2025年3月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります

ダクタイル鋳鉄関連 樹脂管・ガス関連
  • 売上
  • 利益
  • 利益率

最新年度

セグメント名 売上
(百万円)
売上構成比率
(%)
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
ダクタイル鋳鉄関連 14,678 86.4 41 16.1 0.3
樹脂管・ガス関連 2,304 13.6 214 83.9 9.3

事業内容

 

3 【事業の内容】

当社グループは、当社と連結子会社4社で構成され、上下水道・ガス用資材であるダクタイル鋳鉄製品(鋳鉄管、鉄蓋)、樹脂管及び関連付属品の製造販売を主な事業としており、さらに倉庫業、道路貨物運送業、産業廃棄物の運搬及び積み替え保管事業等を展開しております。

なお、JFEスチール㈱は、当社の主要な関係会社にあたり、一部の原材料等を購入しております。

当社グループの事業内容と、当社及び主要な関係会社の当該事業に係る位置付けは、次のとおりであります。

下記区分は後記、第5[経理の状況]1[連結財務諸表等]の注記に掲げる[セグメント情報]の区分と同一であります。

 

 

日鋳商事株式会社

当社の販売店

株式会社鶴見工材センター

ガス用配管材等の保管及び運送

日鋳サービス株式会社

鉄管類リサイクル事業等

株式会社イガラシ

水道用の資材の販売等

JFEスチール株式会社

原材料等の購入等

 

 

 

事業の系統図は次のとおりであります。

 


 

業績

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 経営成績

2024年度は、能登半島地震を踏まえた政府主導での上下水道の耐震化計画が策定されたものの、材料費及び人件費の高騰の影響を受けたこともあり、水道事業体の管路全体の布設延長工事は前年度を下回る水準で推移しました。また、人手不足等による管路布設工事の遅れも一部にみられ、ダクタイル鉄管の需要量は減少傾向が続いております。加えて、部品仕入れやエネルギー価格、物流費等の諸物価高騰によるコストアップも当社の収益を大きく圧迫する要因となりました。お客様のご理解による販売価格への転嫁やコスト削減の積上げなどの企業努力により収益の確保に努めましたが、当期につきましては、前年同期比増収減益となりました。

 

当社はカーボンニュートラルへの取り組みとして2022年6月に電気炉建設チームを設置して以降、国の目指す排出CO2の削減目標の実現に向けて検討を進め、キュポラ炉からの転換を図ることを2023年8月7日に決定、公表し、電気炉設備の建設を進めてきましたが、今般完成し、本格稼働に向けて試運転を進めております。

また、老朽化に伴う更新需要はあるものの、業界全体の生産設備が過剰な状態にある環境下において、当社と株式会社クボタ(以下 クボタ)は、今後も社会インフラを支える企業として供給責任を果たしていくため、生産設備を再編し、クボタの京葉工場で生産している小口径(呼び径75mm~250mm)のダクタイル鉄管(直管)の完成品及び半完成品をOEM供給する製造合弁会社(当社の子会社として、久喜工場のダクタイル鉄管(直管)の製造部門を分社)の設立に関する契約を締結するとともに、クボタからのOEM 受託生産を実行するにあたり必要なダクタイル鉄管(直管)の生産能力の増強に係る設備投資(約27億円)について、2025年3月27日に決定、公表いたしました。

 

当社は、パーパスとして「水が途切れない世界を実現する」に向けて取り組み、「管路分野のInnovative All in ワンストップ企業」としての活動を行っております。既存事業とのシナジーを期待する新規・周辺事業の拡大等の取り組みについては、さや管推進工法対応部品「オセール」の拡販、プリセット接合工具「楽ちゃく」新サイズの開発、DX推進の一環として開発を行ってきた「だいさくくん」の販売促進、Fracta社とのパートナーシップによるFracta-AI管路診断技術の普及促進があり、将来に向けた活動を引き続き推進しております。

 

当社はESG経営を進め、継続的に発展していく企業を目指し、環境変化に柔軟かつ迅速に対応できる企業体質の強化を引き続き推し進めてまいります。

 

当連結会計年度の経営成績は以下のとおりとなっております。

 

売上高につきましては、諸物価高騰に伴う販売価格の改定による改善を目指したものの、全国的な水道管路布設工事の遅れ・水道事業体の発注量の減少等に伴う数量の伸び悩みや価格競争の激化もあり74百万円(前年同期比0.4%)増加の、169億33百万円となりました。

 

収益につきましては、部品仕入れやエネルギー価格、物流費等の諸物価が高位に推移していることや在庫評価差等の影響などにより、営業利益は5億99百万円(前年同期比69.7%)減少2億60百万円、経常利益は6億28百万円(前年同期比70.1%)減少2億67百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は、特別損失にカーボンニュートラルへの取り組みとして投資の決定をした電気炉建設工事に関わる周辺工事費用や、地方自治体の整備事業への協力に伴う土地売却損に加え、繰延税金資産の取り崩しに伴う法人税等調整額の計上等により7億5百万円減少し2億30百万円の損失となりました。

 

引き続き、皆様のご期待に添えるような企業運営に努め、さらなる安定利益を確保するよう一層努力してまいりますので、ご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。

 

 

セグメントの経営成績は、以下のとおりであります。

 

ダクタイル鋳鉄関連

当連結会計年度の売上高につきましては、全国的な水道管路布設工事の遅れ・水道事業体の発注量の減少により、前年同期と比べ69百万円(前年同期比0.5%)減少し、146億78百万円となりました。

セグメント利益につきましては、鋳鉄管販売量の伸び悩みや価格競争の激化、部品仕入れやエネルギー価格、物流費等の諸物価が高位に推移していることや在庫評価差等の影響などにより、前年同期と比べ4億79百万円(前年同期比92.0%)減少し、41百万円のセグメント利益となりました。

 

樹脂管・ガス関連

当連結会計年度の売上高につきましては、子会社の倉庫・運送業及びリサイクル事業の売上高が増加したこと等により、前年同期と比べ1億43百万円(前年同期比6.8%)増加し、22億55百万円となりました。

セグメント利益につきましては、親会社の樹脂管・ガス関連事業の諸物価の上昇等の影響により、前年同期と比べ1億31百万円(前年同期比38.0%)減少し、2億14百万円のセグメント利益となりました。

 

 

生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。

 

① 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

ダクタイル鋳鉄関連

6,689

△15.0

樹脂管・ガス関連

841

△5.1

合計

7,531

△14.0

 

(注) 1. セグメント間取引はありません。

2. 金額は販売価格を以って計上しております。

 

② 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

ダクタイル鋳鉄関連

15,054

+0.7

3,142

+13.6

樹脂管・ガス関連

2,256

+7.2

4

+26.4

合計

17,310

+1.5

3,146

+13.6

 

(注) 1. セグメント間取引はありません。

 

③ 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

ダクタイル鋳鉄関連

14,678

△0.5

樹脂管・ガス関連

2,255

+6.8

合計

16,933

+0.4

 

(注) 1. セグメント間取引については、相殺消去しております。

2. 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

 

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

太三機工㈱

2,411

14.3

2,903

17.2

東京ガスネットワーク㈱ 

1,475

8.8

1,588

9.4

 

 

 

 

(2) 財政状態

当連結会計年度末の総資産は、222億21百万円と前連結会計年度末と比べ17億64百万円増加しました。

これは主に電気炉建設等による「建物及び構築物(純額)」が8億84百万円、「建設仮勘定」が9億60百万円増加したことによるものであります。

負債合計は、125億82百万円と前連結会計年度末と比べ18億96百万円増加しました。

これは主に電気炉建設に伴う資金準備のため、流動負債の「短期借入金」が10億円増加したこと、及び固定負債の「繰延税金負債」が5億14百万円増加したことによるものであります。

純資産合計は、96億39百万円と前連結会計年度末と比べ1億32百万円減少しました。

これは主に配当金の支払いによる1億41百万円の減少と、「親会社株主に帰属する当期純損失」2億30百万円の計上による「利益剰余金」の減少があった一方、「退職給付に係る調整累計額」が2億4百万円増加したこと等によるものであります。

 

(3) キャッシュ・フロー

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、29億8百万円と前連結会計年度末に比べて5億11百万円の減少となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動による資金の増加は、1億42百万円(前連結会計年度は9億86百万円の増加)となりました。

これは主に、増加要因としての税金等調整前当期純利益89百万円、減価償却費4億59百万円、棚卸資産の減少額5億38百万円があった一方、減少要因としての仕入債務の減少額が6億23百万円あったこと等により資金の増加が資金の減少を上回ったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動による資金の減少は、14億74百万円(前連結会計年度は8億16百万円の減少)となりました。

これは主に、有形固定資産の取得による支出11億6百万円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動による資金の増加は、8億20百万円(前連結会計年度は10億54百万円の増加)となりました。

これは主に、配当金の支払による支出1億41百万円があった一方で、電気炉建設に伴う資金準備のための短期借入金の増加額10億円があったこと等によるものであります。

 

(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは、連結財務諸表「注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

セグメント情報

(セグメント情報等)

 

【セグメント情報】

 

1. 報告セグメントの概要

当社の報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。

当社は、販売市場・顧客の種類・業界に特有の規制環境等の類似性を考慮し、事業活動を展開しております。

従って、当社は販売市場の類似性を基礎とした事業別セグメントから構成されており、「ダクタイル鋳鉄関連」及び「樹脂管・ガス関連」の2つを報告セグメントとしております。

「ダクタイル鋳鉄関連」は、水道用ダクタイル鋳鉄管、水道用異形管、上下水道用FEM鉄蓋、水道用付属部品の製造販売及び水道施設工事業、エンジニアリング事業、管路劣化診断等を行っております。「樹脂管・ガス関連」は、ガス用ダクタイル鋳鉄管、ガス用異形管、ガス用FEM鉄蓋、ガス用付属部品、ポリエチレン管、レジンコンクリート製品の製造販売、ガス用配管材等の保管及び輸送、産業廃棄物の収集、運搬及び積み替え保管、古鉄類(金属、樹脂等)の販売を行っております。

 

2. 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額の算定方法

報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」における記載と概ね同一であります。

報告セグメントの利益は営業利益ベースの数値であります。セグメント間の取引は、会社間の取引であり、市場価格等に基づいております。

 

 

3. 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額に関する情報及び収益の分解情報

 

前連結会計年度(自  2023年4月1日  至  2024年3月31日)

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

報告セグメント

合計

調整額

(注)

連結財務諸表計上額

 

ダクタイル
鋳鉄関連

樹脂管・
ガス関連

売上高

 

 

 

 

 

 

顧客との契約から

生じる収益

14,747

2,111

16,859

16,859

16,859

外部顧客への売上高

14,747

2,111

16,859

16,859

16,859

セグメント間の内部
売上高又は振替高

71

71

71

△71

14,747

2,183

16,930

16,930

△71

16,859

セグメント利益

521

345

866

866

△6

860

セグメント資産

15,400

1,836

17,236

17,236

3,221

20,457

その他の項目

 

 

 

 

 

 

減価償却費

377

39

416

416

416

有形固定資産及び
無形固定資産の増加額

986

5

992

992

992

 

(注) 調整額は、以下のとおりです。

(1) セグメント利益の調整額△6百万円は、セグメント間取引消去であります。

(2) セグメント資産の調整額3,221百万円の主なものは、当社での余資運用資金(現金及び預金)、長期投資資金(投資有価証券)に係る資産等であります。

 

当連結会計年度(自  2024年4月1日  至  2025年3月31日)

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

報告セグメント

合計

調整額

(注)

連結財務諸表計上額

 

ダクタイル
鋳鉄関連

樹脂管・
ガス関連

売上高

 

 

 

 

 

 

顧客との契約から

生じる収益

14,678

2,255

16,933

16,933

16,933

外部顧客への売上高

14,678

2,255

16,933

16,933

16,933

セグメント間の内部
売上高又は振替高

49

49

49

△49

14,678

2,304

16,982

16,982

△49

16,933

セグメント利益

41

214

256

256

4

260

セグメント資産

17,113

1,601

18,714

18,714

3,507

22,221

その他の項目

 

 

 

 

 

 

減価償却費

431

27

459

459

459

有形固定資産及び
無形固定資産の増加額

2,490

41

2,531

2,531

2,531

 

(注) 調整額は、以下のとおりです。

(1) セグメント利益の調整額4百万円は、セグメント間取引消去であります。

(2) セグメント資産の調整額3,507百万円の主なものは、当社での余資運用資金(現金及び預金)、長期投資資金(投資有価証券)に係る資産等であります。

 

【関連情報】

 

前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日

 

1. 製品及びサービスごとの情報

セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。

 

2. 地域ごとの情報

(1) 売上高

本邦以外の外部顧客への売上高がないため、該当事項はありません。

 

(2) 有形固定資産

本邦以外に所在している有形固定資産がないため、該当事項はありません。

 

3. 主要な顧客ごとの情報

 (単位:百万円)

顧客の名称又は氏名

売上高

関連する主な報告セグメントの名称

太三機工㈱

2,411

ダクタイル鋳鉄関連

東京ガスネットワーク㈱ 

1,475

樹脂管・ガス関連

 

 

当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日

 

1. 製品及びサービスごとの情報

セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。

 

2. 地域ごとの情報

(1) 売上高

本邦以外の外部顧客への売上高がないため、該当事項はありません。

 

(2) 有形固定資産

本邦以外に所在している有形固定資産がないため、該当事項はありません。

 

3. 主要な顧客ごとの情報

 (単位:百万円)

顧客の名称又は氏名

売上高

関連する主な報告セグメントの名称

太三機工㈱

2,903

ダクタイル鋳鉄関連

東京ガスネットワーク㈱ 

1,588

樹脂管・ガス関連

 

 

 

 

【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】

 

前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日

 

 該当事項はありません。

 

当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日

 

 該当事項はありません。

 

 

【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】

 

前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日

 

2010年4月1日前に行われた企業結合等により発生した負ののれんの償却額及び未償却残高は、以下のとおりであります。

 (単位:百万円)

 

報告セグメント

合計

 

ダクタイル鋳鉄関連

樹脂管・ガス関連

当期償却額

5

5

5

当期末残高

15

15

15

 

 

当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日

 

2010年4月1日前に行われた企業結合等により発生した負ののれんの償却額及び未償却残高は、以下のとおりであります。

 (単位:百万円)

 

報告セグメント

合計

 

ダクタイル鋳鉄関連

樹脂管・ガス関連

当期償却額

5

5

5

当期末残高

9

9

9

 

 

 

【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】

 

該当事項はありません。