2025年3月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります

チタン事業 高機能材料事業
  • 売上
  • 利益
  • 利益率

最新年度

セグメント名 売上
(百万円)
売上構成比率
(%)
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
チタン事業 47,947 92.4 9,901 98.1 20.6
高機能材料事業 3,966 7.6 187 1.9 4.7

事業内容

3【事業の内容】

(チタン事業)

 金属チタン(スポンジチタン、チタンインゴット)を主な製品として製造販売を行っております。

 

(高機能材料事業)

 チタン、シリコンの新用途開発品である高純度チタン、粉末チタン、SiO等の高機能材料の製造販売を行っております。

 

 各々のセグメントごとの主要製品は次のとおりであります。

 

セグメント

主要製品

チタン事業

スポンジチタン、チタンインゴット、四塩化チタン、四塩化チタン水溶液

高機能材料事業

高純度チタン、SiO、TILOP(球状チタン粉末)、粉末チタン

 当社製品は多くの産業プロセスを経て最終製品となりますが、最終製品までの流れ(事業系統図)は次のとおりであります。

業績

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

当事業年度におけるわが国経済は、外国人入国者数の増加によるインバウンド需要もあり、国内消費の回復によって雇用や所得環境の改善がみられ、緩やかに景気回復が続きました。一方で人手不足の深刻化や資源・エネルギー価格の高止まり、物価高によるインフレの問題、為替相場及び株価の急激な変動といった不安要素が顕在化しております。また、海外経済も緩やかな回復基調にあるものの、インフレと金融引き締め策、中国での長期化する不動産市場低迷、ウクライナや中東情勢の地政学的リスクの継続、加えてアメリカの関税政策の見直し等により、その先行きは不透明さが急速に高まってきております。

 

当社を取り巻く事業環境について、チタン事業におきましては航空機需要が回復から成長軌道となっている事や世界的なチタンのサプライチェーン再編の影響が継続しており、スポンジチタンの需要は堅調に推移してきました。しかしながら、足元では航空機製造の主要メーカーであるボーイング社において、品質問題に加え約2ヵ月間続いたストライキ等により、サプライチェーンへの一時的な影響が生じております。また、高機能材料事業においても、半導体市場における調整局面が継続しております。

こうした中、当事業年度の売上高は51,914百万円(前年同期比6.2%減)、営業利益は10,088百万円(前年同期比21.7%増)、経常利益は9,076百万円(前年同期比3.0%減)、当期純利益は7,090百万円(前年同期比26.8%減)となりました。

 

①財政状態及び経営成績の状況

当事業年度におけるチタン事業の売上高は販売価格是正や円安効果があったものの、取引先における在庫積が前年度で完了、当年度は実需見合いの調達に移行した事やボーイング社による品質問題や約2ヵ月間続いたストライキ等の影響により、航空機用途向けが主体である輸出スポンジチタンの売上高は前年同期比4.0%減となりました。また、一般産業用途向け主体の国内スポンジチタンも、電解プラント向けやプレート式熱交換器向け需要の大幅な減少等により同17.1%減となりました。この結果、チタン事業の売上高は47,947百万円(前年同期比8.3%減)となりました。

損益につきましては、販売価格是正や操業改善といった収益改善や円安効果等により営業利益は9,901百万円(前年同期比17.7%増)となりました。

 

当事業年度における高機能材料事業の売上高は半導体市場の調整局面が継続しているものの、半導体関連のスパッタリングターゲット用高純度チタンの販売量が一部の取引先のスポット受注により増加したことから、3,966百万円(前年同期比31.2%増)となりました。

損益につきましては、同製品の販売増効果により営業利益は187百万円(前年同期は126百万円の損失)となりました。

 

損益につきましては、実需見合いの調達に移行した事やボーイング社のストライキ等の影響はありましたが、チタン事業における販売価格是正や円安効果等により、営業利益は10,088百万円(前年同期21.7%増)、経常利益は9,076百万円(前年同期3.0%減)、当期純利益は7,090百万円(前年同期26.8%減)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前事業年度末と比べ1,356百万円減少し、4,619百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期純利益等により2,859百万円の収入となりました(前事業年度は2,098百万円の収入)。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出等により3,475百万円の支出となりました(前事業年度は3,016百万円の支出)。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額等により694百万円の支出となりました(前事業年度は524百万円の支出)。

 

③生産、受注及び販売の実績

a生産実績

 当事業年度における生産実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

チタン事業

57,227

10.5

高機能材料事業

5,483

82.4

合計

62,710

14.4

(注) 金額は、販売価格によっております。

 

b受注実績

 当事業年度における受注実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

チタン事業

48,813

△4.3

12,343

7.6

高機能材料事業

4,015

28.7

935

5.5

合計

52,829

△2.4

13,279

7.4

 

c販売実績

 当事業年度における販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

チタン事業

47,947

△8.3

高機能材料事業

3,966

31.2

合計

51,914

△6.2

 

(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

第27期

第28期

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

住商メタレックス㈱

34,341

62.1

33,368

64.3

神鋼商事㈱

11,393

20.6

8,126

15.7

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

①当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a 当社の当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(売上高)

当社チタン事業においては、航空機需要の回復から成長軌道となっていること及び、世界的なチタンのサプライチェーン再編の影響により、スポンジチタンの需要は堅調に推移してきました。しかしながら足元では、航空機製造の主要メーカーであるボーイング社において、品質問題に加え約2ヵ月続いたストライキ等により、サプライチェーンへの一時的な影響が生じております。

また、高機能材料事業においても、2022年秋からの半導体市場の低迷及び調整局面が継続しております。こうした中、当事業年度の売上高は、51,914百万円(前年同期比6.2%減)となりました。

 

(営業利益・経常利益)

実需見合いの調達に移行した事やボーイング社のストライキ等の影響はありましたが、販売価格是正や操業改善といった収益改善や為替相場が円安に推移したことにより、営業利益は10,088百万円(前年同期比21.7%増)、経常利益は9,076百万円(前年同期比3.0%減)となりました。

 

(当期純利益)

 当期純利益につきましては、7,090百万円(前年同期比26.8%減)となりました。

 

(財政状態)

(イ)資産

 当事業年度末の総資産の残高は、100,925百万円と前事業年度末と比べ7,939百万円増加いたしました。これは、製品及び原材料、固定資産が増加したことが主な要因であります。

(ロ)負債

 当事業年度末の負債の残高は、58,087百万円と前事業年度末と比べ3,608百万円増加いたしました。借入金が増加したことが主な要因であります。

(ハ)純資産

 当事業年度末の純資産の残高は、42,838百万円と前事業年度末と比べ4,330百万円増加いたしました。これは、当期純利益により利益剰余金が増加したことが主な要因であります。

 

b セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

<チタン事業>

当社チタン事業におきましては、販売価格是正や円安効果があったものの、取引先における在庫積が前年度で完了、当年度は実需見合いの調達に移行した事やボーイング社による品質問題や約2ヵ月間続いたストライキ等の影響により、航空機用途向けが主体である輸出スポンジチタンの売上高は前年同期比4.0%減となりました。また、一般産業用途向け主体の国内スポンジチタンも、電解プラント向けやプレート式熱交換器向け需要の大幅な減少等により同17.1%減となりました。この結果、チタン事業の売上高は47,947百万円(前年同期比8.3%減)となりました。

 

 損益につきましては、販売価格是正や操業改善といった収益改善や円安効果等により営業利益は9,901百万円(前年同期比17.7%増)となりました。

 当事業年度において、製造能力の維持更新を主な目的として5,141百万円の設備投資を実施しております。

 

<高機能材料事業>

当事業年度における高機能材料事業の売上高は半導体市場の調整局面が継続しているものの、半導体関連のスパッタリングターゲット用高純度チタンの販売量が一部の取引先のスポット受注により増加したことから、3,966百万円(前年同期比31.2%増)となりました。

 セグメント損益は、同製品の販売増効果により営業利益は187百万円(前年同期は126百万円の損失)となりました。

 当事業年度において、製造能力の維持更新を主な目的として283百万円の設備投資を実施しております。

 

※経営方針・経営戦略、経営上の目的を達成するための方針につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当事業年度のキャッシュ・フローの状況は「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 当社の資金需要については、運転資金に加え製造設備の維持改善や研究開発等を目的とした設備投資等があります。これらの資金需要については、自己資金に加え、金融機関からの調達等により確保しております。

 長期借入金の借り換えも実施しながら、安定資金の確保と財務体質の健全化に向けた取り組みを進めております。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。

 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち重要と判断したものは、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 また、当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」に記載のとおりであります。