2026年3月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります

(単一セグメント)
  • 売上
  • 利益
  • 利益率

最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています

セグメント名 売上
(百万円)
売上構成比率
(%)
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
(単一セグメント) 12,294 100.0 4,893 100.0 39.8

3【事業の内容】

 当社は、『健康』をキーワードにホテルで快適に過ごして頂くように宿泊サービスの提供を行っており、「ABホテル」という名称で愛知県を中心に各地でホテル事業を運営しております。

 なお、当社はホテル事業の単一セグメントであり、概要は次のとおりであります。

 ホテル事業

 当社は、「ABホテル」の名称で愛知県に15店舗、埼玉県に1店舗、石川県に1店舗、群馬県に1店舗、奈良県に1店舗、岐阜県に5店舗、静岡県に2店舗、京都府に1店舗、滋賀県に3店舗、山口県に1店舗、福岡県に1店舗、大阪府に2店舗、長野県に1店舗、千葉県に1店舗、三重県に1店舗、福井県に1店舗の合計38店舗(2026年6月19日現在)を運営しております。『ビジネスホテルより快適に、シティホテルよりリーズナブルに』をキーワードに忙しいビジネスシーンや、アクティブな観光を快適にサポートするくつろぎ空間を提供し、お客様のニーズに着実にお応えする細やかなサービスを行っております。

 

○出店戦略について

 当社は、駅前や主要インターチェンジ付近などビジネスでの利用が見込める地域を中心に、安定的な宿泊需要が見込める立地を厳選し、多店舗展開を行っております。また、観光に特化した地域ではなく、ビジネス利用の地域を中心に出店することで季節変動による業績への影響を抑制するとともに、観光地での不測の事態に伴う利用の減少を回避しております。

 また、当社では開発段階において、お客様の安全性や利便性を第一優先とし、建築士を交えての開発会議においてローコスト建築を取り入れるとともに、運営面では外部委託業務である清掃を一部店舗で内製化するなど効率的な運営で固定費を抑制し、収益確保を図っております。

 

○施設について

 当社は、客室内のユニットバスのみではなく、全店舗に大浴場を設置することにより、お子様連れのご家族や足を伸ばしてお風呂を楽しみたい方などにも対応しております。また、全店舗に宴会場や会議室を設けない宿泊特化型のビジネスホテルとして展開することで収益の安定化を図っております。さらには、お客様の急なお仕事にも対応できる無料Wi-Fiや、長期滞在にも対応できるようにコインランドリーを設置しております。女性お一人でも泊まりやすくするために、一部店舗においては女性優先フロアを設け、近隣フロアに女性用大浴場を設置しております。

 

○客室について

 当社は、シングルルームを中心に客室を設けており、個別空調エアコンや防音対策を施した壁の設置、ユニットバスとの高低差を緩和するなど快適にお過ごし頂けるように配慮しております。また、快眠は調和のとれた食事、適度な運動とあわせて健康の三原則の一つとの考えから、清潔感のあるデュベスタイル(※)のベッドメイキングを施しております。その他、不足しやすいコンセントを多数ご用意し、ワードローブを確保するなどお客様が心休まる快適な空間とサービスの提供に向けて細やかな配慮を心掛けております。

※デュベスタイルとは、ベッドメイキング方法の一つであります。羽毛布団をシーツで包んでいるため、お客様との接触部分は清潔な状態であり、シーツがめくれることもございません。

 

○サービス・商品について

 一部店舗を除き、個別空調エアコンや壁掛けテレビの設置位置の工夫など当社独自の客室レイアウトを考案し、快適性・効率性のある客室造りに取り組んでおります。また、一部店舗においては、シングルルームに大型の液晶テレビを設置しております。無料(一部店舗は有料)の和洋朝食サービスについては、定期的に口コミ等を確認することで、お客様のご意見を反映しさらなる満足度の向上に向けて、食材の見直しや、より多くのメニューから選んで頂けるよう取り組むなど、変化するお客様のニーズを迅速に捉え着実にお応えし、常により良いサービスの提供が行えるように取り組んでおります。(一部店舗では夕食サービスを含む)

 

○IT活用について

 当社は、お客様にとって身近な媒体であるインターネットを利用した販売戦略を活用し集客拡大に取り組んでおります。当社公式サイト及び楽天トラベル・じゃらん等の他社サイトにて、魅力あるホテルであることが伝わる外観・客室・大浴場等の宣材写真の掲載やホテル周辺のおすすめ観光情報等を掲載し、情報量を豊富にすることで幅広い顧客層にご利用頂けるように取り組んでおります。また、当社はお客様にとって煩わしいチェックインの簡略化やスムーズなチェックアウトを可能にするとともに宿泊システムと連動する自動精算機を導入することで効率化を図っております。

 

○運営体制について

 当社は、前身の株式会社東祥のホテル事業部からのノウハウを活かし、本部による定期的な店舗環境チェック等トレンド・マーケット調査を実施し、また、口コミ等を定期的に確認し精査することで、接客品質の向上を図り、お客様に満足頂ける空間造り及びサービスの提供に向けた運営体制を構築しております。さらに、ご利用頂くお客様への特典(宿泊料金の割引、一定ポイント残高に応じたQUOカードへの交換、チェックアウト時間の延長、チェックインの簡略化)を付したABホテル会員制度を設けリピート率の増加・維持を図っております。

 また、当社は、ホテル事業の店舗展開に当たり、一部店舗では業務委託方式によるホテル運営を行っております。当社より業務受託者である支配人及び副支配人に対して、具体的には予約管理及びフロント業務、朝食等の食事提供、施設内外の清掃管理・環境整備等の業務を委託しております。業務受託者とは、当初3年間を契約期間として業務委託契約を締結し、3年経過後は1年毎に更新する形で契約を締結しており、報酬は固定報酬とは別に、ホテルの宿泊稼働率等に応じて、インセンティブを支払うなど、宿泊稼働率の向上を図っております。

 

 事業の系統図は、次のとおりであります。(2026年3月31日現在)

 

 

業績状況

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①財政状態及び経営成績の状況

 当事業年度におけるわが国経済は、継続的な賃上げの定着による実質賃金のプラス圏浮上や、活発なインバウンド需要に支えられ、個人消費を中心に内需は底堅く推移いたしました。一方で、緊迫化する中東情勢などの地政学的リスクを背景としたエネルギー価格の再上昇や、物流コストの高止まりが収益の圧迫要因となっております。また、日本銀行による追加利上げの時期を巡る観測から、為替および長期金利が不安定に推移しており、依然として景気の先行きは不透明な状況が続いております。

 このような経済状況のもと、当社は、「Amenity&Bright」(快適で明るい)をコンセプトとしたホテル展開をしております。当事業年度では、インバウンド需要の確実な取り込みに向けて海外系OTAを拡充したほか、一部店舗でのウェルカムドリンク提供など、顧客満足度の向上に努めました。コスト面では、人件費やエネルギー価格の高騰に対応するため、自社清掃店舗の拡大によるオペレーション効率化を推進いたしました。また、レベニューマネジメントの精度向上を図り、コスト増加分を適切に反映した販売価格の設定と、収益最大化を両立する施策を展開いたしました。

 この結果、主要顧客であるビジネス客の底堅い需要に加え、関西圏を中心としたインバウンド需要の増加により、客室単価は上昇いたしました。一方で稼働率の適正化を並行して進めたことにより、前々期までに開業した既存34店舗の当事業年度における平均宿泊稼働率は84.7%(前年同期比3.0ポイント減)となりました。

 新規開発におきましては、「ABホテル越前武生」並びに「ABホテル犬山」の2店舗を新規開業いたしました。2026年4月以降の開発につきましては、「ABホテル茅野」(2026年9月開業)、「ABホテル大野神戸インター」(2027年1月開業)、「ABホテル倉敷水島」(2027年3月開業)、「ABホテル東広島」(2027年夏頃開業)及び「ABホテル美濃加茂」(2028年冬頃開業)を予定しております。

 この結果、当事業年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

a.財政状態

 当事業年度末の資産合計は、前事業年度末に比べ3,044百万円増加し、29,329百万円となりました。

 当事業年度末の負債合計は、前事業年度末に比べ184百万円増加し、13,720百万円となりました。

 当事業年度末の純資産合計は、前事業年度末に比べ2,860百万円増加し、15,609百万円となりました。

 

b.経営成績

 当事業年度における経営成績は、売上高12,293百万円(前年同期比15.1%増)、営業利益4,892百万円(同23.5%増)、経常利益4,830百万円(同23.6%増)、当期純利益は3,143百万円(同23.6%増)となりました。

 なお、セグメント別の経営成績については、単一セグメント(ホテル事業)であるため、記載を省略しております。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当事業年度におけるキャッシュ・フローにつきましては、営業活動による資金増加が4,531百万円あった一方、ビジネスホテル建設等の投資活動による支出が2,009百万円、財務活動による支出が730百万円あった結果、現金及び現金同等物は7,711百万円と前事業年度末と比べ1,791百万円の増加となりました。

 当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は、4,531百万円(前事業年度は3,277百万円の収入)となりました。これは主に税引前当期純利益が4,770百万円、減価償却費が915百万円あった一方、法人税等の支払額が1,477百万円あったこと等を反映したものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は2,009百万円(前事業年度は3,778百万円の支出)であります。これは主にビジネスホテル2店舗の建設等に伴う有形固定資産の取得による支出が1,593百万円あったこと等を反映したものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は730百万円(前事業年度は836百万円の収入)であります。これは建設等に伴う長期借入れによる収入が1,700百万円、セールアンドリースバック取引による収入が462百万円あった一方、長期借入金の返済による支出が1,771百万円、短期借入金の返済による支出が521百万円、リース債務の返済による支出が317百万円あったこと等を反映したものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産、受注実績

 当社で行う事業は、提供するサービスの性格上、生産・受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

b.販売実績

 当事業年度における販売実績を地域別に示すと、次のとおりであります。

地域の名称

当事業年度

(自 2025年4月1日

至 2026年3月31日)

販売高(千円)

前年同期比(%)

東海エリア

7,083,986

115.5

関東エリア

1,273,791

108.6

北陸エリア

425,417

117.8

関西エリア

2,909,680

119.1

中国エリア

335,658

98.1

九州エリア

265,371

116.1

合計

12,293,904

115.1

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。当社は、この財務諸表の作成に当たりまして、決算日における資産、負債及び損益に関して報告数値に影響を与える見積りを行っております。当社は、固定資産の減損損失に関する見積り及び判断を継続して行っております。

 しかしながら、多様化する社会のニーズ、市況の変化等により見積り及び判断が実際の結果と異なる場合があります。

 

固定資産の減損

 当社は、ホテル等の固定資産を所有しており、将来、著しく収益及び評価額が低下した場合、減損損失の計上が必要となる可能性があります。

 財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。

 

②当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績等

 1)財政状態

(資産合計)

 当事業年度末における総資産は、前事業年度末に比べ3,044百万円増加し29,329百万円となりました。主な要因といたしましては、現金及び預金が2,091百万円、ABホテル新規出店等に伴う有形固定資産が649百万円それぞれ増加したこと等によるものであります。

(負債合計)

 当事業年度末における負債総額は、前事業年度末に比べ184百万円増加し13,720百万円となりました。主な要因といたしましては、未払法人税等が203百万円、未払消費税等が321百万円それぞれ増加した一方、ABホテル新規出店等に伴う既存借入金の返済が592百万円進んだこと等によるものであります。

(純資産合計)

 当事業年度末における純資産につきましては、前事業年度末に比べ2,860百万円増加し15,609百万円となりました。主な要因といたしましては、利益剰余金が増加したことによるものであります。

 2)経営成績

(売上高)

 福井県越前市並びに愛知県犬山市に出店し、愛知県15店舗、埼玉県1店舗、石川県1店舗、群馬県1店舗、奈良県1店舗、岐阜県5店舗、静岡県2店舗、京都府1店舗、滋賀県3店舗、山口県1店舗、福岡県1店舗、大阪府2店舗、長野県1店舗、千葉県1店舗、三重県1店舗、福井県1店舗の合計38店舗の体制となりました。インバウンド需要の高まりが追い風となり、客室単価が上昇し売上高は12,293百万円となりました。

 

(売上原価、販売費及び一般管理費)

売上原価につきましては、売上の増加や物価高騰に伴い6,656百万円となりました。売上高に対する売上原価の比率は54.1%となりました。

販売費及び一般管理費につきましては、売上増加による販売手数料の増加等により744百万円となりました。売上高に対する比率は6.1%となりました。

 

(営業利益)

 営業利益につきましては、4,892百万円となりました。売上高に対する営業利益の比率は39.8%となりました。

 

(営業外収益(費用))

 営業外収益(費用)につきましては、受取利息や自動販売機の手数料収入等があり営業外収益は48百万円であった一方、支払利息等の費用が発生した結果、営業外費用は110百万円となりました。

 

(税引前当期純利益)

 「ABホテル光」の出店中止に伴い特別損失として59百万円があった結果、税引前当期純利益は4,770百万円となりました。

 

(当期純利益)

 当期純利益につきましては、上記理由により3,143百万円となりました。

 

 3)キャッシュ・フローの状況

 当事業年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社の経営成績等の状況は、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。2024年5月10日に公表いたしました2027年3月期を最終年度とする中期経営計画を進めております。初年度である2025年3月期においては、宿泊単価等が堅調に推移した結果、売上高10,679百万円(計画は10,300百万円)、経常利益3,908百万円(同3,620百万円)、当期純利益2,542百万円(同2,320百万円)、新規開業2店舗(同3店舗)となりました。また2年目となる2026年3月期においては、国際的イベントにより関西圏を中心としたインバウンド需要の増加があった結果、売上高12,293百万円(計画は11,400百万円)、経常利益4,830百万円(同4,030百万円)、当期純利益3,143百万円(同2,460百万円)、新規開業2店舗(同3店舗)となりました。新規出店においては、毎年3店舗という計画に対し未達ではあるものの、売上高、経常利益、当期純利益と計画を大幅に上回る結果となりました。最終年度となる今期については見直しも実施し、売上高12,800百万円、経常利益5,000百万円、当期純利益3,150百万円の達成に向け精一杯取り組んでいきます。

 当社が今後の業容を拡大し、より良いサービスを継続的に展開していくために、経営者は「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の様々な課題に対処していくことが必要であると認識しております。それらの課題に対応するために、食事に関するサービスの更なるバリューアップ、集客経路の多様化、サービスの質の向上により稼働率の増加を図るとともに、マーケットの状況、景気動向等を総合的に勘案し年間3店舗以上を目標に新規開発を行ってまいります。

 また、新規開発に伴う設備投資額については、継続的に建設プランの見直し等により開発コストの低減に努めるとともに、投資コストに見合う収益構造の構築に取り組んでまいります。

 今後の成長戦略においては、新規開発物件の徹底した市場調査、資金調達の多様化を図り、継続した成長戦略を推進できる体制を構築するとともに、新商品の開発に取り組んでまいります。

 

c.資本の財源及び資金の流動性

資金需要

 当社の資金需要のうち主なものは、設備投資資金のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。営業費用の主なものは、人件費及び販売手数料であります。

 今後も「ABホテル」の開発により、設備投資の資金需要は大きくなるものと予想されますが、収益力の強化によりバランスシートの更なる改善を図ってまいります。

財務政策

 当社は現在、主に運転資金につきましては内部資金、設備資金につきましては金融機関からの借入により資金調達をすることとしております。

 当事業年度末における借入金の残高は7,133百万円となりました。資金調達コストの低減に努めるとともに、効率的な資金調達を行うため、複数の金融機関との間で合計5,450百万円の当座貸越契約及びコミットメントライン契約を締結しております(借入実行残高1,450百万円、借入未実行残高4,000百万円)。

 

d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社は、2024年5月10日に公表し、2026年5月8日に修正を公表いたしました2027年3月期を最終年度とする中期経営計画(最終年度売上12,800百万円、経常利益5,000百万円)においては、毎年経常利益率35%以上の確保を目標としております。業績達成に向け、引き続き、既存施設の収益向上、新規出店候補地の開発等に取り組んでまいります。