2024年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    1,001名(単体) 2,059名(連結)
  • 平均年齢
    44.6歳(単体)
  • 平均勤続年数
    21.1年(単体)
  • 平均年収
    6,754,000円(単体)

従業員の状況

 

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

  2024年3月31日現在

事業部門の名称

従業員数(人)

ダイヤモンド工具事業部門

2,059

〔407〕

 

(注) 1  従業員数は、当社グループから当社グループ外への出向者を除き、当社グループ外から当社グループへの出向者を含む就業人員数であります。

2  従業員数欄の〔外書〕は、当連結会計年度における臨時従業員数であり、パートタイマー及び派遣社員を含みます。なお、パートタイマーは平均雇用人員(1日7.5時間換算)であり、派遣社員は当連結会計年度末人員であります。

 

(2) 提出会社の状況

  2024年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

1,001

〔403〕

44.55

21.09

6,754

 

(注) 1  従業員数は、当社から他社への出向者を除き、他社から当社への出向者を含む就業人員数であります。

2  従業員数欄の〔外書〕は、当事業年度における臨時従業員数であり、パートタイマー及び派遣社員を含みます。なお、パートタイマーは平均雇用人員(1日7.5時間換算)であり、派遣社員は当事業年度末人員であります。

3  平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

4  当社の従業員は、すべてダイヤモンド工具事業に従事しております。

 

(3) 労働組合の状況

当社及び山梨旭ダイヤモンド工業株式会社の労働組合(組合員数518名)は、産業別労働組合JAMに加盟しております。

なお、労使関係について特に記載すべき事項はありません。

 

(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

①提出会社

当事業年度

管理職に占める

女性労働者の割合(%)

(注1)

男性労働者の

育児休業取得率(%)

(注2)

労働者の男女の賃金の差異(%)(注1)

全労働者

正規雇用

労働者

パート・

有期労働者

1.4

59.3

72.9

76.5

71.8

 

(注) 1  「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2  「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(1991年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

 

②連結子会社

該当事項はありません。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次の通りであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

サステナビリティ課題全般に関するガバナンス・リスク管理体制>

当社グループでは、サステナビリティ基本方針として、『当社グループは、経営理念「モノづくりをもっと面白く」をすべての事業活動の根幹として、人を育て、技術を磨き、社会の「できないをできる」に変え続ける企業として、これからも社会と共に歩み続けます。』を掲げ、役員や従業員の一人ひとりが経営理念を実践し、事業を通じて社会へ貢献し、ステークホルダーの皆様とともに持続可能な成長を実現していくため、サステナビリティポリシーを10の側面で守るべき基本的事項として定めております。基本的事項とは、「人権」、「社会」、「労働環境」、「地球環境」、「顧客・取引先」、「製品・サービス」、「公正取引・国際取引」、「情報開示」、「資産の保全・管理」、「役員・従業員の義務」です。詳細なサステナビリティポリシーについては、当社ホームページをご確認ください。

上記のサステナビリティ基本方針及びサステナビリティポリシーに則り、サステナビリティ課題のリスクと機会に対応するための適切なガバナンス体制を構築しております。取締役会は経営上のサステナビリティ課題のリスクと機会を含む重要事項の決定と、業務執行の監督について責任を負う機関です。取締役会の詳細は、「第4 提出会社の状況 4コーポレート・ガバナンスの状況等」の「(1) コーポレート・ガバナンスの概要」及び「(2) 役員の状況」をご確認ください。取締役会の下に、代表取締役社長を委員長、社外取締役、各本部長を委員とするサステナビリティ委員会を設置しております。年2回以上、サステナビリティ経営の方針、戦略、体制等について審議・決定の上、関連委員会と連携しながら、各事業本部やグループ会社へ指示を行います。サステナビリティ委員会での審議内容は取締役会へ付議・報告され、適切に監督してまいります。

■サステナビリティ課題全般に関するガバナンス体制図


 

<気候変動に関する取組>

サステナビリティポリシーの10の基本的事項の1つに「地球環境」を掲げており、気候変動への対応を重要なサステナビリティ課題の1つとして位置付けております。また、社内の関係部署や経営陣を巻き込みながら、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に沿ったディスカッション及び分析を行い、「ガバナンス」、「戦略」、「リスク管理」、「指標及び目標」の4項目に沿って以下の通り情報を整理しました。

 

(1) ガバナンス

①  気候関連のリスクと機会に関する取締役会の監督

気候関連のリスクと機会は、<サステナビリティ課題全般に関するガバナンス・リスク管理体制>に記載の通り、取締役会によって適切に監督されております。

②  気候関連のリスクと機会の評価とマネジメントにおける経営陣の役割

<サステナビリティ課題全般に関するガバナンス・リスク管理体制>に記載の通り、サステナビリティ委員会が、気候変動を含むサステナビリティ経営の方針、戦略、体制等について審議・決定の上、各事業本部やグループ会社へ指示を行っております。また、シナリオ分析で特定したリスクと機会の管理や、GHG排出量削減のPDCA管理を各委員会と連携して行ってまいります。

 

 

(2) 戦略

①  組織が特定した、短期・中期・長期の気候関連のリスクと機会

気候変動に関する政府間パネル(Intergovernmental Panel on Climate Change、以下“IPCC”)の最新の第6次評価報告書によりますと、地球温暖化が人間活動の影響で発生していることは「疑う余地がない」と評価されており、世界の平均気温は工業化以前(1850年頃)比較して既に約1.1℃上昇していると分析されています。今後、どのように気候変動が進んでいくか不確実な中、当社グループの財務に影響を及ぼす重要な気候関連のリスクと機会を特定するべく、TCFD提言で推奨されているシナリオ分析を実施しました。具体的なプロセス、前提条件、採用した2つのシナリオの概要については以下の通りです。

■シナリオ分析のプロセス

1.前提条件の設定

対象事業部門(当社及び国内連結子会社2社)、時間軸、影響度、

採用シナリオを選定

2.リスクと機会の重要度評価及び特定

採用シナリオの参考文献から、今後想定される気候関連リスクと機会を幅広く洗い出した上で、当社にとって重要なリスクと機会を集約・特定

3.インパクト評価

重要と特定された気候関連リスクと機会につき、定量分析が可能な項目については2030年時点(一部2050年時点)における財務的影響を算定

4.戦略・対応策の検討

財務的影響の算定結果を踏まえ、リスクと機会に対する対応策や戦略を策定

 

シナリオ分析の前提条件

対象事業部門

時間軸

財務影響

当社及び国内連結子会社2社

短期:~単年度

中期:~2030年度

長期:~2050年度

営業利益(単年度)への影響を基準として、

大:1億円以上

中:10百万円以上1億円未満

小:10百万円未満

 

採用シナリオの概要

採用シナリオ

想定事象・主なパラメータ

主な参考文献

1.5℃シナリオ

・気候変動政策を導入し、持続可能な発展が進むシナリオ。パリ協定と整合し、2050年頃にカーボンニュートラルを実現。2100年時点の気温上昇は1.5℃以下に抑えられる。

・世界各国でカーボンプライシングの導入が進み、世界的に炭素税が上昇。2030年時点で140USD/t-CO2を想定。

・化石燃料の需要が低下し価格が下落。電力については、再エネ比率が2050年時点で80%まで上昇見込。

IEA World Energy Outlook 2023

(NZE2050)

IPCC 第6次評価報告書(SSP1-1.9)

 

4℃シナリオ

・気候変動政策を導入せず、自然災害が激甚化するシナリオ。2100年時点の気温上昇は4.4℃を想定。

・世界各国でカーボンプライシングの導入は進まず現状程度で推移。

・化石燃料の需要は増え続け価格も上昇。電力についても、化石燃料が主で再エネ比率は2050年時点65%に留まる(STEPS)。

・GHG排出量削減の遅れにより、温暖化が進行し、急性的な異常気象(サイクロン・洪水等)が増加。慢性的な影響により、2100年時点で最大1.1mの海面上昇リスクもあり。

IEA World Energy Outlook 2023

(Pre-Paris/STEPS)

IPCC 第6次評価報告書(SSP5-8.5)

 

・1850~1900年を基準とした世界平均気温の変化


(出所)IPCC 第6次評価報告書 第一作業部会(WG1) 政策決定者向け要約(SPM)

 

②  気候関連のリスクと機会が組織の事業、戦略、財務計画に及ぼす影響

シナリオ分析で特定した気候関連のリスクと機会、及び財務影響、対応策・戦略は以下の通りです。

リスク

・機会

細区分

要因・

ドライバー

当社財務への

影響概要

時間軸

1.5℃
シナリオ
財務影響

4℃
シナリオ
財務影響

対応策・戦略

2030年

2030年

移行リスク

政策

・法規制

炭素税・カーボンプライシング導入

炭素税導入または排出権取引に伴い、製造コストが増加する恐れがある

中―長期

■当社工具の長寿命化、工具のリサイクル普及によるライフサイクルCO2排出量の低減

■電力・エネルギー使用の合理化によるCO2排出量の削減

■製造工程の改善によるCO2排出量の削減

■工場における太陽光発電の活用(三重、千葉、山梨の3工場で太陽光発電を導入済。随時追加導入を検討)

■気候変動対応に関する全社的な教育、社内浸透の推進

脱炭素政策推進に向けたエネルギー・電力規制強化

脱炭素化政策推進により、化石燃料由来のエネルギー(電力)や原材料の調達コストが増加する恐れがある

中―長期

GHG排出量等、環境データの報告義務強化

報告・開示義務の厳格化やサプライチェーン企業の要請により、情報開示・レポーティングに係る事業コストが増加する恐れがある

中期

■ITを活用した社内データの収集及び管理の効率化

技術

低炭素技術への移行のための先行コスト

製造工程の脱炭素化に係る設備投資コストが増加する恐れがある

中期

■製品開発の段階から、脱炭素化に配慮した製品・工程設計

■投資対効果を見極めた上で適時適切な設備投資の実施

市場

顧客行動の変化

ガソリン車関連市場の縮小に伴い、当社関連製品・サービスの需要低下及び売上減少の恐れがある

短―中期

■個別プロジェクト立ち上げによる動向調査やPDCA管理

■内燃機関向けから電動化向けに開発・設計リソース投入

■電動化で市場拡大が見込まれる業界への販売拡販

原材料コストの高騰

電動化や再エネ等の脱炭素製品の需要増に伴う資源価格の高騰により、当社製品に使用されるアルミ、銅、レアメタル等の非鉄金属の調達コストが増加する恐れがある

中―長期

■調達コストに応じた適時適切な製品価格の見直し・転嫁

■代替仕入先や代替材料の検討推進

評判

ステークホルダー(特に投資家)の影響低下

社の気候変動対策が不十分と見做され、投資家・金融機関による評価低下や株価下落に繋がる恐れがある

中期

小―中

■気候変動対策を適宜適切に実施するとともに、実施内容の適切な開示

■環境マネジメントシステムに基づく法令遵守の徹底

 

 

リスク

・機会

細区分

要因・

ドライバー

当社財務への

影響概要

時間軸

1.5℃
シナリオ
財務影響

4℃
シナリオ
財務影響

対応策・戦略

2030年

2030年

物理的リスク

急性リスク

台風、洪水などの異常気象の激甚化

異常気象により、社資産(固定資産及び在庫等)の毀損・特別損失の計上に繋がる恐れがある(=直接損害)

長期


(2050年
は中)

■BCM体制の継続的な強化

■老朽建物及び設備の更新、補強

■2社購買の普及

■従業員教育の徹底

■火災保険内容の適時適切な見直し及び補償拡充

異常気象により、社の工場稼働の停止・売上の減少に繋がる恐れがある(=間接損害)

長期


(2050年は中)

サプライヤーの被災による原材料の供給停止が、工場の稼働・出荷に影響し、売上減少する恐れがある

長期

慢性リスク

平均気温の上昇

気温上昇により、空調コストが増加する恐れがある

中―長期

小―中

■工場における省人化・自動化推進(自動測定・自動包装)

■健康経営の推進、工場内温熱環境の改善

■安全衛生の観点から、勤務時間帯・勤務形態の柔軟な運用

製造拠点、営業拠点ともに空調管理された環境ではあるが、さらなる気温上昇により、従業員の労働環境・生産性の悪化で操業コスト増に繋がる恐れがある

長期

機会

資源効率

効率的な生産及び流通プロセスの使用

省力化設備等の導入で工程が削減され、製造コスト低下が見込まれる

中期

中―大

■設備投資時の戦略的な省力化設備の導入

■プロセスイノベーションの推進

製品及びサ|ビス

緩和に向けた商品及びサービスの開発・拡張

ダイヤモンド工具は、その他の工具と比べて、長寿命かつ高能率であることから、製造現場での環境負荷削減に繋がるため売上増加が見込まれる。中でも、電着ダイヤモンドワイヤ「エコメップ」は特に環境負荷削減に寄与し、売上増加が見込まれる

中期

■長寿命製品の更なる品質強化、開発、販売拡大

■更なる加工時間短縮、加工能率アップを可能とする工具の開発

■当社製品の省エネ性能や環境負荷削減効果の見える化・検証及びマーケティングでの活用

半導体、電子部品市場拡大による関連製品の売上・収益性増加が見込まれる

短―中期

■電子・半導体業界向け工具の研究開発強化、生産設備増強及び販売強化(パワー半導体等向け主要5製品など)

 

 

リスク

・機会

細区分

要因・

ドライバー

当社財務への

影響概要

時間軸

1.5℃
シナリオ
財務影響

4℃
シナリオ
財務影響

対応策・戦略

2030年

2030年

機会

製品及びサ|ビス

緩和に向けた商品及びサービスの開発・拡張

自動車市場における電動化の進展や蓄電池市場の拡大による関連製品の売上・収益性増加が見込まれる

短―中期

■電動化、蓄電池市場向け工具の研究開発強化、生産設備増強及び販売強化(ベアリング関連製品、磁性材料用製品など)

レジリエンス

適応に向けた商品及びサービスの開発・拡張

防災・国土強靭化に関連する製品・サービスの需要増、売上増加する恐れがある

長期

■建設業界向け工具の研究開発強化、生産設備増強及び販売強化(石材建設用製品、老朽化した建造物の解体用製品など)

 

③  複数シナリオを考慮した、組織戦略のレジリエンス

シナリオ分析結果を要約しますと、1.5℃シナリオにおいては、炭素税や非鉄金属価格の高騰リスクによる財務影響が大きいと想定されるものの、GHG排出量の削減や適時適切な販売価格への反映で影響を抑えてまいります。機会として、当社の主力製品であるダイヤモンド工具は長寿命、高能率という特徴を持ち、気候変動の緩和に向けたソリューションとして販売拡大が想定されます。特に、電子・半導体市場向けの工具需要が伸長すると考えており、研究開発強化、生産設備増強及び販売強化により機会の取り込みを図ってまいります。

4℃シナリオにおいて、2030年時点では急性リスクは顕在化せず当社財務に与える影響は小さいものの、2050年までの時間軸においては河川沿いの工場や営業拠点においてリスクが高まる可能性があるため、BCP体制の継続的な強化等の対策を講じて財務影響の極小化を図りつつ、国土強靭化に向けた建設業界向け工具需要の取り込みを図ってまいります。

いずれのシナリオにおいてもレジリエント(強靭)に当社グループが企業価値を向上していけるよう、今後も継続的にシナリオ分析を実施の上、対応策・戦略の実践を進めてまいります。

 

(3) リスク管理

①  気候関連リスクを特定し、評価するための組織のプロセス

従前より、ISO14001を取得し環境マネジメントシステムを構築しております。同マネジメントシステムの中で、現在時点の気候関連リスクを含む環境リスクについて、各工場において特定、評価し、適切な対応を行ってまいりました。各工場が特定・評価したリスクについては、環境システム検討会議にて報告が行われ、一元管理されております。

今回新たに、管理本部総務部を中心とした社内プロジェクトにおいて、将来発生しうる中長期的な気候変動関連リスクと機会の特定・評価を実施いたしました。サプライチェーンへの影響、発生可能性、発生の時間軸及び財務影響などを考慮しながら、「(2) 戦略」で記載の通り7個の移行リスク、5個の物理的リスクと5個の機会を特定・評価しております。

②  気候関連リスクをマネジメントするための組織のプロセス

特定・評価した気候変動関連リスクにつきましては、環境システム検討会議で適切にマネジメントされております。マネジメント結果はサステナビリティ委員会経由で取締役会にも報告され、監督・指示を受けております。

③  気候関連リスクと組織の全体的なリスクマネジメントとの統合

当社グループはリスクマネジメント体制の強化を進めており、気候変動関連に伴うリスク管理についても、全社リスクマネジメント体制への統合を検討しております。

 

 

(4) 指標及び目標

①  気候関連のリスクと機会の評価に使用する指標(Scope1とScope2のGHG 排出量実績)

当社グループは気候関連のリスクと機会の評価指標としてScope1とScope2のGHG排出量を使用しております。従前より法令に基づく排出量算定は行っておりましたが、この度GHGプロトコルに則り排出量を再算定しております。当事業年度の実績は下表の通り、Scope1とScope2合計で13,409t-CO2となります。

■GHG排出量実績

カテゴリー

基準年(2018年度)

当事業年度(2023年度)

Scope1(基準年比)

 2,296t-CO2

 1,286t-CO2(△44.0%)

Scope2(基準年比)

14,423t-CO2

12,124t-CO2(△15.9%)

合計(基準年比)

16,720t-CO2

13,409t-CO2(△19.8%)

 

・算定範囲は当社及び国内連結子会社2社

・Scope2はマーケット基準の値

・排出量の数値は、算定範囲や算定に使用する排出係数等により、後に変更となる可能性があります

②  気候関連のリスクと機会をマネジメントするための目標

排出量実績の再算定に伴い、当社グループの削減目標を2030年△38.0%(2018年度対比)、2050年カーボンニュートラルの実現へ更新いたしました。本目標水準は日本政府が定めたGHG排出量の削減目標(NDC)である2030年△46.0%(2013年度対比)、2050年カーボンニュートラルと引き続き整合しております。

当事業年度時点の削減実績は△19.8%(2018年度対比)です。各工場における省エネ活動の徹底や、三重、千葉、山梨の3工場における太陽光発電の導入によりGHG排出量は年々減少傾向にあり、NDC水準を上回る削減を達成しております。今後とも省エネの取り組みや再エネの導入を進め、目標達成を目指してまいります。

■GHG排出量の削減目標及び削減ロードマップ

指標

2030年度目標

2050年度目標

GHG排出量(Scope1+2)

△38.0%(基準年2018年対比)

カーボンニュートラルの実現

 


 

<人的資本に関する取組>

当社では、2023年4月に人事制度を改定するとともに、以下の人材育成方針及び社内環境整備方針を掲げ、中長期的な人材育成に取り組んでおります。「ガバナンス」、「戦略」、「リスク管理」、「指標及び目標」の4項目に沿って以下の通り情報を整理いたしました。

 

(1) ガバナンス

人的資本に関するガバナンスは、<サステナビリティ課題全般に関するガバナンス・リスク管理体制>に記載の通りであります。

 

(2) 戦略

人材育成方針及び社内環境整備方針

人材育成の基本は、職場での多様な業務経験を通じて成功・失敗体験を積み重ね、やりがいや成長を実感することで、自律的な成長のサイクルに結びつけることであると考えております。そのためには、上司が部下の特性を把握し、個々の強みを活かせる業務を割り当て、『挑戦する場』を提供することが重要であると考えており、当社では、上司と部下が信頼関係を築き、良好な意思疎通を図ることを重視しております。また、職場環境については、安全と健康の確保、快適な労働環境の整備に努めております。

①  人事制度体系

当社の人事制度は、等級と役職を連動させ、勤続年数にとらわれずに職責に見合った処遇の実現を目指しております。また、個々のモチベーションを高めて成長を促進させるため、上司と部下が日頃から率直な意見交換を行うとともに、半期毎の面談で成果・行動の振り返りと今後の課題設定を行うことを重視しております。

②  自己申告制度

当社では、半期毎の評価実施時に自己申告制度で個々のキャリアの希望を申告し、上司との面談を通じて今後の方向性を共有します。会社が目指す方向性と個々のキャリアの方向性を一致させることで、よりチャレンジングな業務の機会を提供し、個々の成長を促進します。また、自己申告の情報を配置転換に活用し、全社的な適材適所の実現を目指してまいります。

③  教育研修体系

当社では、キャリアの節目毎に行う階層別教育に加え、必要となる知識・スキルを集中的に学ぶ教育研修を行っております。近年では半導体向けの顧客に幅広く対応できる人材を育成するため、選抜メンバーに1年間の研修を行い、グローバルに活躍できる人材を送り出しております。また、技術系の新入社員については、当社の基礎技術を習得するため1年間の研修実施後に配属しております。

 

(3) リスク管理

人的資本に関するリスク管理は、<サステナビリティ課題全般に関するガバナンス・リスク管理体制>に記載の通りであります。

 

 

(4) 指標及び目標

この人材育成方針及び社内環境整備方針に基づき、多様な人材を確保し、新人事制度や自己申告制度、教育研修の運用を通じて、働きがいのある職場づくりに努めます。その成果を確認するための当社の指標及び目標を以下に掲げます。

指標

目標

実績

前事業年度

当事業年度

離職率

2026年3月までに 3.0%以下

 3.5%

 1.2%

男性労働者の育児休業取得率

2026年3月までに60.0%以上

50.0%

59.3%

労働者の男女の賃金の差異

2026年3月までに80.0%以上

78.5%

76.5%

採用者に占める女性比率

25.0%以上

27.8%

35.6%

有給休暇取得率

60.0%以上

63.6%

66.6%

管理職に占める女性労働者の割合

 1.0%

 1.4%

 

(注) 1  当社グループにおける記載が困難であるため、指標及び目標の数値は、提出会社のものを記載しております。

2  労働者の男女の賃金の差異については、採用活動を強化した結果、若年層の女性の割合が増加したため、前事業年度と比べ男女の賃金格差が広がっております。