2025年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    3,061名(単体) 15,151名(連結)
  • 平均年齢
    51.0歳(単体)
  • 平均勤続年数
    24.8年(単体)
  • 平均年収
    8,537,869円(単体)

従業員の状況

5【従業員の状況】

(1)連結会社の状況

 

2025年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

モビリティ&テレマティクスサービス分野

10,383

(333)

セーフティ&セキュリティ分野

2,347

(354)

エンタテインメント ソリューションズ分野

1,107

(3)

その他

5

(11)

全社(共通)

1,309

(16)

合計

15,151

(717)

(注)1.従業員数は、当社グループから当社グループ外への出向者を除き、当社グループ外から当社グループへの出向者を含む就業人員数です。

2.従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の当連結会計年度における平均雇用人員(1日8時間換算)です。

3.臨時従業員は、パートタイマー及びアルバイトを含み、派遣社員は除いています。

4.海外生産子会社含め人員に大きな変動はありません。通常の生産工場の繁閑調整にともなう622名の減少を主な理由として、当連結会計年度末における当社グループの従業員数は、15,880人から729人減の15,151人となっています。

 

(2)提出会社の状況

 

 

 

 

2025年3月31日現在

従業員数(人)

平均年令(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

3,061

(0)

51.0

24.8

8,537,869

 

セグメントの名称

従業員数(人)

モビリティ&テレマティクスサービス分野

1,223

(0)

セーフティ&セキュリティ分野

619

(0)

エンタテインメント ソリューションズ分野

489

(0)

その他

0

(0)

全社(共通)

730

(0)

合計

3,061

(0)

(注)1.従業員数は、当社から当社外への出向者を除き、当社外から当社への出向者を含む就業人員数です。

2.従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の当事業年度における平均雇用人員(1日8時間換算)です。

3.臨時従業員は、パートタイマー及びアルバイトを含み、派遣社員は除いています。

4.平均年間給与は、正社員のものを記載しています。

 

(3)労働組合の状況

当社グループでは、当社にJVCケンウッド労働組合が組織されており、グループ内の関係会社3社が同組合に加入し、その他関係会社7社に労働組合が組織されています。

JVCケンウッド労働組合は、ものづくり産業労働組合JAMに加盟しています。

労使関係は安定しており、特記すべき事項はありません。

 

 

(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

① 提出会社

当事業年度

管理職に占める女性労働者の割合(%)

(注)1.

男性労働者の育児休業等の取得率(%)

(注)2.

男性労働者の育児休業等の一人あたり平均取得日数(日)

(注)2.

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注)1.3.

全労働者

正規労働者

非正規労働者

30歳理論年収

8.1

100.0

41

80.2

74.4

109.5

100.0

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出した2025年3月31日現在のものです。参考までに、2025年4月1日付管理職昇格者を考慮した「管理職に占める女性労働者の割合」は9.1%となっています。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであり、当社は2024年4月から2025年3月までの1年間の「育児休業等と育児目的休暇の取得割合」を示しています。男性労働者の育児休業等の一人あたり平均取得日数は、「育児休業等日数と育児目的休暇の取得日数」を取得者人数で除したものです。

3.非正規労働者は定年後再雇用者及び嘱託社員を指します。当社の賃金制度には30歳理論年収が示すとおり性別による違いはありません。全従業員賃金の差異については、女性に比べ男性の方が管理職比率が高いことが主な要因となっています。女性管理職比率の向上は、当社としても重要な課題と認識しており、管理職候補者への研修派遣等積極的な育成を進めています。

 

② 連結子会社

当事業年度

 

男性労働者の育児休業等の取得率(%)

(注)2.

男性労働者の育児休業等の一人あたり平均取得日数(日)

(注)2.

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注)1.3.

全労働者

正規労働者

非正規労働者

30歳理論年収

ビクターエンタテインメント株式会社

0.0

0.0

69.9

71.9

70.4

100.0

株式会社JVCケンウッド・公共産業システム

100.0

39.0

67.9

66.7

92.3

100.0

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出した2025年3月31日現在のものです。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであり、2024年4月から2025年3月までの1年間の「育児休業等と育児目的休暇の取得割合」を示しています。男性労働者の育児休業等の一人あたり平均取得日数は、「育児休業等日数と育児目的休暇の取得日数」を取得者人数で除したものです。

3.非正規労働者は定年後再雇用者及び嘱託社員を指します。当社の賃金制度には30歳理論年収が示すとおり性別による違いはありません。全従業員賃金の差異については、女性に比べ男性の方が管理職比率が高いことが主な要因となっています。女性管理職比率の向上は、重要な課題と認識しており、管理職候補者への研修派遣等積極的な育成を進めています。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社は、企業理念「感動と安心を世界の人々へ」に基づき、事業を通じてあらゆるステークホルダーの期待に応えていくことが重要だと考えます。社会から信頼され、社会に貢献する企業であり続けることは、企業としての持続的な成長にもつながります。事業を通じて企業と社会のサステナビリティを推進すべく、さまざまな社会課題を解決する取り組みを継続していきます。

また、当社が関わるすべてのステークホルダーと深い信頼関係を築きながら、事業を通じた社会課題の解決に取り組むことで、持続的な企業価値の向上と社会への貢献を図っていきます。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

 

サステナビリティ推進におけるガバナンス体制として、2018年4月より、取締役会の監督のもと担当役員を置き、その傘下にサステナビリティ推進室を設置し、サステナビリティ経営の推進を迅速に実行するための体制を整備しました。サステナビリティ推進室は、全社的なサステナビリティ推進戦略の実行とその進捗管理の役割を担っており、マテリアリティ(重要課題)やKPIs(Key Performance Indicators:重要業績評価指標)の定期的な見直しや、サステナビリティ関連情報の開示拡充に取り組んでいます。

また、サステナビリティ推進戦略を全社的に推進するためには、社内におけるサステナビリティに関する問題意識の醸成や理解促進も不可欠です。そのため、サステナビリティ推進室は、関連各部署と積極的なコミュニケーションを図りながら、事業とサステナビリティを結び付ける取り組みを主導しています。

 

<サステナビリティ推進体制>

2023年4月には、サステナビリティ全般についての推進主体組織である「サステナビリティ委員会」をCEO直轄組織として設置しました。同委員会は、毎年2回の定例開催に加え、必要に応じて臨時開催し、議論の内容を執行役員会や取締役会に報告します。また、委員会の下部組織として、テーマごとに担当役員を責任者とする専門部会(サステナビリティ経営戦略部会、環境部会及びサプライヤー部会)を設置し、それぞれのテーマの課題の抽出、目標や実施計画、具体的対応等を協議し、推進していきます。取締役会は、これらの委員会及び専門部会を監視、監督し、意思決定を行います。さらに、ESG強化に向けて、ESGインパクト分析などを活用し、中長期的な活動を推進していきます。

 

 

<マテリアリティの設定>

当社は、中期経営計画「VISION2025」の策定に合わせ、マテリアリティ(重要課題)の見直しを行いました。見直しにあたっては、国際的な動向やイニシアチブからの要請といった社会課題の視点と、事業環境や企業理念、中期経営計画「VISION2025」などの自社視点の両面から検討しました。2023年度にマテリアリティ特定において、社会視点として持続可能な開発目標(SDGs)の全17ゴールのうち、当社グループが解決に貢献できると考えられる社会課題テーマと特に関連が深い8ゴールを優先的に取り組むゴールとし、取締役会における審議・承認を経て、3つのマテリアリティを再特定しました。各マテリアリティに対して、確実な課題解決の実現に向けて事業計画と整合したKPIを設定し、進捗状況をモニタリングしています。

 

参考:https://www.jvckenwood.com/jp/sustainability/group/materiality/

 

 

<3つのマテリアリティ>

3つのマテリアリティとして、「①安心・安全への取り組み」「②環境への対応」「③持続可能なものづくり」と、「企業基盤の強化」の取り組みを策定しました。また、各マテリアリティと「企業基盤の強化」の取り組みに紐づくサブマテリアリティ、取り組みテーマ、KPIを設定しました。

 

 

<マテリアリティと取り組みテーマ>

マテリアリティ/企業基盤の強化

サブマテリアリティ

取り組みテーマ

SDGs

マテリアリティ

①安心・安全への取り組み

●安心・安全なまちづくり

●交通事故の抑制・抑止

▶ セーフティ&セキュリティ分野における価値創出

・ 業務用無線システムの販売台数

▶ モビリティ&テレマティクスサービス分野における価値創出

・ カーナビゲーション及びディスプレイオーディオの販売台数

・ ドライブレコーダーの販売台数

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

②環境への対応

●気候変動への対応

●資源の有効活用

▶ 気候変動への対応

・ CO₂排出量削減(Scope1+2)

・ CO₂排出量削減(Scope3)(カテゴリ1、4、11)

▶ 資源の有効活用

・ 廃棄物リサイクル率

・ 廃棄物排出量の削減(売上高原単位)

・ 容器包装プラスチック使用量の削減

・ 水使用量の削減

 

 

 

 

③持続可能なものづくり

●責任あるサプライチェーンへの取り組み

●ものづくり改革

●イノベーションの加速

▶ 人権に関する取り組み

・ 調達・物流管理関連部門向け「人権に関する研修」の実施

・ 取引先向け「人権に関する研修」の実施

・ 外部救済窓口の設置と運用

▶ サステナビリティ調達

・ 新規口座開設時のCSR調達ガイドラインへの賛同署名回収

・ 取引先に対するCSR自己監査の実施依頼及び課題が見つかった取引先に対する是正措置の実施

・ RBAなどのアライアンスへの参画と、グローバルフレームワークの活用

 

 

 

 

 

企業基盤の強化

●ダイバーシティ&インクルージョン

●従業員の活躍推進

●ガバナンス

▶ ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)

・ 女性管理職比率

▶ コーポレート・ガバナンス

・ 取締役会における審議の充実

・ 社外取締役に対するトレーニング/オフサイトミーティングなどの実施

・ 取締役会と経営層のダイバーシティ強化

▶ 情報セキュリティ

・ IT セキュリティ研修受講率

・ 標的型メール訓練(開封者研修の受講率)

 

 

 

参考:https://www.jvckenwood.com/jp/sustainability/economy/change/automotive/

参考:https://www.jvckenwood.com/jp/sustainability/economy/change/iot/

 

1. 気候変動への対応

当社は、気候変動問題の緩和に貢献し、適応する取り組みは重要な経営課題と捉え、調達、製品開発、製造、製品・サービスの提供といったバリューチェーン全体を通じて、気候変動がもたらすグループへの影響の回避・低減に取り組みます。その取り組みにおいて、Scope1+2, Scope3のCO₂排出量削減や、生産工数の削減や省エネ機器導入等を通したエネルギー利用の削減を進めています。

 

Scope1は、組織境界における温室効果ガスの排出源からの直接的な大気中への温室効果ガスの排出量(直接排出量)、Scope2は、他者から供給を受けた電気、熱の利用により発生した電気、熱の生成段階での CO₂排出量(エネルギー起源間接排出量)、Scope3は、直接排出量、エネルギー起源間接排出量以外の事業者のサプライチェーンにおける事業活動に関する間接的な温室効果ガス排出量(その他の間接排出量)をいいます。

 

また、2023年4月に金融安定理事会(FSB)により設置された「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言への賛同を表明し、気候変動のリスク・機会をより一層意識した経営戦略の策定を進めていきます。

 

(1)ガバナンス

気候変動問題に対応するガバナンス体制として、脱炭素化に向けた戦略の策定や施策の検討を「サステナビリティ委員会」において行い、同委員会の下部組織である環境部会において、気候変動問題に関する課題の抽出、目標や実施計画、具体的対応等を協議し、推進しています。

環境部会における2024年度の具体的な活動として、「TCFD提言に基づく開示内容の更新」「CO2排出量集計における課題と対応策」等について審議を行い、承認されました。

また、サプライヤー部会においては、Scope3における「カテゴリ1:原材料・部品及び購入した物品に伴う排出量」及び「カテゴリ4:原材料・製品の輸送に伴う排出量」の算定精度向上と排出量削減に向けた取り組みを推進しています。

 

(2)リスク管理

当社では、職場と経営層が協働して取り組むリスクマネジメントの一環として、全世界の職場でリスクサーベイランスプロセスを毎年実施しています。

 

当社グループのリスクマネジメントプロセスは以下のサイクルで運営しています。

① 最高経営責任者(CEO:Chief Executive Officer)が主宰し、リスク管理担当役員を議長、議長が指名した役員及び本社部門長を構成員として設置される全社リスク管理会議を設置、各事業部・地域が洗い出した「事業拠点リスク」と経営課題・事業課題を踏まえ、経営への影響度や緊急性、インシデント発生状況などを勘案して選定したリスク課題を「最優先で取り組むべきグローバル重要リスク」と位置付けリスク解決に向けた施策を策定し、経営層レベルによる全社的視点での取り組みとして当該リスク管掌担当役員を対応推進責任者に指名します。

② 重要リスク対応推進責任者は、連結会計年度の事業達成へ向けて「グローバル重要リスク」に対する施策を各事業部・地域に落とし込んで改善するサイクルを実施し、その進捗をモニタリングします。

③ 当社グループの全部門は毎年リスクサーベイランスを行い、各事業部・地域において事業の現場で直面するリスクを洗い出して「事業拠点リスク」と位置付け、影響度・発生頻度及び対応状況を踏まえた評価を行うとともに、対応策を策定し実行します。また、施策進捗をモニタリングし改善するサイクルをそれぞれの部門で回します(リスクサーベイランスプロセス)。

 

リスクサーベイランスにおけるリスク項目の中に自然災害リスク等が含まれており、気候変動に関する事項も含めてリスクの特定、評価、管理を行っています。具体的には2023年度からリスクサーベイランスプロセスにおいて、検討対象とするリスクカテゴリ内にTCFD提言に沿ったリスク管理(気候変動問題に起因する移行リスク・物理的リスク及びその分類項目)を追加しました。これにより、気候変動に起因するリスクを明確に管理すると同時に、他の一般的なリスクと統合した形での対応策の進捗管理を実現しています。

 

 

<TCFD提言に沿ったリスク管理(気候変動問題に起因する移行リスク・物理的リスク及びその分類項目)>

リスクカテゴリ

リスク事象

大分類

中分類

小分類

気候変動関連のリスク

移行リスク(低炭素経済に移行する際に発生するリスク)

政策・法規制

炭素税の導入

GHG排出量規制/排出量報告義務

省エネ政策/設備投資によるコスト増

法規制・燃費規制等

市場

原材料・エネルギーコスト増/調達困難

消費者の行動変化

重要商品/製品価格の増減

技術

再エネ・省エネ技術開発の遅れ

環境配慮製品開発の研究開発投資増加

評判

顧客の評判変化

投資家の評判変化

ブランド棄損

物理的リスク(気候変動による物理的変化により発生するリスク)

急性

異常気象の激甚化(台風・洪水)

BCP対応によるコスト増加

慢性

平均気温の上昇

降水・気象パターンの変化

海面の上昇

 

(3)戦略

当社は、TCFD提言に沿って「1.5℃シナリオ」を含む複数のシナリオを考慮の上、気候変動に関するリスクと機会について「シナリオ分析」を行い、その結果、自然災害の激甚化による物理的なリスク、被害を軽減するために導入される各種規制から生じる移行リスクを特に重要なリスクとして識別し、これらに対して、脱炭素に貢献する製品展開の拡大、省エネ・省資源にともなうコスト低減等の対応策と、さらなる成長に寄与する機会の再検討を行いました。

再検討によるTCFD提言に沿った「シナリオ分析」の実施により特定されたリスク概要、リスクに対応する機会及び事業に対する影響度は、以下のとおりです。

 

 

『リスクと機会』の特定と事業に対する影響度

 

 

特定したリスク及びリスクに対応する機会に関して、環境配慮型製品や防災・減災に対応した製品の開発、導入を進め、新たな市場の開拓に取り組んでいます。また、中期経営計画「VISION2025」と連動した日本国内市場向けの製品において「国内生産回帰」、生産総量を考慮した生産拠点レイアウトの最適化、環境負荷の低減を考慮した製品開発、天然資源設備の代替検討、再生可能エネルギー電力の使用といった対応策を実施することなどにより、エネルギー消費量やCO2排出量を削減し、製造・輸送などの企業活動のプロセスの効率性を向上させ、さまざまなリスクに対応していきます。

 

 

(4)指標及び目標

当社は、2023年度に更新した環境基本方針(JKグリーン2030)における4項目の重点項目である、「気候変動への対応」「資源の有効利用」「環境保全・管理」「生物多様性の保全」に関して、環境負荷の低減へ向けてさまざまな取り組みを行っています。

このうち、「気候変動への対応」として、グローバルでのCO₂排出量削減の長期目標として2050年までにカーボンニュートラルを実現すべく、2030年度までにCO₂排出量(Scope1+Scope2)を2019年度比で46.2%削減することを掲げています。

また、Scope3におけるCO₂排出量削減目標として、カテゴリ1、4、11について2019年度比で13.5%削減することに取り組んでいます。

 

<当社の環境ビジョン、環境基本方針「JKグリーン2030」並びに指標及び目標>

 

 

CO₂排出量(Scope1+Scope2)を2030年度までに2019年度比46.2%削減目標と排出量推移

 

※2019~2023年度については、国内/海外のCO₂排出量の実績値を記載しています。

 

※算出範囲等の条件については、下記URLを参照ください。

https://www.jvckenwood.com/jp/sustainability/activity/climate_change/save_energy.html

 

参考:https://www.jvckenwood.com/jp/sustainability/activity/climate_change.html

 

2. 人的資本

 

(1)戦略

当社グループは、2023年度を開始年度とする中期経営計画「VISION2025」を2023年4月に策定しました。そして、経営方針である、「イノベーションを実現する人材の育成と組織能力の強化」を実現するにあたり、経営戦略と連動した以下のような人的資本施策を推進します。

 

人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針

<人材戦略>

「VISION2025」では、経営戦略と連動した人材要件の策定、またそれを実現するための人材育成計画を策定し実行します。また、2024年に完成した「Value Creation Square」を中核とした新たな働き方の実現を目指しています。

 

 

<VISION2025での人材戦略>

 

 

<JVCKENWOOD Career Design>

自らの経験を生かしながら「将来のありたい姿」の実現を支援するため、従業員に積極的に学んでもらえる環境を整えています。職種別の人材要件定義書を整備し、当社でのキャリアデザインを見える化することで、社員に積極的に学んでもらえる環境を作ります。同時に、経営方針や事業方針とその実現のための人材育成計画を連動させることで、当社の業績向上に貢献します。

また、人事部内にCD(キャリアデザイナー)を設置し、人材育成計画方針の策定を行うと共に、全職種共通の人材要件に関する研修企画、個別のキャリア相談、キャリアに関する交流会などを実施し、社員の自律的なキャリア形成の支援を行っています。

  従業員一人一人が目指す姿の実現のサポートを強化することで、価値創造力の向上と企業価値の最大化につなげていきます。

 

<ダイバーシティ&インクルージョン>

当社では、「ダイバーシティ&インクルージョン推進」を企業基盤強化のための重要な取り組みの一つと位置付けています。当社がさらなる飛躍を遂げるためには、すべての従業員が各々のポジションで最大限の力を発揮することが不可欠です。人種・国籍・宗教・文化・障がい・働き方・年齢・性別・性的指向・性自認など、さまざまな背景を持った従業員が生き生きと活躍できる組織を実現し、一人一人のエンゲージメントを高めることが、組織の活性化やパフォーマンス向上につながると考えています。多様性が尊重される組織風土づくりに継続して取り組むことで、イノベーションの創出と事業を通じた持続的社会への貢献を目指します。

 

 

(女性活躍推進)

女性の管理職比率については、当社における中長期課題として認識しており、組織で長く活躍できる人材を育成し、管理職候補を増やしていく取り組み(研修の実施、育児休暇等の休暇制度の充実などのサポート)を継続して行っています。2024年度の女性管理職比率は8.1%となり、中期目標を達成しました。

当社は、2018年3月に厚生労働大臣より、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法)」に基づく「えるぼし」に認定され、最高位(3段階目)を取得しました。

 

(男性の育児休業取得推進)

男性育休取得推進の取り組みとして、全管理職を対象とした男性育休取得推進研修の実施と妊娠・出産を申し出た従業員への育休取得意向確認面談の実施、育児目的休暇の整備などを実施し、男性育休取得率100%達成に向けて取り組んでいます。

 

(LGBTQ+*に関する取り組み)

LGBTQ+の取り組みとして、事実婚の相手方と同性パートナーを社内制度上の配偶者に含める人事施策を導入しています。

当社は、2018年度以降、企業・団体などにおける性的マイノリティに関する取り組みの評価指標「PRIDE指標2023」(wwP策定)において、最高位の「ゴールド」を6年連続で受賞しています。

 

*  LGBTQ+:レズビアン(L)、ゲイ(G)、バイセクシャル(B)、トランスジェンダー(T)、クィア/クエスチョニング(Q)等のセクシャル・マイノリティの総称

 

ダイバーシティ概念図

 

えるぼし認定マーク

 

「PRIDE指標2024」ゴールド受賞ロゴ

 

 

② 社内環境整備に関する方針

<健康経営>

当社グループでは、企業理念「感動と安心を世界の人々へ」の実現のため、「変革」と「成長」に取り組んでいます。その源泉は従業員であり、従業員一人一人が共に健康であることを重要な経営課題と認識し、「JVCケンウッド健康宣言」を発信して「全ての従業員が健康で生き生きと働くことができる職場環境」の整備を持続的に目指していきます。当社は、経済産業省・日本健康会議が共同で運営する「健康経営優良法人認定制度」の大規模法人部門において、優良な健康経営を実践している企業として2018年度から8年連続で認定されており、2025年度は4年連続7回目となる「健康経営優良法人2025(大規模法人部門)ホワイト500」の認定を受けました。また、従業員の健康増進のためにスポーツの実施に向けた積極的な取り組みを行う企業として、スポーツ庁より「スポーツエールカンパニー」に2022年から4年連続で認定されています。

 

当社では「JVCケンウッド健康宣言」のとおり、「全ての従業員が健康で生き生きと働くことができる職場環境」づくりに取り組み、「従業員のパフォーマンス向上」を、健康経営で解決したい経営課題と認識しています。この目指す姿に向けて、健康経営を通じて従業員一人ひとりの心身の健康の維持・向上を図り、「アブセンティーイズムの低減」「プレゼンティーイズムの改善」「ワークエンゲージメントの向上」「ワーク・ライフ・バランスの充実と向上」を目指します。そして、健康投資や、その効果、目標指標などをまとめた「健康経営取り組みMAP」に沿って、全従業員が一体となって取り組みを推進しています。

 

<JVCケンウッド健康宣言>

 

 

<健康経営取り組みMAP>

 

参考:https://www.jvckenwood.com/jp/sustainability/social/health.html

 

<人権に関する取り組み>

当社グループは、事業活動及びサプライチェーンに関わる、すべてのステークホルダーの人権を尊重しています。企業の事業運営のグローバル化にともなう人権への影響に対する関心の高まりを背景に、事業活動において人権を尊重する意思をより明確に表明するため、当社グループは「JVCケンウッドグループ人権方針」を策定しました。

また、ビジネスと人権を取り巻く社会情勢の変化や当社における人権デューディリジェンス推進状況を踏まえ、2024年度に人権方針の改定を行いました。

本方針は当社役員及び従業員だけでなく、事業を通じて影響を及ぼす可能性のあるビジネスパートナーやサプライヤーを含むバリューチェーン上のすべての外部パートナーにも遵守することを求め、ステークホルダーエンゲージメントを通じて適切な対処を積極的に働きかけていきます。同方針に基づき、事業活動における人権尊重の取り組みを今後より一層進めていきます。

 

参考:https://www.jvckenwood.com/jp/sustainability/social/human_rights/

 

人権リスクマネジメント推進において「JVCケンウッドグループ人権方針」によるコミットメントを受け、事業活動対する下記の人権デューディリジェンスプロセスを実施することで、人権への負の影響を特定、防止、軽減するように努めています。年単位の継続的なサイクルとしてPDCA(Plan / Do / Check / Act)を回し、継続的に運用しています。

 

人権デューディリジェンスプロセス

 

 

2024年度も、上記プロセスに基づき人権デューディリジェンスを実施し、2023年度の人権デューディリジェンスにて特定した4項目の人権リスクのうち、「サプライチェーンにおける個人情報保護」「従業員の差別・ハラスメント」「サプライチェーンにおける強制労働・児童労働」の3項目を、引き続き対応が必要となる顕著な人権リスクとして再特定しました。

 

① サプライチェーンにおける個人情報保護

② 従業員の差別・ハラスメント

③ サプライチェーンにおける強制労働・児童労働

 

一方、「サプライチェーンにおける救済処置」については、従来から設置しているお客様相談窓口や従業員向け通報窓口に加え、2024年度、当社は一般社団法人ビジネスと人権対話救済機構(JaCER)が運営する『対話救済プラットフォーム』に参加し、国内外のステークホルダーからの人権侵害に関する苦情の受付を目的として、外部ステークホルダー向け通報窓口を新たに設置しました。通報内容については、必要に応じて、専門的な知見を有するJaCERから助言等の支援を受けながら、適切に対応できる体制を整えています。これらの施策により、外部ステークホルダーを含む救済措置の整備が進み、一定の成果が得られたことから、今年度は上記の3項目に絞り、継続的な取り組みを進めています。

 

※一般社団法人ビジネスと人権対話救済機構(JaCER)は、「国連 ビジネスと人権に関する指導原則」に準拠して非司法的な苦情処理プラットフォームである「対話救済プラットフォーム」を提供し、 専門的な立場から会員企業の苦情処理の支援・推進を目指す組織です。

参考:JaCER通報受付窓口(外部リンク) https://jacer-bhr.org/application/index.html

 

2024年度に特定した人権リスクへの悪影響発生の予防・軽減策と進捗は、以下のとおりです。

 

①サプライチェーンにおける個人情報保護

当社の事業活動におけるお客さまや取引先、従業員の個人情報保護の重要性の認識のもと、個人情報の保護に関する各国の法令、ガイドライン、その他の規範並びに、「JVCケンウッドグループ個人情報保護方針」を遵守し、個人データの安全管理のために、規程、マニュアル、ガイドラインを定め、必要かつ適切な措置(個人データの取り扱いルール、従業員に対する教育等含む)を講じています。また、サプライチェーン上の個人情報を保護するための体制構築を目指し、関係部門と連携しながら必要な対策を継続的に行っていきます。

 

 

② 従業員の差別・ハラスメント

「JVCケンウッドグループ人権方針」のコミットメントに「人権の尊重と差別の排除」を明記し、あらゆる企業活動の場面において、基本的人権を尊重し、人種、信条、年齢、社会的身分、門地、国籍、民族、宗教、性別、性的指向・性自認及び障がいの有無などの理由によるあらゆる形態の差別を禁止しています。また、労働者の人権を尊重し、精神的・肉体的な虐待、強制、ハラスメントなどの非人道的な扱い、並びにそのような可能性のある行為を労働者に対して行うことを容認しません。

従業員に対しては、定期的にハラスメントに関する内容を取り扱った研修を実施しており、継続的に啓発を行うことでハラスメントの防止に取り組んでいます。特に管理職や管理者に対しては、定義等の知識インプットを行うだけでなく、実例をもとに未然防止策の検討や、事案発生時の対応を体感するなど、実践的なハラスメント教育を展開しています。

 

③ サプライチェーンにおける強制労働・児童労働

当社は、カーナビゲーションや業務用無線システムといった電子部品を組み込んだ多くの商材を取り扱っているため、原材料調達における強制労働・児童労働や、人権に関わる鉱物に関連してリスクが発生する可能性があると考えています。製品のサプライチェーン、特に原材料調達の過程において強制労働や児童労働などが発生するリスクを低減するために、サプライヤーへの質問票調査(SAQ調査)を継続的に行っています。SAQ調査の確認項目の中でも強制労働と児童労働を重要視しており、リスクのあるサプライヤーに対しては状況の追加確認と改善の依頼、改善状況の進捗確認を行っています。また、「JVCケンウッドCSR調達ガイドライン」にも強制労働と児童労働の防止を定め、新規、既存の取引先に対して賛同署名を求めるとともに、パートナーズミーティングにおいてその内容を周知しています。

 

(2)指標及び目標

当社グループでは、「VISION2025」における取組テーマである、「人材戦略」、「多様性」、「健康経営推進」を行う上で、採用人数、研修人員数、エンゲージメント指標、自己都合退職率、生産性指標、休職者率を重要な指標と捉え、個々の施策を進めていきます。経営戦略との連動を意識した人材育成や採用方針をたて、結果として「働き甲斐のある職場」を新設の「Value Creation Square」にて実現していきます。2025年3月期においては、すべての指標において目標を達成しており、「VISION2025」の最終年度である2026年3月期においても維持改善に努めます。

 

重要視する指標の進捗(提出会社)

 

 

 

 

2025年3月31日現在

主要指標 注1.

2023年度

2024年度

2023年~2025年の目標

休職者率(アブセンティーズム) 注2.

1.7%

1.8%

2%未満

WLQ-J(生産性指標・プレゼンティーズム) 注3.

94.1%

94.1%

94%以上

エンゲージメント指数 注4.

58%

68%

60%以上

自己都合退職率(離職率)

2.2%

2.2%

2.5%未満

採用数

112名

111名

3年300名以上

デザイン経営研修受講者数 注5.

102名

217名

3年300名以上

(注)1.各関係会社における労働慣行が異なり、流動性が高い国外の関係会社について当社と同等のレベルで採用数や離職率を管理することが困難であるため、当社単体の目標及び実績を記載しています。

2.年度内にメンタルヘルス不調により連続1ヶ月以上年休、欠勤、休職による休業した労働者。

3.経産省推奨する5つの評価指標のひとつ。全25問が4つの尺度(「時間管理」、「身体活動」、「集中力・対人関係」、「仕事の結果」)で構成。質問結果から生産性を図る指標。100%が最高値。

4.当社従業員意識調査「エンゲージメント」関連設問における「好意的回答」の割合。なお、2023年度は実施していないため、2022年度のスコアを記載している。

5.中期経営計画「VISION2025」の取り組みとしてデザイン経営の浸透を掲げ、そのエッセンスを研修化し受講している。

 

詳細は、当社ホームページの下記URL(ESGデータ)を参照ください。また、女性管理職比率、男性育児休業等取得率、男女間賃金格差については、「第1 企業の状況 5.従業員の状況」に記載しています。

 

参考:https://www.jvckenwood.com/jp/sustainability/esgdata.html