2025年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    1,714名(単体) 104,285名(連結)
  • 平均年齢
    42.2歳(単体)
  • 平均勤続年数
    13.3年(単体)
  • 平均年収
    7,604,284円(単体)

従業員の状況

 

5【従業員の状況】

(1)連結会社の状況

 

2025年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

SPMS

24,605

(6,560)

AMEC

11,426

(1,243)

MOEN

13,479

(475)

ACIM

18,404

(1,013)

機械事業

6,920

(644)

グループ会社事業

28,319

(9,511)

全社

1,132

(18)

合計

104,285

(19,464)

 

(注)1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数は、年間の平均人員を( )外数で記載しています。

2.第2四半期連結会計期間より報告セグメントの区分を変更しています。詳細は「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 5.セグメント情報」に記載のとおりです。

 

(2)提出会社の状況

 

 

 

 

2025年3月31日現在

従業員数(人)

平均年令(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

1,714

(25)

42.2

13.3

7,604,284

 

 

 

セグメントの名称

従業員数(人)

SPMS

612

(9)

AMEC

244

(5)

MOEN

(-)

ACIM

(-)

全社

858

(11)

合計

1,714

(25)

 

(注)1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数は、年間の平均人員を( )外数で記載しています。

2.平均年間給与は、基準外賃金及び賞与を含んでいます。

3.前連結会計年度末に比べ従業員数が250名減少していますが、主として構造改革による一部製造間接部門の海外拠点移管や、グループ全体での人材有効活用のための連結子会社への出向、自己都合退職によるものです。

 

(3)労働組合の状況

当社及び当社の連結子会社(以下、「NIDEC」)のうち、一部の連結子会社において労働組合が結成されています。

労使関係については良好であり、特記すべき事項はありません。

 

(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

①提出会社

当事業年度

管理職に占める

女性労働者の割合(%)(注1)

男性労働者の育児休業取得率(%)

(注2)

労働者の男女の賃金の差異(%)(注1)

全労働者

正規雇用労働者

パート・

有期労働者

全労働者

正規雇用労働者

パート・

有期労働者

(注3)

8.5

42.9

42.9

70.9

77.4

33.4

 

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。

3.パート・有期労働者には定年後再雇用の社員を含んでいます。

当社はジョブ型人事制度(職務等級制度)を導入しており、年齢に関わらず「職責・職務(責任)の大きさ」、「成果」に応じて処遇を行っています。

 

②国内連結子会社

当事業年度

名称

管理職に占める

女性労働者

の割合(%)

(注1)

男性労働者の育児休業取得率(%)(注2)

労働者の男女の

賃金の差異(%)(注1)

全労働者

正規雇用労働者

パート・

有期労働者

全労働者

正規雇用労働者

パート・

有期労働者

ニデック
インスツルメンツ㈱

1.7

22.7

22.7

71.7

71.8

67.1

ニデック
インスツルメンツ秋田㈱

0.0

0.0

0.0

65.7

70.1

49.1

ニデックマテリアル㈱

0.0

50.0

50.0

56.4

81.1

54.5

ニデック
アドバンステクノロジー㈱

7.1

66.7

66.7

73.2

76.1

45.7

ニデック
ドライブテクノロジー㈱ 

5.2

72.7

72.7

75.9

79.5

60.2

ニデックテクノモータ㈱

2.0

57.1

57.1

70.3

78.5

49.9

ニデックモビリティ㈱

3.2

27.3

27.3

55.0

75.0

40.0

ニデックコンポーネンツ㈱

2.4

0.0

0.0

63.0

66.0

53.0

 ㈱緑測器

0.0

0.0

0.0

60.0

88.0

66.0

 ニデックパワー
トレインシステムズ㈱

10.6

60.0

60.0

75.6

83.2

27.6

ニデックプレシジョン㈱

3.1

50.0

50.0

70.8

72.6

90.1

ニデックマシンツール㈱

3.0

53.9

53.9

68.3

76.5

90.5

ニデックエレシス㈱

4.3

85.7

85.7

65.2

65.1

71.4

ニデック
アドバンスドモータ㈱ 

0.0

0.0

0.0

75.0

78.0

50.0

ニデックオーケーケー㈱

0.0

25.0

25.0

74.9

76.5

83.6

㈱TAKISAWA

4.6

80.0

80.0

59.7

86.9

52.0

 

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

NIDECが考える持続可能な経営の在り方とは、「会社が追求する事業戦略の方向性と世界が求める社会的課題解決への道筋を一致させ力強く芯のある成長を続けること」です。

気候危機、地政学的緊張等に代表される今日のグローバルリスクは、世界経済の基本構造に根本的な変化をもたらし、それに応じてビジネスにおけるヒト、モノ、カネ、情報も従来とは異なる指向性を示し始めています。社会が企業に求める役割が新たな転換点を迎えた今日、NIDECはこうした構造変化への適応力を高めながら経営資源を効果的に活用していく上で必須と判断する持続的経営の要素(“マテリアリティ”と呼称)を5分野・15項目に分類し、リスクの低減と機会の発見・拡大に努めています。

マテリアリティを含む持続的経営に関わる諸課題に取り組む上で必要なガバナンス組織として、NIDECは執行機関であるサステナビリティ推進会議、並びにその監督機関であるサステナビリティ委員会を設置しています。サステナビリティ推進会議は原則として2か月ごとに開催され、社長以下執行役員が実施計画の進捗状況と課題を協議すると共に新たな社会的要請に関する情報を共有します。同会議の内容は社外取締役が過半数を占めるサステナビリティ委員会に報告され、四半期ごとの審議対象になります。また、当社取締役及び執行役員等を対象とする業績連動型株式報酬制度における目標達成度指標として、従来の財務目標に加えESG評価機関(MSCI、FTSE、CDP)による当社レーティングを2024年度より採用しています。

 


(マテリアリティの詳細については当社ウェブサイトhttps://www.nidec.com/jp/sustainability/nidec-sustainability/materiality/action/

をご参照ください。)

 

 

2024年度サステナビリティ委員会の開催履歴

 

開催年月

議題

第1回

2024年6月

・新任サステナビリティ委員の推薦

・2023年度実績と2024年度計画

・TCFDシナリオ分析結果報告

・統合報告書2024制作方針

第2回

2024年9月

・サステナビリティ委員会の概要・役割

・外部評価(FTSE評価向上に向けた取り組み)

・欧州 再エネ100%化の取り組み 「V-PPAの導入」

・CSRD開示規則への対応

・「統合報告書2024」発行

第3回

2025年1月

・外部評価(最新結果及び改善活動)

・マテリアリティ(国際競争力が高い人材の確保・育成ダイバーシティの推進)

・サステナビリティ説明会開催計画

第4回

2025年3月

・外部評価(2024年度のまとめ及び2025年度の改善活動計画)

・マテリアリティ(2024年度の実績及び次期マテリアリティの特定)

・サステナビリティ説明会開催報告

 

 

(1)TCFDガイドラインに基づく気候変動対策

気候変動はNIDECの財務状況に正負両面の影響を及ぼし得る事象であり、新たな技術・製品需要の創出機会を提供する一方、以下リスクへの対策が不十分な場合は事業活動に重大な悪影響を与える可能性があります。

 

「移行リスク」(気候変動に関わる政策及び規制、技術開発、市場動向、市場評価等の変化に起因する間接的損失リスク)」

・炭素税その他脱炭素社会実現へ向けた各国のエネルギー転換施策への対応が遅れることによる税負担の上昇

・既存製品・サービスに適用される規制の厳格化や新基準への不適合に伴う市場機会の損失及びコンプライアンスコストの増加

・世界的「電化」傾向に起因する電子部品原材料(希少鉱物、鋼材、その他ハイエンドアルミや銅等の非鉄金属)の入手困難あるいは調達コストの上昇

・新たな低炭素製品が要求する代替原材料の研究・開発の遅れ及び付帯コストの増加

・非効果的な気候変動対策に起因する企業価値の低下とそれに伴う投資誘引力の減退及び信用格付けの低下

 

「物理的リスク(気候変動がもたらす災害等による直接的損失リスク)」

・台風・多雨等がもたらす広域水害の頻発による事業活動の停止

・渇水による事業活動への制約

・気温上昇による健康被害

・上記事由によるサプライチェーンの混乱

 

当社は、これら諸リスクが事業へ与え得る影響を把握し対策を策定するためのプロセスとしてTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)ガイダンスに沿った機会・リスクシナリオ分析を実施しています。

 

①ガバナンス

NIDECは2022年4月にTCFD提言への賛同を表明して以来、同イニシアティブに沿って気候関連リスク・機会の分析並びに財務インパクトの把握に努めています。それら取り組みを通じて得られた結果は、サステナビリティ推進会議及びサステナビリティ委員会における議論を経て経営戦略に反映されます。

 

②戦略

NIDEC連結売上高の95%以上を占める事業領域から選抜した経営幹部並びに実務担当者が多様な視点から気候変動インパクトを議論し、以下、手順に沿ってシナリオ分析を実施しました。

 

シナリオ分析ステップ

 

ステップ1 シナリオ分析の前提条件の決定

シナリオ分析を進めるに当たり次のような前提条件を決定

 

シナリオ

・移行リスクシナリオ(2℃/1.5℃シナリオ)

IPCCのSSP1-2.6シナリオ・RCP2.6シナリオやIEAのNZEシナリオを下に、脱炭素社会を実現するために様々な施策・規制が導入される世界を想定

 

 

・物理的リスクシナリオ(4℃シナリオ)

IPCCのSSP5-8.5シナリオ・RCP8.5シナリオ等を下に、脱炭素社会を実現するための施策・規制導入は進まず、気象災害が激甚化している世界を想定

 

 

時間軸

短期:2025年 中期:2030年 長期:2050年

 

対象範囲

NIDEC連結売上高の95%以上を占める事業領域

 

ステップ2 気候変動リスク・機会の把握

TCFD提言を参考に、事業への潜在的気候変動リスク・機会を列挙

 

ステップ3 事業インパクト評価

事業への影響度、リスク・機会が顕在化する時期、早期対応の必要性の観点から事業インパクト評価を実施し、主要な気候変動リスク(炭素税の導入、洪水被害)については定量評価を実施

 

ステップ4 対応策の検討

事業インパクトが大きいと判断した気候変動・リスク・機会について対応策を検討

 

 

(参考)事業インパクトの大きい気候変動リスク・機会及び対応策

気候変動リスク・機会の影響

対応策

移行リスク

政策・法規制

炭素税の導入

炭素税による製造コストの増加、価格競争力の低下

●照明のLED化や省エネ設備の導入、低炭素燃料への置き換え、製造プロセスの最適化等によるScope1排出量の削減

●再生可能エネルギー導入によるScope2排出量の削減

●インターナルカーボンプライシング制度の導入

再エネ導入コストの増加

※炭素税への対策を行った場合

●コーポレートPPA等の長期契約による低コストでの再生可能エネルギーの導入

原油や化石燃料由来電力の調達コストの増加

●再生可能エネルギー導入

●照明のLED化や省エネ設備の導入

●インターナルカーボンプライシング制度の導入

原材料への炭素課金による調達コストの増加

●低炭素材料(再生原料を含む)の使用

●軽薄短小技術による小型軽量化、省資源化

●調達先のマルチソース化

●サプライチェーン温室効果ガス(Scope3)排出量の削減

燃費・ZEV規制の強化

内燃機関関連製品の製造施設の減損

●他機種への転用を可能にする汎用性の高い設計の採用

●製造設備の他製品への転用

新規参入企業増による競争激化、価格破壊

●技術力、価格競争力の高い製品の開発

●シェア拡大に伴うスケールメリットの獲得

●知的財産の保護・活用

EV市場拡大による原材料の調達競争激化

●軽薄短小技術による小型軽量化、省資源化

●代替素材を活用するための研究開発強化

●垂直型M&Aの実施

●供給能力の高いサプライチェーンの構築

●サプライヤーとの長期契約の締結

レアアース関連規制の導入

レアアースの調達困難化、調達コストの増加

●重希土類、磁石不使用の製品開発

●供給能力の高いサプライチェーンの構築

技術

研究開発力への影響

新製品開発遅延リスク

●研究所と連携した要素技術の開発

新技術への投資の失敗

顧客から求められる環境性能を満たせなかった場合のビジネス機会損失

●顧客との共同開発の実施

●軽薄短小技術による小型軽量化、省資源化

低炭素技術への移行

低炭素原材料や低炭素プロセスへの変更に伴うコストの増加

●軽薄短小技術による小型軽量化、省資源化

●サプライヤーを巻き込んだ取り組みの推進

市場

顧客行動の変化

顧客からの再エネ使用促進の要請の高まりや、CO2排出量削減が計画どおり進まないことに伴う取引停止

●照明のLED化や省エネ設備の導入、低炭素燃料への置き換え、製造プロセスの最適化等によるScope1排出量の削減

●再生可能エネルギー導入によるScope2排出量の削減

●顧客との協働による環境関連の取り組みの推進

●サステナビリティ経営の推進

●適切な情報開示とステークホルダーとの対話の強化

原材料の入手困難化、調達コストの増加

希少鉱物、鋼材、その他ハイエンドアルミや銅等の非鉄金属の入手困難化、調達コストの増加

●再生原料の使用

●軽薄短小技術による小型軽量化、省資源化

●重希土類、磁石不使用の製品開発

●供給能力の高いサプライチェーンの構築

評判

投資家の評価の変化

・ESG評価基準の厳格化と開示要請分野の拡大による対応コストの増加

・投資家や金融機関から情報開示が不十分とみなされることによる資金調達の困難化

・信用格付けの低下

●適切な情報開示とステークホルダーとの対話の強化

 

 

気候変動リスク・機会の影響

対応策

物理的リスク

急性

洪水・冠水・集中豪雨・台風の影響

・工場の操業停止

・固定資産・在庫の毀損

・電気、水供給等のインフラ網の機能停止

・別工場での生産や輸送等の対応コストの発生

・サプライチェーンの寸断

・保険料の増加

●生産工場の地理的分散

●調達先のマルチソース化

●BCP(事業継続計画)の実施

慢性

干ばつ・渇水・降水パターン変化の影響

・水の安定確保の困難化、取水制限による工場用水の不足

・水価格上昇によるコスト増加

・電力の需給逼迫による工場停止、原材料生産・調達能力の制約、部材購買コストの増加

・降水、気温パターン変化による水質の悪化

●生産工場の地理的分散

●水使用量削減のための製造プロセスの最適化

●水のリユース、リサイクル率の向上

機会

製品/
サービス

脱炭素に貢献する商品の市場拡大

・電動車・電動バイク市場拡大に伴う関連製品(E-Axle、電動パワーステアリング用モータ、ブレーキ用モータ、電動オイルポンプ用モータ、電動バイク駆動用インホイールモータ等)の需要増加

・省エネ製品(ブラシレスDCモータ、冷蔵庫用コンプレッサー、データセンター向け水冷モジュール・HDD用モータ、産業用高効率モータ、省エネ性能の高い工作機械、環境に優しい減速機等)の需要増加

・再エネ関連製品(BESS、スマート・マイクログリッド・ソリューション、風力・水力発電関連製品、小規模発電機、風力・ガスタービンケース製造用工作機械等)の需要増加

・プラスチック問題の解決に貢献する製品(製缶用プレス機)の需要増加

●関連製品の開発強化

●製品の小型軽量化、高剛性化、省資源化、高効率化、高精度化

気温差拡大対策商品の市場拡大

・空調関連製品の市場拡大に伴う関連製品(エアコン用モータ、空調服用ファン等)の需要増加

・温度変化に適応可能な工作機械・プレス機械の需要増加

市場

EV市場の拡大

・電動車・電動バイク市場拡大に伴う関連製品(E-Axle、電動パワーステアリング用モータ、ブレーキ用モータ、電動オイルポンプ用モータ、電動バイク駆動用インホイールモータ等)の需要増加

・高精度な工作機械の需要増加

電化の進展

電化の進展に伴うモータ需要の拡大

新製品・新市場への参入

電動航空機・船舶、ヒートポンプ技術を含む新市場の拡大

レジリエンス

サプライチェーンの強化

BCPによる災害に強いモノづくりの実現

●レジリエンスの高いサプライチェーンの構築

 

 

 

(参考)事業インパクトの定量評価

リスク

財務影響

算出方法

炭素税の導入

124億円

炭素価格はIEAWorld Energy Outlook 2022」における2030年の先進国予想炭素価格140USD/t-CO2を採用。CO2排出量(Scope1・2)はNIDECの2030年度排出量目標610t-CO2を基に算出。

洪水被害

77億円

・世界資源研究所(World Resources Institute)が提供している水リスク分析ツール「Aqueduct」を使用した評価結果に加え、各事業所の売上高やBCP(事業継続計画)策定状況を総合的に考慮した洪水リスク評価を実施。

・高リスクと判定された拠点の中から、当社事業全体への影響が特に大きい5拠点を抽出。

・それら5拠点がすべて被災した場合に想定される固定資産・在庫の毀損並びに操業停止による機会損失の影響額を、国土交通省の「TCFD提言における物理的リスク評価の手引き」を参考に算出。

 

 

③リスク管理

NIDECは連結グループ全体を俯瞰するグローバルリスク管理体制の枠組みに気候変動リスクを織り込み、その特定・評価から改善活動に至るプロセスを管理しています。リスク管理体制の詳細については「第2 事業の状況  3事業等のリスク」をご参照ください。

 

④指標と目標

NIDECは気候変動対策に関する指標・目標をマテリアリティ項目「脱炭素社会の実現」「水リスクへの対応」の枠組みにおいて次のように設定・管理しています。

 

脱炭素社会の実現

1)事業活動で排出するGHGsの削減

・2025年度総連結の再エネ導入比率を40%にする。

・TCFD提言に沿った気候変動シナリオの年次開示を行う。

2)製品を通じた脱炭素化への貢献

以下、製品の提供を通じて自動車/バイクが走行中に排出するCO2を削減する

・電気自動車用駆動モータシステム(E-Axle/BSG)

KPI:2020年度~2025年度までの削減量累計11,700千t-CO₂

・電動パワーステアリング用モータ(EPS-PP/EPS

KPI:2020年度~2025年度までの削減量累計26,261千t-CO₂

・電動ブレーキ用モータ(EBB

KPI:2024年度~2025年度までの削減量累計10,029千t-CO₂

・小型EV用モータ

KPI:年間削減量35千t

・電動バイク用モータ

KPI:年間削減量32t

 

水リスクへの対応

1)全生産拠点における水リスク・アセスメントを実施する

KPI:100%実施

 

各取り組み結果その他詳細については当社ウェブサイトの「環境保全活動第七次中期計画及びマテリアリティの取り組み進捗」をご参照ください(現時点では2023年度の実績を掲載しています。2024年度の実績は2025年12月末に同ホームページにて開示いたします。)

https://www.nidec.com/jp/sustainability/environment/environmental-management/target/

 

その他、気候変動対策に関する主な実績は次のとおりです。

 

・2030年CO2排出量削減目標に関するSBTi(Science Based Targets Initiative)認証を取得し、環境保全活動第七次中期計画へ反映

・CDP2024気候変動調査において最高評価の「Aリスト」に選定

https://www.nidec.com/jp/corporate/news/2025/news0207-01/

・COP29バーチャル・ジャパン・パビリオンに出展

https://www.nidec.com/jp/sustainability/cop29/

・インターナルカーボンプライシング制度の導入

https://www.nidec.com/jp/sustainability/news/2025/news0910-01/

 

(2)人的資本拡充に向けた取り組み

①当社における人的資本経営

当社は、1973年の創業から約50年間、創業者の永守重信の強いリーダーシップの下、自律成長とM&A戦略の両輪でグローバルに事業展開・成長を果たし、2022年度以降の売上高において、2兆円超を達成しています。

企業理念・目指す姿(「100年を超えて成長し続けるグローバル企業」「人類が抱える多くの課題を解決する世界No.1のソリューション企業集団」)を実現すべく、将来の事業ポートフォリオを見据えながら、第2創業期として次の50年に向けて新たなステージに入る当社では、グローバルに更なる飛躍を達成するために、旧来の連邦経営(個々の会社の自主性を重んじ、グループ内といえども競い合いながら成長を促す経営)からグループ一体化経営(One Nidec:全体最適にてグループシナジーを創出しながら成長する経営)によるグループシナジー創出のための人事施策・基盤整備を進めています。

具体的には、社長の岸田光哉の下、2024年度に3つのコミッティを立ち上げ、技術力の集結、グローバルな適所適材の実現、“永守イズム”、“Nidec Way(全社員の行動指針・規範)”の次世代への継承に注力しています。それぞれのコミッティの概要は次のとおりです。

 

3つのコミッティ

「技術戦略コミッティ」

当社の技術力を余すところなく集結し、蓄積された広範なノウハウを事業や地域の垣根を越えて共有することで、グループシナジーの発揮を目指しています。また、コアコンピタンスの発掘を見据え、技術領域ごとに活動、連携して新たなビジネスの創出を模索しています。

 

「グローバル人事戦略コミッティ」

約40か国、10万人を超える社員を抱える当社において、社員一人ひとりが個性を最大限発揮し、多様性を経営の視点に取り込むことが飛躍的成長につながります。事業や地域の垣根を越え、人事責任者が集結し、連携することで、当社の多様な人材の発掘、交流、活躍を促進していきます。

 

「All for dreamsコミッティ」

第2創業期を迎え、技術力の集結、グローバル化等の変革を進める一方で、当社がこれまでに培ってきた“永守イズム”、“Nidec Way(全社員の行動指針・規範)”を同時に受け継いでいくためには、社員がNIDECグループで働くことの意義(パーパス)を追求することが重要です。社員全員が参画し、パーパスを策定することで、グローバルな一流企業としての土台を確固たるものにします。

 

これらのコミッティの活動も含め、ニデックの企業集団づくりは、多様性の中にもしっかりとした軸をもち「One Nidec」として、同じひとつの夢に挑戦していくために人的資本の観点(人事上のソフト面・ハード面における多面的な観点)に着目しつつ、ニデックグループの強みの根幹である企業理念やコーポレート・スローガン、“Nidec Way”等をベースに会社組織及び人材に係る基本的な考え方を「NIDECグローバル人事ポリシー」としてまとめ、人事戦略・施策として具体的な活動へと落し込みを行っています。

 

「NIDECグローバル人事ポリシー」

“For Our Future, For Our Dream” ― 世界の人々の明日と私たちの夢のために“挑戦する”組織・人材であり続けます。

・組織・人材開発ポリシー“Encourage Uniqueness, Respect Team Spirit”

自らの存在価値をプロアクティブに発揮する個人を尊重します。多様な意見を受容し、本音のコミュニケーションを通じて新たな価値を創出します。

 

組織・人材開発(ソフト領域)についてのポリシーです。このポリシーに基づき、ビジョンを共有しながらも、本音で対話をしながら多様な視点を取り入れることができる風土の醸成を図ります。また、個性を磨き、その発揮を促す組織開発・人材開発施策を進めています。

 

・人事制度ポリシー“Reward Based on Contributions without Bias”

シンプルな基準で常に公正・公明・公平に正しく評価され、適切なキャリア機会が提供されます。

 

人事制度(ハード領域)におけるポリシーです。このポリシーに基づき、会社における人事基盤として必要な基幹制度(等級・報酬・評価)、これらに付随する組織管理・異動ルール・福利厚生等の制度・仕組みを公正・公明・公平な観点から整備します。実力に応じた多様なキャリア機会を提供、実績・成果に正しく応えることを通じて組織・人材の挑戦を支援します。

 

※人的資本に関する以下の指標については、特に記載がない限りニデック(株)の数値(2025年3月末時点)を掲載しています。また、掲載数値は小数点第2位を四捨五入しています。

 

②人事領域ごとの戦略

<人材開発における戦略>

「NIDECグローバル人事ポリシー」を下に人材開発の領域では、多様な個性を尊重し、発揮を促しながら、実力・実績に応じたキャリア機会の提供を通じて、「経営層及び重要ポスト後継者候補の開発」「次世代リーダー(管理職層・担当者層)の開発」、これを根本から支える「理念の浸透」からリーダーシップパイプラインを構築すると共に、「多様性の中での組織活性化」を図ることで、グローバル規模での人材の早期可視化・開発・強化を推進しています。

 

1)「経営層及び重要ポスト後継者候補の開発」

ニデックグループが着実な成長を遂げる上で、グループの重要ポストについてはニデック特有の経営手法を理解し、確固たる実績を持ち合わせている人材を登用することを重視しています。そのため、グループ全体の重要ポストを可視化し、経営幹部がサクセッションプラン(後継者計画)の妥当性を議論すると共に、次世代の経営人材候補となりうる人材を発掘し、戦略的な早期開発の取り組みを推進しています。

また、経営人材候補については、企業再建や抜擢登用等のタフアサインメントに加え、当社理念や経営マインドの浸透を目的とした創業者による育成塾や、グローバル企業のトップとして高いレベルの経営知識習得のための「グローバル経営大学校」「次世代グローバル経営大学校」を通じて、知識習得と実践の場を組み合わせながら開発強化を図っています。両経営大学校には、これまで世界14カ国(日本、米国、カナダ、メキシコ、中国、タイ、フィリピン、シンガポール、インド、イタリア、ドイツ、フランス、イギリス、ポーランド)の国々から受講者を選抜し、受講後は各地でグローバルリーダーとして活躍しています。

2024年度以降は「グローバル人事戦略コミッティ」を立ち上げ、幹部開発の軸足を日本地域からグローバルに発展させ、国籍や活躍する地域を問わず、更なる人材の発掘に努めています。また、2025年4月1日付でチーフオフィサー制の強化及び「フェロー」・「理事」の新設を実施しました。チーフオフィサー制の強化については、CxOを中心に新たにグローバル本社体制を構築し、地域や事業の枠を超えた連携を促進しています。「フェロー」については、高度な技術・技能・知識を有し、明確な使命を持って事業及び改革を推進し、組織に貢献する者を登用する制度としています。ニデックグループにとって重要な技術・技能・知識を有する専門人材にとって、将来の姿として目標となる位置づけとなり、持続的な成長を支える強固な基盤を構築するものです。「理事」については、将来の経営人材候補となりえる人材を明確化し、より幅広い視点で会社運営に携わることで、次世代の役員をグローバルに選出、開発します。

上記のとおり、多くの重要ポジションにおいては内部の後継者候補の計画的な開発・登用を基本とし、内部人材によるサクセッションプランの充足を目指しており、取り組みの結果として内部継承率が上昇しています。一方で、事業の拡大や変革に応じて、その時々に必要なスキル・経験を持った即戦力人材の採用・幹部登用も必要となります。即戦力人材がその実力を十分に発揮し、ニデックグループで成果を創出するために、上記創業者による育成塾等を通じて当社の経営手法や理念の浸透を図り、多様な視点を持った経営体制の構築に努めています。

なお、2020年度より「人材開発委員会」を設置し、ニデックグループの重要ポストのサクセッションプラン(後継者計画)等について経営幹部が半期ごとに議論を行ってきましたが、より適時適切な議論・意思決定を目指して2024年度以降は、旧来の「人材開発委員会」での内容を経営の会議体の中に組み込むこととし、日々の事業環境の変化を踏まえながら戦略的な人材開発・人材配置を経営幹部間で議論するものとしています。

更に、ニデック(株)の社長ポストをはじめとした特に重要な一部のポストについては、2022年11月に上位委員会として「指名委員会」を設置し、経営層(取締役・執行役員)の選任に繋がる仕組みを構築しています。

 

経営層及び重要ポスト後継者開発に関する指標

(ニデックグループ)

2022年度

2023年度

2024年度

2025年度目標

内部継承率

65.3%

84.6%

89.5%

85

後継者の継承準備度(即時継承可能)

※幹部候補の準備度と定義

-

59.8%

57.9%

70

後継者の継承準備度(1~2年後に継承可能)

※後継者候補準備率と定義

62.1%

55.6%

60.5%

70

後継者の継承準備度(3~5年後に継承可能)

-

40.2%

50.0%

60

 

※経営層及び重要ポスト後継者候補の開発に関する指標の対象範囲はニデックグループ全体となります。

※内部継承率:重要ポスト数に対する、重要ポストに占める内部登用者数

内部継承率については2024年度時点で2025年度目標85%を達成しています。

※後継者の継承準備度(即時継承可能)・幹部候補の準備度:重要ポスト数に対する、即時継承可能な後継候補数の割合

※後継者の継承準備度(1~2年後に継承可能)・後継者候補準備率:重要ポスト数に対する、1~2年後に継承可能な後継者候補数の割合

※後継者の継承準備度(3~5年後に継承可能):重要ポスト数に対する、3~5年後に継承可能な後継者候補数の割合

 

2022年度、2023年度に引き続き、2024年度についてもよりグローバルに重要ポストの見直しを行い、新たな重要ポストにおけるサクセッションプラン策定の取り組みの定着を図っています。そのため、後継者の継承準備度(即時継承可能)については実績値が低下しています。

 

2)「次世代リーダー(管理職層・担当者層)の開発」

ニデックグループでは、個々の社員の特性を理解し、尊重することで、社員各々の専門性が発揮され、グループ全体の業績向上及び将来のリーダーを担う人材の候補者開発に繋がると考えています。そのため、様々な人材開発施策を通じて、社員が自律的に成長するために学習意欲を高めることや、個々人のニーズに合うよう幅広く学習機会を提供することを目指しています。今後も、キャリアの状態に応じた次の役割別の研修機会、及び個別の学習ニーズに合わせた開発施策・機会の提供に注力します。

 

(ⅰ)管理職層に対しては、自己のリーダーとしての強み、弱みを洗い出すための研修を実施しています。研修の結果として作成される個人別のフィードバックレポートを本人及び上司にも共有し、OJTに活用できるようにしています。

(ⅱ)担当者層においては、新卒入社者に対して約2年間の若手育成プログラムを実施し、実務遂行力やビジネスパーソンとしての基礎的な力を養成するための各種研修を実施しています。このプログラム期間は、研修だけでなく、職場にて具体的な開発計画を立て、OJTにより現場での経験を通じた人材開発にも取り組んでいます。

(ⅲ)階層別に各種研修の機会を提供するほか、キャリア開発支援(上司・若手向けキャリア研修やキャリアプランシート、定期的な1on1ミーティング等)を通じて、各個人が学習意欲を高めるための内省を促進する機会を設けています。

(ⅳ)社員全般に対しては、社員個人が自らの学習ニーズに沿った通信教育(修了者への補助あり)等を受講できるスキルアップ支援プログラムを用意しており、個々人の能力向上、リスキリングの促進にも取り組んでいます。

(ⅴ)プロフェッショナル人材の育成・強化を行うために、会社機能別での切り口から多様な経験を支援する「機能軸人材マネジメント制度」の導入を管理部門からスタートさせており、プロ人材となる過程において経験すべき職場・業務を通じた開発を加速させています。創業以来大切にしてきたニデックの三大精神(「情熱・熱意・執念」「知的ハードワーキング」「すぐやる・必ずやる・できるまでやる」)をはじめとした、“ニデックらしさ(理念)”を時代に合わせて磨き上げ、全社員に浸透させながら、多様性の中にも組織として目指すべきもの、その中での社員の一体感(ベクトルの一致)を醸成する取り組みを進めています。

 

スコープ

教育・研修に関する指標

2022年度

2023年度

2024年度

2025年度目標

当社

一人当たりの研修時間

時間

12.9時間

12.0時間

14.9時間

15時間

1.6日

1.5日

1.9日

1.9日

一人当たりの研修費用

13,526円

17,409円

17,507円

20,000円

キャリア意識

全社員

50.2%

50.4%

52.5%

55.0%

男性

51.2%

51.5%

52.6%

-

女性

44.8%

44.4%

52.1%

-

日本地域

一人当たりの研修時間

時間

-

-

10.9時間

-

-

-

1.4日

-

一人当たりの研修費用

-

-

6,019円

-

 

※日本地域における一人当たりの研修時間、一人当たりの研修費用については2024年度から集計を開始しています。

※キャリア意識:毎年実施している従業員意識調査「組織パフォーマンスサーベイ」の「あなたは、キャリアの方向性を描いていますか?」の設問に対し、5段階評価のうち「そう思う」、「ややそう思う」と回答した社員の割合

 

2024年度の主な研修の事例

研修名称

受講者数

一人当たり研修時間

新入社員研修

58名

160.6時間

若手育成プログラム

新入社員

58名

39.8時間

2年目社員

67名

34.7時間

要素別技術スキル教育

81名

7.7時間

技術者レベルアップ教育

236名

7.9時間

MOT研修

14名

30.0時間

 

※新入社員研修:学生から社会人への切り替えと、社会人に必要な知識・スキルを学びながら、マインドセットを行う。

※若手育成プログラム:新卒入社後の2年間で、計5回の研修とeラーニングを通して当社の行動指針・規範であるNidec Way及び社会人基礎力の理解を深め、職場での課題解決を通してこれらの定着を図る。

※要素別技術スキル教育:業務に直接必要なモータに関する要素別(メカ、磁気、電気・電子、制御等)技術を学ぶ。

※技術者レベルアップ教育:モータに関わらず、品質向上、原価低減、短納期開発による利益貢献につながる幅広い知識の習得を図る。

※MOT研修:技術に基づいた新規ビジネスを立ち上げるために必要な考え方やマーケティング・戦略立案の方法を学ぶ。

 

3)「理念の浸透」

社員の特性を尊重することとグループ全体の業績向上を両立する上で、社員各々がニデックグループの理念や経営方針に共鳴することが必要不可欠です。ニデックグループの着実な成長に向け、社員のベクトルを合わせ、社員各々が最大限活躍できる組織を作るため、次の取り組みを実施しています。

(ⅰ)理念浸透では、創業者の想い(ニデックの理念や考え方等)をまとめた「挑戦への道」を社員に配布し、ニデック内で共有すべき理念として日々浸透させ、また理念研修で定期的にこれらの理解度や実践度を振り返る機会を設けることで、企業風土・組織文化の醸成からベクトルの合った組織づくりを行っています。

(ⅱ)One Nidecとして社員の力が最大限に発揮されるように、社員間の関係性を活性化させ、各職場から組織全体へと繋がるパフォーマンスの向上を目指し、「組織パフォーマンスサーベイ」を実施しています。

(ⅲ)「組織パフォーマンスサーベイ」の結果を活用した組織開発の取り組みとして、各職場にて本音で話し合う「職場ワークショップ」を導入し、多様な意見を尊重しながらビジョンに基づく意思決定を進めることができる組織風土の醸成・組織の構築を進めています。

これらの取り組みにより、ニデックグループを支える「組織」「ヒト」を中心とした持続的な企業成長を目指していきます。

 

理念浸透に関する指標

2022年度

2023年度

2024年度

2025年度目標

ビジョンの浸透度

全社員

80.9%

76.4%

79.2%

85.0

男性

80.8%

75.8%

78.0%

85.0%

女性

81.4%

79.7%

85.7%

85.0%

連携・コミュニケーション

全社員

3.66

3.66

3.70

-

男性

3.65

3.64

3.67

-

女性

3.70

3.78

3.88

-

エンゲージメント

全社員

3.60

3.62

3.67

-

男性

3.61

3.62

3.65

-

女性

3.57

3.63

3.74

-

 

※ビジョンの浸透度:毎年実施している従業員意識調査「組織パフォーマンスサーベイ」の「あなたの職場では、会社の経営理念やビジョンが共感されていますか?」の設問に対し、5段階評価のうち「そう思う」、「ややそう思う」と回答した社員の割合

女性のビジョンの浸透度については、2024年度時点で目標85.0%を達成しています。

※連携・コミュニケーション:「組織パフォーマンスサーベイ」における、連携やコミュニケーションに関する合計30設問の5段階評価の平均点

※エンゲージメント:「組織パフォーマンスサーベイ」における、エンゲージメントに関する合計19設問の5段階評価の平均点

 

2025年度目標の達成に向けては、「理念浸透」、「組織パフォーマンスサーベイ」、「職場ワークショップ」の取り組みに加え、2024年度より社内で「All for dreamsコミッティ」を立ち上げ、全社員が参加するアンケート等の取り組みを通じてパーパスの策定を進めています。パーパス策定活動においては改めて社員一人ひとりがNIDECで働く意味や理由を見つめなおすと共に、パーパス策定後には企業活動とパーパスを結び付けながら社員とのコミュニケーションに努めることでビジョンの浸透促進を図ります。

 

<人事基盤整備における戦略>

第2創業期としてグローバルに更なる飛躍を達成するためには、国際競争力の強化や働き方改革の推進による生産性向上、実力・実績主義の徹底を通じた競争力の強化が必要不可欠であると考えています。世界情勢・社会動向・諸外国との関係においても、特に生産性向上の強化が望まれる日本国内において、当社では人事制度改革に着手し、One Nidecでの強固な基盤(組織・人材)づくりを目指しています。なお、基盤整備においては、属性に関わらず誰もが実力を発揮できるよう、多様性のある組織(職場)風土や労働環境づくりにも注力し、日頃の円滑な企業活動の土台を築き上げながら進めることとしています。

2019年より人事制度改革に向けた検討を開始のうえ、その後の各種人事施策の展開等により経営層から一般社員までの体系的な組織・仕組みを構築することで、人材の流動化・ガバナンス強化を促進し、「組織」「ヒト」の活性化を実現することを目指しています。

 

1)「人事基盤整備_制度」

(ⅰ)当社では、取締役会の諮問機関として「報酬委員会(2021年2月~)」「指名委員会(2022年11月~)」を設置(委員の過半数を独立社外取締役にて構成)しています。取締役及び執行役員等の選任方針・選任基準・候補者案の決定等や役員報酬に関して、独立社外取締役の適切な関与・助言を得ることで、公正性・透明性・客観性を担保し、当社のコーポレート・ガバナンス体制のより一層の充実を図ることを目指しています。

(a)「指名委員会」では、取締役及び執行役員等の選任方針・選任基準や継承プラン及びサクセッションプランの考え方を踏まえ、社長の候補者案等を審議しています。2023年度については、特に社長選任に向け議論を重ね、2024年2月の指名委員会にて審議し、現在の代表取締役社長執行役員である岸田光哉を選任しました。

(b)「報酬委員会」では、役員の報酬に係る報酬決定方針の策定、報酬制度の設計(業績目標の設定、業績連動報酬の合理性、報酬構成の妥当性、報酬制度に基づく個別報酬額)等を審議しています。2024年6月には役員報酬を当社のESGパフォーマンスと連動させるため、業績連動型株式報酬へESG目標を反映することを決定しました。当社グループのグローバルでの競争力強化と事業の持続的な成長・発展につなげるべく、グループ経営・グループガバナンスをより一層強化し、安定した経営継承を行うべく進めていきます。

(ⅱ)グループ一体化経営を進める上で、等級・報酬・評価の人事基幹制度については、国内主要グループ会社を含めた約1万人を対象に制度の統一化を図っており、2020年度にはグループ統一での評価制度を先行して導入しました。更に、2021年~2022年度にかけて段階的に等級・報酬制度を導入しています。

(a)評価制度は、実力・実績主義を徹底するため、組織への貢献(該当業務(職務)に対してのパフォーマンス(行動・アウトプット・成果))を総合評価し、その評価結果を月例給・賞与へ反映しています。

(b)等級・報酬制度は、管理職・非管理職のリーダークラス以上に、ジョブ型人事制度(職務等級制度)を導入のうえ、職責・職務を明確化し、ポジションベースでの適所適材の人材配置を実現できるようにしています。報酬(賃金)は、月例給を職務給に一本化し、外部機関の報酬調査・ベンチマーク(75%ile・50%ile・25%ile)を参考に市場水準に基づいた金額を設定のうえ、職務等級制度により明確化した「職責・職務の大きさ」と「成果(評価結果)」に応じて月例給を決定しています。非管理職の担当者クラスは、日本のジョブ型市場の動向(市場としては未成熟)を踏まえ、担当としての職務(役割)段階の違いを定義づけすることに留め、ある程度の職能要素を残した形で、過去の評価の積み上げから昇降給や昇格候補者としての推薦、昇格を行う仕組みとすることで、着実な人材開発・強化を進めるものとしています。月例給だけでなく、会社・個人業績の結果等による賞与も含め、メリハリのある処遇を実現させるに当たっては、年齢、学歴、社歴、性別、国籍等は関係なく、常に公正・公明・公平に正しく評価することを目指しています。

(ⅲ)退職金制度においても実力・実績主義を徹底し、貢献度の高い社員により報いるべく、次の3点をコンセプトとしています。

(a)総報酬の一部として毎年の貢献をその年の対価として報いること(=報酬感)

(b)優秀な人材の採用・定着、パフォーマンスの向上に資する制度とすること(=リテンション)

(c)ニデックグループのガバナンスを確保し、円滑な異動を担保する仕組みとすること(=グループ内の流動性確保)

これらのコンセプトの下、具体的には、勤続年数による退職金の逓増を廃止し、役割や責任の大きさによって決定する基本給に応じて、退職掛金が変動・決定する仕組みとしています。また、グループ各社においても、様々な退職金制度の仕組みがありましたが、確定給付企業年金(以下、「DB」)及び確定拠出企業年金(以下、「DC」)の2本立ての退職金制度から、DCのみの退職金制度へ変更しています。退職金制度をDCに一本化したことで、DCのポータビリティ制を活かし、ニデックグループ内の人材の流動化が円滑に進むことにもつながっています。その他にも、DBの凍結及び終身部分の確定年金化等も行い、将来的な債務上昇のリスクを回避しています。

 

(ⅳ)ポジションベースの人事制度をより機能させる(社内での人材の流動化を促進する)ために、「社内公募制度」を年2回・定期的に実施することとしています。旧来から実施してきた会社主導の人事異動だけでなく、4月と10月の異動時期に合わせて部門単位でポジションの求人を公開し、その求人に社員から応募があった場合は各部門で選考し、社員と部門のマッチングが成立すれば、配属としています。社員の自発的な行動を促し、積極的にチャレンジしてもらうことでキャリア形成を支援すると共に、組織としての活性化を期待しています。なお、「社内公募制度」は、人事制度の導入と共にニデック(株)からスタートし、順次、グループ会社にも展開・運用を広げる予定です。

(ⅴ)環境の変化、グローバルビジネスの拡大・深化に伴い、会社が必要とする人材の質は多様になっています。その状況下において、地球規模における「適所適材」(組織能力獲得・人材確保/活用)を実現するために、グローバルモビリティポリシーの策定をはじめとする制度・仕組みの整備に着手しています。国内だけでなく、グローバルに活躍する人材がより多く生まれる環境を整えることによりOne Nidecを更に推進します。

 

2)「人事基盤整備_採用」

当社は絶えず成長を希求し、「世界No.1の総合モータメーカー」として、世の中になくてはならないソリューションを提供してきました。今後も、時代の変化や社会のニーズに即応できる企業であるために、“永守イズム”“Nidec Way”に共感し、高い目標に向かって絶えず挑戦し続ける3つのP(Proactive, Productive, Professional)を持つ人材の獲得・定着を進めていきます。ニデックグループの成長に伴い、新たな社員が着々と参画すべく、キャリア採用は通年採用としています。新卒採用においても27年度入社から通年採用として進めていくべく仕組みを整備しており、留学生等国籍関係なくニデックにマッチする素質のある人材をグローバルに採用していきます。更に、ベクトルのあった少数精鋭の社員集団であり続けるため、次の取り組みを実施しています。

 

(ⅰ)2024年度は、当社を含む国内グループ会社において158名のキャリア採用をしました。厳しい競争を勝ち抜くために、生え抜き社員だけでなく様々なバックグラウンドを持った社員が協働することで、社員の多様性を重視しながら、常に進化し続ける組織として人材の硬直化を防止すると共に、事業の拡大に応じて、その時々に必要なスキル・経験を持った即戦力人材の採用を行っています。入社後には理念浸透プログラムや入社後面談、月次アンケート等の定着施策を実施し、ニデックグループで早期活躍するためのオンボーディング施策を積極的に展開しています。

(ⅱ)2025年入社として、当社を含む国内グループ会社では192名の新卒採用をしました。若手のうちから裁量を持って積極的に仕事に取組み、様々な教育や業務経験を通して将来のニデックグループの経営幹部候補へと成長するよう開発しています。キャリア採用社員同様に新卒採用社員においても、ニデックへの定着を図り、活躍を促進することが重要だと認識しており、理念浸透活動を通じた経営理念・方針への理解促進や、月次アンケートによる状況把握と個別面談実施、初任給・担当者層の給与水準の向上等を通じて定着率の向上を図っています。

(ⅲ)日本国内は、特に先端技術開発等を担うプロフェッショナル集団として、正規雇用が大半を占めています。非正規社員で要件を満たした社員は、積極的に正社員として登用します。当社の「仕事に年齢は関係ない」というポリシーに基づき、役職定年という考え方はなく、ポジションや役割によって、社員一人ひとりが活躍できる会社・組織を目指しています。

 


 

採用に関する指標

2023年度

2024年度

2025年度目標

一人当たり採用コスト

新卒採用

302千円

(24年卒)

786千円

(25年卒)

-

キャリア採用

2,129千円

2,590千円

-

採用に係る平均日数(キャリア採用)

32.9日

30.6日

30日未満

離職率

全社員

20.4%

15.0%

-

男性

-

14.7%

-

女性

-

16.6%

-

 

※採用に関する指標のうち、採用数(新卒採用)、採用数(キャリア採用)の対象範囲は当社及び国内グループ会社、その他の指標は当社のみとなります。

※一人当たり採用コスト:採用に係る外部に支払う費用÷採用数

新卒採用における一人当たり採用コストについては、2024年度、新卒採用市場の競争率が高まっていることや、当社内においても更なるグローバル化の推進等を背景に新卒採用社員に求められる役割が拡大していることを背景に、母集団形成の強化を図った結果、増加しています。具体的には、求職者の認知拡大及び当社への理解深耕を目的に、採用コンテンツの拡充や求職者との接触機会の増加を図りました。

※採用に係る平均日数:応募から内定までのリードタイム

※離職率:当該年度の離職者数÷当該年度の平均従業員数

 性別ごとの離職率は2024年度から集計を開始しています。

 

 

3)「人事基盤整備_D&I」

ニデックグループは、世界40か国以上に拠点を持つグローバル企業として成長をし続けています。国を跨いだ社員の往来、交流を行っていますが、多様性のあることが当たり前な組織(職場)・労働環境の整備を進めることで、世界情勢・市場の変化に対しても迅速に対応できる組織・人材となることを目指しています。

(ⅰ)多様な社員の活躍を促進し、組織全体で新たな価値を創造していく上で、属性を問わず実績を評価する組織風土をはじめ、柔軟な働き方や多様性を受け入れる組織整備を進めています。

(a)2005年頃からダイバーシティ推進に取り組み、その後、仕事とプライベートの両立支援から活躍支援へと段階的にフェーズを移しつつ、男女問わない働き方として、時差勤務制度や在宅勤務制度、時間単位年次有給休暇制度を設けると共に、時短勤務等各種制度拡充やキャリア支援等を行っています。その結果、育児休暇からの復帰率向上や女性の管理職、管理職候補層の増加、男性の育児参画度の向上等が成果として出ています。また、女性社員を中心に、働き方やキャリア等をテーマにしたワークショップを実施しており、仕事に対するモチベーション向上に努めています。特に京都本社では、社外取締役と連携し、ダイバーシティについて社員の理解を深めるワークショップや、海外事業所の女性幹部の来日に合わせて、合同でワークショップを開催し、グローバル化とジェンダーの両面からの啓発を実施しています。加えて、海外事業所の幹部社員によるメンタリングを実施しており、集中的にキャリア開発支援、動機付けを行っています。ニデックでは今後も女性活躍推進を重要課題と位置づけ、女性管理職比率について、当社では2024年度で8.5%(女性従業員比率21.7%)となっており、2025年度には9%を目指しています。

(b)LGBTQ社員に対する取り組みとして、当社の就業規則では、性差・性的指向・性自認等に関係なく人格を尊重し、互いに一致協力することを明文化しており、その一環として配偶者に適用される人事規程を同性パートナーにも適用しています。

(c)外国籍役員2名を登用しており、採用においては国籍関係なく採用を推進し、留学生の採用数は年々増加傾向となっています。性別だけでなく、国籍をはじめとした個人の属性や価値観にかかわらず人材が活躍できる会社を目指して働き方の柔軟性の確保に努めています。また、技術戦略コミッティやグローバル人事戦略コミッティの取り組みを通じて、各機能においてグローバルな事業横断的な人材交流にも注力しています。特に、グローバル人事戦略コミッティにおいては、幹部候補人材のグローバルな発掘・開発につながる取り組みや、グローバル幹部報酬の仕組みやグローバルモビリティポリシーの整備等、人事機能内にとどまらない人材交流につながる議論を進めています。

 

 


 


 

 


※2025年度目標については、2022年4月以降を対象にするマテリアリティPhase3にて策定しています。

※女性役員比率については、2024年度より外国籍役員も含めて算出しています。

※女性管理職候補比率については2023年度時点で目標15.0%を達成しています。

 

ダイバーシティに関する指標(日本地域)

2024年度

女性役員比率

3.4%

女性管理職比率

5.0%

女性管理職候補比率

13.7%

 

※日本地域における階層別女性比率については2024年度から集計を開始しています。

 

ダイバーシティに関する指標

2023年度

2024年度

障害者雇用率

2.7%

2.8%

 

 

 

スコープ

育児休業に関する指標

2022年度

2023年度

2024年度

当社

育児休業取得者数/率(男性)

全労働者

24名/31.2%

27名/47.4%

24名/42.9%

正規雇用労働者

24名/31.2%

27名/47.4%

24名/42.9%

パート・有期雇用労働者

0名/-

0名/-

0名/-

育児休業取得者数/率(女性)

全労働者

19名/100%

12名/100%

23名/100%

正規雇用労働者

-

11名/100%

22名/100%

パート・有期雇用労働者

-

1名/100%

1名/100%

育児休業復職率

92.5%

100%

92.1%

育児休業定着率

※復職後1年間勤務を続けた社員の割合

81.0%

76.9%

78.3%

日本地域

育児休業取得者数/率(男性)

全労働者

-

-

78名/45.3%

正規雇用労働者

-

-

78名/45.3%

パート・有期雇用労働者

-

-

0名/-

育児休業取得者数/率(女性)

全労働者

-

-

75名/100%

正規雇用労働者

-

-

74名/100%

パート・有期雇用労働者

-

-

1名/100%

育児休業復職率

-

-

95.7%

育児休業定着率

※復職後1年間勤務を続けた社員の割合

-

-

82.0%

 

※日本地域の育児休業に関する指標は2024年度から集計を開始しています。

※当社における女性の育児休業取得者数/率について、雇用形態別の集計は2023年度から開始しています。

 

制度を活用できる社員の割合

2022年度

2023年度

2024年度

テレワーク適用率

100%

100%

100%

テレワーク実施率

-

3.1%

3.3%

時差勤務制度適用率

83.0

97.2%

96.4%

時差勤務制度実施率

-

3.7%

3.9%

年次有給休暇の取得状況

全社員

69.0%

73.0%

64.9%

男性

-

-

62.0%

女性

-

-

75.6%

 

※テレワーク適用率及び時差勤務制度適用率・実施率の集計範囲は国内で勤務する社員に限っています。

 海外赴任者は赴任先の現地法人の就業規則に準拠しています。

※テレワーク実施率について、コロナ禍においてはテレワークを積極的に実施していましたが、現在は対面でのコミュニケーション・業務運営を原則とし、円滑な業務遂行や意思決定のスピード向上に努めています。

※性別ごとの年次有給休暇の取得状況は2024年度から集計を開始しています。

 

 

(ⅱ)会社と社員の様々な対話の場から、適切な共有・建設的な議論を意識しつつ、コミュニケーションの活性化にも取り組んでいます。

(a)当社の社員代表組織である親睦会との間では、月に1回、双方向での情報共有・意見交換の場を設けており、社員が働き甲斐のある職場環境をつくるため、親睦会から集約した社員の声等も踏まえながら、年に2回社員満足度向上委員会を開催し、親睦会と会社が議論を交わしています。

(b)2021年度からは、人事部門の社員が各事業所を訪問し、社員との質疑応答等を通じて現場での課題認識に努めながら、人事施策や取り組みについての周知徹底・理解浸透を図るようにしています。

(c)2024年度には社長の岸田が経営課題の検討や各職場の状況の理解を深めるべく、社員との交流会を実施しました。本交流会は京都本社において25回にわたり開催され、291名が参加しました。今後も引き続き経営陣と社員のコミュニケーション活性化に努めていきます。

(ⅲ)当社の社員のモチベーション向上や事業や地域をまたいだネットワーキングの取り組みの一環として、グローバル表彰制度「One NIDEC利益貢献大賞」を運用しています。2024年度には27件、延べ202名の社員を表彰しました。なお、本表彰制度では取り組みの結果創出された利益をベースに組織への貢献度を評価しており、人事制度と合わせて実力・実績主義や理念の浸透の観点でも効果的に活用しています。

(ⅳ)当社の持続的な成長を実現するに当たり、社員の健康と働き甲斐を重要な源泉と位置づけ、多様な人材が活躍できる職場づくりと、社員が長く活躍できる持続可能な働き方が不可欠であるという考え方に基づき、健康経営に取り組んでいます。また、健康経営においては、「生産性」と「エンゲージメント」の向上を戦略の柱として掲げています。

(a)生産性向上の観点では、心身の健康を維持・増進することで、欠勤や休職等による損失の最小化や健康問題によるパフォーマンス低下の防止を図っています。健康上の高リスク者への対策として、健康診断結果に応じた個別保健指導の実施や精密検査受診勧奨等を効果的に実施するほか、傷病の発生予防として、当社産業医・保健師によるオンラインセミナーの実施により社員の健康リテラシーを高めると共に、敷地内完全禁煙の実施や運動習慣の推奨を通じて社員の行動変容を図っています。メンタルヘルス対策として、ストレスチェック実施後集団分析等、フォロー強化を進めています。加えて、労働安全の観点から、管理職を含む従業員の労働時間を管理し、長時間労働に伴う健康障害発生リスクの抑制に努めています。

(b)エンゲージメント向上の観点では、当社内の健康意識調査である「NIDECヘルスサーベイ」の分析結果から、「エンゲージメント」と「働きやすさ」のスコアの相関関係に着目し、特に「働きやすさ」スコアの改善につながる施策を推進していきます。「働きやすさ」スコアの改善には、1on1ミーティングやキャリア面談の導入による上司・部下間のコミュニケーションの活性化や、職場課題の解決について話し合うワークショップ導入による組織活性化を図っています。また、時差勤務制度や在宅勤務制度の拡充等、制度面での環境整備にも取り組んでいます。

 

健康経営に関する指標

2022年度

2023年度

2024年度

メンタルヘルスによる年間長期欠勤・休職者数

70名

33名

16名

メンタルヘルス以外の疾病による年間長期欠勤・休職者数

13名

4名

4名

欠勤率

-

-

1.0%

健康増進プログラムへの参加率

83.4%

67.8%

25.2%

月平均残業時間

全社員

19.6時間

20.1時間

19.3時間

男性

-

-

22.5時間

女性

-

-

9.0時間

 

※欠勤率、性別ごとの月平均残業時間については2024年度から集計を開始しています。

※2024年度は健康増進プログラムの内容及び集計方法を変更したことに起因して実績値が低下しています。

 

(ⅴ)当社は、グローバルな事業環境における人権への配慮の重要性を認識しており、「国連ビジネスと人権に関する指導原則」「国連グローバル・コンパクト」「国連世界人権宣言」「労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言」をはじめとする国際的ガイドラインを支持し、人権を取り巻く課題の多様化に対応しています。

(a)ニデックグループCSR憲章では「人権の尊重」を掲げ、またCSR憲章を補完する「NIDECグループCSR行動宣言」では、強制労働の禁止、児童労働の禁止、差別と非人道的な扱いの禁止、適切な賃金の保証、労働時間と休日・休暇の保証、結社の自由と団体交渉権の保証を規定しています。現在、当社グループはグローバルに300を超える事業所を有し、その何倍もの取引先が各国・地域で当社の事業活動を支えていますが、労働者の保護等に関する法整備が不十分と言われる国々でも操業をしています。

(b)こうした環境下において、当社グループに留まらずサプライチェーンで発生する労働・倫理問題に関しても自社の責任と認識し、当社の人権尊重に関する姿勢と取り組みを整理し、「NIDECグループ人権基本方針」を2021年11月に策定、2024年11月に改定しています。人権に関する基本的な考え方を明示するほか、「強制労働の禁止」「児童労働の禁止」「ハラスメントの禁止」「職場の安全・衛生の確保」等13の遵守すべき行動指針を制定しています。本方針は当社グループ及びサプライヤーを含め、当社グループのビジネスパートナー全体をスコープに展開しており、人権侵害のリスク特定と改善に継続的に取り組むと共に、本方針に関する全社eラーニング等の啓発活動を行っています。

(c)人権リスク・アセスメントについては、当社従業員の70%以上が集中するアジア地域を最重視し、重点的に取り組んでいます。アジアの主要な生産工場を対象にRBA(※)行動規範を参照した自社基準に基づく監査を定期的に実施しており、従業員の人権に関しては「雇用の自由選択」「若年労働」「労働時間」等7側面に設けられた監査項目を厳しくチェックしています。本方針を元に人権を尊重する責任を果たし、多様な人材が活躍することができる安全・安心な職場づくりを進めていきます。

(※)RBA(責任ある企業同盟)行動規範:電子業界が定めたサプライチェーン全体の事業活動に対する行動規範

 

(ⅵ)多様な人材が活躍する上で、安全・安心な職場づくりが必要不可欠と考え、労働災害の防止の取り組みやコンプライアンス体制の整備にも努めています。

(a)ニデックグループ全拠点において社員の安全確保を最優先の課題と位置づけ、国内事業所では安全確保に向けた施策を審議する安全衛生委員会を組織しています。

(b)諸法令・規則、社内規則・基準、社会倫理規範等の遵守やそのための従業員教育を徹底することにより、役員及び従業員の倫理意識を高め、安全で良好な職場環境づくりを進めるべく、役員・社員を対象とした研修等をはじめとしたコンプライアンス活動を継続的に実施しています。また、ニデックグループ全ての取締役・役員・従業員が利用できる内部通報窓口及び外部に第三者窓口を設置し、誰もが安心できる職場環境づくりに努めています。

 

労働災害に関する指標

2022年度

2023年度

2024年度

労働災害の発生件数

2件

6件

4件

労働災害度数率

0.5

1.7

1.2

労働災害により失われた時間

32時間

948時間

0時間

労働災害による死亡者数

0名

0名

0名

 

 

コンプライアンスに関する指標

2022年度

2023年度

2024年度

懲戒処分の発生件数(解雇)

2件

0件

1件

懲戒処分の発生件数(解雇以外)

4件

3件

1件

コンプライアンス研修の受講率

97.0%

94.4%

95.4%

 

※解雇には諭旨解雇を含んでいます。