2024年12月期有価証券報告書より
  • 社員数
    6,482名(単体) 22,711名(連結)
  • 平均年齢
    48.5歳(単体)
  • 平均勤続年数
    23.4年(単体)
  • 平均年収
    8,099,472円(単体)

従業員の状況

 

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

当社グループの2024年12月31日現在の従業員数は22,711人であります。

なお、当社グループは自動車向け事業および産業・インフラ・IoT向け事業の双方に係る従業員が大半のため、セグメントごとの記載は省略しております。

また、従業員数は就業人員(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含みます。)であります。臨時従業員数は、従業員数の100分の10未満であるため記載を省略しております。

 

(2) 提出会社の状況

2024年12月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

6,482

48.5

23.4

8,099,472

 

(注) 1 従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含みます。)であります。

2 平均勤続年数は、㈱日立製作所、三菱電機㈱、日本電気㈱およびこれらの関係会社からの勤続年数を通算しております。

3 平均年間給与の金額には、賞与および基準外賃金を含んでおります。

4 臨時従業員数は、従業員数の100分の10未満であるため記載を省略しております。

 

(3) 労働組合の状況

2024年12月31日現在、当社の労働組合はルネサスエレクトロニクス労働組合であり、全日本電機・電子・情報関連産業労働組合連合会(電機連合)に所属しております。2024年12月31日現在の組合員数は3,807人であります。

なお、労働組合との間に特記すべき事項はありません。

 

(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率および労働者の男女の賃金の差異

①提出会社および国内連結子会社

当事業年度

名称

管理職に占める女性労働者の割合(%)(注1)

 

男性労働者の育児休業取得率(%)(注2)

労働者の男女の賃金の差異

男性の賃金に対する女性の賃金の割合(%)(注1)

全労働者

正規雇用労働者

非正規労働者

ルネサス エレクトロニクス㈱

4.6

34.2

73.9

73.1

74.7

ルネサス セミコンダクタ マニュファクチュアリング㈱

2.0

33.3

83.3

81.4

88.8

 

(注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」の規定に基づき算出したものであります。

2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

3 男女の賃金差異は、対象の区分毎の男性の平均賃金に対する女性の平均賃金の割合を示しております。なお、賃金は基本給、超過労働に対する報酬、賞与等のインセンティブを含んでおります。基本的に処遇は男女同一であり、現在生じている格差は、労務構成が異なることによるものであります。

 

②当社グループ

当事業年度

課長職に占める女性労働者の割合(%)

部長職に占める女性労働者の割合(%)

幹部に占める女性労働者の割合(%)

15.5

11.0

19.0

 

(注) 指標の定義や計算方法は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」とは異なっております。

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループは、「2030 Aspiration」、さらに当社のパーパスである「To Make Our Lives Easier」の実現に向けた様々な取り組みの継続と同時に、環境に配慮し、企業活動を通じて持続可能な社会へ貢献することにより、一層の企業価値向上に努めていきます。「持続可能な社会の実現に向け、地球環境の保全と人々の健やかな暮らしの調和を考えた企業活動を推進する」を環境基本理念とし、国連で採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」へ貢献するため、国連が定めた17の目標のうち、13の目標に対して行動しています。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末時点において当社が判断したものであります。

 

(1) 気候変動への対応

① ガバナンス(サステナビリティ共通)

当社グループは、気候変動に伴う様々なリスク・機会を事業戦略上の重要な要素の一つと認識しております。主な進展としては、当社グループは、当連結会計年度中に、サステナビリティに関するガバナンスの大幅な強化に向けた準備を進め、2025年1月、これを実施しました。具体的には、サステナビリティ部門(SU)の発足によるサステナビリティ業務の集約化があげられます。同部門は、部門横断的なサステナビリティ運営チーム(SOT)によって支えられ、この集約化により、各部門間の取り組みを効率化し、サステナビリティ目標の実現に向けた責任を明確にしました。また、監査委員会を監査・サステナビリティ委員会に再編し、サステナビリティ活動を監督する責任と権限を同委員会に与えることで、ESG関連リスク・機会に対する監視体制を強化しました。気候変動に係る方針や重要事項、リスク・機会、その対応策は、CEOならびにCEOが指名する執行役員およびサステナビリティ部門により定期的に議論、見直しを行い、取締役会に対して、定期的に報告を行っております。

 

サステナビリティガバナンス体制

 


 

役割

主な責任範囲

CEO

ESGに関する戦略的リーダーシップと説明責任を有する。

監査・サステナビリティ委員会

ESGに関連するリスクの監督を含むサステナビリティに関する事項の監督に責任を負う。また、サステナビリティ戦略が企業目標や規制要件と整合していることを確認する。加えて、ESGに関する非財務情報開示への助言提供、サステナビリティ慣行の改善を指導する。

サステナビリティ部門 (SU)

ESGに関する専門知識、方針策定、規制モニタリング、報告・分析、社内コンサルテーション、従業員研修、部門横断的なサステナビリティの監督を担う。

サステナビリティ運営チーム(SOT)

サステナビリティ戦略の実行、部門横断的な調整、パフォーマンスの追跡を担う。

 

 

② リスク管理

当社グループでは、気候変動によるリスクや機会を事業戦略上の重要な要素観点として認識し、カーボンニュートラルの実現に向けた目標を設定し、「ルネサス エレクトロニクスグループ リスクおよび危機管理規則」に基づき、グループ全体でリスクマネジメント体制を構築しております。気候変動によるリスクを含め、ビジネス上のリスクを定期的に抽出したうえで、その種類や特性に応じて危機管理担当部門を決定し、日常的にリスク管理を行っております。また、当社グループのリスクマップに、現実的に想定されるリスクをあらかじめ特定し、一元化すると同時に、リスクの未然防止策、リスク発現時の体制や対応方針を策定するなど、不測の事態に備えております。さらに、全社における緊急事態が発生した場合には、CEOを本部長とした緊急対策本部を速やかに設置し、情報の一元化や対策の検討を行い、損失を極小化するためにその対応にあたります。 また、これらのリスク管理体制の整備に加え、環境負荷の低減と持続可能な社会実現を目指す具体的な対策として、オゾン層の保護や環境関連法規への対応にも積極的に取り組んでおります。

 

■オゾン層の保護

当社グループでは、モントリオール議定書の附属書に掲げられているCFC(※1)やHCFC(※2)といったオゾン層破壊物質(ODS:※3)については、製造工程での使用を全廃しています。さらに、冷凍機や冷蔵庫、エアコンなどで使用されている冷媒用のフロンについても、同議定書の規制にあわせて計画的に使用量の削減や代替物質への切り替えを推進するとともに、対象機器の廃棄時にはODSを回収し、破壊処理の実施を徹底しています。冷媒用途についても、CFCを使用した機器は、大型の冷凍機から小型の冷蔵庫類に至るまで計画的に低破壊係数の冷媒を使用した機器への更新を図り、当連結会計年度で全ての処分が完了しています。

※1 CFC:Chlorofluorocarbons

※2 HCFC:Hydrochlorofluorocarbons

※3 ODS:Ozone-depleting substances

■環境関連法規への対応

当社グループの半導体製品は、多くの製品に搭載され、世界各国で使用されます。このため、製品に係る環境関連法規を遵守すべく主要国の法規制の情報を入手し、当社グループ製品に反映させるとともに、顧客に対し、タイムリーに化学物質の含有情報などを展開しています。

国際的に準拠が求められているPOPs条約(※4)の付属書に掲載されている物質については、日本では「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律」(化審法)等の法律にも反映され、POPs条約の適用が担保されています。当社グループでは、POPs条約で付属書A(廃絶)に指定された物質が化審法の第1種特定化学物質として反映された段階で随時、当社グループが定める「ルネサス管理化学物質」区分における「禁止」事項に指定し、グローバルに共有するとともにその遵守を徹底しています。

※4 POPs条約:Stockholm Convention on Persistent Organic Pollutants(残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約)

③ 戦略

気候変動は、当社グループにとって重要な課題であります。当社グループは、気候関連のリスクと機会が当社グループの事業、戦略および財務計画に及ぼす影響の把握、ならびにそれに対する対応策を検討するために、シナリオ分析を実施しております。

このシナリオ分析により、当社グループにとっての主要なリスクと機会、その対応策は以下のとおりであります。

 

   (a) リスク

· 事業を行っている各国でカーボンプライシングが導入されることにより生じる可能性のある対応のためのコストの増加、炭素集約度の高い原材料コスト・生産委託料の上昇などのリスク

· 省エネが要求される市場や製品で開発遅延が発生した場合や、顧客から求められる脱炭素への要求に十分に応えられなかった場合において生じる可能性のある販売機会の損失や売上減少リスク

· 異常気象の増加により製造拠点や物流網が影響を受けた場合において生じる可能性のある売上高減少や復旧費用の発生リスク

   (b) 機会

· 脱炭素・低炭素化に対応した製品・ソリューションの需要が大幅に増加する機会。特に、自動車向け事業では、EV(Electric Vehicle)の市場拡大に伴う関連製品の需要拡大、産業・インフラ・IoT向け事業では、低炭素・脱炭素技術関連(風力・FA (Factory Automation) など)の需要拡大が見込まれる。

· 気候変動に伴う顧客の嗜好や関心の変化に対応することで新たな市場を獲得する機会

      (c) 対応策

· 温室効果ガス排出量削減目標の達成に向けた施策の着実な実施およびサプライヤの温室効果ガス排出量の把握や削減施策の働きかけにより炭素税増加リスクへ対応する。

· 各国の省エネ基準変更の事前察知を通じた開発着手の前倒しや柔軟に機能変更を可能とする開発手法の導入によりタイムリーな市場投入を可能にする。

· 顧客や投資家が要求する脱炭素の取り組みに応えるよう環境活動の推進・加速およびコミュニケーションを促進する環境情報を積極的に開示する。

· 製品およびソリューションのラインアップの拡充や高速・高機能・高効率化などを実現する次世代技術獲得など、エネルギー効率の高い製品の開発を加速する。

· ビジネスの多様化、消費者の嗜好の変化など、新市場拡大機会への対応に向けた研究開発へ継続的に投資を実施する。

 

■分析・対応策の詳細

各リスクと機会が発現する時期について、シナリオ分析などを基に想定し、2022年から2030年までの9年間を「短期」、「中期」および「長期」に分類し、開示しています。「短期」は3年以内、「中期」は3年超~6年以内、「長期」は6年超を想定しています。

 

<リスク要因に対する財務影響評価および対応策>

 

カテゴリ

想定される財務影響

期間

対応策

移行
リスク

法規制の強化

脱炭素化に向けて各種法規制が強化され、対応のためのコストが増加する。

 

短中期

・中長期の温室効果ガス削減目標達成に向けた計画的な施策の実施

・サプライヤによる排出量の把握、削減施策の働きかけ

・グローバルでの継続的な3R(削減、再利用、再資源化)への取り組み

テクノロジー・
市場の変化

省エネが要求される市場・製品での開発遅延により、販売機会が損失し、当社利益が減少する。

短中期

・省エネ基準変更の事前察知、開発着手の前倒し

・柔軟な機能変更を可能とする技術の導入

・研究開発への継続的な投資

・ICE用途からxEV、ADAS用途IC、ディスクリートへの開発資源の集中およびクロスドメイン対応MCUの開発

当社のサプライヤに課せられた炭素税が部材単価に反映されると、生産コストの増大が想定される。

中期

・サプライヤによる温室効果ガス排出量の把握、モニタリング

・サプライヤとの目標共有、削減施策推進の働き掛け

ステークホルダー評価の変化

顧客からのサプライチェーンにおける脱炭素要求に当社が応えられなかった場合に売上が減少する。また、ESG投資の拡大による資金調達への影響が想定される。

中期

・顧客の環境調達規程を充足する当社の環境活動の推進・加速

・ステークホルダーへの積極的な環境情報開示と、相互理解のためにコミュニケーション促進

・環境目標への達成進捗を役員の評価に追加

物理
リスク

異常気象による
災害の増加

異常気象による災害の増加により、自社拠点およびサプライヤ拠点が罹災する。復旧までの期間の売上が減少し、復旧費用が必要となる。

中長期

・BCMに基づき、拠点別のリスク評価および対応策を実施済み

・現在ハザードマップ外にある拠点を含めた継続的な情報収集

・継続した分散調達および代替品の検討・準備

 

 

<機会に対する財務影響および対応策>

 

カテゴリ

想定される財務影響

期間

対応策

資源の効率利用

事業所、生産拠点における資源(エネルギー、水)の効率利用が進みコストが削減される。

短期

・投資効果を考慮した計画的な省エネ施策の実施

・水リサイクル率35%を目標とした水の効率的使用の推進

・PPAの活用拠点の拡大

低炭素
排出商品・
サービス

xEV
ソリューション
市場拡大

自動車部門での脱炭素化が進展し、xEV用ソリューション市場が拡大する。

 

短中期

・BMS向け製品の開発加速・低電力化

・製品レパートリーの拡充

・顧客の開発期間を短縮する開発キットの提供

・製品ポートフォリオの充実

・AD/ADAS向け製品の開発加速、高機能・高性能化

産業用
ソリューション
市場拡大

 

産業・インフラ・IoT部門での脱炭素化が進展し、関連する産業用ソリューション市場が拡大する。

短中期

・DDR5と以降のDDRメモリ規格に準拠した製品の開発加速、低電力・低負荷化

・5G向けミリ波ビームフォーマー・ソリューションの開発加速、低消費電力・高効率化

・FA向け製品、BA向け製品の開発加速、高機能化、RF機能強化

・IGBTの開発加速と先端プロセスによる高効率化および生産能力増強

・次世代パワー半導体の採用の加速

顧客の嗜好、
関心の変化への対応

気候変動に伴う顧客の関心の変化(エネルギー効率化、IoT、センサ、高度気象予報など)に対応することで売上が拡大する。

短中長期

・低消費電力製品やエネルギー効率を改善するソリューション提供に向けた製品開発の促進、及び研究開発への注力

・製品レパートリーの拡充、高速・高機能・高効率化

新市場
への進出

 

新規事業

既存事業で培った技術の低炭素社会における新産業への転用

短中期

・自動車/産業・IoT分野製品のセキュリティ強化

新興国市場

脱炭素ニーズの広がりによりIGBT、5G向けミリ波ビームフォーマー・ソリューションの新興国向け売上げが拡大する。

短中期

・新興国市場への拡販推進、IGBTの高性能・高効率

 

 

シナリオ分析の前提や対応策の詳細については、当社サステナビリティサイト/TCFD提言への対応https://www.renesas.com/jp/ja/about/company/sustainability/tcfd)をご参照ください。

 

④ 指標および目標

当社グループの温室効果ガス削減にかかる目標は、次のとおりです。また、これらの削減目標については、SBT (Science Based Target)の認定を取得しております。

· 温室効果ガス排出量(Scope1, Scope2)削減目標:2030年までに38%削減(2021年対比)

· 温室効果ガス排出(Scope1, Scope2)カーボンニュートラル:2050年まで

· 水総使用量売上高原単位目標:2030年までに33%改善(2021年対比)

· グローバル生産拠点水リサイクル率:2030年までに35%を達成

· 廃棄物リサイクル比率:90%(リサイクル量を分子、総廃棄物排出量を分母とした比率)を達成

 

 

*2024年度の実績は、2025年6月下旬発行予定のサステナビリティレポート(https://www.renesas.com/ja/about/sustainability/report2024)にて開示を予定しております。

 

目標の達成に向け、エネルギー消費の多い生産拠点を中心に、国内の電機・電子業界目標や省エネ法におけるエネルギー原単位の削減目標の達成、温室効果ガスの中でも特に環境負荷の高いPFCガスの排出削減および再生可能エネルギーの使用拡大など、様々な活動を継続的に推進しております。

 

また、Scope3についても「Scope 3のCategory 1における温室効果ガス排出量の70%に相当するサプライヤ(生産委託を含みます。)が、科学的根拠のある温室効果ガス削減目標を2026年までに設定」という新たな目標を設定し、サプライチェーン全体の温室効果ガス排出量削減にも努めていきます。

 

詳細は当社サステナビリティサイト「環境活動/環境保全の目標」https://www.renesas.com/jp/ja/about/company/sustainability/protection-goals)、

「環境活動/気候変動への取り組み」

https://www.renesas.com/jp/ja/about/company/sustainability/climate-change)をご参照ください。

 

(2) 人的資本およびダイバーシティに関する取り組み

① 戦略

当社グループは、多様な人材一人ひとりが自分の強みを持ち、能力・スキルを最大限に発揮することのできるよう、ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DE&I:多様性、公平性、包括性)を強化しています。当社グループは、地域や分野を超えたコラボレーションを強化するグローバルな枠組みを構築しています。異なる製品グループや拠点間のコラボレーションを向上させることは、組織やシステムが孤立し、互いに連携が取れていない状況を解消することになり、チームの専門知識を結集するうえで極めて重要です。さらに、人事部門が支援するダイバーシティ・ネットワークを通じて、あらゆるダイバーシティを尊重し、インクルージョンを推進する職場文化を醸成しています。

世界20ヶ国以上の従業員を擁する当社グループの従業員は、国籍、文化、言語、信条、性別、年齢など、幅広いバックグラウンドを有しています。当社グループは、DE&Iを取り入れることが、イノベーションと持続可能な成長を促進するものと信じています。一人ひとりが活躍できる環境を整えることで、グローバルチームにおける個々人の潜在能力を最大限に引き出します。

 

   (a) Renesas Cultureの推進

 当社グループでは、変化の激しいビジネス環境において、全従業員がグローバルに価値を創造していくための指針「ルネサスカルチャー」を2020年に導入しています。当社グループの5つの価値観「Transparent、Agile、Global、Innovative、Entrepreneurial」を体現する人材を育成するために、従業員がそれぞれの強みを伸ばし、可能性を最大限に発揮できるよう支援する人事施策を強化しています。また、従業員が地域や組織の枠を超えて貢献できるような制度も導入しています。

 当社グループでは、「ルネサスカルチャー」を従業員に定着させるため、2020年以降、全従業員を対象としたサーベイを年1回以上実施しています。定期的にサーベイを行うことにより、その進捗状況を把握するとともに、改善すべき重要な点を特定し、そして、CEOによるリーダーシップのもと、より従業員のエンゲージメントを高めるための具体的な行動計画へとつなげております。

 

   (b) グローバルに活躍できるリーダー人材の育成

 当社グループは、会社の成長と安定を確保するため、将来のリーダーを継続的に育成しています。当社グループの戦略は、重要な役割を果たす後継者の育成とキャリアアップを強化するためのリーダーシップ開発に重点を置いています。当社グループ全体で、重要なポジションを特定のうえ、後継者を選抜し、タレントマネジメントを強化するために、それぞれに合った研修計画を策定しています。

 

   (c) 従業員が主体的に学習する仕組み

 日本では、自己啓発支援プログラムにより、100以上のスキルアップコース、専門技術セミナー、語学クラスから選択することで、従業員が自分のキャリアを形成できるようになっております。また、多くの研修プログラムをオンライン化し、遠隔地にいる従業員も受講できるようにするとともに、これまで以上に柔軟に専門的知識を取得できる環境を実現します。

 

   (d) 海外リモートワーク制度の推進

 当社グループでは、海外リモートワーク(RWA)制度を導入しており、従業員が勤務国以外の国で、12ヶ月連続で最大30営業日まで働くことができる環境を提供しております。

 

   (e) 公正な報酬

 当社グループは、従業員が会社の成長への貢献に対して公正かつ衡平な報酬を受けられるよう最善を尽くしています。

 当社グループは、従業員が良好な生活の質を維持できるよう、生活賃金を提供することを約束し、事業を展開している国の生活賃金水準の包括的な見直しを実施する予定です。2025年12月までに、当社グループの報酬が一般的な生活賃金基準を満たしていることを証明できるようにするための戦略的計画を策定する予定です。

 

   (f) 従業員リソースグループ(ERGs)およびダイバーシティ推進グループ(DPGs)の立ち上げ

 当社グループでは、インクルーシブを促進し、ダイバーシティを尊重するために、従業員リソースグループ(ERGs)およびダイバーシティ推進グループ(DPGs)を立ち上げています。当社グループでは、すべての従業員がダイバーシティに関する責任を負っていることを認識するとともに、多様な意見を理解し、尊重するためのオープンな対話を推奨しています。毎年10月には、「ダイバーシティ推進月間」として各種イベントや活動を実施しています。

 当連結会計年度においては、職場における無意識の偏見やジェンダーの固定観念、ウェルビーイングに関する17の意識的なインクルージョンを実践するためのイベントを実施しました。2025年においては、人事のDE&Iチームは、これらのグループに体制・資金・パートナーシップへのアクセスを提供することで、これらのグループに力を与え、自立できるようにします。これにより、これらのグループは、全社におけるDE&Iの優先事項と密接に連携しながら、自らの思い描いた変化を確実に推進できるよう、そのアイデアとイニシアチブを主導します。

 

 

② 指標および目標

当社グループでは、組織・人材の活性化およびダイバーシティの観点から、それぞれ中長期的に目標を定め、管理しております。当社グループの指標および目標ならびに実績は、次のとおりです。

指標および目標

実績(当連結会計年度)

· 取締役会の女性比率        :30%以上

40%

· 新卒採用に占める女性比率(日本) :20%以上

19%

 

 

 詳細は、当社サステナビリティサイト「人材マネジメント/従業員の成長とエンゲージメント」

https://www.renesas.com/jp/ja/about/company/sustainability/engagement)、

「人材マネジメント/ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン」

https://www.renesas.com/jp/ja/about/company/sustainability/diversity)をご参照ください。

 

(3) 人権に関する取り組み

① ガバナンスおよびリスク管理

当社グループは、「ルネサスグループ人権方針」を策定し、グローバルで一体となって人権尊重の取り組みを推進すべく、執行役員兼CHRO(最高人材責任者)を責任者とした人権推進体制のもと、効率的な管理制度を導入し、意思決定プロセスを確保することで、人権の擁護に取り組んでいます。

当社グループは、人権問題に関する懸念事項の報告やエスカレーションについて明確な手続を定めており、取締役会および監査・サステナビリティ委員会がこれを検討する際に人権リスクを考慮します。

当社グループは、従業員その他のステークホルダーが人権、いじめ、ハラスメントを含むコンプライアンスに関する懸念を通報できるホットライン制度を設けています。この独立した第三者が運営するホットラインは、従業員その他のステークホルダーが人権に関する懸念を通報し、それらの懸念が迅速かつ効果的に対処される仕組みとして機能しています。

当社グループは、通報者またはその調査に協力した者に対する報復を固く禁じています。

 

② 戦略ならびに指標および目標

当社グループは、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づく人権デューディリジェンスを毎年実施しております。人権デューディリジェンスにより、当社グループやサプライチェーンにおける潜在的な人権リスクを特定し、その是正に向けた取り組みの検討および実行、さらにモニタリング、情報開示等のプロセスを継続的に推進し、人権尊重の実現に向けた取り組みを進めております。

当社グループでは、人権に関する国内外の動向調査、人権関連のNGO等の報告書および専門家からの助言等を通じて、当社グループにおける潜在的な人権リスクや配慮すべきステークホルダーを特定し、当社グループ内やサプライチェーン上において重点的に取り組むべきと考えられる人権課題として以下の6項目を設定しております。

(1) 労働安全衛生

(2) 児童労働・強制労働の禁止(子どもの権利に対する方針)

(3) 労働時間

(4) 責任ある鉱物調達

(5) 結社の自由(労使関係)

(6) 人権教育

当社グループは、これらの重要度が高い課題に対して、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」に則り、リスクの抽出・予防・軽減のため具体的な取り組みを進めていきます。

詳細は、当社サステナビリティサイト「人材マネジメント/人権」

https://www.renesas.com/jp/ja/about/company/sustainability/human-rights)をご参照ください。