事業内容
セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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売上
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利益
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利益率
最新年度
セグメント名 | 売上 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
---|---|---|---|---|---|
橋梁事業 | 13,026 | 70.6 | 119 | 50.5 | 0.9 |
鉄構事業 | 5,429 | 29.4 | 117 | 49.5 | 2.1 |
事業内容
3【事業の内容】
当社は、橋梁、鉄骨及びその他鋼構造物の設計から製作、現場施工を主な事業としております。
当社の事業の詳細は次のとおりであり、セグメントの区分と同一であります。
(1)橋梁事業
新設鋼橋の設計・製作・現場据付、既設橋梁維持補修工事の設計・製作・現場据付、橋梁関連鋼構造物の設計・製作・現場据付、複合構造物の設計・製作・現場据付、土木及び海洋関連鋼構造物の製作、制震部材他橋梁関連製品の製作をしております。
(2)鉄構事業
超高層ビル鉄骨等の製作・現場施工、大空間構造物の設計・製作・現場施工、制震部材の製作をしております。
業績
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、物価高・コスト高・人手不足という悪材料はあったものの、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の増加等により、緩やかな回復傾向をたどりました。一方では、海外景気の下振れや、金融資本市場の動き、米国の今後の政策動向などは引き続き注意が必要な状況が続いております。
この間、公共投資は底堅く推移し、民間設備投資も持ち直し傾向が見られましたが、当業界におきましては、橋梁事業、鉄構事業ともに、前事業年度から続く低調な需要に回復は見られず、厳しい経営環境が継続しております。特に新設鋼橋の発注量は、大きく減少した前事業年度から更に減少し、受注競争は一層熾烈なものとなりました。鉄構事業では首都圏での大型再開発案件、関西地区のIR関連事業等の潜在需要があるものの、鋼材・労務費等、建設コストの高騰により、ゼネコンの選別受注姿勢が恒常化したことで、計画工事と実施工事のギャップが拡大し、鉄骨需要は底這いの状態が続きました。
このような厳しい環境下ではありましたが、橋梁事業・鉄構事業ともに前事業年度を上回る受注高確保を目標に、限られた経営資源を最大限に活用して営業活動を展開いたしました。橋梁事業では、採算面で厳しい案件も受注することで前事業年度を上回りましたが、鉄構事業では、目標案件の契約が次年度にずれ込んだことで前事業年度を下回り、当事業年度の受注高合計は前事業年度に届かない結果となりました。
これらの結果、当事業年度の受注高は橋梁事業11,021,544千円、鉄構事業3,124,699千円、総額14,146,243千円となり前事業年度比3.3%の減少となりました。
また、当事業年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
イ.財政状態
(資産の部)
当事業年度末の資産合計は、前事業年度末に比べ1,129,168千円増加し、31,129,293千円となりました。
流動資産は17,467,664千円(前事業年度末比935,830千円増加)となりました。これは主に完成工事高の計上に伴い受取手形が470,941千円、完成工事未収入金が120,979千円増加したことによるものです。
固定資産は13,661,629千円(前事業年度末比193,338千円増加)となりました。これは主に設備投資実施による増加536,414千円とソフトウェア仮勘定の増加93,316千円、減価償却費の計上315,195千円によるものです。
(負債の部)
当事業年度末の負債合計は、前事業年度末に比べ1,555,559千円増加し、10,647,463千円となりました。
流動負債は7,067,646千円(前事業年度末比1,520,211千円減少)となりました。これは主に短期借入金の減少1,200,000千円と未払法人税等の減少372,258千円によるものです。
固定負債は3,579,817千円(前事業年度末比3,075,770千円増加)となりました。これは主に長期借入金の新規設定によるものです。
(純資産の部)
当事業年度末の純資産合計は、前事業年度末に比べ426,390千円減少し、20,481,829千円となりました。これは主に自己株式の取得356,562千円と、剰余金の配当による減少355,634千円及びその他有価証券評価差額金の減少82,158千円によるものです。この結果、自己資本比率は65.8%(前事業年度は69.7%)となりました。
ロ.経営成績
損益面につきましては、橋梁事業での設計変更による契約金額の増額確保や、鉄構事業での生産体制の見直しによる採算の改善はありましたが、影響は限定的でありました。一方で、前事業年度から続く橋梁事業の受注低迷による工場の稼働率低下や原価高騰の影響は大きく、橋梁事業の採算悪化から当期の業績は前年同期を大きく下回る結果となりました。
当事業年度の業績は、完成工事高18,455,160千円(前期比6.3%減)、営業利益235,330千円(前期比82.5%減)、経常利益360,342千円(前期比74.9%減)、当期純利益343,687千円(前期比61.7%減)であります。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
橋梁事業
橋梁事業におきましては、設計変更による契約金額の増額を確保できましたが、前事業年度から続く受注低迷による工場の稼働率低下や原価高騰の影響は大きく、完成工事高は13,025,931千円(前期比16.6%減)と減少し、セグメント利益は118,779千円(前期比92.5%減)と前事業年度を大きく下回る結果となりました。受注面では、限られた経営資源を効率的に活用して営業活動を展開し、採算面で厳しい案件も受注したことで、前事業年度実績を上回る結果となりました。当事業年度の受注高は11,021,544千円(前期比3.8%増)、当事業年度末の受注残高は13,785,544千円(前期比12.7%減)であります。
鉄構事業
鉄構事業におきましては、前事業年度の着実な受注により、当事業年度の完成工事高は5,429,228千円(前期比33.2%増)と増加し、生産体制の見直しによる採算の改善もあり、セグメント利益は116,550千円(前期はセグメント利益△229,921千円)と5期連続のセグメント損失を回避することができました。受注面では、目標案件を確実に受注につなげましたが、一部案件が次年度にずれ込み前事業年度を下回る結果となりました。当事業年度の受注高は3,124,699千円(前期比22.0%減)、受注残高は4,171,553千円(前期比35.6%減)であります。
② キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末より147,014千円増加し、2,288,699千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は547,359千円(前期比726.4%増)となりました。これは主に売上債権の増加及び法人税等の支払いによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は393,734千円(前期比125.7%増)となりました。これは主に有形固定資産の取得によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は1,088,108千円(前期は503,669千円の使用)となりました。これは長期借入金の新規設定による増加と短期借入金の返済、配当金の支払い及び自己株式の取得によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
イ.生産実績
当事業年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当事業年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
前期比(%) |
橋梁事業(千円) |
12,769,425 |
△17.2 |
鉄構事業(千円) |
5,423,175 |
+32.1 |
合計(千円) |
18,192,600 |
△6.9 |
ロ.受注実績
当事業年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
受注高 |
前期比(%) |
受注残高 |
前期比(%) |
橋梁事業(千円) |
11,021,544 |
+3.8 |
13,785,544 |
△12.7 |
鉄構事業(千円) |
3,124,699 |
△22.0 |
4,171,553 |
△35.6 |
合計(千円) |
14,146,243 |
△3.3 |
17,957,097 |
△19.4 |
ハ.販売実績
当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当事業年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
前期比(%) |
橋梁事業(千円) |
13,025,931 |
△16.6 |
鉄構事業(千円) |
5,429,228 |
+33.2 |
合計(千円) |
18,455,160 |
△6.3 |
(注) 最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先 |
前事業年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
当事業年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
||
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
国土交通省 |
10,750,050 |
54.6 |
7,702,158 |
41.7 |
大成建設㈱ |
2,207,004 |
11.2 |
3,993,595 |
21.6 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当事業年度は18,455,160千円(前期比6.3%減)の完成工事高を計上したものの、完成工事総利益は1,926,523千円(前期比33.4%減)にとどまったことで、営業利益は235,330千円(前期比82.5%減)、経常利益は360,342千円(前期比74.9%減)と利益面では前期比で大きく減少する結果となりました。特別利益(投資有価証券売却益)の計上はありましたが、当期純利益は前事業年度を大きく下回る343,687千円(前期比61.7%減)となりました。
イ.財政状態の分析
財政状態につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」をご参照下さい。
ロ.経営成績の分析
(完成工事高)
新設鋼橋の発注量減少が前事業年度から続く受注低迷となり、工場稼働率が低下した影響により、完成工事高は減少し18,455,160千円(前期比6.3%減)となりました。その内訳は、橋梁事業13,025,931千円(前期比16.6%減)、鉄構事業5,429,228千円(前期比33.2%増)であります。
(営業利益)
完成工事高が減少する一方で、人手不足・コスト高等に起因する原価高騰と、工場の仕事量確保のために採算面で厳しい案件を受注した影響により完成工事総利益が1,926,523千円(前期比33.4%減)と悪化し、更には販売費及び一般管理費が1,691,193千円(前期比9.5%増)と前事業年度実績を上回ったこともあり、営業利益は235,330千円(前期比82.5%減)、売上高営業利益率1.3%(前事業年度実績6.8%)と大きく悪化いたしました。
(当期純利益)
営業外収益につきましては、受取配当金の増加はありましたが、投資有価証券売却益の減少により前事業年度より15,176千円減少し、186,177千円となりました。営業外費用につきましては、支払利息の増加はありましたが、投資有価証券売却損の減少により前事業年度より50,410千円減少し、61,165千円となりました。営業外収支は改善いたしましたが、大きく悪化した営業利益を補うには至らず、経常利益は360,342千円(前期比74.9%減)、経常利益率2.0%(前事業年度実績7.3%)となりました。
特別利益は、政策保有株式の売却による投資有価証券売却益121,978千円と補助金収入31,815千円を計上し、特別損失は補助金収入により取得した固定資産の圧縮損31,815千円を計上しております。その結果、税引前当期純利益は482,321千円(前期比62.8%減)となりました。
法人税等合計(法人税等調整額を含む)は前事業年度より減少し138,633千円の計上となりましたが、当期純利益は343,687千円(前期比61.7%減)となり、前事業年度より554,427千円減少いたしました。この結果当期純利益率は1.9%となり、前事業年度の4.6%から2.7%悪化いたしました。
ハ.経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(キャッシュ・フロー)
当事業年度末における現金及び現金同等物は、前事業年度末より147,014千円増加し、2,288,699千円となりました。当事業年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(資金需要)
当社の主な運転資金需要は、製品製造のための原材料仕入や協力会社への外注費用、人件費等の販売費及び一般管理費が主なものであります。また、設備資金需要は生産効率の向上や品質確保のための設備投資が主なものであります。
(財務政策)
当社は内部留保金を有効に活用することで、事業活動に必要な流動性の確保に努めております。また、品質確保のための設備投資や資本参加も見据えた事業展開に活用することで、経営基盤の強化を目指しております。運転資金は自己資金を基本としつつ、金融機関からの借入を有効活用することで円滑に業務を推進しております。
当事業年度末における短期借入金の残高は3,400,000千円、長期借入金の残高は3,000,000千円であり、当事業年度末における現金預金の残高は2,288,699千円であります。
経営方針・経営戦略又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」をご参照下さい。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表作成にあたっては、当事業年度における経営成績等に影響を与えるような見積りを必要としております。当社は過去の実績や現在の状況を踏まえ、合理的と判断される前提に基づき継続的に見積りを行っておりますが、見積りには不確実性を伴うことから、実際の結果とは異なる場合があります。
財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。