リスク
3 【事業等のリスク】
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社グループが判断したものであり、全てのリスク要因が網羅されているわけではありません。
(コンベヤ事業)
(1) 売上規模について
当社グループは、特定の得意先や仕入先に依存はしておらず、国内のコンベヤ部品市場において80億円弱の売上規模という基盤を有し、コンベヤ部品のリプレイスメントを収益の源泉とした安定的なリカーリングビジネスを展開しています。現在想定はされていないものの、外国企業等が日本のコンベヤ事業に参入し大規模に事業を展開した結果、当社グループの売上高が減少することとなった場合には、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(2) 市場規模について
当社グループは、現場の点検・提案から対策品の設計・導入・工事までをトータルサポートすることで、顧客に対して新たなコストメリットを創出し、当社グループの収益のみならずコンベヤ部品市場の更なる成長・拡大を目指しております。しかしながら、今後、国内の製造業の縮小や既存のコンベヤ部品を必要としない技術革新等によりコンベヤ部品市場が縮小した場合には、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(3) 原材料価格の変動について
当社グループが製造するコンベヤ部品の主要な原材料は、パイプ、シャフト等の鋼材、ベアリングのほかゴム、塗料等であります。これらの原材料価格の変動は製品の製造原価に影響を与え、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(環境プラント事業)
(1) 製品・サービスの瑕疵等について
当社グループが提供する主要な製品・サービスは、ごみ処理施設や水処理施設、バイオマス発電施設などのコンベヤを中心としたマテハン機器の設計・製造・据付・メンテナンスであります。これら製品・サービスの瑕疵や設計・施工上の問題等により、人的・物理的被害を引き起こす重大な事故等が生じた場合には、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性がります。
(2) 事業環境について
当社グループが提供する環境プラント分野は、日本全国の官公庁衛生関連の各種施設内における幅広い工程に対し、設備の納入や工事の実績があります。国の政策変更により、自治体・民間事業者への助成制度の見直しや縮小が行われた場合や、景気後退等により、民間設備投資が縮小した場合には、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性がります。
(ロボットSI事業)
(1) 技術革新への対応について
当社グループが提供するロボットソリューション分野は、技術革新の速度及びその変化が著しい業界であり、日々新しい技術やサービスが生まれております。そのため、当社グループは常に最新技術の研究・習得に努めております。しかしながら、当社グループの想定を上回る急激な技術革新等により生じた劇的な環境の変化に対し、当社グループが適切に対応することができない場合、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(2) 競合について
当社グループの事業は、同様の事業を営む企業は複数あるものの、当社グループには自社工場を自動化した実績から得たノウハウがあり、そのサービスの特性、製造業を中心とした導入実績、保有特許等、様々な点から他社と比較して優位性を確保できていると考えており、先行して事業を推進していくことで、さらに実績を積み上げて市場内での地位を確立できるものと考えております。しかしながら、今後十分な差別化ができなかった場合や、国内外の事業者の新規参入により競争が激化した場合には、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(3) 人材の確保、育成について
当社グループが今後さらなる事業の拡大及び高付加価値サービスの提供を図るためには、優秀な人材の確保及び育成が不可欠となります。高い技術力を有したエンジニアの確保及び育成はもとより、顧客に当社グループのシステム開発能力やサービス力を提案できる技術営業担当者及び事業拡大の基盤となるプロジェクトを推進する人材の確保が重要になっております。当該人材が確保できない場合、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(4) 部材の調達について
当社グループが提供するロボットシステムにおいて構成機材の一つとなる制御装置等について、半導体需給の乱れ等に起因する調達の遅れが生じた場合、当社グループが納入するロボットシステムの納入遅れ等につながり、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(全事業共通)
(1) 自然災害、感染症について
当社グループは、大規模な地震や台風等の自然災害や感染症に備えて、工場、物流拠点及び営業所を全国各地に点在させる等のリスク分散措置を講じていますが、主要拠点である当社本社工場(兵庫県南あわじ市)が被災、罹患した場合には、事業活動の制約あるいは停止を余儀なくされる可能性があり、その内容によっては当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(2) 事故等の発生について
当社グループは従業員の安全と健康を確保し、労働災害の防止と快適な労働環境の維持に努めておりますが、人為的ミスや過重労働による労災事故が発生した場合、直接従業員を失う損失のほか、補償等による費用の発生や風評被害も想定され、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(3) 知的財産権について
当社グループは、第三者の知的財産権に抵触しないよう新製品の企画に際しては類似製品の有無について調査を行っており、知的財産権の侵害を行っていないものと認識しております。しかしながら、あらゆる第三者の知的財産権の状況を完全に調査することは困難であり、知的財産権侵害とみなされた場合には、損害賠償の請求、当該知的財産権の使用に対する対価の支払い又はサービスの停止等、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 内部管理体制について
当社グループは、今後の事業拡大に対応するため、より一層の内部管理体制強化を図る必要があると認識しております。今後は、事業の拡大に応じて人材の確保や育成を積極的に実施し、充実を図っていく方針でありますが、適時適切な人材の確保や育成ができなかった場合等、事業規模に適した内部管理体制の構築に遅れが生じた場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 情報管理について
当社グループは、事業遂行にあたり、各種技術情報、顧客情報、個人情報を有しており、当社グループが管理する文書、電子情報の適切な管理に努めております。適切に管理を実施していることから、漏洩のリスクは低いものと考えておりますが、万一情報が漏洩した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性がありますが、その程度は事案の大きさによるため予見は困難であり、顕在化する時期についても合理的な予測は困難であると認識しております。
(6) 法的規制について
当社グループは、事業の一部において工事の請負に該当する契約を行う場合があり、下表のとおり建設業法及び労働者派遣事業に係る法令の許可を受けております。当社グループは、この許認可を受けるための諸条件及び関係法令の遵守や社内管理体制の整備に努めており、現状において当該許認可が取消しとなる事由は発生しておりませんが、今後、法令の改正や新たな法的規制が設けられ当社グループの事業に適用された場合、その制約内容によっては、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(当社)
(JRC C&M株式会社)
(中村自働機械株式会社)
(向井化工機株式会社)
(株式会社高橋汽罐工業)
当社グループでは法令順守に向けた管理体制の整備運用を行っており、許認可の取消し等につながる法令違反等が発生する可能性は低いものと考えております。なお、将来的な法改正等の可能性については、改正がある場合には事前に情報が公開されるものと考えられるため、法改正等の情報を適宜収集することにより対応可能であると考えております。
リスクが顕在化した場合の影響の程度につきましては、万が一建設業の許認可が取り消されたとしても、工事を外注する等の対応により事業の大部分は継続が可能であると考えており、限定的であると考えております。
また、当社グループは、建設業法に基づく一般建設業の許可のほか、労働安全衛生法や下請法、消防法、工場立地法、廃棄物処理法、環境関連規制等、幅広い法令等による規制を受けており、それらにしたがって事業活動を行う必要があります。当社グループでは、これらの法令等が遵守されるよう、コンプライアンスに係る点検項目を設ける等の方策により対応しており、現時点で当社グループの事業継続に支障をきたす事項はありませんが、今後、何らかの理由により法令違反等が発生して処罰・処分等の制裁を受けた場合には、当社グループに対する社会的信用が毀損して受注活動に影響が及ぶ等、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、将来、これらの法令等が改正された場合、当社グループの事業継続に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 訴訟に関するリスクについて
本書提出日現在、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす係争や訴訟は提起されておりませんが、取引先とのトラブルの発生等、何らかの問題が生じた場合には係争や訴訟に発展する可能性があり、その内容及び結果によっては、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(8) 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について
当社グループは、新株予約権方式によるストックオプション制度を導入しており、当社グループの取締役、執行役員及び従業員に対して、中長期的な業績及び企業価値の向上のインセンティブを与えること等を目的として新株予約権を発行しております。新株予約権に関する潜在株式数は提出日の前月末時点(2025年4月30日)において1,193,760株であり、発行済株式総数の約9.3%に相当しております。新株予約権の全てが即時に行使され、即時に当社株式価値が希薄化する予定はありませんが、将来的に新株予約権が行使された場合、1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。
新株予約権の詳細は、「第4 提出会社の状況 1 株式等の状況 (2)新株予約権等の状況」をご参照ください。
(9) 減損リスクについて
本書提出日現在、当社グループが保有する資産のうち減損リスクがあると考えられる資産はありません。当社グループでは、事業買収及び設備やシステム投資の際にはその効果と回収可能性を十分に検討した上で、投資の判断をしておりますが、当初の想定と異なる事態が生じた結果、十分な成果を挙げることができず投資額の回収ができないと判断した場合には減損損失を計上することとなり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(10) ITシステムリスクについて
ITシステムの老朽化や複雑化やブラックボックス化により、既存システムの維持管理に資金や人員が割かれたり、システム担当者の高齢化や退職により、システムトラブルやデータ滅失などの復旧が困難な状況が生じる可能性があります。また、デジタルデータの活用による生産性の向上はあらゆる事業者にとって喫緊の課題となっておりますが、当社グループにおいてデジタルデータが十分に活用されず、結果的に競争力を失うような状況が生じた場合には、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(11) M&A等に関するリスクについて
当社グループでは、積極的なM&Aの活用により、コンベヤ事業、環境プラント事業、ロボットSI事業の各領域の拡大に加え、新領域への進出にも挑戦することで、事業の拡大に取り組むとともに、中長期的な企業価値の向上を目指しております。とりわけ企業買収においては、さまざまな角度から検討を行いますが、買収後に事業計画どおりに進展しなかった場合には、当社グループの財政状況及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
配当政策
3 【配当政策】
当社は、株主に対する利益還元を経営上の重要課題の一つと認識し、将来の事業展開と経営体質の強化のために必要な内部留保を確保しつつ、継続的かつ安定した配当を行うことを基本方針とし、連結配当性向30%程度を目安に配当の実施を目指しております。この方針に基づき、剰余金の配当は期末配当の年1回の実施としておりましたが、中長期的な株主価値の向上を図る観点から、株主の皆様への利益還元の機会の一層の充実を図るため、2025年2月期より、剰余金の配当を中間配当と期末配当の年2回の実施とすることといたしました。当社は、中間配当を行うことができる旨を定款に定めております。
以上のことから、2025年2月期の期末配当金につきましては、2025年5月28日開催予定の定時株主総会にて、1株当たり13円の普通配当を決議する予定であります。従いまして、中間配当金1株当たり13円を加えた当期の年間配当金は、1株当たり26円を予定しております。
(注)基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は、以下のとおりであります。