2026.02.09更新

ストーリー・沿革

価値創造に関する情報ソースがAIによって要約されています。 情報ソース: 統合報告書2025

サマリ

日本冶金工業は、関東大震災を契機とした消火器メーカーから出発し、「合金類の国産化」に挑んでステンレス鋼・高ニッケル高合金を育ててきた企業です。大江山製造所のクルップ・レン法によるフェロニッケル製造と川崎製造所の一貫生産体制を武器に、腐食や高温に強い高機能材をエネルギー・環境・水・半導体・自動車など世界のインフラへ供給しています。現在は高機能材の拡販とカーボンレス操業技術を両輪に、「2030年の目指す姿」として高機能材のグローバルトップを掲げ、2050年カーボンニュートラルに向けたプロセス革新に挑戦しています。

目指す経営指標

・2030年度までに自己資本1,000億円以上を長期経営目標とし、PBR1.0倍以上を念頭に時価総額1,000億円超を目指す。
・「目指す姿」を実現するための原資として、「EBITDA200億円以上」「ROE10.0%以上」を継続的に確保する収益力を目標とする。
・現中期経営計画2023において、高機能材部門売上高比率を2025年度目標50%以上と設定。・重要課題KPIとして、CO2排出量削減率(2013年度比・単体)を2025年度に54%とする目標を掲げ、2030年度46%削減の前倒し達成を計画。
・2050年度にCO2排出量実質ゼロ(単体Scope1+2)、NASグループ全体でカーボンニュートラル実現を目標とする。
・年間100億円規模の設備投資を継続し、高機能材生産量拡大やカーボンニュートラル対応、DX・IT、人材への投資を通じてROEが資本コストを上回る水準を維持する。

用語解説

■ステンレス鋼
鉄にクロムなどを加えてサビにくくした鋼のことです。水や酸などに強く、キッチン用品から建材、プラント設備まで幅広く使われます。

■高ニッケル高合金
ニッケルを多く含む合金で、普通のステンレス鋼よりも高い耐食性や耐熱性を持つ材料です。化学プラントや発電設備など、特に過酷な環境で使われる部材に用いられます。

■フェロニッケル
ニッケルと鉄の合金で、ステンレス鋼を作るときの主な原料のひとつです。ニッケル鉱石から製造され、溶解工程で加えることでステンレス鋼の性能を高めます。

■高機能材
ステンレス鋼や高ニッケル高合金の中でも、特に耐食性・耐熱性・強度などの性能を高めた付加価値の高い材料の総称です。エネルギー設備や化学プラント、海水関連設備など、厳しい条件で使われる重要部材として位置づけられています。

■一貫生産体制
原料の調達から溶解、圧延、熱処理、仕上げまでの工程をグループ内の拠点で一気通貫に行う体制です。他社に工程を委託せずに完結できるため、品質管理の徹底やコスト競争力の確保につながります。

■クルップ・レン法
ニッケル鉱石などの低品位鉱石からフェロニッケルを製造するための製錬方法の一つです。回転炉などを用いて鉱石を還元し、有用金属を取り出すプロセスで、日本冶金工業の大江山製造所の特徴的な技術となっています。

■火工品事業
火薬や信号・救難用の火工品など、点火や爆発の力を利用した製品を扱う事業です。日本冶金工業は創業期にこの事業を通じて技術基盤を高め、その後の合金事業へと発展させてきました。

■排煙脱硫装置
火力発電所や工場の排ガスに含まれる硫黄酸化物(SOx)を取り除くための設備です。内部でガスと液体を反応させて有害成分を除去し、大気汚染を抑える役割を担います。

■海水淡水化設備
海水から塩分や不純物を取り除き、飲料水や工業用水として使える真水をつくる設備です。高い腐食性を持つ海水に常に触れるため、耐食性に優れたステンレス鋼や高ニッケル高合金が多く使われます。

■都市鉱山由来のリサイクル原料
使用済み家電や自動車、電子機器など、都市で廃棄される製品に含まれる金属資源を「鉱山」に見立てた考え方です。ここから回収したスクラップや金属を原料として再利用することで、資源の有効活用と環境負荷の低減を図ります。

■カーボンレス操業技術
製造プロセスで発生する二酸化炭素(CO2)をできるだけ出さない、あるいは大幅に減らすための操業技術です。電炉化や省エネ設備、原料の見直しなどを組み合わせて、CO2排出量の削減を目指す取り組みを指します。

■カーボンニュートラル
自社の活動で排出する温室効果ガスを、削減や吸収・オフセットによって差し引きゼロの状態にすることです。日本冶金工業は2050年にCO2排出量実質ゼロ(単体Scope1+2)を目標に掲げています。

■資源循環型社会
一度使った資源を廃棄せず、リサイクルや再利用によって繰り返し使うことを前提とした社会の姿です。金属スクラップなどを原料として活用することで、資源の枯渇や廃棄物の増加を抑えることを目指します。

■中期経営計画2023
数年単位の期間を対象とした経営計画で、日本冶金工業が2023年度を起点として掲げている中期的な戦略と数値目標のまとめです。高機能材の拡大や設備投資、財務指標の目標などが整理されています。

■エネルギー原単位
製品1トンあたりなど、一定量の生産に必要なエネルギー使用量を示す指標です。この値を下げることは、省エネの進展やCO2排出量削減につながります。

■水素供給チェーン
水素を「つくる」「運ぶ」「貯める」「使う」までの一連の流れ全体を指す言葉です。製造拠点から需要家までのパイプラインやタンク、発電設備などがつながることで、水素エネルギーを社会に供給する仕組みになります。

■アンモニア・合成メタン
水素を利用して作られるエネルギーキャリアや燃料の一種です。アンモニアやCO2から合成したメタンは、既存の燃焼設備やガスインフラを活用できるため、カーボンニュートラルなエネルギーとして注目されています。

■EBITDA
「Earnings Before Interest, Taxes, Depreciation and Amortization」の略で、日本語では「利払前・税引前・減価償却前利益」と訳されます。本業でどれだけキャッシュベースの利益を稼いでいるかを見る指標で、投資能力や収益力の評価に使われます。

■ROE
「Return on Equity」の略で、日本語では「自己資本利益率」と呼ばれます。株主から預かった資本を使って、どれだけ効率よく利益を生み出しているかを示す指標で、一般的に高いほど資本効率が良いとされます。

■PBR
「Price Book-value Ratio」の略で、日本語では「株価純資産倍率」と呼ばれます。1株あたり純資産に対して株価が何倍で取引されているかを示す指標で、企業の株式が帳簿上の資産と比べて割安か割高かを見る目安になります。

■Scope1+2
企業の温室効果ガス排出量を測る枠組みのうち、自社工場や設備から直接出る排出(Scope1)と、購入した電力・熱などの使用に伴う排出(Scope2)を合わせた範囲を指します。日本冶金工業はこの範囲でCO2排出量実質ゼロを目標にしています。

■高機能材のグローバルトップ
高機能材分野で、世界市場においてトップクラスの存在になることを目指す日本冶金工業の長期ビジョンです。単に売上規模だけでなく、技術力や品質、顧客からの信頼を含めた総合的な評価でトップを狙うという意味合いがあります。
2026年3月期有価証券報告書より

沿革

 

2【沿革】

1925年8月

中央理化工業株式会社を設立し、消火器の製造販売開始

1928年9月

商号を日本火工株式会社と改称し、火薬火工品の製造販売開始

1936年2月

川崎製造所稼動、特殊鋼・軽合金及びステンレス鋼の製造販売開始

1942年6月

東京・大阪取引所に株式上場

1942年9月

商号を日本冶金工業株式会社と改称し、火薬火工部門を昭和火薬株式会社へ譲渡

1943年12月

大江山ニッケル工業株式会社を合併し、ニッケル鉱石の採掘並びにフェロニッケル製錬事業を継承

1948年8月

東亜精機(株)(現・ナストーア(株))設立

1953年5月

三信特殊線工業(株)(現・日本精線(株))、当社グループ会社となる

1954年11月

(株)上野半兵衛商店(現・ナス物産(株))、当社グループ会社となる

1956年8月

金沢工場ステンレス鋼鋳造品の生産販売開始

1960年2月

川崎製造所冷間圧延機(ゼンジミアミル)稼動

1960年10月

(株)ナスステンレス製作所(ナスステンレス(株))設立

1965年3月

川崎製造所連続鋳造設備稼動

1966年4月

川崎製造所熱間圧延機(プラネタリーミル)稼動

1968年2月

川崎製造所60屯電気炉稼動

1973年9月

(株)三国鋼帯製造所(現・ナス鋼帯(株))、当社グループ会社となる

1975年12月

フェロニッケル製錬部門を分離して、新設の大江山ニッケル株式会社へ譲渡

1977年9月

川崎製造所60屯アルゴン酸素炉外精錬設備(AOD)稼動

1983年10月

大江山ニッケル株式会社を合併し、大江山製造所とする

1989年6月

川崎製造所冷間圧延設備新鋭化計画完了

1996年1月

川崎製造所冷間圧延製品ISO9002の認証取得

1996年4月

川崎製造所新熱間圧延機(NCHミル)稼動

1999年3月

川崎製造所冷間圧延製品ISO14001の認証取得

1999年9月

金沢工場閉鎖、ステンレス鋼鋳造品の生産販売より撤退

2001年8月

行川アイランド(遊園地)を閉園

2001年11月

大江山製造所フェロニッケル製造ISO14001の認証取得

2003年3月

ナスステンレス(株)の全株式を譲渡

2003年4月

川崎製造所、大江山製造所を分社し、(株)YAKIN川崎、(株)YAKIN大江山を設立

2003年11月

日本精線(株)の株式の一部を譲渡し、持分法適用会社の対象外となる

2005年3月

日本冶金工業連合厚生年金基金解散

2007年12月

(株)YAKIN川崎アルゴン酸素真空精錬設備(AVS)稼動

2010年4月

(株)YAKIN川崎、(株)YAKIN大江山、ナスビジネスサービス(株)を吸収合併

2014年3月

ナストーア溶接テクノロジー(株)の全株式を譲渡

2022年1月

川崎製造所高効率電気炉設備(E炉)稼働

2022年4月

東京証券取引所の市場区分見直しにより市場第一部からプライム市場へ移行

2024年12月

川崎製造所新冷間圧延機稼働

2025年8月

創立100周年

 

 

関係会社

 

4【関係会社の状況】

名称

住所

資本金

(百万円)

主要な事業の内容

議決権の所有又は被所有割合(%)

関係内容

(連結子会社)

ナストーア(株)

東京都

中央区

100

ステンレス鋼及び高機能材の溶接鋼管の製造ならびに販売

100.00

・当社役員1名、従業員2名が当該子会社の役員を兼任しております。

・当社の製品を素材として購入しております。

・資金の援助

・資金の活用

ナス鋼帯(株)

大阪市

中央区

682

ステンレス磨帯鋼の製造ならびに販売

100.00

・当社役員1名、従業員2名が当該子会社の役員を兼任しております。

・当社の製品を素材として購入し、一方製造加工を受託しております。

・資金の活用

ナス物産(株)

東京都

中央区

785

ステンレス鋼、特殊鋼及び加工品の販売ならびに加工

100.00

・当社役員1名、従業員2名が当該子会社の役員を兼任しております。

・当社の製品の販売代理店であり、当社グループにおける商品・製品販売、原料購入の取扱商社であります。

・当社に対し、梱包用資材販売等を行っております。

・資金の活用

クリーンメタル(株)

千葉県

八千代市

200

ステンレス鋼、特殊鋼及び加工品の販売ならびに加工

100.00

・当社役員1名、従業員2名が当該子会社の役員を兼任しております。

・当社より製品の一部を仕入、販売しております。

・当社より土地、建物の一部を賃借しております。

ナスエンジニアリング(株)

東京都

中央区

102

設備設置工事、他エンジニアリング事業

100.00

・当社役員1名、従業員2名が当該子会社の役員を兼任しております。

・当社より設備設置工事を受託しております。

・資金の活用

 

 

名称

住所

資本金

(百万円)

主要な事業の内容

議決権の所有又は被所有割合(%)

関係内容

ナステック(株)

神奈川県

川崎市

川崎区

100

特殊鋼、ステンレス鋼の製造・加工に係わる作業受託業務

100.00

・当社役員2名、従業員2名が当該子会社の役員を兼任しております。

・当社より製造作業を受託しております。

・当社より工場設備の一部を賃借しております。

・資金の活用

宮津海陸運輸(株)

京都府

宮津市

32

港湾運送、貨物自動車運送、通関業ならびに加工砂の販売

100.00

・当社役員1名、従業員3名が当該子会社の役員を兼任しております。

・当社より荷役作業を請負っております。

NAS TOA(THAILAND)
CO.,LTD.

タイ国

220百万

バーツ

ステンレス鋼管及び加工品の製造販売

99.99

(99.99)

[0.00]

・当社役員1名が当該子会社の役員を兼任しております。

・当社の製品を素材として購入しております。

南鋼日邦冶金商貿

(南京)有限公司

中国

10百万

ステンレス鋼、特殊鋼及び加工品の販売ならびに委託加工

60.00

・従業員2名が当該子会社の役員を兼任しております。

・当社の製品を素材として購入しております。

(持分法適用関連会社)

三豊金属(株)

 

岡山県

岡山市

北区

20

ステンレス鋼及び非鉄金属材料の販売ならびに加工

49.00

(49.00)

・当社より製品の一部を仕入、販売しております。

 

(注) 1.連結子会社のうち、ナス物産(株)は特定子会社であります。

2.議決権の所有割合の( )内は、間接所有割合で内数であります。

3.議決権の所有割合の[ ]内は、緊密な者又は同意している者の所有割合で外数となっております。

4.ナス物産(株)は、連結売上高に占める売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く。)の割合が10%を超えております。

主要な損益情報等

 

 

 

(1)売上高

38,142

百万円

(2)経常利益

665

(3)当期純利益

521

(4)純資産額

10,229

(5)総資産額

26,793