2024年3月期有価証券報告書より

リスク

3【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは以下のとおりであります。

以下の記載は当社株式への投資に関するリスクを全て網羅するものではありません。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避および発生した場合の対応に努めております。

(1)技術革新に係るリスク

当社グループを取巻く環境は技術の進歩が急速であり、常時最先端の製造装置の開発に努めておりますが、開発の遅れやニーズの変化に対応できなかった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(2)金利の変動に係るリスク

当社グループは、事業資金の一部を金融機関から借入金として調達しております。当社グループとして計画的に有利子負債の返済に努め、自己資本の充実に努めておりますが、将来の金利変動を含む事業環境が変化した場合、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(3)海外依存に係るリスク

当社グループは、海外顧客、特に中国およびアジア地域への売上高が全体の2割強を占めております。そのため、中国およびアジア地域における政治、経済、社会情勢の変化や各種規制の変化、為替レートの変動、その他突発的な外部要因が、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(4)原材料・部品の価格変動に係るリスク

当社グループは、調達価格の低減に努めておりますが、サプライチェーンの混乱による供給の逼迫や円安などの価格変動の影響を受け、原材料・部品の価格が急騰した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(5)取引先の業績悪化に係るリスク

当社グループは、取引先に対する信用調査を実施しておりますが、取引先の急激な業況の悪化により債権回収が困難な事態が生じた場合、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(6)売掛金の回収に係るリスク

当社グループは、ディスプレイ関連事業において主に中国の液晶パネルメーカーに各種装置の製造・販売を行っております。

輸出取引で、かつ顧客との契約の中で当社グループが据付けの義務を負う取引については、「装置の引渡し」と「当該装置の据付け及び現地での調整作業」を別個の独立した履行義務として識別し、装置の引渡しが完了した時点、及び現地での据付作業が完了した時点でそれぞれ収益を認識しております。

当該取引については、装置の引渡し後に契約額の70%から90%を回収し、残額については現地での据付作業が完了後に回収することとしております。

ディスプレイ関連事業のセグメントに属する事業会社においては、取引ごとに売掛金の回収状況をモニタリングし、回収予定期日を超過した売掛金については、月に1度の会議で営業担当者より回収遅延理由と今後の回収予定の報告を求めており、かつ、一定期間以上経過した売掛金については、回収計画を策定し、実行に移しております。

回収計画の実行に際しては、営業担当者が現地顧客へ赴き、直接交渉に当たる等の対応を行っておりますが、取引先の商習慣及び装置の検収遅れ等により残金回収が遅延した場合、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(7)受注損失引当金に係るリスク

当社グループは、多くの顧客に各種装置の製造・販売を行っております。装置は、原価総額を見積り、適切な承認を得た上で、顧客からの内示や注文書に基づき製造に着手し、定期的に製品完成まで見積原価総額の見直しを実施しておりますが、顧客の設備投資計画変更等の影響により受注キャンセルとなり、別の顧客からの新たな注文等に基づく仕様変更の発生、あるいは新規開発案件及び特殊な仕様に基づく装置の製造工程においての不具合の発生により、追加原価が発生して受注損失引当金の積み増しが生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(8)特定人物(代表取締役会長兼社長)へ依存するリスク

当社グループは、代表取締役会長兼社長百瀬武文が1973年の当社設立時からの事業推進者として、当社グループの経営方針や事業戦略の決定をはじめ、事業推進において重要な役割を担ってまいりました。

当社グループでは、同氏に過度に依存しない体制の構築ならびに移行を進めておりますが、同氏の業務遂行が困難となるような事態が生じた場合、当社グループの経営成績および今後の事業運営に影響を及ぼす可能性があります。

当該リスクに対しては、執行役員制度の採用等、同氏に過度に依存しない経営体制の整備を進めることで、リスクの軽減を図っております。

(9)訴訟に係るリスク

当社グループは、その経営判断、業務執行において会社の利益に反して他者の利益を侵害し、あるいは他者に損失を与えないよう、コンプライアンス体制の強化を図っておりますが、他者から訴訟を提起され結果的に敗訴した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(10) 自然災害に係るリスク

当社グループは、生産の多くを外部に委託していること、風水害のリスクが低い地域にある事業所が多いことから、地震等の自然災害によって直接被害を受けることは相対的に少ないと考えております。しかし、自然災害の発生による得意先の設備投資計画の変更、生産委託先又は仕入先の部材・部品供給の遅延や停止等が生じた場合、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(11) 新規事業開発に係るリスク

将来的な事業拡大に向けて、新規事業開発に積極的に取り組んでおりますが、新規事業の展開には不確定要素が多く、想定を超える市場環境変化等、様々な要素によって新規事業の確立が困難となり、投資の回収が遅れる、または回収できない可能性があります。

 

(12) サステナビリティに係るリスク

当社グループは、サステナビリティへの取組みに対する重要性を認識し、取組みを進めておりますが、以下のリスクがあることを認識しております。

①気候変動

a)今後各国・地域における脱炭素社会の実現に向けた政策の強化、二酸化炭素排出に関連する法令等の改訂・新規制定が想定外のスピードで行われた場合、かかる取組みへの支出の増加する可能性があります。

b)気候変動に対する当社グループの取組みが著しく不十分である、あるいは開示が不十分であると評価された場合、機関投資家の当社に対する出資の縮小もしくは引き揚げ、顧客からの取引縮小にさらされる等のリスクがあります。

②人的資本

当社グループにおける、人材の多様性の確保を含む人材育成および社内環境整備に関する取り組みが不十分であると評価された場合、機関投資家の当社に対する出資の縮小もしくは引き揚げ、顧客からの取引縮小にさらされる等のリスクがあります。

③上記①、②以外

上記①、②以外の課題に対する取組みについても、当社グループの取組みが著しく不十分である、あるいは開示が不十分であると評価された場合、機関投資家の当社への出資の縮小もしくは引き揚げ、顧客からの取引縮小にさらされる等のリスクがあります。

配当政策

3【配当政策】

当社は、2022年4月の東京証券取引所市場区分再編に伴う市場第一部からプライム市場への移行を機に、配当性向30%を目安とした安定的な配当政策を行うことを株主還元の基本方針としております。

また、当社は、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことを基本方針としております。これらの剰余金の配当の決定機関は、期末配当につきましては株主総会、中間配当につきましては取締役会であります。

当事業年度の配当につきましては、上記方針に基づき、中間配当は1株あたり35円、期末配当40円とし、当事業年度の配当金は1株当たり75円といたしました。

当社は、「取締役会の決議により、毎年9月30日を基準日として、中間配当をすることができる。」旨を定款に定めております。

なお、当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。

決議年月日

配当金の総額(百万円)

1株当たり配当額(円)

2023年11月13日

321

35

取締役会決議

2024年6月27日

367

40

定時株主総会決議