人的資本
OpenWork(社員クチコミ)-
社員数2,587名(単体) 8,188名(連結)
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平均年齢42.9歳(単体)
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平均勤続年数13.9年(単体)
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平均年収8,961,728円(単体)
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平均年収の
対前年増減率8.4%(単体)
従業員の状況
人材戦略に関する基本方針等
(1) 【人材戦略に関する基本方針等】
・連結ベースの企業戦略と関連付けた人材戦略
「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載のとおりであります。
・上記を踏まえた従業員給与等の決定方針
当社は、人材を最も重要な経営資本と位置付け、従業員の働きやすさ及び働きがいの向上を通じて、優秀な人材の確保・定着を図ることを基本方針としております。
この方針のもと、賃金の引上げに加え、教育・研修の充実等による人的投資を行い、従業員への持続的な還元を推進しております。また、働く環境の改善、個々の価値観の尊重、キャリア自律の支援、多様な働き方への対応等を通じて、従業員の能力発揮を促進する環境整備に取り組んでおります。
従業員の給与等の決定にあたっては、当社の経営状況及び社会・経済情勢等を踏まえたうえで、労働組合との真摯な協議を通じて、賃金の引上げをはじめとした各種労働条件について合意形成を図ることを基本としております。
(2) 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況
2026年3月31日現在
(注) 1.従業員数は就業人員であり、臨時従業員数は( )内に外数で記載しております。
2.臨時従業員には、臨時工、パートタイマー及び嘱託契約の従業員を含み、派遣社員を除いております。
3.前連結会計年度末に比べ従業員数が3,909名減少しておりますが、主として三井金属アクト㈱の株式譲渡により、同社とその傘下の会社が当社の連結会社ではなくなったことによるものであります。
(2) 提出会社の状況
2026年3月31日現在
(注) 1.従業員数は就業人員であり、臨時従業員数は( )内に外数で記載しております。
2.臨時従業員には、臨時工、パートタイマー及び嘱託契約の従業員を含み、派遣社員を除いております。
3.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
(3) 労働組合の状況
当社グループには、主要な労働組合として三井金属労働組合連合会(略称:三井金属労連)が結成されており、組合員数は2026年3月末現在3,865名であります。
また、日本基幹産業労働組合連合会(略称:基幹労連)に加盟しております。
なお、労使関係について特に記載すべき事項はありません。
(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
① 提出会社
(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき「課長級」以上を対象として算出したものであります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
3.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
② 連結子会社
(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)等の公表義務の対象となる連結子会社を記載しております。
2.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき「課長級」以上を対象として算出したものであります。
3.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
4.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
なお、女性の賃金が男性より低い理由は女性の管理職の割合が少ないこと、及び平均勤続年数が男性より短いことが主な理由であります。
多様な考えや価値観を活かしていくためには意思決定層に多様な人材を登用することが大切であるとの認識のもと、ライフイベント等により一時的に業務に制限がかかる社員についても昇進・登用にあたりその要因で不利にならないよう、実力に応じて適切に選抜してまいります。また、提出会社においては、23年度から役員報酬制度の見直しを行い、ESGの指標達成の程度に応じて付与される「ESG指標要件型譲渡制限付株式報酬」を導入し、ダイバーシティの取り組みが、経営層レベルで後押しされる仕組みとしております。
サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)
2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)気候変動
当社グループは「探索精神と多様な技術の融合で、地球を笑顔にする。」というパーパスを、進むべき方向を示す指針として掲げています。これに基づき、両利きの経営を推進し、「経済的価値の向上」と「社会的価値の向上」を両軸とした経営戦略を実行することで、財務・非財務の両面から持続可能な企業を目指し、統合思考経営を実践していきます。
こうした考え方を具体化するため、当社グループでは、2025年度を初年度とする中期経営計画「25中計」において、新たなマテリアリティである「環境と調和した事業活動」を設定し、そのサブマテリアリティの一つとして「気候変動への対応」を位置づけています。とりわけ当社グループは、非鉄製錬や電解銅箔等のエネルギー多消費型事業を有していることから、エネルギー消費に伴う温室効果ガス(以下GHGと表記)排出の適切な管理が重要となります。
GHG排出削減に向け、当社グループでは長期的な削減目標を設定しており、25中計ではこれらの目標の達成に向けた中期的な削減水準をKPIとして設定しています。具体的には、「2030年の38%削減に至る25中計のKPIとして、2027年度末までにGHG排出量を22%削減(Scope1及びScope2、2013年比)」を設定しています。これらの目標達成に向け、「気候変動への対応」を事業戦略と密接に連動させながらPDCAサイクルを回すことで、取り組みの確実性を高めていきます。
また、マテリアリティ「環境と調和した事業活動」の下では、「気候変動への対応」に加え、「省資源と環境負荷の低減」と「生物多様性の保全」をサブマテリアリティとして設定して、これらの取り組みを一体的に推進しています。
① ガバナンス
当社グループでは、気候変動を経営上の重要なマテリアリティの一つと位置付け、取締役会による監督の下、経営層及び関係部門が連携して対応を推進しています。気候変動への対応については、環境課題全体との整合を図りつつ、体系的なガバナンス体制を構築しています。
(監督機能としての取締役会)
取締役会は、気候変動への対応を含むサステナビリティに関する重要事項について最終的な監督責任を負っており、GHG排出量削減に向けた取り組み、気候変動に関するリスク及び機会への対応状況等について、定期的に報告を受領し、審議・監督を行っています。
また、取締役会において求められる知識・経験を整理したスキルマトリクスを策定・開示しており、当該スキルマトリクスには、経営戦略、財務、技術、ガバナンスに加え、気候変動を含むサステナビリティに関する観点を含めています。
さらに、取締役の気候変動に関する理解及び監督能力の継続的な向上を目的として、外部有識者による講演や社内勉強会等を通じた情報提供を行い、取締役会として気候関連課題を適切に審議・監督できる体制の維持・強化を図っています。
<2025年度 取締役会における主な気候変動・環境関連議題>
・自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)提言へのアドプター登録
・気候変動への対応に関する取組進捗報告
(業務執行体制)
気候変動への対応に関する業務執行については、執行最高会議及びCSR委員会において、GHG排出量削減に向けた方針、気候変動に起因するリスク・機会、重要施策の進捗状況等について審議・確認を行っています。
CSR委員会は、三井金属グループにおけるCSR・ESG・サステナビリティ取り組みの実践、浸透と定着を図ることを目的として設置しており、委員長を代表取締役社長、副委員長を経営企画本部長とし、委員はCSRの中核7課題に対処すべき部署から委員長又は副委員長が指名する委員で構成されています。CSR委員会の事務局は経営企画本部CSR室が担い、原則として年2回開催しています。
また、社会的価値向上の取り組みをさらに加速させるため、代表取締役社長直下に「サステナビリティ推進部」を配置し、事業部門及び技術部門と連携して、GHG排出量削減施策や中長期的な移行戦略の検討・推進を行っています。2025年4月1日付で設置した「低炭素・自然共生戦略室」は、気候変動への対応を中核としつつ、生物多様性の回復等を含む環境課題への取り組みを一体的に推進する役割を担っています。さらに、技術本部内に設置した「基盤技術部」を通じて、製造活動におけるエネルギー効率向上及びプロセス改善を推進し、技術面からも気候変動対応を強化しています。
(役員報酬へのESG指標の組み込み)
当社グループでは、取締役(社外取締役及び監査等委員である取締役を除く)の報酬について、譲渡制限付株式報酬制度に加え、GHG排出量削減を含むESG指標の達成を要件とする「ESG指標要件型譲渡制限付株式報酬」を導入しています。
これにより、気候変動への対応を含む中長期的な企業価値向上と役員報酬との連動を図っています。詳細は、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等(4)役員の報酬等」をご参照ください。
② 戦略
当社グループはグローバルに多数の事業を展開しており、気候変動に関わるリスク・機会が事業ごとに異なるという背景を考慮し、気候変動の影響を受ける可能性が相対的に高い事業から事業別にシナリオ分析を行なっています。
<シナリオの定義>
当社は2025年度をもって全ての事業に対するシナリオ分析の実施を完了いたしました。これまで同様、グループ全体でGHG排出量が相対的に大きい金属事業部門や銅箔事業部を重点的に分析しつつ、年に一度、各事業における市場環境、規制動向、技術進展等の変化を踏まえ、分析内容のアップデートを行う方針としています。今後は2035年から2040年といった中長期の事業環境を対象とし、気候変動が当社グループの事業戦略及び財務に与える影響を評価してまいります。
シナリオ分析では、それぞれのリスクによる収益低下を最小化するとともに、新たな製品や新規事業の創出による機会の獲得を実現するための対応案を検討しています。それらの多くは長期的な視点で取り組むべき内容であるため、2025年度からの中期経営計画である「25中計」へ反映することで、レジリエンスの強化に努めてまいります。
また、当社グループにおいては2030年GHG排出量削減目標及び2050年度目標であるカーボンニュートラル達成への道筋を描いたカーボンニュートラルロードマップを作成しています。このロードマップを用いたPDCAサイクルを回すことで目標達成に向けたGHG排出量削減活動を確度高く進めています。
特に金属事業においては、2020年度以降、継続的に実施しているシナリオ分析を踏まえ、CO2排出量の削減を最優先課題と位置づけ、事業部門内にカーボンニュートラル対応プロジェクトを立ち上げています。具体的には、事業プロセスの見直しの一環として石膏生産の停止を含む対応を進めるとともに、燃料転換の取り組みとして、バイオマス燃料の導入による石炭使用量の削減を図るなど、排出構造そのものの転換に向けた積極的なCO2削減に取り組んでいます。
さらに、CO2削減施策の実行を促進するため、2023年4月1日よりICP(社内炭素価格)を導入し、設備投資・開発投資の判断に活用しています。設定金額については、当社グループにおける削減策実行のハードルがScope1とScope2の特性によって大きく異なる部分もあることから、Scope別の設定としています。
具体的には、Scope1では当社主力事業の一つである亜鉛製錬のようにプロセスの原理上CO2削減対策のハードルが高く、試験等も含めた開発投資が不可欠であるものも想定されることから、電力の再生可能エネルギーへの移行による削減が可能なScope2よりも高い金額といたしました。
また、2030年度までのCO2排出量の削減と2050年度までのカーボンニュートラルの実現に向け、2023年12月にトランジション戦略の策定を公表いたしました。(詳細は以下URLをご参照ください。)
https://www.mitsui-kinzoku.com/LinkClick.aspx?fileticket=AnTMXs7RlQ0%3d
③ リスク管理
シナリオ分析の過程では、リスク及び機会の特定をしています。とりわけエネルギーコストの増大リスクに加えて、低炭素・脱炭素経済への移行を見据えた顧客ニーズの変化、サプライチェーン取引先へのGHG排出量削減貢献におけるリスクと機会が重要であると認識しています。シナリオ分析で検討した対応策には、これらの動向を監視して必要な早期対応を経営計画に反映させることも含めており、随時経営層に報告を行い、リスク管理をしています。
④ 指標及び目標
当社グループでは、Scope1及びScope2のCO2削減目標を設定しています。
・2030年度:CO2排出量をグローバルで38%削減する(2013年度比)
・2050年度:カーボンニュートラル(Net 排出ゼロ) を目指す
なお、上記の指標と目標に対する、2024年度の三井金属グループのScope1及びScope2のCO2合計排出量は1,716千t-CO2であり、2013年度比で15%の削減(注)1となりました。
Scope3については、グローバル全拠点の排出量把握を概ね完了しました。今後は、第三者保証を見据えた算定体制の構築並びに削減目標の設定と施策の推進に向けて取り組みを進めています。
(注)1 2024年度排出量について非エネルギー起源CO2を削減目標に加えることに変更したため、「統合報告書2025」に記載の排出量よりも見かけ上、大きくなっています。また、2013年度比削減率について、基準年である2013年度の排出量を電力の基礎排出係数を使用することに変更したため、第100期有価証券報告書に記載の削減率よりも見かけ上、大きくなっています。
なお、2025年度のCO2排出量実績については、「統合報告書2026」において記載予定です。
また、当社グループの気候変動及び環境に対する取り組みについては、ESG説明会資料(12~18頁)、統合報告書2025(70~73頁)もご参照ください。
2025年度ESG説明会資料(2025年11月18日開催):
2025年度統合報告書:
https://www.mitsui-kinzoku.com/Portals/0/CSR/integrated_report/2025/JP/integrated_report2025.pdf
(2)自然資本
①ガバナンス
自然資本への対応は、気候変動への対応と密接に関連していることから、当社グループでは環境課題全般への取り組みとして一体的に推進しています。詳しくは「(1)気候変動 ①ガバナンス」を参照ください。
② 戦略
生物多様性の損失が世界的な課題となる中、COP15(生物多様性条約第15回締約国会議)で採択された「昆明・モントリオール生物多様性枠組」において、2030年までに自然の損失を止め、回復軌道に乗せる「ネイチャーポジティブ」が国際的な共通目標として位置付けられました。
当社グループは、鉱山・製錬・素材製造等、自然資本との関わりが深い事業を通じて社会の発展を支えてきました。こうした事業特性を踏まえ、ネイチャーポジティブの実現は、当社グループの持続的な価値創造と事業レジリエンスを支える重要な経営課題であると認識しています。この考え方をより明確に示すため、当社グループでは、環境基本方針や既存の取り組みを整理し、ネイチャーポジティブを経営課題として位置づける意志を示す「ネイチャーポジティブ宣言」の検討を進めています。
また、こうした方針の下、経団連「生物多様性宣言・行動指針」に賛同し、経団連生物多様性イニシアチブに参画しています。また、自然関連財務情報開示の国際的枠組みであるTNFD提言に沿った取り組みを進め、2024年4月にTNFDフォーラムへ加盟しました。さらに、2025年10月13日付けで「TNFD Adopter」への登録を行い、TNFD提言に沿った情報開示を行う意志を表明しました。
当社グループでは、これらの取り組みを踏まえ、TNFD提言に基づくLEAPアプローチの活用等を通じて、「①事業と自然の関係の可視化」、「②自然と負の影響の回避・最小化と、保全・回復への貢献」、「③ネイチャーポジティブを価値創造につなげること」「④ステークホルダーと共に推進すること」の4点に取り組みます。
③ リスク管理
自然資本に関するリスクについては、気候変動リスクと同様に、事業活動及びサプライチェーン全体への影響を踏まえ、ESGリスク管理プロセスの一環として識別・管理しています。
当社グループではTNFD提言に基づき、LEAPアプローチ(Locate/Evaluate/Assess/Prepare)を用いて、自然資本への依存と影響、並びにリスクと機会の把握を段階的に進めています。
2025年度は、事業・バリューチェーンと自然の関係性の整理(スコーピング)に加えて、直接操業地及び上流鉱山を対象としたLocate評価(要注意地域の特定)を進めました。その結果を踏まえ、自然への依存・影響の大きさ等を考慮して、鉱山事業及び製錬事業を優先分析拠点として選定し、Evaluate(依存・インパクトの詳細評価)からAssess(リスク・機会の特定)へと分析を進めました。
④ 指標及び目標
当社グループは、2030年のネイチャーポジティブ達成に向け、自然資本に関する取り組みを段階的に強化しています。
現時点では、自然資本に関する全社一律の定量的な指標及び目標の設定には至っていませんが、2025年度に実施したEvaluate並びにAssessの結果を受け、2026年度はPrepare(準備)に着手し、TNFD提言に沿った情報開示の高度化に向けて、指標・目標の整備を進めています。
具体的には、一部事業所で実施している覆土植栽・植林等の回復活動の定量化や、事業所・関係会社で使用する取水量・排水量・リサイクル量の明確化等、測定可能な範囲を広げることで、情報開示の充実を図る方針です。
(3) 人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略
三井金属グループでは、人が最も重要な経営資本であると考えています。当社グループの目指す、事業を通じた環境・社会課題の解決と、そのためのイノベーション創出、新たな価値創造は、多様な考え、様々な価値観、経験とスキルを持った人材がいてこそ実現するものだからです。当社グループで働く全ての人が、それぞれの役割を担いながら、当社グループで働くことに誇りや幸せを感じ、安心して働ける職場環境を整えることで、個々の能力を最大限に発揮できる仕組みを構築しています。
具体的にはダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン、働きがい改革、健康経営、実力主義の人事制度、HRBP(注)2機能の強化の5つの施策を推進しています。また、パーパスを基軸とした全社ビジョンの実現を目指すうえで備えるべき文化・風土を明確にするために、2025年度にバリュー(行動指針)(注)3を制定いたしました。これらの取り組みにより、個人を尊重することと、組織として人材を活用することを両立し、経営戦略の実現を人事の側面から推進しています。
(注)2 HRBP:Human Resources Business Partnerの略。経営者や事業部門のパートナーとして事業成長と戦略の実行を人材・組織の面から支える機能。
(注)3 バリューは以下5つの文言からなる。
多様な角度から見よう、みんなで愉しもう、知恵を出し合おう、やってみよう変えていこう、手本となろう。
①人材育成方針
当社グループは、「人材開発基本方針」に基づき、事業を通じて環境・社会課題を解決し、価値創造を実現する人材の育成に取り組んでいます。
イ.人材開発基本方針
人材は最も重要な経営資本との認識のもと、パーパスを基軸として全社ビジョンを実現するための「バリュー」を行動の指針とし、事業を通じて環境・社会課題を解決し、価値創造を実現する人を育てます。
‐すべての人がいきいきと働き、相互信頼のもとで積極的に議論し新たな価値を追求する文化を築きます。
‐だれもがかけがえのない一人であり、それぞれが能力と個性を存分に活かすことで、これまでに無いものを生み出すこと、すなわち多様性の価値を実現します。
‐一人ひとりが自らの目指す方向に向けて自分らしいキャリアを選択し、叶えるための行動を支援します。
‐実力重視の人事制度の下、公正な評価に基づき、個人の意思を尊重しつつ適所適材を図り、能力開発と発揮する機会を提供します。
‐経営戦略と時代のニーズを反映した教育プログラムを整えるとともに継続的に検証と改善を図ります。
②社内環境整備方針
2050年の世界では、働き方は今とは大きく異なり、人材流動性が非常に高くなると予想されています。このような社会においても、働く人に選ばれる会社、そこで働くことに誇りを持てる会社、成長し続けられる会社であるために、今から何をすべきかが問われています。
個人の視点としては、チャレンジして自己成長を実感できること、キャリアを自律的に築けること、多様性に価値があることの実感、これらを実現していく必要があります。もちろん健康的に働き続けられることは大前提です。
組織の視点では、育成・拡大・再構築・強化の事業評価に対して、どのような人を配置するかという人材のアロケーション、そのための人材育成に加え、経営者をはじめとした重要なポジションの後継者育成をしっかりと計画的に行うことが重要です。これら、個人視点と組織視点の人材戦略の礎となるのが実力主義の人事制度です。
イ.ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンと働きがい改革の推進
一人ひとりが優秀で知識が豊富でも、似通った視点や価値観の集団では、新しい価値の創造性や、組織としての強靭性に欠けます。そのため、異なる視点や経験、価値観があり、多角的に物事を捉えられるような多様性のある組織を目指します。その第一歩が女性活躍推進です。
さらに、どの様な価値観や経験・考え方の人であっても安心して働ける職場、自律的に働き、仕事の成功や失敗を通じて成長を実感できる職場を実現する働きがい改革を推進、加速しています。
・ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン推進体制
2021年度にダイバーシティ推進室、2022年度に社長を委員長とするダイバーシティ推進委員会を設置し、ありたい姿に基づくロードマップとKPIを策定し取り組みを推進してきました。2023年度からは武川社外取締役がアドバイザーとなり、より幅広い視点での議論がすすみ、2025年度からは、各本部長が実行責任者として参画することで、現場まで取り組みが浸透する体制としました。これまでの女性活躍推進や両立支援への取り組みが評価され、2024年度に「なでしこ銘柄」、2025年度に「Nextなでしこ 共働き・共育て支援企業」に選定されました。
・働きがい改革推進の加速
2024年4月から、働きがい改革を加速するべく専任組織を設置いたしました。働きやすさ、働きがいが実感できることを早期に実現し、さらには「この会社だからこそ働きたい」と思えるような会社を目指しています。まずは組織と個人の関係性、つまりエンゲージメントが向上しやすい組織の特徴を分析し、データに基づいた解析と拠点対話により各種の施策を立案・実行することで、ありたい姿を実現していきます。なお、働きがい向上へ向けたこれまでの取り組み実績が評価され、株式会社ZENTechが主催する「心理的安全性アワード2025」において、最高賞の「プラチナリング」を受賞しました。
・マネジメント体制
ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンと働きがい改革は、密接に関係していることから、一つの委員会で議論しています。委員会で協議する方針や、KPIの策定・進捗と課題、今後の取り組みについては、執行最高会議と取締役会で報告・議論され、その結果が委員会活動に反映される体制となっており、経営戦略との連動、企業価値向上に資する仕組みとなっています。
[情報発信]
- 経営連絡会等における社長のメッセージ発信
- 社外取締役・ダイバーシティ推進室長メッセージ(採用ホームページ)
- 人事戦略・ダイバーシティ推進の取り組み進捗発信(ESG説明会)
- 社内報の連載
- DE&I社内サイトにおける事例発信・制度説明動画掲載
- 同業各社とのDE&Iフォーラム共催
[研修]
- アンコンシャスバイアス研修 (非管理職向け)
- マネジメント研修 (管理職向け)
- 男性育休取得セミナー、性的マイノリティに関する動画研修
- 女性交流会
[女性活躍推進の取り組み]
- 男性育休取得事例の社内共有、製造現場へのポスター掲示
- 職域拡大の検討
- 女性管理職育成計画、社外メンタリング(女性向け)
- 採用競争力向上と女性採用強化施策実施
ロ.健康経営の推進
当社グループに働く全ての従業員及びその家族が心身ともに健康であることは重要な経営課題です。従業員とその家族が健康であることは、従業員の生活を充実させ、その個性・能力を最大限に発揮できる基盤となり、会社にとっても生産性を高め、業績向上に繋がっていきます。従業員及びその家族の健康維持・増進活動に取り組むことを通じて、さらに活力のある会社づくりを推し進めることをもって社会に貢献し続けることを、健康経営宣言として社内外に公表しています。
健康経営を推進するために、2023年度には統括産業医を選任し、健康経営専従の事務局として人事部労政室内に健康経営担当を設置いたしました。2024年度より健康経営の効果指標としてアブセンティーズム及びプレゼンティーズムの2項目を設定し、年に1回の全従業員を対象としたアンケート調査を通じて定量評価を開始しました。2025年度より屋内喫煙所撤廃と禁煙の支援、食習慣の改善、運動風土の醸成の三つを健康施策の重点項目と設定し、注力しています。このような取り組みが社外で評価され、三井金属株式会社は2019年以降連続して健康経営優良法人に認定されています。
アブセンティーズム:健康問題によって仕事を欠勤している状態。
プレゼンティーズム:出社はしているものの何らかの健康問題によって 業務効率が落ちている状態。
ハ.実力重視の人事制度とHRBPによる戦略人事
・実力重視の人事制度
2022年4月に改訂した職務・役割基準のジョブ型人事制度により、当社グループが掲げる“パーパス”、“全社ビジョン”、“バリュー”、そしてそこに向けた経営戦略と、人材マネジメントの整合性が強化されるようになりました。すなわち、人に仕事を付けるという従来の発想・仕組みから、経営戦略遂行上必要な仕事を設定し、それに対して人を就けるという考え方への転換により、これまで以上に効率的な戦略遂行を実現して参ります。
2024年度からは、いわゆる総合職、一般職の区分を廃止いたしました。年次・年功・学歴など関係なく、“実力”のある優秀な人材に対して活躍する機会を提供することで、組織の活性化と挑戦する風土の醸成を目指しています。
・キャリア開発支援
実力主義の人事制度では、会社は個人のキャリア選択権を認め、個人にキャリア自律を意識づけ、会社と個人が対話をしながら、キャリアビジョンの実現を目指しています。管理職の全ポジション及び非管理職の全役割の職務記述書を公開し、1on1やキャリア面談の実施、個人がキャリア希望を会社に伝える自己申告制度の拡充を通じ、会社と個人の対話のプラットフォームを整え、会社は個人のキャリアビジョンや適性・能力を踏まえた能力開発が可能となりました。さらに、上級・初級管理職については、昇格選考時に、第三者専門機関による人材アセスメントを行っています。強み・弱みのフィードバックを個人のキャリアビジョンに生かしてもらうとともに、会社としては人材の専門性や強み、不足しているスキルを把握し、経営戦略実現のために強化すべきスキルの特定と施策につなげています。
・自律的な学びを後押しする人材育成
一人ひとりのキャリアビジョンを実現するための仕組みとして、教育体制を充実させております。従業員がスキルを向上し自らの強みを発揮できるよう、また、生涯キャリアの形成に向けた各従業員の継続的な努力をサポートすべく、自律的な学びを支援できるカリキュラムと学習環境の提供に努めています。
当社グループでは、会社が必須の学習を指定するだけでなく、キャリアビジョンに向けた自律的な学びやリスキリングを支援しています。当社グループの従業員に対して、カフェテリア型研修としてオンライン学習プラットフォームMLP(Mitsui-Kinzoku Learning Platform)及び通信教育を提供し、幅広い学習コンテンツを学ぶ機会を設けています。リーダーシップやアンガーマネジメントなど管理職のマネジメントスキルを高めるコンテンツ、DXやAIなどのテクノロジー、心理的安全性など働きがい改革に関する学習、サステナビリティに関する学習など世の中のトレンドに対応したコンテンツも用意しています。
新入社員に対するきめ細やかな教育も特徴です。選出されたOJT指導員への教育を行いつつ、指導員-新入社員のコミュニケーション方法など育成上の課題を集約してフィードバックするとともに、得られた知見をフォローアップ研修に反映させるなどタイムリーに内容をブラッシュアップしています。また、統合思考経営の実践に向け、環境・社会課題を起点としたビジネスを創出できる人材の育成にも力を入れており、外部環境の変化を考慮しSDGs、ESG、CSRに対応する研修の拡大・強化に取り組んでいます。
これらの個別の研修のつみかさねにより、事業を通じて環境・社会課題を解決していく人材、当社の掲げる「人材開発基本方針」にもとづいた人材育成が実現されています。
・HRBPによる戦略人事の実施
人事部内に人事ビジネスパートナー(HRBP)室及び、各事業本部に事業に精通したHRBP担当を配置し、組織として戦略的に人材を活用するための施策を実施し、人事の側面から経営戦略、事業戦略の実現を支えています。各本部にあるHRBPは人事部と連携しつつ、全社視点における事業ポートフォリオの動的管理に紐づく人材アロケーションを実行し、必要なところに必要な人材を投入するようにしています。また、重要ポジションのサクセッションプランを通した中長期的な必要人材の特定、両利き経営をけん引できる人材の育成、各部門でのタレントマネジメントなどについても、デジタル技術の活用も進めながら先見性をもって迅速な課題解決に努めています。
③指標及び目標
ダイバーシティの推進と働きがい改革をモニタリングするために、以下のような指標及び2027年度までの達成目標を設定しています。当社においては、関連する指標のデータ管理とともに、具体的な取り組みが行われているものの、連結グループに属する全ての会社では行われていないため、連結グループにおける記載が困難であります。このため、次の指標に関する目標及び実績は、連結グループにおける主要な事業を営む提出会社、又は提出会社及び主要な国内子会社を対象として記載しております。
イ.働きがい改革の加速
- いきいき度(エンゲージメント測定指標)全社平均 55%(2025年度実績:54%)
(注) 提出会社及び主要な国内子会社を対象としております。
ロ.多様な人材の採用定着
- 正社員採用女性比率 24%(2025年度実績:24%)
- 男性育休取得率 85%(2025年度実績:75%)
- えるぼし維持、くるみん取得、なでしこ銘柄選定(2025年度実績:えるぼし維持、Nextなでしこ選定)
(注) 提出会社を対象としております。
ハ.多様な視点を活かした価値創出
- 多様性尊重/コミュニケーション指数の向上
- 女性管理職比率 6.8%(2025年度実績:5.8%)
(注)1.女性管理職は係長級以上の比率としております。
2.提出会社を対象としております。
当社では2023年度から役員報酬にESGの指標達成の程度に応じて付与される「ESG指標要件型譲渡制限付株式報酬」を導入しており、人に対する取り組みが、経営レベルで後押しされる仕組みとなっています。