2025年3月期有価証券報告書より

リスク

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 主要顧客の業界動向等による影響について

当社グループの供給するプリント配線板は、電気製品の中核機能を構成するひとつの部品であり、単体では機能いたしません。従いましてプリント配線板の販売動向は、顧客の最終製品の生産台数に強く影響されるものであります。当社の主な顧客は、カーエレクトロニクス・ホームアプライアンス・電子応用機器・通信事務機器・アミューズメント等、広範囲にわたりますが、各顧客の戦略や景気後退等により顧客の最終製品の需要が変動した場合には、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、顧客の最終製品の市場価格下落に伴い、顧客からの値下げ要請や競合他社との価格競争に追い込まれることによって、当社グループの売価に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 海外での事業展開による影響について

当社グループは国内だけでなく、東アジアを中心に製造・販売拠点を置き事業活動を行っております。また中国等に生産拠点を置く外注先に、一部製品の製造委託を行っております。これらの海外への事業進出には、予想しない法律または規制の変更、不利な政治または経済要因、人材の採用と確保の難しさ及び人件費の急激な高騰、為替レートの変動、テロ・戦争その他の要因による社会的混乱等のリスクが内在しており、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 技術革新に対する影響について

プリント配線板の既存製品の機能に対して、さらに先進的な製品が技術革新によって開発され、当社グループがそれに対応できない場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 製品の欠陥に関する影響について

当社グループのプリント配線板は、各セットメーカーにおいて最終製品に組み込まれております。万が一、大規模なリコールや、製造物責任賠償等が発生する事態に至った場合には、多額の負担を強いられる可能性があります。

 

(5) 生産能力による影響について
 国内外の顧客からの急激な受注増加があった場合、委託外注先の加工価格が上昇したり委託外注先を十分に確保できなくなった場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 原材料の値上がり等の影響について

プリント配線板の主たる原材料である銅張積層板は、銅箔、ガラスクロス、樹脂により生産されているため、銅箔については世界的な銅相場、また樹脂については原油価格の動向如何では、原材料価格の高騰を引き起こす場合があり、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 情報セキュリティについて

情報セキュリティ委員会を設置し、グループ全体の情報セキュリティ対策の実施状況について監視・監督を行うとともに、継続的な改善活動を推進しています。しかしながら、盗難・紛失等による第三者の不正流用、サイバー攻撃やウイルス感染等による情報漏洩が発生した場合、当社グループの社会的信用の低下や、発生した損害に対する賠償金の支払いなどにより、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(8) 地震等自然災害の影響について

大震災等の自然災害に対する対策は講じてはおりますが、当社グループの生産設備が損害を被る危険性があります。こうした自然災害等により、お客様の被害状況による影響はもとより、当社グループの設備のいずれかに壊滅的な損害を被った場合、また外注先における被害の発生や原材料及び副資材品等の調達が困難となり、長期に生産活動が停止した場合には、売上の減少、損壊した設備の復旧又は交換に多額の費用がかかる恐れがあり、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 環境リスクについて

当社グループは、環境リスクに対しまして予防の大切さを認識し、環境マネジメントシステムISO14001の運用を通じてリスクの低減を図っておりますが、自然災害等の不測の事態等があった場合、近隣に環境汚染を発生させる可能性があります。また近年においては、大気汚染、土壌汚染、水質汚濁、有害物質、廃棄物処理、製品リサイクル等の環境に関する規制が強化される傾向にあり、場合によっては当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 資金調達による影響について

当社グループが事業を展開するために必要な資金の調達コストは、金利の上昇や当社グループの信用力の低下等により調達コストが増加した場合、収益性が悪化する可能性があり、また有利子負債の一括返済を求められた場合、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(11) 財務制限条項について

当社は取引銀行4行とシンジケート方式によるコミットメント付タームローン契約を締結しておりますが、市場環境の悪化による商品需要の縮小や原材料の値上がりなどにより業績が悪化した場合、財務制限条項に抵触する恐れがあります。財務制限条項の詳細は「連結財務諸表等 注記事項 (連結貸借対照表関係)」及び「 財務諸表等 注記事項 (貸借対照表関係)」に記載の通りであります。

 

(12) 減損損失の計上について

「事業等のリスク」に記載の様々なリスクが顕在化し、当社グループの経営環境が悪化した場合等、計画通りに将来キャッシュ・フローが獲得できない可能性があります。この場合、減損損失を認識する可能性があり、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13) 知的財産について

当社グループは、技術研究開発等により得られた成果について、特許、商標及びその他の知的財産権等により当該技術の保護を図っております。しかしながら、特定の地域においては知的財産権による保護が十分でなく、第三者が当社グループの知的財産を使用し類似製品を製造するのを効果的に防止出来ない可能性があります。その場合、当社グループの製品のブランド価値が低下したり、市場シェアを維持できなくなる可能性があり、また当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

配当政策

 

3 【配当政策】

当社は「事業の成長」と「株主還元」を中長期的な視点で考慮し、安定的かつ継続的に株主還元を行うことを基本方針としております。

当社の経営理念に共感をいただき、当社の事業を応援していただくとともに、中長期で当社株式を保有していただける「シライファン」の株主を増やし、中長期的に当社事業の成長過程と企業価値の向上を株主の皆様と共有していきたいと考えております。そのため、各年度の1株当たり配当金額の決定に際しては、短期的な利益変動でなく、中長期的な企業価値向上と株主の皆様の利益を重視しております。

なお、当社は期末配当にて年1回の剰余金の配当を行うことを基本方針としており、取締役会の決議により剰余金の配当等を決定できる旨を定款に定めています。

上記方針のもと、2025年3月期の年間配当金は、1株当たり30円(期末配当30円)とさせていただきます。2026年3月期につきましては関税影響など業績が見通しにくく、減益予想でございますが、2円増配の1株当たり32円(期末配当32円)の予定であります。

 

基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は次のとおりです。

決議年月日

配当金の総額

1株当たり配当額

2025年5月14日

取締役会決議

452百万円

30円