2026年3月期有価証券報告書より

リスク

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 事業環境の変化による受注減少が業績に与えるリスク

当社グループの事業は、自動車、土木・建築、建設機械及び工作機械等に展開しており、各業界の顧客からの受注に対応すべく海外を含めて生産拠点の拡充、生産能力の増強を目的とした設備投資を実施しております。また、当社グループの事業領域の拡大及び既存事業とのシナジー創出を目指し、M&Aや資本参加を積極的に推進しております。

しかしながら、各業界・地域の市場動向、政治・経済情勢が想定以上に悪化した場合や自然災害、天候不順、感染症の蔓延など予期せぬ事態が発生した場合は、顧客からの受注が減少し、人件費や減価償却費など固定費の負担が相対的に重くなり当社グループの業績に影響を与える可能性があります。さらには、設備投資資金の回収が見込めない場合、固定資産の減損損失が発生する可能性もあります。また、M&Aの実施においては、事業環境の変化により、将来の事業計画が想定より悪化した場合、のれんの減損損失が発生する可能性があります。

このような受注減少が業績に与えるリスクについては、当社グループが製品を提供している各業界・地域の市場動向、政治・経済情勢はもとより、顧客からの受注状況等を勘案したうえで素早く適切な対策を講じてまいります。具体的には、これまで生産革新活動で培ってきたノウハウや徹底した原価低減活動の継続で、受注変動に強い事業構造を構築してまいります。また、間接部門を含めた多能工化の推進、適切な人員配置を目指すとともに、設備の自動化、省力化などに資する設備を中心に投資してまいります。なお、設備投資やM&Aの実行にあたっては、社内規程「事業投資ガイドライン」等に基づき、慎重に判断する仕組みを構築しております。

 

 (2) 製品品質に関するリスク

当社グループは、自動車、土木・建築、建設機械及び工作機械等に製品を提供しております。これらの製品は非常に重要な部位に使用されるため、供給者としての責任を自覚し、品質検査及び性能確認には細心の注意を払っております。

しかしながら、万一、品質上のトラブルが発生し、人的、社会的な被害が生じた場合は、当社グループの信用及び業績に影響を与える可能性があります。

このような製品品質に関するリスクについては、国際規格ISO9001等の品質マネジメントシステムの認証を取得し、グローバルな品質保証システムを運用しております。具体的には、全社の品質保証活動を統括する品質保証本部と、事業部工場内の品質保証課とが連携し、工場個別の品質管理、品質監査活動、工場共通の重大品質問題発生防止活動を行うことで品質不適合の未然防止に努めております。

 

(3) 電気料金に関するリスク

当社グループの事業の中核である熱処理技術を用いた工程は、主として電力をエネルギーとして使用しているため、電気料金は製造コストを構成する重要な要素であります。資源・エネルギー価格の高騰を背景とした電気料金の上昇は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

このような電気料金に関するリスクについては、電力使用量の削減に向けた取り組みとして、日々の節約はもとより、気候変動への対応であるCO2削減のための省エネ活動とあわせて実行しております。また、電力を主たるエネルギーとする熱処理メーカーとして、電力使用量を削減するための技術開発や生産管理の改善につなげております。さらに、グループ全体での最適な電力調達手段を検討し、都度、電力会社と交渉することで電気料金の低減に努めております。具体的には、省エネ効果の高い最新設備への更新や環境面における効果のある太陽光発電システムの積極的な導入、複数の拠点を対象とした大口契約によるメリットの活用などを推進しております。

 

(4) 資材調達及び物流に関するリスク

鋼材を中心とする原材料価格が上昇、高止まりしております。当社グループの事業のうち、特に製品事業部関連事業の主要な材料は鋼材であり、製造コストを構成する重要な要素であります。想定以上に価格が変動した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、生産に必要な資材の入手が困難になる可能性もあります。さらに、物流業界におけるドライバー不足や輸送コストの増加等が、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

このような資材調達及び物流に関するリスクについては、コストアップ分の販売価格への転嫁に努めております。また、調達面では、調達本部が中心となって安定した供給を受けるための交渉や調達価格の交渉を継続的に行うとともに、効率的な輸送管理の徹底でコスト面のみならず環境面も意識した取り組みを推進しております。具体的には、「ネツレングループグリーン調達ガイドライン」を制定し、調達先と連携して環境負荷低減と社会の発展に貢献するオープンでフェアな調達を実施しております。

 

 

(5) グローバル事業展開に関するリスク

当社グループは、グローバルに事業を展開しており、進出国の政治・経済情勢、法制度、習慣や治安に至るまでのリスクを認識しなければなりません。また、グローバル事業では投資額が多額になることや為替変動の影響を受けることが想定されます。進出国において、想定外の政治・経済情勢の変化、法制度の変更や金融・為替市場の急激な変動等が生じた場合は当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

このようなグローバル事業展開に関するリスクについては、事業計画立案時から事業運営に至る各プロセスにおいて、主管事業部と事業開発本部、管理本部及び経営企画室をはじめとする各機能本部が連携し、課題の抽出とその解決のための施策や事業環境の変化に臨機応変に対応できる体制を整備しております。具体的には、新たな海外進出の検討にあたっては、設備投資や事業投資の計画立案と同様に、社内規程「事業投資ガイドライン」等に基づき、想定される様々なリスクの所在と対応策を検討するとともに、撤退基準を設けて慎重に判断する仕組みを構築しております。また、進出後においても各進出国に所在するグループ会社を管理する担当部門長を定め、各社から事業計画、経営状況、財務状況、その他重要な情報についての報告を求めるとともに、年2回定期的にグループ会議を開催し、各社の代表者は、経営内容等について報告することとしております。また、原則月2回開催の経営・執行役員会議においても、毎月、各社の地域情勢を含む経営に関する状況が報告されております。なお、不測の事態が発生した場合は、速やかに管理担当部門長に報告することとしております。

 

上記のほか、サステナビリティに関するリスク管理については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。

 

配当政策

3 【配当政策】

 当社は、成長に向けた戦略投資及び安定した事業運営を図りつつ、株主の皆様に対する安定的な配当を継続することを基本方針としております。

 なお、「安定した配当」については、自己資本配当率(DOE)4.0%以上としております。

当期の期末配当(普通配当)につきましては、株主還元を重視するとともに、業績や財政状況等を総合的に勘案したうえで、通期配当金は1株について普通配当71円(うち中間配当33円)とさせていただきました。この結果当期は、配当性向(連結)178.6%、自己資本配当率(連結)4.0%となりました。

また、内部留保金につきましては、新規事業投資、合理化投資など環境変化に対応しつつ、将来の利益に貢献する分野を中心に投資する所存であります。

当社は、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことを基本方針としております。これらの剰余金の配当の決定機関は、期末配当については定時株主総会、中間配当については取締役会であります。

当社は、「取締役会の決議により、毎年9月30日の株主名簿に記録された株主若しくは登録株式質権者に対し、中間配当を行なうことができる。」旨を定款に定めております。

なお、基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は、以下のとおりであります。期末配当に関する配当金の総額1,238百万円及び1株当たり配当額38円については、2026年6月25日開催予定の定時株主総会の決議事項となっております。

決議年月日

配当金の総額
(百万円)

1株当たり配当額
(円)

2025年11月10日

1,114

33.0

取締役会決議

2026年6月25日

1,238

38.0

定時株主総会決議(予定)