2024年3月期有価証券報告書より

リスク

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1)災害等の発生について

当社グループは、地震、台風、洪水等の自然災害や火災等の事故、及び感染症等の流行の発生を想定し、必要とされる安全対策や安否確認体制の構築等、事業継続計画を策定して影響の回避に努めております。しかしながら、大規模な災害、事故等による全ての影響を回避することは困難であり、また、感染症等の流行時においては、従業員に感染者が発生した際や感染拡大防止を理由として事業活動を縮小する場合、感染拡大への警戒により事業活動が制限される場合があり、財政状況及び業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)人材確保と育成について

当社グループにとって、「優秀な人材の確保と育成」は経営基盤の維持、拡大の上で不可欠であります。そのため、当社グループでは職場環境の整備による社員の満足度向上、新卒・中途採用活動や能力・成果主義を基軸とした人事制度、各種社員教育等に積極的に取り組んでおります。また、当社グループの営業活動は訪問販売を主とすることから、コンプライアンスについて徹底した人材育成と質の向上を図っております。労働需給関係の逼迫等により人材獲得競争が激化する中、社員の生産性を高める取り組みも推し進めておりますが、必要な人材を確保できない場合には、事業展開が制約され、業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)市場について

当社グループの主力商品である白蟻防除施工等のサービスは、全国に約26百万戸現存する木造戸建住宅を主な販売対象としておりますが、ユーザーが日常生活を営む上で目に付き難いところで被害を及ぼす白蟻の防除を主目的としているため、その需要の多くは潜在化しております。そして、当社グループのユーザーの大半が個人顧客であるため、個人の消費マインド軟化、可処分所得の減少等によっても需要が顕在化し難くなる場合があります。したがって、これら個人顧客向けサービスの販売動向は、国内並びに地方における経済状況、景気動向、雇用環境等により大きく変動いたします。これらの諸要因が当社グループにとって有利に作用しない場合、財政状況及び業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)業績の季節的変動について

当社グループの業績(特に利益)は、第2四半期連結累計期間に偏重する傾向があります。これは、例年5月をピークとして4月から7月頃まで、白蟻の活動が活発化し、白蟻防除関連の受注件数が増加するためであります。当社グループでは、季節変動の比較的少ない他サービスの受注拡大に注力するなどして業績の平準化に努めておりますが、業績の季節性変動は今後も続くと見込んでおり、該当期間の販売動向が通期業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)気候変動・異常気象について

当社グループは、既存住宅の長寿命化を推進することによって、環境問題の解決に貢献するとともに、気候変動への対応に取り組んでおります。しかしながら、将来的に炭素価格の上昇、当社グループの環境対策への評判変化などにより、当社グループの収益にマイナス影響を及ぼす場合があります。また、白蟻防除施工の対象となる白蟻の活動は、気象状況の影響を受けるという特徴があります。加えて、当社グループの営業活動は訪問販売を主体としておりますので、屋外での活動を含みます。したがって、気候変動に伴う猛暑、大雪、暴風雨などの天候不順や異常気象により、白蟻の活動や営業活動などにマイナス影響を及ぼす場合があり、当社グループの財政状況及び業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)農協等との業務提携について

当社グループは、農協等との間で販売等に関する業務提携を行ない、当該提携先農協等の指定業者として営業活動を行なっております。提携先農協等の管轄エリア内において、これらの提携が期間満了、解除、その他の理由に基づき終了した場合や、当社グループに不利な契約内容の改定が行なわれた場合には、財政状況及び業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)法規制について

当社グループは、商取引、建築、薬品取扱、個人情報保護、金融取引、労務並びに内部統制上、各種法律の規制を受けております。また、当社グループは訪問販売による営業活動を行なっていることから、特定商取引に関する法律の規制を受けております。同法は主に、訪問販売等の特定の販売形態を公正にし、消費者が受けることのある損害の防止を図ることにより、消費者の利益を保護することを目的として制定された法律であります。当社グループは福島県、静岡県に総合研修センターを設置し、集合研修による社員教育並びに実際の業務を通しての職場内教育(OJT)を組み合わせ、高いレベルのコンプライアンス体制の構築に努めております。しかしながら、万が一、当社グループが各種法規制に抵触した場合、または改廃、新たな法令等の制定があった場合には、財政状況及び業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)情報の流出について

当社グループは営業上、技術上の機密情報や、事業活動においてお客様の個人情報やプライバシーに関する情報を保有しております。これらの情報の取り扱いについては、規程に基づく厳重な管理・運用、及びセキュリティ対策を行なっております。情報セキュリティ対策においては、情報セキュリティ基本方針を制定し、情報システム管理規定に基づき情報システム担当取締役のもと、部門を横断したインシデント対応体制を整備しております。また、社員への定期的なセキュリティ教育や、インシデントを想定した訓練等、情報セキュリティ対策の強化に努めております。しかしながら、万一、何らかの理由で外部に流出した場合、損害賠償責任を負う可能性がある上、当社グループの社会的信用を失うことにより、財政状況及び業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)業界イメージの低下について

当社グループは、訪問販売による営業活動を行なっております。法規制の強化により一部の業者による悪質な訪問販売は減少しておりますが、昨今でも法令違反による業務停止処分等が報道で取り上げられることがあります。当社グループでは従来より社員教育を充実させ、コンプライアンス体制の強化とサービス品質の向上に取り組むとともに、各種PR等により業界イメージの向上に努めておりますが、悪質リフォーム報道等による業界の信用低下があった場合、当社グループの業績等にも影響が及ぶ可能性があります。

 

(10)クレームについて

当社グループの事業は、営業形態や取扱商品の性質上、クレームの発生を避けては通ることができない業態であります。このため、全てのお客様から信頼される営業姿勢と法令を遵守した営業活動の徹底はもちろんのこと、提携先農協等との連携体制強化、お客様相談室を中心とした対応・再発予防体制の強化、消費生活センター等との関係強化、公益社団法人日本訪問販売協会からの情報収集により、クレームの減少と早期対応に努めております。しかしながら、重要なクレーム或いは訴訟等が発生した場合、財政状況及び業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)重大事故の発生について

当社グループは、業務上の事故を防止するため、各種業務における安全教育を徹底するとともに、車輛や機材、安全装備などの点検を定期的に実施しております。また、事故が発生した場合の金銭的な損失に備え、各種損害保険にも加入しております。しかしながら、重大な事故を発生させてしまった場合は、補償や対策費用の発生に加え、社会的信用が低下し、財政状況及び業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12)資材・燃料価格の高騰について

当社グループは、サービスの提供に必要な資材を外部から調達しております。また、営業活動及び施工において自動車を使用しております。そのため、当社グループは資材・燃料コストの低減に取り組んでおりますが、資材の仕入れ価格やガソリン価格が著しく上昇した場合、財政状況及び業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13)退職給付債務について

当社グループは、一定の受給資格を満たす従業員を対象として、外部積立による退職年金制度を設けております。退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される割引率や長期期待運用収益率に基づいて算定され、未認識数理計算上の差異は発生時の翌連結会計年度から1年で償却しております。今後、割引率及び実際の運用利回りが低下した場合には、想定以上の未認識数理計算上の損失が発生し、財政状況及び業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(14)減損会計について

将来、保有資産の時価の下落や将来キャッシュ・フローの状況により、減損会計の適用を受けた場合、財政状況及び業績等に影響を及ぼす可能性があります。

配当政策

3 【配当政策】

当社グループは、株主に対する利益還元を最優先に考えております。剰余金の配当につきましては、安定的な配当の維持を基本として、企業体質の強化及び内部留保の充実等を総合的に勘案のうえ決定しております。

また、当社グループは、中間配当と期末配当の年2回の配当を行なうことを基本方針としております。

なお、当社は、取締役会の決議により、毎年9月30日を基準日として中間配当を行なうことが出来る旨を定款に定めております。従って、剰余金の配当の決定機関は、期末配当については株主総会、中間配当については取締役会であります。

 

(注)  基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は、次のとおりであります。

決議年月日

配当金の総額(百万円)

1株当たり配当額(円)

2023年11月7日

取締役会決議

341

31

2024年6月21日

定時株主総会決議

341

31