リスク
3【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
記載したリスクはいずれも事業及び業績に影響を与えうる「重要なリスク」ですが、中でも全社的に中長期的な成長や事業継続に関連性の高いリスクを「特に重要なリスク」として定義しております。当社グループはこれらのリスク発生の可能性を認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものです。
また、当社は、事業活動における様々なリスクを包括的に把握するとともに、一元的な管理のもと、これを適切に予防ないしは発生による損失を最低限に留め、当社グループの企業価値を保全することを目的として、リスク管理委員会を任意の委員会として設置しております。同委員会は最高責任者である代表取締役が委員長を務め、リスク管理責任者として当社コーポレート本部担当取締役及び子会社の代表取締役を配置し、リスク管理者及び事務局で構成されます。同委員会は、当社事業全体の事業リスクを認識し、当社事業全体の事業リスクを総括管理し、当社グループの各種リスクに対する対応方針及びそのリスク対策について指示・監督等を行い、その状況を取締役会に報告しております。
(特に重要なリスク)
(1)経営環境の変化について
当社グループは、各事業子会社において、インテリジェントオートメーション事業、アドオートメーション事業を行っております。それぞれ顧客企業のIT投資、広告投資、マーケティング投資、新規事業投資への投資マインドの上昇を背景として事業を拡大していく方針でございますが、今後国内外の経済情勢や景気動向等の理由により顧客企業の投資マインドが減退するような場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)Tungsten Automation Japan株式会社との契約について
インテリジェントオートメーション事業の現時点での主力商品である「BizRobo!」を構成する技術の一部は、米国のTungsten Automation Corporationの日本法人であるTungsten Automation Japan株式会社とリセラー契約を締結し、ライセンス供与を受けております。リセラー契約の有効期間は2027年12月31日までと定められておりますが、今後、同社の取引方針の変更等により、同社からのソフトウエアライセンスの供給が停止又は終了した場合、インテリジェントオートメーション事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)事業基盤の強化について
当社グループのインテリジェントオートメーション、アドオートメーション事業の事業基盤を強化するため、RPA、AI等のオートメーション技術のライセンス調達など戦略投資、オートメーション技術を活用した新規事業開発・サービス開発など新規事業投資を積極的に推進して参ります。新規事業投資にあたっては、参入事業・サービスの需要や競争環境等の徹底した事前調査から投資計画の精査を行ったうえで投資実行を進め、経営会議等で事業進捗のモニタリングや改善活動等を行っております。
しかしながら、これらの投資が当初の計画どおりの成果が得られない場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(重要なリスク)
(4)競合について
当社グループが提供している各事業には競合が複数社存在しております。
その中でもインテリジェントオートメーション事業が属するRPA、ハイパーオートメーション業界は、今後の国内マーケットの拡大により、参入企業が増加し、競争の激化やその対策のためのコスト負担等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)M&A及び資本業務提携について
当社グループは、既存サービスの強化、新たな事業領域への展開等を目的として、M&Aや資本業務提携を実施することにより当社グループの事業を補完・強化することが可能であると考えており、事業規模拡大のための有効な手段の一つであると位置づけております。今後もM&Aや資本業務提携等を通じて事業拡大又は人員確保を継続していく方針であります。M&A等の実行に際しては、対象企業に対して財務・税務・法務・ビジネス等に関する詳細なデューデリジェンスを行い、各種リスクの低減に努める方針でありますが、投融資先の事業の状況が当社に与える影響を確実に予想することは困難な場合もあり、投融資額を回収できなかった場合や減損処理が必要となった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)技術革新への対応について
インテリジェントオートメーション事業の属するRPA、ハイパーオートメーション業界においては、新技術の開発及びそれに基づく新サービスの導入が頻繁に行われており変化の激しい業界となっております。そのため常に新しい技術要素をエンジニアに習得させて参りますが、何らかの理由で技術革新への対応が遅れた場合、当社グループが提供するサービスの競争力が低下する可能性があります。また、予定していない技術要素への投資が必要となった場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
(7)固定資産の減損について
当社グループは、有形固定資産、ソフトウエア及びのれんなどの固定資産を保有しております。
これらの資産について、経営環境の変化等で、その収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった場合などには、固定資産の減損会計の適用による減損損失が発生し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(8)投資有価証券の減損について
当社は、経営戦略及び営業戦略上の必要性のため投資有価証券を保有しておりますが、発行企業の業績及び財政状態の悪化等によって、時価あるいは実質価額が著しく下落した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(9)エンジニアの確保
当社グループの「BizRobo!」導入にあたって、導入支援等のコンサルティング、エンジニアリングを実施しておりますが、当該支援業務を担うエンジニアが十分に確保できない場合、適時の対応ができないばかりか、取引のキャンセル等の機会損失が生じる可能性があります。
(10)システム上のトラブル・サーバクラッキングについて
当社グループではシステム上のトラブルに対応するため、最大限の保守・保全等の対策を講じるとともに、アクセス権限の設定・パスワード管理等の徹底を図り、情報漏洩の防止に努めております。しかしながら、万が一、システムのダウン、予測不能のウイルスの侵入や不正アクセス等が発生した場合には、情報システムの停止、顧客情報を含めた内部情報の消失、漏洩、改ざん等のリスクがあります。このような事態が発生する場合には、社会的信用の失墜等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(11)情報セキュリティリスクについて
当社グループは事業を推進していく中で、クライアントの機密情報や個人情報を扱う機会があります。情報管理については必要な措置を講じておりますが、不測の事態によりこれらの情報が流出した場合には、当社グループの社会的信用力、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(12)代表者への依存について
当社代表取締役である髙橋知道は、当社グループの事業展開において事業戦略の策定や、業界における人脈の活用等、重要な役割を果たしております。
また、当社取締役である大角暢之は、当社グループの中核事業であるインテリジェントオートメーション事業に関する知識と経験を有するとともに、これまでの当社グループの事業基盤を起点に新たなビジネスモデル創出を目指す共創開拓を担い、当社グループの事業展開において重要な役割を果たしております。
当社グループは、経営管理体制の強化、経営幹部の育成等を図ることにより、両氏への過度な依存の脱却に努めておりますが、現時点においては、未だ両氏に対する依存度は高いと考えております。今後、何らかの理由により両氏の当社グループにおける業務遂行の継続が困難になるような場合には、当社グループの事業展開等に影響を及ぼす可能性があります。
(13)広告及びパートナーサイトの品質維持について
当社グループのアドオートメーション事業における「PRESCO」は、広告及びパートナーサイトの品質維持が重要となります。当社グループでは、広告主又はパートナーサイト運営者が「PRESCO」に登録をする際、広告主が運営するサイト及びバナー、又はパートナーサイトが公序良俗に反しないか、法律に抵触するおそれがないか等の審査を行い、当社グループの基準に反するコンテンツ等が存在する場合には、登録を許可しない方針となっております。
当社グループは、登録を許可した後においても定期的なモニタリングを行っておりますが、広告やパートナーサイトが、公序良俗や法令に反する商品・サービスの提供、コンテンツの掲載を行った場合に、当社グループの信用が低下し、事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(14)新株予約権の行使による株式価値の希薄化について
当社グループでは、取締役、従業員に対するインセンティブ等を目的としたストック・オプション制度を採用しております。また、資金調達を目的とした新株予約権を発行しております。
今後においてもストック・オプション制度や資金調達手段として新株予約権を活用していくことを検討しており、現在付与している新株予約権に加え、今後付与される新株予約権について行使が行われた場合には、既存株主が保有する株式の価値が希薄化する可能性があります。なお、本書提出日現在における新株予約権による潜在株式数は2,397,000株であり、発行済株式総数(自己株式を除く)の3.97%に相当しております。
配当政策
3【配当政策】
当社は、株主の皆様への利益還元の充実は、株主価値を高めることにつながる重要な経営施策の一つであると考えております。長期にわたる安定的な経営基盤の確保や将来の事業拡大のために必要な内部留保の充実を図りつつ、経営成績に応じた利益還元を行うことを基本方針としております。
当社は、中間配当及び期末配当の年2回を基本的な方針としております。これらの剰余金の配当の決定機関は、中間配当は取締役会、期末配当は株主総会であり、「取締役会の決議により、毎年8月31日を基準日として、中間配当を行うことができる。」旨を定款に定めております。
当社グループの主要事業から創出された利益を今後の成長に必要な事業開発投資、M&A等に優先的に活用しつつ、株主の皆様への還元につきましては、財務健全性を維持しながら、当社グループの主要事業から創出された利益に
対する配当性向40%を目安とした継続的な配当を目指すとともに、2028年2月期を目途にDOE(株主資本配当率)3%程度を指標として導入し、更に安定的かつ充実した配当の実現を目指してまいります。
また、中長期的には二桁%のROE(自己資本利益率)実現のため、事業成長による利益最大化を図り、資本効率の向上に資する株主還元策として機動的に自己株式の取得を行うことも継続して検討してまいります。
これまでは競争力強化と更なる成長のために、無配とさせて頂いておりましたが、経営成績に応じた株主の皆様への利益還元を行う財務基盤が確立できる見込みとなったことから、上記の方針に基づき、第26期事業年度の剰余金の配当につきましては、1株当たり3円とし、2025年4月に創立25周年を迎えることができましたことを記念して1株につき2円50銭の記念配当を加え、1株につき5円50銭としました。
また、自己株式の取得につきましては、当事業年度において自己株式834,300株(取得総額212,801千円)を取得いたしました。
なお、当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。
決議年月日 |
配当金の総額 (百万円) |
1株当たり配当額 (円) |
2025年5月28日 |
332 |
5.50 |
定時株主総会決議 |