人材育成を経営の重要な基盤と位置づけ、従来から継続的に取り組んできました。

こうした考えのもと、人への継続的な投資を通じて、社員一人ひとりが持つ潜在力や専門性を最大限に引き出し、自律的な成長と挑戦を促すことが、グループ全体の生産性および競争力の向上につながり、経済的・社会的価値の創出、ひいては持続的な企業価値の向上を実現すると考えています。

上記経営理念の実現に向けて、2026 年度からの「2030 中長期経営計画」では、一段と厳しい経営環境を想定し、国内事業のさらなる収益基盤強化と海外事業でのグローバル成長戦略の実行により、世界No.1の鉄鋼メーカーへの復権を果たすことを目指しています。

国内における労働人口の減少や人材の流動化等の社会情勢の変化が進むなか、上記経営計画を確実に実行するためには、経営戦略と人事戦略との緊密な連携が欠かせません。これらを着実に実行するための人事施策として、1)業務刷新・効率化や自動化・機械化・配置合理化等の推進による「生産性向上」に取り組むとともに、2)人材の積極的な海外派遣等による海外で活躍できる人材の育成、及び多様な人材を確保・活躍推進させると同時に、社員一人ひとりが自律的に学び、成長できる環境を整備する成長支援を通じた「人材育成・活躍推進」に取り組むこととしています。これにより、個の力の強化および組織パフォーマンスの最大化を図り、当社グループの持続的成長を実現するための人材競争力強化を目指しています。

 

 

<人的資本経営の考え方(価値創造プロセス)>


 

b.人材育成及び社内環境整備に関する方針

近年の人口減少による採用競争の激化や個人のキャリア観の多様化・労働市場の流動化等の大きな環境変化等を人的資本に関する主要なリスクと認識しています。当社経営戦略の実現に向けては、人材育成と従業員のさらなる活躍推進が極めて重要であり、人材の確保・育成及び多様な人材の活躍推進、並びに生産性の向上に向けた各種施策により対応し、持続的な競争力の確保に努めています。

当社グループでは人材の育成と活躍を推進すべく、人材の多様化を引き続き推進するとともに、海外派遣を含むグローバル人材育成施策のさらなる充実に取り組んでいます。合わせて、業務刷新・効率化を含む生産性向上施策も実行し、社員一人ひとりの個の力を強化し、組織パフォーマンスを最大化することを目指しています。

当社グループでは、事業戦略を共有しグループ一体となった経営を行いつつも、人材育成及び社内環境整備に向けた具体的な取組みついては、グループ各社の事業特性を踏まえて実施しているため、以降は当社の取組みについて記載します。

 

1)人材の育成

ⅰ)人材育成方針

当社では人材育成基本方針として、人材育成における上司の役割の重要性及びOJT(On the Job Training)が人材育成の基本であるとの位置づけを社内に明示し、上司・部下間の対話を基軸とした人材育成を行っています。

 


 

また、企業理念や経営方針に基づく組織戦略をもとに、人材育成を効果的に実行し定着していくために、「人材育成PDCA」を定めています。個人別の育成計画を策定し、上司・部下間のアサイン・コミットメント(アサコミ)シートによる対話を基軸としたOJTを行っています。2025年度からは、対話の実効性のさらなる向上を企図してアサコミシートを見直すとともに、上司・部下間の1on1も開始しており、上司・部下間の対話の質・頻度をさらに高めることで、社員の主体的・自律的な能力の伸長と最大発揮につなげています。こうした仕組みを通じて、各組織の戦略を遂行できる人材を計画的に育成しています。

 

 

ⅱ)グローバル人材育成

当社は海外の重点地域での積極的な設備投資を通じ、国内で培ってきた技術やノウハウを海外拠点へ移転することで、海外事業の利益拡大を図ることとしています。こうしたグローバル成長戦略を着実に実行するため、成長分野への人材の集中的な投入や海外事業への積極的な配置活用、さらには海外派遣等を通じて、グローバル人材育成を強化していきます。

これに向けた基盤整備として、語学を含む国際教育や派遣者教育の強化を進めるとともに、海外事業への派遣者拡大による社員の成長機会の創出を図っています。現在、海外派遣者は約400名ですが、今後さらなる拡大を目指しており、20代からの積極的な海外派遣を通じて早期からグローバルな経験を積むことで、将来の中核人材としての育成を進めています。

 


 

ⅲ)DX人材育成

当社は、業務刷新・効率化を含む生産性向上施策の実行を通じて、社員一人ひとりの個の力を強化し、組織パフォーマンスの最大化を目指しています。その一環として、「データサイエンス教育」と「デジタル・マネジメント教育」の両面からDX人材育成に取り組んでいます。

「データサイエンス教育」においては、データサイエンス知識レベルに応じて、エキスパートデータサイエンティスト、シチズンデータサイエンティスト、データサイエンスユーザーの3つの区分を設定しています。

スタッフ系社員全員がデータサイエンスユーザー以上となること、また各職場のスタッフの20%以上がシチズンデータサイエンティストとなることを目標に教育を推進しています。

データサイエンスユーザーについては、合併等により新たに社員となったスタッフも含め、継続的に教育を実施しています。シチズンデータサイエンティストについては、2025年度末までに全スタッフの10%程度が認定されており、2030年度末までに20%の認定を目指しています。「デジタル・マネジメント教育」においては、各職場においてDX施策を推進する管理職として必要なマインド及びリテラシーの習得を目的に、課長・主査・係長以上の全管理者を対象とした教育を実施しており、今後も、DX人材育成を通して当社のDX推進を加速させていきます。

 


 

 

ⅳ)成長支援

対話・コミュニケーションの促進や、中堅・若手社員の海外派遣等の挑戦や成長の機会付与を通して、従業員のエンゲージメント向上施策を強化しています。加えて、社員が自律的に学ぶオンデマンド学習メニューを拡充しており、各人の成長支援につなげています。

配置・育成施策としては、2023年度より社内公募・社内起業制度を開始しています。社内公募では従業員のキャリア形成を支援するとともに、新しい視点やスキルを持つ人材が異動することにより、組織全体の活性化につなげています。また、社内起業では起業を通じた人材の育成に加えて、既存の枠組に囚われず新しい仕事にチャレンジする風土の醸成等を意図しています。

 

 

2)人材の多様化

ⅰ)人材確保

これまで実施している安定的な新卒採用や、高い専門性を有する博士人材を活用するポスドク研究員の採用等に加えて、アルムナイ採用を含む積極的な経験者採用を実施する等、採用の多様化を進めています。

こうした多様な人材の確保を一層促進するため、学生等の求職者のみならず、幅広い世代での当社認知度向上に向けた広報施策も展開しています。


 

また、2024年度から毎年、初任給の引き上げを実施しており、従業員の処遇条件についても、足元の物価上昇を上回る改訂を3年続けて実施しました。引き続き製造業トップクラスとなる一流の処遇水準を維持することで、人材の確保や従業員の一層の定着を目指しています。

 

ⅱ)DEI推進

人材が活き活きと働くための社内環境整備として、当社では、様々な事情を抱える多様な印材が65歳まで生産性高く誇りをもって活躍できる働き方の実現を目指し、DEIの取組みを推進しています。当社では、この取組みを強化すべく、3つの領域を定め、各種施策の推進を図っています。


 

 

a)多様な働き手・働き方

上記ⅰ)に記載の多様な働き手の確保に加えて、多様な属性・事情を抱えるすべての人材が、有限である時間を最大限有効に活用し、個々人の能力を最大限発揮するという観点から、より柔軟で多様な働き方の実現を追求しています。テレワークの活用に加え、各種勤務制度の拡充に取り組んでいます。これまで単身赴任者に関わる制度の拡充や、育児・介護等のため短時間勤務を利用する社員について、フレックス勤務の適用を可能とする制度改定等を行っており、社員がさらに活き活きと生産性高く持てる力を最大限発揮する働き方を追求することで、生産性の向上及びワークライフバランスの実現を目指しています。

また、個々の事情に合わせた柔軟な休み方の実現に向けた環境整備も進めています。年次有給休暇の取得促進に加え、育児期の子を持つ男性社員の積極的な育児参画を促す観点から、配偶者が出産した男性社員全員に、育児休業・関連休暇の取得を推奨する取組みを進めています。さらに、高齢化が進展するなかでの仕事と介護の両立支援制度や様々な用途で利用できる失効年休積立て制度等を設けるとともに、社員が制度を利用し易い風土の醸成にも努めています。今後は制度の実効性最大化に向けた取組みを加速すべく、男性育児休業の取得日数拡大や、休暇・休業取得支援の取組み(多能工教育等の職場運営、人員補充推進等)を進めていきます。


 

 

 

b)ジェンダー平等

従来から法定水準を上回る制度の導入や24時間対応可能な保育所等、女性従業員が働きやすい労働環境を整備するとともに、採用の拡大に取り組んできました。より一層のジェンダー平等に向けて、女性管理職数の中長期目標を設定し、キャリア研修や女性先輩社員とのオンラインによる交流企画の実施、ライフイベントを見越した育成施策の充実、社内の風土醸成のためのダイバーシティマネジメント及びアンコンシャスバイアスに関わる教育等を進めています。

 

c)基盤整備

基盤整備の取組みとしては、健康推進、組織風土・文化・風通し、エンゲージメント向上の観点で各種取組みを実施しています。その時々の様々な課題に応じて、従業員へのアンケートや各種調査等を継続的に実施し、定点観測を通じて課題や改善点を把握することで、施策の見直し・反映・充実化を図り、組織内の風通しの向上につなげています。

 

②指標及び目標

上記人事戦略を着実に推進するため、ジェンダー平等、多様な働き手・働き方、人材育成等に関するKPIを設定し、取組みを加速しています。今後も人的資本に関する主要指標について定期的にレビューし、必要に応じて内容の見直しを行います。

なお、当社グループではグループ各社の事業特性を踏まえた各々の取組みを実施しており、連結グループとしての目標設定は実施していないため、当社の指標及び目標を記載します。

 

指標

2023年度

2024年度

2025年度

目標

女性管理職数() *1

65

70

93

2026年4月1日
時点111

2030年までに
2020年(36名)の
4~7倍

有給休暇取得率()

86.2

80.0

81.5

75以上

男性の育児休業取得率()

66

77

88

 *2

男性の育児休業と育児目的休暇を
合わせた取得率()

100

100

100

100

教育訓練時間時間/人・年)

[万時間/年・総計]

35

[99]

33

[94]

30

[97]

 *2

 

*1 各年度の昇格実施日現在の数値である。

*2 定量目標を設定していない。