2024年7月期有価証券報告書より

リスク

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) インターネット広告市場について

インターネット広告市場は、インターネットの普及と技術革新により急速に拡大してまいりました。インターネット広告の市場規模の拡大は今後も継続していくと考えておりますが、外国資本によるプラットフォームの台頭及び個人情報保護気運の高まり、プライバシーに関する規制の強化や広告審査基準の厳格化などの規制並びに、景気の悪化や顧客動向、消費活動の変化による広告の減少などにより、当初想定していた収益を確保することができず、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

  

(2) 技術革新について

科学技術の飛躍的な進化による技術革新のスピードや、顧客ニーズの変化は早く、それに基づく新サービスが常に生み出されております。当社グループでは、そうした事態に対応するために、常に業界動向を注視し、迅速かつ適切な対応をしていく方針であります。しかしながら、何らかの要因のため、当社グループにおいて当該変化等への対応が遅れた場合、サービスの陳腐化、競争力低下等が生じる可能性があります。また、対応可能な場合であったとしても、既存システム等の改良、新たな開発等による費用の増加等が発生する可能性があり、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 競合について

当社グループは、コンシューマ事業及びインターネット広告事業の2つの事業領域において展開しておりますが、当該分野においては、多くの企業が事業展開していることもあり、競合サービスが増加する可能性があります。引き続き各事業の拡大及び競争力の維持・強化に努めてまいりますが、優れた競合企業の登場、競合企業によるサービス改善や付加価値が高いビジネスモデルの出現等により、当社グループの競争力が相対的に低下する可能性があり、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) ふるさと納税事業について

当社グループのふるさと納税事業において、税制改正などの法的規制に限らず、政府や省庁、地方自治体等からの指導や要請等の影響を受ける可能性があります。政府や省庁、地方自治体等が行う指導や要請等があった場合は、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 法的規制について

現時点において、当社グループの主力事業の継続に直接的に著しく重要な影響を及ぼす法的規制はないものと認識しておりますが、今後インターネットの利用者及び事業者を規制の対象とする法令、行政指導、その他の規則等が制定され、また近年の広告規制の強化が当社にも及んだ場合には、代替手段の開発に多額の投資が必要となり、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。また、Apple Inc.が運営するApp StoreやGoogle LLCが運営するGoogle Playなどのプラットフォーム事業者の事業方針に変更等があった場合、当社グループのサービスを継続することが困難となり、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 広告主及びパートナーサイトの参加審査について

当社グループのインターネット広告事業において、広告及びパートナーサイトの適法性が非常に重要となります。当社グループでは、広告主又はパートナーサイト運営者がアドネットワーク関連事業のサービスに登録をする際、当社グループの独自の基準に基づき、広告主が提供するバナー、又はパートナーサイトが公序良俗に反しないか、「不当景品類及び不当表示防止法」、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」、「特定商取引に関する法律」等の法律に抵触する恐れがないか等の審査を行い、当社グループの基準に反する事項が存在する場合には、登録を許可しない体制となっております。当社グループは、登録を許可した後においても定期的なモニタリングを行っておりますが、広告やパートナーサイトが公序良俗や法令に反する商品・サービスの提供、コンテンツの掲載を行った場合に、当社グループの信用が低下し、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) パートナーサイトの監視体制について

当社グループのインターネット広告事業において、パートナーサイトの品質管理のために、定期的に不正の調査を実施しております。故意による悪質な違反行為を行っていると判断される場合は、即時にアカウントを停止することもあります。このような取り組みにもかかわらず、予期せぬ要因によりこれらの対応に不備が生じ、広告主から訴訟を起こされた場合には、当社グループの信用が低下し、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(8) 内部管理体制について

当社グループは、グループ企業価値を最大化すべく、コーポレート・ガバナンスの充実を経営の重要課題と位置づけ、多様な施策を実施しております。また、業務の適正性及び財務報告の信頼性を確保するため、これらに係る内部統制が有効に機能する体制を構築、整備、運用しております。しかしながら、事業の急速な拡大等により、十分な内部管理体制の構築が追いつかないという状況が生じる場合には、適切な業務運営が困難となり、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 特定人物への依存について

当社グループにおいて、専門的な知識、技術、経験等の重要なノウハウを有し、経営、業務執行について重要な役割を果たしている、役員、幹部社員等が何らかの理由により退任、退職など、当社グループの業務を継続することが困難になり、後任者の採用が難航した場合、当社グループの経営活動に支障が生じ、事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。その時期は想定されるものではありませんが、当社グループでは当該リスクに対応するため、特定の人物に過度に依存しない体制を構築するべく、組織の見直しや積極的な情報共有、幹部の育成等により経営組織の強化を図っております。

 

(10)システムトラブルについて

当社グループは、各種サービス提供をインターネット環境において行っており、システムの安定的な稼働が業務遂行上必要不可欠なものとなっております。そのため、当社グループは、常時ネットワークを監視し、日常的に保守管理も行っております。また、継続的な設備投資により、システム障害を未然に防ぐ体制も整えております。しかしながら、システムへの一時的な過負担、ソフトウエアの不備、未知のコンピューターウィルスの侵入や人的な破壊行為、テロ攻撃、地震や台風等の自然災害といった事象が発生し、当社グループのシステムに障害が発生した場合、当社グループの事業が大きな影響を受け、当社グループの業績及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)個人情報管理について

当社グループは、コンシューマ事業及びインターネット広告事業において、利用者の個人情報を入手しており、「個人情報の保護に関する法律」が定める個人情報取扱事業者としての義務が課せられております。当社グループにおいては、当該義務を遵守すべく、個人情報や取引データの取扱いに際し細心の注意を払い、ネットワークの管理、独自のプライバシー・ポリシーの制定・遵守、内部監査によるチェック等により、個人情報保護に関し十分な体制構築が行われていると考えております。しかしながら、不測の事態により、個人情報が外部に流出した場合には、当社グループに対する損害賠償の請求や信用力の低下により、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(12)知的財産権について

当社グループは、第三者に対する知的財産権を侵害することがないように、細心の注意を払って事業活動を行っておりますが、現在のインターネット関連分野における技術の進歩の早期化、グローバル化により、当社グループの事業領域における知的財産権の現状を完全に把握することは困難であります。当社グループの事業分野での当社グループが認識していない知的財産権が既に成立している場合又は新たに当社グループの事業分野において第三者による著作権等が成立する場合には、第三者の知的財産権等を侵害することによる損害賠償請求や差止請求権等又は当社グループに対するロイヤリティの支払い要求等を受けることにより、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13)新規事業への投資について

当社グループは、今後も事業規模の拡大やグループ事業構成の最適化を図り収益源の多様化を実現するために、他社の買収や合併(M&A)、グループ会社の売却や合併等を含め、積極的に新規事業・サービスに取り組んでいく方針であります。その市場性や採算性、計画や買収金額の妥当性などを調査検証した上で新規事業・サービスの開始を行い、事業運営を行っておりますが、市場環境の変化や不測の事態により、当初予定していた事業計画を実現できない可能性があります。さらに、新規事業・サービスの立ち上げには先行投資として人材採用や研究開発又は設備投資等が発生する可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(14)人的資源について

当社グループは、創業以来、順調に事業規模を拡大してまいりましたが、さらなる業容拡大及び顧客ニーズの多様化に対応した新たなサービスの展開のためには、営業体制及び開発体制の強化が重要であり、優秀な人材を適切な時期に十分に確保、育成する必要があります。そこで、適切かつ十分な優秀な人材を採用できなかった場合、または離職等の発生により多くの人員が社外へ流出した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(15)代表者への依存について

当社グループの創業者であり現代表取締役である田中俊彦と野口哲也は、創業以来当社グループを牽引してまいりました。両氏はデジタルマーケティング事業に関して、先見性による事業創造力や市場分析を基にした開発技術力に関する豊富な経験と知識を有しており、経営方針や事業戦略、技術的判断の決定、遂行において極めて重要な役割を果たしております。当社グループでは、取締役会や本部長会議における役員及び幹部社員の情報共有や経営組織の強化を図り、両氏に過度に依存しない経営体制の整備を進めております。しかしながら、何らかの理由により両氏が当社グループの業務を継続することが困難になった場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(16)自然災害に係るリスクについて

当社グループの主要な事業拠点である東京もしくは、サーバー等重要な設備の設置拠点において、地震、台風、火災等大規模な災害による設備の損壊や電力供給の制限等の事態が発生した場合には、当社が提供するサービスの継続に支障を来す可能性があります。当社グループでは、こうした事態が発生した場合に備え、事業継続計画(BCP)を策定し、適切かつ速やかに危機対策、復旧対応を行うよう努めております。同計画では最大14日以内の復旧を想定しておりますが、その復旧までの期間もしくは、想定を大きく超える甚大な災害となった場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
 

配当政策

 

3 【配当政策】

当社は、事業基盤の維持及び持続的な成長のための原資を確保しつつ、業績の推移や財務状況、内部留保等を総合的に勘案した上で総還元による株主還元の実施を基本方針としております。具体的には、2024年7月から2027年7月期までの4年間は配当性向50%を目安とした安定的な配当の実施に、株価水準や市場環境等に応じ機動的な自己株式の取得を加えた、総還元による株主還元の実施を目指します。

なお、当社の剰余金の配当は、期末配当の年1回としておりますが、会社法第459条第1項に基づき、期末配当は7月31日、中間配当は1月31日をそれぞれ基準日として、剰余金の配当等を取締役会の決議により行う旨の定款規定を設けております。

また、当事業年度の剰余金の配当につきましては、2024年7月31日を基準日として1株当たり22円の配当を実施することを2024年9月12日開催の取締役会において決議しておりますので、当事業年度の年間配当は1株当たり22円となります。

 

(注)  基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は、以下のとおりであります。

決議年月日

配当金の総額
(百万円)

1株当たり配当額
(円)

2024年9月12日

1,267

22

取締役会決議