2026年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    404名(単体) 930名(連結)
  • 平均年齢
    45.5歳(単体)
  • 平均勤続年数
    11.5年(単体)
  • 平均年収
    9,852,000円(単体)
  • 平均年収の
    対前年増減率
    2.2%(単体)

従業員の状況

人材戦略に関する基本方針等

(1)【人材戦略に関する基本方針等】

①経営戦略と人的資本の関係

当社グループは、「Life-long Ink」のビジョンの下、「かく」という行為を通じて人間と社会にとって意味のある体験をデジタルインク及びハードウェアの技術を通して提供し続けるため、中期経営計画『Wacom Chapter 4』を推進してまいります。4つのユースケース領域(「創る(Creation)」「学ぶ/教える(Learning/Teaching)」「はたらく/たのしむ、その先へ(Work/Play & Beyond)」「より人間らしく生きる(Well-being)」)を軸に、「かく」ことを通じた体験の価値をより高めるため、事業モデルの革新を図っております。

具体的には、以下を成長戦略の柱としております。

・「Pen×Ink×AI」を基盤とした新たな体験価値の創出

・競争力強化と新たな収益基盤確立のための技術開発推進

・サービス型ビジネスの創出による、継続収益型ビジネスの拡大

・ソフトウェア技術を活用した知的財産及びクリエイター支援領域の事業化

これらの戦略の実現は、高度なデジタル・サービス人材の確保及び組織能力の進化に強く依存しており、人的資本は当社グループの競争優位の源泉であります。

このため、当社グループは、事業戦略の実現に必要な「あるべき人材ポートフォリオ」を明確化し、現状とのギャップを踏まえた人的資本投資を通じて、『Wacom Chapter 4』における企業価値向上を推進してまいります。

 

②戦略

a. 人材ポートフォリオ戦略

当社グループは、中期経営計画『Wacom Chapter 4』を推進するため、以下の重点人材領域を定義し、採用・育成・配置の最適化を進めております。

人材領域

役割

インプット技術開発人材

(ハードウェアエンジニア)

EMR、AES、USM、XRにおけるインプット技術イノベーションの推進

AI・データ人材

(ソフトウェアエンジニア)

筆跡データ・時系列データ活用による新サービス創出

DX実装人材

新規事業立上げ・M&A後の統合・実装推進

 

b. 人材育成・リスキリング

経験値を増やし、さらにその経験をもとに新規事業創出や技術開発を進めるため、実践と失敗から学ぶことを大切にし、熱意ある人財を主要プロジェクトに活用、その資産をもって事業の中核を担うべき人材育成に努めております。

Extended Core(ETC)と呼ばれる商品企画チームにおいて、商品企画未経験でも情熱と一定のワコム経験があれば年齢や職責に関わらずリーダーに抜擢し、権限をもって商品開発のリードをアサインします。

喫緊に解決が必要な課題に対してタスクフォースチーム(TFT)が結成されます。入社間もないZ世代でも主要メンバーになります。

コミュニティと共に生き、そして学ぶことを大切にしております。チームメンバーは「Connected Ink(コネクテッド・インク)」イベントに参加し、自らステージで顧客やパートナー企業とプロジェクトの成果を発表したり、ブースを顧客と共に運営することで、事業運営やコミュニティと共に生きることを身をもって体験し、大きく成長する機会となっております。さらに、全てのメンバーは、会社以外のコミュニティと何らかのつながりが必ず存在することを踏まえ、『Wacom Chapter 4』の戦略方向性の一つである、「コミュニティと共に生きる」を実践するために、職場以外での活動、兼業、副業という形態を含めた取り組みもサポートしております。

テクノロジーコミュニティや事業提携先と積極的な人材交流を行い、AIやDX、新規事業創出における専門領域のコミュニティや、その他テクノロジーコミュニティと積極的な人材交流を行い、最新情報に触れる機会を増やすことで、個々のスキル向上を図ります。

社内公募制を導入し、自らのキャリアを考え構築する機会を増やします。

自発的な学びの意欲を尊重し、学びたいときにすぐにアクセスできるE-Learningのプラットフォームを、当社グループ全体で導入し、当社グループに所属しているチームメンバーであれば、国や雇用形態に関わらず、誰でも利用できるように準備しております。

 

c. 組織・カルチャー戦略

当社グループは、事業成長を支える組織基盤として、以下の取組を推進しております。

・多様な人材の活躍促進(ダイバーシティ経営の推進)

「第2 事業の状況 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)人的資本の充実・多様性の確保への対応 ②戦略 a. 性別、国籍、年齢などの個人の属性にとらわれない人財の登用」をご参照ください。

・社内外パートナーとの共創を促進する組織文化の醸成

年に1度、当社グループにおけるパルスサーベイ(エンゲージメントサーベイ)を行い、全従業員のエンゲージメント及び当社グループに対する期待度合いなどを客観的に測っております。パルスサーベイの結果は直ちに取締役会にも共有され、主要な経営課題としてモニタリングされております。直近においては、2026年2月にグローバル全体でパルスサーベイを行いました。「I am excited about Wacom's future」という問いに対し、全回答者の内72%が「Strongly Agree」もしくは「Agree」という結果になりました。さらに、フリーコメントの機会を設けており、そこにはマネジメントからの情報の共有機会の向上、部門間のコミュニケーションの改善、商品・技術ロードマップの共有などのコメントが寄せられております。回答率は62%となっております。

パルスサーベイのKPIは、エンゲージメントスコアの向上だけではなく、できるだけ多くの従業員の声を集めることに重きを置き、回答率70%以上を目指し、引き続きパルスサーベイの施行を続けてまいります。

 

③報酬に関する考え方

当社グループにおける従業員の人事制度は、「Pay for Performance」の方針のもと、各職務における責任と役割、企業経営に対するインパクト、さらにその職務の革新性などをもとに、それぞれの職務にグレードを定め、そのグレードに応じて報酬などの処遇を決定する職務制度を採用しております。当社グループにおいて同様の考え方で職務グレードが定まっており、各事業部門が各リージョンにおいて事業を展開する際の基本的な人事戦略となっております。

a. 報酬水準に関する考え方

各従業員の報酬は、各々が従事する職務グレードに応じて決定します。全ての従業員の報酬は金銭で支払っており、年間の固定報酬と、年度の会社及び個人の業績に応じて変動する変動賞与で構成しております。全報酬金額合計における年間の固定報酬と変動賞与の割合は、職務レベルに応じてそれぞれ固定部分が60%から90%、変動部分が40%から10%となっており、職務レベルが高くなるほど変動部分が増加する仕組みとなっております。

各職務グレードにおける報酬は、外部機関による報酬サーベイや各国政府機関が公表している市場データを参考に、職務グレードごとの中央値を定め、その中央値から20~30%の上下幅をもって、給与レンジを定めており、そのレンジに収まるように報酬を決定します。職務グレードごとに設定する給与レンジは、各リージョンの市場における中央値を上回るように設定することを原則としております。

 

b. 報酬決定に関する考え方

毎年の給与調整においては、その中心的な仕組みとして「Merit Increase(メリット昇給)」を導入しております。本制度は、2015年よりグローバルに展開しており、各地域において共通の考え方に基づき運用しております。

「Merit Increase」は、従業員個々の業績評価結果及び職務グレードごとに設定された給与レンジに対する現在の給与水準(いわゆるCompa Ratio)を踏まえ、個別に昇給率を決定する仕組みであります。これにより、業績への貢献度に応じた処遇の実現と、公平性及び競争力のある報酬水準の確保を図っております。

なお、当社グループにおいては、年齢や勤続年数に基づき一律に賃金が上昇するいわゆる定期昇給制度とは異なり、個々の業績評価に基づき毎年給与の見直しを行うこととしております。また、全従業員を対象に一律に賃金水準を引き上げるベースアップ制度は採用しておらず、あくまで個人の成果を反映した報酬改定を基本方針としております。

昇給率の決定にあたっては、各国・地域の経済状況、物価動向及び当社グループの業績・予算状況等を総合的に勘案し、年度ごとに昇給原資を設定した上で、業績評価結果の分布や給与水準の位置づけに応じたマトリックスを策定し、これに基づき各従業員個別の昇給率を決定しております。

また、同一の業績評価結果においては、給与レンジの下位に位置する従業員に相対的に昇給原資を配分し、レンジ中央値への収斂を図る運用を行っております。これにより、同一職務における給与水準の適正化及び内部均衡の維持を推進しております。

さらに、給与レンジの上限に達している場合であっても、業績及び会社業績等を踏まえて必要に応じた調整を行うことがありますが、業績が不十分な場合には昇給を実施しないこともあります。

以上のとおり、当社グループは個々の成果を重視した報酬制度の運用を通じて、従業員のモチベーション向上及び持続的な企業価値向上を目指しております。

 

(2)【従業員の状況】

①連結会社の状況

 

2026年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

ブランド製品事業

331

(56)

テクノロジーソリューション事業

441

(75)

報告セグメント計

772

(131)

全社(共通)

158

(21)

合計

930

(152)

(注)1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数(契約社員、パートタイマー、派遣社員を含む。)は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。

2.全社(共通)は、特定のセグメントに区分できない管理部門等の従業員数であります。

3.ブランド製品事業の従業員数が前連結会計年度末と比べて120名減少しておりますが、主な要因は、事業構造改革を実施し組織規模の最適化を図ったことによるものであります。

 

②提出会社の状況

 

 

 

 

 

2026年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与

(千円)

平均年間給与の

対前事業年度増減率

(%)

404

(124)

45.5

11.5

9,852

2.2

 

セグメントの名称

従業員数(人)

ブランド製品事業

112

(41)

テクノロジーソリューション事業

210

(68)

報告セグメント計

322

(109)

全社(共通)

82

(15)

合計

404

(124)

(注)1.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除く。)であり、臨時雇用者数(契約社員、パートタイマー、派遣社員を含む。)は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。

2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

3.全社(共通)は、特定のセグメントに区分できない管理部門等の従業員数であります。

4.ブランド製品事業の従業員数が前事業年度末と比べて33名減少しておりますが、主な要因は、事業構造改革を実施し組織規模の最適化を図ったことによるものであります。

 

③労働組合の状況

当社において、労働組合は結成されておりましたが、現在は活動をしておりません。また、一部の連結子会社において、労働組合が結成されております。当社グループにおける労使関係は良好であり、特に記載すべき事項はありません。

 

④男性労働者の育児休業取得率及び男女の賃金の差異

a. 提出会社

2026年3月31日現在

男性労働者の育児休業取得率(%)

(注)1.

男女の賃金の差異(%)

(男性の賃金に対する女性の賃金の割合)

(注)2.3.

全労働者

うち正規雇用労働者

うち非正規雇用労働者

60.0

71.9

79.3

42.1

(注)1.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

2.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

3.短時間勤務労働者については、正規社員の所定労働時間(1日8時間)で換算した人数を基に平均年間賃金を算出しております。

 

b. 連結子会社

連結子会社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループは、中期経営計画『Wacom Chapter4』において、究極の「かく」体験を追求する道具屋として、「かく」ことを支えながら環境負荷を減らすことを掲げており、サステナビリティを巡る課題対応を経営戦略の重要な要素と認識しております。当社ウェブサイトにおいて、当社グループのサステナビリティに関する考え方や取り組み及び人的資本や知的財産への投資等の内容について示しております。

 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)気候変動への対応

 当社グループは、気候変動への対応を重要な経営課題の一つと捉えており、気候変動イニシアティブ(JCI)に参加するとともに気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)に賛同し、2030年度に達成すべきCO2排出量目標を設定し公表しております。

①ガバナンス

 当社グループでは、気候変動をはじめとするサステナビリティ関連の重要課題に関して取締役会が適切に監督・助言を行うため、ESGタスクフォースを設置しております。定期的に開催するESGタスクフォースでは、サステナビリティ関連の具体的な方針や戦略、施策、環境目標への達成状況などを検討し、グループCEO、CFO、環境推進責任者、コンプライアンス リスク コミッティ事務局、IR担当者などが参加しております。ESGタスクフォースで議論された内容のうち、特に経営上のリスクや機会に関わる重要事項については、社外取締役を含む取締役会に年次をベースとして適宜報告を行っております。

 

②戦略

 当社グループでは、ESGタスクフォースにて気候変動関連リスク及び機会の特定・評価に必要なデータやパラメータの収集を行い、事業への影響度の分析を行っております。事業への影響度と対応策の考察・分析にあたっては、国際エネルギー機関(IEA)や気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が公表するシナリオを用い、定性・定量の両面で影響度の評価を実施しております。

 2022年度中に実施したシナリオ分析では、地球温暖化が深刻化する世界(4℃シナリオ)と脱炭素化への移行が活発化する世界(1.5℃シナリオ)の2パターンの仮説に基づき、2030年時点の影響を分析しております。分析の過程においては、当社グループへの直接的影響の中では国内ほか、特に海外拠点における気象災害に伴う洪水被害などの物理的リスクや、当社グループのCO2排出量等も鑑み、カーボンプライシングを始めとした脱炭素化への移行リスクを認識しております。一方で、気候変動対策及び適応を目指した様々な市場動向の変化は、例えば社会全体でペーパーレス化が推し進められた場合など、様々な場面で各種ペンタブレットの需要が増加することが想定され、新しいニーズに対応した製品・サービスの提供を通して事業機会となり得る可能性を認識しております。以上の考察・分析から、気候変動への対応は当社グループのリスクの回避緩和のみならず、社会貢献性という観点でも当社グループの重要な課題の一つとして捉えており、気候関連課題への対応の企業戦略への統合を通して、その取り組みの推進に努めてまいります。なお、より詳細な分析内容については、当社ウェブサイトにて情報開示を行っております。

 

③リスク管理

 当社グループにおける気候変動リスクの管理体制は、グループCEOを委員長としたコンプライアンス リスク コミッティにて、その他のリスク管理プロセスに統合し管理しております。コンプライアンス リスク コミッティでは、リスクの発生及び予測されるリスクに重要な変化があった場合、海外子会社を含めた各部門の管理者が当組織に報告することを定めております。気候変動問題リスクの特定・評価はESGタスクフォースが実施しており、当社グループに重大な影響を与え得るリスクについてはコンプライアンス リスク コミッティと共有及び連携の上、最小限に抑えるため適切に管理・監督を行っております。これらの活動はグループCEOから取締役会へ定期的に報告を行っております。

 

④指標と目標

 当社グループでの気候変動への対応については、気候変動イニシアティブに参加するとともに、2050年のカーボンニュートラルの達成に向けて、中間目標として2030年度に達成すべきCO2排出量目標を設定し公表しております。これまで日本のみを対象として2014年度を基準年とし、2030年までにCO2排出量を48%削減することを目標としておりましたが、2024年4月に、グローバル全体を対象として2021年度を基準年とし、2030年までにGHG Scope 1,2を80%削減しScope 3を25%削減する目標に修正しております。この目標は、パリ協定が定める目標に科学的に整合する温室効果ガスの排出削減目標「SBT(Science Based Targets)」基準の1.5℃水準に整合していると評価され、SBT短期目標の認定をSBTi(Science Based Targets initiative)から取得しました(2024年10月1日)。

 

 当社グループでの温室効果ガス排出量や具体的なCO2排出量削減活動については当社ウェブサイトにて開示しており、その進捗や外部要請の変化に合わせて、随時更新を行っております。

 

(2)人的資本の充実・多様性の確保への対応

 当社グループは、「人間にとって意味のある体験」を届ける道具屋として、自身が自ら解き放たれ、自分自身に正直に生き、自分史上最高のパフォーマンスでお客様やコミュニティと共創を重ねていく。そのような環境を作ることを大事にしております。多様性を重んじることは最も重要、かつ基本施策の一つであり、各地域における文化を尊重しながら、究極にまで個に寄り添いながら、一人ひとりの成長を支援する施策を行っております。

①ガバナンス

 人的資本に関するガバナンス体制は、グループCEOが議長を務め、当社及び海外子会社におけるヒューマン リソーシズのヘッド、及び主要なビジネス部門を担当するHRビジネスパートナーから構成されるHRコアチーム(日本人2名、アメリカ人1名、中国人1名、ドイツ人1名の計5名によって構成)により、当社グループにおける主要な人事施策について議論し、実施しております。重要な組織改編や人事異動、主要な人事施策の導入や変更については、HRコアチームによってヒューマン リソーシズ コミッティを開催、議論、決議ののち、随時取締役会に報告し、助言や監督を受けながら実行しております。

 

②戦略

a. 性別、国籍、年齢などの個人の属性にとらわれない人財の登用

 当社グループでは、1,000名弱ほどのチームメンバーが世界中で活躍しておりますが、そのうち、半数のメンバーは国外のグループ法人での雇用となっており、それぞれ現地におけるリーダーシップの下、各国の文化やビジネスの特性を生かす形で業務に従事しております。主要な経営ポジションにおいても、性別、国籍、年齢などにとらわれず、そのミッションを遂行することへの熱意と実力を最も重要視した形で登用を行っております。また、主要な事業分野において執行の責任者を定め、事業運営に携わっております。有価証券報告書提出日現在、執行の責任者は、Corporate Managing Directorsと呼ばれ、10名で構成されており、グループCEOを含む取締役3名のほか、外国人2名(そのうち1名は女性)、日本人女性1名を含んでおります。多様な視点を取り入れ、様々なコミュニティに対し、「かく」という体験を新しい価値として届ける体制を整えております。なお、2026年3月期において、当社グループの管理職における女性の割合は23.2%となっております。

 

b. 時間と場所の制約からの開放

 当社グループでは、全ての地域において、各国の労働基準法を遵守する範囲において、勤務場所を自由に選べる仕組みを整えております。オフィスへの出社は必須ではなく、個人の裁量に委ねており、勤務時間においても、フレックスを基本としております。さらに、日本においてはコアタイムなしのスーパーフレックスを導入しており、始業や終業の時間も個々の裁量、及び仕事の都合で自由に設定できるようにしております。各国の労働基準法が許す限り、同様の働き方を導入している地域も多く、時間と場所という制約を取り除き、個々のライフスタイルに合わせた働き方ができる環境を整え、自由な発想が生まれる風土を作っております。

 

c. よりよく生きる – 健康経営の実践

 スーパーフレックスや時短勤務制度を利用し、家庭と仕事の両立を図りながら、キャリアブレイクを作らず業務復帰するチームメンバーが多く活躍しております。2026年3月期において、当社における男性の育児休業取得率は60%となっており、有給休暇を利用して産前産後の育児参加をする男性チームメンバーも多数存在しております。また、2026年3月期において、女性が産前産後休業を経て、育児休業から復帰する割合は100%となっております。復職にあたっては、ヒューマン リソーシズや該当する部門の上長が、復職するメンバーの状況をヒアリングし、無理のない復職プランをサポートしております。一方、自由に働く場所を選べることにより、高齢の御両親の介護のために、実家に戻り、そこから勤務を続けるチームメンバーが、日本のみならず、各国に存在しております。可能な限り、仕事を続けられる環境を作ることを大切にし、制度を整え、周辺の理解を得られるような風土作りをしております。

 さらに、当社においては、健康経営を重視しており、産業医による月2回の健康相談の開催、健康相談アプリの導入、年に1度行うストレスチェックの結果を経営陣と共有し、常に健全な状態を継続できるよう努めております。

 

 

 

③リスク管理

 究極の「かく」体験を追求する道具屋として、その価値の土台は高い技術力によって支えられております。様々な技術革新を生み出す技術者の育成、確保が最も重要と考え、人財育成に注力しておりますが、育成期間がかかることがあり、さらに優れた人財確保、リテンション(維持・保持)に際し、将来的に人財コストが上昇するリスクがあります。

 さらに、年に1度、「Wacom Code of Ethics and Business Conduct(ワコム倫理・行動規範)」のリフレッシュトレーニングを行っており、職場における倫理規定を改めて理解しなおす機会を設けております。毎年当社グループにおいて、90%以上のチームメンバーがトレーニングを修了します。なお、問題が発生した場合、速やかに、そして匿名でも声を上げられるように、リスクホットラインの仕組みをグループ共通で整えており、柔軟性とスピード感をもって対応しております。

 また、グループCEOと全てのチームメンバーが直接対話できるオフィス環境作りと、ヒューマン リソーシズや部門長が、細やかに一人ひとりに寄り添い、丁寧に話を聞いて問題解決に取り組む風土作りを続けております。

 

④指標と目標

 中期経営計画『Wacom Chapter 4』において、現在の事業展開に加え、サービス型事業の強化や軸となる4つのユースケースを中心とした事業を推進するにあたり、さらなる人材の多様化が求められると認識しております。

 上述の「②戦略 a. 性別、国籍、年齢などの個人の属性にとらわれない人財の登用」で明記したとおり、現在、当社グループにおける女性管理職の割合は23.2%となっておりますが、当社グループではこの比率を、『Wacom Chapter 4』の終了までに、30%に引き上げる目標を設定します。これは、今後の事業展開によってアプローチすべき顧客層やユーザーの方々の多様性の深化に対応する組織体制を考える中で、自ずと女性リーダーの登用が重要な施策となること、さらに現時点の女性管理職の比率を鑑みて、目標比率が現実的な数値であることなどを踏まえ、今回改めて女性管理職比率30%を目標に掲げることがふさわしいという判断によるものであります。

 外見的な属性だけにとらわれない、真の意味での多様性の確保と、チームメンバーがやりがいを感じながら持てる力を存分に発揮できるような風土を醸成することが究極の目標であることは今後も変わりませんが、事業推進を牽引する人材の育成に引き続き注力してまいります。