人的資本
OpenWork(社員クチコミ)-
社員数3,858名(単体) 11,417名(連結)
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平均年齢41.6歳(単体)
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平均勤続年数14.7年(単体)
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平均年収9,179,854円(単体)
従業員の状況
5 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況
2025年12月31日現在
(注) 従業員数は就業人員数です。
(2) 提出会社の状況
2025年12月31日現在
(注) 1 従業員数は就業人員数です。
2 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでいます。
3 従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の当事業年度の年間平均雇用人員です。
4 臨時従業員には、有期雇用契約の従業員を含み、派遣社員を除いています。
5 海外支店において生年月日等の情報が把握できない従業員については、平均年齢の算出の母数から除外しています。
(3) 労働組合の状況
当社グループには、1948年2月に結成されたダイフク労働組合があり、2025年12月31日現在組合員数は2,812名です。
組合結成以来、労使関係は極めて円満に推移し、労使協調して社業の発展に努力しています。
(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
(注)1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。男女の賃金差異について、賃金制度は男女ともに共通であり、同等の職務・職位において性別による賃金差異は発生しません。差異の主な理由は、男女の管理職比率の差によるものです。女性管理職比率の向上に関する取り組みについては、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組(4)人的資本に関する戦略並びに指標及び目標」に記載しています。今後女性管理職の登用を進めることで、男女間の賃金差異についても縮小に向かうものと考えています。なお、2025年12月期の管理職における男女の賃金差異は90.3%となっています。
2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものです。
サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)
2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりです。
なお、本文中における将来に関する事項の記述については、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものです。
(1) サステナビリティ全般に関する開示
サステナビリティ経営の実践に際しては、「人権」「労働」「環境」「腐敗防止」の4分野10原則からなる「国連グローバル・コンパクト」に賛同・署名するとともに、「SDGs(持続可能な開発目標)」の達成に向けて取り組んでいます。
2030年のありたい姿である長期ビジョン「Driving Innovative Impact 2030」(以下、2030長期ビジョン)と、その中間点となる「2027年中期経営計画」(以下、2027中計)において、経済価値と社会価値双方の視点を踏まえた統合目標を設定し、事業活動を通じて持続可能な社会の実現に貢献していきます。また、すべての役員・従業員の理解及び共感を促進するために「ダイフクグループサステナビリティ基本方針」を策定し、本方針に基づきグループ一体でサステナビリティ推進に取り組んでいます。サステナビリティに関する様々な活動の詳細は、以下URLをご参照ください。
サステナビリティ
https://www.daifuku.com/jp/sustainability/
当社グループは、「人権の尊重」が事業と組織の持続的な成長における最も重要な責任の一つであると認識し、ダイフクグループが事業活動を行う上で人権に関する考え方を明確にした「ダイフクグループ人権方針」を公表しています。
本方針のもと、事業活動及びサプライチェーン全体において人権への負の影響を特定・評価し、是正・緩和・予防のための人権デュー・ディリジェンスを継続的に実施しています。人権デュー・ディリジェンスの具体的な取り組みの詳細は、以下URLをご参照ください。
人権
https://www.daifuku.com/jp/sustainability/society/human-rights/
① ガバナンス
1) サステナビリティ関連のリスク及び機会に対する監督・執行体制
取締役会は、サステナビリティ関連のリスクや機会に対応するための経営戦略をはじめ、中長期的な企業価値の向上に向けた取り組みを監督します。取締役会においては、代表取締役社長(CEO兼COO)がサステナビリティ関連のリスク及び機会の監督に対して責任を負っています。取締役会のメンバーは、研修や有識者との意見交換、お客さまとの対話等を通じて、サステナビリティ課題への見識を高めることで、当社グループの取り組みを監督するためのスキル及びコンピテンシーの向上を図っています。
当社は、統合思考経営の実現に向け「サステナビリティ経営委員会」を設置しています。サステナビリティ経営委員会は、サステナビリティ課題についての重要事項を取締役会へ報告、上程するほか、中長期的な企業価値の向上に重きを置いた経営戦略上の重要な議論、計画の進捗・成果の確認などを行います。その傘下にある「サステナビリティ推進委員会」及び「環境経営分科会」「人的資本経営分科会」は、サステナビリティ経営委員会と連携し、経営戦略に基づいた実務レベルのより具体的な施策を検討・実行する役割を担っています。
<サステナビリティに関する委員会の体制(2026年12月期)>
上記の図は、有価証券報告書提出日現在の体制を示しています。
<各組織の役割>
2) サステナビリティ関連目標のモニタリングとインセンティブ
サステナビリティ課題に対する計画・目標は、2027中計の枠組みの中で各種会議体が進捗管理を行い、取締役会が監督しています。
また、社内取締役を対象とした役員報酬制度の業績連動報酬の支給基準において、サステナビリティ関連の評価指標も考慮して評点を算出しています。賞与については安全及びCO2排出量削減目標の進捗状況、株式給付信託(BBT)は外部のESG評価機関(MSCI、FTSE、CDP)の評価とCO2排出量削減目標の達成度が評点の算出基準に含まれています。詳細は、「第4 提出会社の状況 4 コーポレートガバナンスの状況等 (4) 役員の報酬等」をご参照ください。
<2025年12月期におけるサステナビリティ関連の取締役会等での議題>
② 戦略
サステナビリティに対する取り組みは、2030長期ビジョン及び2027中計における枠組みの下、統合的に推進しています。2030長期ビジョン及び2027中計の策定にあたっては、未来の社会像からバックキャスティングを行い、当社グループがお客さまに対して提供する製品・サービス(アウトプット)と、それらを通じて社会に提供される価値(アウトカム)を整理しました。その上で、2030長期ビジョン及び2027中計の達成に向けてグループで対応する重要課題をマテリアリティと定義し、それらを軸に戦略・施策・行動計画を具体化しました。2027中計の詳細は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1) 経営方針」をご参照ください。
③ リスク管理
当社グループは、国内外のグループ会社を対象としたリスクアセスメントを定期的に行っており、企業活動に大きく影響を与える重要なリスクを特定・評価しています。重要なリスクに対して、リスクマネジメント委員会が全社的なリスクマネジメントを行い、対応策の立案や方針・規程・体制等の整備及び充実を図っています。リスクアセスメントで認識されたリスク情報は、必要に応じて取締役会をはじめとする他の会議体へ報告・共有され、経営戦略に反映されます。詳細は、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。
2027中計の策定では、マテリアリティの特定プロセスにおいて、2024年3月期に実施したリスクアセスメントの結果をインプット情報の一つとして活用しました。機会とリスクの検討結果、他社の動向、ESG評価機関からの要請事項などもインプット情報として合わせて考慮し、課題の候補を「ステークホルダーへの影響度」と「長期ビジョン達成への影響度」の2軸で評価し、マテリアリティを特定しました。
優先して対応すべきサステナビリティ関連のリスクと機会については、サステナビリティ経営委員会、サステナビリティ推進委員会、リスクマネジメント委員会、グループ人材委員会が連携した上で、適切な対応策を講じてモニタリングしています。
④ 指標と目標
2027中計では、重要課題ごとにKPIと目標を設定しています。2年目の2025年12月期の実績は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1) 経営方針 <2027中計におけるマテリアリティ及びKPI>」をご参照ください。
(2) 気候変動に関する開示(TCFD※提言に基づく気候関連財務情報開示)
※TCFD:Task Force on Climate-related Financial Disclosures(気候関連財務情報開示タスクフォース)
① ガバナンス
気候関連のリスク及び機会は、前述のサステナビリティ全般のガバナンスのプロセスにおいてモニタリング、管理、監督されています。
② 戦略
1) 気候関連のリスク及び機会の特定
<気候関連のリスク及び機会の洗い出し>
事業運営に影響を及ぼし得る気候変動要因は、脱炭素社会に向けた規制強化や低炭素化に向けた技術の進展、気候変動対応による市場の変化、気候変動による災害の頻発が挙げられます。当社グループの事業内容を踏まえ、各要因によって引き起こされる気候関連の移行リスク・物理的リスク及び機会を特定しました。分析範囲は、移行リスクは全事業、物理リスクは主要拠点及び生産拠点を対象としました。
<当社グループの事業に影響する主な要因>
<気候関連のリスク及び機会の評価>
洗い出した移行リスク、物理的リスク及び機会に対して、当社グループの事業への影響度を定性的・定量的に評価し、これらの結果を、「リスク発現・機会実現までの期間」「リスク発現・機会実現の可能性」「財務影響度」を軸に、以下のとおり整理しました。それぞれのリスク及び機会について、適切な対応策を実行していきます。
下記表の「期間」「可能性」「影響度」の定義は以下のとおりです。
「リスク・機会への主な対応」の詳細は、以下URLをご参照ください。
気候変動
https://www.daifuku.com/jp/sustainability/environment/climate-change/
<当社グループにおける重大リスク・機会>
インターナルカーボンプライシング(ICP)の導入
当社グループは、省エネや脱炭素に対する従業員の意識の醸成や向上を目的に、ICP制度を導入しています。当社グループのICP価格は、脱炭素社会の進展に伴う炭素価格上昇などのリスクを見据え、国際エネルギー機関(IEA:International Energy Agency)の「World Energy Outlook 2023」における2030年予想炭素価格を採用し、140米ドル(21,000円)/t-CO2としています。CO2排出量及び削減量にICP価格を適用し、社内報告資料で活用しています。さらに、2025年8月に運用を開始したグループ共通の投資管理規程においても、ICP価格を大規模投資の実行可否を判断する際の参考指標の一つとして採用しています。今後も、ICP制度を従業員の脱炭素に対する意識の向上や意思決定の変容につなげ、持続的な脱炭素の取り組みを推進していきます。
2) 重大リスクのシナリオ分析
特定した気候関連のリスク及び機会のうち、今後顕在化する可能性が高く、重大な事業影響を与えるリスクを対象にシナリオ分析を実施しました。シナリオは、IEAや気候変動に関する政府間パネル(IPCC:Intergovernmental Panel on Climate Change)によって示されているものを参照しました。
移行リスク
移行リスク・機会は、炭素税(カーボンプライシング)導入による操業コストの影響について、関連するエネルギーコストと併せて、以下のシナリオを設定して分析しました。
炭素税は、当社グループの2030年売上予測及び排出量削減目標を基に、将来想定されるGHG排出量(スコープ1・スコープ2)の排出量削減を進めた場合(脱炭素シナリオ)と、そうでない場合(成り行きシナリオ)のそれぞれで算出し、IEAにおいてシナリオ別に予測される炭素価格を掛け合わせて事業影響額を評価しました。
エネルギーコストは、当社グループが削減目標どおりに取り組みを進めた場合(脱炭素シナリオ)と、取り組みを進めずに事業規模のみが拡大した場合(成り行きシナリオ)のそれぞれでエネルギー使用量を設定し、IEA等で示されるエネルギー価格の推移を参考に、今後のエネルギーコストについて評価しました。
<当社グループで想定した気候変動シナリオ(移行リスク)>
<炭素税>
成り行きシナリオ(4℃シナリオ)に沿う場合は、2030年で約6億円のコスト増が見込まれます。一方、脱炭素の取り組みを積極的に推進した脱炭素シナリオ(1.5℃/1.7℃シナリオ)では、2030年時点で約3億円のコスト増が見込まれます。
<エネルギーコスト>
成り行きシナリオ(4℃シナリオ)に沿う場合、2023年3月期時点と比較して、2030年では約37%のコスト増が見込まれます。一方、脱炭素の取り組みを積極的に推進する脱炭素シナリオ(1.5℃/1.7℃シナリオ)では、2023年3月期時点と比べて、2030年では、約12~16%のコスト増が見込まれます。
炭素税の負担、エネルギーコストの双方において、脱炭素シナリオ(1.5℃/1.7℃シナリオ)に比べ、成り行きシナリオ(4℃シナリオ)の負担が大きく、当社グループが脱炭素化、省エネ化の取り組みを積極的に進める理由・メリットを再認識しました。
これらの取り組みを進めるためには、大規模な投資が必要となるものの、取り組みを進めない場合には取り組みを進める場合に比べ、数億円規模で炭素税及びエネルギーコストの追加負担が想定されます。事業に影響するリスクを軽減するため、2030年の削減目標の達成を目指して脱炭素化の取り組みを強化していきます。
物理的リスク
物理的リスクは、温暖化進行による気象災害の増加が重大なリスクです。そこで、当社グループ主要24拠点(国内1拠点、海外23拠点)について、気象災害がもたらす影響を定性的に評価しました。評価では、2℃シナリオ(SSP1‐2.6)、4℃シナリオ(SSP5‐8.5)下における洪水、高潮、干ばつ、熱波のハザードを調査し、その多寡に応じてA(高リスク)~E(低リスク)の5段階で評価しました。本評価でA~Bの高リスクとなった拠点数の推移を以下に示します。
評価の結果、洪水、高潮、干ばつは、2℃、4℃のいずれのシナリオでも高リスクの拠点数はほぼ増加せず、気候変動の影響は限定的でした。一方、熱波は、4℃シナリオの2050年から2090年にかけて高リスクの拠点数が増加することがわかりました。熱波による影響は、空調コストや機器メンテナンスの増加、ヒートストレスによる生産性低下等が想定されます。当社グループは、工事現場・工場での従業員の熱中症対策を進めるなど、リスクを軽減する取り組みを積極的に進めていきます。
<当社グループで想定した気候変動シナリオ(物理的リスク)>
<気候変動による高リスク拠点数>
③ リスク管理
気候関連のリスク及び機会の識別は、外部専門家のアドバイスのもと見直しを実施し、2024年12月期に開示しました。移行リスク・物理的リスク・機会の各項目に対し、発現時期、発生可能性、当社グループへの影響度を、定性・定量の両面から評価し、重大なリスク及び機会を特定しています。
加えて、移行リスクと物理的リスクについて、複数の気温上昇を想定したシナリオ分析も行いました。詳細は、「(2) 気候変動に関する開示 ②戦略」をご参照ください。
優先して対応すべき気候関連のリスク及び機会については、サステナビリティ経営委員会、サステナビリティ推進委員会のほか、リスクマネジメント委員会とも連携し、適切な対応策を講じてモニタリングしています。
④ 指標と目標
当社グループは、「ダイフク環境ビジョン2050」及び2027中計において「気候変動への対応」を重要課題と捉え、以下の目標を設定しています。2030年12月期目標は、2023年にSBT(Science Based Targets)イニシアティブの認定を受けており、スコープ1・スコープ2については、1.5℃水準の目標、スコープ3(カテゴリ1及び11)はWB(Well-below)2℃水準の目標です。2024年5月、2030年12月期のスコープ1・スコープ2の削減目標(2019年3月期比)を50.4%から60%へさらに上方修正するとともに、再生可能エネルギー由来の電力比率の目標を新設しました。
これらの目標はサステナビリティ推進委員会が進捗状況及び妥当性をレビューし、見直す場合は取締役会へ上申し、決議します。
現在、国内外での再生可能エネルギー由来の電力導入により、スコープ1・スコープ2の目標に対する進捗は順調です。スコープ3は、間接排出のため外部環境を踏まえ、現実的な取り組みから着実に取り組んでいます。
※1 スコープ3のカテゴリ1及びカテゴリ11合わせての目標
※2 データの信頼性向上のために第三者機関による検証を受ける前の速報値。検証後の確定数値は、2026年6月に当社ウェブサイトで開示予定
(注)CO2排出量はGHGプロトコルに則り、年度ごとに算定。スコープ1・スコープ2の算定対象範囲は、経営支配力基準とし、すべての連結子会社の排出量を算入
(3) 自然関連課題に関する開示(TNFD※提言に基づく自然関連財務情報開示)
※TNFD:Task Force on Nature-related Financial Disclosures(自然関連財務情報開示タスクフォース)
① ガバナンス
自然関連のリスク及び機会は、前述のサステナビリティ全般のガバナンスのプロセスにおいてモニタリング、管理、監督されています。
② 戦略
当社グループはこれまで、事業活動と生態系との関係性を明確にするため、製品プロセスや土地利用などと生態系との関係を一覧できる「ダイフクと生物多様性の関係性マップ」を作成し、生物多様性に配慮した活動を行ってきました。TNFD提言に基づく開示にあたっては、同マップを前提に、TNFDが提示するLEAPアプローチ※に沿って、自然関連のリスク及び機会の特定・評価を行いました。
※LEAPアプローチ:LEAP(Locate, Evaluate, Assess, Prepareの頭文字)と呼ばれる自然関連のリスクと機会の管理のための統合評価プロセス
<ダイフクと生物多様性の関係性マップ>
1) スコープの設定(Scoping)
当社事業のバリューチェーンを整理した上で、対象範囲を当社及び国内グループ会社としました。バリューチェーン上流については、当社にとっての重要度と自然への依存・影響の観点で主要なサプライヤーと原材料を選定し、対象範囲としました。主要な原材料は、高リスク天然一次産品※、鉱物に関する規制、責任ある鉱物調達の対象鉱物を考慮し鉄、アルミニウム、銅を選定しました。
※高リスク天然一次産品:SBTs for Natureによって生産が自然に重大なマイナスのインパクトを及ぼすとされている商品又は製品
<バリューチェーン図>
2) 優先地域の特定(Locate)
優先地域の特定方法
優先地域は、事業上の重要性(事業と自然の関連性)と、自然面での重要性(生態学的に要注意と考えられる地域)の双方から特定しました。
事業における重要性の観点では、Scopingにて設定した国内グループ会社及び主要サプライヤーについて分析を行い、当社グループの主要事業活動(製造)で、自然への依存・影響が比較的大きい生産拠点を対象としました。
また、原材料(鉄、アルミニウム、銅)の採掘・加工地は、世界の埋蔵量や日本の貿易状況等から主要な採掘国及び鉱山、加工国を推定し、対象としました。
これらの生産拠点・原材料採掘・加工地における自然面での重要性を把握するため、WWF Risk Filter※1、 Global Forest Watch map※2及び事例収集により評価を行いました。評価は、TNFDが提唱する「生態系の完全性の低下」「生物多様性の重要性の高さ」「生態系の完全性の高さ」「水リスクの高さ」「生態系サービス提供の重要性」を要件としました。
※1 WWF Risk Filter:企業の生物多様性リスク及び水リスクを評価するツール
※2 Global Forest Watch map:森林破壊、土地利用などのマップを提供するツール
優先地域の特定結果
評価の結果、下表のとおり、当社グループの国内生産拠点のうち、「ダイフク滋賀事業所」と「ダイフク・マニュファクチャリング・テクノロジー本社」は、水リスク(洪水、水質)が高いことから優先地域として特定しました。両拠点の位置は下図のとおりです。
そのほか、サプライヤーの生産拠点及び原材料(鉄、アルミニウム、銅)の採掘・加工地についても、いずれかの要件で重要度が高いため、優先地域として特定しました。原材料の採掘・加工地は、チリ、ペルー、 ブラジル、メキシコ、南アフリカ、コンゴ民主共和国、ギニア、アラブ首長国連邦、ナイジェリア、カタール、中国、韓国、台湾、タイ、インド、インドネシア、マレーシア、オーストラリア、ニュージーランド、 アメリカ、カナダ、スウェーデン、オーストリア、ドイツと推定しています。
※Very High、High、Medium、Low、Very Lowの5段階で評価
出典:Made with Natural Earth.
3) 依存及び影響の評価(Evaluate)
当社事業のバリューチェーン各工程における自然への依存及び影響についてENCORE※を用いて評価し、ヒートマップに整理しました。
その結果、バリューチェーン各工程で自然への依存及び影響があり、特に、原材料(鉄、アルミニウム、銅)の採掘における依存及び影響が大きいことが分かりました。具体的には、以下のとおりです。
※ENCORE:事業活動が自然にどのように依存し、自然に影響を与えるかを把握するツールです。詳細は、以下URLをご参照ください。
ENCORE
https://www.encorenature.org/en
<依存>
·水関連の機能(水の供給、水質の浄化、流量の調整)
·自然災害への防災(植物による風水害の緩和(例えば、防風林など))
·気候調整の機能(植物による降雨調節、地球規模の気候調節機能)
<影響>
·淡水域/海域における開発
·非生物資源(鉱物)の採取
·温室効果ガスの排出
·大気・土壌・水質の汚染
·廃棄物(鉱さい)の発生
·騒音等の攪乱
当社グループの製造、移設工事・点検・修理においては、自然への依存度は高くない一方で、製造工程で発生する有害物質による土壌・水質汚染の影響は大きくなっています。
<自然への依存のヒートマップ>
<自然への影響のヒートマップ>
4) リスク及び機会の評価(Assess)
上記3) Evaluateで依存・影響が大きいと評価した内容を「自然要因ドライバー」として整理し、そこから当社グループで将来的に想定される自然関連リスク及び機会を洗い出しました。
リスク及び機会は、上記2) Locateの結果を踏まえつつ、当社グループの事業への影響度を定性・定量の両面から評価し、「リスク発現・機会実現までの期間」「リスク発現・機会実現の可能性」「財務影響度」の軸で整理しました。各リスク及び機会については、適切に対策していきます。
「期間」「可能性」「影響度」の定義は以下のとおりです。
<当社及び国内グループ会社におけるリスク・機会>
なお、自然関連のリスク・機会を洗い出し、評価するにあたっては、気候関連のリスク・機会と同様、移行リスク及び機会は1.5~2℃シナリオ、物理リスクは3~4℃シナリオにおける世界を想定しています。
「自然関連のリスク・機会への主な対応(Prepare)」の詳細は、以下URLをご参照ください。
生物多様性保全
https://www.daifuku.com/jp/sustainability/environment/biodiversity/
(4) 人的資本に関する戦略並びに指標及び目標
① 戦略
当社グループにとって、人材は価値創造の源泉です。従業員一人ひとりのポテンシャルを最大限に引き出し、成長と挑戦を後押しする環境づくりに取り組んでいます。同時に、培ってきた知見やノウハウを継承し、持続可能な組織力を育むべく、人的資本への戦略的投資を加速しています。
2025年4月には、グループ各社の人事施策の方向性を合わせ、多様な人材が活躍しエンゲージメント向上と人的資本の最大化を目的として「ダイフクグループ人材マネジメント方針」を策定しました。加えて、1)グループにおける人的資本経営への取り組みに対する意義とその施策の共有、2)2030長期ビジョンの達成に向け、グループ全体で推進する人事施策に関する理解の深化、3)海外グループ会社の人事担当マネージャー間のコミュニケーション及びネットワーク構築を目的に、「Global HR Meeting」を2026年1月に開催しています。
2030長期ビジョンでのありたい姿を実現するために、「人材の確保・育成」、「ダイバーシティ&インクルージョン」、「エンゲージメントの向上」の3つを軸とした諸施策を通じて、人的資本の拡充・強化を図っていきます。
② 指標と目標
1) 人材の確保・育成
当社グループでは、経営に大きなインパクトをもたらす重要ポジションを「キーポジション」として定義し、中長期を見据えた後継者育成に取り組んでいます。将来の事業成長と変革を支えるリーダー人材を計画的に確保・育成していくため、2年以内及び3年後以降の視点から後継候補充足状況を継続的に評価しています。
この取り組みを加速するため「グループ人材委員会」を立ち上げ、後継候補者の育成状況を定期的にモニタリングし、戦略的な人材配置と育成プランの設計に取り組んでいます。
また、役職が上がるにつれて、日々の業務遂行だけでなく、経営視点での意思決定や部門横断的な視野が求められています。2025年12月期からは新任部長研修においてMBAプログラムをベースとした、戦略・財務・組織論を取り入れるなど、幹部・経営層に対する研修の体系化を進めています。
採用競争力を高める取り組みとして、研究開発拠点「京都Lab」を2025年11月に、「東京Lab」を2026年3月にそれぞれ開設しました。従業員のニーズと事業の成長を両立させるこれらの取り組みを通じて、イノベーションを生み出す人材の確保と活躍を着実に支えていきます。
2) ダイバーシティ&インクルージョン
当社グループでは、女性の活躍に向けた人材戦略を強化する上で、女性管理職の育成と女性従業員の採用数がまだ十分ではないことを課題として認識しています。これらの課題に対応するため、採用段階から多様な人材が参画できる機会を広げるとともに、将来の管理職候補となる人材の育成とキャリア支援を継続的に強化しています。
こうした中、女性のリーダー層が抱える特有の課題を共有・相談できる場として、事業部を超えたネットワーク形成を促進する社内コミュニティプログラム「WING」(Women Internal Network Growing)を立ち上げました。
加えて、女性が能力を発揮し、長く活躍し続けられる職域の拡大や、働きやすい雇用環境の整備にも注力しており、育児休業や短時間勤務制度の改定と運用改善を進めてきました。こうした取り組みの結果、女性の活躍推進に向けた実績が評価され、2024年10月、厚生労働省が認定する「えるぼし認定(2段階目)」を取得しました。
海外売上高比率が年々高まり、グループ全体の約70%に達した現在、国や地域を越えて事業を推進する上では、スピード感を持ってグループ間コミュニケーションを行うだけでなく、異なる文化や商習慣への理解を深めることで、従業員一人ひとりの視野を広げ、潜在能力の発揮につなげていくことが不可欠です。こうした考えのもと、日本国内においても、外国籍人材の採用を積極的に推進し、多様性を尊重する企業文化の浸透に力を入れています。インド・タイ・マレーシア・インドネシア・ベトナムなどの工学系有力大学からの新卒採用も継続しており、グローバル市場で価値を共創する人材基盤の構築を進めています。
3) 従業員エンゲージメントの向上
当社グループでは、全グループを対象としたエンゲージメントサーベイを隔年で実施しています。従業員の会社に対するロイヤルティや貢献意欲、自発的努力をしようという気持ちの度合いを「働きがい」とし、仕事における自分のスキルや能力を活かす機会があり、働きやすい環境が整備されているかを「働きやすさ」として、組織の現状を定量的に見える化しています。
2023年12月期に実施した海外グループ会社へのサーベイでは、「必要なスキルや知識を身につけるための研修が不十分である」「個人がスキルアップできる機会が限られている」といった課題が明らかになりました。グループ全体で育成力を高める新たな仕組みとして「ダイフクアカデミー」の開講を2026年4月に予定しています。このアカデミーでは、職種や地域を問わず共通の価値観と方向性のもとで個人が自由に学べる機会を提供します。2024年12月期には、国内グループ会社でサーベイを実施し、「働きがい」「働きやすさ」のスコアはいずれも目標を下回る結果となりました。この結果を真摯に受け止め、組織間連携・業務リソース・戦略浸透・福利厚生・調査後のフィードバック体制という課題を抽出し、改善に取り組んでいます。また、サーベイ結果をもとに「本部別ワークショップ」を計29回実施し、本部単位でアクションプランを策定しました。対話と改善の循環をつくることで、エンゲージメントを単なる“指標”で終わらせず、組織文化の進化へと繋げる取り組みを進めています。
<指標及び目標>