事業内容
セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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売上
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利益
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利益率
最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています
セグメント名 | 売上 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
---|---|---|---|---|---|
(単一セグメント) | 40,822 | 100.0 | 1,685 | 100.0 | 4.1 |
事業内容
3【事業の内容】
当社グループは、当社及び関係会社13社により構成され、主にプラスチック金型やプレス金型の部品の製造・販売事業を行っております。
(1)当社グループの製品内容
① 金型について
金型とは、プラスチック、金属などを使用した製品を製造するための金属の型のことであり、電気製品や自動車など幅広い分野で使用されております。
② プラスチック金型とプレス金型について
イ.プラスチック金型
携帯電話やデジタルカメラの外装など、多くのプラスチック製品の製造に用いられる金型であり、加熱溶融したプラスチック樹脂を、射出成型機に実装された金型に注入し、冷却、固化することにより製品が作られております。
(注)当社Webサイトより転記
ロ.プレス金型
プレス機(上下運動する機械)に金型を装着し、上下に分かれた金型の間に材料(金属の鋼板)を入れ、プレス機を稼働することにより、金型で型どられた製品ができ上がります。
(注)当社Webサイトより転記
③ 当社グループの製品について
イ.プラスチック金型部品
a. 主な標準製品は、以下のとおりであります。
b. 主な標準製品の用途
・スプルーブシュ
スプルーブシュは、射出成型機の射出ノズルから溶融したプラスチックを金型へ流し込むための部品です。
・ゲートブシュ
スプルーブシュから金型内の製品部にプラスチックを流す部分であり、成型後、金型を開く時にこの部分から製品部を切り離す部品です。
・エジェクタピン
成型品を金型から離し、突き出すための部品です。
ロ.プレス金型部品
a. 主な標準製品は、以下のとおりであります。
b. 主な標準製品の用途
・ダイセットガイド
ダイセットガイドは、上型と下型の関係を正しく保つために使用される部品です。
・パンチ
パンチは材料に押しつけて使われる工具で、通常はダイと対で使われ、材料に形状を転写します。
・ストリッパガイド
パンチ・ダイの関係をダイセットのガイドを用いて位置合わせをして、適正なクリアランスを保つために使用される部品です。
(2)当社グループの事業内容
金型部品事業の単一セグメントであるため、国内事業及び海外事業別に記載しております。
① 当社及びグループ各社の機能と役割
|
会社名 |
略称 |
機能と役割 |
国内事業 |
パンチ工業株式会社(当社) |
― |
グループ統括機能。 国内3工場、中国グループ各社、マレーシアパンチ、ベトナム工場で製造した製品と、協力工場で製造した製品等を、主として国内へ販売。 |
株式会社ASCe |
アスク |
主としてFA機器を設計、製造し、アスク独自の開発機器を国内外へ販売。 |
|
海外事業 |
盤起工業(大連)有限公司 |
大連パンチ |
中国グループ統括機能。 傘下4社からの仕入れも含め、製造した製品、半製品、及び協力工場にて製造した製品等を、主として中国、欧州、米州及び当社グループに販売。 |
盤起工業(瓦房店)有限公司 |
瓦房店パンチ |
主として大連パンチ及び当社グループ向けの製品等を製造、販売。 |
|
盤起工業(無錫)有限公司 |
無錫パンチ |
主として大連パンチ向けの製品等を製造、販売。 |
|
盤起工業(東莞)有限公司 |
東莞パンチ |
主として大連パンチ向けの製品等を製造、販売。 |
|
盤起弾簧(大連)有限公司 |
盤起スプリング |
主として大連パンチ及び当社向けの製品等を製造、販売。 |
|
PUNCH INDUSTRY INDIA PVT. LTD. |
インドパンチ |
主として大連パンチ製品等をインド国内へ販売。 |
|
PUNCH INDUSTRY MALAYSIA SDN. BHD. |
マレーシアパンチ |
東南アジアグループ統括機能。 自社及び中国グループ等で製造した製品と協力工場で製造した製品を、主として当社、欧州、東南アジアへ販売。 |
|
PUNCH INDUSTRY SINGAPORE PTE. LTD. |
シンガポールパンチ |
当社及び中国グループ等で製造した製品と協力工場で製造した製品を主としてシンガポール国内へ販売。 |
|
PUNCH INDUSTRY VIETNAM CO. LTD. |
ベトナムパンチ |
当社及び中国グループ等で製造した製品と協力工場で製造した製品を主としてベトナム国内へ販売。 |
|
PT. PUNCH INDUSTRY INDONESIA |
インドネシアパンチ |
当社及び中国グループ等で製造した製品と協力工場で製造した製品を主としてインドネシア国内へ販売。 |
|
PUNCH INDUSTRY MANUFACTURING VIETNAM CO. LTD. |
ベトナム工場 |
主として当社向けの製品等を製造、販売。 |
|
PUNCH INDUSTRY USA INC. |
USAパンチ |
主として大連パンチ製品等を米国内へ販売。 |
(注)1.国内事業とは、当社及びアスクの事業を、海外事業とは、大連パンチ以下12社の事業を意味しております。
2.中国グループとは、大連パンチ及び傘下4社(瓦房店パンチ、無錫パンチ、東莞パンチ、盤起スプリング)の総称であります。
3.東南アジアグループとは、マレーシアパンチ及び傘下3社(シンガポールパンチ、ベトナムパンチ、インドネシアパンチ)の総称であります。
4.連結子会社であった株式会社ピンテックは、2024年11月21日付で清算結了したため、連結範囲から除外し
ております。
② 国内事業及び海外事業
イ.国内事業
a. 当社での製造
当社の強みである熱処理技術や研削加工技術を活かした社内生産と、長年にわたる事業経営とともに築き上げた約300社の協力工場に支えられた社外生産を両輪とする製造活動を主として行っております。また、多岐にわたる生産設備を保有し、標準製品についてはもとより、多様な特注品への対応も可能であり、上記の固有技術と併せ、当社の特徴となっております。
(注)1.熱処理とは、加熱・冷却により金属の性質を変化させる処理です。
2.研削加工とは、高速回転する砥石によって金属の表面を平滑にする加工です。
3.標準製品とは、当社カタログに掲載している規格品のことです。
4.特注品とは、カタログ規格から外れるサイズ、形状、又は全く特殊な形状のものです。
b. 当社での販売
全国に10ヵ所の販売拠点を配置し、顧客密着型の受注活動を基本に製造直販を行っております。標準製品についてはインターネットの普及に合わせ、Web受注体制を強化するとともに、3次元CAD(コンピューター支援設計)対応も積極的に取り入れ顧客の利便性向上に努めております。一方、特注品については顧客のニーズにきめ細かく対応しており、特注品への対応により標準製品の受注増にも繋がることも当社の特徴となっております。
なお、当社は約6千社の顧客と取引をしており、その業界は自動車、家電をはじめ多方面にわたっております。従って、特定の顧客に過度に依存することもなく、安定的な受注を見込めることも当社の特徴であります。このような幅の広い顧客に対応するため、物流センター(東京ロジスティクスセンター)を設け、受注から納品まで一貫した物流システムを構築しております。
以上のとおり、充実した生産設備を備えた製造部門と、顧客密着型の販売部門が一体となった製販一体型の事業を行っており、多品種にわたる標準製品から顧客仕様の特注品まで幅広く対応できることが、当社の大きな強みとなっております。
c. アスクでの事業
同社は当社の中期経営計画での取組みの一環として掲げる「FA領域の“特注品”の販売拡大」実現のために、戦略的に当社グループに取り込んだ会社であり、製造は北海道の同社工場で行っております。食品加工・自動車部品・電子デバイス・医療関連等のFA機器の自社開発に強みを持ち、当社と双方の販路の有効活用や技術交流等によるシナジー効果が発揮されるとともに、同社独自の特許を保有する技術等を活かしたFA機器を製造し外販しております。
ロ.海外事業
基本的なビジネスモデルは国内事業と同じであり、主として中国、東南アジア、インド、米国を中心に事業を行っております。
中国では中国内6工場での製造活動と、同じく中国内34ヵ所に販売拠点を展開し、約8千社の顧客と取引をしております。1990年に中国大連に進出以来、当社の技術を武器に積極的に事業展開を図りつつ、日本人責任者の指揮のもと、中国人スタッフを中心としたマネジメント体制を基本として安定的な事業運営を進めております。
東南アジアではマレーシアパンチ及び同社の販売子会社3社を拠点として、当社及び大連パンチの製品を中心に事業展開し、インド及び米国では現地法人が大連パンチの製品を中心に、輸入販売を行っております。また、ベトナム工場は、主として日本向けに、カタログ品の一部の製造販売を行っております。
さらに、欧州、他地域については、日本、中国、東南アジアの各拠点が連携して事業展開しております。
以上を、事業系統図で示しますと、次のとおりであります。
[事業系統図]
業績
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
(経営成績の状況)
原材料・資源価格の高騰や部品不足等、協力工場からの仕入品の更なる価格上昇やエネルギーコストの高止まり等が継続し、日本においては前期を下回る実績となった一方、中国においては自動車関連の不振や景況悪化等による低迷からの回復の兆しがみられたほか、東南アジア地域、欧米他地域では積極的な展示会出展や代理店との関係強化により、前期実績を上回りました。なお、当社及びアスク、ピンテック、インドパンチを除くグループ各社の決算期は12月となっており、2024年1月から12月の業績が当連結会計年度の業績となります。また、ピンテックにつきましては、2024年11月に清算を結了しております。
この結果、国内売上高は11,613百万円(前期比6.6%減)、中国売上高は23,383百万円(前期比14.4%増)、東南アジア地域の売上高は1,951百万円(前期比2.6%増)、欧米他地域の売上高は3,873百万円(前期比8.8%増)となり、連結売上高は40,822百万円(前期比6.5%増)となりました。
また、業種別では、自動車関連は17,194百万円(前期比4.0%増)、電子部品・半導体関連は6,990百万円(前期比0.9%増)、家電・精密機器関連は3,836百万円(前期比5.2%増)、その他は12,800百万円(前期比14.0%増)となりました。
利益面につきましては、中国での売上増加や2023年9月に実施した経営合理化による効果等により、営業利益は1,685百万円(前期比35.9%増)、経常利益は1,613百万円(前期比13.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は868百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失577百万円)となりました。
なお、資本効率につきましては、投下資本利益率(ROIC)が6.0%(前期4.5%)となり、前期からは改善したものの目標(10%以上)には届きませんでした。
(財政状態の状況)
a. 資産の部
当連結会計年度末における総資産は32,970百万円となり、前連結会計年度末と比較し3,320百万円の増加となりました。これは、主として投資有価証券の増加、売掛金の増加等によるものであります。
b. 負債の部
総負債は10,931百万円となり、前連結会計年度末と比較し32百万円の増加となりました。これは、主として支払手形及び買掛金の増加等によるものであります。
c. 純資産の部
純資産は22,038百万円となり、前連結会計年度末と比較し3,287百万円の増加となりました。これは、主として親会社株主に帰属する当期純利益の計上に伴う利益剰余金の増加、新株の発行に伴う資本金及び資本剰余金の増加、為替換算調整勘定の増加等によるものであります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ446百万円増加し、6,450百万円となりました。
a. 営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは2,271百万円の収入(前期は1,276百万円の収入)となりました。
これは、税金等調整前当期純利益1,491百万円、減損損失107百万円及び減価償却費1,177百万円の非資金項目の他、法人税の支払額509百万円、仕入債務の減少額247百万円によるものであります。
b. 投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは2,415百万円の支出(前期は680百万円の支出)となりました。
これは、投資有価証券の取得による支出1,268百万円の他、有形固定資産の取得による支出1,019百万円等によるものであります。
c. 財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは181百万円の収入(前期は2百万円の支出)となりました。
これは、新株の発行による収入1,269百万円、短期借入金の純増による増加額900百万円、長期借入金の返済による支出1,355百万円、配当金の支払額470百万円等によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度の生産実績を事業ごとに示すと、次のとおりであります。
事業の名称 |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
前年同期比(%) |
||
|
4,407 |
92.1 |
||
|
13,992 |
112.8 |
||
|
18,399 |
107.1 |
(注)1.当社グループは、金型部品事業の単一セグメントであるため、「第1 企業の概況 3.事業の内容(2)当社グループの事業内容」に記載の国内事業及び海外事業の別に記載しております。
2.金額の表示は製造原価によっており、事業区分間の取引については相殺消去しております。
b. 受注実績
当社では標準製品の場合、受注から製造、出荷までを1日から数日で完了いたします。また、特注品でも、おおむね2週間以内の出荷となっております。したがって、受注残高は軽微であり受注実績の記載を省略しております。
c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績を事業ごとに示すと、次のとおりであります。
事業の名称 |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
前年同期比(%) |
||
|
11,738 |
92.4 |
||
|
29,083 |
113.4 |
||
|
40,822 |
106.5 |
(注)1.当社グループは、金型部品事業の単一セグメントであるため、「第1 企業の概況 3.事業の内容(2)当社グループの事業内容」に記載の国内事業及び海外事業の別に記載しております。
2.事業区分間の取引については相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債や収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者はこれらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
なお、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
②当連結会計年度の財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(当社グループの当連結会計年度の経営成績等及び経営成績に重要な影響を与える要因)
当連結会計年度においては、2023年7月から2025年3月を計画期間とする中期経営計画「VC2024 Revival」に取組んでまいりました。「VC2024 Revival」では、付加価値の高い特注品ビジネスにより特化するとともに、FA領域の“特注品”の販売拡大によって、持続的な利益成長を目指すことを方針としています。最重点施策に「国内事業の再整備」並びに「海外事業での成長」を掲げ、国内事業においては2023年9月に希望退職者の募集・連結子会社の解散を含めた経営合理化を行い、事業体制の再整備を行う一方、海外事業においては中国での総合機械部品企業への進化への取組み、インド市場への再注力、販売拠点及び販売代理店の新設検討などの成長戦略に継続して取組んでまいりました。
また、「VC2024 Revival」の方針をより強力に推し進めるべく、2024年10月には、株式会社ミスミグループ本社(以下、ミスミグループ)との資本業務提携契約を締結しました。両社は、当社グループの保有する高度な精密加工技術と顧客ニーズへのきめ細かい対応力、ミスミグループの持つ先進的なデジタル技術とグローバル確実短納期の供給力といった強みを最大限活かすべく、共同で取組みを進めています。この提携を通じて、自動化装置やその周辺部品、金型部品に限らず、標準品から特注品までの幅広い金属加工分野全般において、それぞれの得意分野の商品の相互供給や物流インフラの有効活用等を通じて相互に補完・強化しながら、ともに成長・発展することを目指しています。
「VC2024 Revival」における2025年3月期の経営数値目標としては、売上高38,500百万円、営業利益2,150百万円、親会社株主に帰属する当期純利益1,200百万円を掲げておりました。
これに対して経営成績は、売上高40,822百万円、営業利益1,685百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は868百万円となり、目標に対して増収減益という結果となりました。
財政状態につきましては、前連結会計年度末に対して、投資有価証券の取得等により総資産が増加した一方で、利益剰余金の増加や新株の発行等により自己資本が増加し、自己資本比率が66.7%(前連結会計年度末は63.1%)まで増加するなど、財務基盤の健全性維持が図られた結果となりました。
(経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等)
当社グループとしましては、事業の収益性評価基準として「売上高営業利益率」を、総合的な経営効率の評価基準として「自己資本利益率(ROE)」及び「投下資本利益率(ROIC)」を重要な経営指標と定め、その向上に努めることを目標としております。
特にROICについては、「ROIC経営」の実践を通じて、稼ぐ力の強化によりROICの向上を図るとともに、「加重平均資本コスト(WACC)」の低減により、両数値の差であるEVAスプレッドを拡大することを目指します。なお、ROICの目標としては、「10%以上」としております。
③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容は「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に含めて記載しております。
当連結会計年度において、通常の設備投資に加え、投資有価証券の取得により、フリー・キャッシュフローは▲143百万円となりました。
(財務政策)
当社グループが事業活動から得た資金については、健全な財務基盤を維持しつつ、成長戦略投資と株主還元に最適なバランスで分配することを方針としております。資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応を通じて、中長期的な企業価値向上と持続的な成長を実現するために現状を分析・評価し、改善に向けて取り組んでまいります。
資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた取組み
(財務課題の現状分析)
当社グループの、直近のPBR(株価純資産倍率)は0.6倍前後で推移し、足元では0.5倍以下となっており、1倍割れが続いております。また、ROE(株主資本利益率)は株主資本コストを、ROIC(投下資本利益率)は
WACC(加重平均資本コスト)をともに割り込む数値で推移しております。すなわち、当社グループにおいては、資本収益性と株式市場での評価の両面において改善が必要な状況であると分析出来ます。
これに対しては、営業利益や資産回転率を引き上げてROE・ROICを改善すると同時に、株式市場における当社グループへの成長期待を浸透させることが課題であると考えております。
(課題解決への取組み)
具体的な取組みといたしまして、下図ロジックツリーの通りPBRをROEとPER(株価収益率)に分解したうえで、ROEとPERそれぞれの向上を図ることでPBRを改善いたします。
ROEの向上策としては、これまで取り組んで来た「ROIC経営」を継続し、資本収益性の向上を図ります。
具体的には、原価低減・収益構造改革により稼ぐ力を強化する一方、設備投資等の投資効果のモニタリングを強化するなどの取組みにより、資産効率を高めてまいります。加えて、適正な自己資本比率を確保しつつ、株主還元に積極的に取り組むことで財務レバレッジを適正化してまいります。
PERの向上策としては、株主・投資家の当社グループに対する成長期待を醸成することで市場評価を高めてまいります。具体的には、長期ビジョンや中期経営計画を通じて当社グループの成長ストーリーを積極的にアピールするとともに、M&Aなどのインオーガニック投資等の施策でしっかりと成果を出してまいります。
また、取締役会の実効性向上によるガバナンス強化や、IR活動の強化にも取り組んでまいります。
これらの取組みによりPBR1倍以上を目指し、さらに継続的な企業価値の向上を図ってまいります。
(キャピタルアロケーションの基本方針)
資本コストや資本収益性を意識した経営の実現のためには、「キャピタルアロケーション」の考え方を明確化し、バランスシートやキャッシュ・フロー配分の最適化を図る必要があると考えております。そのため、今般「キャピタルアロケーションの基本方針」として、4項目を定めました。
本方針においては、あくまでも中長期的な企業価値最大化を最終目的としております。その上で、成長投資を最優先に実施すること、株主還元にも積極的に取り組むこと、資金調達は必要に応じて有利子負債等を活用すること、これらの施策の基本として適正な手許流動性を確保し、最適資本構成と財務基盤の健全性を維持する方針です。
(キャピタルアロケーションのイメージ)
成長投資を通じて事業価値を高め、次の投資の原資となる営業キャッシュ・フローを継続的に創出していくことが事業の基本になります。
一方で、M&Aなどのインオーガニックな成長投資には、内部からの営業キャッシュ・フローだけでは不足する場合も想定されますので、積極的に有利子負債の活用も考えてまいります。
さらには、安定的・継続的な配当に加えて、成長投資の残余金については機動的な自己株式取得などを通じて、積極的に株主還元を実施してまいります。その際に、適正な手許流動性、最適資本構成、財務基盤の健全性の維持に常に配慮していくことが重要なポイントであると認識しております。
セグメント情報
(セグメント情報等)
【セグメント情報】
当社グループは、金型部品事業の単一セグメントであるため、記載を省略しております。
【関連情報】
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
1.製品及びサービスごとの情報
当社グループは単一の製品・サービスの区分の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。
2.地域ごとの情報
(1) 売上高
日本 (百万円) |
中国 (百万円) |
その他 (百万円) |
合計 (百万円) |
12,438 |
20,443 |
5,462 |
38,344 |
(注)売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。
(2) 有形固定資産
日本 (百万円) |
中国 (百万円) |
その他 (百万円) |
合計 (百万円) |
1,193 |
5,028 |
627 |
6,848 |
3.主要な顧客ごとの情報
外部顧客への売上高のうち、特定の顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の10%に満たないため、主要な顧客ごとの情報の記載を省略しております。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
1.製品及びサービスごとの情報
当社グループは単一の製品・サービスの区分の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。
2.地域ごとの情報
(1) 売上高
日本 (百万円) |
中国 (百万円) |
その他 (百万円) |
合計 (百万円) |
11,613 |
23,383 |
5,825 |
40,822 |
(注)売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。
(2) 有形固定資産
日本 (百万円) |
中国 (百万円) |
その他 (百万円) |
合計 (百万円) |
1,334 |
5,245 |
678 |
7,259 |
3.主要な顧客ごとの情報
外部顧客への売上高のうち、特定の顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の10%に満たないため、主要な顧客ごとの情報の記載を省略しております。
【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当連結会計年度において計上した固定資産の減損損失は393百万円であります。なお、当社グループは金型部品事業の単一セグメントであるため、報告セグメントごとの記載はしておりません。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当連結会計年度において計上した固定資産の減損損失は107百万円であります。なお、当社グループは金型部品事業の単一セグメントであるため、報告セグメントごとの記載はしておりません。
【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当連結会計年度において計上したのれんの償却額は49百万円であり、のれんの未償却残高は417百万円であります。なお、当社グループは金型部品事業の単一セグメントであるため、報告セグメントごとの記載はしておりません。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当連結会計年度において計上したのれんの償却額は49百万円であり、のれんの未償却残高は368百万円であります。なお、当社グループは金型部品事業の単一セグメントであるため、報告セグメントごとの記載はしておりません。
【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】
該当事項はありません。