事業内容
セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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売上
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利益
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利益率
最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています
セグメント名 | 売上 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
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(単一セグメント) | 19,435 | 100.0 | 4,093 | 100.0 | 21.1 |
事業内容
3 【事業の内容】
当社グループは、当社と非連結子会社1社(上海守谷電梯有限公司)の計2社により構成されており、国内及び海外において、エレベーター等の製造、販売、据付及び保守・修理事業を行っております。
なお、当社グループはエレベーター事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
(1) 事業の特徴
当社は、1950年3月に設立され、専業メーカーとしてエレベーター等の製造から据付、保守・修理までの一貫した事業を展開してまいりました。
国内では、主に荷物用及び船舶用エレベーターに係る事業活動を営んでおりますが、当社が2つの工場とテクニカルセンター、サービスセンター、鳥浜製品管理センター、10の支店・事務所及び保守・修理業務の委託先として51のサービス拠点を有して国内の全地域をカバーしているほか、本社内に「守谷サービス情報センター」を設置し、保守契約先からのエレベーター等の異常/故障の発生連絡に対して24時間365日の受付対応を行うなど、経営資源をエレベーター事業に集中して投下することで顧客の様々なニーズに応えております。
海外では、上海守谷電梯有限公司が中国における資材調達窓口として当社の購買代理業務を担っており、当社グループの仕入コストの低減に重要な役割を果たしているほか、中国における船舶用エレベーターの据付、保守業務等を展開しております。
(2) 主な製品・サービス
① エレベーター
a.荷物用エレベーター
エレベーターは、人や荷物を載せて垂直又は斜めに移動させる昇降装置であり、かご(※1)の水平投影面積(※2)が1㎡超、又は天井の高さが1.2m超の大きさのものをいいますが、用途に応じて乗用、寝台用、荷物用、自動車用などに分類されます。
当社は主として荷物用エレベーターを取り扱っておりますが、荷物用エレベーターは、かご床がフォークリフト等で長期間使用しても剥がれ・たわみが少ない等の堅牢性、冷凍・冷蔵倉庫向けでの結露対策といった使用環境に応じた性能・機能の確保、誰でも安全で使い易い操作性等が求められます。
当社では、積載荷重(※3)が2t以上の中大型エレベーターや荷物を連続して搬送できる垂直自動搬送機「マックリフター」、冷凍・冷蔵倉庫向けエレベーター、自動車用エレベーターなど、顧客の様々なニーズに対応した製品を展開しております。
当事業年度におけるエレベーター機種別等の設置台数は下表のとおりです。
(単位:台)
(注)1.( )内の台数は、前事業年度と比較した増減台数です。
2.「入替台数」は、既存のエレベーターを撤去し新たなエレベーターを設置した台数です。
3.建物用途別の新規設置台数は次のとおりです。
b.船舶用エレベーター
船舶用エレベーターは造船各社を受注先とし、大型の外航船(※4)やフェリーなどに設置される乗用エレベーターですが、建物用と異なり、船の振動(揺れ)や衝撃にも耐えうる構造や防錆・防沫性能(※5)が求められます。
当社では、シンドラーエレベータ株式会社から船舶用エレベーターの技術等を譲り受けて2003年8月に販売を開始し、現在では国内及びアジア市場において事業展開しております。
② 保守・修理
当社では、顧客との間でエレベーターに関する保守契約・点検契約を締結し、委託されたメンテナンス、修理及び建築基準法や労働安全衛生法で義務付けられた定期検査・定期点検業務を行っておりますが、契約形態としては、フルメンテナンス契約(保守契約)とPOG契約(点検契約)に分かれます。
エレベーター業界各社のビジネスモデルは、エレベーター販売時の利幅を薄くする一方で、その後の定期的な保守点検作業を受注して長期的に利益を確保するものです。当社においても、新規保守契約・点検契約率の維持向上、解約率の引き下げに取組み、収益性の向上を図っております。
※1.エレベーターの人や荷物を乗せる箱
※2.真上から見たときの面積
※3.積載する荷物の最大重量
※4.自国と外国の間を結ぶ外国航路に就航する船舶
※5.錆や水の飛まつによる有害な影響を防ぐ性能
当社グループの事業系統図は次のとおりです。
業績
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概況
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。なお、当社はエレベーター事業の単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載は省略しております。
① 財政状態及び経営成績の状況
経営成績
当事業年度におけるわが国経済は、個人消費の一部に足踏みが残るものの、雇用や企業収益は改善の動きがみられるなど、緩やかな回復基調となりました。その一方で、物価上昇の継続による消費者心理の下振れや、アメリカの政策動向による影響が、わが国の景気を下押しするリスクとなっており、経済の先行きには、注意を要する状況が続いております。
このような状況のもと、当社の荷物用エレベーターの製造・販売においては、いわゆる2024年問題や技術労働者不足等により工事発注が先送りされる案件があったものの、大型化が進む物流施設の需要の他に、物流中継地点の倉庫施設、半導体やその周辺産業、データセンター等の需要が顕在化しつつあることから、引き続き、受注状況は堅調です。また、2024年10月には宇都宮工場の増改築工事が完了し、年間600台の生産体制が整いました。
保守・修理においては、保守契約台数が7,400台を超え、保守物件の安全かつ安定的な稼働を確保するため、「計画修理」の積極的な提案営業にも取り組んでまいりました。
また、原価・運用面においては、資材価格の高止まりや、円安による輸入資材価格の上昇に対し、引き続き、国内調達への切り替えや内製化による原価コントロールを進めるとともに、人員増強による施工能力・保全能力の拡充にも継続して取り組んでおります。
この結果、当事業年度の売上高は19,435,433千円(前事業年度比10.9%増)、営業利益は4,092,941千円(同57.8%増)、経常利益は4,198,292千円(同59.7%増)、当期純利益は2,840,888千円(同65.3%増)となりました。
なお、当事業年度末における受注残高は21,476,230千円(前事業年度末比31.5%増)となりました。
財政状態
(資産)
当事業年度末における総資産は、17,190,150千円(前事業年度末15,072,009千円)となり、2,118,140千円増加しました。これは主に、現金及び預金の増加1,242,319千円、受取手形、売掛金及び契約資産の増加636,883千円、仕掛品の増加115,196千円によるものです。
(負債)
当事業年度末における負債は、5,702,753千円(前事業年度末5,948,432千円)となり、245,678千円減少しました。これは主に、支払手形の減少873,123千円、工事損失引当金の減少128,827千円、前受金の増加283,942千円、未払法人税等の増加206,702千円、未払消費税等の増加223,373千円によるものです。
(純資産)
当事業年度末における純資産は、11,487,397千円(前事業年度末9,123,577千円)となり、2,363,819千円増加しました。これは、自己株式の取得による減少116,561千円、配当金の支払による減少394,217千円、当期純利益の計上による増加2,840,888千円などによるものです。
② キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末と比べ1,242,318千円増加し、5,739,625千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は1,997,480千円(前事業年度は2,577,753千円の収入)となりました。収入の主な内訳は、税引前当期純利益が4,198,292千円、減価償却費が174,151千円、前受金の増加額が283,942千円です。支出の主な内訳は、法人税等の支払額が1,188,971千円、仕入債務の減少額が884,487千円、売上債権及び契約資産の増加額が636,883千円、棚卸資産の増加額が169,619千円となります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動に使用した資金は261,322千円(前事業年度は401,706千円の支出)となりました。支出の主な内訳は、宇都宮工場の増改築等による有形固定資産の取得による支出190,730千円となります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動に使用した資金は499,226千円(前事業年度は265,421千円の支出)となりました。これは主に、自己株式の取得による支出116,561千円、配当金の支払額394,217千円によるものです。
③ 生産、受注及び販売の状況
当社はエレベーター事業の単一セグメントであるため、「生産、受注及び販売の状況」につきましては、セグメント別の記載を省略しております。
a.生産・販売実績
当事業年度における生産・販売実績を売上種類ごとに示すと、次のとおりです。
(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.「船舶用エレベーター」には部品の販売額が、「保守・修理」には保守点検業務にかかる受託金額がそれぞれ含まれております。
b.受注実績
当事業年度における受注実績を売上種類ごとに示すと、次のとおりです。
(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.「保守・修理」については、修理・改修業務にかかる受注高及び受注残高を記載しており、保守契約に基づく保守点検業務については、受注高及び受注残高に含めておりません。
3.上記金額のうち外貨建については、㈱三菱UFJ銀行が公表した各期末日におけるTTM(公表仲値)によって円換算しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものです。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載されているとおりです。
当社は、財務諸表作成において必要な見積りについては、過去の実績やその時点で入手可能な情報等を勘案した上で行っておりますが、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(売上高)
当事業年度の売上高は19,435,433千円(前事業年度比10.9%増)となりました。売上種類別の変動要因は次のとおりです。
a. 「エレベーター(船舶用を除く。)」の売上高は、おおむね順調に推移し、9,503,241千円(前事業年度比2.1%減)となり、このうち、新規設置の売上高は8,374,523千円(同0.1%増)、入替の売上高は1,128,717千円(同15.4%減)となりました。なお、設置台数は、 新規設置が392台(前事業年度は434台)、入替が23台(同36台)です。
b. 「保守・修理」の売上高は、保守台数、修理工事ともに順調に推移し、8,994,538千円(前事業年度比23.9%増)となりました。なお、保守・点検契約の新規契約台数は429台(前事業年度は452台)、再契約台数は53台(同46台)、解約・休止台数は152台(同101台)、期末の保守・点検契約台数は7,445台(同7,115台)となりました。
c.「船舶用エレベーター」の売上高は、堅調な受注を背景に937,653千円(前事業年度比64.9%増)となりました。
(売上原価、売上総利益)
当期製品製造原価は13,391,279千円(前事業年度比0.7%増)となりました。
このうち、当期総製造費用に「材料費」が占める割合は、原価コントロール及び新設設置台数の減少等により、前事業年度に比して低下しました。また、同じく「労務費」が占める割合は、人員増加、内製化等により、前事業年度に比して上昇しました。
工事損失引当金戻入額128,827千円(前事業年度は161,843千円の戻入)の計上もあり、売上原価は13,260,074千円(前事業年度比0.9%増)、売上総利益は6,175,358千円(同40.7%増)、売上高総利益率は、31.8%(前事業年度は25.0%)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
販売費及び一般管理費は、2,082,417千円(前事業年度比16.0%増)となりました。人員増に伴い主として人件費が増加しております。
以上の結果、営業利益は、4,092,941千円(前事業年度比57.8%増)となり、売上高営業利益率は21.1%(前事業年度は14.8%)となりました。
(営業外損益、経常利益)
営業外収益は、違約金収入及び作業くず売却益の計上等により、124,556千円(前事業年度比53.2%増)、営業外費用は、為替差損の計上等により19,204千円(前事業年度比58.2%減)となりました。以上の結果、経常利益は、4,198,292千円(前事業年度比59.7%増)となりました。
(特別損益、当期純利益)
当事業年度において特別利益及び特別損失は計上されず、その結果、当期純利益は、2,840,888千円(前事業年度比65.3%増)となりました。
財政状態の分析等については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況」をご参照ください。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の進捗について
当社では、売上高総利益率及び売上高営業利益率を主要な経営指標とし、顧客ニーズへの対応や資材調達コストの削減、業務の効率化等を図ってその改善・向上に取り組んでおりますが、当事業年度の数値については、次のとおりです。
(4) 経営成績に重要な影響を与える要因
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。
当社といたしましては、これらのリスクに対して継続的な状況把握に努めるとともに、対応策を検討してリスクの最小化・分散化を図っていきます。
(5) 資本の財源及び資金の流動性
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
当社は、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としておりますが、運転資金は自己資金を基本としております。また、継続的な成長を図るため、設備投資や研究開発の拡充に努めておりますが、資金需要の額や使途に合わせて柔軟に資金調達を行う予定です。当事業年度末の現金及び現金同等物は5,739,625千円であり、流動性を確保しております。
(6) 経営者の問題意識と今後の方針について
経営者の問題意識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。