2024年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    1,964名(単体) 101,112名(連結)
  • 平均年齢
    41.7歳(単体)
  • 平均勤続年数
    12.6年(単体)
  • 平均年収
    7,207,712円(単体)

従業員の状況

 

5【従業員の状況】

(1)連結会社の状況

 

2024年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

SPMS

22,891

(6,511)

AMEC

10,395

(1,130)

MOEN

12,367

(439)

ACIM

17,168

(911)

ニデックインスツルメンツ

10,270

(3,385)

ニデックテクノモータ

2,821

(1,872)

ニデックモビリティ

3,509

(351)

機械事業本部

7,124

(719)

ニデックアドバンステクノロジー

1,942

(40)

その他

11,622

(2,446)

全社

1,003

(11)

合計

101,112

(17,815)

 

(注)1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。

2.2023年4月1日付で、「日本電産サンキョー」セグメントは「ニデックインスツルメンツ」セグメントに名称を変更しております。

3.2023年4月1日付で、「日本電産テクノモータ」セグメントは「ニデックテクノモータ」セグメントに名称を変更しております。

4.2023年4月1日付で、「日本電産モビリティ」セグメントは「ニデックモビリティ」セグメントに名称を変更しております。

5.2023年4月1日付で、「日本電産シンポ」セグメントは「機械事業本部」セグメントに名称を変更しております。

6.2023年4月1日付で、「日本電産リード」セグメントは「ニデックアドバンステクノロジー」セグメントに名称を変更しております。

 

(2)提出会社の状況

 

 

 

 

2024年3月31日現在

従業員数(人)

平均年令(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

1,964

(37)

41.7

12.6

7,207,712

 

 

 

セグメントの名称

従業員数(人)

SPMS

630

(-)

AMEC

438

(17)

MOEN

(-)

ACIM

(-)

全社

896

(20)

合計

1,964

(37)

 

(注)1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。

2.平均年間給与は、基準外賃金及び賞与を含んでおります。

 

(3)労働組合の状況

当社及び当社の連結子会社(以下、「NIDEC」)のうち、一部の連結子会社において労働組合が結成されております。

労使関係については良好であり、特記すべき事項はありません。

 

(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

①提出会社

当事業年度

管理職に占める

女性労働者の割合(%)(注1)

男性労働者の育児休業取得率(%)

(注2)

労働者の男女の賃金の差異(%)(注1)

全労働者

正規雇用労働者

パート・

有期労働者

全労働者

正規雇用労働者

パート・

有期労働者

(注3)

8.1

47.4

47.4

-

69.6

78.2

31.8

 

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児または家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児または家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

3.パート・有期労働者には定年後再雇用の社員を含んでおります。

  当社はジョブ型人事制度(職務等級制度)を導入しており、年齢に関わらず「職責・職務(責任)の大きさ」、「成果」に応じて処遇を行っております。

 

 

②国内連結子会社

当事業年度

名称

管理職に占める

女性労働者

の割合(%)

(注1)

男性労働者の育児休業取得率(%)(注2)

労働者の男女の

賃金の差異(%)(注1)

全労働者

正規雇用労働者

パート・

有期労働者

全労働者

正規雇用労働者

パート・

有期労働者

ニデック
インスツルメンツ㈱

1.8

27.0

27.0

-

70.5

70.5

70.4

ニデック
インスツルメンツ秋田㈱

0.0

0.0

0.0

-

63.4

68.8

51.1

ニデックマテリアル㈱

3.6

0.0

0.0

-

56.1

79.1

45.1

ニデック
アドバンステクノロジー㈱

8.5

20.0

20.0

-

80.0

82.9

49.9

ニデック
ドライブテクノロジー㈱ 

4.5

36.4

36.4

-

82.0

80.3

87.5

ニデックテクノモータ㈱

2.3

15.0

15.0

-

69.8

82.1

54.5

ニデックモビリティ㈱

4.0

12.5

12.5

-

66.3

68.1

59.5

ニデックコンポーネンツ㈱

2.4

33.3

33.3

-

62.1

64.9

50.8

 ニデックパワー
トレインシステムズ㈱

9.3

37.5

37.5

-

74.7

81.0

38.8

ニデックプレシジョン㈱

3.5

40.0

40.0

-

68.6

75.3

85.4

ニデックマシンツール㈱

2.0

7.1

7.1

-

73.5

79.5

74.2

ニデックエレシス㈱

3.2

60.0

60.0

-

59.3

58.2

141.7

ニデック
アドバンスドモータ㈱ 

0.0

0.0

0.0

-

76.1

77.7

54.2

ニデックオーケーケー㈱

2.0

20.0

20.0

-

77.2

75.6

53.0

㈱TAKISAWA

4.8

92.9

92.9

-

63.9

90.5

55.0

 

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児または家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児または家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

当社が考える持続可能な経営の在り方とは、「会社が追求する事業戦略の方向性と世界が求める社会的課題解決への道筋を一致させ力強く芯のある成長を続けること」です。

気候危機、パンデミック、地政学的緊張等に代表される今日のグロ―バルリスクは、世界経済の基本構造に根本的な変化をもたらし、それに応じてビジネスにおけるヒト、モノ、カネ、情報も従来とは異なる指向性を示し始めております。社会が企業に求める役割が新たな転換点を迎えた今日、当社はこうした構造変化への適応力を高めながら経営資源を効果的に活用していくうえで必須と判断する持続的経営の要素(“マテリアリティ”と呼称)を5分野・15項目に分類し、リスクの低減と機会の発見・拡大に努めています。

マテリアリティを含む持続的経営に関わる諸課題に取り組むうえで必要なガバナンス組織として、当社は執行機関であるサステナビリティ推進会議(旧ESGマテリアリティ・ステアリングコミッティ)、並びにその監督機関であるサステナビリティ委員会を設置しています。サステナビリティ推進会議は原則として2か月ごとに開催され、社長以下執行役員が実施計画の進捗状況と課題を協議するとともに新たな社会的要請に関する情報を共有します。同会議の内容は社外取締役が過半数を占めるサステナビリティ委員会に報告され、四半期ごとの審議対象になります。また、当社取締役および執行役員等を対象とする業績連動型株式報酬制度における目標達成度指標として、従来の財務目標に加えESG評価機関(MSCIFTSECDP)による当社レーティングを採用する旨、2024618日に開催された第51期定時株主総会を経て決定しています。

 


(マテリアリティの詳細につきましては当社ウェブサイトhttps://www.nidec.com/jp/sustainability/principle/materiality/actionをご参照ください。

 

 

2023年度サステナビリティ委員会の開催履歴

 

開催年月

議題

第4回

2023年6月

・委員候補の推薦

TCFDシナリオ分析結果報告

・2023年度ESG説明会開催

・統合報告書2023制作方針

・社会貢献活動方針・重点分野の設定

第5回

2023年9月

・情報セキュリティ対策の推進報告

・CSRD(企業サステナビリティ報告指令)への対応

・統合報告書2023発行報告

第6回

2023年12月

経営幹部育成計画

・2023年度ESG説明会開催計画

・SBTに沿ったカーボンニュートラル目標設定と認定取得

第7回

2024年3月

・製品の安全性と品質の追求

・ESG説明会開催報告

・サステナビリティ推進体制の改編報告

 

 

 

(1)TCFDガイドラインに基づく気候変動対策

 

①ガバナンス

当社は2022年4月にTCFD提言への賛同を表明して以来、同イニシアティブに沿って気候関連リスク・機会の分析並びに財務インパクトの把握に努めてきました。それら取り組みを通じて得られた結果は、サステナビリティ推進会議及びサステナビリティ委員会における議論を経て経営戦略に反映されます。

 

②戦略

2023年度には、当社連結売上高の95%以上を占める事業領域から選抜した経営幹部ならびに実務担当者が多様な視点から気候変動インパクトを議論し、以下手順に沿ってシナリオ分析を実施しました。

 

シナリオ分析ステップ

 

ステップ1 シナリオ分析の前提条件の決定

シナリオ分析を進めるにあたり以下のような前提条件を決定

 

シナリオ

・移行リスクシナリオ(2℃/1.5℃シナリオ)

IPCCのSSP1-2.6シナリオ・RCP2.6シナリオやIEAのNZEシナリオをもとに、脱炭素社会を実現するために様々な施策・規制が導入される世界を想定

 

 

・物理的リスクシナリオ(4℃シナリオ)

IPCCのSSP5-8.5シナリオ・RCP8.5シナリオなどをもとに、脱炭素社会を実現するための施策・規制導入は進まず、気象災害が激甚化している世界を想定

 

 

時間軸

短期:2025年 中期:2030年 長期:2050年

 

対象範囲

当社連結売上高の95%以上を占める事業領域

 

ステップ2 気候変動リスク・機会の把握

TCFD提言を参考に、事業への潜在的気候変動リスク・機会を列挙

 

ステップ3 事業インパクト評価

事業への影響度、リスク・機会が顕在化する時期、早期対応の必要性の観点から事業インパクト評価を実施し、主要な気候変動リスク(炭素税の導入、洪水被害)については定量評価を実施

 

ステップ4 対応策の検討

事業インパクトが大きいと判断した気候変動・リスク・機会について対応策を検討

 

(参考)事業インパクトの大きい気候変動リスク・機会及び対応策

(注:事業インパクトが大きいと判断した気候変動リスク・機会に〇印を記載)


 

 

 



 

(参考)事業インパクトの定量評価

リスク

財務影響

算出方法

炭素税の導入

124億円

炭素価格はIEAWorld Energy Outlook 2022」における2030年の先進国予想炭素価格140USD/t-CO2を採用。CO2排出量(Scope1・2)は当社の2030年度排出量目標610t-CO2を基に算出。

洪水被害

422億円

Aqueductを用い、洪水リスクが高いと評価された38拠点が全て被災した場合の影響を評価。国土交通省の「TCFD提言における物理リスク評価の手引き」を参考に、固定資産・在庫の毀損及び操業停止による機会損失の影響額を算出。

 

引き続き事業インパクト評価の質的改善に努めるとともに、気候変動リスクを効果的に低減する取り組みを推進します。

 

 

③リスク管理

下図に示した階層ごとにリスク調査を行い、調査結果を相互利用していく仕組みを構築しております。


事業中断を招きかねない重大偶発リスクは、事業本部レベル(L2)が傘下の主要事業所レベル(L1)のBCP(Business Continuity Plan、事業継続計画)の整備状況を定期的に確認し、リスク低減に向けた継続的な改善活動の定着を図っております。

※主要事業所:所属する事業本部・グループ会社の売上の80%をカバーするように選定された事業所

 

世界の各拠点に設置したリスク管理者を中心に、事業継続を妨げる気候変動事象の早期の察知と的確な対応に努めています。洪水、干ばつの発生を想定したBCPシミュレーション訓練を国内外の拠点で実施すると同時に、厳格化する気候変動関連法令の遵守、変化する市場動向への適応、並びに顧客、投資家その他ステークホルダーとのコミュニケーションの強化に焦点を置いた対策を通じ、気候変動リスクの総体的把握とその軽減に注力しています。

 

 

④指標と目標

「持続可能な地球環境への貢献」をマテリアリティの一つとして特定し、以下のようなKPIを定めております。

(ⅰ)電気自動車用駆動モーターシステム「E-Axle」の普及を通じて自動車によるCO2排出量の削減を推進する(2020年度~2025年度削減目標:累計11,700千t-CO2)。

(ⅱ)電動パワーステアリング用モータの販売を通じて自動車によるCO2排出量の削減を推進する(2020年度~2025年度削減目標:累計26,261千t-CO2)。

(ⅲ)2025年度までに連結ベースの再エネ導入比率を40%にする。

(ⅳ)全生産拠点における水リスクアセスメントを100%完了する。

 

 

また、中期戦略目標Vision2025及びESGマテリアリティ対策の大きな軸の一つとして、2040年度カーボンニュートラルの実現を目標に掲げております。2023年度には排出量算定結果の第三者検証を受審し、国際的なイニシアティブであるSBT(Science Based Targets)のガイドラインに沿って設定した2030年度までのCO₂削減目標の達成計画についてSBT認定を申請しました。

 

2030年度目標

  当社が事業を通じて直接排出するCO2(Scope1)と電力や燃料の購入を通じて間接的に排出するCO2(Scope2)の総量を2022年度比で42%削減する。

  サプライチェーンから排出されるCO2(Scope2)の総量を2022年度比で25%削減する。

 

(2)人的資本拡充に向けた取り組み

当社は、2023年7月23日に創業満50周年を迎え、2023年4月1日より、日本電産株式会社からニデック株式会社へと社名を変更し、今後第2創業期として更なる進化を図ってまいります。創業当時4名でスタートした当社は、この50年間の企業としての着実な歩みの中で、自律成長とM&A戦略の両輪でグローバルに事業展開を果たし、大いなる成長とともに2022年度以降の売上高において、2兆円超を達成しております。

会社・事業の成長サイクル(導入期・成長期・成熟期・衰退期)において、将来の事業ポートフォリオを見据えながら、第2創業期として、次の50年に向けて新たなステージに入る当社では、更なる飛躍(経営目標:2025年度4兆円、 2030年度10兆円)を達成するために、旧来の連邦経営(個々の会社の自主性を重んじ、グループ内といえども競い合いながら成長を促す経営)からグループ一体化経営(One Nidec:全体最適にてグループシナジーを創出しながら成長する経営)によるグループシナジー創出のための人事施策・基盤整備を進めております。

これまでの50年は、創業者である永守重信の強いリーダーシップによって会社・事業の成長を牽引してまいりました。次の50年に向けての成長においては、新社長:岸田光哉のもと、“永守イズム”、“Nidec Way(全社員の行動指針・規範)”を次世代へ継承しつつ、企業理念・目指す姿(「100年を超えて成長し続けるグローバル企業」「人類が抱える多くの課題を解決する世界No.1のソリューション企業集団」)を実現するためグローバルで戦うことができる企業集団づくりに邁進しております。ニデックの企業集団づくりは、多様性の中にもしっかりとした軸をもち「One Nidec」として、同じ一つの夢に挑戦していくために人的資本の観点(人事上のソフト面・ハード面における多面的な観点)に着目しつつ、ニデックグループの強みの根幹である企業理念やコーポレート・スローガン、“Nidec Way”などをベースに会社組織及び人材に係る基本的な考え方を「NIDECグローバル人事ポリシー」としてまとめ、人事戦略・施策として具体的な活動へと落し込みを行っております。

 

人的資本における人事戦略上の大きな柱となる「NIDECグローバル人事ポリシー」は次のとおりです。

 

「NIDECグローバル人事ポリシー」

“For Our Future, For Our Dream” ― 世界の人々の明日と私たちの夢のために“挑戦する”組織・人材であり続けます。

①組織・人材開発ポリシー“Encourage Uniqueness, Respect Team Spirit”

自らの存在価値をプロアクティブに発揮する個人を尊重します。多様な意見を受容し、本音のコミュニケーションを通じて新たな価値を創出します。

 

組織・人材開発(ソフト領域)についてのポリシーです。このポリシーに基づき、ビジョンを共有しながらも、本音で対話をしながら多様な視点を取り入れることができる風土の醸成を図ります。また、個性を磨き、その発揮を促す組織開発・人材開発施策を進めています。

 

②人事制度ポリシー“Reward Based on Contributions without Bias”

シンプルな基準で常に公正・公明・公平に正しく評価され、適切なキャリア機会が提供されます。

 

人事制度(ハード領域)におけるポリシーです。このポリシーに基づき、会社における人事基盤として必要な基幹制度(等級・報酬・評価)、これらに付随する組織管理・異動ルール・福利厚生などの制度・仕組みを公正・公明・公平な観点から整備します。実力に応じた多様なキャリア機会を提供、実績・成果に正しく応えることを通じて組織・人材の挑戦を支援します。

 

※人的資本に関する以下の指標については、特に記載がない限りニデック(株)の数値(2024年3月末時点)を掲載しております。また、掲載数値は小数点第2位を四捨五入しております。

 

<人材開発における戦略>

「NIDECグローバル人事ポリシー」をもとに人材開発の領域では、多様な個性を尊重し、発揮を促しながら、実力・実績に応じたキャリア機会の提供を通じて、「経営層及び重要ポストの育成」「次世代リーダー(管理職層・担当者層)の育成」、これを根本から支える「理念の浸透」からリーダーシップパイプラインを構築すると共に、「多様性の中での組織活性化」を図ることで、グローバル規模での人材の早期可視化・育成・強化を推進しております。

 

「経営層及び重要ポスト後継者候補の開発」

ニデックグループが着実な成長を遂げる上で、グループの重要ポストについてはニデック特有の経営手法を理解し、確固たる実績を持ち合わせている人材を登用することを重視しています。そのため、グループ全体の重要ポストを可視化し、経営幹部がサクセッションプラン(後継者計画)の妥当性を議論すると共に、次世代の経営人材候補となりうる人材を発掘し、戦略的な早期育成の取り組みを推進しております。

また、経営人材候補については、企業再建や抜擢登用等のタフアサインメントに加え、当社理念や経営マインドの浸透を目的とした創業者による育成塾や、グローバル企業のトップとして高いレベルの経営知識習得のための「グローバル経営大学校」「次世代グローバル経営大学校」を通じて、知識習得と実践の場を組み合わせながら育成強化を図っております。両経営大学校には、これまで世界14カ国(日本、米国、カナダ、メキシコ、中国、タイ、フィリピン、シンガポール、インド、イタリア、ドイツ、フランス、イギリス、ポーランド)の国々から受講者を選抜し、受講後は各地でグローバルリーダーとして活躍しております。

上記の通り、多くの重要ポジションにおいては内部の後継者候補の計画的な開発・登用を基本とし、内部人材によるサクセッションプランの充足を目指しており、取り組みの結果として内部継承率が上昇しています。一方で、事業の拡大や変革に応じて、その時々に必要なスキル・経験を持った即戦力人材の採用・幹部登用も必要となります。即戦力人材がその実力を十分に発揮し、ニデックグループで成果を創出するために、上記創業者による育成塾等を通じて当社の経営手法や理念の浸透を図り、多様な視点を持った経営体制の構築に努めています。

なお、2020年度より「人材開発委員会」を設置し、ニデックグループの重要ポストのサクセッションプラン(後継者計画)等について経営幹部が半期ごとに議論を行う仕組みとし、事業セグメントごとに策定することを基本としながら、グループ全体最適の観点から検討をしております。更に、ニデック株式会社の社長ポストをはじめとした特に重要な一部のポストについては、2022年11月に上位委員会として「指名委員会」を設置し、経営層(取締役・執行役員)の選任に繋がる仕組みを構築しております。

 

経営層および重要ポスト後継者候補の開発に関する指標

2022年度

2023年度

2025年度目標

幹部候補の準備度

59.8%

70

内部継承率

65%

84.6%

85%

後継者候補準備率

62%

55.6%

70%

後継者の継承準備度(即時継承可能)

59.8%

70%

後継者の継承準備度(1~2年後に継承可能)

62%

55.6%

70%

後継者の継承準備度(3~5年後に継承可能)

40.2%

60%

 

※経営層及び重要ポスト後継者候補の開発に関する指標の対象範囲はニデックグループ全体となります。

※幹部候補の準備度:重要ポスト数に対する、即時継承可能な後継候補数の割合

内部承継率:重要ポスト数に対する、重要ポストに占める内部登用者数

後継者候補準備率:重要ポスト数に対する、1~2年後に継承可能な後継者候補数の割合

後継者の継承準備度(即時継承可能):重要ポスト数に対する、即時継承可能な後継候補数の割合

後継者の継承準備度(1~2年後に継承可能):重要ポスト数に対する、1~2年後に継承可能な後継者候補数の割合

後継者の継承準備度(3~5年後に継承可能):重要ポスト数に対する、3~5年後に継承可能な後継者候補数の割合

 

2023年度よりグローバルに重要ポストの見直しを行い、新たな重要ポストにおけるサクセッションプラン策定の取り組みの定着を図っております。そのため、後継者候補準備率及び後継者の継承準備度(1~2年後に継承可能)については実績値が低下しております。

 

「次世代リーダー(管理職層・担当者層)の育成」

ニデックグループでは、個々の社員の特性を理解し、尊重することで、社員各々の専門性が発揮され、グループ全体の業績向上及び将来のリーダーを担う人材の候補者開発に繋がると考えています。そのため、様々な人材開発施策を通じて、社員が自律的に成長するために学習意欲を高めることや、個々人のニーズに合うよう幅広く学習機会を提供することを目指しています。今後も、キャリアの状態に応じた次の役割別の研修機会、及び個別の学習ニーズに合わせた開発施策・機会の提供に注力致します。

 

a)管理職層に対しては、自己のリーダーとしての強み、弱みを洗い出すための研修を実施しております。研修の結果として作成される個人別のフィードバックレポートを本人及び上司にも共有し、OJTに活用できるようにしております。

b)担当者層においては、新卒入社者に対して約2年間の若手育成プログラムを実施し、実務遂行力やビジネスパーソンとしての基礎的な力を養成するための各種研修を実施しています。このプログラム期間は、研修だけでなく、職場にて具体的な育成計画を立て、OJTにより現場での経験を通じた人材育成にも取り組んでおります。

c)階層別に各種研修の機会を提供するほか、キャリア開発支援(上司・若手向けキャリア研修やキャリアプランシート、定期的な1on1ミーティングなど)を通じて、各個人が学習意欲を高めるための内省を促進する機会を設けています。

d)社員全般に対しては、社員個人が自らの学習ニーズに沿った通信教育(修了者への補助あり)等を受講できる自己啓発プログラムを用意しており、個々人の能力向上、リスキリングの促進にも取り組んでおります。

e)プロフェッショナル人材の育成・強化を行うために、会社機能別での切り口から多様な経験を支援する「機能軸人材マネジメント制度」の導入を管理部門からスタートさせており、プロ人材となる過程において経験すべき職場・業務を通じた育成を加速させております。創業以来大切にしてきたニデックの三大精神(「情熱・熱意・執念」「知的ハードワーキング」「すぐやる・必ずやる・できるまでやる」)をはじめとした、“ニデックらしさ(理念)”を時代に合わせて磨き上げ、全社員に浸透させながら、多様性の中にも組織として目指すべきもの、その中での社員の一体感(ベクトルの一致)を醸成する取り組みを進めております。

 

教育・研修に関する指標

2022年度

2023年度

2025年度目標

一人当たり研修時間

12.9時間

11.6時間

15時間

一人当たりの研修費用

13,526円

17,409

20,000

キャリア意識

50.2%

50.4%

55.0%

 

※キャリア意識:毎年実施している従業員意識調査「組織パフォーマンスサーベイ」の「あなたは、キャリアの方向性を描いていますか? 」の設問に対し、5段階評価の内「そう思う」、「ややそう思う」と回答した社員の割合

 

「理念の浸透」

社員の特性を尊重することとグループ全体の業績向上を両立する上で、社員各々がニデックグループの理念や経営方針に共鳴することが必要不可欠です。ニデックグループの着実な成長に向け、社員のベクトルを合わせ、社員各々が最大限活躍できる組織を作るため、次の取り組みを実施しています。

a)理念浸透では、創業者の想い(ニデックの理念や考え方など)をまとめた「挑戦への道」を社員に配布し、ニデック内で共有すべき理念として日々浸透させ、また理念研修で定期的にこれらの理解度や実践度を振り返る機会を設けることで、企業風土・組織文化の醸成からベクトルの合った組織づくりを行っております。

b)One Nidecとして社員の力が最大限に発揮されるように、社員間の関係性を活性化させ、各職場から組織全体へと繋がるパフォーマンスの向上を目指し、「組織パフォーマンスサーベイ」を実施しております。

c)「組織パフォーマンスサーベイ」の結果を活用した組織開発の取り組みとして、各職場にて本音で話し合う「職場ワークショップ」を導入し、多様な意見を尊重しながらビジョンに基づく意思決定を進めることができる組織風土の醸成・組織の構築を進めております。

これらの取り組みにより、ニデックグループを支える「組織」「ヒト」を中心とした持続的な企業成長を目指してまいります。

 

理念浸透に関する指標

2022年度

2023年度

2025年度目標

ビジョンの浸透度

80.9%

76.4%

85.0%

 

※ビジョンの浸透度:毎年実施している従業員意識調査「組織パフォーマンスサーベイ」の「あなたの職場では、会社の経営理念やビジョンが共感されていますか? 」の設問に対し、5段階評価の内「そう思う」、「ややそう思う」と回答した社員の割合

 

2025年度目標の達成に向けては、「理念浸透」、「組織パフォーマンスサーベイ」、「職場ワークショップ」の取り組みに加え、2024年度より社内でコミッティを立ち上げ、ビジョンの浸透促進を図ります。

 

<人事基盤整備における戦略>

グローバル競争が加速する中、10兆円企業という目標達成のためには、国際競争力の強化や働き方改革の推進による生産性向上、実力・実績主義の徹底を通じた競争力の強化が必要不可欠であると考えております。世界情勢・社会動向・諸外国との関係においても、特に生産性向上の強化が望まれる日本国内において、当社では人事制度改革に着手し、One Nidecでの強固な基盤(組織・人材)づくりを目指しております。なお、基盤整備においては、属性に関わらず誰もが実力を発揮できるよう、多様性のある組織(職場)風土や労働環境づくりにも注力し、日頃の円滑な企業活動の土台を築き上げながら進めることとしております。

2019年より人事制度改革に向けた検討を開始のうえ、その後の各種人事施策の展開等により経営層から一般社員までの体系的な組織・仕組みを構築することで、人材の流動化・ガバナンス強化を促進し、「組織」「ヒト」の活性化を実現することを目指しております。

 

「人事基盤整備_制度」

a)当社では、取締役会の諮問機関として「報酬委員会(2021年2月~)」「指名委員会(2022年11月~)」を設置(委員の過半数を独立社外取締役にて構成)しております。取締役及び執行役員等の選任方針・選任基準・候補者案の決定等や役員報酬に関して、独立社外取締役の適切な関与・助言を得ることで、公正性・透明性・客観性を担保し、当社のコーポレート・ガバナンス体制のより一層の充実を図ることを目指しております。

(ⅰ)「指名委員会」では、取締役及び執行役員等の選任方針・選任基準や継承プラン及びサクセッションプランの考え方を踏まえ、社長・副社長の候補者案等を審議しております。

(ⅱ)「報酬委員会」では、役員の報酬に係る報酬決定方針の策定、報酬制度の設計(業績目標の設定、業績連動報酬の合理性、報酬構成の妥当性、報酬制度に基づく個別報酬額)等を審議しております。当社グループのグローバルでの競争力強化と事業の持続的な成長・発展につなげるべく、グループ経営・グループガバナンスをより一層強化し、安定した経営継承を行うべく進めてまいります。

 

b)グループ一体化経営を進める上で、等級・報酬・評価の人事基幹制度については、国内主要グループ会社を含めた約1万人を対象に制度の統一化を図っており、2020年度にはグループ統一での評価制度を先行して導入しました。更に、2021年~2022年度にかけて段階的に等級・報酬制度を導入しております。

(ⅰ)評価制度は、実力・実績主義を徹底するため、組織への貢献(該当業務(職務)に対してのパフォーマンス(行動・アウトプット・成果))を総合評価し、その評価結果を月例給・賞与へ反映させております。

(ⅱ)等級・報酬制度は、管理職・非管理職のリーダークラス以上に、ジョブ型人事制度(職務等級制度)を導入のうえ、職責・職務を明確化し、ポジションベースでの適所適材の人材配置を実現できるようにしております。報酬(賃金)は、月例給を職務給に一本化し、外部機関の報酬調査・ベンチマーク(75%ile・50%ile・25%ile)を参考に市場水準に基づいた金額を設定のうえ、職務等級制度により明確化した「職責・職務の大きさ」と「成果(評価結果)」に応じて月例給を決定しております。非管理職の担当者クラスは、日本のジョブ型市場の動向(市場としては未成熟)を踏まえ、担当としての職務(役割)段階の違いを定義づけすることに留め、ある程度の職能要素を残した形で、過去の評価の積み上げから昇降給や昇格候補者としての推薦、昇格を行う仕組みとすることで、着実な人材育成・強化を進めるものとしております。月例給だけでなく、会社・個人業績の結果などによる賞与も含め、メリハリのある処遇を実現させるにあたっては、その基本的な考え方として、「儲けてくれる人を一番評価する」「会社によい変化をもたらしてくれる人を次に評価する」という当社の価値観に基づき、年齢、学歴、社歴、性別、国籍等は関係なく、常に公正・公明・公平に正しく評価することを目指しております。

c)退職金制度においても実力・実績主義を徹底し、貢献度の高い社員により報いるべく、次の3点をコンセプトとしております。

(ⅰ)総報酬の一部として毎年の貢献をその年の対価として報いること(=報酬感)

(ⅱ)優秀な人材の採用・定着、パフォーマンスの向上に資する制度とすること(=リテンション)

(ⅲ)ニデックグループのガバナンスを確保し、円滑な異動を担保する仕組みとすること(=グループ内の流動性確保)

これらのコンセプトの下、具体的には、勤続年数による退職金の逓増を廃止し、役割や責任の大きさによって決定する基本給に応じて、退職掛金が変動・決定する仕組みとしております。また、グループ各社においても、様々な退職金制度の仕組みがありましたが、確定給付企業年金(以下、DBという)及び確定拠出企業年金(以下、DCという)の2本立ての退職金制度から、DCのみの退職金制度へ変更しております。退職金制度をDCに一本化したことで、DCのポータビリティ制を活かし、ニデックグループ内の人材の流動化が円滑に進むことにもつながっています。その他にも、DBの凍結及び終身部分の確定年金化等も行い、将来的な債務上昇のリスクを回避しております。

 

d)ポジションベースの人事制度をより機能させる(社内での人材の流動化を促進する)ために、「社内公募制度」を年2回・定期的に実施することとしております。旧来から実施してきた会社主導の人事異動だけでなく、4月と10月の異動時期に合わせて部門単位でポジションの求人を公開し、その求人に社員から応募があった場合は各部門で選考し、社員と部門のマッチングが成立すれば、配属としております。社員の自発的な行動を促し、積極的にチャレンジしてもらうことでキャリア形成を支援するとともに、組織としての活性化を期待しております。なお、「社内公募制度」は、人事制度の導入とともにニデック株式会社からスタートし、順次、グループ会社にも展開・運用を広げる予定であります。

e)環境の変化、グローバルビジネスの拡大・深化に伴い、会社が必要とする人材の質は多様になっております。その状況下において、地球規模における「適所適材」(組織能力獲得・人材確保/活用)を実現するために、グローバルモビリティポリシーの策定をはじめとする制度・仕組みの整備に着手しております。国内だけでなく、グローバルに活躍する人材がより多く生まれる環境を整えることによりOne Nidecを更に推進します。

 

「人事基盤整備_採用」

当社は絶えず成長を希求し、「世界No.1の総合モーターメーカー」として、世の中になくてはならないソリューションを提供してまいりました。今後も、時代の変化や社会のニーズに即応できる企業であるために、“永守イズム”“Nidec Way”に共感し、高い目標に向かって絶えず挑戦し続ける3つのP(Proactive, Productive, Professional)を持つ人材の獲得・定着を進めてまいります。ニデックグループの成長に伴い、新たな社員が着々と参画しながらも、ベクトルのあった少数精鋭の社員集団であり続けるため、次の取り組みを実施しています。

 

(ⅰ)2023年度は、当社を含む国内グループ会社において149名のキャリア採用を致しました。厳しい競争を勝ち抜くために、生え抜き社員だけでなく様々なバックグラウンドを持った社員が協働することで、社員の多様性を重視しながら、常に進化し続ける組織として人材の硬直化を防止すると共に、事業の拡大に応じて、その時々に必要なスキル・経験を持った即戦力人材の採用を行っております。入社後には理念浸透プログラムや入社後面談、月次アンケートなどの定着施策を実施し、ニデックグループで早期活躍するためのオンボーディング施策を積極的に展開しています。

(ⅱ)2024年4月入社に、当社を含む国内グループ会社では190名の新卒採用を致しました。若手のうちから裁量を持って積極的に仕事に取組み、様々な教育や業務経験を通して将来のニデックグループの経営幹部候補へと成長するよう開発しております。キャリア採用社員同様に新卒採用社員においても、ニデックへの定着を図り、活躍を促進することが重要だと認識しており、理念浸透活動を通じた経営理念・方針への理解促進や、月次アンケートによる状況把握と個別面談実施、初任給・担当者層の給与水準の向上などを通じて定着率の向上を図っています。

(ⅲ)日本国内は、特に先端技術開発などを担うプロフェッショナル集団として、正規雇用が大半を占めております。非正規社員で要件を満たした社員は、積極的に正社員として登用します。当社の「仕事に年齢は関係ない」というポリシーに基づき、役職定年という考え方はなく、ポジションや役割によって、社員一人ひとりが活躍できる会社・組織を目指しています。

 


 

 

採用に関する指標

2023年度

2025年度目標

一人当たり採用コスト(新卒採用)

302千円

※24年卒

-

一人当たり採用コスト(キャリア採用)

2,129千円

-

採用にかかる平均日数(キャリア採用)

32.9日

30日未満

定着率

79.6%

-

 

※採用に関する指標の内、採用数(新卒採用)、採用数(キャリア採用)の対象範囲は当社及び国内グループ会社、その他の指標は当社のみとなります。

※一人当たり採用コスト:採用にかかる外部に支払う費用÷採用数

採用に係る平均日数:応募から内定までのリードタイム

定着率:100%-離職率(23年度の離職者数÷23年度の平均従業員数)

 

「人事基盤整備_D&I」

ニデックグループは、世界40か国以上に拠点を持つグローバル企業として成長をし続けております。国を跨いだ社員の往来、交流を行っておりますが、多様性のあることが当たり前な組織(職場)・労働環境の整備を進めることで、世界情勢・市場の変化に対しても迅速に対応できる組織・人材となることを目指しております。

 

a)多様な社員の活躍を促進し、組織全体で新たな価値を創造していく上で、属性を問わず実績を評価する組織風土をはじめ、柔軟な働き方や多様性を受け入れる組織整備を進めています。

(ⅰ)2005年頃からダイバーシティ推進に取り組み、その後、仕事と家庭の両立支援から活躍支援へと段階的にフェーズを移しつつ、男女問わない働き方として、時差勤務制度や在宅勤務制度、時間単位年次有給休暇制度を設けると共に、時短勤務等各種制度拡充やキャリア支援などを行っております。その結果、育児休暇からの復帰率向上や女性の管理職、管理職候補層の増加、男性の育児参画度の向上等が成果として出ております。ニデックでは今後も女性活躍推進を重要課題と位置づけ、女性管理職比率について、当社では2023年度で8.1%(女性従業員比率21.1%)となっており、2025年度には9%を目指しています。

(ⅱ)LGBTQ社員に対する取り組みとして、当社の就業規則では、性差・性的指向・性自認等に関係なく人格を尊重し、互いに一致協力することを明文化しており、その一環として配偶者に適用される人事規程を同性パートナーにも適用しております。

(ⅲ)外国籍役員2名を登用しており、性別だけでなく、国籍をはじめとした個人の属性や価値観にかかわらず人材が活躍できる会社を目指して働き方の柔軟性の確保に努めております。

 


 


 

 

ダイバーシティに関する指標

2023年度

障害者雇用率

2.67%

 

 

育児休業に関する指標

2022年度

2023年度

育児休業取得者数(男性)

24名

27

育児休業取得者数(女性)

19名

12

育児休業取得率(男性)

31%

47.4%

育児休業取得率(女性)

100%

100%

                         育児休業復職率

93%

100%

             育児休業定着率
                         ※復職後1年間勤務を続けた社員の割合

81%

76.9%

 

 

制度を活用できる社員の割合

2022年度

2023年度

テレワーク適用率

100%

100

時差勤務制度適用率

83%

97.2%

時差勤務制度実施率

3.7%

 

※国内で勤務する社員に限っております。海外赴任者は赴任先の現地法人の就業規則に準拠しております。

 

b) 会社と社員の様々な対話の場から、適切な共有・建設的な議論を意識しつつ、コミュニケーションの活性化にも取り組んでおります。

(ⅰ)当社の社員代表組織である親睦会との間では、月に1回、双方向での情報共有・意見交換の場を設けており、社員が働き甲斐のある職場環境をつくるため、親睦会から集約した社員の声なども踏まえながら、年に2回社員満足度向上委員会を開催し、親睦会と会社が議論を交わしております。

(ⅱ)2021年度からは、人事部門の社員が各事業所を訪問し、社員との質疑応答等を通じて現場での課題認識に努めながら、人事施策や取り組みについての周知徹底・理解浸透を図るようにしております。

 

c) 当社の持続的な成長を実現するにあたり、社員の健康と働き甲斐を重要な源泉と位置づけ、多様な人材が活躍できる職場づくりと、社員が長く活躍できる持続可能な働き方が不可欠であるという考え方に基づき、健康経営に取り組んでおります。また、健康経営においては、「生産性」と「エンゲージメント」の向上を戦略の柱として掲げております。

(ⅰ)生産性向上の観点では、心身の健康を維持・増進することで、欠勤や休職等による損失の最小化や健康問題によるパフォーマンス低下の防止を図っております。健康上の高リスク者への対策として、健康診断結果に応じた個別保健指導の実施や精密検査受診勧奨等を効果的に実施するほか、傷病の発生予防として、当社産業医・保健師によるオンラインセミナーの実施により社員の健康リテラシーを高めると共に、敷地内完全禁煙の実施や運動習慣の推奨を通じて社員の行動変容を図っております。メンタルヘルス対策として、ストレスチェック実施後集団分析等、フォロー強化を進めております。加えて、労働安全の観点から、管理職を含む従業員の労働時間を管理し、長時間労働に伴う健康障害発生リスクの抑制に努めております。

(ⅱ)エンゲージメント向上の観点では、当社内の健康意識調査である「NIDECヘルスサーベイ」の分析結果から、「エンゲージメント」と「働きやすさ」のスコアの相関関係に着目し、特に「働きやすさ」スコアの改善につながる施策を推進していきます。「働きやすさ」スコアの改善には、1on1ミーティングやキャリア面談の導入による上司・部下間のコミュニケーションの活性化や、職場課題の解決について話し合うワークショップ導入による組織活性化を図っております。また、時差勤務制度や在宅勤務制度の拡充等、制度面での環境整備にも取り組んでおります。

 

健康経営に関する指標

2022年度

2023年度

メンタルヘルスによる年間長期欠勤・休職者数

70名

33

メンタルヘルス以外の疾病による年間長期欠勤・休職者数

13名

4

健康増進プログラムへの参加率

83.4%

67.8%

 

 

d) 当社は、グローバルな事業環境における人権への配慮の重要性を認識しており、「国連ビジネスと人権に関する指導原則」「国連グローバル・コンパクト」「国連世界人権宣言」「労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言」をはじめとする国際的ガイドラインを支持し、人権を取り巻く課題の多様化に対応しております。

(ⅰ)ニデックグループCSR憲章では「人権の尊重」を掲げ、またCSR憲章を補完する「NIDECグループCSR行動宣言」では、強制労働の禁止、児童労働の禁止、差別と非人道的な扱いの禁止、適切な賃金の保証、労働時間と休日・休暇の保証、結社の自由と団体交渉権の保証を規定しております。現在、当社グループはグローバルに300を超える事業所を有し、その何倍もの取引先が各国・地域で当社の事業活動を支えておりますが、労働者の保護等に関する法整備が不十分と言われる国々でも操業をしております。

(ⅱ)こうした環境下において、当社グループに留まらずサプライチェーンで発生する労働・倫理問題に関しても自社の責任と認識し、2021年11月には、当社の人権尊重に関する姿勢と取り組みを整理し、「日本電産(現 ニデック)グループ人権基本方針」を策定しております。人権に関する基本的な考え方を明示するほか、「強制労働の禁止」「児童労働の禁止」「ハラスメントの禁止」「職場の安全・衛生の確保」など8つの遵守すべき行動指針を制定しております。本方針は当社グループ及びサプライヤーを含め、当社グループのビジネスパートナー全体をスコープに展開しており、人権侵害のリスク特定と改善に継続的に取り組むと共に、全社eラーニング等の啓発活動を行っております。

(ⅲ)人権リスク・アセスメントについては、当社従業員の70%以上が集中するアジア地域を最重視し、重点的に取り組んでおります。アジアの主要な生産工場を対象にRBA(※)行動規範を参照した自社基準に基づく監査を定期的に実施しており、従業員の人権に関しては「雇用の自由選択」「若年労働」「労働時間」など7側面に設けられた監査項目を厳しくチェックしております。本方針を元に人権を尊重する責任を果たし、多様な人材が活躍することができる安全・安心な職場づくりを進めていきます。

(※)RBA(責任ある企業同盟)行動規範:電子業界が定めたサプライチェーン全体の事業活動に対する行動規範

 

e) 多様な人材が活躍する上で、安全・安心な職場づくりが必要不可欠と考え、労働災害の防止の取り組みやコンプライアンス体制の整備にも努めています。

(ⅰ)ニデックグループ全拠点において社員の安全確保を最優先の課題と位置づけ、国内事業所では安全確保に向けた施策を審議する安全衛生委員会を組織しています。

(ⅱ)諸法令・規則、社内規則・基準、社会倫理規範等の遵守やそのための従業員教育を徹底することにより、役員及び従業員の倫理意識を高め、安全で良好な職場環境づくりを進めるべくコンプライアンス活動を継続的に実施しています。また、ニデックグループ全ての取締役・役員・従業員が利用できる内部通報窓口及び外部に第三者窓口を設置し、誰もが安心できる職場環境づくりに努めています。

 

労働災害に関する指標

2022年度

2023年度

労働災害の発生件数

2件

6

労働災害度数率

0.46

1.68

労働災害により失われた時間

32時間

948時間

労働災害による死亡者数

0名

0

 

労働災害により失われた時間については、2023年度に発生した6件のうち1件が800時間を占めているため、2022年度に比べ大幅に増加しております。なお、安全衛生委員会に加え、当社リスク管理機能の主管で労災撲滅プロジェクトを立ち上げ、再発防止に取り組んでいます。

 

コンプライアンスに関する指標

2022年度

2023年度

懲戒処分の発生件数(解雇)

2件

0

懲戒処分の発生件数(解雇以外)

4件

3

コンプライアンス研修の受講率

97%

94.4%

 

※解雇には諭旨解雇を含んでおります。