2025年3月期有価証券報告書より

リスク

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

 1 プラスチック原料価格の乱高下などによる設備投資に対する影響について

当社グループのコア事業製品であるインフレーション成形機及びブロー成形機は、プラスチックを主原料とする加工品の生産用機械であることと、加工品の原価に占める大半がプラスチック原料費であるため、原油需給バランスの急変により調達が困難になったり、プラスチック原料価格が為替変動等の要因により高騰または低落が懸念される場合には、ユーザーが新規設備投資を控える要因となり、売上高減少を招く可能性があります。

当社グループ製品は、顧客に納入後、10年あるいは20年と長期にわたり使用していただいております。その期間における顧客情報にも耳を傾け、適切かつ迅速なメンテナンスや改良等の実施により顧客満足度を高める活動を行い、リスクの低減に努めております。

 

 2 輸入品の為替レートの影響

当社グループが製造、販売しているインフレーション成形機及びブロー成形機の生産活動を台湾等にて展開していることと、さらにドイツなど諸外国からの輸入品があることから、その総額が当社製品の輸出額を上回っていることから輸入超過の状況にあり、米ドルおよびユーロ対日本円の為替レートの変動、なかでも急激な円安への変動が発生し、それを当社の製品価格に転嫁できない場合には、受注高の減少または収益性の低下を招く可能性があります。

この影響を低減するため、円建取引、米ドル建取引、ユーロ建取引のバランスをとるように努め、経理部門において為替差損益の状況をモニタリングしております。

 

  3 大型・高額商品による期間損益に与える影響について

当社グループのプラスチック成形機事業は、少額の部品等の売上以外は一定期間にわたり履行義務が充足される一部の取引を除き、売上計上を検収基準としていることから、検収予定日が決算日直前となっている製品(特に大型、高額製品)については売上計上が翌期にずれ込んでしまう場合があり、それらにより売上高が減少することと、その機種の利益率によっては、当期及び翌期の期間損益に大きく影響する可能性があります。

従来、製品の完成、検収が期末に集中する傾向があったことから、生産活動の効率化を図り、業績への予想外の影響を抑制するために、製品検収時期の平準化に努めてまいりました。また、経営会議及び部長会において経営方針等の徹底と事業計画に対応して掲げた各部の目標に対する進捗状況をチェックし、改善命令を発するなど事業の効率化を図ることでリスクの低減に努めております。

 

 4 外注先への製造の依存について

当社グループのプラスチック成形機事業は、外注先に相当量の生産を委託しており、これらの会社との協力関係が損なわれた場合には、製品の生産が円滑に行われない可能性があります。また、必要な製品品質を維持しながら、価格競争力を強化する為に行っている海外生産や海外調達品に関し、国家間の緊張関係の発生や相手先との協力関係の破綻による調達不能状況あるいは、海外からの輸送中におけるアクシデントにより調達遅れが発生する可能性があります。

外注先の選定に当たりましては、事前に技術水準、安定した供給能力、価格並びに経営状況を十分に調査し、関連部署責任者による協議、検討を経ており、随時外注先との契約見直しや協働を積極的に行いリスク低減を進めております。

 

  5 人材確保ついて

当社グループは、自社開発技術によって製品開発、生産などの業務を行っておりますので、社員が短期間に定年退職した場合または人材の流動化による退職等により社外に流失した場合には、ある一定期間においてプラスチック成形機事業の技術継承が困難になることが予想され、それによって、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、システム開発事業においてITエンジニア人材の採用及び育成が計画通りに進まない場合及び人材の社外流失が生じた場合には競争力の低下や顧客企業に提供するサービスレベルの低下をもたらし、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

当社グループは競争力を維持するため、経営トップの採用活動への積極的な関与により優秀な人材を継続的に確保・採用し、計画的な人材育成の取り組みを継続しております。

 

 6 環境規制について

廃プラスチックに関する規制強化の議論が世界各国で活発化しており、日本においても廃プラスチック有効利用への取り組みが再注目されているほか、素材企業各社はバイオプラスチック、紙素材、その他素材といった既存プラスチックの代替素材の開発を進めています。当社グループの製品は顧客による製造製品に係る環境規制に適応していく必要がありますが、そのためには研究開発費の支出や新たな設備投資が必要となることが想定され、これらのコストが当社の業績に影響を与える可能性があります。

当社グループはマイクロプラスチックや廃プラスチック問題に対処する生分解樹脂及びバイオプラスチックを用いた包装資材用フィルム成形機の取り組みに注力するとともに、環境、エネルギー効率の高い全電動式ブロー成形機の成形効率向上に努めてまいります。

 

 7 法的規制について

当社グループのシステム開発事業におけるエンジニア派遣は、労働者派遣法に基づいて事業を営んでおり、労働者派遣法及び関係諸法令による法的規制を受けております。労働者派遣法に定める派遣事業主としての欠格事由に該当した場合や、法令に違反する事由が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、将来これらの法令並びに関連諸法令が社会情勢の変化などに伴って改正等があり、それが当社グループの事業運営に不利な影響を及ぼす場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、コンプライアンス意識の徹底を進め、社長室、内部監査室により関係諸法令の遵守状況の把握、監視等に努め、必要に応じて対策、指示を関係部門に実施しております。

 

 8 情報管理について

当社グループのシステム開発事業では顧客企業の製品開発やシステム開発業務に従事しており、多くの個人情報、機密情報を扱っております。取引先企業にて勤務するエンジニアが知り得た顧客情報や個人情報が故意又は過失により外部へ流出し、当社グループの管理責任問題、訴訟、風評被害等が生じた場合、当社グループの社会的信用の失墜や多額の損害賠償金負担等、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
 当社グループでは、従業員に対して入社時及び定期的に個人情報、機密情報の取扱いに関する啓発、教育研修、周知徹底を行い、内部監査を通じて情報管理の強化を図っております。

 

配当政策

 

3 【配当政策】

当社は、株主の皆様に対する利益還元を経営の重要政策の一つであると考えております。配当性向については、東証市場の動向を考慮し、30%以上を目指しています。また、将来における安定的な企業成長と経営環境の変化に対応するために必要な内部留保および今後の業績動向を総合的に勘案し、長期的視点に立った成果配分を行います。

今回決算では赤字決算となりましたが、今後の見通しとしては堅実な業績回復を想定しております。株主様のご支持ご支援に応え、長期的かつ安定的な株式保有をしていただくためにも、2025年3月期の年間配当金は2025年2月14日に公表いたしました1株につき6円(普通配当)を実施したいと存じます。

なお、当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。

決議年月日

配当金の総額(千円)

1株当たり配当額(円)

2025年6月26日

定時株主総会決議

56,478

6.00