人的資本
OpenWork(社員クチコミ)-
社員数658名(単体) 3,087名(連結)
-
平均年齢44.0歳(単体)
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平均勤続年数16.1年(単体)
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平均年収7,167,000円(単体)
従業員の状況
5【従業員の状況】
(1)連結会社の状況
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2024年3月31日現在 |
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セグメントの名称 |
従業員数(名) |
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日本 |
971 |
(557) |
米州 |
226 |
(-) |
EMEA |
1,100 |
(277) |
アジア・パシフィック |
790 |
(11) |
合計 |
3,087 |
(845) |
(注)従業員数は就業人員であり、従業員数欄の(外書)は臨時雇用者の年間平均雇用人員であります。
(2)提出会社の状況
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2024年3月31日現在 |
従業員数(名) |
平均年齢(歳) |
平均勤続年数(年) |
平均年間給与(千円) |
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658 |
(284) |
44.00 |
16.11 |
7,167 |
セグメントの名称 |
従業員数(名) |
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日本 |
658 |
(284) |
合計 |
658 |
(284) |
(注)1.従業員数は就業人員であり、従業員数欄の(外書)は、臨時雇用者の年間平均雇用人員であります。
2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
(3)労働組合の状況
当社及び連結子会社の一部には、IDEC労働組合が組織されており、全日本電機・電子・情報関連産業労働組合連合会(電機連合)に加盟し、組合員数792名でユニオンショップ制であります。
なお、労使関係については円滑な関係にあり、特記すべき事項はありません。
(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
①提出会社
当事業年度 |
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管理職に占める女性労働者の割合(%)(注)1 |
男性労働者の育児休業取得率(%)(注)2 |
労働者の男女の賃金の差異(%)(注)1 |
||
全労働者 |
正規雇用労働者 |
パート・ 有期労働者 |
||
9.1 |
100.0 |
48.3 |
76.6 |
49.5 |
(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(1991年労働省令第25号)第71条の4第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものであります。
②連結子会社
当事業年度 |
|||
名称 |
男性労働者の育児休業取得率(%)(注) |
||
全労働者 |
正規雇用労働者 |
パート・有期労働者 |
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IDECセールスサポート株式会社 |
100.0 |
100.0 |
- |
IDECファクトリーソリューションズ株式会社 |
100.0 |
100.0 |
- |
(注)「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)
2【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)サステナビリティ
①ガバナンス
当社グループの活動方針を策定する機関として、サステナビリティ委員会を設置しております。委員長は代表取締役社長とし、サステナビリティ委員会の傘下には、ESGに私たちの強みである「安全:Safety」、「品質:Quality」を加えた「ESG+Sa+Q」の5つの分野の専門委員会を設けております。各専門委員会の委員長は執行役員とし、専門知識や経験を持ったメンバーで構成され、それぞれのテーマに即した施策に取り組んでおります。サステナビリティ委員会は年2回開催しており、議論した重要事項については、必要に応じて経営会議や取締役会に報告され、監督される体制となっております。
また、サステナビリティ委員会で議論された内容は、サステナビリティリーダーが職場研修会で社員一人ひとりに周知し、活動の実践や、意見が言い合える風通しの良い職場づくりを目指しております。2024年3月期の社員からの意見・提案は475件あり、各専門委員会に共有され、当社グループのサステナビリティ活動の参考としております。
②戦略
当社グループは『The IDEC Way』に基づき、IDEC Group Code of Conduct(行動基準)・CSR憲章・国連グローバル・コンパクトの10原則を重要な指針として定め、事業活動を通じた社会課題の解決により、持続可能な開発目標(SDGs)を達成していくための取り組みを行っております。2018年に立ち上げたCSR委員会を中心に、持続的な活動を推進しており、2024年にサステナビリティ委員会へと名称変更いたしました。
市場環境が大きく変化している中で、気候変動をはじめとする地球規模の様々な社会課題に対応していくことは、グローバル企業として必要不可欠となっております。多様な社会課題を解決し、日々変化するお客さまのニーズにお応えするとともに、当社グループが持続的な成長を実現するため、2050年のありたい姿を想定し、そこからバックキャストして2030年のビジョンを策定いたしました。
また、持続可能な社会の実現と企業価値の向上に向けて、サステナビリティ対応にも注力しておりますが、2050年に当社グループとして「カーボンニュートラル」を実現するための取り組みや、グローバルでの成長拡大に向けた人的資本の強化にも今後さらに力を入れてまいります。
今後も、サステナビリティに関する基本方針のもと、ILO傘下のISSA(International Social Security Association)が推進するVision Zeroキャンペーンへの賛同・登録を通じた、社内外全ての人々の安全・健康・ウェルビーイングの追究や、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)への賛同による気候変動などの地球環境問題への配慮、リスクと機会に対する将来対応想定など、持続可能な社会の実現に向けて、事業活動を通じたグローバルな課題解決への取り組みを推進してまいります。
(サステナビリティに関する基本方針)
私たちは、当社の経営理念である『The IDEC Way』で掲げる「Vision:いつも、ずっと、みんなに新しい安心を」、「Mission:人と機械の最適環境を創造」に基づいて事業活動を行っております。
また、『The IDEC Way』のOur PrinciplesやIDEC Group Code of Conduct(行動基準)において、実現のために取るべき行動を明記しており、その実践を通じて持続可能な社会の実現と企業価値の向上を目指しております。
③リスク管理
サステナビリティ全般に関するリスクと機会は、マテリアリティ分析において、ステークホルダーの重要度と事業としての重要度の両軸でマッピングしており、「気候変動」と「企業基盤」に関わるリスクについては、当社グループのリスクマップに統合して管理しております。
リスクの重要項目については、リスクマネジメント委員会において評価、管理しており、年に1回経営戦略企画本部でリスクと機会を見直すこととしております。
④指標及び目標
マテリアリティ(重点課題)を特定し、2022年から開示しておりますが、2050年のありたい姿、2030年のビジョンを策定したことに伴い、改めて見直しを行いました。4つ目の項目として「企業基盤」を追加し、気候変動の対応に加えて、人権の尊重や、人的資本、ガバナンスの一層の強化を図ってまいります。
2030年の目指すべき姿を実現するための取り組みテーマを設定し、テーマごとにサステナビリティKPIを掲げております。
(2)気候変動
当社グループは、人と機械の最適環境を創造し、世界中の人々の安全・安心・ウェルビーイングを実現することを目指す企業として、事業活動の全ての面において地球環境の保全を最重要課題とし、持続可能な社会を次世代に繋げていくことを、環境基本方針としております。
●当社グループの環境経営
当社グループは、2050年のありたい姿として「カーボンニュートラルの実現」を想定するとともに、2024年4月には環境問題に対する企業理念と行動指針をまとめた「環境基本方針」を刷新いたしました。気候変動が地球環境に及ぼす影響が増大するにつれて、投資家、株主、顧客、地域住民など、さまざまなステークホルダーの気候変動への関心が増加するだけではなく、環境問題に対する社会的要請や企業に対する期待も高まりつつあることから、環境基本方針のビジョン、理念と行動方針を軸として、地球温暖化や気候変動対応をはじめとする社会問題にグローバル企業として向き合いながら、持続的な成長を目指します。
具体的には、「環境負荷低減に向けた取り組み推進」を基本戦略の一つに掲げてサステナビリティKPIを設定し、その目標達成に向けて、私たちの移行機会を反映させたアクションプランを進めております。
併せて、当社グループは2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、その到達までの道筋にある2025年3月期と2031年3月期それぞれにCO2排出量削減24%、50%(2020年3月期比)のマイルストーンを設けました。グループ一丸での取り組みを通じて、私たちができることから着実に進めております。
●環境に配慮した製品開発
当社グループは1945年の創業以来「省」の思想をもとに1982年に「Save all」を掲げ、環境に配慮した事業を展開してまいりました。2023年3月期には「環境配慮型製品開発手順書」を改訂し、製品開発プロセスの最初の段階から環境配慮を重視する手順で開発を行っております。手順書では省資源、省エネ向上、長寿命化など、当社独自の規準に基づいて環境配慮度合いを評価し、脱炭素を目指した製品開発を行っております。評価において貢献度の高い製品は「環境配慮強化型製品」に認定し、「ISO/JIS Q 14021(タイプⅡ)に準拠した当社オリジナルのエコマークをカタログなどに貼付して、対象製品を開示しております。 |
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2020年3月期以降に発売した、新製品に占める環境配慮強化型製品の累計比率60%以上を目標の1つとしておりますが、2024年3月期までの累計達成率は73.5%でした。
・環境配慮強化型製品の事例
プログラマブルロジックコントローラ(PLC)とプログラマブル表示器を一体化し、合理的なオートメーションシステムを実現している製品であります。環境配慮面においてもお客さまに価値をご提供できるよう、一体化による消費電力の削減、並びに省スペース化に加えて、Push-in端子採用による配線工数の削減などを考慮しております。
●気候変動への取り組み
・自家消費型太陽光発電の導入拡大
国内外のオフィスや工場に自家消費型の太陽光発電設備の導入を加速することで、再生可能エネルギー由来の電力への置き換えによる環境負荷低減を図っております。当社においては、これまでの発電設備に加えて、2024年3月期は新たに1個所を着工し、2025年3月期はさらに2個所の増設を計画しております。国内グループ会社では、IDECファクトリーソリューションズ株式会社の工場及び本社社屋の2個所設置した設備が稼働しており、グローバルでは、米国オフィス・工場や英国の工場で、自家消費型太陽光発電が稼働しております。
・環境エネルギー事業
グループ会社のIDECシステムズ&コントロールズ株式会社では、2012年から太陽光発電所の建設からアフターフォローまでをワンストップで提供する再生可能エネルギー事業を展開しております。特にここ数年で導入が進んでいる、工場・倉庫・店舗・施設など建物の屋根を利用した自家消費型太陽光発電設備の設計施工、設備販売事業は、グリーンエネルギー利用によるCO2削減で事業の環境への貢献を実現します。
また、災害時の非常用電源として周辺地域に提供することにより、安全・安心という目に見えない地域貢献が実現できることから、事業の推進を通じて、より良い社会の実現を目指しております。
●コミュニケーションと情報開示
・環境教育
2024年3月期に社内で実施した環境教育は、イントラネットを活用してTNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)が定義する、大気、淡水、海、陸の4領域に沿った生物多様性と生き物の解説に加えて、当社の環境配慮強化型製品の紹介、内部炭素価格(ICP)を活用した環境投資の試算事例を取り上げました。環境戦略委員会で作成されたオリジナルコンテンツを日本語と英語で社内公開しております。e-LearningはISO 14001の環境目標として取り組む部門が増えつつあり、全員が参加する部門が出てくるなど、参加者も毎年増加しております。
環境イベントとしては、毎年10月にグローバルで実施するサステナビリティ月間で、2024年3月期は「地球温暖化対策」をテーマにした写真コンテストを実施し、世界中の当社グループ従業員からの応募がありました。
・外部からの環境評価
当社は、2024年2月にCDPが公表した「気候変動レポート2023」で「B」スコアと評価されました。当社の2023年気候変動に関する評価である「B」スコアはCDPの区分ではマネジメントレベルであり、これは「自社の環境リスクや影響について把握し、行動している企業」であるとの評価を示すものであります。当社は2021年にTCFDに賛同し、2022年より気候関連財務情報を開示、2050年のカーボンニュートラル実現を目指して取り組みを進めております。 |
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・EU圏での情報開示(フランス・APEM)
当社グループの中でEMEAを中心に事業拠点を置くAPEMは、CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive)要件に取り組むチームを設置し、2026年開示に向けた準備を進めております。当社グループ全体として2023年3月期より開始しているEcoVadisへの回答を、欧州のグループ会社単体としての準備や、今後取り組みが必要となるダブルマテリアリティの設定などに向けて、さまざまな対応を進めております。
●自然への取り組み
・生物多様性の取り組み
当社グループの事業活動が生物多様性に与える影響や生物多様性実績のモニタリングに参考となる指標を定義するために、2024年3月期に当社グループの生物多様性リスクの分析と評価を実施しました。評価ツールには世界自然保護基金(WWF)が開発したBiodiversity Risk Filterを活用し、主要拠点所在国別の生物多様性リスクを定量化しました。併せて、グループ全体での生物多様性リスク指標の上位10項目を特定しました。
・水資源保護の取り組み
本社社屋地下に雨水貯水タンクを設置して、貯留水を本社中庭緑地への散水や気温上昇時の打ち水などの用途で有効活用しております。本社中庭は緑の認定SEGES(社会・環境貢献緑地評価システム)「そだてる森」部門で「Excellent Stage2」の認定を取得しました。
また、本社食堂の排水設備にオゾンを利用した浄化装置を設置しております。浄化装置は排水に含まれる油分の排水処理を行うことで、生活排水の環境負荷低減が期待できます。
●循環型社会の実現
・プラスチック廃棄量削減の取り組み
プラスチック廃棄量削減と資源有効利用の取り組みを行っており、製造工程初期の成型過程で発生するプラスチック材料の端材を破砕・粒状化して再利用するリグラインドを、海外製造拠点に続いて、2023年からは国内2工場でも追加で開始しました。またリグラインド導入品の検定と評価を行い、対象の材料と品目を増やすことで、2023年度は国内2工場で約3.6tの樹脂材料を再利用しました。
IFRSサステナビリティ開示基準に沿った情報開示
①ガバナンス
代表取締役社長が委員長を務めるサステナビリティ委員会の、専門委員会である環境戦略委員会が中心となり、気候関連財務情報の開示に取り組んでおります。環境戦略委員会はさまざまな部門の社員で構成され、環境担当上席執行役員のもとで毎月開催されております。環境戦略委員会での決定事項は、サステナビリティ委員会で審議された後、経営会議に上程され報告承認を受け、その後取締役会で報告承認される体制になっております。
2022年からの中期経営計画で設定された目標の進捗は毎月の会議で確認され、進捗が予定どおりでない場合は対応策を検討します。また、最大で報酬の10%までに相当する譲渡制限付普通株式を取締役および執行役員に割り当てる、中期インセンティブとしてのパフォーマンスシェアユニット(PSU)の仕組みを2024年3月期より導入いたしました。PSUの算定に用いる非財務指標には、CO2削減率などがあります。
②戦略
当社グループでは、環境戦略を自社の事業戦略の重要な一部と捉え、移行計画を中期経営計画に反映させております。具体的には、カーボンニュートラルを目指して、CO2排出量削減の指標と目標を定め、他の環境対応目標と合わせて中期経営計画のサステナビリティKPIとしております。
バリューチェーン対応としては、CSR調達ガイドラインとグリーン調達ガイドラインを定め、サプライヤーへの環境負荷軽減への協力依頼も毎年継続しております。事業に関しては、環境配慮型製品の開発や環境エネルギー事業などに代表される、環境に関わる事業活動の事業貢献度の向上に計画的に取り組んでおります。そのため、リスクと機会の分析は、環境戦略を事業戦略に取り込む上での重要なプロセスと考えており、「気候関連のリスクと機会」項目の検討にあたり、自社の移行機会となり得る要素を基に、企業の見通しに合理的に影響を与えることが予想される項目の特定を環境戦略委員会で実施しております。
次に、特定した項目それぞれが当社グループの事業モデルに与える現在及び予想されうる将来への影響や今後の対応を検討し、一覧表にまとめております。さらに、事業に与える潜在的影響額、リスク対応費用、機会を実現するための費用を算出しております。検討した内容は、今後の中長期の経営計画に段階的に反映させて、より具体的な行動計画へと落とし込んでいきます。環境関連事業活動の中核の一つとなる、環境配慮型の製品開発に関しては、その必要性と事業貢献に関わる重要性、そして移行機会を活かしたビジネスチャンスの創出を、各部門へこれまで以上に浸透させてまいります。
・気候レジリエンス
国際エネルギー機関が発行する「世界エネルギー展望2023年度版(WEO2023)」の報告では、2020年以降、世界のエネルギー事情は不安定な状態が続く一方で、クリーンエネルギーへの投資は2020年以降で40%上昇し、全世界の自動車総販売台数に占める電気自動車の割合は、2020年の25台に1台から2023年は5台に1台と、3年間で5倍となっております。
WEO2023によると、1.5℃への道筋は難しいものの、持続可能なエネルギーシステムへの移行が進み、太陽光発電や電気自動車が主導する新たなクリーンエネルギーの出現が1.5℃実現の鍵となることが認識されております。 これらの状況を踏まえた上で、2024年3月期の当社グループの選定シナリオは、2023年3月期と同様に移行リスクシナリオはWEO2023のSTEPS(2.6℃シナリオ)とNZE(1.5℃シナリオ)を、物理的リスクシナリオはIPCC第5次報告書のRCP2.6(2℃シナリオ)とRCP8.5(4℃シナリオ)を採用しました。 |
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③リスク管理
環境戦略委員会で抽出した気候関連のリスクと機会それぞれの項目について、発生確率、影響の程度、財務上の潜在的影響額を検討し、リスクと機会のマップにまとめました。
抽出結果、及びマッピングにおいて重要と評価したリスク項目は、当社グループのリスクマップに統合して管理しております。さらにマテリアリティの自然資本に関わるリスクと機会にも反映させております。
環境推進室では、特に環境に関わるリスク管理項目を年度ごとのリスク管理表に展開し、達成指標を定めて達成状況をリスクモニタリング部会に報告しております。
・リスクと機会 環境戦略委員会を中心に、環境情報開示のグローバルスタンダードの一つであるCDP質問書のリスクと機会項目を参考にしながら、当社グループの見通しに合理的に影響を及ぼすと予想されるリスクと機会の洗い出しを行いました。「IFRS S2実施に関する産業別ガイダンス」で定義された産業別開示トピック(電気電子機器産業)の適用可能性を参照・考慮しながら、移行リスク/物理的リスクの識別、短期~長期のいずれかの期間で合理的に発生することが予想される気候関連リスクと機会の影響、財務上の潜在的影響の特定、期間の定義を行いました。
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④指標及び目標
CO2排出量削減については、2025年3月期までにScope1と2で24%削減、2031年3月期までに50%削減(2020年3月期比)を中期経営計画で目標としております。内部炭素価格(ICP)は2023年3月期より導入し、2025年3月期は10,000円/tで価格を設定いたしました。現時点でICPが環境投資の意思決定に与えるインパクトはまだ十分大きくありませんが、環境戦略委員会を中心にICP活用のモデルケースを紹介しながら、社内意識の向上を図っております。
2024年3月期のCO2排出量に関しては、Scope1と2の合計で、2023年3月期より減少しており、2020年3月期に対して2023年3月期以降、継続的に削減できております。
2024年3月期売上の前年同期比減少は、工場の電力消費量に少なからず影響していますが、CO2フリー電力の導入効果に加えて、各工場で稼働率の向上を継続的に推進している事がCO2削減効果に現われており、そのため売上の影響にかかわらず、売上高原単位も前年同期よりもわずかながら下回っております。ただし、CO2をどれだけ少なくして効率的に利益を稼いだかを表す指標である炭素利益(ROC)は、営業利益額減少に伴い、前年同期よりも下がりました。
Scope3に関しては、その大半を占める主要な項目は前年と変わらずCategory1と11ですが、主に売上高減少の影響により、前年同期に比べて減少しております。
(3)人的資本
性別・年齢・国籍・文化・ライフスタイルなどの多様性を尊重した、働きやすい職場環境づくりを行うことで、さまざまな個性や価値観を持つ社員一人ひとりが能力を十分に発揮できる、組織風土の醸成に取り組んでおります。
人材戦略
当社では4つのマテリアリティの一つとして、「企業基盤:価値創造を促進する経営構造の整備、人権の尊重、組織風土の醸成および人材の育成」を掲げております。持続的な成長と企業価値向上を実現するためには、企業の活性化や人的資本の強化が必要不可欠となるため、2030年の目指す姿を掲げ、中期経営計画の施策やサステナビリティKPIとも連動させながら、さまざまな取り組みを推進しております。
2020年3月期からエンゲージメントサーベイ(従業員意識調査)を実施しており、2023年3月期に実施したエンゲージメントスコアを基にサステナビリティKPIを設定し、現状と課題の把握、重点課題を中心とした対策を行うことで、エンゲージメントの向上に取り組んでおります。
また、グローバル人材基盤としてタレントマネジメントシステムを新たに導入し、当社グループ全体での優秀な人材の発掘・最適配置に取り組む予定であります。今後グローバルでの事業拡大をさらに推進していくためには、ディーセントワークや、ダイバーシティ&インクルージョンの取り組みも不可欠であります。人材の多様性確保に向けて、グローバル人材の採用や女性管理職比率の向上などにも注力しております。
なお、中長期の人材戦略として、重要ポジションの充足とリーダー人材の育成を掲げており、グループ全社での持続的成長を実現するために、次世代の経営を担う幹部候補者を計画的に選抜、育成しております。
①ガバナンス
●推進体制
経営戦略と人事戦略を立案していくため、代表取締役直轄の組織として、2023年3月期に経営戦略企画本部を新たに設置しました。関係各部と調整しながら、長期ビジョンや中期経営計画、サステナビリティKPIなどの策定、経営・人事戦略の立案、経営資源マネジメントなどを牽引しております。重要事項は経営会議に上程しており、方針決定後に取締役会へ報告する体制としております。また、全社安全衛生委員会の専門部会として、ディーセントワーク部会を2023年3月期に設置し、働きがいのある職場環境づくりや、社員のウェルビーイング実現に向けた社員満足度向上を目指した取り組みを行っております。
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②戦略
●人材育成方針・社内環境整備方針
当社グループは、「世界中の人々の安全・安心・ウェルビーイングを実現すること」を私たちのパーパスとして定めるとともに、「Pioneer the new norm for a safer and sustainable world.(いつも、ずっと、みんなに新しい安心を)」というVisionを『The IDEC Way』で掲げ、全ての人々に幸福と安心をもたらし、より安全で持続可能な社会の実現を目指しております。
当社グループのVisionの実現に向けて、グローバルベースで事業をさらに発展させていくとともに、事業活動を通じてさまざまな社会課題の解決に貢献するため、多種多様な強みを持ち、能力を発揮できる人材や、情熱を持って自律的に未来を切り開ける、次世代を担う人材の採用・育成を重点テーマに定めております。今後もダイバーシティ&インクルージョンを積極的に推進し、さまざまな人材育成施策を実施してまいります。
また、当社グループは職場の安全と心身の健康を守るとともに、人権を尊重し、差別のない健全な職場環境の確保に取り組んでおります。
●企業理念の浸透・実践と社員エンゲージメントの向上
当社では、企業理念である『The IDEC Way』の浸透・実践にむけた取り組みを行っております。具体的な浸透・実践の活動として、社内でのポスター掲示、イントラネットや社報の活用、クレドカードの配布などを行うとともに、2023年3月期に改定した新人事制度において、『The IDEC Way』に基づいた役割定義とグレード定義を見直し、人事評価との紐づけを行いました。 社員エンゲージメントの向上に向けては、2020年3月期、2023年3月期にエンゲージメントサーベイを実施し、抽出された課題への取り組みを推進してきました。2023年3月期のサーベイでは、代表的な指標である「会社の総合的魅力」、「職場の総合的魅力」のスコアがアップし、その他の多くの項目において改善が見られました。一方で、スコアの低かった①人材育成、②マネジメント力の強化、③人事制度に対する納得性の向上、という3つを主要課題と認識し、それを基にサステナビリティKPIを設定した上で、改善に向けた取り組みを行っております。エンゲージメントサーベイでは、『The IDEC Way』の実践に関する設問も設けており、2023年3月期のサーベイでは自身の実践度、上司の実践度ともにスコアが上がる結果となりました。 |
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また、2025年3月期から社員表彰制度を新たに導入しました。幅広い社員が参画できるよう、役員を除く全社員を対象としており、4つのテーマ別部門とCore Values部門を設定し、部門ごとに「社長賞」の受賞者を決定いたします。Core Values部門では、グループ理念を体現した社員や、Core Valuesを基にした、働く上で具体的に意識するべき考え方・行動である、Principlesに沿って行動した模範的な社員を表彰する部門も設定し、グループ理念の浸透を図っております。 グローバルでの理念の浸透や、社員エンゲージメントの向上により、さらなる企業基盤強化を推進してまいります。 |
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●人材マネジメントシステムの強化
人材マネジメントをさらに強化していくため、人事制度の改定、多面評価の実施、キャリア開発会議、教育制度、グローバルタレントマネジメントの充実を図っております。
・新人事制度
エンゲージメントサーベイで明確になった、人事諸制度の課題(評価、給与・ボーナス、昇進昇格など)を踏まえ、2023年3月期に新人事制度を導入しました。多様なキャリア志向に対応するため、コースを複線化し、個々人の要望・強みを活かせる機会を提供するとともに、「目標管理(評価)」と「報酬」の透明性を高め、求められる役割、行動や仕事の成果に応じた公正な評価、処遇を実現しております。
・教育制度
持続的な成長を支えるために不可欠な、人材への投資を強化しており、多様な研修制度を用意しております。体系的な社内外研修制度やキャリアアップ支援制度のほか、グローバル人材育成の一環として、経営幹部のフィリピンでの語学留学やコーチング付き英語学習、一般社員向けにも多様なオンライン英語教育のメニューを取り揃え、各自のスキルアップを支援しております。
また、グループ全社での持続的成長を実現するため、当社グループの将来を牽引する、次世代経営幹部候補の早期育成を図る、選抜型教育プログラムも導入しております。
・多面評価
2023年3月期に、部長職以上の役職者に対して多面評価制度を導入し、2024年3月期からはマネージャーにも範囲を拡大しました。評価後に対象者全員に対する研修を行っており、日頃の職務行動や職務遂行能力について「気付き」をもたらすことで、自己認識を変化させ、行動変容を促しております。
・キャリア開発会議
社員の成長支援と組織への適材適所の実現を図るため、2023年3月期からキャリア開発会議を行っております。本部単位で部門長が集まり、メンバーの能力開発などの課題を共有・明確化し、役割配置の検討や、今後の昇進昇格を含めた社員の育成プランの検討を行っております。
・グローバルタレントマネジメント
グローバル人材基盤として、タレントマネジメントシステムの導入準備を行っております。スキルや経験といった人事データをグローバルで管理することで、人材の見える化や組織力の最大化を推進し、人材の発掘、最適配置に取り組んでまいります。日本では、スキルや経験をベースに、人材の育成計画、e-Learning、組織編成、サーベイ管理などもタレントマネジメントシステムに集約した上で、キャリア開発の推進やエンゲ―ジメントの改善にも取り組みます。2026年3月期の導入に向けて、2024年3月期、2025年3月期はシステムの検討や課題の整理を行っております。
●ダイバーシティ&インクルージョンとディーセントワークの推進
ダイバーシティ&インクルージョンの取り組みを推進し、多様な人材が人間性を尊重し、人種、肌の色、年齢、性別、性的指向、性同一性と性表現、民族または国籍、障がいの有無などにかかわらず、活躍できる環境の整備や支援体制の充実に取り組んでおります。また、働きやすい職場環境づくりを推進するため、DXによる業務効率化や、計画的年休・男性の育児休業取得の奨励、裁量労働制・フレックスタイム制の導入など、柔軟な働き方を可能にする働き方改革を推進しております。男性の育児休業取得率向上に向けては、取得者インタビューのイントラネットへの掲載や、対象者の上司への周知により、2024年3月期の取得率は100%となりました。
安心して働き続けられる働きがいのある職場環境づくりや、安全衛生レベルの向上、社員のウェルビーイング実現については、ディーセントワーク部会や職場ウェルビーイング推進委員会を設置し、組織を横断した情報共有や全社施策の検討を行っております。幅広い部門の社員が議論に参画することで、全ての社員にとって、働きがいのある環境づくりを推進していきます。
・女性管理職の育成・登用
多様な人材がチャレンジできる環境・風土づくりの一環として、女性活躍に向けた取り組みを推進しております。2025年3月期末までに、当社の女性管理職数を15名とする目標を掲げ、女性活躍推進のキーとなる全部門長を対象とした意識改革研修、女性管理職候補を対象とした選抜型教育などの取り組みを推進し、1年前倒しで目標を達成しました。連結ベースの2024年3月期の女性管理職比率は23.9%であります。
・多様な人材の採用・登用
グローバルで事業拡大を推進するため、国籍にかかわらず多様な人材を採用しており、主要会議における議事録の多言語化を推進するなど、環境整備にも力を入れております。
また、事業革新を推進できるDXやAI人材、お客さまの課題に対して最適なソリューションを提案するソリューション営業や新製品開発などを担える高い専門的知識を持った人材など多様な経験を持つ人材の採用を行っております。
今後も、事業強化のために必要となる専門性や知識を有する人材の採用を、積極的に進めていきます。
・障がい者の就労機会の創出と活躍機会への取り組み
2022年3月期より企業グループ算定特例を適用しており、2024年3月期末の当社国内グループの障がい者雇用数は37名(換算人数45名)、雇用率は3.03%となっております。
・LGBTQ+への理解・支援
誰もが生き生きと働くことのできる職場環境構築に向けて、LGBTQ+に関する社内教育を2022年3月期より継続して実施しております。社内相談窓口担当者への研修を実施し、LGBTQ+に関する理解を深めるため、カミングアウト時の基本的な対応について、具体的にイントラネット上に掲載し、社員が閲覧できるようにしております。
③リスク管理
人的資本に関するリスクと機会は、マテリアリティ分析において、ステークホルダーの重要度と事業としての重要度の両軸でマッピングしており、「企業基盤」の人的資本に関わるリスクについては、当社グループのリスクマップに統合して管理しております。
リスクの重要項目については、リスクマネジメント委員会において評価、管理しており、年に1回、経営戦略企画本部で人的資本に関するリスクと機会を見直すこととしております。
④指標及び目標
当社グループのマテリアリティとして、価値創造を促進する経営構造の整備、人権の尊重、組織風土の醸成及び人材の育成を掲げており、2030年の目指す姿を定義しております。その達成に向けて、「働きやすい職場環境づくり」、「ディーセントワークの推進と人的資本への投資拡大」という取り組みテーマで、それぞれサステナビリティKPIを設定し、目標の達成に向けた取り組みを推進しております。