2025年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    59名(単体) 2,095名(連結)
  • 平均年齢
    42.9歳(単体)
  • 平均勤続年数
    16.7年(単体)
  • 平均年収
    8,576,885円(単体)

従業員の状況

5【従業員の状況】

(1)連結会社の状況

 

2025年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

橋梁事業

1,244

エンジニアリング関連事業

701

先端技術事業

103

不動産事業

5

全社(共通)

42

合計

2,095

(注)1.従業員数は就業人員数を記載しています。

2.全社(共通)として記載されている従業員数は、管理部門に所属しているものです。

(2)提出会社の状況

 

 

 

2025年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

59

42.9

16.7

8,576,885

 

セグメントの名称

従業員数(人)

橋梁事業

14

エンジニアリング関連事業

先端技術事業

不動産事業

5

全社(共通)

40

合計

59

(注)1.平均年間給与(税込金額)は、基準外賃金および賞与を含んでいます。

2.従業員数は就業人員数を記載しています。なお、当社の従業員は、すべて子会社からの出向者です。

3.全社(共通)として記載されている従業員数は、管理部門に所属しているものです。

(3)労働組合の状況

当社グループには、連結子会社株式会社横河ブリッジの従業員と連結子会社株式会社横河システム建築の従業員を構成員とする組合(産業別労働組合ジェイ・エイ・エムおよび日本建設産業職員労働組合協議会に所属)、連結子会社株式会社横河NSエンジニアリング従業員を構成員とする組合(無所属)、連結子会社株式会社楢崎製作所従業員を構成員とする組合(無所属)、連結子会社株式会社横河技術情報従業員を構成員とする組合(無所属)の4組合があります。

労働条件の改善等労使間の問題は、各社において労使双方で組織する経営協議会で円満に解決を図っています。

 

(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

 

①提出会社及び連結子会社

当事業年度

名 称

管理職に占める女性労働者の割合(%)

(注) 1

男性労働者の育児休業取得率(%)

(注) 2

労働者の男女の賃金の差異(%) (注) 1

全労働者

うち正規雇用労働者

うちパート・有期労働者

当社

10.0

100.0

76.9

74.6

*

(注)3

㈱横河ブリッジ

1.1

100.0

66.2

67.7

71.7

㈱横河システム建築

0.9

100.0

59.6

62.3

73.7

㈱横河NSエンジニアリング

5.0

100.0

61.4

62.9

64.1

㈱楢崎製作所

0.0

100.0

70.6

80.4

76.8

㈱横河技術情報

10.3

100.0

63.5

66.5

67.3

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものです。

3.「*」はパート・有期労働者に該当する従業員がいないことを示しています。

4.出向者は、出向先の従業員として集計しています。

5.管理職に占める女性労働者の割合については、現在当社グループの管理職は、ほぼ40代以上(概ね入社20年以上)の者で構成されていますが、過去の新卒採用では当社がメインターゲットとしている土木・建築分野を専攻する女性が少数であったことから、結果として男性に偏った新卒採用が長く続いたことが要因として考えられます。しかしながら、直近3年では、新卒採用者に占める女性の割合は30%前後となっています。

6.労働者の男女の賃金の差異については、賃金制度上、職務の内容や異動の範囲などが同じ等級では性別の違いによる賃金差異はなく、当社グループの女性社員は、賃金水準の高い管理職の割合が低いことに加え、現場勤務者が少ない点が要因として考えられます。当社では現場勤務者に対して、ハードシップに報いるための手当支給を行っている他、現場勤務者は他の職種に比べて長時間労働になりやすいことから、相対的に賃金が高くなる傾向にあります。

 

 

②連結会社

当事業年度

管理職に占める女性労働者の割合(%)

男性労働者の育児休業取得率(%)

労働者の男女の賃金の差異(%)

全労働者

正規雇用労働者

パート・有期労働者

2.2

100.0

65.0

67.1

70.4

(注)1.連結会社は、提出会社および連結子会社5社(㈱横河ブリッジ、㈱横河システム建築、㈱横河NSエンジニアリング、㈱楢崎製作所、㈱横河技術情報)を対象範囲としています。

2.各指標の算出にあたっては、対象とした会社の労働者を合算し、①提出会社及び連結子会社と同様の方法により算出したものです。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方および取組は、次のとおりです。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

(1)サステナビリティ共通

  当社グループは、「社会公共への奉仕と健全経営」という企業理念のもと、経営ビジョンとして「匠の技とデジタル技術を融合し、良質な社会インフラを提供することで、安全・安心で豊かな暮らしに貢献します」と定めています。本ビジョンに基づき、良質な製品をつくり、守り、次世代につなぐことで社会の発展に貢献することをサステナビリティの基本的な方針とします。

  社会・環境問題をはじめとするサステナビリティ課題の解決に対し、リスクの減少のみならず、新たな収益機会にもつながると認識し、中長期的な企業価値の向上の観点から、積極的かつ能動的に取り組みます。

 

① ガバナンス

 サステナビリティならびにESGに関わる経営の基本方針、事業活動やコーポレートガバナンスの方針・戦略に関する議案は、取締役会の諮問機関として設置された「サステナビリティ委員会」で検討を行い、重要な方針や施策については経営会議での審議を経て、取締役会へ報告され、審議・決定がなされます。

 同委員会の下部組織である「サステナビリティワーキンググループ」は、決定された方針や施策を事業活動に落とし込み、各事業会社や客先・取引先と連携・協力しながら具体的な取り組みを推進しています。

 サステナビリティ委員会は、当社の執行役員が委員長を務め、事業会社の執行役員・幹部社員で構成されています。サステナビリティワーキンググループは、事業会社の総務担当部長で構成され、各種必要なデータを把握・管理し、数値の測定・集計および算定結果の管理など、より実務的な役割を担っています。

 

 

   サステナビリティ委員会の構成と実績

構成メンバー

委員長

当社の執行役員

委員

事業会社執行役員・幹部社員

2024年度活動

回数

4回

主な議論

ESG関連方針について

有価証券報告書でのサステナビリティ情報記載について

統合報告書について

第7次中期経営計画におけるサステナビリティの取り組み

マテリアリティ(重要課題)の特定とKPI設定について

移行計画について

環境分野リスク管理計画について

CO₂削減の取り組み

TCFDに沿った情報開示について

CDP*1対応について

*1:Carbon Disclosure Project:気候変動質問書

 

 当社グループのガバナンス体制の詳細については、「第4 提出会社の状況 4.コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要」をご参照ください。

 

② リスク管理

 当社グループは、2024年度より「統合リスク管理委員会」を設置し、グループ全体で包括的にリスクを管理するグループリスク管理態勢(体制およびプロセス)の強化に取り組んでいます。統合リスク管理には、サステナビリティ関連のリスクも含んでおり、詳細については、「第2 事業の状況 3.事業等のリスク」をご参照ください。

 

③ 戦略

当社グループでは、サステナビリティ課題のうち、当社グループとして優先的に取り組むべきものをマテリアリティとして特定し、中期経営計画に反映させています。マテリアリティの特定については、サステナビリティ委員会で審議を行い、取締役会で承認とモニタリングを行い、必要に応じて見直されます。また、個別のサステナビリティ課題についての目標と取り組みの進捗状況については、取締役会がモニタリングを行います。

 

マテリアリティ特定のプロセス

1.検討すべきマテリアリティ候補項目の洗い出し

1)当社グループの事業や経営資源、バリューチェーンに影響する可能性のある、政治経済・社会・環境・技術課題を抽出

2)企業理念を踏まえ、経営ビジョン達成のために、当社グループが貢献できる社会・環境課題、優先的に取り組むべきESG課題を長期的視点でリストアップ

2.縦軸:ステークホルダーへの影響度、横軸:自社への影響度、の両軸から優先順位づけ・重みづけを検討し、マテリアリティ候補項目の絞り込み

3.サステナビリティ委員会での審議と経営メンバーレビューによるマテリアリティの特定

 

 「第6次中期経営計画(2022~2024年度)」(以下、第6次中計)においては、「100年先を見据えた強固な経営基盤を確立する」を基本方針の1つとして掲げ、機会獲得の観点からDX戦略、技術戦略、人材戦略を考慮し、リスクの観点からはESGそれぞれについてマテリアリティを設定しました。

 

2025年度を初年度とする「第7次中期経営計画(2025~2027年度)」(以下、第7次中計)では、新たな経営ビジョンと私たちの役割を実現するために、優先度の高いESG課題を類似分野別に5つの項目にまとめ、それらの解決に向けた施策、KPIを定めマテリアリティとしました。

 

 

第7次中計のマテリアリティとマテリアリティの解決に向けた施策

マテリアリティ

マテリアリティの解決に向けた施策

主なKPI

モノづくりへのこだわり

重大災害・事故の根絶

死亡事故件数

品質の確保

橋梁事業の工事評点

製品の安定供給

設備投資額

AIネイティブな製品・サービスへの転換

生成AIをはじめとするAI関連システムの年間開発件数

労働生産性の向上

デジタルを活用した安全性・品質・生産性向上技術開発件数

未来を支える社会インフラの構築

災害に強いインフラの実現に向けた製品開発

研究開発費

インフラの更新サービスやメンテナンスへの対応

橋梁保全事業売上高

災害復旧支援

災害時対応訓練の実施

海外事業の取り組み強化

海外事業受注高

多様な人材が集まり能力を発揮できる社会の実現

DE&Iの推進とエンゲージメントの向上

エンゲージメントレーティング

従業員の健康とワークライフバランスの推進

現場職員の4週8休実施率

従業員やパートナー、サプライヤーの人権尊重

人権リスク調査

パートナーと共に人と自然に優しい環境への貢献

グリーンエネルギー関連事業への展開

洋上風力発電など新しい事業領域への引合い・見積件数

地球温暖化対応の製品開発

付加価値製品の見積件数

カーボンニュートラルの実現

CO₂排出量削減率

環境負荷の低減

鋼材リサイクル率100%の継続

誠実で公正な企業活動

コーポレートガバナンスの強化

重大なコンプライアンス違反件数

情報セキュリティ管理

重大な情報セキュリティ事故件数

 

 

 

④ 指標と目標

第6次中計の主なマテリアリティと達成状況は下表のとおりです。

マテリアリティ

KPI

2024年度

目標

2024年度

実績

 

 

 

 

災害に強い製品開発の要望への対応

研究開発費

11億円

7億円

国土強靱化へ向けた更新サービスやメンテナンス要望への対応

橋梁保全事業売上高

291億円以上

258億円

   会

製品の安定供給

設備投資額(2022~2024年度合計180億円以上)

95億円

累計180億円

57億円

累計142億円

人員体制

2,150名

2,121名

優秀な人材の獲得とダイバーシティ&インクルージョンの推進

年度における採用計画の達成

採用計画72名

達成率100%

採用66名

達成率91.7%

育休復職率

100%

100%

 

 

気候変動や自然災害による物理的リスクへの対応

BCP訓練の実施

年20回以上

32回

労働安全衛生の確保

死亡災害件数

0件

0件

グローバルな健康課題への対応

健康経営優良法人の申請

認定

認定

公正な取引活動と腐敗防止

重大なコンプライアンス違反件数

0件

0件

グループ内部統制システムや監査規程に基づく、グループ各社の全部門での自主監査および事象の把握と予防・改善措置、再発防止策の実施

年1回

年1回

監査部門の人員体制および内部統制に関する教育の実施

人員41名

教育実施率100%

人員33名

教育実施率100%

グループの監査役と監査室長の会議の実施

年2回

年2回

情報セキュリティ管理

重大な情報セキュリティ事故件数

0件

1件

災害時のデータ保全に関する訓練の実施

年1回

年2回

 (注)持分法適用会社を含む

 

(2)気候変動への取り組み(TCFD*1に基づく開示)

 気候変動による異常気象の頻発や水害の激甚化等が進行しており、脱炭素社会への移行が国際社会全体で強く求められています。当社グループは、社会インフラ整備を担う企業集団として、災害に強いインフラ整備や長期的な橋守り、災害復旧支援をはじめ、事業を通じて気候変動に起因する各種課題の解決に取り組んできました。

当社グループは気候変動を重要な経営課題として認識しており、2020年には、マテリアリティ(重要課題)として「気候変動や自然災害による物理的リスクへの対応」を特定しました。

更に、2021年12月にはTCFD提言への賛同を表明するとともに、2022年5月に2050年度の事業活動におけるCO₂排出量(スコープ1・2)をゼロとし、カーボンニュートラルを実現することを目標に掲げました。その目標の達成に向けた中期目標として、2030年度におけるスコープ1・2のCO₂ 排出量を50%削減*2、短期目標として2024年度に20%削減*2を設定しました。

2025年、当社は第7次中期経営計画を策定するにあたり、最終年度にあたる2027年度のスコープ1・2のCO₂ 排出量を2020年度比で35%削減する目標をたて、その道筋を示した移行計画を策定します。このように今後も当社グループは、カーボンニュートラルの実現に向けて一層の取り組みの推進を図り、その結果等はTCFD提言のフレームに沿って開示していきます。当社グループでの取り組みに加え、投資家をはじめとするステークホルダーの皆様との対話と協働を通じて、脱炭素社会の実現に貢献していきます。

*1:Task Force on Climate-related Financial Disclosures:気候関連財務情報開示タスクフォース

*2:2020年度を基準年とする

 

① ガバナンス

 当社グループは2021年に策定した「サステナビリティ方針」の中で、社会・環境問題をはじめとするサステナビリティ課題の解決に対し、積極的かつ能動的に取り組むことを宣言しています。「気候変動」はグループ横断の会議体である「サステナビリティ委員会」において、グループのマテリアリティ(重要課題)として審議され、取締役会で決定されました。

気候変動への対応を含むサステナビリティならびにESGに関わる経営の基本方針、事業活動やコーポレートガバナンスの方針・戦略に関する議案は、サステナビリティ委員会で検討を行い、重要な方針や施策については経営会議での審議を経て、取締役会へ報告され、審議・決定がなされます。サステナビリティ委員会は、当社の執行役員が委員長を務め、各事業会社の幹部・執行役員で構成されています。経営会議および取締役会で決定された方針や戦略の実施については、サステナビリティ委員会の下部組織である「サステナビリティワーキンググループ」が推進役を担います。サステナビリティワーキンググループは、各事業会社の総務担当部長で構成され、事業会社におけるCO₂排出量削減対策の推進、進捗把握等の実務を行います。

経営会議および取締役会で審議・決定された事項は、各事業会社の業務執行部門の取り組みに落とし込まれます。サプライチェーンにおけるCO₂排出量(スコープ3)については、関係先と連携・協力しながら削減に努めてまいります。経営会議・取締役会は、気候関連問題を含むマテリアリティへの取り組み状況について年1回以上モニタリングを行い、指揮・監督を行います。

 

「(1)サステナビリティ共通 ①ガバナンス」をご参照ください。

 

② 戦略

  気候変動が当社グループの事業・財務にどのような影響を及ぼすかを明らかにするため、シナリオ分析を行っています。分析対象範囲は当社グループの主要な事業(橋梁、エンジニアリング関連、先端技術)とし、分析対象期間の時間軸は現在、短期(2~3年後)、中期(2030年頃)、長期(2050年頃)としています。

  気候関連リスクと機会の特定プロセスは、まず対象事業ごとに「移行」「物理」の双方の気候影響において、バリューチェーン上のリスク・機会要因を洗い出し、次に「調達」「直接操業」「製品・サービス需要」別に分類・整理し、それぞれについて影響の具体的な内容、影響を受ける可能性と影響の大きさ、影響が発現する時期を検討し、最終的な事業影響を特定します。

  当社グループの事業から直接排出されるCO₂排出量(スコープ1・2)は多くありませんが、提供する橋梁やシステム建築では、鋼材やセメント等の製造時に多くのCO₂排出を伴う素材を使用します。また、それら原材料・建築資材の運搬や建設時の重機稼働に伴うCO₂も発生します。加えて、主要顧客である自治体や民間企業からの環境配慮要請も年々強まっていることから、グループ全体で低炭素施工やローメンテナンス製品等の技術開発、鋼材リサイクル率100%の追求等を行っています。

  これらの事業特性から、CO₂排出の規制強化や炭素税導入による建設コスト・調達コストの増加、異常気象の頻発・激甚化による自社施設損傷・サプライチェーン寸断、慢性的な気温上昇に伴う建設現場の労働生産性の低下等を主なリスクとして特定しました。また、機会側面としては、国土強靱化、防災・減災、保全市場の拡大や環境配慮型の橋梁・建築物の需要増加等を機会として特定しました。

 

   気候変動に起因し、重大な影響を及ぼすと特定した主なリスク・機会とその対応策

リスク

説明

時間軸*

事業への影響**

対応策

低炭素技術導入による鋼材価格の上昇・品薄

長期

鋼材の製造過程の脱炭素を実現するための新技術導入による価格の上昇と、低炭素鋼材の海外輸出による国内の鋼材不足

・鋼材メーカーの脱炭素技術の開発への協力

・FRPバルサ材や木材、低炭素型コンクリートなどの新素材の当社グループ事業分野への応用

気温上昇による熱中症の増加や作業効率の低下、熱中症対策コスト増

現在

気温上昇による熱中症の増加で、生産性の低下や人員確保難につながる。追加的な安全対策が必要となり、コストが発生

・CO₂削減目標の達成

・労働環境と健康管理に関わるICTの導入と活用

・溶接作業等のロボット化やICTの活用による省人化の推進

・作業場における空調服などの支給

・BCP投資と設備および人員の強化

・BCPの策定とその確実な運用および訓練の継続

・想定外の被災でも早期に復旧が可能な製品と工法の活用

異常気象による調達網への影響、工事の中断または遅延

現在

台風や集中豪雨により調達網が寸断され操業制限を受けたり、工場・施工現場が停止したりするケースが頻発

異常気象による自社施設の損傷

現在

異常気象による浸水や強風により自社拠点が被災

機会

説明

時間軸*

事業への影響**

対応策

国土強靱化、防災・減災、保全市場の拡大

現在

耐久性が高く、メンテナンスのしやすい橋梁・災害に強い土木鋼構造物の建設需要の増加

・DXを活用した生産管理システムと営業管理システムの整備による受注拡大および生産拡大への対応

・橋の架け替えや施設移転の需要の的確な把握と技術提案力の強化

・建設DXの推進による災害現場での安全性・施工性の向上に寄与する技術の開発

・津波や高潮による被害を低減する「プレキャスト防潮堤」の提供

・豪雨災害に対する備えである地下河川向けの内水圧対応型トンネルセグメントの提供

・老朽化した道路橋床版の取替工法に関する技術の提供

・アルミ、ステンレス製の維持管理関連製品の提供

・鋼材と木材のハイブリッド製品の提供

・グリーンスチールの活用

・断熱性能に優れたシステム建築の提供

・電炉鋼材、低炭素型コンクリート、環境配慮型塗料などの有効な要素技術の応用

・脱炭素型加工機械(電気・水素)の新技術の活用

・プレキャスト化や急速施工法による現場の工期短縮などの技術開発の推進

(注)*時間軸:現在、短期(2~3年後)、中期(2030年頃)、長期(2050年頃)

**影響の大きさは、影響を受ける事業の売上高割合に応じて4段階で評価した結果、重大な影響を及ぼすと特定したものについて記載しています。

 

  シナリオ分析で特定された重要なリスク・機会について事業への影響とその対応策は、サステナビリティ委員会で進捗を管理し、取締役会でモニタリング・監督をしています。当社グループは、気候関連のリスクに対するグループのレジリエンス保持に適切に努めており、中期経営計画に反映し、事業戦略を策定します。

 

③ リスク管理

 気候変動に起因するリスクの洗い出しと事業への影響の評価はサステナビリティ委員会において実施しています。識別したリスクについては、サステナビリティ委員会と実務を担うサステナビリティワーキンググループとが連携する体制で、対応策を含め検討され、特に重要な課題については取締役会へ報告され、審議されます。また、これらのリスクは取締役会の諮問委員会である「統合リスク管理委員会」と連携して情報を共有し、全社的なリスクとして包括的に管理されます。統合リスク管理委員会の詳細については、「第2 事業の状況 3事業等のリスク」をご参照ください。

 

④ 指標と目標

 当社グループは気候関連のリスク・機会を評価、管理する際に使用する指標と目標として、2022年5月に「2050年のカーボンニュートラル達成」を長期目標として公表すると共に、その実現に向けたマイルストーンとして短期・中期のCO₂排出量削減目標も併せて策定しました。

 短期目標である、第6次中期経営計画(2022年度~2024年度)において2020年度比20%削減に向けた取り組みとして、2024年度は当社グループにおいて最大の生産拠点である大阪工場は9月から、室蘭工場は2025年1月から、使用電力の再生可能エネルギー由来の電力へ切り替えを行いました。これにより、グループの主要な工場、事業所の再生可能エネルギーへの切り替えと、設置可能な範囲で太陽光発電設備の設置が完了しました。

 スコープ3の排出量は、カテゴリ1の購入した製品サービスの割合が高くなっています。当社グループが提供する橋梁やシステム建築および土木製品では、鋼材、コンクリート、塗料などを主要な原材料として多く使用しています。これらの原材料の購入によるCO₂ 排出量を低減することがカーボンニュートラルの実現のための重要な課題となっています。原材料のCO₂ 削減はそれぞれのサプライヤーの技術革新による新技術の活用に努めることを方針としてサプライヤーと認識を共有しています。鋼材メーカーが販売を始めたグリーンスチールは、将来的な製鉄の技術革新へつながる技術の1つであり、当社グループで国内橋梁に初めて適用させることになりました。発注者とは業界団体を通じて意見交換を行っており、新技術活用によるCO₂ 削減の方針を確認しています。現在の課題としては、新技術導入の効果と必要となるコストの評価方法の整備や、当社が提供する製品のライフサイクルでのCO₂削減の実践が挙げられます。発注者、サプライヤーおよび製品の利用者とも協働して、新技術の活用を積極的に進めるとともに、課題の解決にも取り組んでいきます。

 

CO₂排出量削減目標

 

基準年

目標年

目標

スコープ 1・2

2020年度

2024年度(第6次中期経営計画期間)

20%削減

2027年度(第7次中期経営計画期間)

35%削減

2030年度

50%削減

2050年度

カーボンニュートラル

スコープ 3

サプライヤーや顧客等の関係者と協力しながら、削減に努める

 

  CO₂排出量実績推移(単位:t-CO₂)

 

2020年度

2021年度

2022年度

2023年度

割合

スコープ 1

2,539

4,856

4,508

5,406

1.5%

スコープ 2*

10,779

10,647

6,241

6,844

1.9%

スコープ 1・2計

13,318

15,503

10,749

12,250

3.5%

増減率

基準年

+16%

-19%

-8%

スコープ 3**

332,518

361,007

431,556

341,579

96.5%

スコープ 1・2・3合計

345,836

376,510

442,305

353,829

100.0%

*2022年度から、購入電力の一部のCO₂削減プランへの切替え、および事業所・工場における太陽光発電設備(PV)の設置を進め、スコープ2排出量を大幅に削減

**スコープ3では、カテゴリ1(購入した製品サービス)の占める割合が高く90%以上の割合を占めています。

 

(注)2024年度の実績につきましては、2025年9月発行予定の統合報告書の中で公表いたします。

 

(3)人的資本への取り組み

① 人的資本に関する方針

 当社は、企業理念である「社会公共への奉仕と健全経営」のもと、これまで、「安全」と「品質」を会社存立の原点として、世の中を支えるモノづくりに取り組んでまいりました。また、より多くの人の生活を安全・安心に支えるため、モノづくりに誠実に向き合い、新しい技術や工法等を業界のなかで先駆けて開発するなど積極的にチャレンジしていくことで、成長を図ってきました。

 この創業以来、育んできたDNAを次代に着実に受け継いでいくため、100年以上の歴史のなかで積み上げてきた高い技術力の維持・強化に加えて、従業員一人一人が業界のリーディングカンパニーとしての使命感を持ち、社内外の様々な関係者と協力しながら働いていくことができる「人間力」の強化を目指します。

 当社では、目指すべき姿の実現に向けて、「人材育成方針」および「社内環境整備方針」を制定するとともに、具体的な取り組みのポイントを4つに整理し、それぞれの取り組みをモニタリングしながら着実な実行を推進してまいります。

 

(人材育成方針)

 当社は、サステナビリティの基本方針として「良質な製品をつくり、守り、次世代につなぐことで社会の発展に貢献すること」を掲げており、企業運営において最も大切なのは「人」と位置づけております。そのうえで、会社の持続的な成長と企業価値の向上を実現させるには、多様かつ高度化するニーズに対応できる幅広い経験とスキルを蓄積した人材の育成が極めて重要と考えています。そこで、高い専門性を身につけるため、多様な従業員一人ひとりが継続的に成長できるように中長期的な観点で育成することを人材育成の方針としております。

 

(社内環境整備方針)

 当社のように「モノづくり」を展開する会社においては、働く人の安全・安心の確保は持続的な企業活動において重要な課題です。また、高い安全意識の積み重ねにより心理的・身体的な安心感が醸成され、部門を越えて協力しやすい企業風土をつくることも重要です。そうした風土が品質の高い建造物の建設につながり、社会に対して安全・安心を届けることにも波及すると考えています。そのため、働く人の安全と心身の健康を守り、人権を尊重し、差別のない健全な職場環境を確保することを社内環境整備の方針としております。

 

(目指すべき姿の実現に向けた4つのポイント)

a.業界のリーディングカンパニーとして、多様化かつ高度化する技術的なニーズにいち早く対応できるよう、幅広い経験・スキルを計画的に蓄積する

・企業理念や事業内容に共感を持った人材の長期的な育成

・階層や役割に応じた体系的な研修の実施

・タレントマネジメントシステムを活用したスキルや経験の可視化

・広範な業務理解、適材適所の実現を支える人事交流・ジョブローテーション

 

b.個々の社員が多様な経験を積み、主体的かつ継続的に成長できる環境をつくる

・スキル向上のための資格取得

・自己申告制度を活用した自身のキャリア形成およびジョブローテーション

・ライフイベントを見据えた人事制度の活用

 

c.高い安全意識の積み重ねにより心理的・身体的な安心感を醸成し、より一層、部門を越えて協力しやすい企業風土を形成する

・継続的な安全面での改善活動

・コンプライアンス・各種ハラスメント研修の実施

・長時間労働の是正

・ワークライフバランス施策の充実

・部門間連携を支える人事交流・ジョブローテーション

・健康経営の推進

・エンゲージメントレーティングの向上

 

d.より効率的な業務推進、高い安全性を実現するデジタル人材を育成する

・ITリテラシーの高い人材の選抜型育成

・管理職向けのDX推進マネジメント研修の実施

 

当社は上記方針を実現するため、2024年度に以下の具体的な取り組みを実行しております。

・グループ横断の人事交流・ジョブローテーションを目的とした会議体の設置

・エンゲージメントサーベイの実施ならびにエンゲージメント向上に向けたアクションプランの策定

・デジタル化推進の中心的な役割を担うデジタルリーダーの任命(70名)および必要なスキルを学ぶための支援の実施

 

 

② 人的資本に関する指標及び目標

 当社グループでは、上記において記載した、人材の多様性を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は次のとおりです。

 

指標

2025年度目標

2024年度実績

人材育成

有資格者数(注)1

1,416名

1,321名

資格取得支援実施率

100%

100%

社内環境

整備

4日以上休業災害件数(注)2

0件

5件

コンプライアンス、各種ハラスメント研修の実施率

100%

100%

定着率(新卒3年目)

100%

95.5%

(注)1.技術士/一級建築士/1級土木施工管理技士/1級建築施工管理技士/建設業経理士(1・2級)

2.目標達成のため最新の情報化技術の活用など安全対策の強化を実施してまいります。