人的資本
OpenWork(社員クチコミ)-
社員数2,578名(単体) 4,522名(連結)
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平均年齢39.4歳(単体)
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平均勤続年数17.6年(単体)
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平均年収7,632,000円(単体)
従業員の状況
5 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況
2025年3月31日現在
(注) 従業員数は就業人員数(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含む。)であります。なお、臨時従業員数(パートタイマー及び嘱託契約の従業員を含む)は、当連結会計年度の平均人員を( )外数で記載しております。
(2) 提出会社の状況
2025年3月31日現在
(注) 1 従業員数は就業人員数(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)であります。なお、臨時従業員数(パートタイマー及び嘱託契約の従業員を含む)は、当連結会計年度の平均人員を( )外数で記載しております。
2 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
(3) 労働組合の状況
① 提出会社の労働組合は、愛知製鋼労働組合と呼称し、日本基幹産業労働組合連合会に加盟しております。
② 2025年3月31日現在の組合員数は2,246名であります。
③ 会社と労働組合の間に特記すべき事項はありません。
(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
① 提出会社
(注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
3 労働者の男女の賃金の差異についての補足説明
・当社の給与制度及び評価制度において、性別による差異はありません。
<正規雇用労働者について>
・勤続年数に男女で差があること(男性18.0年、女性14.0年)や基幹職の女性比率が1.8%であることなど
から全体で見た場合、差異はありますが、等級、勤続年数、職種、学歴などの性別以外の条件が同じ場
合、基本賃金での差異はありません。
・主に大卒者の職種である総合事技職と業務職の2つの職種について、総合事技職の方が給与水準は高い設
定になっておりますが、総合事技職の女性比率が16.6%、業務職の女性比率が100%となっております。
なお、職種は採用時に本人の希望に沿って決まり、入社後には職種転換制度(条件あり)も利用すること
ができます。
<パート・有期労働者について>
・男性は正社員から定年を迎えた再雇用者が多く、給与水準が比較的高い傾向にあります。
・パート労働者はほとんどが女性であり、週所定労働時間や1日の所定労働時間をフルタイムに換算せず、
実数値で算出しております。
② 連結子会社
(注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)
2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) サステナビリティに関する考え方
当社グループは「国際的視野に立ち、活力に溢れ、信頼される企業体質をもとに、魅力ある商品を提供することによって社会に貢献する」という経営理念に基づき、事業活動を通じて持続可能な社会の実現に貢献することが、中長期的な企業価値の向上につながると考えています。その実現に向け、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、2030年ビジョンの基本方針として「事業とモノづくり力の変革で収益力を向上させESG経営を実践」を掲げ、サステナビリティ活動を積極的に推進しています。
特に気候変動に対しては、多くのエネルギーを使用する電炉会社として重要な経営課題と認識し、「環境に一番優しい鉄屋」を目指し、重点的に取り組んでいます。
また、当社グループは人的資本が価値創造の源泉であるとの認識に基づき、これまでも人を大切にする経営に取り組んできましたが、更なる人的資本経営の高度化を目指し、多様性の推進、人材育成、社員の健康・安全の確保に向け、気候変動と同様に重要な経営課題と認識し重点的に取り組んでいます。
(2) ガバナンス
経営に重大な影響を及ぼすサステナビリティ全般に関するリスク・機会への対応方針・取り組み状況・事業戦略は、業務執行における最上位の意思決定機関であり、経営に関わる重要事項を審議する「経営トップミーティング(原則月2回開催、議長:取締役社長)」で議論・審議しています。取締役会はその報告を受け、特に重要案件は審議することで監督機能を果たしています。2024年度には、全社横断したサステナビリティ施策を企画、推進するサステナビリティ推進室を設置し、サステナビリティに関する更なる取り組みの充実を図っています。
(気候変動への対応)
地球環境会議(年2回開催、議長:取締役社長)では、気候変動や資源循環をはじめとした自然資本に関わる戦略の実行や活動の進捗を管理しており、その内容は経営トップミーティング及び取締役会にて報告されています。また、地球環境会議の下に6つの分科会を設置し、担当範囲を明確にすることで効率的・重点的に活動を推進しています。経営トップミーティングでは気候変動への対応方針・戦略、CO2排出削減目標計画の策定・見直しなどを審議・決定しています。
(人的資本経営)
社外役員が過半数を占める任意の役員報酬・人事案策定委員会(年3回開催、委員長:社外取締役)における経営陣幹部のサクセッションプラン、HRコミッティ(年2回開催、議長:取締役社長)における経営視点での人事課題などの議論を経て、経営トップミーティングにて人材戦略及び具体的な課題や施策(組織の新設・改編、主要ポストの任免、重要な人事施策の新設・改廃など)に関する検討・決議、進捗状況の共有を行っています。特に人材戦略や経営陣幹部の選任については、取締役会で検討・決議することで監督機能を確保しています。
(サステナビリティのガバナンス体制図)
(3) リスク管理
当社グループではリスク管理体制や、事前の予防対策、緊急事態発生時の対応などを定めた「危機管理規程」を制定し、想定されるさまざまなリスクに備えています。危機管理最高責任者であるCRO(チーフリスクオフィサー)はリスクマネジメント本部長が担当し、平素の予防管理の推進及び危機事象の予見/発生時の対応を推進しています。
リスク管理のプロセスにおいては、各部門・グループ各社が現場で各種施策を立案する際に、業態、事業特性及び社会状況からサステナビリティを始めとしたリスクを抽出しています。抽出されたリスクは各種業務推進会議等にて報告され、影響度・発生頻度・時間軸などから経営に重大な影響を及ぼすリスクを特定、重要度を評価しています。経営に重大な影響を及ぼすリスクは経営トップミーティングにおいて、対応策と管理指標を設定し、経営計画に落とし込み、継続的な監視と予防・軽減策を実施しています。取締役会では経営計画の審議、定期的な執行状況と管理指標の進捗を確認することで監督機能を果たしています。
万が一リスク事象が発生または予見される際には、対策本部を設置し、被害の未然防止、最小化、早期収束に向け、社内外関係先とも連携のうえ、対処することとしています。
(リスク管理プロセス)
(4) 戦略と指標・目標
当社は、サステナビリティを経営の軸に据えた2030年ビジョンを策定し、「事業とモノづくり力の変革で収益力を向上させESG経営を実践」を基本方針に「持続可能な地球環境への貢献」「事業の変革で豊かな社会を創造」「従業員の幸せと会社の発展」という3つの経営指針に基づき、事業活動を推進しています。
その実現に向けて優先的に取り組むべき経営重要課題であるマテリアリティとして掲げ、SDGsにおける169のターゲットを整理・紐づけし、重要課題KPIとして具体的な指標と目標を設定することで、計画的に実行しています。各指標の進捗状況は各業務推進会議でモニタリングすることで、必要に応じ迅速な活動の改善を図っています。
(指標・目標と実績)
(注)気候変動への対応及び人的資本経営の指標・目標は下記の「気候変動への対応」及び「人的資本経営」に記載しています。
(気候変動への対応)
当社は2021年に「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」に賛同表明し、2022年よりTCFDフレームワークに基づき、情報開示を実施しています。戦略においては、気候変動による事業への影響の把握と気候関連リスク・機会に対応するため、シナリオ分析を実施しました。
1.5℃シナリオでは主要顧客である自動車業界のCASE進展、鉄鋼業界への脱炭素化要求などはリスクであると同時に、次世代電動アクスル部品、電子部品などの電動車向け部品の拡大や自動運転支援システムの普及拡大など新たなビジネス機会の創出につながることを認識しました。4℃シナリオでは自然災害等によるサプライチェーンへの影響を改めて確認しました。
上記の結果を踏まえ、引き続き脱炭素に貢献する技術・製品の開発・製造・販売を進めるとともに、サプライチェーンの強靭化やステークホルダーとのコミュニケーションの強化に努めていきます。
■参照シナリオ
■シナリオ分析結果
① CO2排出量削減目標
当社の事業活動におけるCO2排出量を「2030年までに50%削減(2013年度比)及び2050年までにカーボンニュートラルの実現に挑戦」と目標を掲げ、その実現と前倒し達成に向け、取り組んでいます。
(注) 1 排出量は全て提出会社のScope1、Scope2の合計値
2 「エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律」(資源エネルギー庁)及び契約電力会社の各年度の排出係数に基づき算定。2023年度よりSGSジャパン株式会社による独立した第三者検証を取得しています。
3 2024年度の排出量は、2025年5月末時点の速報値です。実排出量については2025年9月に第三者検証を取得予定です。
② 実現に向けたロードマップ
上記の目標の実現に向けて「①省エネの深化・追求」「②再生エネルギーの活用」「③脱炭素技術の開発・導入」を軸に活動を推進しています。
上記の戦略に関する指標及び実績は次のとおりです。
(集計範囲)提出会社
(算定方法)「エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律」(資源エネルギー庁)及び契約電力会社の各年度の排出係数に基づき算定しています。2024年度の排出量は、2025年5月末時点の速報値です。実績排出量は「愛知製鋼統合レポート」にて公表しており、2024年度実績を記載した「愛知製鋼統合レポート2025」は2025年9月発行を予定しています。
(https://www.aichi-steel.co.jp/ir/library/integrate_report/)。
(注)集計値の見直しと係数等の変更に伴い、過年度数値を遡及して修正しています。
(人的資本経営)
当社は、社員が幸せを感じられる「価値ある会社人生」を追求することが、結果として会社の成長につながると考え、従来から「人を大切にする経営」を実践しています。2030年ビジョンでは経営指針の一つとして「従業員の幸せと会社の発展」を掲げ、その実現に向けた人材への投資を積極的に行っています。
① ダイバーシティ&インクルージョン
多様な属性や、感性・能力・価値観・経験を持った社員が、互いに認め合い、相互研鑽して能力を発揮することが、新たな価値創出につながると考えています。そのための人材確保・育成や社内環境整備の充実に取り組んでいます。
a.女性の活躍支援
定期採用においては、従来から女性の採用比率目標を設定して積極的な採用を実施しています。また、研修などを通してキャリア形成を支援するとともに、ライフイベントと仕事の両立をサポートするための、育児支援制度や介護支援制度を軸とした「ナイスファミリー制度」に加え、「コアタイムのないフレックスタイム勤務」「在宅勤務制度」などを導入しています。加えて職場や上司の理解を促進し性別に関係なく育児休業を取得しやすくするため、全ての基幹職に対して育児支援制度に関するe-Learningを実施するなど、意識面への取り組みにも注力しています。
b.シニアの継続的な活躍
労働力人口の減少や現場力の維持・向上などの観点から、シニア社員(60歳以上)のパフォーマンスを最大限に引き出すことが重要と考えています。当社では、定年退職後から年金受給開始までの期間、希望者全員が継続して働くことができる「ナイスシニア制度」を設けています。安心感と高い意欲を持って働き続けられるよう労使で議論しながら、作業環境の整備や処遇の見直しを実施しています。また、今後のキャリアプランや働く意義をあらためて考える機会として、55歳到達者を対象に「働き方」や「退職金と年金」「健康と食生活」などをテーマとしたセミナーを開催するなど、シニア社員の自律的なキャリア形成に向けた取り組みも実施しています。
c.障がい者のイキイキ職場拡大
計画的な定期・中途採用を実施するとともに、障がいのある従業員が、製造現場や事務部門など幅広い職場で活躍できるよう、さまざまな施策に取り組んでいます。仕事への意欲や個人ごとに異なる特性と業務内容の適性を重視し、職場実習や面談を重ねたうえで、配属職場を決めています。配属後も、本人との定期面談や受入職場へのフォローなどの支援や配慮を「障がい者職場生活相談員」が中心となり実施するなど、能力を最大限に活かすためのさまざまな施策を実施しています。また働くうえでの障壁を取り除くため、バリアフリー整備やキャリア形成の支援、従業員の啓発活動や意識向上の取り組みを行い、受入職場の拡大にも注力しています。
② 人材育成
当社は2030年ビジョンの一つとして「人材育成」ビジョンを定めています。「素材でモノづくりの可能性を広げる会社」として、これからもお客様から選ばれ続けるには、世の中の変化に柔軟に対応する力の向上が必要と考え、「専門性」と「基礎力」両面からの人材の育成・確保に取り組んでいます。それぞれの職務に必要な「専門性」に加え、変化に即応できる「基礎力」として、モノづくり企業として永年培ってきた「技能」と「問題解決力」、DX(デジタルトランスフォーメーション)に必要な「デジタルリテラシー」の強化を重点施策として実施しています。
a.問題解決力
「問題解決力」は、「職場でのOJT」を通して身に付けることを基本とし、その効果を「集合研修」で高めるという考え方のもと、研修体系の充実を図ってきました。従業員一人ひとりが将来のキャリアプランを考え、その実現に必要な技能や知識の習得と能力開発に向けた業務アサイン・目標について、定期的に上司と話し合う仕組みを設けています。また各種研修では、OJTとOff-JTの相乗効果を目的に管理・監督者が後進を指導することや、参加者の意識を高めるために経営トップが自らの経験なども交えて講話するなど、研修の効果を高めるための工夫をしています。
b.デジタルリテラシー
競争力を維持・向上するには、スマートファクトリーなど製造現場での取り組みに加え、業務そのものや組織、企業文化・風土を変革するためのDX推進が必要と認識し、DX人材の育成強化に取り組んでいます。デジタルリテラシー基礎教育を実施するとともに、DXアセスメントにより個人別にDXレベルを把握し今後の教育体系構築に活用することで、DXリーダーの育成を加速させています。また、「さわれるDX展示会」や「生成AI活用コンテスト」を開催するなど意識醸成を図り、全社でのDX推進に努めています。
③ 社員の健康・安全
当社は創業以来、人を大切にする経営を実践してきました。人を大切にする経営とは、従業員が心身ともに健康で活動的な生活を送り「価値ある人生」と「従業員・家族の幸せ」を実現し、社会への価値提供につなげることです。「従業員の健康・安全」を重要課題と位置づけ、心と身体の健康保持・増進に努め、人にやさしい職場づくりを推進しています。
a.健康経営の実践
従業員の健康保持・増進に取り組むことは、組織の活力向上や生産性向上などの効果をもたらすと考え、持続的な成長のため「健康経営」の実践に注力しています。中期経営計画において健康に関する定量的な目標を定め、PDCAを回し継続的な改善に取り組んでいます。特に生活習慣病予防とメンタルヘルスを重点課題に掲げ、会社・健康保険組合・労働組合が連携しコラボヘルスを推進することで諸施策の充実に努めています。
b.生活習慣病の予防
生活習慣を改善し健康増進を図ることを目的に、従業員の健康意識向上と行動変容を促すため「健康チャレンジ8」活動を推進しています。体重・朝食・飲酒・間食・禁煙・運動・睡眠・ストレスの8項目に関連する健康習慣の実践に向けて、職場対抗イベントを実施するなど従業員・職場が主体的に楽しく実践できる工夫をしながら健康づくりに取り組んでいます。
c.メンタルヘルス
メンタル相談窓口の設置、一般従業員・管理監督者双方への教育、精神科顧問医によるメンタル不調者への相談対応等により、発生の未然防止と早期発見・早期ケアに取り組んでいます。また年に1回、全従業員を対象にストレスチェックを実施し、高ストレス者・高リスク職場へのケアなどを通じて、心の健康づくりを推進しています。
④ 社員エンゲージメント
当社では全社員を対象としたエンゲージメント調査を毎年実施しています。仕事に対する意欲、仕事を通した成長の実感や上司の支援、職場風土など、さまざまな観点で分析した結果を踏まえ、各種人事施策の展開や、各職場のマネジメント改善に取り組んでいます。また、管理職は、有識者の講演会やリーダー研修などを毎年受講するなど、マネジメント力向上に取り組んでいます。2024年度には、社員の一体感をより一層高める取り組みを開始しました。人にフォーカスした活動として働きやすい環境整備やインナーブランディングの強化、人事制度・育成施策の見直しなどを推進し、「人を大切にする経営」のさらなる充実に向けた取り組みを進めています。
上記の戦略に関する指標、目標及び実績は次のとおりです。
(注) 1 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異についての実績は、「第1 企業の状況 5 従業員の状況 (4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異」に記載しています。
2 モラールサーベイは、会社の経営や施策、仕事への意欲などに対する社員の意識調査です。