有価証券届出書(新規公開時)より

事業内容

セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります

システムモダナイゼーション事業 ラボオートメーション事業
  • 売上
  • 利益
  • 利益率

最新年度

セグメント名 売上
(百万円)
売上構成比率
(%)
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)

3【事業の内容】

 日本経済において労働人口減少問題が深刻化する中、当社は「テクノロジーで、高度生産性社会のその先へ」というビジョンを掲げ、金融をはじめとした社会に欠かすことのできないミッション・クリティカル・システム(注1)のモダン化(注2)に注力し、顧客の生産性を最大化させるデジタル・トランスフォーメーション(DX)(注3)を推進しております。

 当社は、クラウドネイティブ(注4)とAI技術(注5)の実践により、顧客のシステムモダナイゼーションを包括的に支援しております。世界標準のアーキテクチャ(注6)に精通した高いエンジニアリング力を強みとして、銀行における勘定系システム(注7)、APIゲートウェイシステム(注8)、データ基盤システム開発支援、さらには小売業向けの電子マネーシステム開発支援等、極めて高い信頼性と専門性が求められる領域において事業を展開しております。顧客がDXの取組みを推進し、生産性を向上することで、顧客だけではなくそれらのサービスを利用する消費者や地域経済等にも好循環をもたらす「ENABLER(イネーブラー)(注9)」としての役割を社会で果たし、未来への貢献を行うことを目指しております。

 また、当社は、高度な専門性を有したソフトウェアエンジニアを中心とした組織を構築しております。2026年4月末時点において、全従業員の8割超をソフトウェアエンジニアが占め、その半数以上が欧米やアジア等の海外出身者によって構成されており、世界標準の設計・実装手法を熟知したグローバルな専門人材層を抱えている点が特徴です。開発手法においては、従来のウォーターフォール型開発(注10)ではなく、アジャイル型開発(注11)を全面的に採用しており、クラウドネイティブの高い技術力に加え、AI技術を活用したソリューションを用いて、顧客の老朽化した基幹業務システムのモダナイゼーションを支援しております。また、システム開発の内製化を推進する顧客に対しては、顧客の開発チームと一体となってプロジェクトを遂行する共創型の体制を構築することで、顧客によるシステム開発の内製化についても支援を行っております。

 

(1)事業の重点領域

 システムモダナイゼーション事業における当社の重点領域は、創業当初から長く事業展開を進めてきた金融領域のシステム開発支援です。その中でも、金融機関における①APIゲートウェイシステム開発、②データ基盤システム開発、③勘定系システム開発に注力しております。

 APIゲートウェイシステムは、既存の勘定系システムとインターネットバンキングや決済サービス等の新規サービスとの接続のためのシステムです。既存の技術と新規の技術、双方を熟知したエンジニアリングが求められ、また金融領域においては、高いセキュリティレベルと大量のデータをリアルタイムで処理するスピードに加え、運用コストを抑えるシステム設計とする高度なアーキテクチャが求められます。そのため、難易度の高いシステム開発案件であることが多く、当社の技術的な強みが発揮できる領域であると考えております。

 データ基盤システムは、顧客や取引等のデータを蓄積し分析するためのシステムで、AI活用に向けてデータ基盤の整備を行うニーズが高まっているものと認識しております。これまで、既存システムの中に、個別に分散された状態で蓄積しているデータを統合して一元管理とすることで、AI活用がしやすい環境を構築します。

 勘定系システムは、基幹システムの根幹を担うシステムであることから大規模なシステム開発となることが多く、また、確実かつ安全にシステム開発を行う必要があるため、多くの金融機関では5~10年程度の中長期の視点で段階的にモダン化を行っていくことを計画しております。そのため、難易度の高いシステム開発案件として位置付けられることが多く、AI技術の活用が有用であることから、当社の技術的な強みが発揮できる領域であると考えております。勘定系システム開発を支援し、実績を積み重ねることは、当社の技術優位性を確立するためにも重要であり、中長期での安定的な収益源の確保につながることから、当社では重点的に取組む事業領域として位置付けております。一方、勘定系システム開発については、プロジェクトの規模も大きく、開発する機能も多岐にわたることから、当社単独ではなく、既存の大手システムインテグレーターとも連携しながら、プロジェクトを受注しております。当社では、開発や設計の難易度が高いシステムや重要な機能を中心にシステム開発支援を行うことで、既存の大手システムインテグレーターとの役割分担を行っております。また、今後については、当社がシステム開発を支援した次世代勘定系システムについて、顧客と共同で他の金融機関に販売・展開することにも取り組んでまいります。

 当社では、短中期的には、技術的な強みが活かしやすいAPIゲートウェイシステム開発支援を起点としながら、AI活用に向けたデータ基盤システム開発支援のニーズを取り込むことを考えております。また、中長期的には、APIゲートウェイシステムやデータ基盤システムの開発実績を活用しながら、勘定系システム開発支援をさらに拡大することを狙っております。なお、各システム開発支援における詳細については、以下のとおりです。

 

 

(銀行向けシステムの全体像)

 

(当社注力領域:①APIゲートウェイシステム、②データ基盤システム、③勘定系システム)

 

①APIゲートウェイシステム開発支援

 APIゲートウェイシステム開発支援においては、BaaS(注12)や電子マネー等の最新技術を活用したサービス開発の支援を行っております。銀行が提供するBaaSや小売り事業者等が提供する電子マネーについては、勘定系システムと同様に高い信頼性と安定性が求められます。また、APIゲートウェイシステムの開発は、決済サービス等を勘定系システムに接続するため、セキュリティや勘定系システムを熟知した開発事業者でない限り行うことができません。加えて、金融機関が求める運用コストや処理スピードに対応したAPIゲートウェイシステム開発を行う必要があります。

 そのような中、当社では勘定系システム開発支援の実績を有し、また高度なセキュリティレベルに対応した開発を行うことができることを強みとして、APIゲートウェイシステム開発支援を行っております。具体的な事例としては、株式会社ふくおかフィナンシャルグループの傘下で国内初のデジタルバンク(注13)である株式会社みんなの銀行におけるBaaS開発支援や、小売り大手の株式会社トライアルホールディングス傘下で電子マネーによるスマホ決済を推進する株式会社SU-PAYにおける決済システム開発支援を行っております。

 APIゲートウェイシステム開発の領域においては、現在、金融機関向けに自社サービス「BX Connect」の開発を進めております。従来型のAPIゲートウェイシステムでは、既存のシステムインテグレーターがAPIゲートウェイシステムに関わる外部システムとの接続、認証・認可、接続管理等の各種機能を一体型で提供しておりました。一方、当社サービスでは、顧客ごとのAPIゲートウェイシステムに必要な機能をそれぞれ個別で提供することで、金融機関がAPIゲートウェイシステムを柔軟にモダン化することが可能となります。

 

(APIゲートウェイシステムのモダナイゼーション)

 

②データ基盤システム開発支援

 データ基盤システム開発支援においては、AIの活用に向けたデータ基盤の整備やデータ基盤のモダン化支援に取組んでおります。顧客が保有する高品質なデータ基盤に、当社が保有する先進的なクラウド技術やシステムのモダン化を推進するノウハウを融合させることで、データの新たな価値を創出し、AI時代の到来に向けて顧客企業のデータ基盤を次のレベルへと進化させていくことを目指しております。

 近年、グローバル企業におけるデータの活用は、急速にクラウド環境のデータ基盤へと移行しております。一方で、多くの日本企業は依然としてオンプレミス(注14)環境でのデータ基盤を採用しており、先進的なクラウド技術を活用したAI時代に向けたデータ基盤のモダン化が急務となっております。

 そのような中、当社では、大手クラウドベンダーとのパートナーシップによって、金融機関向けのリファレンス・アーキテクチャ(注15)の構築に取組んでおり、金融領域における模範となるデータ基盤システムのアーキテクチャを設計しております。このリファレンス・アーキテクチャを組み入れることによって、顧客はAIを活用した高度なデータ分析ができるようになり、顧客のビジネス競争力を強化することにつながると考えております。

 

(データ基盤システムのモダナイゼーション)

 

③勘定系システム開発支援

 基幹系システム開発支援においては、預金、融資、為替等の取引を処理する勘定系システムの開発支援を行っております。勘定系システムにおいては、お客さまの口座残高の管理や利息計算等、銀行業務の中枢を担い、高い信頼性と安定性が求められます。勘定系システムにおいては、現在、オンプレミスの環境下でシステムを稼働している銀行がほとんどであり、また、COBOL(注16)等の古いプログラミング言語や従来型のアーキテクチャを採用しているため、次世代システムとの連携や保守・運用等の維持コストが大きな課題となっております。

 そのような中、一部の先進的な取組みを行う銀行においては、クラウドサーバーを利用したシステム稼働へ移行する潮流が出てきており、また、Java(注17)等の新しいプログラミング言語への置き換え、将来的にはさらにモダンなプログラミング言語へ書換えていくという計画が進行しております。当社では、これらの勘定系システムの高度化・モダン化を支援しており、具体的な事例としては、株式会社北國銀行における次世代勘定系システムの開発パートナーとしてプロジェクトに参画しています。また、BIPROGY株式会社の次世代勘定系システムの開発支援も行っております。

 次世代勘定系システム開発では、世界標準の設計・実装手法を熟知した当社エンジニアがシステム全体のアーキテクチャの検討を行い、将来的な拡張性を踏まえた最適な提案を行っております。また、限られた時間で大量のデータを処理する必要があるセンターカット(注18)等の勘定系システムにおける重要な機能については、当社のエンジニアが事前にPoC(注19)を行い、その安定性や信頼性を検証したうえで、本格開発を行います。加えて、従来型の勘定系システムでは、多くの機能が密結合の状態でモノリシック(注20)に構成されているところを、当社は各機能が独立した状態となるようマイクロサービス(注21)化した構成を実現する形でシステムを開発しております。

 

(勘定系システムのモダナイゼーション)

 

④その他システム開発支援

 その他領域のシステム開発については、競争環境が激しく、単発かつ短期的な案件となることも多いため、現在は注力しておりません。一方、将来的に基幹系システムやAPIゲートウェイシステム開発支援に参入できる見込みがある案件や既存顧客のインターネットバンキングや電子マネーアプリ開発支援案件については、戦略的に受注することがあります。また、非金融領域でのプロジェクトについては、積極的に案件獲得又は拡大を行っておりませんが、製薬メーカーとの既存プロジェクトや自社サービスの提供等で、一定の利益率が維持できるものについては、プロジェクトを受注してシステム開発等を行っております。

 

 

(2)収益構造

 当社は、システムモダナイゼーション事業の単一セグメントです。当社の収益は、フロー型収入とストック型収入から構成されております。顧客プロジェクトへのアサインをベースとしたデジタル・トランスフォーメーション支援のためのDXコンサルティング・PoC・システム開発支援をフロー型収入、当社にて開発支援を行ったシステムの保守・運用や自社ソリューション・他社サービスライセンス等の提供をストック型収入として区分しております。また、当社のDXコンサルティング・PoC・システム開発支援の契約形態は、主に準委任契約(注22)であります。

 なお、2025年6月期の売上高においては、フロー型収入が97.9%、ストック型収入が2.1%となっており、フロー型収入及びストック型収入における具体的な当社の支援領域別のサービス内容は以下のとおりです。

 

領域

フロー型収入

売上高比率(2025年6月期):97.9%

ストック型収入

売上高比率(2025年6月期):2.1%

①APIゲートウェイシステム

・APIゲートウェイシステムの高度化・モダン化

 -外部システム接続機能の開発支援

 -認証・認可機能の開発支援

 -接続管理機能の開発支援

・自社ソリューション(BX Connect)

・保守・運用サービス

 -開発支援したシステムの監視

 -システム障害対応

 

②データ基盤システム

・データ基盤システムの高度化・モダン化

 -データ基盤の整備・統合支援

 -データ分析システム等の導入支援

 -AIの活用支援

・他社サービスライセンス収入

 (Teradata VantageCloud等)

・保守・運用サービス

 -開発支援したシステムの監視

 -システム障害対応

③勘定系システム

・勘定系システムの高度化・モダン化

 -アーキテクチャの検討・開発支援

 -重要機能の検討・開発支援

 -単一機能のモジュール化支援

・自社ソリューション(AXcelerator)

・保守・運用サービス

 -開発支援したシステムの監視

 -システム障害対応

④その他システム

・インターネットバンキング開発支援

・電子マネーアプリ開発支援

・その他非金融領域におけるシステム開発支援

 

・自社サービスライセンス収入

 (LabHub、shikAI等)

・保守・運用サービス

 -開発支援したシステムの監視

 -システム障害対応

 

 システムモダナイゼーション事業では、DXコンサルティングからPoC、本開発、さらに開発後の保守・運用まで、長期にわたり顧客のシステム開発を支援いたします。

 DXコンサルティング段階においては、当社のソリューション・コンサルタントが中心となり、ベンダーロックイン(注23)等によって困難となった現状システムの可視化を行い、その課題に対して、何をどのようにシステム開発で解決していくかという視点からヒアリングや情報分析を行います。これによって、現行のシステム課題等を深く把握し、3ヶ月程度で、PoCに向けた企画・提案を作成します。次に、PoC段階では、顧客からのフィードバックを受け、対話をしながら、ソフトウェアエンジニアをプロジェクトにアサインし、3ヶ月から6ヶ月程度で課題解決の可能性を検証することで本開発の必要性を見極め、本開発に向けた課題を整理します。その後、本開発段階に入り、5名から15名程度のプロジェクトを組成し、ソリューション・コンサルタントとソフトウェアエンジニアが顧客のシステム開発チームと連携しながら、システム開発を支援していきます。なお、本開発段階の期間は最低でも6ヶ月程度、最長では数年単位で支援する案件もあり、中長期的な視点での関係性を顧客と構築しており、さらに開発が進むにつれて、プロジェクトが大規模化・安定化し、収益が拡大するビジネスモデルを構築しております。

 また、当社では、ストック型収入として、本開発終了(システム完成)後についても、安定稼働のため、開発を支援したシステムの保守・運用を継続して支援することを行っております。加えて、これまでのシステム開発支援で培ったノウハウを活用し、自社ソリューション・プロダクトとして顧客向けにライセンス利用料等を提供することを行っております。フロー型収入をストック型収入へとつなげることで、長期にわたり顧客からの継続的な収益の獲得が期待できます。

 

(事業プロセス)

 

(3)技術及びサービスの特徴

 当社システム開発支援の技術及びサービスの特徴は以下のとおりです。

 

①クラウドベース モダナイゼーション

 当社のエンジニア組織は、全員がクラウド環境での開発を専門とするクラウドネイティブなハイエンド・エンジニア(注24)であり、クラウド環境下での高度なシステム開発の経験が豊富な人材が揃っております。また、世界標準のアーキテクチャに精通した高いエンジニアリング力を強みとしており、将来的な拡張性を見据えたシステムの設計を行い、最先端の技術力を持ったエンジニアが実装を行います。加えて、フロントエンドからバックエンド、インフラ、データベース、AI等、多岐にわたる技術分野の対応が可能であり、また高いセキュリティ基準が求められる金融領域におけるベスト・プラクティスを熟知した経験豊富なエンジニアが多く在籍しているものと考えております。

 

②AIベース モダナイゼーション

 当社は、エンジニアによるシステム開発の生産性向上を目的として、AI駆動開発(注25)を積極的に推進し、各システム開発プロジェクトにおいて実践しております。AI技術の進展に伴い、高度なスキルを持つエンジニアがAIツールを活用することにより、当社の技術的優位性の向上が見込まれると考えております。実際に、従来は数週間を要していた業務が数日で完了するなど、エンジニアリング効率の向上が確認されております。

 AIの活用はアジャイル型開発だけではなく、従来型のウォーターフォール型開発に加え、グリーンフィールド型開発(注26)及びブラウンフィールド型開発(注27)にも実践しており、あらゆる開発手法に適用が可能です。

 また、一般的なシステム開発は、要件定義、設計、開発、テスト、保守・運用の順に進行しますが、当社では、以下のとおり全ての工程でAIを活用することで業務の自動化を行い、エンジニアの生産性向上を実現しております。

 

・要件定義

既存コードの解析や顧客ヒアリング結果に基づき要件を整理し、要件の策定やユーザーストーリー・見積りの大枠作成等に活用しております。

・設計

要求事項や制約条件をもとにアーキテクチャの検討・図示化を行い、設計段階での不備発見に活用しております。既存システムのソースコードからドキュメントを生成することにも活用しております。

・開発

レガシーな言語であるCOBOL等から、汎用性の高いJava等への変換やソースコードの品質検証にAIを活用し、開発期間の短縮を実現しております。当該領域は今後コモディティ化が進むと想定されますが、引き続き効率化の取組みを継続します。

・テスト

ソースコードから複雑かつ高度なシナリオテスト(注28)の自動生成を行っております。これにより、潜在的な不具合や脆弱性の検出精度が向上し、品質保証体制の強化につながっております。特に、テスト工程は、AIによる効率化効果が最も高い領域であり、当社が現段階で他社との差別化を図りやすい分野と位置付けております。

・保守・運用

障害発生時の原因特定の自動化やソースコード修正時の調査の自動化等に活用しております。

 

(システム開発工程におけるAI活用)

 

 当社では、これらのAI活用をプロジェクト内で本格的に開始しておりますが、豊富な経験を有するハイエンド・エンジニアの知見をAI活用に反映して高度化することで、さらにエンジニアリングサービスの生産性と品質向上につなげております。将来的には、生産性の向上によって収益力を強化し、AI駆動開発で培ったノウハウをソリューションとして顧客へ提供することで、フロー型収入とストック型収入を拡大し、収益性を高めることを目指しております。

 

(AI活用拡大に向けた取組み)

 

③アジャイルカルチャー

 当社には、アジャイル型開発の経験が豊富なエンジニアが多数在籍しており、独自のアジャイルカルチャーを有するエンジニア組織となっております。顧客と共創しながら価値を創出するシステム開発の共同パートナーとして、開発支援を行っております。アジャイル型の開発手法を推進することで、プロジェクト進行中に変化する要件や状況にも柔軟かつ迅速に対応することが可能です。

 当社のアジャイル型開発は、顧客と密接にリアルタイムで連携しながらシステム開発を行っており、従来のウォーターフォール型開発と比べて、開発のタイムラグが少なくなることから、システム開発のスピードが高まり、より短期間でのシステム開発が可能となります。 また、システム開発の内製化を推進する顧客に対しては、当社独自の技術やプロジェクトマネジメントのノウハウ「LiNKX WAY(注29)」を活用した内製化支援を行っております。これにより、顧客は品質の高いシステムを開発できるチームを構築し、過度に特定のシステムインテグレーターへ依存するベンダーロックインを回避し、顧客主導でシステム開発を推進することが可能となります。

 さらに、当社では、顧客の開発力強化を目的として、AI活用を含んだ「LiNKX WAY」のサービス提供に取組んでおります。具体的には、顧客に最適なAIフレームワークを提供し、それらを活用して開発の効率化や迅速化を実現するとともに、当社エンジニアがプロジェクトに参画し、顧客に伴走しながらシステム開発力向上を支援しております。

 

これらの特徴を活かして、当社では難易度の高いシステムモダナイゼーションを実現するために、自社ソリューションと最先端の技術・開発手法を最大限に活用しております。

 

(当社システムモダナイゼーション技術の特徴)

 

(サービス名称)

・AXcelerator(アクセラレーター):

 当社が提供するAIを活用したレガシーシステムをモダン化するためのソリューション。設計書・仕様書等が存在しない老朽化したシステムのソースコード等を自動解析することでシステムの構造を可視化し、システムごとの依存関係を特定。また、旧プログラミング言語から新プログラミング言語へ転換するための仕様書作成やコード変換を自動で行うことで、新システムへの移行設計の精度向上と工数削減の実現を支援。

・BX Connect(ビーエックス・コネクト):

 当社が提供する銀行向けAPIゲートウェイシステムと接続するためのソリューション。レガシーな勘定系システムとモダンな外部システムを接続するための認証・認可や接続管理等の機能を個別に提供する。

・LabHub(ラボハブ):

 当社が提供する研究開発分野向けのデジタルプラットフォームサービス。研究開発プロセスのデジタル化を実現し、品質向上と生産性の向上に貢献するための機能を提供する。

・shikAI(シカイ):

 当社が提供する視覚障がい者向けナビゲーションシステム。点字ブロック上に表示されたQRコード(注)を、専用アプリで起動したスマートフォンのカメラで読み取ることで、現在地から目的地までの正確な移動ルートを音声で誘導ご案内するシステム。

・Teradata VantageCloud(テラデータ・ヴァンテージクラウド):

 Teradataが提供するハイブリッド/マルチクラウドデータ分析プラットフォーム。クラウド環境で利用できるだけではなく、オンプレミス環境、そしてこれらを組み合わせるマルチクラウド、ハイブリッドクラウドで構築することができる。

 (注)QRコードは、株式会社デンソーウェーブの登録商標です。

 

 

 

(4)事業系統図

 当社の事業系統図は、以下のとおりであります。なお、当社では、システム開発支援を自社従業員にて行っておりますが、デザイン等のノンコア業務については、一部外注先を活用しております。他社クラウドサービスやSaaS等の利用料については、当社はライセンス販売によるマージン分のみを当社の収益として認識しております。

 

 

 

(用語解説)

注書き

用語

用語の定義

注1

ミッション・クリティカル・システム

社会インフラを支える重要なシステムのこと。24時間365日稼働し続けることが求められる金融機関の基幹系システム等がある。障害発生時の影響が大きいため、高い信頼性や可用性が求められる。

注2

システムのモダン化

老朽化したシステム(レガシーシステム)を、最新の技術やビジネス環境に合わせて刷新すること。一般的には、これにより、柔軟性、拡張性、セキュリティの向上、運用コストの削減等が期待できる。

注3

DX

デジタル・トランスフォーメーションの略称。企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズに基づき、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。

注4

クラウドネイティブ

クラウド活用で得られるメリットを最大限活かすための最適化の技術やアーキテクチャのことを指す言葉。また、最初からクラウド上で動作することを前提として設計・開発されたシステムやアプリケーション、またソフトウェア開発のアプローチを指す。

注5

AI技術

人工知能(Artificial Intelligence)を活用し、コンピュータに学習、推論、判断などの人間と同等の知能活動を行わせる技術の総称。当社においては、機械学習や自然言語処理を用いて、複雑化した大規模レガシーシステムのソースコードやドキュメントを自動解析することで、システム構造の可視化、依存関係の特定、及び新システムへの移行設計の精度向上と工数削減を実現する。

注6

アーキテクチャ

システムやソフトウェア、ネットワークの全体的な構造や設計方法を指す言葉。

注7

勘定系システム

金融機関において、入出金や資金の決済、口座や融資の残高管理、利息計算等の勘定処理を行うシステムのこと。一般的には、金融機関の業務の中枢を担うため、大規模なシステムでミッション・クリティカル・システムとして位置付けられる。

注8

APIゲートウェイシステム

APIとは、Application Programming Interfaceの略称。APIゲートウェイシステムとは、ソフトウェアやアプリケーション等の一部を外部に向けて公開することにより、第三者が開発したソフトウェアと機能を共有し、自社のシステムと接続できるようにするためのシステムのこと。

注9

ENABLER(イネーブラー)

何かを可能にする人の意味。当社の場合、顧客のシステム開発を支援することで、黒子として、顧客のビジネスの成功や社会をより良くすることに貢献することを目指している。

注10

ウォーターフォール型開発

システム開発で用いられる開発手法の一種。システム開発には多くの工程(プロセス)が存在し、この工程を上から順番に行い、それぞれの工程で担当が区切られていることが、ウォーターフォール型開発の特徴。

注11

アジャイル型開発

システム開発で用いられる開発手法の一種。大きな単位でシステムを区切ることなく、小単位で実装とテストを繰り返して開発を進めていくことが特徴。一般的には、従来のウォーターフォール型開発と比べて開発期間が短縮されるため、アジャイル(素早い)と呼ばれている。

注12

BaaS

「Banking as a Service」の略称。銀行が提供している機能を、APIを経由して外部にクラウドサービスとして提供する仕組みのこと。金融機関ではない企業もBaaSを利用することで、銀行業の免許を取得することなく自社のサービスに決済・為替といった銀行機能を組み込むことができる。

注13

デジタルバンク

完全クラウドベースの独自勘定系システムを構築するアプリ専業の銀行。既存の銀行の仕組みや業務を踏襲するのではなく、デジタル技術を起点として、アプリ専業の銀行に必要な機能を開発する思想でシステムを構築している。

注14

オンプレミス

企業が自社でサーバー等のITインフラを保有し、運用管理を行う形態のこと。自社運用とも呼ばれ、従来型のシステム構築方法として、クラウドサーバーが台頭するまでは一般的な運用方法であった。

注15

リファレンス・アーキテクチャ

システム開発の設計において、業界のベスト・プラクティスに基づいた推奨される構造、構成要素及び統合方法を示す設計テンプレートのこと。これを利用することで、設計の効率化、品質向上、リスク軽減、標準化が可能となり、特定の技術ソリューションの迅速な導入が可能となる。

注16

COBOL

1959年にアメリカで開発されたプログラミング言語で、Common Business Oriented Languageの略称。事務処理や会計処理に適した言語であり、現在でも基幹システムや業務システムで広く利用されている。レガシーな言語のため、そのメンテナンスコストが課題となっている。

注17

Java

1995年に開発されたプログラミング言語で、汎用性が高くプラットフォームに依存しないという特徴があり、異なるOS上でも同じように動作することが可能である。データと処理をオブジェクトとして扱うことで、プログラムの設計や保守を容易にすることができるため、世界中で広く利用されている。

注18

センターカット

銀行の勘定系システムにおいて、公共料金やクレジットカードの引き落とし、給与振込等の大量の取引を夜間に一括で処理する機能。勘定系システムにおける最も重要な機能の一つであり、高速かつ正確にデータを処理することが要求される。

注19

PoC

Proof of Concept(概念実証)の略称。新しい技術や新規事業等の実現可能性を検証するために行う実験的工程を指す用語。

注20

モノリシック

モノリシック(monolithic)とは、一体となっている、あるいは一枚岩的なものという意味。ソフトウェア開発においては、システム全体が単一のコードベースで構成され、分割できない状態を指す。

注21

マイクロサービス

マイクロサービスとは、大規模なアプリケーションを小さな独立したサービスに分割(モジュール化)し、それらを組み合わせてシステムを構築するアーキテクチャのこと。一般的には、マイクロサービスは、サービス単位で開発・変更等が可能であるため、柔軟にシステムを拡張・変更できるとされている。

注22

準委任契約

業務委託契約の契約形態の一つ。成果物の完成を目的とする請負契約とは異なり、業務の遂行自体を目的とする点が特徴で、一般的には、システム開発やコンサルティングサービス等を対象とした業務委託に用いられる。

注23

ベンダーロックイン

企業がシステム開発等において、特定のベンダーだけに依存した結果、そのベンダー以外の製品やサービスへの移行が困難となる状況に陥ること。一般的に、ベンダーロックインが起こると、システムの詳細をそのベンダーしか把握しておらず、保守・運用を含め長期間そのベンダーと契約を続けざるを得なくなり、システムコストが増加する。

注24

ハイエンド・エンジニア

クラウドネイティブで世界標準のシステム設計が行える技術とAIを高次元で活用できる技術を有するエンジニアと、システムモダナイゼーションのプロジェクトマネジメントやDXコンサルティングを行うソリューション・コンサルタントで、当社独自のコーディングテスト等による厳格な採用選考を通過した顧客プロジェクトにアサインされる稼働対象人員を指す。

注25

AI駆動開発

システム開発の業務に、AI技術を組み込むこと。当社の場合、コード生成、ドキュメント作成、テスト等の反復作業を大幅に自動化し、生産性と品質の向上のために活用している。

注26

グリーンフィールド型開発

システム開発で用いられる開発手法の一種。既存のシステムやインフラに縛られず、ゼロから新しくシステムを構築される手法で、スクラッチ型開発とも言われる。

注27

ブラウンフィールド型開発

システム開発で用いられる開発手法の一種。既存のシステム環境やデータ、プロセスを活用しつつ、一部でアップグレードや新しい技術の統合を行う開発手法。

注28

シナリオテスト

実際のユーザー操作や業務フローに沿って、システムの一連の動作を検証するテストの手法。機能ごとの動作確認ではなく、シナリオ(物語)形式でデータ連携や画面遷移の不具合を検出する。

注29

LiNKX WAY

当社のエンジニアリング・ファーストの経営理念に基づき、エンジニアが最高のパフォーマンスを発揮するために、独自のエンジニアリング手法、プロジェクト遂行におけるオペレーション、AI活用方法等のノウハウを集約したもの。

 

 

 

業績状況

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

①財政状態の状況

第5期事業年度(自 2024年7月1日 至 2025年6月30日)

(資産)

 当事業年度末における流動資産は1,495,547千円となり、前事業年度末と比較して515,126千円増加いたしました。これは主に現金及び預金が464,387千円増加したことによるものであります。

 固定資産は34,284千円となり、前事業年度末と比較して9,894千円増加いたしました。これは主に工具、器具及び備品が5,756千円、繰延税金資産が4,219千円増加したことによるものであります。

 この結果、資産合計は1,529,832千円となり、前事業年度末と比較して525,020千円増加いたしました。

(負債)

 当事業年度末における流動負債は237,081千円となり、前事業年度末と比較して117,201千円増加いたしました。これは主に未払法人税等が62,465千円、流動負債の「その他」に含まれる未払消費税等が38,850千円増加したことによるものであります。

 この結果、負債合計は237,081千円となり、前事業年度末と比較して117,201千円増加いたしました。

(純資産)

 当事業年度末における純資産合計は1,292,750千円となり、前事業年度末と比較して407,818千円増加いたしました。これは主に当期純利益227,612千円を計上したこと並びに第三者割当増資の実施による資本金及び資本剰余金の増加176,916千円によるものであります。

 

第6期中間会計期間(自 2025年7月1日 至 2025年12月31日)

(資産)

 当中間会計期間末における流動資産は1,573,434千円となり、前事業年度末と比較して77,886千円増加いたしました。これは主に現金及び預金が23,724千円、売掛金が47,690千円増加したことによるものであります。

 固定資産は98,252千円となり、前事業年度末と比較して63,967千円増加いたしました。これは主に差入保証金が64,479千円増加したことによるものであります。

 この結果、資産合計は1,671,686千円となり、前事業年度末と比較して141,854千円増加いたしました。

(負債)

 当中間会計期間末における流動負債は224,058千円となり、前事業年度末と比較して13,023千円減少いたしました。これは主に流動負債の「その他」に含まれる未払消費税等が24,985千円減少した一方、買掛金が10,668千円増加したことによるものであります。

 この結果、負債合計は224,058千円となり、前事業年度末と比較して13,023千円減少いたしました。

(純資産)

 当中間会計期間末における純資産合計は1,447,628千円となり、前事業年度末と比較して154,877千円増加いたしました。これは主に中間純利益154,954千円を計上したことによるものであります。

 

第6期第3四半期累計期間(自 2025年7月1日 至 2026年3月31日)

(資産)

 当第3四半期会計期間末における流動資産は1,687,798千円となり、前事業年度末と比較して192,251千円増加いたしました。これは主に現金及び預金が116,482千円、売掛金が68,078千円増加したことによるものであります。

 固定資産は98,175千円となり、前事業年度末と比較して63,890千円増加いたしました。これは主に差入保証金が64,479千円増加したことによるものであります。

 この結果、資産合計は1,785,974千円となり、前事業年度末に比べて256,142千円増加いたしました。

(負債)

 当第3四半期会計期間末における流動負債は254,804千円となり、前事業年度末に比べて17,723千円増加いたしました。これは主に前受収益が36,211千円増加した一方、流動負債の「その他」に含まれる未払消費税等が12,115千円減少したことによるものであります。

 この結果、負債合計は254,804千円となり、前事業年度末と比較して17,723千円増加いたしました。

(純資産)

 当第3四半期会計期間末における純資産合計は1,531,169千円となり、前事業年度末に比べて238,418千円増加いたしました。これは、主に四半期純利益238,667千円を計上したことによるものであります。

 

②経営成績の状況

第5期事業年度(自 2024年7月1日 至 2025年6月30日)

 当事業年度における国内経済は、設備投資や個人消費の持ち直しにより、経済活動は緩やかに回復の動きが見られました。しかしながら、海外情勢に伴う世界的な各種物価の上昇や為替相場の変動等、国内経済を取り巻く環境は依然として先行き不透明な状況が続いております。このような社会・経済環境においても、金融領域をはじめ、日本企業におけるDXのニーズは衰えることなく、当社が支援するシステムのモダン化のニーズもより一層高まっていると認識しております。当事業年度においては、継続的な事業成長を実現するため、組織体制の強化を行い、金融領域における新規システム開発支援案件の拡大やエンジニア採用へ積極的に取組んでまいりました。

 この結果、前事業年度末以降、次世代勘定系システム開発や決済システム開発の支援等、金融領域でのシステム開発案件の拡大により、当事業年度における売上高は1,373,673千円(前年同期比66.1%増)、営業利益は336,380千円(前年同期比143.5%増)、経常利益は336,366千円(前年同期比144.3%増)、当期純利益は227,612千円(前年同期比160.8%増)となりました。

 なお、当社の事業はシステムモダナイゼーション事業の単一セグメントのため、セグメントごとの記載はしておりません。

 

第6期中間会計期間(自 2025年7月1日 至 2025年12月31日)

 当中間会計期間における国内経済は、個人消費・設備投資の持ち直し、雇用情勢の改善等を背景に緩やかな回復基調で推移いたしました。一方で、物価動向や米国の通商政策をめぐる動向の影響等により依然として先行きは不透明な状況となっております。このような社会・経済環境においても、日本企業におけるDXのニーズは衰えることなく、金融領域をはじめとして当社が提供するシステムモダナイゼーションのニーズは、より一層高まっていると認識しております。当中間会計期間においては、金融領域におけるシステム開発案件の拡大とエンジニア採用に取組んでまいりました。

 この結果、前事業年度末以降、勘定系システム開発支援をはじめとした金融領域での案件の拡大により、当中間会計期間における売上高は887,743千円、営業利益は248,953千円、経常利益は248,700千円、中間純利益は154,954千円となりました。

 なお、当社の事業はシステムモダナイゼーション事業の単一セグメントのため、セグメントごとの記載はしておりません。

 

第6期第3四半期累計期間(自 2025年7月1日 至 2026年3月31日)

 当第3四半期累計期間における国内経済は、雇用・所得環境の底堅い推移等を背景に緩やかな回復基調で推移いたしました。一方で、中東情勢の影響や米国の通商政策をめぐる動向の影響等から依然として先行きは不透明な状況となっております。このような社会・経済環境においても、日本企業におけるDXのニーズは衰えることなく、金融領域をはじめとして当社が提供するシステムモダナイゼーションのニーズは、より一層高まっていると認識しております。当第3四半期累計期間においては、金融領域におけるシステム開発案件の拡大とエンジニア採用に取組んでまいりました。

 この結果、前事業年度末以降、勘定系システム開発支援をはじめとした金融領域での案件の拡大により、当第3四半期累計期間における売上高は1,386,649千円、営業利益は383,772千円、経常利益は382,894千円、四半期純利益は238,667千円となりました。

 なお、当社の事業はシステムモダナイゼーション事業の単一セグメントのため、セグメントごとの記載はしておりません。

 

③キャッシュ・フローの状況

第5期事業年度(自 2024年7月1日 至 2025年6月30日)

 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ464,387千円増加し、1,334,081千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは、293,499千円の獲得(前事業年度は186,175千円の獲得)となりました。これは、主に税引前当期純利益を336,562千円計上したことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは、9,513千円の支出(前事業年度は16,966千円の支出)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出9,513千円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは、180,402千円の獲得(前事業年度は53,249千円の獲得)となりました。これは、主に株式の発行による収入176,916千円によるものであります。

 

第6期中間会計期間(自 2025年7月1日 至 2025年12月31日)

 当中間会計期間末における資金は、前事業年度末に比べ23,724千円増加し、1,357,805千円となりました。当中間会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは、90,942千円の獲得となりました。これは、主に税引前中間純利益を248,777千円計上したことによる増加及び法人税等の支払い95,901千円、売上債権の増加47,690千円等の減少によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは、67,218千円の支出となりました。これは、主に差入保証金の差入による支出64,479千円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当中間会計期間において、財務活動による資金の増減はありません。

 

④生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当社は、生産活動を行っていませんので、生産実績に関する記載はしておりません。

 

b.受注実績

当社は、受注生産を行っていませんので、受注実績に関する記載はしておりません。

 

c.販売実績

当社は、システムモダナイゼーション事業の単一セグメントであり、第5期事業年度、第6期中間会計期間及び第6期第3四半期累計期間の販売実績は次のとおりであります。

セグメントの名称

第5期

事業年度

(自2024年7月1日

至2025年6月30日)

第6期

中間会計期間

(自2025年7月1日

至2025年12月31日)

第6期

第3四半期累計期間

(自2025年7月1日

至2026年3月31日)

金額

前期比

金額

金額

(千円)

(%)

(千円)

(千円)

システムモダナイゼーション事業

1,373,673

176.5

887,743

1,386,649

(注)最近2事業年度、第6期中間会計期間及び第6期第3四半期累計期間の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

第4期

事業年度

(自2023年7月1日

至2024年6月30日)

第5期

事業年度

(自2024年7月1日

至2025年6月30日)

第6期

中間会計期間

(自2025年7月1日

至2025年12月31日)

第6期

第3四半期累計期間

(自2025年7月1日

至2026年3月31日)

金額

割合

金額

割合

金額

割合

金額

割合

(千円)

(%)

(千円)

(%)

(千円)

(%)

(千円)

(%)

株式会社北國銀行

322,644

39.0

679,781

49.5

483,200

54.4

747,268

53.9

株式会社SU-PAY

118,875

14.4

303,202

22.1

161,862

18.2

230,781

16.6

ゼロバンク・デザインファクトリー株式会社

112,228

13.6

125,597

9.1

77,268

8.7

119,247

8.6

第一三共株式会社

140,029

16.9

112,000

8.2

26,500

3.0

70,000

5.0

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りに関しては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる可能性があります。財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

②財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.財政状態

 主な増減内容については、「第2事業の状況4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要①財政状態の状況」に記載のとおりであります。

 

b.経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

第5期事業年度(自 2024年7月1日 至 2025年6月30日)

(売上高)

 売上高は、前事業年度に比べて546,521千円(66.1%)増加し、1,373,673千円となりました。これは、主に金融機関向けの売上高が増加したことによるものであります。

(売上原価、売上総利益)

 売上原価は、前事業年度に比べて233,235千円(50.9%)増加し、691,576千円となりました。これは、主に従業員の増加に伴う人件費の増加によるものです。この結果、売上総利益は前事業年度に比べて313,286千円(84.9%)増加し、682,097千円となりました。

(販売費及び一般管理費、営業利益)

 販売費及び一般管理費は、前事業年度に比べて115,052千円(49.9%)増加し、345,716千円となりました。これは、主に役員及び従業員の増加に伴う役員報酬及び人件費の増加によるものです。この結果、営業利益は、前事業年度に比べて198,233千円(143.5%)増加し、336,380千円となりました。

(営業外損益、経常利益)

 営業外費用は、前事業年度に比べて349千円(78.1%)減少し、97千円となりました。これは、主に為替差損の減少によるものであります。この結果、経常利益は、前事業年度に比べて198,666千円(144.3%)増加し、336,366千円となりました。

(特別損益、当期純利益)

 特別利益は、前事業年度に比べて516千円(59.9%)減少し、346千円となりました。これは、新株予約権戻入益の減少によるものであります。また、特別損失は、前事業年度に比べて150千円増加し、150千円となりました。これは、自己新株予約権の消却によるものであります。この結果、当期純利益は、前事業年度に比べて140,331千円(160.8%)増加し、227,612千円となりました。

 

第6期中間会計期間(自 2025年7月1日 至 2025年12月31日)

(売上高)

 売上高は、887,743千円となりました。これは、主に金融機関向けの売上高が増加したことによるものであります。

(売上原価、売上総利益)

 売上原価は、452,505千円となりました。これは、主に従業員の増加に伴う人件費の増加によるものです。この結果、売上総利益は、435,237千円となりました。

(販売費及び一般管理費、営業利益)

 販売費及び一般管理費は、186,283千円となりました。これは、主に従業員の増加に伴う人件費及び採用費の増加によるものです。この結果、営業利益は、248,953千円となりました。

(営業外損益、経常利益)

 営業外費用は、252千円となりました。これは、為替差損によるものであります。この結果、経常利益は、248,700千円となりました。

(特別損益、中間純利益)

 特別利益は、76千円となりました。これは、新株予約権戻入益によるものであります。この結果、中間純利益は、154,954千円となりました。

 

第6期第3四半期累計期間(自 2025年7月1日 至 2026年3月31日)

(売上高)

 売上高は、1,386,649千円となりました。これは、主に金融機関向けの売上高が増加したことによるものであります。

(売上原価、売上総利益)

 売上原価は、690,626千円となりました。これは、主に従業員の増加に伴う人件費の増加によるものです。この結果、売上総利益は、696,023千円となりました。

(販売費及び一般管理費、営業利益)

 販売費及び一般管理費は、312,251千円となりました。これは、主に従業員の増加に伴う人件費及び採用費の増加によるものです。この結果、営業利益は、383,772千円となりました。

(営業外損益、経常利益)

 営業外費用は、877千円となりました。これは、東京証券取引所グロース市場の上場審査料及び為替差損によるものであります。この結果、経常利益は、382,894千円となりました。

(特別損益、四半期純利益)

 特別利益は、249千円となりました。これは、新株予約権戻入益によるものであります。この結果、四半期純利益は、238,667千円となりました。

 

c.キャッシュ・フローの分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容については、「(1)経営成績等の状況の概要③キャッシュ・フローの状況」に含めて記載しております。

 当社の資金需要のうち主なものは、エンジニアの人件費や採用費等の営業費用であります。これらの資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローにより大部分の運転資金の確保が可能です。そのため、資金需要につきましては、主に営業キャッシュ・フローを原資とすることを原則としながら、金利動向や株式マーケットの状況を勘案して、必要に応じて金融機関からの借入及びエクイティファイナンス等で資金調達していく方針としております。

 

③経営方針、経営戦略又は経営上の目標の達成を判断するための客観的な指標等の分析

 経営方針、経営戦略又は経営上の目標の達成を判断するための客観的な指標等につきましては、「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標」に記載のとおり、営業利益率、手元流動性比率、ハイエンド・エンジニア数、1名あたり年間平均売上高を経営指標として重視しております。

 

 各指標の実績等は以下のとおりであります。

経営指標

2024年6月期

2025年6月期

営業利益率

16.7%

24.5%

手元流動性比率

12.6ヶ月

11.7ヶ月

ハイエンド・エンジニア数(注1)

45人

72人

1名あたり年間平均売上高(注2)

2,357万円

2,294万円

注1:クラウドネイティブで世界標準のシステム設計が行える技術とAIを高次元で活用できる技術を有するエンジニアと、システムモダナイゼーションのプロジェクトマネジメントやDXコンサルティングを行うソリューション・コンサルタントで、当社独自のコーディングテスト等による厳格な採用選考を通過した顧客プロジェクトにアサインされる稼働対象人員の人数

注2:1名あたり年間平均売上高=当社年間売上高(注3)÷期中平均ハイエンド・エンジニア数(注4)

注3:ラボオートメーション事業を除くシステムモダナイゼーション事業の年間売上高

注4:前四半期末と四半期末におけるハイエンド・エンジニア数を合計して2で除した数値を、当該事業年度における4四半期分を合計して4で除した数値

 

 創業以来、顧客プロジェクトへのアサインが可能なハイエンド・エンジニア数は、順調に拡大しており、2026年3月末時点では86名のハイエンド・エンジニアが在籍する体制となっております。

 1名あたり年間平均売上高はほぼ横ばいで、安定的に2千万円を超える水準で推移しており、次世代勘定系システム開発支援等の付加価値の高い開発案件を獲得できているものと認識しています。

 

④経営成績に重要な影響を与える要因について

 経営成績に重要な影響を与える要因については、「3事業等のリスク」をご参照ください。

 

⑤経営者の問題意識と今後の方針に関して

 経営者の問題意識と今後の方針については、「1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。