2026年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    1,786名(単体) 100,329名(連結)
  • 平均年齢
    43.7歳(単体)
  • 平均勤続年数
    14.4年(単体)
  • 平均年収
    8,225,093円(単体)
  • 平均年収の
    対前年増減率
    8.2%(単体)

従業員の状況

人材戦略に関する基本方針等

(1)【人材戦略に関する基本方針等】

①人材戦略

当社は、人的資本を当社グループの第2創業期における成長戦略の礎として位置付けています。過年度において、複数の国内外の連結子会社を含むグループ内で、不適切な会計処理及び貿易取引上の問題が発生したことに起因する一連の事態を受け、企業再生を推進していくうえで「Re-Definition宣言」を発表し、「ガバナンス強化」「人材育成」「企業風土改革」に重点をおいて人的資本拡充に向けて取り組みを進めています。

(注)人的資本に関する以下の指標については、特に記載がない限りニデック(株)の数値(2026年3月末時点)を掲載し、小数点第2位を四捨五入しています。なお、過年度掲載していた一部の指標については、当社ウェブサイト等を通じて速やかに開示する予定です。また、2026年度以降の目標値については、事業戦略とのシナジーを考慮したうえで検討を進めています。
 

<ガバナンスの強化>

人的資本経営の強固な基盤を構築するうえで、経営陣の監督・執行体制を強化するため、取締役会構成の刷新とあわせ、指名委員会・報酬委員会の機能と実効性を抜本的に見直し、グローバル統一の公正かつ透明性の高い役員ガバナンスを推進しています。

1)「取締役構成の見直し」

企業再生に向けたガバナンス改革を推進するうえで、経営の透明性・客観性を高め、実効性のある監督体制を再構築するため、取締役会の構成を全面的に刷新しました。(2025年度に新取締役体制の構成・指名プロセスを検討・審議し、2026年6月18日開催の第53期定時株主総会付にて選任)当社の取締役会は12名(社外取締役10名、社内取締役2名)で構成しております。取締役会の機能を実効的に発揮できるよう、上場企業の経営経験者や会計専門家を含む社外の人材を中心に多様な候補者を選任し、経営陣からの独立性を強化した取締役会を構築しております。幅広い多様な分野における知識・経験、市場規律の尊重、ステークホルダーとの対話の重視、高い企業倫理・コンプライアンス意識を備えた人材によるバランスの取れた構成、また、国際的な知見や経験を有した者や女性の取締役を選任し、国際性やジェンダーを含む多様性の確保にも配慮しております。

 

2)「指名委員会・報酬委員会の実効性の強化」

当社では、取締役会の諮問機関として「報酬委員会(2021年2月~)」「指名委員会(2022年11月~)」を設置しています。両委員会はすべて独立社外取締役にて構成しています。グローバルでの競争力強化と事業を通じた社会課題の解決による持続的な企業価値向上を目的として、取締役及び執行役員等の選任方針・選任基準・候補者案の決定等や役員報酬に関して、独立社外取締役の適切な関与・助言を得ることで、公正性・透明性・客観性を担保し、当社のコーポレート・ガバナンス体制のより一層の充実を図ることを目指しています。

(ⅰ)「指名委員会」では、取締役及び執行役員等の選任方針・選任基準及び社長をはじめとする重要ポジションのサクセッションプラン等を審議しています。2025年度については、指名委員会の審議対象ポジションを見直すとともに、取締役・執行役員の選任及び解任基準の改定を行いました。具体的には、過去のパフォーマンスを重視した従来の選任基準から、高い倫理観とコンプライアンス意識、組織構築と人材育成を通じたリーダーシップ、将来を見据えた戦略立案・実行等の観点を重視した基準とし、当社グローバル経営幹部及び国内グループ会社CEOにも適用されるよう、適用範囲の拡大を行っています。また、選任プロセスとして、指名委員の面談のほか、過去の懲罰歴等のコンプライアンスチェック、および社内候補人材については外部アセスメント結果等の多角的な情報も踏まえて、指名委員会にて複数回にわたって慎重に審議を重ね、取締役・執行役員を選任しました。(2026年6月18日定時株主総会時点)

(ⅱ)「報酬委員会」では、役員の報酬に係る報酬決定方針の策定、報酬制度の設計(業績目標の設定、業績連動報酬の合理性、報酬構成の妥当性、報酬制度に基づく個別報酬額)等を審議しています。2025年度については、報酬委員会の審議対象ポジションを見直すとともに、役員報酬評価基準の見直しを行いました。具体的には、短期業績への偏重を是正すべく、STI(短期インセンティブ)において売上・営業利益・FCF(フリーキャッシュフロー)に加え、非財務要素を組み入れた新たな評価基準を策定し、当社グローバル経営幹部及び国内グループ会社CEOにも適用されるよう、グローバル統一の報酬体系としての拡大を行っています。また、報酬決定プロセスとして、会社の経営状況や各種ベンチマークデータ等の適時適切な情報提供を通じて報酬委員の関与を大幅に強化し、主体的かつ慎重な審議を重ねることで、グループ全体における報酬決定の透明性と公正性を確保しました。

 

当社グループのグローバルでの競争力強化と事業の持続的な成長・発展につなげるべく、取締役・執行役員のマネジメントの観点からもグループ経営・グループガバナンスをより一層強化していきます。

 

<人材育成>

当社の持続的成長と企業変革を牽引する人材の育成に向け、多様性を生かした多層的な人材開発を展開しています。地域や事業の枠を超えて、次世代の経営幹部候補の発掘・育成・登用を通じて人材パイプラインを強化するとともに、日本地域を中心とした全社員の階層別の育成支援に取り組み、自律的に学び、挑戦し続ける人材の育成と組織能力の最大化を図っています。

1)「次世代経営幹部候補の発掘・育成・登用」

当社グループが持続的な成長を遂げる上で、安定した経営継承および経営幹部人材のパイプライン確立を最重要課題と位置付けています。これまでもグループ全体の重要ポストの可視化を進めるとともに、実践的なタフアサインメントや幹部候補者向け研修の機会を通じた戦略的な早期開発に取り組んできました。

特に2024年度からは、事業や地域の枠を超えてグループ内の人事責任者が集結する「グローバル人事戦略コミッティ」を発足させました。現在はグローバル人事組織としての運営に移行しておりますが、同コミッティの取り組みを通じて、組織や地域を問わず、グループ全体における次世代リーダー候補人材の把握・可視化を強力に推進しました。この取り組みが実を結び、2025年4月1日には将来の役員候補を明確化し計画的に育成していく「理事制度」を新設、同コミッティで発掘・可視化された人材を中心に当時11名を理事に任命しました。さらに、2026年4月1日時点でこのうち5名(うち外国籍3名)が新たに役員へ登用されました。一連のプロセスにより、グローバルで多様な人材が着実に経営中枢へと登用される実績が生まれています。

さらに2026年度以降は、新役員体制のもとで理事制度の位置づけを再整理するとともに、グローバル含めた当社の役員が集まって次世代の経営幹部候補の特定、及び育成のあり方について議論を重ね、役員自らが次世代人材の育成を進めていくプロセスに着手しています。また、育成メニューの一つである幹部研修においても、従来実施してきた「グローバル経営大学校」や各事業本部が独自に実施してきた幹部研修を全面的に見直し、既存の研修で得た知見や枠組みを活用しながらグローバルレベル、地域レベルで幹部研修を整備し、グループ一体での幹部研修体系の構築を進めています。

今後も、適時適切なサクセッションプランの運用と、内部人材の計画的な開発・登用を基本としつつ、多様な視点と高度なマネジメント力を備えた経営体制の構築を強力に推進していきます。

 

2)「次世代リーダー(管理職層・担当者層)の開発」(日本地域を中心とした取り組み)

当社グループでは、個々の社員の特性を理解し、尊重することで、社員各々の専門性が発揮され、グループ全体の業績向上及び将来のリーダーを担う人材の候補者開発に繋がると考えています。そのため、様々な人材開発施策を通じて、社員が自律的に成長するために学習意欲を高めることや、個々人のニーズに合うよう幅広く学習機会を提供することを目指しています。今後も、キャリアの状態に応じた次の役割別の研修機会、及び個別の学習ニーズに合わせた開発施策・機会の提供に注力します。

(ⅰ)管理職層に対しては、自己のリーダーとしての強み、弱みを洗い出すための研修を実施しています。研修の結果として作成される個人別のフィードバックレポートを本人及び上司にも共有し、OJTに活用できるようにしています。

(ⅱ)担当者層においては、新卒入社者に対して約2年間の若手育成プログラムを実施し、実務遂行力やビジネスパーソンとしての基礎的な力を養成するための各種研修を実施しています。このプログラム期間は、研修だけでなく、職場にて具体的な開発計画を立て、OJTにより現場での経験を通じた人材開発にも取り組んでいます。

(ⅲ)階層別に各種研修の機会を提供するほか、キャリア開発支援(上司・若手向けキャリア研修やキャリアプランシート、定期的な1on1ミーティング等)を通じて、各個人が学習意欲を高めるための内省を促進する機会を設けています。

(ⅳ)社員全般に対しては、社員個人が自らの学習ニーズに沿った通信教育(修了者への補助あり)等を受講できるスキルアップ支援プログラムを用意しており、個々人の能力向上、リスキリングの促進にも取り組んでいます。
  

 

スコープ

教育・研修に関する指標

2023年度

2024年度

2025年度

2025年度目標

当社

一人当たりの研修時間

時間

12.0時間

14.9時間

11.4時間

15時間

日

1.5日

1.9日

1.4日

1.9日

一人当たりの研修費用

円

17,409円

17,507円

10,501円

20,000円

キャリア意識

全社員

50.4%

52.5%

49.2%

55.0%

男性

51.5%

52.6%

50.9%

-

女性

44.4%

52.1%

40.9%

-

 

(注)キャリア意識:毎年実施している従業員意識調査「組織パフォーマンスサーベイ」の「あなたは、キャリアの方向性を描いていますか?」の設問に対し、5段階評価のうち「そう思う」、「ややそう思う」と回答した社員の割合

 

2025年度の主な研修の事例

研修名称

受講者数

一人当たり研修時間

新入社員研修

52 名

146.3 時間

若手育成プログラム

新入社員

52 名

19.2時間

2年目社員

58 名

16.7時間

技術者レベルアップ教育

280 名

5.6 時間

MOT研修

15 名

30 時間

システムズエンジニアリング研修

32 名

14 時間

 

(注)1.新入社員研修:学生から社会人への切り替えと、社会人に必要な知識・スキルを学びながら、マインドセットを行う。

2.若手育成プログラム:新卒入社後の2年間で、計5回の研修とeラーニングを通して社会人基礎力の理解を深め、職場での課題解決を通してこれらの定着を図る。

3.技術者レベルアップ教育:業務に直接必要なモータに関する要素(メカ、磁気、電気・電子、制御等)に加え、品質向上、原価低減、短納期開発による利益貢献につながる幅広い知 識の習得を図る。

4.MOT研修:技術に基づいた新規ビジネスを立ち上げるために必要な考え方やマーケティング・戦略立案の方法を学ぶ。

5.システムズエンジニアリング研修:製品のモジュール化、システム化に対応するための設計手法や組織運営などを学び、新規ビジネス、事業をリードするための手法を身につける。

 

<企業風土改革と社員エンゲージメントの向上>

企業再生に向けた抜本的な改革を断行するうえで、過去の短期利益最優先や「もの言えぬ風土」からの完全な脱却を図り、「必ず正しく」行動することを最優先とする新たな企業風土の再構築が不可欠です。当社では、変革の方向性として「風土」「制度」「プロセス」を見直して正しい仕組みを再構築し、「必ず正しく」行動することを最優先にする企業を目指します。社員一人ひとりが健全な倫理観とコンプライアンス意識を胸に、率直な意見表明や問題提起を臆することなく行える、オープンで透明性の高い組織風土を実現し、社員と会社のエンゲージメント向上に繋がるよう、多面的な施策を展開しています。

 


1) 企業風土改革の推進組織の設立と双方向コミュニケーションの創出

(ⅰ)企業風土変革を戦略的かつ機動的に推進するため、2026年2月1日付で最高人事責任者(CHRO)直下に専任組織「Culture Transformation Lab(カルチャー・トランスフォーメーション・ラボ)」(以降、Lab)を設立しました。双方向の対話や、透明性のある自由闊達なコミュニケーション風土の醸成を目指して、同組織が牽引役となり、社員自身の主体的な参画を重視した様々な取り組みを行っています。具体的には、社員・労働組合組織からの意見を確実に経営層へ伝達し、迅速に施策へ反映する体制を構築しています。社員からの意見や対応状況は社内ポータルサイト上で公開して透明性を担保し、社員の声によって当社が変化していく様子を実感できるよう、着実に実績を積み重ねています。

(ⅱ)経営トップ自らが国内外の各拠点を訪問し、変革の意思を伝えるとともに現場社員とともに対等な立場で意見交換を行う「タウンホールミーティング」を定期開催しています。毎月当社グループ全拠点を繋いだ全体会同を実施し、会社状況や経営方針の共有、および社内ポータルサイトに設置された「意見箱」の主要な意見について経営トップ自らが回答するなど、経営層と社員の双方向コミュニケーション機会を強化しています。

(ⅲ)当社の社員代表組織である親睦会との間には、双方向での情報共有・意見交換の場として月1回定例会、および年2回社員満足向上委員会を開催し、社員にとって働き甲斐のある職場環境について親睦会と会社が定期的な議論を交わしています。さらに、Lab主催による「ワークショップ」や「拠点インタビュー」を当社グループ主要拠点で順次開催し、トップダウンに偏らない双方向の対話の場を創出しています。(2026年9月末時点で、当社を含む国内グループ会社15社、海外28拠点においてワークショップ及びインタビューを実施。)ワークショップ等で抽出された課題や意見は各拠点長や経営層に適切に共有し、改善のアクションに繋がるように働きかけを行っています。

 

2) コンプライアンス遵守評価制度の見直し・研修の強化

企業再生に向けて、全社員がコンプライアンス遵守を徹底し、中長期的な企業価値向上や人材の成長に資する行動が習慣化するよう、人事制度や社員研修を通じた取り組みを強化しています。

(ⅰ)2026年度から日本地域の評価制度の見直しを行い、短期業績に偏重しがちな企業風土を是正するため、コンプライアンスの観点・中長期的な人材育成やプロセスを評価する観点を重視し、従来の評価項目に「組織マネジメント(人材育成・能力開発・組織開発)」を管理職の目標設定項目として新設しました。さらに「短期的な成果」だけでなく「将来につながるプロセスや仕組み」「人材強化」「正しい行動」を正当に評価に組み込むことで、社員と組織の健全な成長に資する評価制度へと改定しました。

 

(ⅱ)コンプライアンス遵守の風土醸成に向けて、全社員が「正しい行動」をとるための共通の知識を習得し、体現していくため、コンプライアンス教育を2025年度に再構築しました。執行役員、管理職、中途入社者等の階層別の研修のほか、品質、購買、営業、貿易コンプライアンス等の機能別コンテンツや社内ルール等の知識も含めて、当社グループの企業運営において重要なコンプライアンスルールを理解するための教育ラインナップを整備しました。今後は、全社員が本コンプライアンス研修の受講・理解を徹底し、実際の行動で体現できるよう一連のプロセスを着実に推進していきます。

 

3)組織パフォーマンスサーベイの活用と現場主導による職場環境改善

日本地域の全社員を対象とした「組織パフォーマンスサーベイ」を継続的に実施し、職場のエンゲージメント、心理的安全性、コンプライアンス意識の浸透度などを定量的に把握・分析しています。 サーベイ結果を踏まえ、各職場において課題や目指すべき姿を本音で話し合う「職場ワークショップ」を開催しています。これにより、各組織が自律的に課題を特定し、現場主導で具体的な職場環境・風土の改善アクションを継続実行するサイクルを定着させています。今後は、日本地域だけでなくグローバル全体での社員エンゲージメントの状況を可視化し、会社全体での取り組みとなるようスコープを拡大していきます。

組織パフォーマンスサーベイにおける主な指標

2023年度

2024年度

2025年度

2025年度目標

ビジョンの浸透度

全社員

76.4%

79.2%

77.0%

85.0%

男性

75.8%

78.0%

76.4%

85.0%

女性

79.7%

85.7%

80.1%

85.0%

連携・コミュニケーション

全社員

3.66

3.70

3.68

-

男性

3.64

3.67

3.66

-

女性

3.78

3.88

3.80

-

エンゲージメント

全社員

3.62

3.67

3.65

-

男性

3.62

3.65

3.65

-

女性

3.63

3.74

3.66

-

 

(注)1.ビジョンの浸透度:毎年実施している従業員意識調査「組織パフォーマンスサーベイ」の「あなたの職場では、会社の経営理念やビジョンが共感されていますか?」の設問に対し、5段階評価のうち「そう思う」、「ややそう思う」と回答した社員の割合

2.連携・コミュニケーション:「組織パフォーマンスサーベイ」における、連携やコミュニケーションに関する合計30設問の5段階評価の平均点

3.エンゲージメント:「組織パフォーマンスサーベイ」における、エンゲージメントに関する合計19設問の5段階評価の平均点

2025年度目標に掲げていた「ビジョンの浸透度」については達成できませんでした。今後の対応として、会社の存在意義を明確にする「パーパス」の策定に向けて取り組みを進めております。パーパス策定のプロセスや策定後の取り組みを通じて、改めて社員一人ひとりが当社グループで働く意味や理由を見つめ直すとともに、企業活動とパーパスを結び付けながら社員コミュニケーションに努めることで、ビジョンの浸透促進を図ります。

 

4)ダイバーシティ&インクルージョン

当社グループは、世界40か国以上に拠点を持つグローバル企業として成長をし続けています。国を跨いだ社員の往来、交流を行っていますが、多様性のあることが当たり前な組織(職場)・労働環境の整備を進めることで、世界情勢・市場の変化に対しても迅速に対応できる組織・人材となることを目指しています。

(ⅰ)多様な社員の活躍を促進し、組織全体で新たな価値を創造していく上で、属性を問わず実績を評価する組織風土をはじめ、柔軟な働き方や多様性を受け入れる組織整備を進めています。

(a)2005年頃からダイバーシティ推進に取り組み、各種制度拡充やキャリア支援等を行っています。その結果、育児休暇からの復帰率向上や女性の管理職、管理職候補層の増加、男性の育児参画度の向上等が成果として出ています。また、女性社員を中心に、働き方やキャリア等をテーマにしたワークショップや、当社グループの海外事業所の現地幹部社員も含めたメンターとのメンタリング等を実施しており、集中的にキャリア開発支援、動機付けを行っています。当社では今後も女性活躍推進を重要課題と位置づけ、女性管理職比率について、当社では2025年度で9.4%(女性従業員比率20.8%)となっており、2025年度目標として掲げていた9%を達成しました。

 

(b)LGBTQ社員に対する取り組みとして、当社の就業規則では、性差・性的指向・性自認等に関係なく人格を尊重し、互いに一致協力することを明文化しており、その一環として配偶者に適用される人事規程を同性パートナーにも適用しています。

 

(c)外国籍の執行役員5名(2026年6月18日の当社定時株主総会時点)を登用しており、採用においては国籍関係なく採用を推進し、留学生の採用数は年々増加傾向となっています。性別だけでなく、国籍をはじめとした個人の属性や価値観にかかわらず人材が活躍できる会社を目指して働き方の柔軟性の確保に努めています。

 

ダイバーシティに関する指標

2023年度

2024年度

2025年度

障害者雇用率

2.7%

2.8%

2.5%

 

 

スコープ

育児休業に関する指標

2023年度

2024年度

2025年度

当社

育児休業取得者数/率
 (男性)

全労働者

27名/47.4%

24名/42.9%

45名/44.1%

正規雇用労働者

27名/47.4%

24名/42.9%

45名/44.1%

パート・有期雇用労働者

0名/-

0名/-

0名/-

育児休業取得者数/率
 (女性)

全労働者

12名/100%

23名/100%

21名/100%

正規雇用労働者

11名/100%

22名/100%

21名/100%

パート・有期雇用労働者

1名/100%

1名/100%

0名/-

育児休業復職率

100%

92.1%

98.3%

育児休業定着率

※復職後1年間勤務を続けた社員の割合

76.9%

78.3%

79.4%

 

(注)日本地域の育児休業に関する指標は2024年度から集計を開始しています。

 

(ⅱ)当社の持続的な成長を実現するに当たり、社員の健康と働き甲斐を重要な源泉と位置づけ、多様な人材が活躍できる職場づくりと、社員が長く活躍できる持続可能な働き方が不可欠であるという考え方に基づき、健康経営に取り組んでいます。生産性向上の観点では、心身の健康を維持・増進することで、欠勤や休職等による損失の最小化や健康問題によるパフォーマンス低下の防止を図っています。健康上の高リスク者への対策として、健康診断結果に応じた個別保健指導の実施や精密検査受診勧奨等を効果的に実施するほか、傷病の発生予防として、当社産業医・保健師によるオンラインセミナーの実施により社員の健康リテラシーを高めると共に、敷地内完全禁煙の実施や運動習慣の推奨を通じて社員の行動変容を図っています。メンタルヘルス対策として、ストレスチェック実施後集団分析等、フォロー強化を進めています。加えて、労働安全の観点から、管理職を含む従業員の労働時間を管理し、長時間労働に伴う健康障害発生リスクの抑制に努めています。

 

健康経営に関する指標

2023年度

2024年度

2025年度

メンタルヘルスによる年間長期欠勤・休職者数

33名

16名

22名

メンタルヘルス以外の疾病による年間長期欠勤・休職者数

4名

4名

1名

欠勤率

-

1.0%

1.3%

健康増進プログラムへの参加率

67.8%

25.2%

27.5%

月平均残業時間

全社員

20.1時間

19.3時間

21.1時間

男性

-

22.5時間

24.0時間

女性

-

9.0時間

11.1時間

 

(注)1.欠勤率、性別ごとの月平均残業時間については2024年度から集計を開始しています。

2.2024年度は健康増進プログラムの内容及び集計方法を変更したことに起因して実績値が低下しています。

 

 

(ⅲ)多様な人材が活躍する上で、安全・安心な職場づくりが必要不可欠と考え、労働災害の防止の取り組みやコンプライアンス体制の整備にも努めています。

(a)当社グループ全拠点において社員の安全確保を最優先の課題と位置づけ、国内事業所では安全確保に向けた施策を審議する安全衛生委員会を組織しています。

 

(b)諸法令・規則、社内規則・基準、社会倫理規範等の遵守やそのための従業員教育を徹底することにより、役員及び従業員の倫理意識を高め、安全で良好な職場環境づくりを進めるべく、役員・社員を対象とした研修等をはじめとしたコンプライアンス活動を継続的に実施しています。また、当社グループ全ての取締役・役員・従業員が利用できる内部通報窓口及び外部に第三者窓口を設置し、誰もが安心できる職場環境づくりに努めています。

 

②従業員の給与その他の給付の額及び内容の決定に関する方針

従業員の報酬については、外部市場水準を踏まえ、必要に応じたベースアップ等により競争力のある処遇を目指しています。報酬は主として月例給与及び業績連動賞与で構成され、会社業績と個人業績の双方を反映して決定されます。

 

(2)【従業員の状況】

①連結会社の状況

 

2026年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

SPMS

22,860

(8,165)

AMEC

9,425

(1,632)

MOEN

14,439

(751)

ACIM

17,589

(643)

機械事業

6,512

(867)

グループ会社事業

28,369

(9,469)

全社

1,135

(23)

合計

100,329

(21,550)

 

(注)従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数は、年間の平均人員を( )外数で記載しています。

 

②提出会社の状況

 

 

 

 

 

2026年3月31日現在

従業員数(人)

平均年令(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

平均年間給与の対前事業年度増減率(%)

1,786

(61)

43.7

14.4

8,225,093

8.2

 

 

セグメントの名称

従業員数(人)

SPMS

632

(18)

AMEC

321

(33)

MOEN

-

(-)

ACIM

-

(-)

全社

833

(10)

合計

1,786

(61)

 

(注)1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数は、年間の平均人員を( )外数で記載しています。

2.平均年間給与は、基準外賃金及び賞与を含んでいます。

 

③労働組合の状況

当社及び当社の連結子会社(以下、「NIDEC」)のうち、一部の連結子会社において労働組合が結成されています。

労使関係については良好であり、特記すべき事項はありません。

 

④管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

 

1)提出会社

当事業年度

管理職に占める

女性労働者の割合(%)(注1)

男性労働者の育児休業取得率(%)

(注2)

労働者の男女の賃金の差異(%)(注1)

全労働者

正規雇用労働者

パート・

有期労働者

全労働者

正規雇用労働者

パート・

有期労働者

(注3)

9.4

44.1

44.1

-

73.6

78.7

36.1

 

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。

3.パート・有期労働者には定年後再雇用の社員を含んでいます。

当社はジョブ型人事制度(職務等級制度)を導入しており、年齢に関わらず「職責・職務(責任)の大きさ」、「成果」に応じて処遇を行っています。

 

2)国内連結子会社

当事業年度

名称

管理職に占める

女性労働者

の割合(%)

(注1)

男性労働者の育児休業取得率(%)(注2)

労働者の男女の

賃金の差異(%)(注1)

全労働者

正規雇用労働者

パート・

有期労働者

全労働者

正規雇用労働者

パート・

有期労働者

ニデック
インスツルメンツ㈱

2.1

30.4

30.4

-

77.2

76.0

70.8

ニデック
インスツルメンツ秋田㈱

0.0

100.0

100.0

-

67.5

72.8

64.4

ニデックマテリアル㈱

0.0

-

-

-

62.9

85.2

-

ニデック
アドバンステクノロジー㈱

8.2

57.1

57.1

-

78.7

83.7

27.4

ニデック
ドライブテクノロジー㈱

8.9

29.4

29.4

-

82.8

86.4

48.3

ニデックテクノモータ㈱

1.9

45.5

45.5

-

74.0

82.0

51.0

ニデックモビリティ㈱

4.3

29.4

29.4

-

72.8

72.7

71.9

ニデックコンポーネンツ㈱

2.5

33.3

33.3

-

63.4

66.6

54.9

㈱緑測器

0.0

-

-

-

72.3

91.5

80.4

ニデックパワー
トレインシステムズ㈱

8.2

71.4

71.4

-

86.0

88.1

63.1

ニデックプレシジョン㈱

3.9

0.0

0.0

-

70.2

73.0

83.2

ニデックマシンツール㈱

2.6

13.5

14.1

0.0

71.0

79.0

66.0

ニデック
アドバンスドモータ㈱

2.6

-

-

-

79.7

81.9

59.6

ニデックオーケーケー㈱

0.0

0.0

0.0

-

81.0

82.0

62.0

㈱TAKISAWA

2.0

82.4

81.3

100.0

59.3

75.9

56.3

 

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

当報告期間中に顕在化した一連の会計不正および品質問題等、企業倫理およびガバナンスにおける重大な課題を受け、当社グループは現在、全社を挙げた信頼回復と健全な経営基盤の再構築を最優先で推進しております。

持続可能な経営の前提となる信頼の土台を再構築するにあたり、当社グループは従来のサステナビリティ推進体制および「重要課題(マテリアリティ)」のあり方を過去の経緯にとらわれることなく見直し、現在、来年度からの新たなサステナビリティ経営体制における運用に向けて再特定を完了させるプロセスに着手しております。本再特定プロセスにおいては、経営陣自らの強いコミットメントのもと、国内外のグループ全従業員からの意識・課題の吸い上げをはじめ、顧客、取引先、株主・投資家、および社外の客観的な有識者に対する多角的な直接ヒアリングや調査を順次実施いたします。社内外から寄せられる期待や要請を真摯に受け止め新たなマテリアリティを特定するとともに、それらを経営と統合することにより実効性の高いサステナビリティ経営を確立してまいります。

これら一連の特定プロセスおよび今後のサステナビリティ経営の推進につきましては、社外取締役が過半数を占める「サステナビリティ委員会」の委員構成を2026年6月18日付で全面的に刷新し、マテリアリティ特定プロセスの各主要フェーズにおいて同委員会が関与し、実効性を厳格に監督いたします。また、執行機関である「サステナビリティ推進会議」における協議結果を同委員会へ報告・上程する従来の体制をより実質的に機能させてまいります。

なお、2021~2025年度(5年間)を対象としたマテリアリティに関する目標および活動結果は下表の通りです。現在再考中の新たなマテリアリティにつきましては、特定プロセスが完了次第、次期の有価証券報告書及びホームページ等を通じて速やかに開示いたします。

カテゴリー

マテリアリティ

取り組みテーマ

サブテーマ

2025年度目標

(5か年目標)

2025年度

(5か年目標)に対する

取組成果

環境

持続可能な

地球環境への貢献

脱炭素社会の実現

製品を通じた脱炭素化への貢献

20年からの累積CO2削減量

・「走る」

E-Axle、BSG

:11,700千t-CO2

 

・「曲がる」

EPS-PP、EPS

:26,261千t-CO2

 

・「止まる」

EBB

:10,029千t-CO2(2024~2025年度)

・「走る」

E-Axle、BSG

:530.3千t-CO2

 

・「曲がる」

EPS-PP、EPS

:5,359千t-CO2

 

・「止まる」

EBB

:9,542千t-CO2

 

需要の減速、価格競争激化に伴う不採算機種の整理・縮小、並びに顧客生産計画変更等に伴う大幅な下振れ

製品を通じた脱炭素化への貢献

・2025年までに小型EV用モータの受注台数10万台を達成する。かつ、小型EV用モータ導入によりCO2排出量を毎年35千t削減する。

・2025年までに電動バイク用モータの受注台数38万台を達成する。かつ、電動バイク用モータ導入によりCO2排出量を毎年32千t削減する。

・小型EV用モータ

2024年度:0.1千t-CO₂

2025年度:3.2千t-CO₂

 

・電動バイク用モータ

2024年度:6.5千t-CO₂

2025年度:13.7千t-CO₂

 

需要の減速、価格競争激化に伴う不採算機種の整理・縮小、並びに顧客生産計画変更等に伴う大幅な下振れ

事業活動で排出するGHGsの削減

・2025年度総連結の再エネ導入比率を40%にする。

・TCFD提言に沿った気候変動シナリオの年次開示を行う。

・再エネ導入比率:17.1%

・気候変動シナリオ分析を実施し、財務影響額の試算を含む開示を完了

廃棄物・

有害廃棄物の管理

-

・2025年度の廃棄物・有価物発生量の売上高原単位を2022年度比で3%低減する。

・廃棄物・有価物発生量の売上高原単位

:2022年度比21.7%減

水リスクへの対応

-

・全生産拠点における水リスクアセスメントを100%完了する。

・全拠点のうち水リスク(洪水、水不足)が高い拠点を特定し財務影響の試算を完了

 

 

カテゴリー

マテリアリティ

取り組みテーマ

サブテーマ

2025年度目標

(5か年目標)

2025年度

(5か年目標)に対する

取組成果

製品

社会変化に適応した製品・サービスの提供

製品の安全性と品質の追求

-

・開発部門による部材選択判断を容易にする製品含有化学物質データベースを構築し、環境志向型開発体制へ転換する。

・車載関連事業における品質マネジメント改革を実行し、2025年度までに品質統括組織・体制を確立する。

・製品安全リスクを低減するため、新規開発品および製造工程の製品アセスメントを100%実施する。

・精密小型モータの開発プロセスにおいて鉄鋼材料の低鉛化ロードマップに基づく材料選定データベースを構築。鉛使用量の削減や再生樹脂材料の導入といった環境配慮型材料の活用を進め、鉛使用量削減を達成

・車載事業においてプロジェクト単位の成果物アセスメントを徹底し、製品不良率の低減を実現

・Nidecグループ全体の品質管理を牽引する専門組織として「グローバル品質統括本部」を新設し、CQO(最高品質責任者)を設置

・一部製品について不適切な部材・工程・設計変更等の疑いが判明したことを受け、調査委員会による調査および改善推進本部の新設を通じ再発防止策を実施

技術環境・

産業構造の

変化への対応

-

・社会課題解決のため、「5つの大波」をリードする新製品を連打する。

・省エネルギー・省資源に寄与するモータの高効率化と軽薄短小化を継続的に追究する。

・注力領域である「事業5本柱」を軸に、サプライチェーン全体のCO2排出量削減をはじめとする社会課題解決の方針を策定し、社会実装に向けた製品化および技術革新を推進。

・省エネルギー、省資源によるCO2削減貢献量を客観的に評価する指標として、ライフサイクルアセスメント(LCA)手法を導入。社会課題の解決に直結する製品創出に向け、本手法を用いた継続的な評価を実施。

知的財産の

保護・活用

-

・知財ポートフォリオを脱炭素化・省電力・省人など社会・事業変化に対応したものへと転換し、それを活用する。

目標は未達成ながら、脱炭素化・省電力・省人化に係る知財ポートフォリオの比率は向上

 

 

カテゴリー

マテリアリティ

取り組みテーマ

サブテーマ

2025年度目標

(5か年目標)

2025年度

(5か年目標)に対する

取組成果

人材

優秀かつ多彩な人材の確保・育成

国際競争力が高い人材の確保・育成

-

・グローバルリーダーの発掘・育成を推進する。

-グローバル人材を含めた経営人材育成を強化する

 

・グローバルタレントマネジメントの仕組みを構築・機能する

-地域統括人事の設置

-本社管理対象ポジションの明確化

-Global Mobilityポリシーの構築

・幹部開発の軸足を日本からグローバルに発展させ、本社管理対象ポジションの明確化を含め、グローバルに次世代幹部候補を発掘・育成する仕組みを構築

ダイバーシティの推進

-

・意思決定層への女性の登用

- 女性役員比率

:20%以上

- 女性管理職比率

:9%以上

- 女性管理職候補比率

:15%以上

・外国籍役員の登用およびその後継者候補の開発促進

・法定の障がい者雇用率の継続維持

・グローバルスケールでの対話型ワークショップ、海外拠点主導の女性メンタリングプログラムなど、多角的な育成・登用施策を展開

・女性管理職比率目標および管理職候補層比率目標を達成。

- 女性役員比率

:19.0%

- 女性管理職比率

:9.4%

- 女性管理職候補比率

:16.1%

・外国籍役員の登用およびその後継者候補の開発促進

:幹部開発プログラムをグローバルに拡大し、本社管理対象ポジションの明確化等、次世代幹部候補を発掘・育成する仕組みを構築

・障がい者雇用率: 2.54%

労働安全衛生・健康経営の推進

-

・労働安全衛生

-安全で働きやすい職場環境を確保する。

-重大(死亡・後遺障害)災害をゼロにする。

-労働災害度数率を改善する。

・健康経営の推進

 

・労働安全衛生

Nidecグループにおける労働災害度数率は、2021年度実績0.73に対し、2025年度は0.46まで低下

 

・健康経営の推進

社員の健康診断受診率100%の達成。「健康経営優良法人ホワイト500」認定の取得は未実現だが、2026年3月「健康経営優良法人2026(大規模法人部門)」認定ステータスを継続

人権の尊重・適正な労働慣行の浸透

-

・適正な労働慣行の浸透

-管理職を含む従業員の労働時間管理を継続

-生産性向上により平均残業時間を削減

 

・人権の尊重

-サプライチェーンを対象に含む人権方針を明確化し、従業員に浸透させる。

・適正な労働慣行の浸透

当社における労働時間の適正把握に努め、勤怠管理システム上の打刻データとPCログ(起動・シャットダウン時間等)を連動させた管理体制の構築を開始

 

・人権の尊重

「Nidecグループ人権基本方針」制定し、人権意識の浸透を目的とする従業員向けeラーニングを実施

 

(注)1.女性役員:執行役員以上(社外取締役含む)を指しています。

2.女性管理職候補:管理職一歩手前のポジションに就く女性社員を指しています。

 

カテゴリー

マテリアリティ

取り組みテーマ

サブテーマ

2025年度目標

(5か年目標)

2025年度

(5か年目標)に対する

取組成果

サプライチェーン

社会課題を解決し国際競争力のあるサプライチェーンの構築

社会・環境側面に配慮したサステナブル調達

-

・主要サプライヤーに対して人権デュー・ディリジェンスを実施する。

-2025年度末時点での高リスクサプライヤーへの人権DD実施率100%

・SAQ(自己評価質問票)を用いた人権デュー・ディリジェンスを実施し、主要サプライヤーにおける人権リスクを把握しました。高リスクと判定したサプライヤーについては、詳細なヒアリングや現地訪問を通じて課題解決に向けた是正および改善支援を実施。

ガバナンス

強固な

ガバナンス

体制の構築

公正かつ透明性・実効性の高いガバナンス体制の実現

取締役会

・第三者機関による取締役会の実効性評価およびその結果を踏まえた改善活動を継続実施する。

・取締役会の社外取締役比率50%以上、女性取締役比率20%以上を常に達成できている状態を保つ。(取締役会全体としての知識・経験・能力のバランスや職歴・性別・年齢等の多様性および事業規模に適した員数等を考慮する。)

・会計不正問題を受け、取締役会機能の実効性を高めるべく多様な知識、経験、専門性等を軸に取締役会・監査等委員会の構成を刷新

指名・

報酬委員会

・取締役の選解任プロセスの透明性・公正性を高める。

・報酬委員会の実効性向上を図り、役員報酬決定の客観性・透明性を確保する。

内部統制の

管理・徹底

・売上規模4兆円を前提として監査リソースを質的・量的に拡充する。

・内部監査体制の強化を目的とする新規採用や外部専門家の活用

・監査の高度化および品質向上を推進するため「企画管理グループ」を新設

法令遵守・

コンプライアンスの徹底

-

・本社/地域毎の組織(中国・米国・欧州)を起点にグループ全社へ法務・コンプライアンス体制を拡大する。

・重大なコンプライアンス違反リスクを洗い出し、重点的な施策を打つ。

・NCJ全従業員が年に一度、コンプライアンス教育を受講する。年間を通じてグループ会社にコンプライアンス教育の機会を提供する。

・会計不正問題を受け以下の施策を実施

-グローバル法務・コンプライアンス体制の再構築

-コンプライアンスを最優先とする意識変革を掲げる取締役会メッセージの発信

-経営幹部、経理業務、購買・生産管理部門及び営業部門に従事する役職員約12,000名を対象に、発生した不正事案を題材とするコンプライアンス研修(e-ラーニング)を実施

リスク管理

体制の整備

-

・全ての有価証券報告書開示リスクについて、主管部署による評価が実施され、優先的に対応すべきリスクが特定されている。

・優先的に対応すべきリスクが事業に与える影響を低減する。また、低減活動の進捗および残存リスクを管理する。

・経営成績、株価および財政状態等に影響を及ぼす可能性のある計22のリスクにつき、主管部門への担当割り当ておよびリスク評価を実施

・各リスクに対する低減措置の実施状況および残存リスクをグループ横断型システムで一元管理しています。

情報セキュリティ対策の推進

-

・重大な情報セキュリティ事故の発生件数ゼロ(KGI)

・グループ拠点がサイバー攻撃を受けたことによりセキュリティ対策を再考し、EDRおよびVPN装置の導入、ファイアウォール強化を含む施策をグループ各社へ展開

 

 

(1)TCFDガイドラインに基づく気候変動対策

気候変動はNIDECの財務状況に正負両面の影響を及ぼし得る事象であり、新たな技術・製品需要の創出機会を提供する一方、以下のリスクへの対策が不十分な場合は事業活動に重大な悪影響を与える可能性があります。

 

「移行リスク」(気候変動に関わる政策及び規制、技術開発、市場動向、市場評価等の変化に起因する間接的損失リスク)

・炭素税その他脱炭素社会実現へ向けた各国のエネルギー転換施策への対応が遅れることによる税負担の上昇

・既存製品・サービスに適用される規制の厳格化や新基準への不適合に伴う市場機会の損失及びコンプライアンスコストの増加

・世界的「電化」傾向に起因する電子部品原材料(希少鉱物、鋼材、その他ハイエンドアルミや銅等の非鉄金属)の入手困難あるいは調達コストの上昇

・新たな低炭素製品が要求する代替原材料の研究・開発の遅れ及び付帯コストの増加

・非効果的な気候変動対策に起因する企業価値の低下とそれに伴う投資誘引力の減退及び信用格付けの低下

 

「物理的リスク」(気候変動がもたらす災害等による直接的損失リスク)

・台風・多雨等がもたらす広域水害の頻発による事業活動の停止

・渇水による事業活動への制約

・気温上昇による健康被害

・上記事由によるサプライチェーンの混乱

 

当社は、これら諸リスクが事業へ与え得る影響を把握し対策を策定するためのプロセスとしてTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)ガイダンスに沿った機会・リスクシナリオ分析を実施しています。

 

①ガバナンス

NIDECは2022年4月にTCFD提言への賛同を表明して以来、同イニシアティブに沿って気候関連リスク・機会の分析並びに財務インパクトの把握に努めています。それらの取り組みを通じて得られた結果は、サステナビリティ推進会議及びサステナビリティ委員会における議論を経て経営戦略に反映されます。

 

②戦略

NIDEC連結売上高の95%以上を占める事業領域から選抜した経営幹部並びに実務担当者が多様な視点から気候変動インパクトを議論し、以下の手順に沿ってシナリオ分析を実施しました。

 

〈シナリオ分析ステップ〉

ステップ1 シナリオ分析の前提条件の決定

シナリオ分析を進めるに当たり次のような前提条件を決定

シナリオ

・移行リスクシナリオ(2℃/1.5℃シナリオ)

IPCCのSSP1-2.6シナリオ、RCP2.6シナリオやIEAのNZEシナリオを基に、脱炭素社会を実現するために様々な施策・規制が導入される世界を想定

 

・物理的リスクシナリオ(4℃シナリオ)

IPCCのSSP5-8.5シナリオ、RCP8.5シナリオ等を基に、脱炭素社会を実現するための施策・規制導入は進まず、気象災害が激甚化している世界を想定

 

 

時間軸

短期:2025年 中期:2030年 長期:2050年

 

対象範囲

NIDEC連結売上高の95%以上を占める事業領域

 

ステップ2 気候変動リスク・機会の把握

TCFD提言を参考に、事業への潜在的気候変動リスク・機会を列挙

 

ステップ3 事業インパクト評価

事業への影響度、リスク・機会が顕在化する時期、早期対応の必要性の観点から事業インパクト評価を実施し、主要な気候変動リスク(炭素税の導入、洪水被害)については定量評価を実施

 

ステップ4 対応策の検討

事業インパクトが大きいと判断した気候変動リスク・機会について対応策を検討

(参考)事業インパクトの大きい気候変動リスク・機会及び対応策

気候変動リスク・機会の影響

対応策

移行

リスク

政策・法規制

炭素税の導入

炭素税による製造コストの増加、価格競争力の低下

・照明のLED化や省エネ設備の導入、低炭素燃料への置き換え、製造プロセスの最適化等によるScope1排出量の削減

・再生可能エネルギー導入によるScope2排出量の削減

・インターナルカーボンプライシング制度の導入

再エネ導入コストの増加

※炭素税への対策を行った場合

・コーポレートPPA等の長期契約による低コストでの再生可能エネルギーの導入

原油や化石燃料由来電力の調達コストの増加

・再生可能エネルギー導入

・照明のLED化や省エネ設備の導入

・インターナルカーボンプライシング制度の導入

原材料への炭素課金による調達コストの増加

・低炭素材料(再生原料を含む)の使用

・軽薄短小技術による小型軽量化、省資源化

・調達先のマルチソース化

・サプライチェーン温室効果ガス(Scope3)排出量の削減

燃費・ZEV規制の強化

内燃機関関連製品の製造施設の減損

・他機種への転用を可能にする汎用性の高い設計の採用

・製造設備の他製品への転用

新規参入企業増による競争激化、価格破壊

・技術力、価格競争力の高い製品の開発

・シェア拡大に伴うスケールメリットの獲得

・知的財産の保護・活用

EV市場拡大による原材料の調達競争激化

・軽薄短小技術による小型軽量化、省資源化

・代替素材を活用するための研究開発強化

・垂直型M&Aの実施

・供給能力の高いサプライチェーンの構築

・サプライヤーとの長期契約の締結

レアアース関連規制の導入

レアアースの調達困難化、調達コストの増加

・重希土類、磁石不使用の製品開発

・供給能力の高いサプライチェーンの構築

技術

研究開発力への影響

新製品開発遅延リスク

・研究所と連携した要素技術の開発

新技術への投資の失敗

顧客から求められる環境性能を満たせなかった場合のビジネス機会損失

・顧客との共同開発の実施

・軽薄短小技術による小型軽量化、省資源化

低炭素技術への移行

低炭素原材料や低炭素プロセスへの変更に伴うコストの増加

・軽薄短小技術による小型軽量化、省資源化

・サプライヤーを巻き込んだ取り組みの推進

市場

顧客行動の変化

顧客からの再エネ使用促進の要請の高まりや、CO2排出量削減が計画どおり進まないことに伴う取引停止

・照明のLED化や省エネ設備の導入、低炭素燃料への置き換え、製造プロセスの最適化等によるScope1排出量の削減

・再生可能エネルギー導入によるScope2排出量の削減

・顧客との協働による環境関連の取り組みの推進

・サステナビリティ経営の推進

・適切な情報開示とステークホルダーとの対話の強化

原材料の入手困難化、調達コストの増加

希少鉱物、鋼材、その他ハイエンドアルミや銅等の非鉄金属の入手困難化、調達コストの増加

・再生原料の使用

・軽薄短小技術による小型軽量化、省資源化

・重希土類、磁石不使用の製品開発

・供給能力の高いサプライチェーンの構築

評判

投資家の評価の変化

・ESG評価基準の厳格化と開示要請分野の拡大による対応コストの増加

・投資家や金融機関から情報開示が不十分とみなされることによる資金調達の困難化

・信用格付けの低下

・適切な情報開示とステークホルダーとの対話の強化

 

 

気候変動リスク・機会の影響

対応策

物理的

リスク

急性

洪水・冠水・集中豪雨・台風の影響

・工場の操業停止

・固定資産・在庫の毀損

・電気、水供給等のインフラ網の機能停止

・別工場での生産や輸送等の対応コストの発生

・サプライチェーンの寸断

・保険料の増加

・生産工場の地理的分散

・調達先のマルチソース化

・BCP(事業継続計画)の実施

慢性

干ばつ・渇水・降水パターン変化の影響

・水の安定確保の困難化、取水制限による工場用水の不足

・水価格上昇によるコスト増加

・電力の需給逼迫による工場停止、原材料生産・調達能力の制約、部材購買コストの増加

・降水、気温パターン変化による水質の悪化

・生産工場の地理的分散

・水使用量削減のための製造プロセスの最適化

・水のリユース、リサイクル率の向上

機会

製品/
サービス

脱炭素に貢献する商品の市場拡大

・電動車・電動バイク市場拡大に伴う関連製品(E-Axle、電動パワーステアリング用モータ、ブレーキ用モータ、電動オイルポンプ用モータ、電動バイク駆動用インホイールモータ等)の需要増加

・省エネ製品(ブラシレスDCモータ、冷蔵庫用コンプレッサー、データセンター向け水冷モジュール・HDD用モータ、産業用高効率モータ、省エネ性能の高い工作機械、環境に優しい減速機等)の需要増加

・再エネ関連製品(BESS、スマート・マイクログリッド・ソリューション、風力・水力発電関連製品、小規模発電機、風力・ガスタービンケース製造用工作機械等)の需要増加

・プラスチック問題の解決に貢献する製品(製缶用プレス機)の需要増加

・関連製品の開発強化

・製品の小型軽量化、高剛性化、省資源化、高効率化、高精度化

気温差拡大対策商品の市場拡大

・空調関連製品の市場拡大に伴う関連製品(エアコン用モータ、空調服用ファン等)の需要増加

・温度変化に適応可能な工作機械・プレス機械の需要増加

市場

EV市場の拡大

・電動車・電動バイク市場拡大に伴う関連製品(E-Axle、電動パワーステアリング用モータ、ブレーキ用モータ、電動オイルポンプ用モータ、電動バイク駆動用インホイールモータ等)の需要増加

・高精度な工作機械の需要増加

電化の進展

電化の進展に伴うモータ需要の拡大

新製品・新市場への参入

電動航空機・船舶、ヒートポンプ技術を含む新市場の拡大

レジリエンス

サプライチェーンの強化

BCPによる災害に強いモノづくりの実現

・レジリエンスの高いサプライチェーンの構築

 

 

(参考)事業インパクトの定量評価

リスク

財務影響

算出方法

炭素税の導入

117億円

炭素価格はIEA「World Energy Outlook 2022」における2030年の先進国予想炭素価格140USD/t-CO2を採用。CO2排出量(Scope1・2)はNIDECの2030年度排出量目標570千t-CO2*を基に算出。

洪水被害

77億円

・世界資源研究所(World Resources Institute)が提供している水リスク分析ツール「Aqueduct」を使用した評価結果に加え、各事業所の売上高やBCP(事業継続計画)策定状況を総合的に考慮した洪水リスク評価を実施。

・高リスクと判定された拠点の中から、当社事業全体への影響が特に大きい5拠点を抽出。

・それら5拠点がすべて被災した場合に想定される固定資産・在庫の毀損並びに操業停止による機会損失の影響額を、国土交通省の「TCFD提言における物理的リスク評価の手引き」を参考に算出。

 

*「炭素税導入」に伴う財務的影響試算につきましては、2022年度の燃料使用量実績データの精緻化を反映した再計算を経て、前提となる2030年度CO2排出量目標を従来の610千t-CO2から570千t-CO2へ変更いたしました。これに伴い、財務影響額につきましても124億円から117億円へ更新しております。

 

③リスク管理

NIDECは連結グループ全体を俯瞰するグローバルリスク管理体制の枠組みに気候変動リスクを織り込み、その特定・評価から改善活動に至るプロセスを管理しています。リスク管理体制の詳細につきましては「第2 事業の状況  3事業等のリスク」をご参照ください。

 

④指標と目標

NIDECは気候変動対策に関する指標・目標をマテリアリティ項目「脱炭素社会の実現」「水リスクへの対応」の枠組みにおいて次のように設定・管理しています。

 

脱炭素社会の実現

1)事業活動で排出するGHGsの削減

事業活動で排出するGHGsの削減

実績

目標

2025年度の再エネ導入比率

17.1%

40%

 

・2025年度総連結の再エネ導入比率を40%にする

再生可能エネルギー導入比率につきましては、欧州等における再エネ電力市場の急速な構造変化(市場価格の乱高下やマイナス価格発生リスクの深刻化等)を踏まえ、調達スキームにおける経済的合理性と長期的リスクを慎重に再評価・精査した結果、一部の大型調達計画を見直したこと等により、当初目標を下回る見込みとなっております。今後は市場の健全化とボラティリティを見極めつつ、オンサイト発電や受電構造の最適化等、経済性と環境性を両立させた確実な調達手法への切り替えを進めてまいります。

・TCFD提言に沿った気候変動シナリオの年次開示を行う。

気候変動シナリオ分析を実施し、財務影響額の試算を含む開示を完了しました。

 

2)製品を通じた脱炭素化への貢献

当社は以下製品の提供を通じて自動車・二輪車が走行中に排出するCO2の削減に貢献する目標を設定し取り組んでまいりましたが、需要の減速、価格競争激化に伴う不採算機種の整理・縮小、並びに顧客生産計画変更等により、期初想定を大幅に下回る結果となりました。現在次世代モデルの開発を含む対策を通じ、中長期的貢献に向けた目標の再構築を進めています。

製品を通じた脱炭素化への貢献

(CO2の削減量)

実績

KPI

電気自動車用駆動モータシステム(E-Axle/BSG)

〈2020年~2025年までの削減量累計〉

530.3千t-CO2

11,700千t-CO₂

電動パワーステアリング用モータ(EPS-PP/EPS)

〈2020年~2025年までの削減量累計〉

5,359千t-CO2

26,261千t-CO₂

電動ブレーキ用モータ(EBB)

〈2020年~2025年までの削減量累計〉

9,542千t-CO2

10,029千t-CO₂

小型EV用モータ

〈年間削減量〉

2024年度:0.1千t-CO₂

2025年度:3.2千t-CO₂

35千t-CO₂

電動バイク用モータ

〈年間削減量〉

2024年度:6.5千t-CO₂

2025年度:13.7千t-CO₂

32千t-CO₂

 

 

水リスクへの対応

1)全生産拠点における水リスク・アセスメントを実施する。

全生産拠点における

水リスク・アセスメントの実施

実績

KPI

生産拠点への水リスク・アセスメントの実施

全拠点中、水リスク(洪水、水不足)が高い拠点を特定し財務影響を試算

100%実施

 

 

各取り組み結果その他詳細については当社ウェブサイトの「環境保全活動第七次中期計画及びマテリアリティの取り組み進捗」をご参照ください(現時点では2024年度の実績を掲載しています。2025年度の実績は2026年10月末頃に同ホームページにて開示いたします。)

https://www.nidec.com/jp/sustainability/nidec-sustainability/materiality/action/

 

(2)人的資本拡充に向けた取り組み

当社の持続的な成長と企業価値向上を牽引する人材戦略、ならびに人的資本に関するガバナンス体制や指標及び目標につきましては、『第4 提出会社の状況』『5 従業員の状況等』の『(1)人材戦略に関する基本方針等』をご参照ください。