事業内容
セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
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セグメント別売上構成
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セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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セグメント別利益率
最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています
セグメント名 | セグメント別 売上高 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
セグメント別 利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
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(単一セグメント) | 137,950 | 100.0 | N/A | N/A | N/A |
事業内容
3 【事業の内容】
当行は、楽天グループ株式会社が49.26%出資するインターネットを活用した銀行であり、日本においては、個人・法人(事業性個人を含む)に対して、台湾においては主に個人に対して、多様なお客さまニーズに応える銀行サービス及びこれに付随する金融サービスを提供しています。
当行グループは、当行、連結子会社23社及び非連結子会社4社で構成されており、それぞれの役割は以下となっています。連結子会社である楽天信託株式会社は、信託業法に基づく信託業務を行っており、顧客から金銭、金銭債権、不動産等を受託しています。また、当行がグループ内外の企業の金銭債権、不動産等を流動化して当行の運用資産を組成する際には、倒産隔離を実現するために、多くの案件において楽天信託株式会社の信託機能を利用しています。連結子会社である一般社団法人スーパートラストホールディングス及び「資産の流動化に関する法律」に基づく特定目的会社であるスーパートラスト1乃至20は、楽天カード株式会社マンスリークリア債権の信託受益権をバックアセットにして資産担保コマーシャルペーパー(ABCP)を発行する目的で設立しています。特定子会社である楽天國際商業銀行股份有限公司は、台湾において、当行が日本においてこれまで培ってきたインターネットバンキング(パソコンやスマートフォンなどインターネットを介し、銀行の取引ができるサービスをいう。以下同じ。)のノウハウを活かし、インターネットを活用した銀行業を営んでいます。非連結子会社である楽天バンクドメインサービス株式会社は、当行の旧商号である「イーバンク銀行株式会社」が保有していたドメインの管理を行う目的で設立しています。同様に、トランスバリュードメインサービス株式会社は、当行の子会社である楽天信託株式会社の旧商号である「トランスバリュー信託株式会社」が保有していたドメインの管理を行う目的で設立しています。
当行及び当行の関係会社の事業に係る位置づけは以下のとおりであり、事業の区分は「第5 経理の状況 1 (1) 連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントと同一区分です。
なお、当行グループは、銀行業以外に、信託業等の事業を営んでいますが、信託業等の全セグメントに占める割合は僅少であり、銀行業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しています。
親会社である楽天グループ株式会社並びに同社の子会社及び関連会社(以下、「楽天グループ」という。)のうち、一部の子会社及び関連会社との主な事業上の関係は以下のとおりです。
当行は、楽天カード株式会社、楽天証券株式会社、楽天生命保険株式会社、楽天損害保険株式会社に銀行代理業務(口座開設の媒介)を委託しています。
(事業系統図)
当行は、登録金融機関業務として、楽天証券株式会社から金融商品仲介業務を受託しています。
当行は、楽天生命保険株式会社及び楽天損害保険株式会社から保険代理業を受託しています。
当行は、インターネットを活用し、個人、法人のお客さまに利便性の高いサービス、お得なサービスを、スピード感をもって提供し、「安心・安全で最も便利な銀行」を実現することを目指して事業を展開しています。具体的には、個人ビジネスにおいては、① 「生活口座として利用される銀行」、② テクノロジーを活用した時間と場所を選ばない「安心・安全で便利な銀行」を目指します。なお、「生活口座」とは、「(a)給与・賞与の受け取り、(b)電気・ガス・水道等の公共料金、携帯電話料金、クレジットカード利用代金、借入の返済等の口座振替、(c)各種支払いを行うための振込、振替、海外送金、(d)資産の運用等、個人の生活の幅広いニーズを満たすために利用される銀行口座」と定義しています。法人ビジネスにおいては、テクノロジーを使って融資、預金、為替を含めた全ての銀行サービスをお客さまのニーズに合わせて提供し、① 「取引先企業の規模に関わらず全ての取引先に利便性を提供する銀行」、② 「企業経営者のパートナーになる銀行」を目指しています。また、楽天エコシステムを活用して新規顧客を効率的に獲得し、当行の事業の成長の実現を目指します。これらの楽天エコシステムを活用した事業展開を通じて、お客さまの楽天グループのサービスに対する信頼を高め、結果としてお客さまの当行サービスに対する粘着性の向上に繋げます。さらには、インターネットの有効利用や役職員の革新的なアイデアの活用により事業の低コスト運営を徹底し、低コスト運営により得られたコスト削減分の一部をお客さまにポイントやキャッシュバック等で還元することにより、お客さまにとってお得なサービスを実現します。
当行が上記の方針に基づき、継続的なサービスの利便性向上、価格競争力の向上を実現したことがお客さまに評価されたと考えられ、それに加え、社会のデジタルシフトを背景に「時間と場所を選ばずに銀行取引が可能なスマートフォンアプリ等を活用したインターネットバンキング需要」が高まったことにより、当行の口座数・預金量は着実に増加してきました。昨今では、新型コロナウイルス感染症蔓延に伴う外出自粛・リモートワークの促進等により、インターネットバンキングの利便性に関する認知度がさらに向上し、当行のサービスの利便性、価格競争力に対する評価が一層高まった結果、当行の顧客基盤は大きく拡大したと考えています。その結果、当行は、口座数1,523万口座、預金量10.5兆円と、日本のインターネット銀行業界において最大の顧客基盤(2024年3月末現在、住信SBIネット銀行株式会社、PayPay銀行株式会社、auじぶん銀行株式会社、ソニー銀行株式会社、株式会社大和ネクスト銀行、オリックス銀行株式会社、GMOあおぞらネット銀行株式会社、株式会社みんなの銀行、株式会社UI銀行の開示情報に基づく当行調べ)を有しています。こうした顧客基盤の拡充を背景として、以下のとおり、当行の業績は向上しています。
(単位:百万円、千口座)
日本における社会のデジタルシフトはまだ緒に就いたばかりであり、今後、日本社会のデジタルシフトは加速し、インターネットバンキングに対する個人、法人のお客さまのニーズは拡大すると期待されるため、当行は、サービスの利便性と価格競争力で、これらのインターネットバンキングに対するお客さまニーズの増加を確実に捕捉し、更なる口座数・預金量の伸長による顧客基盤の拡充を実現し、持続的な事業の成長を図ります。
(事業の特徴)
当行は、物理的な支店を持たず、自前のATMも保有せずにインターネットで銀行サービスを提供するインターネット銀行であり、従来の銀行と比較して、比較的低コストでの事業運営が可能です。銀行業においては、費用に占める固定費の割合が高いため、インターネット銀行がビジネスモデル上コスト競争力があるとはいえ、一定の事業規模に到達するまでは、その競争力を発揮するには至りません。当行は、インターネット銀行のビジネスモデル上のコスト競争力を享受できる事業規模を既に超えていると考えており、今後の事業拡大により、当行のコスト競争力はさらに強化されるものと見込んでいます。
また、当行は、従来、楽天エコシステムとのシナジーを追求し、楽天グループのお客さま(以下、「楽天会員」という。)に対して当行サービスの利便性と価格競争力を訴求することにより顧客基盤を拡充してきました。楽天会員を中心としたユーザーに対し、様々なサービスを提供するビジネスモデルである楽天エコシステムは、楽天グループが保有するメンバーシップ、データ及びブランドを結集したビジネス展開により拡大し、国内外の会員がEC、フィンテック、デジタルコンテンツ、携帯キャリア事業等の複数のサービスを回遊的・継続的に利用できる環境を整備することで、会員一人当たりの生涯価値(ライフタイムバリュー)の最大化、顧客獲得コストの最小化等の相乗効果を創出し、グループ収益の最大化を目指すものです。当行は、楽天エコシステムとのシナジーを追求し、楽天グループの1億超ID(2024年3月現在)の強固な顧客基盤を活用した新規顧客獲得及び当行へのロイヤリティを高める施策を推進しており、楽天グループ株式会社とのポイントプログラムの提携等、楽天証券株式会社との口座連携(マネーブリッジ)、銀行代理業の委託、金融商品仲介業務等、楽天カード株式会社、楽天生命保険株式会社、楽天損害保険株式会社への銀行代理業の委託等、楽天ペイメント株式会社のキャッシュレス決済サービス「楽天ペイ(アプリ決済)」(以下、「楽天ペイ」という。)における当行口座からの即時払いサービス等、楽天グループ株式会社及びその他の楽天グループ各社との間で様々な提携を行っています。また、楽天グループのサービスと組み合わせた銀行サービスを提供することによる付加価値をお客さまに提供できていると考えており、この付加価値がお客さまの当行及び楽天グループへのロイヤリティをさらに高める効果をもたらしていると考えています。
このように、お客さまの当行へのロイヤリティを高めるインセンティブ施策の一つとして当行の自律的判断に基づき楽天ポイントを活用していることや、ブランドや知名度、楽天グループ各社との顧客相互送客等を通じた楽天エコシステムの活用により他のインターネット銀行とは異なる利便性や価格競争力をお客さまに提供していることが当行の効率的な新規顧客獲得、及びお客さまのリテンションに寄与していると考えており、今後は、引き続き楽天エコシステムとのシナジーを強化していきますが、他方、当行の知名度アップに伴い、楽天グループ外のチャネルで当行のサービスの利便性を訴求することによる新規顧客獲得がさらに増えると考えています。
① 充実したサービスラインナップ
当行が提供しているサービスの特徴は、主要行や地域金融機関が提供してきた銀行サービスをインターネットを活用して利便性を高め、低コストで提供することに加え、当該金融機関等が提供してこなかった周辺サービスも幅広く提供し、従来の銀行サービスを超えるフィンテックサービス全般を提供していることです。当行は、従来の銀行サービスを超えたフィンテックサービスを提供することにより、お客さまの多様な金融サービスへのニーズを漏れなく取り込むことを目指しています。
お客さまの多様な金融サービスへのニーズを漏れなく取り込むためには、まず、お客さまの生活に密着する支払いを取り込むべく、お客さまに複数の利便性の高い支払方法の選択肢を提示することが重要であると考えています。具体的には、個人の生活において必要な電気・ガス・水道・携帯電話・クレジットカード・税金等の支払ニーズに対して、口座振替、「楽天銀行コンビニ支払サービス(アプリで払込票支払)」(コンビニ払込票に記載してあるバーコードを楽天銀行アプリで読み込むことにより、コンビニに行かずにいつでもどこでも楽天銀行口座から支払いができるアプリ決済サービス)、「Pay-easy(ペイジー)」(日本マルチペイメントネットワーク運営機構が提供するインターネットを使った支払サービス)といった多様な利便性の高い決済サービスをお客さまに提供しています。また、これらの支払サービスの提携先を順次拡大し、お客さまの利便性の向上に努めています。加えて、お客さまの資金受取ニーズに対しても、給与をはじめとして、国民年金・厚生年金、国税還付金等を受け取るためのサービスをお客さまに提供するのみならず、これらの資金の受け取りを行ったお客さまに各種優遇を提供することとしています。さらには、外貨預金、振込、宝くじ、海外送金等、利便性に優れた幅広いサービス提供することにより、個人のお客さまの生活口座としてご利用いただくことを推進しています。こうした取組が功を奏し、2024年3月期における決済件数は、約798百万件(前年比10.1%増)となっています。
また、今後、キャッシュレス社会がさらに進展し、いずれはゼロキャッシュ社会が到来する可能性もあると考えています。当行は、いち早く当行口座を活用したキャッシュレスペイメントに対応し、利用金額の1%のポイントをお客さまに還元し、Visa・Master・JCBの3ブランドに対応している「デビットカード」、当行口座からオートチャージができ、バリューチャージ金額に応じてプレミアムバリューが付与され、JCBの加盟店で利用可能な「プリペイドカード」、及び全国のコンビニ・ドラッグストア等で利用可能な楽天ペイにおける当行口座からの即時払いサービスをお客さまに提供しています。今後、楽天ペイを運営する楽天ペイメント株式会社との協業を更に進めることを企図して、2022年7月に楽天ペイメント株式会社の株式を5%取得しました(2024年3月末時点における保有割合は4.7%)。当行は、銀行業界において、最も幅広い銀行口座からのキャッシュレスペイメント手段を提供している銀行の1つであると考えており、今後のゼロキャッシュ社会に向けた動きの中で、決済情報等の独自データを活用し、お客さま毎にカスタマイズしたサービスを提供することで、この優位性をさらに強化していきます。
また、楽天銀行アプリとFacebookを連携させることにより、Facebookの友達に銀行口座情報を入力することなく送金できる「Facebookで送金」、受取人のメールアドレスと名前だけで振込が可能な「かんたん振込(メルマネ)」といったユニークなフィンテックサービスも提供しています。
さらには、当行がオープンプラットフォーム戦略の一環として推進している地域金融機関及び事業会社(以下、「提携企業」という。)に対するBaaS(Banking as a Service)の提供においても、当行は、前述のとおり他行比システムコストの優位性があると認識しており、かつ自行において幅広いサービスを1つのアプリで提供することを実現していることから、BaaSにおいても優位性を発揮できると考えています。当行が推進しているBaaSは、当行において提携企業の専用支店を設置し、提携企業は、当行の銀行代理業者として当行の専用支店の口座開設の媒介を行い、提携企業の顧客が当行の専用支店に口座を開設して、当行のインターネットバンキングサービスを利用するスキームです。専用支店では、当行が一般顧客に提供するサービスから提携企業が選択したサービスのみを提供し、提携企業が地域金融機関の場合には、当行口座と当該地域金融機関のお客さま口座の連携を実現するためにオープンAPIの技術を活用しています。具体的には、2019年11月に株式会社大垣共立銀行、2021年12月に株式会社西日本シティ銀行、2023年1月に第一生命保険株式会社の顧客に対するインターネットバンキングサービスの提供を開始しました。加えて、2022年12月には東日本旅客鉄道株式会社と株式会社ビューカードが検討している新たなデジタル金融サービス「JRE BANK」の提供に向けて合意しました。当行はBaaSを通じて、自社のお客さまに銀行サービスを提供したい提携企業が有するアセットやノウハウと、当行が有する金融サービスに関するノウハウを、当行の柔軟なシステム開発能力を活用して融合し、お客さまに銀行単体では提供できないユーザー体験を創出することにより、ユニークかつ競争力のあるフィンテックサービスを実現することを目指しています。
法人ビジネスにおいても、当行がシステムを自行で開発、運用、保守する体制を採っていることが、大きな効果を発揮していると考えています。当行は、法人のお客さまに対して、競争力のある価格で一般的な銀行サービスを提供するとともに、多様かつユニークな国内外への支払サービス、資金受取サービス、資金集中サービス等を提供しています。さらにはシステムの柔軟な開発能力を活用して、法人のお客さま毎のニーズに合わせてサービスをカスタマイズすることも行っています。また、当行は、インターネット銀行ではあるものの、法人のお客さまへの営業においては、インターネットマーケティングと対面アプローチのハイブリッドの営業手法を採っており、お客さまの経営方針や金融サービスニーズの詳細なヒアリングに基づき、多様なサービスの中からお客さまに最適なものを提案し、必要があればカスタマイズ提案も行い、お客さまのニーズに沿った法人向けインターネットバンキングサービスを提供しています。
こうした取組が功を奏しており、2024年3月期において、手数料収益等で構成される非金利収益は、経常収益の約40%を占めています。なお、非金利収益は、損益計算書における役務取引等収益及びその他業務収益に計上しています。
② 多様な運用資産
イ.個人向けローン
当行の現在の主たる収益源は個人ビジネスですが、その中でも、幅広い個人向けローン商品を提供していることが、当行の競争力の源泉となっていると考えています。物理的な支店を持たず、インターネットを活用して全国のお客さまにサービスを提供しており、地域を限定せずに、住宅ローン、カードローン、教育ローン、トラベルローン、英会話ローン、不動産担保ローン、投資用マンションローン、リバースモーゲージ等、お客さまのライフステージやライフスタイルの変化に応じた多様なニーズに応え得る幅広いローン商品を備えています。この充実した商品ラインナップをベースに、楽天グループで培ってきたインターネットマーケティングのノウハウ等をフルに活用することにより、顧客ニーズに合わせたローンの提案を行い、ローンビジネスを拡大してきたと自負しています。その結果、2024年3月末現在において、個人向けローン残高は1兆8,988億円となっており、当行の運用資産の約25%を占めています。
ロ.運用資産の多様化
当行の資金運用面では、上記個人向けローンに加えて、各種資産の証券化ノウハウ、当行及び楽天グループが保有するデータ等を活用して、自ら運用資産を創出し、運用収益を拡大しています。具体的には、企業の保有する金銭債権や不動産等を当行独自で証券化のアレンジを行い、当行の子会社である楽天信託株式会社で信託受託して証券化による倒産隔離を実現し、証券化された資産を当行が投資家として購入することにより、お客さまにワンストップの証券化サービスを提供しています。当行グループ内で完結するワンストップの証券化サービスは、スピード、コスト面において競争力があると自負しており、楽天カード株式会社のクレジットカード債権や楽天モバイル株式会社の通信料債権及び端末割賦債権の金銭債権等を証券化するのみならず、楽天グループ外の企業が保有する各種資産の証券化も幅広く手掛けており、当行の運用資産の多様化に大きく寄与しているものと考えています。また、この証券化による運用資産の創出の一環として、太陽光発電プロジェクト等の事業リスクの証券化にも取り組んでおり、当行の運用の拡大に貢献しています。
今後も、当行の有する証券化ノウハウと、当行及び楽天グループが保有するデータを活用して、魅力的なリスク・リターンプロファイルを有する当行固有又は楽天グループ独自の資産を中心に運用資産を積極的に積み増し、当行の収益力をさらに向上させることを目指しています。
ハ.法人融資への取組
当行は、法人のお客さまの資金決済・運用・借入ニーズに対して適切なソリューションを提案することを通じたお客さまとの総合取引を推進しており、その中で法人のお客さまの運転資金及び設備資金の資金需要に対する融資も手掛けています。今後、法人のお客さまの銀行サービスのデジタル化が進展し、当行の知名度アップにより幅広い法人のお客さまに当行の法人サービスが認知されることにより、当行の法人融資が、中期的に当行の運用資産の柱の1つに成長することを期待し、その実現に向けて取り組んでいます。
③ システムの自行開発、運用、保守体制
当行は、行員がシステムの開発、運用、保守をコントロールする体制を構築しています。この自行によるシステムの開発、運用、保守体制により、当行は、システムコストにおいて、他行比高い競争力を有していると考えています。また、自行による開発、運用、保守体制により柔軟かつスピード感のあるシステム開発が可能となり、現在のインターネット銀行サービスの競争の主戦場であるスマートフォンアプリにおいて、1つのアプリでほぼ全てのサービスを、わかり易く、使い易いユーザーインターフェースで提供することを実現していると自負しています。また、技術革新の早いインターネット業界においては、常に最先端の技術に対する情報収集が必要であり、世界的にインターネット事業を展開する楽天グループに属する当行は、楽天グループのインターネットに関するテクノロジーを享受できる立場にあり、この点も当行の優位性に繋がっていると考えています。
当行が楽天グループに属していることは、楽天グループで蓄積されたAIの活用ノウハウを享受できるという面でも当行の競争力を高めていると考えています。当行及び楽天グループが保有するデータとAIを有効活用することにより、当行の各種サービスの潜在顧客を特定し、顧客毎にサービスを利用する可能性が最も高いタイミングでサービスの提案を行い、当行の収益向上を実現していると考えています。また、ローンの審査モデルの構築や審査精度向上にもAIを活用し、貸倒コストをコントロールしつつローン収益を拡大しています。併せて、AIを業務の効率化目的にも積極活用しており、当行の低コスト運営を継続的に強化しています。さらに、当行の顧客に対する広告ビジネスにおいても、AIの有効活用により、精度の高いターゲティングが可能であり、広告のクライアントのニーズに的確に応えることができると考えていることから、今後、広告ビジネスを強化していく方針です。
④ 強固な顧客基盤を有する楽天エコシステムとのシナジーの追求
当行は、楽天エコシステムとのシナジーを追求し、楽天グループの1億超ID(2024年3月現在)の強固な顧客基盤を活用して、今後も継続的に新規顧客の獲得を目指していきます。楽天会員は、楽天のサービスに対するロイヤリティが高く、その信頼の上に当行の銀行サービスが位置付けられることにより、短期間で大量の新規顧客獲得を実現してきました。2023年度における新規口座開設の約70%が楽天グループ経由での申込となっており、顧客獲得コストの抑制に寄与していると認識しています。また、楽天グループのサービスと組み合わせた銀行サービスをお客さまに提供することにより、他の銀行にはない価値をお客さまに提供しており、この価値がお客さまの当行及び楽天グループへのロイヤリティをさらに高める効果をもたらしていると考えています。さらには、当行は、お客さまの当行サービスの利用や預金残高に基づきお客さまに楽天ポイントを付与する顧客優遇プログラム「ハッピープログラム」も提供しています。楽天ポイントは、当行の振込手数料に充当できるほか、楽天グループが提供する様々なサービスの利用代金の支払いや、コンビニ等のリアル店舗での支払いにも利用できるため、「ハッピープログラム」は、お客さまのリテンションに大きく寄与していると考えています。
業績
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
1.経営成績等の状況の概要
当行グループ(当行、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりです。
① 財政状態及び経営成績の状況
(連結経営成績)
当連結会計年度の連結経常収益は、前連結会計年度比17,504百万円増の137,950百万円となりました。経常収益の内訳を見ると、資金運用収益が、楽天カード株式会社のクレジットカード債権等を裏付資産とする信託受益権残高の増加、及び投資用マンションローン、提携ローン、カードローン等の貸出金残高の増加により、前連結会計年度比15,508百万円増の84,518百万円となりました。役務取引等収益は、口座数の増加、生活口座化の進展による為替関連手数料の増加等により、前連結会計年度比1,697百万円増の42,849百万円となりました。その他業務収益は、新型定期預金(仕組預金)に係る収益等が減少し、前連結会計年度比211百万円減の8,219百万円となりました。また、台湾で2021年1月に営業開始した樂天國際商業銀行股份有限公司において、前連結会計年度比883百万円増の2,188百万円の経常収益を計上しました。
一方、連結経常費用は、前連結会計年度比7,884百万円増の89,583百万円となりました。経常費用の中では、資金調達費用が、預金残高の伸長による預金利息の増加等により、前連結会計年度比4,493百万円増の11,125百万円となりました。役務取引等費用は、保証付きカードローンの支払保証料が減少したものの、支払為替手数料等の増加により、前連結会計年度比128百万円増の33,407百万円となりました。また、営業経費は、販売促進費が減少したものの、業務委託費、広告宣伝費、及びソフトウエア償却費等の増加により、前連結会計年度比2,748百万円増の41,950百万円となりました。樂天國際商業銀行股份有限公司においては、前連結会計年度比930百万円増の5,297百万円の経常費用を計上しました。
これらの結果、連結経常利益は、前連結会計年度比9,620百万円増の48,367百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比6,744百万円増の34,436百万円となりました。
なお、当行グループは、銀行業の単一セグメントであるため、セグメント毎の経営成績等については記載を省略しています。
(連結財政状態)
当連結会計年度末における資産の部については、貸出金が、投資用マンションローン、提携ローンの堅調な増加に加えて、カードローン残高が純増に転じたことにより、前連結会計年度末比288,979百万円増の4,069,567百万円、買入金銭債権が、楽天カード株式会社のクレジットカード債権等を裏付資産とする信託受益権等の購入により、前連結会計年度末比447,752百万円増の2,550,812百万円となりました。有価証券は、国債、政府保証債、事業債、外国債券等の購入により、前連結会計年度末比310,133百万円増の1,090,506百万円、現金預け金は、前連結会計年度末比740,869百万円増の4,791,097百万円となりました。この結果、資産の部の合計額は、前連結会計年度末比1,890,965百万円増の13,480,473百万円となりました。
負債の部については、普通預金が、口座数の伸長や生活口座化の進展に加え楽天証券株式会社との口座連携サービス(マネーブリッジ)を利用する顧客数の増加もあり、前連結会計年度末比1,348,900百万円増の9,475,548百万円、定期預金が前連結会計年度末比113,726百万円増の878,580百万円となりました。また、借用金は、日本銀行の貸出増加を支援するための資金供給を活用しているものですが、前連結会計年度末比288,400百万円増の2,565,800百万円となりました。負債の部の合計額は、前連結会計年度末比1,843,061百万円増の13,200,885百万円となりました。
純資産の部については、資本金が、2023年4月に東京証券取引所プライム市場へ上場した際の増資等により前連結会計年度末比6,662百万円増の32,616百万円、資本剰余金が、前連結会計年度末比6,662百万円増の10,543百万円となり、利益剰余金が親会社株主に帰属する当期純利益の計上により前連結会計年度末比34,436百万円増の221,151百万円となりました。純資産の部の合計額は、前連結会計年度末比47,903百万円増の279,587百万円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローについては、営業活動によるキャッシュ・フローが、買入金銭債権の増加による430,987百万円の支出、貸出金の増加による287,328百万円の支出等があった一方、預金の増加による1,448,715百万円の収入、借用金の増加による288,400百万円の収入等があったことから、1,027,880百万円の収入(前連結会計年度比433,185百万円の収入増加)となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の償還による292,955百万円の収入、有価証券の売却による7,823百万円の収入等があった一方、有価証券の取得による592,468百万円の支出等があったことから、301,058百万円の支出(前連結会計年度比107,480百万円の支出増加)となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、2023年4月に東京証券取引所プライム市場へ上場した際の増資等により、13,324百万円の収入(前連結会計年度比13,324百万円の収入増加)となりました。
以上の結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末比740,866百万円増加し、4,791,091百万円となりました。
③ 生産、受注及び販売の状況
「生産、受注及び販売の状況」は、銀行業における業務の特殊性のため、該当する情報がないので記載していません。
2.経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当行グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものです。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度における世界経済は、「アフターコロナ」での経済活動の正常化により回復傾向にありましたが、長期化するロシア・ウクライナ情勢やイスラエル・パレスチナ情勢等の影響により不透明感も漂いました。また、原油、原材料価格、人件費の上昇等を契機とするインフレ進行への対応として、欧米を含む多くの国の中央銀行が連続的に政策金利を引き上げたことで、逆に高金利による景気悪化への懸念も生じました。日本においては、2023年5月に新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行されたことにより「アフターコロナ」への転換が進み、経済活動が活発化するとともに、インバウンドの回復による外国人旅行者の消費も景気回復を後押ししました。金融政策においては、日本銀行が2024年3月の金融政策決定会合において、賃金と物価の好循環を確認し、2%の「物価安定の目標」が持続的・安定的に実現していくことが見通せる状況に至ったと判断し、2016年から継続してきたマイナス金利政策の解除を決定しました。その結果、これまで−0.1%としていた政策金利を0~0.1%程度(無担保コール翌日物レート)に引き上げました。
当行グループは、銀行サービスが重要な社会インフラであるという確固たる認識を持ち、また新型コロナウイルス感染症への対応として加速した個人の生活や法人の企業活動のデジタルシフトにより当行グループへの社会的期待が一層高まっていることを十分に踏まえ、当連結会計年度においても、高性能かつ安定的な決済インフラの運営、システムの効率化、内部管理態勢の整備を推進しました。併せて、新サービスの導入や資産運用の強化等を通じて今まで以上に収益性と成長性を重視した経営に取り組んでまいりました。具体的には、お客さまに提供するサービスの利便性をさらに向上させるために継続的に決済サービス等の改善に取り組むとともに、高齢化社会の進展を見据え、社会の多様性に対応し、お客さまにより多くの選択肢を提供させていただくように商品開発を進めました。
まず、楽天銀行アプリでより多くの支払いを簡単に行うことができるようにするために、口座振替とPay-easy(ペイジー)にて支払いができる先を拡大しました。八王子市の公金の口座振替及びPay-easyの取扱い、並びに宇都宮市、福岡市、千葉県、川崎市の公金、宇都宮市上下水道局、横浜市水道局の水道料金、日本学生支援機構の奨学金、独立行政法人中小企業基盤整備機構が取扱う小規模企業共済、株式会社日本政策金融公庫(国民生活事業及び中小企業事業)の融資金返済の口座振替サービスの取扱いを開始しました。また、「楽天銀行コンビニ支払サービス(アプリで払込票支払)」において、地方税統一QRコードの取扱いを開始し、当サービスにて支払いができる先を大きく拡大しました。
さらには、楽天証券との口座連携サービス「マネーブリッジ」の自動スイープの対象に国内株式積立注文取引を新たに加えました。この改善は、新NISA制度で積立を行うお客さまの利便性も向上するものです。また、人生100年時代の到来による価値観や住まいのあり方の多様化を踏まえ、住宅を購入されるお客さまの住宅ローンの返済負担を軽減するとともに、将来の住み替え等、様々なライフステージの変化に合わせた住み方をお客さまご自身でお選びいただける住宅ローンとして、「残価設定型住宅ローン」を一般社団法人移住・住みかえ支援機構と共同で開発しました。2023年4月に旭化成ホームズ株式会社と提携し、同6月には大和ハウス工業株式会社と提携して、同住宅ローンの提供を開始しました。
これらの取組の結果、事業規模については、口座数が2024年2月に1,500万口座を突破し、2024年3月末には1,523万口座に達し、単体預金残高が2023年12月に10,000,000百万円を突破し、2024年3月末には10,540,202百万円に達しました。
② 経営成績に重要な影響を与える要因
当行グループの経営成績に重要な影響を与える要因としては、国内の金利動向が挙げられます。金利動向に伴う資産・負債の公正価値の変動及び発生する損益の変動については、ALM委員会にてモニタリングすることでそのリスクを評価するとともに、必要に応じてヘッジ取引等により対応を図るものとしています。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当行グループの資金調達は、金利動向等を踏まえて、主として預金により確保しており、今後も安定的に増加させていく方針です。
当連結会計年度末における現金預け金は47,910億円であり、十分な水準にて確保しており、資金流動性確保に懸念はないものと考えています。
なお、当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況については、上記「1.経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当行グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しています。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いていますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積りに用いた仮定のうち、重要なものは貸倒引当金及び金融商品の時価の計上です。
貸倒引当金に関して、当行では、全ての債権について、資産の自己査定基準に基づき資産の自己査定を実施しています。資産の自己査定にあたっては、債務者を「正常先」「要注意先」「破綻懸念先」「実質破綻先」「破綻先」の5段階に区分し、当該区分に応じて、予め定めている償却・引当基準に則り、貸倒引当金を計上しています。「正常先」「要注意先」については、主として今後1年間の予想損失額又は今後3年間の予想損失額を見込んで計上しており、予想損失額は、1年間又は3年間の貸倒実績又は倒産実績を基礎とした貸倒実績率又は倒産確率の過去の一定期間における平均値に基づき損失率を求め、これに将来見込み等必要な修正を加えて算定しています。「破綻懸念先」については、債権額から、担保の処分可能見込額及び保証による回収可能見込額を控除し、その残額のうち、債務者の支払能力を総合的に判断し必要と認める額を計上しています。「実質破綻先」「破綻先」については、債権額から回収可能見込額を控除し、その残額を貸倒引当金に計上しています。連結される子会社及び子法人等の貸倒引当金は、一般債権については過去の貸倒実績率等を勘案して必要と認めた額を、貸倒懸念債権等特定の債権については、個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額をそれぞれ計上しています。当行グループにおける当該見積り及び当該仮定については、連結財務諸表作成時における入手可能な最善の情報に基づいていますが、予測不能な前提条件の変化等により債権の評価に関する見積りが変化する場合があり、この場合には、翌連結会計年度の連結財務諸表において認識する貸倒引当金及び貸倒引当金繰入額等の金額に重要な影響を与える可能性があります。
金融商品の時価に関して、当行では、時価の算定に用いたインプットの観察可能性及び重要性に応じて、時価を3つのレベルに分類しています。特に、算定した時価等について市場で観察できないインプットが重要な構成要素であることからレベル3に分類されるものについては、時価評価に用いる見積り及び仮定の複雑性、不確実性が高いものとなります。インプットに関する情報の詳細は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(金融商品関係) 3 金融商品の時価のレベルごとの内訳等に関する事項 (注2) 時価で連結貸借対照表に計上している金融商品のうちレベル3の時価に関する情報 (1) 重要な観察できないインプットに関する定量的情報」に記載しています。これらの時価の算定に使用された主要な仮定には不確実性があり、特にレベル3に分類されるものについては、時価評価に用いる見積り及び仮定の複雑性、不確実性が高いものであり、評価に用いるインプットが市場環境の変化等を受けて変化することにより時価が増減する可能性があります。インプットを変化させた場合の時価に対する影響の詳細は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(金融商品関係) 3 金融商品の時価のレベルごとの内訳等に関する事項 (注2) 時価で連結貸借対照表に計上している金融商品のうちレベル3の時価に関する情報 (4) 重要な観察できないインプットを変化させた場合の時価に対する影響に関する説明」に記載しています。
(参考)
(1) 国内・海外別収支
当連結会計年度における資金運用収支は、前連結会計年度比11,014百万円増加し73,393百万円、信託報酬は前連結会計年度比224百万円増加し1,464百万円、役務取引等収支は前連結会計年度比1,569百万円増加し9,441百万円、その他業務収支は、前連結会計年度比208百万円減少し8,219百万円となりました。
国内・海外別に見ますと、国内の資金運用収支は前連結会計年度比10,693百万円増加し72,846百万円、信託報酬は前連結会計年度比224百万円増加し1,464百万円、役務取引等収支は前連結会計年度比1,602百万円増加し9,535百万円、その他業務収支は前連結会計年度比200百万円減少し8,202百万円となりました。
海外の資金運用収支は前連結会計年度比321百万円増加し546百万円、役務取引等収支は前連結会計年度比33百万円減少し△94百万円、その他業務収支は前連結会計年度比7百万円減少し17百万円となりました。
(注) 1.「国内」とは、当行及び国内に本店を有する連結子会社(以下、「国内連結子会社」という。)に関する数値です。
2.「海外」とは、海外に本店を有する連結子会社(以下、「海外連結子会社」という。)に関する数値です。
3.「相殺消去額」は、「国内」と「海外」間の取引に関する相殺額を記載しています。
(2) 国内・海外別資金運用/調達の状況
当連結会計年度の資金運用勘定平均残高は、前連結会計年度比1,434,501百万円増加し8,570,704百万円となりました。資金運用利息は、前連結会計年度比15,508百万円増加し84,518百万円となりました。この結果、資金運用利回りは、前連結会計年度比0.01ポイント上昇して0.98%となりました。
また、資金調達勘定平均残高は、前連結会計年度比1,740,600百万円増加し11,916,737百万円となりました。資金調達利息は、前連結会計年度比4,493百万円増加し11,125百万円となりました。この結果、資金調達利回りは、前連結会計年度比0.02ポイント上昇して0.09%となりました。
国内・海外別に見ますと、国内の資金運用勘定平均残高は前連結会計年度比1,388,104百万円増加し8,435,627百万円となりました。資金運用利息は、前連結会計年度比14,603百万円増加し82,382百万円となりました。この結果、資金運用利回りは、前連結会計年度比0.01ポイント上昇して0.97%となりました。
また、国内の資金調達勘定平均残高は、前連結会計年度比1,692,538百万円増加し11,792,620百万円となりました。資金調達利息は、前連結会計年度比3,910百万円増加し9,536百万円となりました。この結果、資金調達利回りは、前連結会計年度比0.02ポイント上昇して0.08%となりました。
海外の資金運用勘定平均残高は前連結会計年度比46,396百万円増加し152,957百万円となりました。資金運用利息は、前連結会計年度比904百万円増加し2,135百万円となりました。この結果、資金運用利回りは、前連結会計年度比0.24ポイント上昇して1.39%となりました。
また、海外の資金調達勘定平均残高は、前連結会計年度比48,061百万円増加し124,116百万円となりました。資金調達利息は、前連結会計年度比583百万円増加し1,589百万円となりました。この結果、資金調達利回りは、前連結会計年度比0.04ポイント低下して1.28%となりました。
① 国内
(注) 1.平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出していますが、国内連結子会社については、前連結会計年度末と当連結会計年度末の残高に基づく平均残高を利用しています。
2.「国内」とは、当行及び国内連結子会社に関する数値です。
3.「資金運用勘定」は無利息預け金の平均残高(前連結会計年度3,213,168百万円、当連結会計年度3,546,062百万円)を控除しています。
② 海外
(注) 1.海外連結子会社の平均残高は、前連結会計年度末と当連結会計年度末の残高に基づく平均残高を利用しています。
2.「海外」とは、当行の海外連結子会社に関する数値です。
③ 合計
(注) 1.「相殺消去額」は、「国内」と「海外」間の取引に関する相殺額を記載しています。
(3) 国内・海外別役務取引の状況
当連結会計年度の役務取引等収益は前連結会計年度比1,697百万円増加し42,849百万円となりました。また、役務取引等費用は前連結会計年度比128百万円増加し33,407百万円となりました。
国内・海外別に見ますと、国内の役務取引等収益は前連結会計年度比1,716百万円増加し42,827百万円、役務取引等費用は前連結会計年度比114百万円増加し33,292百万円となりました。
海外の役務取引等収益は前連結会計年度比18百万円減少し21百万円、役務取引等費用は前連結会計年度比14百万円増加し115百万円となりました。
(注) 1.「国内」とは、当行及び国内連結子会社に関する数値です。
2.「海外」とは、当行の海外連結子会社に関する数値です。
3.「相殺消去額」は、「国内」と「海外」間の取引に関する相殺額を記載しています。
(4) 国内・海外別預金残高の状況
○ 預金の種類別残高(末残)
(注) 1.「国内」とは、当行及び国内連結子会社に関する数値です。
2.「海外」とは、当行の海外連結子会社に関する数値です。
3.流動性預金=普通預金
4.定期性預金=定期預金
5.「相殺消去額」は、「国内」と「海外」間の取引に関する相殺額を記載しています。
(5) 国内・海外別貸出金残高の状況
① 業種別貸出状況(残高・構成比)
(注) 1.「国内」とは、当行及び国内連結子会社に関する数値です。
2.「海外」とは、当行の海外連結子会社に関する数値です。
② 外国政府等向け債権残高(国別)
該当事項はありません。
(6) 国内・海外別有価証券の状況
○ 有価証券残高(末残)
(注) 1.「国内」とは、当行及び国内連結子会社に関する数値です。
2.「海外」とは、当行の海外連結子会社に関する数値です。
3.「その他の証券」には、外国債券を含んでいます。
4.「相殺消去額」は、「国内」と「海外」間の取引に関する相殺額を記載しています。
(自己資本比率の状況)
(参考)
自己資本比率は、銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(平成18年金融庁告示第19号)に定められた算式に基づき、連結ベースと単体ベースの双方について算出しています。
なお、当行は、国内基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては標準的手法を、オペレーショナル・リスク相当額に係る額の算出については粗利益配分手法を採用しています。
連結自己資本比率(国内基準)
単体自己資本比率(国内基準)
(資産の査定)
資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(平成10年法律第132号)第6条に基づき、当行の貸借対照表の社債(当該社債を有する金融機関がその元本の償還及び利息の支払の全部又は一部について保証しているものであって、当該社債の発行が金融商品取引法(昭和23年法律第25号)第2条第3項に規定する有価証券の私募によるものに限る。)、貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金、支払承諾見返の各勘定に計上されるもの並びに貸借対照表に注記することとされている有価証券の貸付けを行っている場合のその有価証券(使用貸借又は賃貸借契約によるものに限る。)について債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として以下のとおり区分するものです。
1 破産更生債権及びこれらに準ずる債権
破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。
2 危険債権
危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。
3 要管理債権
要管理債権とは、三月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。
4 正常債権
正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記1から3までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。
資産の査定の額
セグメント情報
(セグメント情報等)
【セグメント情報】
当行グループは、一部で銀行業以外の事業を営んでいますが、それらの事業は量的に重要性が乏しく、報告セグメントは銀行業単一となるため、記載は省略しています。
【関連情報】
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
1.サービス毎の情報
当行グループは、銀行業務の区分の外部顧客に対する経常収益が連結損益計算書の経常収益の90%を超えるため、記載を省略しています。
2.地域毎の情報
(1) 経常収益
当行グループは、本邦の外部顧客に対する経常収益に区分した金額が連結損益計算書の経常収益の90%を超えるため、記載を省略しています。
(2) 有形固定資産
3.主要な顧客毎の情報
(単位:百万円)
(注) 一般企業の売上高に代えて、経常収益を記載しています。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
1.サービス毎の情報
当行グループは、銀行業務の区分の外部顧客に対する経常収益が連結損益計算書の経常収益の90%を超えるため、記載を省略しています。
2.地域毎の情報
(1) 経常収益
当行グループは、本邦の外部顧客に対する経常収益に区分した金額が連結損益計算書の経常収益の90%を超えるため、記載を省略しています。
(2) 有形固定資産
3.主要な顧客毎の情報
(単位:百万円)
(注) 一般企業の売上高に代えて、経常収益を記載しています。
【報告セグメント毎の固定資産の減損損失に関する情報】
該当事項はありません。
【報告セグメント毎ののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】
当行グループは、銀行業の単一セグメントであるため、記載を省略しています。
【報告セグメント毎の負ののれん発生益に関する情報】
該当事項はありません。