2026年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    6,560名(単体) 24,773名(連結)
  • 平均年齢
    41.1歳(単体)
  • 平均勤続年数
    19.7年(単体)
  • 平均年収
    7,804,768円(単体)
  • 平均年収の
    対前年増減率
    1.6%(単体)

従業員の状況

人材戦略に関する基本方針等

(1) 【人材戦略に関する基本方針等】

① 人材戦略上の主要課題及び重点施策

当社グループは、経営戦略の実現に必要な営業人材、研究開発人材、製造・サプライチェーン人材及びグローバルマネジメント人材の確保・育成・活躍促進を、人材戦略の中核に位置付けています。具体的な考え方及び重点施策については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (4) 人的資本に関する取組」に記載のとおりです。

 

② 従業員給与等の決定方針(賃金決定の基本的な考え方、給与構成等)

当社は、安定的な処遇と成果・業績の反映を両立させ、従業員の中長期的な成長及び企業価値の向上につながる報酬体系の構築を基本方針としています。経営戦略及び人材戦略の実現に資する人材の確保・育成・定着を目的として、従業員の給与等を決定しています。グローバル市場における事業拡大や成長分野への対応を図るため、優秀な人材の確保及び営業体制の強化等の人的資本投資を推進しており、特に成長領域や新市場を担う営業人材、研究開発人材、グローバル人材といった中核人材については、市場競争力を踏まえた処遇水準及び評価制度の見直しを進めるなど、人材の確保・育成、能力開発や能力発揮の促進に資する処遇の設計及び運用を目指しています。

(賃金決定の基本的な考え方)

従業員の給与は、スタッフ職層及び管理職層に区分したうえで、それぞれの区分内に設けた職層・人事等級制度を基礎として決定しています。スタッフ職層においては、能力及びスキルの習熟度を重視し、当該習熟度に応じた昇格を行うことを基本とした等級グレード制を採用しています。一方、管理職層においては、担う役割や職責の大きさを重視した等級グレードを設定し、組織運営及び業績への貢献を踏まえた処遇を行っています。

昇給については、成果や業績に関する人事考課の結果に応じて昇給幅に差を設けており、評価結果を処遇に反映する仕組みとしています。標準的な評価の場合には毎年の昇給を基本としつつ、同一等級内で一定の上限を設けることで、年功的要素と成果・業績評価をバランスよく取り入れています。また、昇給及び賞与においては、評価結果を適切に反映することにより、成果発揮に対するインセンティブが機能する仕組みとしています。

(給与等の範囲及び構成)

当社における従業員の給与等は、基本給、賞与のほか、各種手当及び福利厚生制度により構成されています。基本給については、職層及び人事等級ごとに一定のレンジを設定しており、各従業員の基本給は当該レンジ内で決定しています。賞与については、従業員の生活を配慮した基礎部分と、各従業員の成果や業績に関する評価結果を踏まえた個人別の賞与査定に連動して支給する部分により構成されており、安定的な処遇と成果・業績の反映を両立する仕組みとしています。

また、各種手当、福利厚生制度及び退職給付制度については、従業員の職務遂行や生活の安定、将来にわたる安心の確保を支援するとともに、長期的な視点での人材の確保・定着を目的として整備しており、基本給や賞与と併せて処遇全体の一部として位置付けています。これにより、従業員の長期的な就業継続及びエンゲージメントの向上にもつなげています。

(公正性及び透明性の確保)

従業員の給与等の決定に当たっては、人事評価制度に基づき、公正性及び透明性の確保に努めています。給与の決定は、人事評価制度に基づく評価結果を踏まえて行っています。人事評価の決定に当たっては、上司一人のみの判断によるものではなく、二次評定者等を含む複数名による確認を行うことで、評価及び処遇決定の妥当性を確保しています。

また、評価者に対する教育・訓練を実施するとともに、評価の決定にあたり上司との面談を行い、評価結果の本人へのフィードバックを義務付けることで、評価基準や処遇決定に関する理解の促進を図り、従業員の納得性を高める仕組みを導入しています。これらの取組により、性別、年齢等の属性による不合理な差異が生じないよう配慮し、客観的かつ公平な運用に努めています。

事業環境や人材市場の変化、経営戦略・人材戦略の見直し等を踏まえ、給与等に関する制度及び運用について、適宜検証及び見直しを行っています。運用状況については必要に応じて点検を行い、継続的な改善に取り組むことで、処遇制度の公平性・透明性・妥当性の向上を図り、持続的な企業価値の向上につなげていきます。

 

(2) 【従業員の状況】

① 連結会社の状況

2026年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

自動制御機器事業

24,773

[5,616]

 

(注)1  従業員数は就業人員数(当社及び連結子会社(以下、「当社グループ」という。)からグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含む。)であり、臨時従業員数は[  ]内に年間平均雇用人員を外数で記載しています。

2 当社グループは自動制御機器事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しています。

 

② 提出会社の状況

2026年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

平均年間給与の対前

事業年度増減率(%)

6,560

[3,333]

41.1

19.7

7,804,768

1.6

 

(注)1  従業員数は就業人員数(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)であり、臨時従業員数は[  ]内に年間平均雇用人員を外数で記載しています。

2  平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでいます。

3  当社は自動制御機器事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しています。

 

③ 労働組合の状況

当社には労働組合は組織されていませんが、一部の在外連結子会社には労働組合が組織されています。

なお、労使関係について特記すべき事項はありません。

 

④ 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

区分

名称

管理職に占める

女性労働者

の割合(%)

(注)1

男性労働者の

育児休業

取得率(%)

(注)2

労働者の男女の賃金の差異(%)
(注)1

全労働者

正規雇用
労働者

パート・
有期労働者

提出会社

SMC株式会社

1.5

78.3

55.8

69.2

90.0

連結子会社

ACS株式会社

10.1

12.5

50.7

66.1

83.2

 

(注)1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。

2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。

3 当社の賃金制度は、同一労働同一賃金の原則に則っており、性別による支給格差はありません。

  男女の賃金の差異が生じている主な要因は、以下の2点であると分析しています。

  ①近年、女性従業員の採用数を増やしていることもあり、女性の平均勤続年数が男性に比して短いこと

  ②管理職に占める女性従業員の割合が低いこと

  これらの事象に対する対応策については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組(4) 人的資本に関する取組」をご参照ください。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりです。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(1) 考え方及び体制

[マテリアリティ]

当社グループは、事業活動を通じた社会課題の解決に取り組んでいます。

お客様や株主・投資家の皆様との対話を起点に、取締役会で議論を重ね、リスク及び収益機会の両面から、当社グループが持続的に成長するうえでの重要課題(マテリアリティ)を以下のとおり特定しました。

 

 (a) 人権の尊重・ダイバーシティの推進・職場の安全安心確保

・当社グループはもとよりサプライチェーンにおいても、人権侵害のない環境づくりに取り組みます。

・ダイバーシティに取り組み、国籍・性別・年齢等に関わらず、多様な人材が活躍できる企業を目指します。

・従業員が安全・安心に働ける職場環境の維持に努めます。

 (b) 気候変動・環境課題への対応

・製造時及び使用時のCO2排出量を削減した環境配慮型製品(エコプロダクツ)の開発・供給を推進します。

・工場におけるCO2排出量削減、廃棄物の削減など(エコファクトリー)に取り組み、そのノウハウをお客様への提案にも活かします。

 (c) グローバルな製品の安定供給

・事業活動全般にわたるBCP(事業継続計画)を推進し、いかなる時にも製品供給を持続できる体制を構築します。

 (d) 人材の育成・自動制御技術の普及

・グローバルな人事評価制度・表彰制度・教育研修制度を整備し、人材の育成と活用に努めます。

・奨学金や各種セミナーの開催等を通じて、自動制御技術の普及に努めるとともに、次世代を担う人材の育成に貢献します。

 

[ガバナンス]

取締役会の諮問機関として「サステナビリティ委員会」を設置し、サステナビリティ課題に関する取組の進捗状況等の監督機能を強化しています。サステナビリティ委員会は、独立社外取締役が全体の過半数となるよう構成すること、委員長は独立社外取締役である委員の互選により選定することを、内規により定めています。

執行側の組織としては、同委員会を補佐する管掌取締役を置き、サステナビリティに関する取組を統括する「SDGs事務局」及びグループ内外への情報発信を担当する「コーポレートコミュニケーション室」が、事務局機能を担っています。また、各事業部門の責任者が管下組織における取組を統括管理し、サステナビリティ委員会及び取締役会への報告を行う体制としています。

環境関連のデータ収集並びに再生可能エネルギーの利用促進など気候変動対策及び自然保護対策としての具体的施策の企画立案・実施を担当する部署として、「エコファクトリー推進室」を設置しています。

 

 

取締役会

 

 

 

サステナビリティ委員会

 

 

 

 

 

事務局

(管掌取締役)

SDGs事務局

 

コーポレート
コミュニケーション室

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

製造本部

 

生産技術本部

 

技術本部

 

営業本部

 

管理本部

 

 

 

 

エコファクトリー推進室

 

 

 

[リスクと影響の管理]

サステナビリティ委員会は、各事業部門及び事務局から報告を受けたサステナビリティに関するリスクについて、分析、評価、対応策の妥当性を検証し、必要に応じて取締役会に報告することとしています。

気候変動及び自然資本に関しては、エコファクトリー推進室が中心となり、SDGs事務局及び各事業部門と連携して、リスク・機会を幅広く抽出し、重要なリスク・機会の特定・評価を行い、それぞれのリスク・機会に対して対応策を検討しています。その結果は、サステナビリティ委員会及び取締役会に定期的に報告しています。

 

 

(2) 気候変動に関する取組

[戦略]

当社グループは、2022年6月に賛同表明したTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の考え方に基づき、IEAやIPCCなどの報告書やパリ協定をはじめとする国際動向を踏まえ、低炭素社会へ移行する1.5℃シナリオと、温暖化が進行する4℃シナリオを選択し、シナリオ分析を実施しました。

シナリオ分析の結果は、当社グループの方針決定に反映しています。

また、1.5℃シナリオ及び4℃シナリオの双方において、それぞれのリスク・機会に関する財務影響度及び対応策の観点から、当社グループの事業戦略はレジリエンスを有していると考えています。

今後も定期的にシナリオ分析を行い、リスク・機会を見直すとともに、対応策の着実な実行及び進捗状況のモニタリングを実施します。

 

<シナリオの概要>

 

概  要

参照した主な参考文献

1.5℃
シナリオ

2050年に温室効果ガス(GHG)排出量をネットゼロとするため、炭素税や排出量取引、リサイクル規制や地球温暖化防止規制など、脱炭素に向けた政策が強化される。

それに伴い、GHG排出量削減要請の高まり、低炭素技術の進展や低炭素製品の需要拡大が見込まれる。

なお、気温上昇が抑えられることから、物理的な影響は比較的大きくないことが想定される。

・IEA WEO NZEシナリオ、SDSシナリオ

・IPCC RCP1.9

・JEITA「注目分野に関する動向調査」

・世界経済フォーラム

「Winning in Green Markets: Scaling Products for a Net Zero World」

4℃
シナリオ

化石燃料への依存により経済が発展する中で、気候変動政策は十分に講じられず、脱炭素に関する技術はあまり進展しない。

一方で、気温上昇に伴い、洪水などの気象災害が激甚化し、物理的な被害の拡大が予想される。そのため、BCP対応や、熱中症・感染症等に備えるための工場設備の省人化・自動化の推進が想定される。

・IEA WEO STEPSシナリオ

・IPCC RCP8.5

・WRI Aqueduct Floods

・WRI Aqueduct Water Risk Atlas

・国土交通省 ハザードマップ

 

 

<定義>

 時 間 軸  短期:0~3年 中期:4~10年 長期:11~30年

 財務影響度  小:10億円未満 中:10~500億円未満 大:500億円以上

 

<1.5℃シナリオ>

分類

気候変動

ドライバー

想定

リスク

/機会

事業への影響

顕在

時期

2030年度

財務影響度

対応策

政策・

法規制

炭素税・
排出量取引
制度の導入

炭素排出の負担が発生する

リスク

サプライヤーの炭素排出負担転嫁による調達費用の増加

中~

長期

・小型・軽量製品の開発(材料使用量削減)

・切粉・端材のリサイクル

・グローバル調達の最適化

リスク

Scope1・2に炭素排出負担が生じることによる製造・営業費用の増加

中~

長期

・太陽光発電の導入

・再生可能エネルギー由来電力の主力電源化

・HFCを温暖化係数の低い洗浄液へ切替

・高効率設備の導入と設備更新

・省エネ生産工法の研究と量産導入

・温調機器に温暖化係数の低い冷媒を採用

機会

Scope1・2削減に伴う炭素排出負担減少による製造・営業費用の減少

中~

長期

市場

顧客の
低炭素意識の高まり

顧客から低炭素エネルギーの利用が要請される

リスク

Scope1・2削減施策の実行に伴う製造・営業費用の増加

中~

長期

顧客からカーボンフットプリント(CFP)等の詳しい情報開示を要請される

機会

CFP表示が義務付けられ、CFPの小さい製品が選定されることによる、当社製品の売上高の増加

中~

長期

・代表機種製造時のCO2排出量算定

・製品アセスメントの実施

・軽量・小型設計で製造時のCO2排出量削減

・工場電力を再エネ電力へ切替

・製造時CO2排出量算定対象製品の拡大

・省エネ・省エア・長寿命製品の開発拡大

 

 

分類

気候変動

ドライバー

想定

リスク

/機会

事業への影響

顕在

時期

2030年度

財務影響度

対応策

市場

顧客の
低炭素意識の高まり

低炭素製品を志向する顧客が増加する

機会

見える化に伴うセンサー類の需要増加による売上高の増加

中~

長期

・省エネ製品の開発

・生産/販売体制の強化

・製品バリエーションの充実

・無線化技術の拡充

機会

小型・軽量な空気圧機器の需要増加による売上高の増加

中~

長期

・製品バリエーションの充実

・小型・軽量製品の拡充

・生産/販売体制の強化

・省エネ・省エア製品の新規技術開発

・使用済み製品のリサイクルチェーン構築

動力が

電化に

移行する

機会

空気圧アクチュエータの市場の成長が鈍化する中での一定の売上高の増加

中~

長期

・省エネ・省エア製品の開発

・最適製品を選定できるプログラムの提供

・省エネ・省エア製品の市場普及活動

・省エネシステムの技術サポート

・カスタム製品の対応強化

リスク

空気圧アクチュエータ市場の成長率鈍化による売上高の逸失

中~

長期

機会

電動アクチュエータの市場が拡大することによる売上高の増加

中~

長期

・電動アクチュエータのバリエーションの充実

・省エネ製品の開発

・生産/販売体制の強化

・修理・リサイクル体制の構築

素材の
価格上昇

低炭素社会移行に伴いアルミニウムの価格が上昇する

リスク

主要な原材料であるアルミニウムの価格上昇による調達費用の増加

中~

長期

・小型・軽量製品の開発によるアルミ使用量の削減

・樹脂材料への材質転化

・リサイクルチェーンの構築

・グローバル調達の最適化

低炭素社会移行に伴い銅合金・鋼材の価格が上昇する

リスク

主要な原材料である銅合金・鋼材の価格上昇による調達費用の増加

中~

長期

・小型・軽量製品の開発による銅合金・鋼材使用量の削減

・樹脂材料への材質転化

・リサイクルチェーンの構築

・グローバル調達の最適化

再生樹脂・ゴム材料価格が上昇する

リスク

主要な原材料である樹脂・ゴム材料の価格上昇による調達費用の増加

中~

長期

・小型製品の開発による材料使用量の削減

・ランナーレス金型構造の研究

・リサイクル原料の活用検討

・グローバル調達の最適化

小売電力
価格の上昇

電力会社が脱炭素エネルギーに基づく発電に移行することにより、小売電力価格が上昇する

リスク

サプライヤーの電気代価格転嫁による調達費用の増加

中~

長期

・連結Scope3排出量の算定

・省エネ生産工法の研究(プレス化、樹脂化など)

・省エネ生産工法の設計採用

・最適なグローバル生産拠点の検討

リスク

自社の電気代上昇による製造費用の増加

中~

長期

・太陽光発電の導入

・省エネ設備の導入

・高効率生産設備への更新

機会

省エネ・省エア製品の需要増による売上高の増加

中~

長期

・省エネ・省エア製品の開発

・最適製品を選定できるプログラムの開発と提供

・省エネ・省エア製品のバリエーション拡充と拡販

・省エネ・省エア製品の生産/販売体制強化

・省エネシステムの技術サポート

小売電力
価格の下落

再生可能エネルギーが汎用化して小売電力価格が下落する

機会

自社の電気代下落による製造費用の減少

中~

長期

・再生可能エネルギー由来電力の主力電源化

・燃焼・空調設備の電化

機会

電気をエネルギー源とする製品の売上高の増加

中~

長期

・LCA関連団体(LCA日本フォーラム)への参加

・生産/販売体制の強化

・製品シリーズとバリエーションの拡充

・カスタム製品の対応強化

 

 

 

<4℃シナリオ>

分類

気候変動

ドライバー

想定

リスク

/機会

事業への影響

顕在

時期

2030年度

財務影響度

対応策

物理

(急性)

気象災害
(洪水・大雨・台風等)の激甚化

気象災害に被災する

リスク

サプライヤーの気象災害被災に伴う納入遅延による損失

短~

長期

・複数購買の推進

・定期的な在庫保有日数の確認

・定期的な洪水・高潮リスクの把握

・新規サプライヤー選定時の洪水リスクの把握

リスク

自社の気象災害被災による棚卸資産・固定資産の災害損失

短~

長期

・生産/物流拠点の分散化

・事前の対策及び被災時のBCPの策定

・BCP対応予算の拡充

・損害保険契約

・在庫保管場所の見直し

・生産拠点の新設・移転時の気象災害リスクの評価

・洪水の影響を受けやすい拠点における洪水発生時の備えの検討

リスク

自社の気象災害被災に伴う操業停止による損失

短~

長期

物理

(慢性)

降雨
パターンの
変化

降雨の季節的な変動により、水不足が生じる

リスク

渇水による水不足に伴う操業停止による損失

短~

長期

・生産/物流拠点の分散化

・事前の対策及び被災時のBCPの策定

・BCP対応予算の拡充

・特に水不足のリスクが高い拠点における対策の実施や水不足発生時の備えの検討

・水使用量の削減

・水の再利用・循環の検討

 

 

[指標及び目標]

当社グループは、気候関連リスク及び機会を測定・管理するための指標として、国際的な基準である「GHGプロトコル」に基づくScope1、Scope2及びScope3(*1)のCO2排出量について、グループ全体(*2)を網羅するデータを集計し、将来の売上・生産規模の拡大も想定したうえで、具体的な施策を積み上げて、GHG排出の絶対量を削減する中長期目標を策定しています。なお、これらデータの正確性及び信頼性については、LRQAリミテッド及びBSIグループジャパンによる第三者検証(*3)を受けています。

また2030年度までのCO2排出量削減の短期目標(*4)に加えて、Scope1及び2については2040年度までにネットゼロ、Scope3については2050年度までにネットゼロを達成する長期目標について、SBTi(*5)による認定を取得しています。

なお当社は、国際的に権威あるESG評価機関であるCDP(Carbon Disclosure Project)から、2025年度において「気候変動」「水セキュリティ」の両分野で最高ランクの「A」評価を獲得しました。

*1 Scope1: 自社の燃料消費によるCO2排出量

   Scope2: 他社から供給されたエネルギーの消費によるCO2排出量

   Scope3: 原材料の購入、製品の配送、お客様が当社製品を使用した際のエネルギー消費など、事業活動に

       関わる間接排出

*2 連結外部売上高の95%以上を構成する当社及び全連結子会社69社の計70社(当期よりこれまで連結対象から除外していた小規模な子会社27社を連結対象とし、基準年2021年度まで遡及計算を実施)

*3 2021年度~2023年度、2025年度はLRQAリミテッド、2024年度はBSIグループジャパンによる第三者検証

*4 2021年度を基準年として、SBTi(*5)による1.5℃シナリオの要求を満たす削減目標

*5 SBTi(Science Based Targets Initiative)は、企業が2050年までの実質的なGHG排出量ゼロ(ネットゼロ)達

   成に向けた目標を設定するための科学的な基準やガイダンスを提供する国際機関

 

 

<当社グループのGHG排出量の推移(Scope1+Scope2)>


 

 

<当社グループのGHG削減計画(Scope1+Scope2)>


 

 

<当社グループのGHG削減計画(Scope3)>


 

<温室効果ガス(GHG)排出量>

(単位:t-CO2)

 

2021年度

2022年度

2023年度

2024年度

2025年度

Scope1

63,956

64,552

54,533

43,791

46,631

Scope2 (マーケット基準)

139,333

120,528

87,422

81,007

116,721

Scope1,2 合計

203,289

185,080

141,955

124,798

163,352

Scope3

12,579,300

12,435,038

11,683,394

11,705,871

11,720,306

Scope1,2,3 合計

12,782,589

12,620,118

11,825,349

11,830,669

11,883,658

 

 

<Scope3 カテゴリー別排出量>

(単位:千t-CO2)

 

カテゴリー

2021年度

2022年度

2023年度

2024年度

2025年度

購入した製品・サービス

1,435

1,871

1,532

1,192

1,126

資本財

297

293

375

383

516

Scope1,2に含まれない燃料及び
エネルギー関連活動

27

29

28

26

23

輸送、配送(上流)

211

271

181

172

109

事業から出る廃棄物

7

6

5

5

4

出張

2

2

2

2

2

雇用者の通勤

10

10

10

10

11

リース資産(上流)

0

0

0

0

0

輸送、配送(下流)

4

6

4

4

2

10

販売した製品の加工

0

0

0

0

0

11

販売した製品の使用

10,527

9,883

9,478

9,848

9,878

12

販売した製品の廃棄

14

14

21

20

20

13

リース資産(下流)

0

0

0

0

0

14

フランチャイズ

0

0

0

0

0

15

投資

46

51

46

44

28

合計

12,579

12,435

11,683

11,706

11,720

 

 

 

(3) 自然資本に関する取組

[戦略]

当社グループは、TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)が提唱する評価手法であるLEAPアプローチに基づき、直接操業及び主要なバリューチェーン上流のアルミニウム、鉄鋼、銅の鉱山における自然への依存と影響及び優先地域を把握するとともに、自然に関するリスクと機会を評価し、対応策の検討を行いました。

 

① 分析対象範囲の設定(Scopingフェーズ)

直接操業に当たる当社グループの自動制御機器事業を分析対象とするとともに、主要なバリューチェーンの段階については、UNEP(国連環境計画)が開発したスクリーニングツールであるENCOREを用いて検討を行った結果、自然資本への影響度及び依存度が最も高いと想定される活動として、バリューチェーン上流の鉱物採掘を特定しました。SBTN(Science Based Targets Network)のHigh Impact Commodity List(自然への影響が大きいとされる原材料リスト)に基づき、当社グループが調達している鉱物のうち、アルミニウム、鉄鋼、銅を分析対象に設定しました。

 

② 自然との接点の特定(Locateフェーズ)

当社グループの事業活動と自然との接点を把握するため、直接操業の工場・物流拠点及びバリューチェーン上流のアルミニウム、鉄鋼、銅の鉱山を対象に、優先地域を特定しました。優先地域は、要注意地域とマテリアルな地域から構成されており、各地域の判断基準を設けて特定を実施しています。

また、優先地域として特定された拠点については、Global Ecosystem TypologyやEcoregions of the Worldのデータベースによってバイオーム(生物群系)及びエコリージョン情報を調査し、自然資本への依存と影響の把握に活用しました。なお、アルミニウム、鉄鋼、銅に関する鉱山の場所は、統計情報等の二次データに基づいています。

(a) 優先地域のイメージ

 

(b) 要注意地域の区分及び参照データベース

区分

参照データベース

生物多様性にとって重要な地域

・IBAT

・Global Forest Watch

生態系の完全性が高い地域

・Global Forest Watch

生態系の完全性が急速に低下している地域

・GLOBIO

物理的な水リスクが高い地域

・Aqueduct Water Risk Atlas

先住民族、地域コミュニティ等への便益を含む生態系サービスの提供にとって重要な地域

・Global Forest Watch

・Critical Natural Asset Layers

 

 

 

(c) マテリアルな地域の判断に用いた指標

影響/依存

サブカテゴリ1

サブカテゴリ2

指標

影響

気候変動

GHG排出量

Scope1,2排出量

汚染/汚染除去

GHG以外の大気汚染物質

SOx排出量

NOx排出量

ばいじん濃度

水質汚染

BOD濃度

廃棄物

廃棄物焼却・埋立処分量

資源使用/資源補充

水の使用

水リスク地域での取水

依存

供給

水の供給

取水量

 

 

③ 依存と影響の把握(Evaluateフェーズ)

事業活動における自然関連のリスク及び機会を識別するためには、自然への依存と影響を明らかにする必要があります。

当社グループは、直接操業である機械製造及びバリューチェーン上流の鉱物採掘に関するレポートや論文等に基づき、インパクト要因、環境資産及び生態系サービスを特定し、依存と影響の関連図を次のように整理しました。

 

<自然資本への依存と影響の関連図>

 


 

 

④ リスクと機会の評価(Assessフェーズ)及び対応策の検討(Prepareフェーズ)

 自然資本への依存と影響の関連図や自然資本シナリオ分析をもとに、自然に関するリスクと機会の評価を行いました。自然資本シナリオ分析では、気候変動シナリオ分析における1.5℃シナリオに整合する自然保全シナリオ及び4℃シナリオに整合する自然劣化シナリオを設定しました。また、重要な自然関連のリスク及び機会に対する対応策の検討に当たっては、気候変動のリスク及び機会に対する対応策と関連付けて検討を行っています。

 

<自然資本シナリオの概要>

区分

概  要

参照した主な参考文献

自然保全シナリオ

(1.5℃シナリオ

と整合)

自然保全に対して積極的な姿勢をとるという国際的な合意のもと自然関連政策が強化され、大気・水質汚染などの環境負荷は低減し、自然の保全が進みます。また、消費者の意識が自然の持続可能性を優先するように変化します。

・SSP1

・TNFDシナリオ#1 Ahead of the game

・PRI FPS+Nature

自然劣化シナリオ

(4℃シナリオ

と整合)

自然保全に対する国際的な合意が得られず、自然関連政策が十分でないことから、自然の劣化が進みます。また、環境保護に対する消費者の意識は低く、資源の大量消費が継続します。

・SSP3

・TNFDシナリオ#3 Sand in the gears

 

 

<定義>

 時間軸 短期:0~3年 中期:4~10年 長期:11~30年

 

<自然保全シナリオ>

分類

自然資本

ドライバー

想定

発生段階

リスク

/機会

事業への影響

顕在

時期

対応策

政策・

法規制

取水、環境負荷を含む自然保全政策の導入・厳格化

バリューチェーンの上流にある鉱山において、自然保全政策が厳格化される

バリューチェーンの上流

リスク

サプライヤーからの新地金の供給が不安定となり、新地金価格が上昇することによる調達費用の増加

中~

長期

・小型・軽量製品の開発によるアルミ・銅合金・鋼材使用量の削減

・樹脂材料への材質転換

・リサイクルチェーンの構築

 (リサイクルアルミ・銅合金・鋼材使用割合の拡大を含む)

・グローバル調達の最適化

・調達ガイドラインの遵守

 (自然関連の対応策)

当社の生産工場における取水が制限される

直接操業

リスク

取水制限に伴う操業停止による損失

中~

長期

・生産/物流拠点の分散化

・事前の対策及び被災時のBCPの策定

・BCP対応予算の拡充

・特に水不足のリスクが高い拠点における対策の実施や水不足発生時の備えの検討

・水使用量の削減

・水の再利用・循環の検討

 (例:雨水利用、循環システム)

市場

顧客の自然保全意識の高まり

顧客の意識が自然保全を優先するように変化する

バリューチェーンの上流

リスク

新地金利用製品の需要減少による売上高の減少

中~

長期

・リサイクルチェーンの構築

・切粉・端材のリサイクル

・グローバル調達の最適化

機会

リサイクル材利用製品の需要増加による売上高の増加

中~

長期

直接操業

機会

資源の使用量が少ない小型・軽量機器の需要増加による売上高の増加

中~

長期

・製品バリエーションの充実

・小型・軽量製品の拡充

・リサイクルアルミ・銅合金・鋼材使用割合の拡大

・生産/販売体制の強化

・バイオマスなど新材料の使用

技術

天然資源をあまり使用しない製品に関する開発の進展

鉱物の使用量が少ない製品の開発が促進される

バリューチェーンの上流/直接操業

リスク

鉱物の資源効率化や代替材の開発を目的とした鉱物の省資源技術に関する研究開発費の増加

中~

長期

・小型・軽量製品の開発(材料使用量削減)

・リサイクルアルミ・銅合金・鋼材使用割合の拡大

・切粉・端材のリサイクル

・樹脂材料への材質転換

・バイオマスなど新材料の使用

機会

鉱物の省資源化による調達費用の減少

中~

長期

 

 

 

<自然劣化シナリオ>

分類

自然資本

ドライバー

想定

発生段階

リスク

/機会

事業への影響

顕在

時期

対応策

物理

(急性)

自然劣化による気象災害(洪水・大雨・台風等)の激甚化

気象災害に被災する

バリューチェーンの上流

リスク

サプライヤーの気象災害被災に伴う納入遅延による損失

短~

長期

・複数購買の推進

・定期的な在庫保有日数の確認

・定期的な洪水・高潮リスクの把握

・新規サプライヤー選定時の洪水リスクの把握

直接操業

リスク

自社の気象災害被災による棚卸資産・固定資産の災害損失

短~

長期

・生産/物流拠点の分散化

・事前の対策及び被災時のBCPの策定

・BCP対応予算の拡充

・損害保険契約

・在庫保管場所の見直し

・生産拠点の新設・移転時の気象災害リスクの評価

・洪水の影響を受けやすい拠点における洪水発生時の備えの検討

リスク

自社の気象災害被災に伴う操業停止による損失

短~

長期

物理

(慢性)

自然劣化による降雨パターンの変化

降雨の季節的な変動により、水不足が生じる

直接操業

リスク

渇水による水不足に伴う操業停止による損失

短~

長期

・生産/物流拠点の分散化

・事前の対策及び被災時のBCPの策定

・BCP対応予算の拡充

・特に水不足のリスクが高い拠点における対策の実施や水不足発生時の備えの検討

・水使用量の削減

・水の再利用・循環の検討

 (例:雨水利用、循環システム)

 

 

[指標及び目標]

<自然関連の依存と影響>

自然の
変化の要因

指標

測定指標

単位

2021年度

2022年度

2023年度

2024年度

2025年度

気候変動

GHG排出量

Scope1

t-CO2

63,956

64,552

54,533

43,791

46,631

Scope2
(マーケット基準)

t-CO2

139,333

120,528

87,422

81,007

116,721

Scope3

t-CO2

12,579,300

12,435,038

11,683,394

11,705,871

11,720,306

汚染/
汚染除去

土壌に放出された汚染物質の種類別総量

t

0

0

0

0

0

GHG以外の
大気汚染
物質総量

SOx

t

0.5

0.4

0.6

0.4

0.4

NOx

t

57.8

61.8

49.1

46.7

59.9

ばいじん (注)1

t

 

 

0.5

0.4

0.5

排水

排水量 (注)2

 

1,715,449

1,631,980

1,811,519

1,740,481

BOD (注)1

t

 

 

7.3

7.1

19.2

廃棄物の発生と
処理

廃棄物発生量

t

22,987

34,240

21,501

19,923

19,197

資源の
使用/補充

水不足地域からの取水量と消費量

取水量 (注)3

 

32,862

36,082

36,369

36,795

 

(注)1 集計範囲はSMC単体です。

  2 取水量=排水量と推計しています。

3 水不足地域に位置する拠点として特定した、SMC Corporation (India) Pvt.Ltd.の取水量を記載しています。

 

 

(4) 人的資本に関する取組

[戦略]

① 経営戦略と人材戦略の連動

当社グループは、自動制御機器の総合メーカーとして、顧客の自動化・省力化・省エネルギー化に貢献することを通じて、中長期的な企業価値の向上を目指しています。

売上成長及びシェア拡大の実現に向けて、成長分野及び重点地域における販売体制の強化を進めるとともに、グローバル市場を網羅的にカバーする営業力と顧客提案力を競争優位の源泉と位置付けています。したがって、営業人材の量的・質的強化は、経営戦略達成のための中核的な人的資本課題です。

また、顧客要望に迅速に対応する製品開発と技術対応力の向上を成長戦略上の重要課題と認識しています。これらを踏まえ、研究開発人材及び技術人材の強化は、将来の競争力を左右する重要な人的資本投資です。

さらに、グローバルに安定した製品供給責任を果たすため、BCP・供給体制の高度化に加え、製造・物流・調達を含む供給体制の強化を進めています。これらの施策を支える製造・サプライチェーン人材の確保、育成及び技能継承は、供給責任を果たすうえで重要です。

加えて、グローバル経営の進展に伴い、多様な地域・文化・価値観を踏まえて組織運営を担うマネジメント人材の重要性が高まっていると認識しています。こうしたグローバルマネジメント人材の育成・登用は、当社グループの一体的な事業運営を支える重要課題です。

これらの経営課題の実現に当たっては、必要な人材の採用・育成・配置・処遇及び働く環境整備が不可欠であると認識しており、人材戦略を経営戦略と一体のものとして推進しています。また、人的資本投資を通じた生産性向上を重要な経営課題としています。

当社グループは、「One SMC」として「グローバル連携による競争力強化」を重点人事方針として位置付けています。ダイバーシティの取組を推進し、グローバルで一貫性をもって機能する人事基盤及び事業活動を支える体制を構築する必要があると考えています。成長領域を担う人材の確保・育成と、人材が能力を十分に発揮できる職場環境の整備に取り組んでいきます。

 

② あるべき人材像

当社グループは、経営戦略の実現に必要な人材像として、主に次の4類型を認識しています。

1.顧客ニーズを的確に捉えた提案活動及び新市場・新業種への展開を担う営業人材

2.顧客要望に迅速に対応し、グローバル拠点との連携を通じて製品開発及び技術対応を担う研究開発人材

3.グローバルな安定供給責任、品質確保、BCP、合理化及び生産性向上を支える製造・サプライチェーン人材

4.多様な拠点・人材を束ね、地域ごとの実情を踏まえた事業運営を担うグローバルマネジメント人材

当社は、経営戦略とあるべき人材像が連動した人材マネジメントを実現するため、従来の「人」を基軸とした考え方を土台としつつ、「ジョブ(役割・仕事)」を基軸としたジョブ型人事制度を2026年度から段階的に導入します。ジョブ型人事制度の導入を通じ、各組織・各職務における役割・責任及び期待水準を明確化し、各ジョブに求められるスキル、知識、経験、キャリアパス及び継続的に求められる貢献内容を整理していく方針です。

今後、ジョブタイトル及びジョブディスクリプションを設定し、これらを昇格要件や育成方針を検討する際の基礎として活用します。これにより、経営戦略上重要な人材像と必要な専門性を一層明確化し、人材の配置・育成・評価の精度向上を図っていきます。

 

③ 人的資本に関するリスク及び機会

当社グループは、人的資本に関する主要課題として、経営戦略の実現が上記人材の確保・育成・活躍に依存している一方、当該人材の確保・活躍は、採用、育成、配置、処遇、健康・安全、働く環境、多様性推進等の人的資本投資の内容に影響を受けると認識しています。このため、経営戦略と人材戦略を一体のものとして策定し、人的資本関連のリスク及び機会を識別したうえで、重点投資領域を定めています。

これらの課題に適切に対応できない場合には、人的資本関連のリスクとして、必要人材の確保・育成の遅れによる営業機会の逸失、開発スピードの低下、製品供給責任への影響、人材定着率の低下、生産性・創造性の低下等につながる可能性があると認識しています。

他方で、人的資本投資の充実は、シェア拡大、生産性向上、開発力強化、供給体制強化、顧客提供価値の向上及び企業価値向上の機会につながるものと考えています。

 

④ 人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針(人的資本投資の重点施策)

(a) 営業人材の強化

当社グループは、顧客提案力の向上、成長分野・重点地域でのシェア拡大、エンドユーザーへの直接営業強化及び業種多角化の推進を目的として、営業人材の増強と育成を重点施策としています。今後3年間でグローバル2,000名規模の増員を目指しており、外勤営業人員は2025年実績5,580人から2028年計画6,730人へと拡大する計画です。

また、新規採用した営業人材の即戦力化と提案品質の向上を図るため、「セールスアカデミー」をグローバル展開し、業種別・顧客別の提案力向上を図っています。これにより、顧客課題に応じた営業対応の高度化を進め、売上成長とシェア拡大の実現につなげていきます。

(b) 研究開発・技術人材の強化

当社グループは、顧客要望に迅速に応える製品開発力の向上を図るため、研究開発人材の強化を重点施策としています。Japan Technical Centerをグローバルフラグシップの研究開発拠点として位置付け、最新の研究開発設備とオープンイノベーションを促す交流機能を備えた環境で、世界中の技術者が協働できる環境を整備することで、新たな技術・製品の創出と開発期間短縮を目指しています。

また、世界5か国に研究開発拠点を配置し、グローバルな研究開発ネットワークを構築しています。開発部門の重点施策として、売上増加に直結する開発テーマへの選択と集中、重要テーマへの横断的リソース投入、海外テクニカルセンターとの協業推進、製品のコストダウン及びグローバルでの優秀人材の拡充を掲げています。当社グループは、研究開発人材の採用・育成・配置を通じて、開発スピードの向上と技術競争力の強化を図っていきます。

(c) 製造・サプライチェーン人材の強化

当社グループは、グローバルな供給責任を果たすため、製造・物流・調達を支える人材基盤の強化を進めています。あわせて、グローバル最適生産体制の確立、合理化・コストダウンの加速、サステナブルでレジリエンスのある供給体制の構築、BCP体制の進化、遠野サプライヤーパークを通じてサプライヤーと共に成長する一貫生産体制、製造DX、生産合理化及び供給責任の強化を進めています。

当社は、技能継承、現場力の強化、生産性向上及び供給責任の徹底の観点から、製造・サプライチェーン人材の育成と配置最適化を推進していきます。

(d) グローバル人材交流及びマネジメント基盤の強化

当社グループは、グローバル企業として相応しい人材交流の場とマネジメント基盤の構築を進めています。新本社をグローバルビジネスのハブとして位置付け、海外グループ会社から選抜された若手社員が勤務する環境を通じて、日本人社員が多様な価値観に触れる人材交流の場を整備しています。

また、海外グループ会社の社長の多くを現地出身者が担っており、当社は、こうしたグローバル人材交流を通じて、各地域における自律的な経営とグループ全体の一体的な事業運営を両立させ、マネジメント基盤の強化を図っていきます。

(e) ジョブ型人事制度への段階的移行

当社は、経営戦略と連動した人材マネジメントを実現するため、2026年度より、従来の「人」を基軸とした考え方を土台としつつ、「ジョブ(役割・仕事)を基軸」とした視点を取り入れるジョブ型人事制度への段階的移行を進めています。

組織及び職務における役割・責任及び期待水準の明確化、個々の能力や専門性の一層の発揮、戦略に基づく人材配置及び育成、組織全体の生産性及び競争力向上を目的としています。今後、ジョブタイトル及びジョブディスクリプションの設定、ジョブに応じた制度設計、年齢や在籍年数に過度に依存しない考え方への見直し、ジョブに応じた評価・報酬・育成の明確化、高度な専門性を発揮するスペシャリスト区分の新設、ジョブポスティング制度、選抜型ジョブローテーション、社内留学制度等の成長機会拡大を検討しています。

これらは、社員一人ひとりが主体的にキャリアを考え、成長できる環境づくりを進めるとともに、経営戦略と整合的な人材マネジメントの基盤強化につながるものと考えています。

 

⑤ 社内環境整備に関する方針

(a) 健康・安全・働く環境の整備

当社は、従業員の健康、安全及び働く環境の整備が、生産性、創造性、定着率、品質及び供給責任の履行に直結する重要な経営基盤であると認識しています。多様な人材が誇りと幸福感を持って働き、それぞれの能力を十分に発揮できる社内環境を整備することが、優秀な人材の獲得・定着、生産性・創造性の向上、ひいては企業価値向上につながると考えています。

新本社については、グローバルビジネスのハブとして、快適な執務環境を整備するとともに、全世界のグループ会社やお客様、お取引先様とのコミュニケーションを促進する人材交流の場として活用しています。Japan Technical Centerについては、研究開発の生産性向上とイノベーション創出を目的としつつ、「スマートウェルネスオフィス」をコンセプトとした健康増進とストレス低減にも配慮した研究開発環境を整備しています。

快適で生産性の高い執務環境、グローバルな人材交流機会、安全で安心して働ける職場環境を整備することで、優秀な人材の獲得・定着及び従業員の働きがいの向上につなげていきます。こうした取組は、単なる福利厚生にとどまらず、企業価値向上に資する人的資本投資であると考えています。

(b) 多様性推進及び女性活躍

当社は、多様な視点を意思決定及び事業運営に取り込むことが、顧客理解の深化、採用競争力の向上、将来の管理職候補層の拡充及び組織の持続的成長につながると認識しており、多様性推進及び女性活躍を重要な人材戦略の一つとして位置付けています。女性管理職比率、男性の育児休業取得率といった指標を起点として、今後は採用、配置、育成、両立支援及び職場環境整備を通じて、女性人材を含む多様な人材の活躍基盤を強化していきます。

 

[指標及び目標]

「(4) 人的資本に関する取組 [戦略]」については、当社グループとしての人材戦略を記載していますが、以下の「[指標及び目標]」については、グループ各社の所在国が50以上に及び、各国の法制、労働慣行、就労形態の違いから、共通のデータ管理が非常に難しいこと、共通の目標設定およびその達成に向けた取組をグループ全社が行っている訳ではないことから、提出会社である当社における目標及び実績を記載しています。

当社は、人材戦略の進捗及び効果を把握するため、法令に基づく指標に加え、経営戦略との連動性を踏まえた指標を継続的に管理していきます。今後は、法定開示指標に加え、人材の多様性の確保を含む人材育成及び社内環境整備に関する取組の進捗を示す指標について、重要性及びデータ精度を踏まえながら、開示の充実を図っていきます。

なお当社は、厚生労働大臣から「くるみん認定」(2025年度基準)を受けました。「くるみん認定」は、次世代育成支援対策推進法に基づく行動計画を策定し、それを達成するなど一定の基準を満たした企業を「子育てサポート企業」として認定する制度です。当社は今後とも、従業員の仕事と子育ての両立を支援する施策の充実に取り組みます。

 

① 女性の活躍推進

当社は、女性がキャリア形成を継続しながら能力を十分に発揮し、将来的に管理職や経営の意思決定に関わる役割を担うことができる環境整備が重要であると考えています。このため、当社は、女性採用比率の向上に向けた積極的な採用活動を進めるとともに、出産や育児のための休暇・休業から復帰する際には、原則として休業前と同一の職場に復職できるよう配慮し、円滑な職場復帰を支援しています。

また、仕事と家庭・育児等との両立を支えるため、短時間勤務制度や時差出勤制度等を整備し、継続的に働きやすい職場環境づくりに取り組んでいます。さらに、将来的に組織管理や経営の意思決定に携わる女性社員を増やしていくためには、中長期の視点でキャリア意識を醸成し、管理職候補者の育成を進めることが重要であると考え、各人の特性や能力を活かせる環境整備に加え、管理職養成に関わる研修等を実施しています。

加えて、教育機関が実施する女性の理系進学を推進する活動に2024年度から参画しており、将来の女性エンジニア人材の育成につながる取組も進めています。当社は、こうした採用、定着、育成及び登用を一体的に推進することにより、女性を含む多様な人材の活躍基盤を強化し、持続的な成長を支える人的資本の充実を図っていきます。

 

<当社における育児休業取得者の復職率>

 

2021年度

2022年度

2023年度

2024年度

2025年度

育児休業取得者の復職率

100.0%

99.0%

100.0%

100.0%

97.1%

 

   (注) 期間中に復職した者の数/期間中に休職を終了した者の数(退職者を含む)で算出しました。

 

<当社における大学新卒採用状況>

 

2021年度

2022年度

2023年度

2024年度

2025年度

女性の

応募比率

技術職

3.9%

7.2%

2.1%

3.1%

3.9%

営業職・企画業務職

32.5%

31.3%

27.3%

21.7%

22.4%

女性の

採用比率

技術職

2.3%

5.0%

2.4%

4.5%

1.4%

(5年平均)

(1.1%)

(2.5%)

(2.8%)

(3.4%)

(3.0%)

営業職・企画業務職

36.0%

39.1%

15.2%

20.0%

11.1%

(5年平均)

(20.4%)

(28.9%)

(27.2%)

(26.7%)

(23.4%)

 

 

<当社における女性管理職比率>

 

2021年度

2022年度

2023年度

2024年度

2025年度

管理職層における女性比率

1.8%

1.7%

1.8%

1.8%

1.5%

 

 

 

2021年度

2022年度

2023年度

2024年度

2025年度

ラインの長における女性比率

2.6%

2.4%

2.9%

3.6%

2.9%

 

 

<当社における全労働者の年次有給休暇の取得率・1当たりの平均取得日数>

 

2021年度

2022年度

2023年度

2024年度

2025年度

男性

年次有給休暇の取得率

71.0%

75.9%

77.3%

78.1%

79.3%

1人当たりの平均取得日数

13.2日

13.7日

14.1日

14.1日

14.2日

女性

年次有給休暇の取得率

89.4%

95.3%

94.8%

91.5%

91.6%

1人当たりの平均取得日数

16.1日

17.0日

17.2日

16.4日

16.4日

全社

年次有給休暇の取得率

78.5%

83.7%

84.3%

83.4%

84.1%

1人当たりの平均取得日数

14.4日

15.0日

15.3日

15.0日

15.1日

 

 

<女性活躍推進法に基づく行動計画> 計画期間 2023年1月1日から2026年3月31日まで

数値目標

(1) 技術職の新卒女性採用比率を5年平均で10%とする。

(2) 営業職・企画業務職の新卒女性採用比率を5年平均で35%とする。

(3) 社員1人当たりの年次有給休暇の取得率を80%以上とする。

 

 

② 男性の育児休業取得

当社は、多様な人材が継続的に能力を発揮できる職場環境の整備が、人材の定着、働きがいの向上及び中長期的な企業価値向上につながるものと認識しており、仕事と家庭を両立しながら活躍できる職場環境の整備を進めています。数値目標として、2025年度に男性の育児休業取得率を50%とすることを掲げ、男性の育児休業取得状況の公表、社内報等における取得者の声の紹介、並びに管理職研修を通じた制度の周知徹底に取り組んできました。

これらの取組の結果、2025年の男性の育児休業取得率は78.3%、平均取得日数は43.8日となり、数値目標を達成しました。当社は、こうした取組が、育児への理解を深め、育児を応援する職場風土の醸成につながっていると認識しています。

今後も、男性従業員の育児参加を一層促進し、多様な人材が安心して働き続けられる環境整備を進めることで、組織の持続的成長を支える人的基盤の強化を図っていきます。

 

<当社における男性従業員の育児休業取得率・育児休業平均取得日数>

 

2021年度

2022年度

2023年度

2024年度

2025年度

男性従業員

育児休業取得率

11.0%

21.9%

43.1%

57.9%

78.3%

育児休業平均取得日数

51.1日

38.2日

24.3日

27.2日

43.8日

 

(注) 育児休業平均取得日数に、配偶者の出産時の育児を目的とした特別有給休暇の取得日数及び会社休日は含めていません。

 

<男性の育児休業取得の数値目標と施策>

数値目標

男性の育児休業取得率を2030年度に85%とする。

施  策

男性の育児休業取得状況を公表し、社内報等で取得者の声を紹介する。

管理職研修において周知徹底する。

 

 

③ 男女間の賃金差異

<男女間の賃金差異(男性を100とした場合の女性の値を表した指数)>

 

2022年度

2023年度

2024年度

2025年度

全労働者

48.5

50.8

53.0

55.8

正規雇用労働者

60.6

62.9

66.2

69.2

パート・有期労働者

89.0

87.6

89.2

90.0

 

 

<当社における労働者の職層別の男女間の賃金差異、従業員比率、平均勤続年数>

 

男女間賃金差異
(男性を100とした
場合の女性の値を
表した指数)

従業員比率

平均勤続年数

男性

女性

男性

女性

正規

管理職層

100.7

98.5%

1.5%

30.2年

28.1年

技術職・営業職・企画業務職

87.5

94.8%

5.2%

14.5年

11.9年

技能職・技能工職

73.5

97.9%

2.1%

18.2年

7.8年

製造職・一般事務職

123.2

0.6%

99.4%

15.5年

20.7年

非正規

パート・有期労働者

90.0

35.8%

64.2%

10.4年

10.7年

 

 

当社の賃金制度は、同一労働同一賃金の考え方に則り、同一の職群(職層や職階のカテゴリー)には同一の賃金テーブルを適用しており、性別による賃金上の取扱いの差は設けていません。このため、男女間の賃金差異は、賃金制度そのものに起因するものではなく、主として勤続年数及び職層・職種ごとの人員構成の違いによるものと分析しています。

(a) 男女間の平均勤続年数の差

従来、女性は結婚、出産、育児、介護等を理由として退職するケースが相対的に多く、当社においても女性の平均勤続年数が男性に比べて短い傾向にあります。加えて、技術職、営業職、技能職及び技能工職の分野では、過去に女性採用者数が少なかった一方、近年は新卒採用における女性比率が上昇し、若手層に女性社員が増加していることから、女性全体の平均勤続年数が相対的に短くなっています。

(b) 男女間の従業員比率の差

当社では、相対的に賃金水準が高い職層、特に管理職層、技術職、営業職及び企画業務職において、女性比率が低い状況にあります。その結果、賃金制度上は性別による差を設けていないものの、職層別・職種別の構成差が男女間の賃金差異として表れています。

当社は、こうした状況を踏まえ、女性採用比率の向上、キャリア形成支援、管理職候補者育成、両立支援制度の充実等を通じて、女性を含む多様な人材が継続的に能力を発揮できる環境整備を進めており、中長期的に男女間賃金差異の改善を図っていきます。

 

④ シニア世代の活躍促進

当社は、豊富な経験や専門的知見を有するシニア世代の活躍が、事業の継続性向上及び組織能力の強化につながると認識しており、シニア世代が自身のスキルや経験を活かしながら意欲を持って活躍できる環境の整備に取り組んでいます。

この一環として、2024年度より、シニア世代の従業員が自らのスキルや経験を活かし、事業の発展への貢献が期待されるチャレンジングなテーマに取り組むことができる仕組みを導入しています。

また、当社は、シニア世代の多様な知見を事業の発展に活かすとともに、ノウハウや技術の伝承を通じて後進の育成にも取り組んでいます。こうした取組を通じて、組織としての知の蓄積と継承を図るとともに、組織全体の持続的な成長を支える人的基盤の強化につなげていきます。

 

 

⑤ 人材の多様性確保

当社は、グローバル化の進展への対応並びに専門的知見・経験を有する人材の獲得を目的として、外国人及び中途採用者の積極的な活用を推進しています。多様なバックグラウンドや価値観を有する人材を組織に取り込むことは、事業環境の変化への対応力向上に加え、組織の活性化や新たな発想の創出にも資するものと認識しています。

このため、外国人や中途採用者の採用・活用を通じて、専門性の強化及びグローバルな事業運営に対応できる人材基盤の充実を図るとともに、従業員全体の意識改革、組織の活性化及び価値創出の促進にもつなげていきます。

 

<当社における正規雇用労働者に占める女性・外国人・中途採用者の比率>

 

2021年度

2022年度

2023年度

2024年度

2025年度

女   性

28.3%

28.2%

27.7%

27.5%

27.5%

外 国 人

0.4%

0.5%

0.8%

0.7%

0.8%

中途採用者

15.7%

13.8%

16.7%

16.0%

15.5%

 

 

<当社における管理職に占める女性・外国人・中途採用者の比率>

 

2021年度

2022年度

2023年度

2024年度

2025年度

女   性

1.8%

1.7%

1.8%

1.8%

1.5%

外 国 人

0.2%

0.4%

0.5%

0.7%

0.4%

中途採用者

24.0%

23.1%

22.3%

21.1%

19.6%

 

 

<当社における新規採用者に占める女性・外国人・中途採用者の比率>

 

2021年度

2022年度

2023年度

2024年度

2025年度

女   性

28.7%

18.7%

23.9%

19.2%

21.5%

外 国 人

0.6%

2.2%

0.9%

0.3%

1.3%

中途採用者

16.9%

43.5%

26.8%

18.2%

21.2%

 

 

⑥ 従業員エンゲージメント

当社は、従業員が会社に愛着と誇りを持ち、働きがいを感じながら能力を十分に発揮できることが、組織の生産性向上、人材定着及び持続的な企業価値向上につながると認識しており、従業員エンゲージメントの向上を重要な社内環境整備施策の一つとして位置付けています。

この考え方のもと、当社は、2022年度から人事評価に関わる納得性調査を開始し、2023年度からは、従業員一人ひとりの意欲向上と組織としての一体感の醸成を目的として、従業員エンゲージメントサーベイを実施しています。サーベイは、「職務・仕事」「支援・上司」「環境・同僚」「風土・ビジョン」「処遇・報酬」の分類で構成しており、調査結果からは、全体として肯定的な回答比率が高く、概ね一定水準のエンゲージメントが維持されていると認識しています。

(a) 従業員エンゲージメントサーベイの結果

従業員エンゲージメントサーベイでは、各分類につき4問の設問を設け、それぞれについて「その通りである」「どちらかというとその通りである」「どちらかというとその通りではない」「その通りではない」の4段階で回答を得ています。下表は、「その通りである」及び「どちらかというとその通りである」と回答した従業員(肯定的回答者)の割合を示したものです。なお、調査対象者は当社における社員及び嘱託社員(ただし、執行役員、海外赴任中及び休職中の者を除く)です。

 

<当社における正規雇用労働者のエンゲージメントサーベイ各分類に占める肯定的回答者の比率>

 

2024年度

2025年度

2026年度

職務・仕事

75.5%

76.6%

76.4%

支援・上司

75.5%

76.8%

77.0%

環境・同僚

78.3%

79.4%

79.6%

風土・ビジョン

72.4%

71.1%

73.2%

処遇・報酬

66.4%

68.1%

68.4%

 

 

(b) 今後取り組むべき課題

従業員エンゲージメントサーベイの結果全体では、肯定的な回答が多く、概ね一定のエンゲージメント水準を維持しているものの、「処遇・報酬」に関する肯定的回答比率は相対的に低く、改善すべき課題であると認識しています。特に、「昇格・昇進における公平・公正性」及び「自分の希望するキャリアビジョン・キャリアプランを実現する機会」に関する項目について課題が見られました。

これらの課題に対し、当社は、公平・公正で透明性のある人事評価を実施し、役割、能力及び成果に基づいた処遇を行うことが重要であると認識しています。また、従業員が将来に向けて明確な目標を持ち、自身のキャリアについて主体的に考える機会を整備することが必要であると考えています。このような認識のもと、2024年度には、特定のスキル・経験を有する従業員が、自身のキャリアを主体的に選択できる仕組みとして「キャリアチャレンジ制度」を実施しました。今後も、調査結果を踏まえ、従業員が挑戦意欲を持ち、能力を発揮できる環境整備を進めていきます。

 

<当社における正規雇用労働者の人事評価に関わる納得性調査に占める肯定的回答者の比率>

 

2023年度

2024年度

2025年度

上期

下期

上期

下期

上期

下期

評価に対する納得性

88.9%

90.1%

90.7%

89.8%

89.7%

88.8%

面談での助言に対する納得性

90.7%

91.4%

92.1%

91.6%

91.4%

90.7%

 

   (注) 「大変納得できた」「ある程度納得できた」と回答した者の数/回答者数で算出しました。

 

従業員の定着状況を示す指標として、正規雇用労働者の離職率及び新卒入社者3年以内離職率についても継続的に把握しています。これらの指標もあわせて活用することで、従業員が挑戦意欲を持ち、能力を発揮できる環境整備を進めていきます。

 

<当社における正規雇用労働者の離職率>

 

2021年度

2022年度

2023年度

2024年度

2025年度

正規雇用労働者の離職率

2.0%

3.5%

2.0%

2.1%

2.6%

 

   (注) 期間中の離職者数/期初の在籍者数で算出しました。

 

<当社における新卒入社者3年以内離職率>

 

2024年4月1日

(2021年入社)

2025年4月1日

(2022年入社)

2026年4月1日

(2023年入社)

大学卒

8.7%

1.6%

4.3%

高校卒

14.3%

2.5%

7.0%

 

   (注) 期間中の離職者数/期初の在籍者数で算出しました。

 

⑦ 賃金水準の引上げ

当社は、従業員が働きがいを感じながら能力を十分に発揮し、生産性向上に向けた意欲を高めることが、持続的な企業価値向上につながると認識しています。このため、人材の確保・定着及び意欲ある人材の活躍促進を図る観点から、賃金水準の引上げを重要な処遇施策の一つとして位置付けています。

当社における正規雇用労働者の昇給率は、直近5年間平均で年率4.3%となっており、継続して高い水準の昇給を実施しています。また、正規雇用労働者の平均年間給与の推移についても継続的に把握し、昇給率の推移とあわせて、従業員処遇水準の改善状況を確認しています。当社は、今後も役割、能力及び成果に基づく適切な処遇を行うとともに、従業員の意欲向上と持続的な成長を支える人的資本投資の一環として、処遇水準の向上に努めていきます。

 

<当社における正規雇用労働者の昇給率の推移>

 

2021年度

2022年度

2023年度

2024年度

2025年度

正規雇用労働者の昇給率

2.6%

4.0%

5.0%

5.0%

5.0%

 

(注) 2021年度は、住宅手当の制度拡充を別途実施したため、他の年度に比較して昇給率が低くなっています。

 

<当社における正規雇用労働者の平均年間給与の推移>

 

2021年度

2022年度

2023年度

2024年度

2025年度

正規雇用労働者の平均年間給与(円)

7,904,908

8,033,165

7,730,542

7,684,210

7,804,768

 

 

(5) 情報セキュリティに関する取組

[ガバナンス]

当社グループは、グループ内で最も先進的なIT活用の実績があり、専門知識を持つ人材も多いSMCアメリカに設置した専門組織「GIT」が、グループ各社のITスタッフと連携して、情報セキュリティ対策を含む、グローバルに統一したIT戦略を推進しています。

GITの最高責任者は、当社取締役副社長でSMCアメリカ社長のケリー・ステイシーが務めており、GITの活動の計画及び実績は、必要に応じて取締役会に報告されています。

 

[戦略]

当社グループは、オートメーションを支える自動制御機器の総合メーカーとして、いかなる非常事態に際してもグローバルに製品供給責任を果たすことが自社の社会的使命であり、そのためのBCPを整備することが、お客様からの信頼を獲得し、ビジネス面でも大きな競争優位性をもたらすものと認識しています。

BCPの極めて重要な構成要素である、グローバルな情報セキュリティ対策は、以下のとおりです。

① 基幹業務のバックアップ体制

当社グループは、北米、中米、欧州、アジア、オセアニア及び日本に合計11か所のデータセンターを設置して、基幹業務のバックアップ体制を構築しています。

・グローバルに統一した基盤整備により、セキュリティホールを排除

・サイバー攻撃の阻止、自動検知、監視体制の強化及び被害の極小化

・データセンター間のレプリケーションにより、システム障害や災害の発生時にも業務を継続

・他のデータセンターでのバックアップにより、サイバー攻撃や災害による障害からも早期に復旧

・定期的に東京大阪間の切り替えテスト(ドリル)を実施

 


② グローバルで統一したセキュリティツールの導入

当社グループは、グローバルで統一した各種の情報セキュリティツールを導入し、運用しています。

・サイバーハイジーン(衛生管理)

・エンドポイントセキュリティ対策

・統合ID認証管理(ID乗っ取り、認証攻撃対策)

・ルータ防御、ファイアウォール

・メール監視、フィッシングメール対策

・SPAMメール、マルウェア、ランサムウェア対策

・バックアップ

・サイバーインシデント管理(情報管理、従業員教育)

・クラウドサービス利用に対するアクセス制御(認証基盤及び多要素認証等による統制)

また、当社グループは、従業員に対する情報セキュリティ教育を継続的に実施するとともに、標的型攻撃やフィッシングメールを想定した訓練を行い、組織全体のセキュリティ意識の向上及び対応能力の強化に努めています。

 

 

③ NISTへの対応

NIST(米国国立基準技術研究所)のサイバーセキュリティフレームワークを踏まえた、当社グループの情報セキュリティ対策の概要は、以下のとおりです。