2024年9月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります

大型フォトマスク事業 ソリューション事業
  • 売上
  • 利益
  • 利益率

最新年度

セグメント名 売上
(百万円)
売上構成比率
(%)
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
大型フォトマスク事業 25,640 99.7 3,331 108.9 13.0
ソリューション事業 90 0.3 -271 -8.9 -302.9

事業内容

 

3 【事業の内容】

当社グループは、当社のほか、連結子会社である「頂正科技股份有限公司」(本社:台湾南部科學園區)、「SKE KOREA CO., LTD.」(本社:韓国忠淸南道天安市)及び「愛史科電子貿易(上海)有限公司」(本社:中国上海市長寧区)の3社により構成されており、大型フォトマスクの設計・製造・販売を主な事業内容としております。当社グループの事業内容は次のとおりであります。

 

大型フォトマスク事業 

大型フォトマスク事業は、主にスマートフォンやパソコン、薄型テレビ等に使用される液晶パネルや有機ELパネルの製造過程で必要な原版であるフォトマスクの設計・製造・販売を行っております。
 なお、フォトマスクとは液晶や有機ELの制御回路及び色を表現するカラーフィルターのパターンを基板に転写するために使われる原版で、液晶パネルや有機ELパネルの量産や新製品の開発、製造ラインの新設の際に必要となるものです。

 

ソリューション事業

 ソリューション事業は、RFID分野、ヘルスケア分野に取り組んでおり、それぞれの製品の設計・製造・販売を行っております。

 なお、RFID(Radio Frequency Identification)とは、ICタグとRFIDリーダー(読み取り装置)の間で電磁波や電波を送受信し、非接触でICタグの情報を読んだり書き換えたりするシステムの総称です。

 

事業の系統図は、次のとおりであります。 

<大型フォトマスク事業>


 

 

<ソリューション事業>

 


 

業績

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

     当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

 a.財政状態

当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて21億38百万円減少し、396億74百万円となりました。負債合計は、前連結会計年度末に比べて26億86百万円減少し、75億6百万円となりました。純資産合計は、前連結会計年度末に比べて5億47百万円増加し、321億68百万円となりました。

 

 b.経営成績

当連結会計年度におけるわが国経済は、コロナ禍からの社会経済活動の正常化を反映し、緩やかな回復の動きが見られました。一方、ロシア・ウクライナ情勢や中東情勢の長期化による資源・エネルギー価格の高騰や、インフレ抑制のための欧米各国における政策金利の高止まり、急激な為替変動などの影響により、先行き不透明な状況で推移いたしました。

当社グループを取り巻く事業環境は、フラットパネルディスプレー業界におきましては、液晶パネルメーカーの量産ラインで生産調整が行われたものの、テレビの販売不振などで需給が悪化したことで、パネル価格は緩やかに下落しました。スマートフォン向けには、新機種開発が慎重に進められたことに加え、有機ELパネルの量産が活発となったことにより、パネルの開発は低調となりました。モニターやノートパソコンなどのIT製品向けには有機ELパネルの開発が増加しました。また、中国、韓国において新たな第8世代の有機ELパネル工場稼働に向けた動きが進展しました。

このような状況の中、当連結会計年度における当社グループの売上高につきましては、257億27百万円(前期比8.5%減)となりました。利益につきましては、営業利益30億59百万円(前期比36.0%減)、経常利益30億56百万円(前期比39.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益22億91百万円(前期比32.3%減)となりました。

 

セグメント別の経営成績は、次のとおりです。なお、売上高はセグメント間取引の相殺消去後の数値となります。

 

(大型フォトマスク事業)

大型フォトマスク事業では、IT製品向けに有機ELパネル用の需要が、韓国、中国市場で増加しました。スマートフォン向けには中国、台湾市場において需要が減少しました。

 

 

2023年9月

連結会計年度

2024年9月

連結会計年度

増減率

売上高

28,044百万円

25,640百万円

△8.6%

営業利益

5,074百万円

3,330百万円

△34.4%

 

 

 

(ソリューション事業)

ソリューション事業では、RFID分野では、ソリューション提案を含めた販売活動を行った結果、受注が拡大しました。ヘルスケア分野は、「デジタルコルポスコープQ-CO」の売上が増加しました。

 

 

2023年9月

連結会計年度

2024年9月

連結会計年度

増減率

売上高

68百万円

86百万円

+27.3%

営業利益

△294百万円

△271百万円

 

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ28億2百万円減少し、124億82百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における営業活動の結果増加した資金は、38億89百万円(前期は53億43百万円の増加)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益30億52百万円、減価償却費28億41百万円、売上債権の減少額6億89百万円、仕入債務の減少額9億45百万円、法人税等の支払額18億12百万円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における投資活動の結果減少した資金は、41億45百万円(前期は25億10百万円の減少)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出39億80百万円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における財務活動の結果減少した資金は、25億14百万円(前期は14億85百万円の減少)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出8億円や配当金の支払額16億97百万円によるものであります。

 

 

③生産、受注及び販売の実績

 

a.生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(千円)

前期比(%)

大型フォトマスク事業

19,348,507

94.3

ソリューション事業

176,959

103.6

合計

19,525,466

94.4

 

(注) 金額は、製造原価によっております。

 

b.受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前期比(%)

受注残高(千円)

前期比(%)

大型フォトマスク事業

28,316,859

102.8

4,252,838

269.8

ソリューション事業

92,543

169.0

9,018

271.1

合計

28,409,402

102.9

4,261,856

269.8

 

 (注) セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

c.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(千円)

前期比(%)

大型フォトマスク事業

25,640,166

91.4

ソリューション事業

86,851

127.3

合計

25,727,018

91.5

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

(注) 2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

 

相手先

前連結会計年度

(自 2022年10月1日

至 2023年9月30日)

当連結会計年度

(自 2023年10月1日

至 2024年9月30日)

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

日本サムスン㈱

4,708,142

16.7

5,920,672

23.0

京東方科技集団股份有限公司

6,185,323

22.0

5,100,041

19.8

天馬微電子股份有限公司

4,049,470

14.4

3,680,976

14.3

Innolux Corporation

2,932,075

10.4

2,755,992

10.7

 

  当該割合が100分の10未満である相手先別の販売実績につきましては、記載を省略しております。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当該有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成において採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4.会計方針に関する事項」に記載のとおりであります。

また、連結財務諸表の作成にあたって、会計上の見積りを必要とする項目については、過去の実績や当該事象の状況を勘案して、合理的と考えられる方法に基づき見積りおよび判断をしております。ただし、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。

連結財務諸表に与える影響が大きいと考えられる項目は、以下のとおりであります。

 

繰延税金資産の回収可能性について

当社グループは、将来減算一時差異に対して、将来の課税所得を合理的に見積もった上で回収可能性を判断し、繰延税金資産を計上しております。当該見積りについて、将来の不確実な経済状況の変動等により見直しが必要となった場合、翌年度以降において認識する繰延税金資産および法人税等調整額の計上額に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、次のとおりであります。

 

a.経営成績等の状況

1)財政状態

(資産)

資産の減少は、主に有形固定資産が13億1百万円増加した一方で、現金及び預金が28億2百万円、受取手形及び売掛金が6億52百万円減少したことによるものであります。

(負債)

負債の減少は、主に電子記録債務が7億51百万円、長期借入金が8億円、未払法人税等が8億23百万円減少したことによるものであります。

(純資産)

純資産の増加は、主に剰余金の配当により16億97百万円減少した一方で、親会社株主に帰属する当期純利益を22億91百万円計上したことによるものであります。

以上の結果、当連結会計年度末における自己資本比率は、前連結会計年度末の75.6%から5.5ポイント上昇し、81.1%となりました。

 

2)経営成績

当連結会計年度につきましては、スマートフォン向けには、新機種開発が慎重に進められたことに加え、有機ELパネルの量産が活発となったことにより、パネルの開発は低調となりました。モニターやノートパソコンなどのIT製品向けには有機ELパネルの開発が増加しました。その結果、当連結会計年度の売上高は23億85百万円減少し、257億27百万円となり、営業利益は30億59百万円、経常利益は30億56百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は22億91百万円となりました。また、目標とする経営指標である、売上高営業利益率は11.9%、ROEは7.2%、売上高総資産回転率は0.63となりました。

 

 

3)キャッシュ・フロー

当該事項につきましては、本報告書の「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

b.資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料費・外注加工費の支払いのほか、設備の維持に係る修繕費、人件費等の費用であります。投資を目的とした資金需要は、主に設備投資によるものであります。

当社グループの運転資金及び設備投資資金は主として自己資金によって賄っており、必要に応じて借入れによる資金調達を実施しております。

当連結会計年度末における有利子負債の残高は10億39百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は124億82百万円となっております。

 

c.経営成績に重要な影響を与える要因について

「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

  

セグメント情報

(セグメント情報等)

【セグメント情報】

1 報告セグメントの概要

(1) 報告セグメントの決定方法

当社の報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。

当社は、製品・サービス別の事業部門を置き、各事業部門は取り扱う製品・サービスについて国内及び海外の包括的な戦略を立案し、事業活動を展開しております。

したがって、当社は事業部門を基礎とした製品・サービス別セグメントから構成されており、「大型フォトマスク事業」及び「ソリューション事業」の2つを報告セグメントとしております。

 

(2) 各報告セグメントに属する製品及びサービスの種類

「大型フォトマスク事業」は、大型フォトマスクの設計、製造及び販売をしております。

「ソリューション事業」は、主にRFID関連機器、医療機器の開発、製造及び販売をしております。

 

2 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額の算定方法

報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」における記載と概ね同一であります。

報告セグメントの利益は、営業利益ベースの数値であります。セグメント間の内部売上高及び振替高は市場実勢価格に基づいております。

 

3 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額に関する情報

前連結会計年度(自 2022年10月1日 至 2023年9月30日

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

報告セグメント

調整額

連結損益計算書

計上額

(注)1

大型フォト

マスク事業

ソリューション

事業

売上高

 

 

 

 

 

 外部顧客への売上高

28,044,775

68,234

28,113,010

28,113,010

 セグメント間の内部

 売上高又は振替高

813

813

△813

28,044,775

69,047

28,113,823

△813

28,113,010

セグメント利益

又は損失(△)

5,074,604

△294,618

4,779,986

4,779,986

その他の項目

 

 

 

 

 

 減価償却費

3,030,649

29,133

3,059,782

3,059,782

 

(注)1 セグメント利益又は損失は、連結損益計算書の営業利益と一致しております。

  2 セグメント資産は、報告セグメントに資産を配分していないため記載しておりません。ただし、配分されてい

   ない償却資産の減価償却費は、合理的な配賦基準で各事業セグメントへ配賦しております。

 

 

当連結会計年度(自 2023年10月1日 至 2024年9月30日

 

 

 

 

 

(単位:千円)

 

報告セグメント

調整額

連結損益計算書

計上額

(注)1

大型フォト

マスク事業

ソリューション

事業

売上高

 

 

 

 

 

 外部顧客への売上高

25,640,166

86,851

25,727,018

25,727,018

 セグメント間の内部

 売上高又は振替高

2,724

2,724

△2,724

25,640,166

89,576

25,729,742

△2,724

25,727,018

セグメント利益

又は損失(△)

3,330,671

△271,356

3,059,315

3,059,315

その他の項目

 

 

 

 

 

 減価償却費

2,826,310

15,262

2,841,573

2,841,573

 

(注)1 セグメント利益又は損失は、連結損益計算書の営業利益と一致しております。

  2 セグメント資産は、報告セグメントに資産を配分していないため記載しておりません。ただし、配分されてい

   ない償却資産の減価償却費は、合理的な配賦基準で各事業セグメントへ配賦しております。

 

 

 

【関連情報】

前連結会計年度(自 2022年10月1日 至 2023年9月30日)

1  製品及びサービスごとの情報

セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。

 

2  地域ごとの情報

 (1) 売上高

 

 

 

 

 

(単位:千円)

日本

中国

台湾

韓国

その他

合計

3,187,444

15,425,162

4,306,500

5,192,899

1,003

28,113,010

 

    (注) 売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。

 

 (2) 有形固定資産

 

 

 

(単位:千円)

日本

台湾

その他

合計

8,282,437

3,705,036

1,927

11,989,401

 

    (注) その他に属する国……韓国、中国

 

3  主要な顧客ごとの情報

 

 

(単位:千円)

顧客の名称又は氏名

売上高

関連するセグメント名

京東方科技集団股份有限公司

6,185,323

大型フォトマスク事業

日本サムスン㈱

4,708,142

大型フォトマスク事業

天馬微電子股份有限公司

4,049,470

大型フォトマスク事業

Innolux Corporation

2,932,075

大型フォトマスク事業

 

 

 

当連結会計年度(自 2023年10月1日 至 2024年9月30日)

1  製品及びサービスごとの情報

セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。

 

2  地域ごとの情報

 (1) 売上高

 

 

 

 

 

(単位:千円)

日本

中国

台湾

韓国

その他

合計

2,393,859

13,499,611

3,714,581

6,118,673

291

25,727,018

 

    (注) 売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。

 

 (2) 有形固定資産

 

 

 

(単位:千円)

日本

台湾

その他

合計

9,401,262

3,888,972

1,018

13,291,253

 

    (注) その他に属する国……韓国、中国

 

3  主要な顧客ごとの情報

 

 

(単位:千円)

顧客の名称又は氏名

売上高

関連するセグメント名

日本サムスン㈱

5,920,672

大型フォトマスク事業

京東方科技集団股份有限公司

5,100,041

大型フォトマスク事業

天馬微電子股份有限公司

3,680,976

大型フォトマスク事業

Innolux Corporation

2,755,992

大型フォトマスク事業

 

 

【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】

 該当事項はありません。

 

【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】

該当事項はありません。

 

【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】

該当事項はありません。