リスク
3 【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、当社グループでは、取締役、監査役、内部監査室長、品質保証室長、経営企画室長及び総務部長他を委員とした「サステナビリティ推進委員会」において、事業活動に重大な影響を及ぼす様々なリスクを洗い出し、グループ全体でリスクマネジメント体制の強化に努めております。
また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 競争環境
当社グループの製品については、国内外において厳しい競争下にあります。得意先からの価格引き下げ要請や、新興国の競合先の台頭などにより、価格競争力や製品の優位性が維持できない場合には、当社グループの経営成績等に大きな影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、市場の要求に合致したグローバル仕様製品の開発強化や納期対応力の向上を進めることにより、単なる価格競争に陥らないよう努力しております。
(2) 為替相場変動の影響
当社グループの海外向け売上高比率は、2024年3月期60.4%となっております。現在は外貨建て及び円建て取引があり、外貨建て取引については為替予約等のリスクヘッジを行っております。
為替予約等適切なリスクヘッジ策をとっておりますが、急激な為替変動により、経営成績等に影響を与える可能性があります。
(3) 海外進出に潜在するリスク
当社グループは、海外において生産及び販売を行うため、海外現地法人の設立等を積極的に行っております。そのため、人材採用・確保等雇用環境の悪化、現地政府による予測しえない突発的な法規制・政治・経済・社会的な混乱等のリスクがあり、経営成績等に影響を与える可能性があります。
(4) 原材料や部品の調達
当社グループ製品の製造は、仕入先からの原材料や部品供給に依存しております。これら仕入先とは基本取引契約を結び安定的な取引を前提としておりますが、事故・災害、倒産により仕入先からの供給が停止した場合、当社グループの安定生産に大きな影響を及ぼす可能性があります。加えて、原材料価格高騰により、調達コストが上昇し、経営成績等に影響を与える可能性があります。
当社グループは、主要仕入先とのコミュニケーションを強化するとともに、決算状況の把握や品質監査、生産改善支援・指導により、安定的かつ柔軟な供給体制の確保に努めております。また、グローバルサプライチェーンを活用した最適な仕入先の選定や、製造経費の監視と低減に向けた取り組みを継続して実施し、さらに適切なタイミングで価格転嫁することにより、調達コスト上昇による事業活動への影響を最小化するよう努めております。
(5) 製品の品質
当社グループはISO規格認定された品質マネジメントシステム・環境マネジメントシステムの構築により品質向上努力を継続し、責任ある製品の供給に努めております。製造及び販売において想定される賠償責任リスクについては、グループ全体で包括的に保険に加入しておりますが、予期せぬ欠陥に起因して、顧客及び第三者に対して損害を与えた場合、当該保険で賄いきれない賠償責任を負担する可能性があると同時に、信用の失墜により、当社グループの経営成績等に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(6) 情報セキュリティ
当社グループは、事業運営に関わる技術、営業上の機密情報や個人情報を保有しております。これらの情報管理に対しては、社内規程を整備するとともに社員教育を通じてセキュリティ意識を高めています。また、社内情報システムへの外部からの侵入防止策も講じております。しかし、不測の事態によって、外部に情報が漏洩したり、想定した防御レベルを上回るサイバー攻撃等により、当該情報の破壊・改ざん・流出・社内システム停止等が生じ、当社グループの経営成績等に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(7) 災害等による影響
当社グループは、グローバルな事業運営を行っております。大規模地震、自然災害、火災等の事故や感染症などの発生により、グループ会社に人的・物的被害が生じ、操業停止で得意先への製品供給に支障をきたした場合、当社グループの経営成績等に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(8) 人材確保・人材育成
当社グループの人材については、国内においては少子高齢化が進展し、優秀な人材が確保できなくなるリスクがあります。また、国内外において人材の育成が進まず、社員が必要な技能、経験を保有できず、事業運営に影響を及ぼす可能性があります。
人材確保については、処遇の改善や多様な働き方の実現などにより、求職者への訴求力を高め、社員の満足度を向上させる取組みを継続して実施しております。また、人材育成については、各階層で保有すべき能力を身に着けるための階層別教育の実施やOJT教育の実効性向上、不正・不祥事を防止するためのコンプライアンス教育、グループ会社間での人材交流の活性化などに一層積極的に取り組んでおります。
配当政策
3 【配当政策】
当社の配当方針につきましては、安定的な配当の継続と業績等を勘案し、適正な成果の配分を行うことを基本としております。株主還元策の強化によるバリュエーションの改善のため、当事業年度に係る配当から配当方針を見直し、従来の「配当性向30%以上」から、「配当性向50%程度」を基準とすることとしております。
当社の剰余金の配当は、年1回の期末配当とすることを基本としており、期末配当の決定機関は、株主総会であります。
当事業年度の剰余金の配当につきましては、上記の配当方針に基づき、年間配当金を1株当たり105円としております。
なお、当社は中間配当を行うことができる旨を定款に定めており、中間配当の決定機関は、取締役会であります。
(注) 基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は、以下のとおりであります。