事業内容
セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
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セグメント別売上構成
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セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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セグメント別利益率
最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています
セグメント名 | セグメント別 売上高 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
セグメント別 利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
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(単一セグメント) | 17,528 | 100.0 | 2,594 | 100.0 | 14.8 |
事業内容
3 【事業の内容】
当社グループは、当社と非連結子会社1社(上海守谷電梯有限公司)の計2社により構成されており、国内及び海外において、エレベーター等の製造、販売、据付及び保守・修理事業を行っております。
なお、当社グループはエレベーター事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
(1) 事業の特徴
当社は、1950年3月に設立され、専業メーカーとしてエレベーター等の製造から据付、保守・修理までの一貫した事業を展開してまいりました。
国内では、主に荷物用及び船舶用エレベーターに係る事業活動を営んでおりますが、当社が2つの工場とテクニカルセンター、サービスセンター、鳥浜製品管理センター、10の支店・事務所及び保守・修理業務の委託先として50のサービス拠点を有して国内の全地域をカバーしているほか、本社内に「守谷サービス情報センター」を設置し、保守契約先からのエレベーター等の異常/故障の発生連絡に対して24時間365日の受付対応を行うなど、経営資源をエレベーター事業に集中して投下することで顧客の様々なニーズに応えております。
海外では、上海守谷電梯有限公司が中国における資材調達窓口として当社の購買代理業務を担っており、当社グループの仕入コストの低減に重要な役割を果たしているほか、中国における船舶用エレベーターの据付、保守業務等を展開しております。
(2) 主な製品・サービス
① エレベーター
a.荷物用エレベーター
エレベーターは、人や荷物を載せて垂直又は斜めに移動させる昇降装置であり、かご(※1)の水平投影面積(※2)が1㎡超、又は天井の高さが1.2m超の大きさのものをいいますが、用途に応じて乗用、寝台用、荷物用、自動車用などに分類されます。
当社は主として荷物用エレベーターを取り扱っておりますが、荷物用エレベーターは、かご床がフォークリフト等で長期間使用しても剥がれ・たわみが少ない等の堅牢性、冷凍・冷蔵倉庫向けでの結露対策といった使用環境に応じた性能・機能の確保、誰でも安全で使い易い操作性等が求められます。
当社では、積載荷重(※3)が2t以上の中大型エレベーターや荷物を連続して搬送できる垂直自動搬送機「マックリフター」、冷凍・冷蔵倉庫向けエレベーター、自動車用エレベーターなど、顧客の様々なニーズに対応した製品を展開しております。
当事業年度におけるエレベーター機種別等の設置台数は下表のとおりです。
(単位:台)
(注)1.( )内の台数は、前事業年度と比較した増減台数であります。
2.「入替台数」は、既存のエレベーターを撤去し新たなエレベーターを設置した台数であります。
3.建物用途別の新規設置台数は次のとおりです。
b.船舶用エレベーター
船舶用エレベーターは造船各社を受注先とし、大型の外航船(※4)やフェリーなどに設置される乗用エレベーターですが、建物用と異なり、船の振動(揺れ)や衝撃にも耐えうる構造や防錆・防沫性能(※5)が求められます。
当社では、シンドラーエレベータ株式会社から船舶用エレベーターの技術等を譲り受けて2003年8月に販売を開始し、現在では国内及びアジア市場において事業展開しております。
② 保守・修理
当社では、顧客との間でエレベーターに関する保守契約・点検契約を締結し、委託されたメンテナンス、修理及び建築基準法や労働安全衛生法で義務付けられた定期検査・定期点検業務を行っておりますが、契約形態としては、フルメンテナンス契約(保守契約)とPOG契約(点検契約)に分かれます。
エレベーター業界各社のビジネスモデルは、エレベーター販売時の利幅を薄くする一方で、その後の定期的な保守点検作業を受注して長期的に利益を確保するものであります。当社においても、新規保守契約・点検契約率の維持向上、解約率の引き下げに取組み、収益性の向上を図っております。
(注) ※1.エレベーターの人や荷物を乗せる箱
※2.真上から見たときの面積
※3.積載する荷物の最大重量
※4.自国と外国の間を結ぶ外国航路に就航する船舶
※5.錆や水の飛まつによる有害な影響を防ぐ性能
当社グループの事業系統図は次のとおりです。
業績
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概況
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。なお、当社はエレベーター事業の単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載は省略しております。
① 財政状態及び経営成績の状況
経営成績
当事業年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善により個人消費に持ち直しの動きが見られるなど、緩やかな回復基調で推移しておりますが、一方で、国内物価の上昇、いわゆる2024年問題の顕在化、世界的な金融引き締めの影響、中国経済の減速リスクなど、その先行きは依然として不透明な状況が続いております。
主として荷物用エレベーターの製造・販売、据付及び保守・修理を展開する当社においては、eコマース市場の拡大、物流施設の大型化、生産拠点の国内回帰という市場環境の中、受注状況は堅調であり、資材価格の高止まりや、円安による輸入資材価格の上昇等に対し、一部資材の国内調達への切り替えや内製化による原価コントロールを進めるとともに、2023年8月に鳥浜製品管理センターを稼働開始するなど、生産・施工能力の拡充にも取り組んでまいりました。
この結果、当事業年度の売上高は17,527,616千円(前事業年度比13.7%増)、営業利益は2,593,776千円(同233.6%増)、経常利益は2,629,130千円(同232.3%増)、当期純利益は1,718,543千円(同167.8%増)となりました。
なお、当事業年度末における受注残高は16,337,047千円(前事業年度末比17.4%増)となりました。
財政状態
(資産)
当事業年度末における総資産は、15,072,009千円(前事業年度末12,766,962千円)となり、2,305,047千円増加しました。これは主に、鳥浜製品管理センターの竣工・稼働等に伴う建物の増加757,379千円と建設仮勘定の減少586,502千円のほか、現金及び預金の増加1,930,662千円によるものです。
(負債)
当事業年度末における負債は、5,948,432千円(前事業年度末5,228,028千円)となり、720,404千円増加しました。これは主に、役員退職慰労金制度の廃止に伴う役員退職慰労引当金の減少566,803千円と長期未払金の増加496,627千円のほか、未払法人税等の増加520,062千円、前受金の増加209,921千円、工事損失引当金の減少161,843千円によるものです。
(純資産)
当事業年度末における純資産は、9,123,577千円(前事業年度末7,538,933千円)となり、1,584,643千円増加しました。これは主に、配当金の支払261,651千円、当期純利益の計上による増加1,718,543千円によるものです。
② キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末と比べ1,930,660千円増加し、4,497,307千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は2,577,753千円(前事業年度は50,276千円の収入)となりました。収入の主な内訳は、税引前当期純利益が2,629,130千円、減価償却費が157,292千円、長期未払金の増加額が496,627千円、前受金の増加額が209,921千円、未払消費税等の増加額が123,933千円です。支出の主な内訳は、役員退職慰労引当金の減少額が566,803千円、法人税等の支払額が396,846千円、工事損失引当金の減少額が161,843千円となります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動に使用した資金は401,706千円(前事業年度は871,648千円の支出)となりました。支出の主な内訳は、鳥浜製品管理センターの竣工・稼働他に伴う有形固定資産の取得による支出385,195千円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動に使用した資金は265,421千円(前事業年度は513,004千円の支出)となりました。これは主に、配当金の支払額261,651千円によるものです。
③ 生産、受注及び販売の状況
当社はエレベーター事業の単一セグメントであるため、「生産、受注及び販売の状況」につきましては、セグメント別の記載を省略しております。
a.生産・販売実績
当事業年度における生産・販売実績を売上種類ごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.「船舶用エレベーター」には部品の販売額が、「保守・修理」には保守点検業務にかかる受託金額がそれぞれ含まれております。
b.受注実績
当事業年度における受注実績を売上種類ごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.「保守・修理」については、修理・改修業務にかかる受注高及び受注残高を記載しており、保守契約に基づく保守点検業務については、受注高及び受注残高に含めておりません。
3.上記金額のうち外貨建については、㈱三菱UFJ銀行が公表した各期末日におけるTTM(公表仲値)によって円換算しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載されているとおりであります。
当社は、財務諸表作成において必要な見積りについては、過去の実績やその時点で入手可能な情報等を勘案した上で行っておりますが、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(売上高)
当事業年度の売上高は17,527,616千円(前事業年度比13.7%増)となりました。売上種類別の変動要因は次のとおりです。
a. 「エレベーター(船舶用を除く。)」の売上高は、おおむね順調に推移し、9,702,145千円(前事業年度比14.9%増)となりました。このうち、新規設置は434台(前事業年度は454台)で、売上高は8,367,625千円(前事業年度比11.7%増)となりました。これは、価格転嫁と高価格帯案件への取組み等によるものです。入替は36台(前事業年度は23台)で、売上高は1,334,519千円(前事業年度比40.0%増)となりました。これは、大口案件の取込み等によるものです。
b. 「保守・修理」の売上高は、保守台数、修理件数ともに順調に推移し、7,256,747千円(前事業年度比11.3%増)となりました。これは、保守・点検契約の解約・休止台数が101台(前事業年度は131台)となる一方で、新規契約台数は452台(前事業年度は402台)、再契約台数は46台(前事業年度は59台)となったことから、期末の保守・点検契約台数は7,115台(前事業年度は6,718台)となったこと等によるものです。
c.「船舶用エレベーター」の売上高は、修理需要の取込み等により、568,723千円(前事業年度比25.9%増)となりました。
(売上原価、売上総利益)
売上原価は、工事損失引当金戻入額161,843千円の計上(前事業年度は繰入額160,530千円)等により、13,139,409千円(前事業年度比1.5%増)となりました。
売上総利益は4,388,206千円(前事業年度比77.2%増)となり、売上高総利益率は、前事業年度から取組んでいる価格転嫁等により、25.0%(前事業年度は16.1%)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
販売費及び一般管理費は、1,794,429千円(前事業年度比5.6%増)となりました。人員増に伴い主として人件費が増加しております。
以上の結果、営業利益は、2,593,776千円(前事業年度比233.6%増)となり、売上高営業利益率は14.8%(前事業年度は5.0%)となりました。
(営業外損益、経常利益)
営業外収益は、作業くず売却益の計上等により、81,302千円(前事業年度比13.6%減)、営業外費用は、為替差損の計上等により45,948千円(前事業年度比42.9%減)となりました。以上の結果、経常利益は、2,629,130千円(前事業年度比232.3%増)となりました。
(特別損益、当期純利益)
当事業年度において特別利益及び特別損失は計上されず、その結果、当期純利益は、1,718,543千円(前事業年度比167.8%増)となりました。
財政状態の分析等については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況」をご参照ください。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の進捗について
当社では、売上高総利益率及び売上高営業利益率を主要な経営指標とし、顧客ニーズへの対応や資材調達コストの削減、業務の効率化等を図ってその改善・向上に取り組んでおりますが、当事業年度の数値については、次のとおりとなっております。
(4) 経営成績に重要な影響を与える要因
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。
当社といたしましては、これらのリスクに対して継続的な状況把握に努めるとともに、対応策を検討してリスクの最小化・分散化を図っていきます。
(5) 資本の財源及び資金の流動性
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社は、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としておりますが、運転資金は自己資金及び受取手形の割引を基本としております。また、継続的な成長を図るため、設備投資や研究開発の拡充に努めておりますが、資金需要の額や使途に合わせて柔軟に資金調達を行う予定です。当事業年度末の現金及び現金同等物は4,497,307千円であり、流動性を確保しております。
(6) 経営者の問題意識と今後の方針について
経営者の問題意識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。